JP3459883B2 - ダイヤモンドビット用特殊シャンク - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、建築工事、改修工
事、等に使用されるダイヤモンドビット用特殊シャンク
に関する。 【０００２】 【０００３】【従来の技術】 従来より使用されているノンコアータイ
プダイヤモンドビットには、ダイヤモンドビットシャン
ク部とシャンク本体部に別れる分離タイプと、シャンク
部とダイヤモンドが一体化したタイプがある。特徴とし
ては、ダイヤモンドとシャンク部が一体化した商品は、
ダイヤモンド部が磨耗して無くなると、シャンクごと捨
てる事になり非常に無駄である。それに比べ、分離タイ
プは、ダイヤモンドが磨耗して無くなっても、ダイヤモ
ンドビットシャンク部を取り外すことによって、ダイヤ
モンドビット部のみを交換できるため、原価の低減につ
ながっている。 【０００４】しかし、一体化タイプも分離型タイプも一
般にノンコアータイプと称して販売されているが、現状
のダイヤモンドビットは、回転軸のシャンクの中心部と
ダイヤモンドビットの中心部に冷却剤を供給する開口部
が設けられている。そのため、小さなコアーが発生し冷
却剤供給口を詰まらせるトラブルが頻繁に発生する。更
に分離タイプは、数を穿孔すると、細径、太径のサイズ
に関係なくシャンク部本体の雌ネジ連結部が磨耗し、も
げてしまう等のトラブルも発生している。 【発明が解決しようとする課題】 【０００５】現在のコアー詰まりの回避方法としては、
冷却剤供給口をダイヤモンドビットの回転軸よりずらし
て開口し、回転時、冷却剤供給口を偏心させる事が知ら
れている。しかし、穿孔径が５¢くらいの細径になる
と、シャンク径が４¢と非常に細くなる。穿孔有効長も
１００ｍｍくらいが必要であるため、冷却剤の供給口
を、ずらしながら、尚且つ１００ｍｍもの開孔部を設け
ることは、非常に高度な技術が必要となり、あまり現実
的な方法ではない。 【０００６】又、現在の分離タイプについては、ダイヤ
モンドビット部シャンクのかんごうが雄状ネジで、シャ
ンク部本体が雌状ネジであるため、ダイヤモンドビット
部シャンクの雄状ネジの中に、冷却剤供給口を設ける事
になり、非常に加工が困難となる。又、設けたとして
も、雄ネジ中に加工するため、偏心率が小さく効果が得
られないなどの問題となる。このような問題点を解決
し、如何に細径のシャンクに偏心率の高い開口部を設け
るかが大きな課題である。 【０００７】更に、ダイヤモンドビット部のもげである
が、この問題は、ノンコアータイプ、コアータイプに関
係無く同じように発生している。現状、６．５¢のサイ
ズの事例であるが、約３００穴〜４００穴くらいの穿孔
で、シャンク部本体の雌状ネジが痩せてもげが発生して
いる。このようなトラブルがダイヤモンドビットのロス
と作業時間の大きなロスにつながっている。又、この現
象も大きな課題である。 【０００８】 【課題を解決するための手段】前記課題における解決手
段は、ダイヤモンドビット部シャンクとシャンク部本体
とを分離可能に連結してなるノンコアー型のダイヤモン
ドビット用特殊シャンクにおいて、ダイヤモンドビット
部シャンクには、雌状嵌合部が形成され、シャンク部本
体には、雌状嵌合部に嵌合する雄状嵌合部が形成され、
ダイヤモンドビット部シャンクには、雌状嵌合部の内部
に連通すると共に偏心した冷却剤供給口が形成されてい
ることを特徴とするダイヤモンドビット用特殊シャンク
である。この構成においては、分離型シャンクの嵌合を
逆転させ、ダイヤモンドビット部シャンクを雌状嵌合に
加工し、シャンク部本体を雄状嵌合に加工する事であ
る。この手段によってダイヤモンドビット部の雌状嵌合
部内径を大きな径状に加工する事ができ、ダイヤモンド
ビット部シャンクの可能な限り外周部に冷却剤供給口の
開口部を設けることが可能となる。更に、もげの問題に
ついても、従来、雌状嵌合で穿孔穴壁面、ノロにさらさ
れ磨耗していたシャンク部本体の嵌合部が雄状嵌合部と
なるため、ダイヤモンドビット部の雌状嵌合部に保護さ
れ、磨耗による強度低下が避けられる。尚、ダイヤモン
ドビット部の雌状嵌合部は、一つのビットで約６０穴穿
孔毎に使い捨てになるため、磨耗による強度低下の問題
は発生しない。 【０００９】【発明の実施の形態】 図１にダイヤモンドビット用特殊
シャンク全体の構成を斜視図で示す。個々のパーツはダ
イヤモンドビット部シャンク１と、シャンク部本体２と
に加工する。図４はダイヤモンドビット部シャンク１と
シャンク部本体２の嵌合部断面図であり、冷却剤供給口
３を最大限外周部に開口したところを示す。 【００１０】１：本発明による分離型ダイヤモンドビッ
トを使用し、従来品との詰まりによる穿孔比較をおこな
ってみた。 穿孔対象物 地先境界ブロック 穿孔径 ５¢ 穿孔長 ７０ｍ／ｍ 使用ドリル スーパードリルＯＪ−１システム 使用ビット 本発明品 従来品分離型 穿孔方法 地先境界ブロックに各ビットにより３００穴を穿孔し、
詰まりの発生率を比較する。尚、詰まりが発生した場合
は、クリーニングしながら目的穿孔数に到達するまで穿
孔を行なう。【００１１】２：もげに対する実施例については、実施
工現場に導入したその結果を記載する 本発明品 約１，３００穴穿孔によりシャンク部本体胴
部より破損 従来品 約３００穴穿孔によりシャンク部本体の雌ネ
ジ部より破損 【００１２】【発明の効果】 １．ダイヤモンドビット部シャンクを雌
状嵌合加工し、シャンク部本体を雄状嵌合加工すること
によって、冷却剤供給口を最大限外周部に設けることが
出来、大きな偏心率を得る事が出来た。 ２．ダイヤモンドビット部シャンクを雌状嵌合加工し、
シャンク部本体を雄状嵌合加工することによって、嵌合
部の磨耗による連結強度の低下が発生しなくなり、シャ
ンク部本体の寿命が延びた。 ３．ダイヤモンドビット部シャンクを雌状嵌合加工し、
シャンク部本体を雄状嵌合加工することによって、冷却
剤供給口を外周部に設けることが出来、詰まりトラブル
が無くなり、シャンク部本体の寿命を延ばすことが出来
ることによって、作業能率が向上し、原価の低減につな
がる。

【図面の簡単な説明】 【図１】 ダイヤモンドビット用特殊シャンク構成斜視
図 【図２】 シャンク部本体の斜視図 【図３】 ダイヤモンドビット部シャンクの平面図 【図４】 ダイヤモンドビット部シャンクとシャンク部
本体の嵌合部断面図

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 ダイヤモンドビット部シャンクとシャン
   ク部本体とを分離可能に連結してなるノンコアー型のダ
   イヤモンドビット用特殊シャンクにおいて、 前記ダイヤモンドビット部シャンクには、雌状嵌合部が
   形成され、前記シャンク部本体には、前記雌状嵌合部に
   嵌合する雄状嵌合部が形成され、 前記ダイヤモンドビット部シャンクには、前記雌状嵌合
   部の内部に連通すると共に偏心した冷却剤供給口が形成
   されていることを特徴とするダイヤモンドビット用特殊
   シャンク。