JP3458636B2 - 有機金属錯体を用いたオレフィン重合用触媒およびそれを用いたポリオレフィンの製造方法 - Google Patents
有機金属錯体を用いたオレフィン重合用触媒およびそれを用いたポリオレフィンの製造方法Info
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Description
いたオレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法
に関するものである。詳しくは、特定の構造を有する有
機金属錯体を主触媒として用いることにより、工業的に
価値のあるポリオレフィンを効率よく製造する方法に関
するものである。
して有する周期表4族の遷移金属化合物とアルミノキサ
ンを組み合わせて用いた、いわゆる「カミンスキー触
媒」は、オレフィン重合に関して高活性であり、ポリオ
レフィンの製造に有用であることが知られている(特開
昭58−19309号公報など)。
る有機金属錯体を主触媒とするカミンスキー触媒をオレ
フィンの重合に用いると、得られるポリオレフィンは分
子量分布が狭く、組成分布の均一な重合体であることが
知られている。この重合体は、フィルムなどの成形体で
はべたつきが少ないなどの特徴があるものの、押出およ
び金型成形法のような用途においては分子量分布が狭い
ため、その加工に多くのエネルギーを消費するといった
問題点を有しており、べたつきが少ないといった特徴を
保ちつつ、成形加工性に優れたポリオレフィンを製造す
るための触媒の開発が強く求められている。
昭60−35006号公報、特開昭60−35008号
公報などに、2種類以上の有機遷移金属化合物を用いて
オレフィンの重合を行う、幅広い分子量分布を持つポリ
オレフィンの製造方法が記載されている。
る有機遷移金属化合物を主触媒とした触媒系が報告され
ている。例えば、特開平7−126315号公報には、
フルバレンビス[(シクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジメチル]を用いたオレフィン重合触媒およびオレフ
ィンの重合方法について、また、特開平7−23321
1号公報には、1分子中に2つのジルコニウム原子を含
む有機金属錯体[Me2Si(Cp)2](CpZrCl
2)2を主触媒としたオレフィン重合用触媒およびオレフ
ィンの重合方法について開示されている。
的に価値のあるポリオレフィンを効率よく製造すること
が可能な新しいオレフィン重合用触媒を提供すること、
ならびにそれを用いたオレフィンの重合方法を提供する
ことにある。
達成するため鋭意検討の結果、特定の構造を有する有機
遷移金属化合物をオレフィン重合触媒の構成成分として
用い、これを特定の活性化助触媒と組み合わせること
で、工業的に価値のあるポリオレフィンを効率よく製造
できる新しい触媒系を見い出し、本発明を完成するに到
った。
(2)または(3)
っていてもよく、Ti、ZrまたはHfから選ばれる遷
移金属原子であり、Cp1,Cp2,Cp3,Cp4は互い
に同じでも異なっていてもよく、遷移金属M1,M2に結
合した炭素数3〜60のヘテロ原子を含んでいてもよい
π結合性環状不飽和炭化水素基を示す。X1,X2は互い
に同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜
20の炭化水素基、ハロゲン原子または周期表16族の
原子を含有する置換基を示す。Y1,Y2は互いに同じで
も異なっていてもよく、炭素数1〜60の炭化水素基、
炭素数1〜20のアルキル化および/またはアリール化
されたシリル基、炭素数1〜20のアルキル化および/
またはアリール化されたシロキシ基であり、Y1はCp1
とCp2を結び、Y2はCp3とCp4を結ぶ架橋基であ
る。a,bはそれぞれ1または2の整数を示し、a,b
が2の場合、対応するY1,Y2は互いに同じでも異なっ
ていてもよい。)のいずれかで表される有機遷移金属化
合物と下記一般式(4)、(5)、(6)または(7) [HL1][B(Ar)4] (4) [AL2 m][B(Ar)4] (5) [D][B(Ar)4] (6) B(Ar)3 (7) (ここで、Hはプロトンであり、Bはホウ素原子または
アルミニウム原子である。L1はルイス塩基、L2はルイ
ス塩基またはシクロペンタジエニル基である。Aはリチ
ウム、鉄または銀から選ばれる金属の陽イオンであり、
Dはカルボニウムカチオンまたはトロピリウムカチオン
である。Arは炭素数6〜20のハロゲン置換アリール
基である。mは0〜2の整数である。)で表される活性
化助触媒、さらに必要に応じて有機アルミニウム化合物
を構成成分とするオレフィン重合用触媒成分、一般式
(1)、(2)または(3)で表される有機遷移金属化
合物と下記一般式(8)および/または(9)
てもよく、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基であ
り、qは2〜60の整数である。)で表される活性化助
触媒、さらに必要に応じて有機アルミニウム化合物を構
成成分とするオレフィン重合用触媒、一般式(1)、
(2)または(3)で表される有機遷移金属化合物と粘
土鉱物、さらに必要に応じて有機アルミニウム化合物を
構成成分とするオレフィン重合用触媒、およびこれらオ
レフィン重合用触媒と必要に応じて有機アルミニウム化
合物を微粒子担体に担持したオレフィン重合用固体触
媒、さらにこのオレフィン重合用固体触媒にオレフィン
を予備重合させることにより形成されるオレフィン重合
用固体触媒を提供するものである。さらに、本発明は前
記重合用触媒を用いてオレフィンの重合を行うことを特
徴とするポリオレフィンの製造方法を提供するものであ
る。
して用いる有機遷移金属化合物は、一般式(1)、
(2)または(3)に示すように1分子中に2つの遷移
金属原子M1,M2を有し、さらにその2つの遷移金属が
架橋部分X1,X2で橋架けしていること、および2つの
遷移金属間にM1−M2結合を有しており、遷移金属の酸
化数が形式上3価であることを特徴とする化合物であ
る。
1,M2は互いに同じでも異なっていてもよく、チタン原
子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子から選ばれ
る周期表4族の遷移金属原子であり、形式上3価の価数
をとっている。Cp1,Cp2,Cp3,Cp4は互いに同
じでも異なっていてもよく、遷移金属M1,M2に結合し
た炭素数3〜60のヘテロ原子を含んでいてもよいπ結
合性環状不飽和炭化水素基を示し、ヘテロ原子は酸素原
子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子であ
る。Cp1,Cp3の具体例としては、シクロペンタジエ
ニル基、インデニル基、およびそれらのメチル基、エチ
ル基、イソプロピル基、tert−ブチル基などのアル
キル置換体、ベンジル基、フェニル基、トリメチルシリ
ル基、ジメチルフェニルシリル基、トリフェニルシリル
基などのシリル置換体、メトキシ基、エトキシ基、イソ
プロポキシル基などのアルコキシ置換体、フェノキシ
基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロ
ピルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ
基などのアミノ置換体などを挙げることができる。Cp
2,Cp4の具体例としては、シクロペンタジエニル基、
インデニル基、フルオレニル基、およびそれらのメチル
基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基な
どのアルキル置換体、ベンジル基、フェニル基、トリメ
チルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、トリフェニ
ルシリル基などのシリル置換体、メトキシ基、エトキシ
基、イソプロポキシル基などのアルコキシ置換体、フェ
ノキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイ
ソプロピルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジル
アミノ基などのアミノ置換体などを挙げることができ
る。X 1,X2は互いに同じでも異なっていてもよく、有
機遷移金属化合物中の2つの遷移金属M1,M2を橋架け
する役割をしている。具体的には水素原子、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基など
の炭化水素基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ
素原子などのハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子などの
周期表16族の原子を挙げることができ、好ましくは水
素原子、塩素原子である。Y1,Y2は互いに同じでも異
なっていてもよく、炭素数1〜60の炭化水素基、炭素
数1〜20のアルキル化および/またはアリール化され
たシリル基、炭素数1〜20のアルキル化および/また
はアリール化されたシロキシ基を示しており、Y1はC
p1とCp2を、Y2はCp3とCp4を架橋する役割を持
つ。Y1,Y2の構造は、下記一般式(10)
いてもよく、炭素原子、ケイ素原子、酸素原子を示す。
R2は互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、tert−ブチル基、フェニル基、ベンジル基
などの炭素数1〜20の炭化水素基、メトキシ基などの
炭素数1〜20のアルコキシ基、トリメチルシリル基な
どの炭素数1〜20のアルキル化および/またはアリー
ル化されたシリル基を示す。dは1〜5の整数であ
る。)の構造をとることが好ましい。Y1,Y2の具体的
な例としては、メチレン、ジメチルメチレン、フェニル
メチルメチレン、ジフェニルメチレン、エチレン、プロ
ピレンなどのアルキレン、ジメチルシランジイル、メチ
ルフェニルシランジイル、ジフェニルシランジイルなど
のアルキル化および/またはアリール化されたシランジ
イル基などを挙げることができる。
く、1または2の整数を示し、aが1の場合、Cp1と
Cp2が1つの架橋部位で架橋されていることを示し、
aが2の場合、Cp1とCp2が2つの架橋部位で架橋
された構造をとることを示している。同じくbが1の場
合、Cp3とCp4が1つの架橋部位で架橋されており、
bが2の場合、Cp3とCp4が2つの架橋部位で架橋さ
れた構造をとることを示している。
は、Angew. Chem. Int. Ed. E
ngl. 25巻、1986年発行、289ページや、
Organometallics 6巻、1987年発
行、897ページに記載されている方法などを利用する
ことで合成することが可能であるが、例えば下記スキー
ムに示すように、遷移金属化合物(12)に2当量のn
−BuLiを作用させた後、遷移金属化合物(13)を
作用させて合成することも可能である。
(3)で示される有機遷移金属化合物の具体的な例とし
て、次に示す化合物を挙げる。
換体、アルコキシ置換体、ジアルキルアミノ置換体など
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
の一つである(B)活性化助触媒とは、本発明の触媒系
の主触媒である有機遷移金属化合物(A)または有機遷
移金属化合物(A)と有機アルミニウム化合物(C)と
の反応混合物と作用もしくは反応することによりオレフ
ィン重合可能な活性種を形成することができる化合物を
示している。さらに、これらの化合物は、該有機遷移金
属化合物の重合活性種を形成した後、生成した活性種に
対して弱く配位または相互作用するものの、該活性種と
は反応しない化合物である。
表されるプロトン酸、一般式(5)で表されるイオン化
イオン性化合物、一般式(6)で表されるルイス酸およ
び一般式(7)で表されるルイス酸性化合物のいずれか
の構造を有する化合物、 [HL1][B(Ar)4] (4) [AL2 m][B(Ar)4] (5) [D][B(Ar)4] (6) B(Ar)3 (7) (ここで、Hはプロトンであり、Bはホウ素原子または
アルミニウム原子である。L1はルイス塩基、L2はルイ
ス塩基またはシクロペンタジエニル基である。Aはリチ
ウム、鉄または銀から選ばれる金属の陽イオンであり、
Dはカルボニウムカチオンまたはトロピリウムカチオン
である。Arは炭素数6〜20のハロゲン置換アリール
基である。mは0〜2の整数である。)または、下記一
般式(8)および/または(9)
てもよく、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基であ
り、qは2〜60の整数である。)で示される化合物、
さらに粘土鉱物を示すことができる。
(6)または(7)で表される化合物である場合、一般
式(4)で表されるプロトン酸の具体例として、ジエチ
ルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート、ジメチルオキソニウムテトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレート、テトラメチレンオキソニウ
ムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ヒ
ドロニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ボレート、トリ−n−ブチルアン
モニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト、ジエチルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)アルミネート、ジメチルオキソニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、テトラ
メチレンオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)アルミネート、ヒドロニウムテトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)アルミネート、N,N−ジメチルア
ニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アル
ミネート、トリ−n−ブチルアンモニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等を挙げるこ
とができる。
化合物としては、具体的にはリチウムテトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等のリチウム
塩、またはそのエーテル錯体、フェロセニウムテトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウ
ムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート
等のフェロセニウム塩、シルバーテトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレート、シルバーテトラキス(ペン
タフルオロフェニル)アルミネート等の銀塩等を挙げる
ことができるが、これらに限定されるものではない。
は、具体的にはトリチルテトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)ボレート、トリチルテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)アルミネート、トロピリウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピリウムテ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等を
挙げることができるが、これらに限定されるものではな
い。
の具体的な例として、トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボラン、トリス(2,3,5,6−テトラフルオロ
フェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−テトラフ
ェニルフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフ
ルオロフェニル)ボラン、フェニルビス(パーフルオロ
フェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロ
フェニル)アルミニウム等が挙げられるが、これらに限
定されるものではない。
成成分である活性化助触媒が、下記一般式(8)および
/または(9)で示される化合物の場合、この化合物は
アルミニウムと酸素の結合を有するアルミニウムオキシ
化合物である。一般式(8)および(9)において、R
1は各々同一でも異なっていてもよく、水素原子、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、tert−ブチル基など
の炭素数1〜20の炭化水素基である。また、qは2〜
60の整数である。
構成成分である活性化助触媒が、粘土鉱物である場合、
そのような粘土鉱物は、一般には、ケイ素イオンに酸素
イオンが配位してできる四面体と、アルミニウム、マグ
ネシウムまたは鉄等のイオンに酸素または水酸化物のイ
オンが配位してできる八面体とから構成される無機高分
子化合物であり、多くの粘土鉱物の骨格構造は電気的に
中性ではなく、表面に正または負の電荷を帯びており、
この負電荷を補償するためにカチオンを有しており、こ
のカチオンは他のカチオンとイオン交換が可能なもので
ある。本発明において用いられる粘土鉱物は、このよう
なカチオン交換能を有するものであり、具体的には、カ
オリナイト、ディッカイト、ハロイサイト等のカオリン
鉱物;モンモリロナイト、ヘクトライト、バイデライ
ト、サポナイト、テニオライト、ソーコナイト等のスメ
クタイト族;白雲母、パラゴナイト、イライト等の雲母
族;バーミキュライト族;マーガライト、クリントナイ
ト等の脆雲母族;ドンバサイト、クッケアイト、クリノ
クロア等の緑泥石族;セピオライト;パリゴルスカイト
などが例示されるが、これらに限定されるものではな
い。これらの粘土鉱物は天然に存在するが、人工合成に
より不純物の少ないものを得ることもでき、本発明にお
いては、ここに示した天然の粘土鉱物および人工合成に
より得られる粘土鉱物が使用可能である。
は、予め化学処理を行うことが好ましい。この化学処理
には、酸,アルカリによる処理、塩類処理および有機化
合物,無機化合物処理による複合体生成などが含まれ
る。酸処理,アルカリ処理は単に不純物を除去すること
の他に、粘土鉱物の結晶構造内の金属カチオンの一部を
溶出させたり、結晶を完全に破壊して非晶質に変えるこ
とができる。この際に用いられる酸としては、塩酸、硫
酸、硝酸、酢酸等のブレンステッド酸が例示され、アル
カリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化カルシウムが好ましく用いられる。
応による複合体の生成では、基本的には結晶構造が破壊
されることはなく、カチオン交換により性状の異なった
新しい粘土化合物にすることが可能である。塩類処理に
おいて用いられる化合物としては、塩化ナトリウム、塩
化カリウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化ア
ルミニウム、塩化鉄、塩化アンモニウム等のイオン性ハ
ロゲン化物;硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アル
ミニウム、硫酸アンモニウム等の硫酸塩;炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩;リン
酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アルミニウム、
リン酸アンモニウム等のリン酸塩などの無機塩および酢
酸ナトリウム、酢酸カリウム、シュウ酸カリウム、クエ
ン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム等の有機酸塩などが
例示される。
有機化合物としては、後述のオニウム塩の他に、トリチ
ルクロライド、トロピリウムブロマイド等の炭素カチオ
ンを生成するような化合物やフェロセニウム塩等の金属
錯体カチオンを生成する錯体化合物が例示される。無機
複合体の合成に用いられる無機化合物としては、水酸化
アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化クロム等の
水酸化物カチオンを生成する金属水酸化物等が例示され
る。
特に好ましくは、粘土鉱物中に存在する交換性カチオン
である金属イオンを特定の有機カチオン成分と交換した
粘土鉱物−有機イオン複合体である変性粘土化合物であ
る。この変性粘土化合物に導入される有機カチオンとし
て、具体的にはブチルアンモニウム、ヘキシルアンモニ
ウム、デシルアンモニウム、ドデシルアンモニウム、ジ
アミルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、N,N
−ジメチルデシルアンモニウム等の脂肪族アンモニウム
カチオン、アニリニウム、N−メチルアニリニウム、
N,N−ジメチルアニリニウム、N−エチルアニリニウ
ム、N,N−ジエチルアニリニウム、ベンジルアンモニ
ウム、トルイジニウム、ジベンジルアンモニウム、トリ
ベンジルアンモニウム、N,N,2,4,6−ペンタメ
チルアニリニウム等の芳香族アンモニウムカチオン等の
アンモニウムイオン、あるいはジメチルオキソニウム、
ジエチルオキソニウム等のオキソニウムイオンなどが例
示されるが、これらに限定されるものではない。これら
の有機カチオンを粘土鉱物中の交換性カチオンと交換さ
せるために、粘土鉱物はこれらの有機カチオンから構成
されるオニウム化合物と反応せしめられる。このオニウ
ム化合物として具体的には、プロピルアミン塩酸塩、イ
ソプロピルアミン塩酸塩、ブチルアミン塩酸塩、ヘキシ
ルアミン塩酸塩、デシルアミン塩酸塩、ドデシルアミン
塩酸塩、ジアミルアミン塩酸塩、トリブチルアミン塩酸
塩、トリアミルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルデシル
アミン塩酸塩、N,N−ジメチルウンデシルアミン塩酸
塩等の脂肪族アミンの塩酸塩、アニリン塩酸塩、N−メ
チルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチルアニリン塩酸
塩、N−エチルアニリン塩酸塩、N,N−ジエチルアニ
リン塩酸塩、o−トルイジン塩酸塩、p−トルイジン塩
酸塩、N−メチル−o−トルイジン塩酸塩、N−メチル
−p−トルイジン塩酸塩、N,N−ジメチル−o−トル
イジン塩酸塩、N,N−ジメチル−p−トルイジン塩酸
塩、ベンジルアミン塩酸塩、ジベンジルアミン塩酸塩、
N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリン塩酸塩等の
芳香族アミンの塩酸塩、あるいは塩酸塩に代えてこれら
のアミン化合物のフッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ
化水素酸塩または硫酸塩などで例示されるアンモニウム
化合物、メチルエーテルの塩酸塩、エチルエーテルの塩
酸塩、フェニルエーテルの塩酸塩等のオキソニウム化合
物が例示されるが、これらに限定されるものではない。
これらのアンモニウム化合物やオキソニウム化合物など
のオニウム化合物のうち、粘土鉱物の変性において好ま
しく用いられるのはアンモニウム化合物であり、さらに
好ましくは芳香族アミンの塩である。
は、予め単離したものを用いてもよいし、粘土鉱物との
反応の際に用いる反応溶媒中において、対応するアミン
化合物、エーテル化合物、スルフィド化合物等のヘテロ
原子を含む化合物と、フッ化水素酸、塩化水素酸、臭化
水素酸、ヨウ化水素酸あるいは硫酸等のプロトン酸とを
接触させたものをそのまま用いてもよい。変性の際の粘
土鉱物とオニウム化合物との反応条件は特に制限はな
く、またその反応量比についても特に制限はないが、粘
土鉱物中に存在するカチオンに対して0.5当量以上の
オニウム化合物と反応させることが好ましく、さらに好
ましくは当量以上である。粘土鉱物は、1種類を単独で
使用しても複数種類を混合して使用してもよく、オニウ
ム化合物も1種類を単独で使用しても複数種類を混合し
て使用してもよい。また、この時用いる反応溶媒として
は、水もしくは極性を有する有機溶媒、具体的にはメチ
ルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類、ア
セトン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、塩化メチレン等が例示
され、これらの溶媒は単独もしくは混合溶媒として用い
ることができる。このうち特に水もしくはアルコールが
好ましく用いられる。
あり、(A)成分、(B)成分と共に用いられる(C)
有機アルミニウム化合物としては、下記一般式(14)
で表される化合物を挙げることができる。
素原子、アミド基、アルコキシド基、炭化水素基を示
し、そのうち少なくとも1つは炭化水素基である。)こ
のような化合物としては、トリメチルアルミニウム、ト
リエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等
を挙げることができる。
と(B)活性化助触媒の比、(A)有機遷移金属化合物
と(C)有機アルミニウム化合物の比に制限はなく、特
に好ましくは、活性化助触媒が一般式(4)、(5)、
(6)または(7)で表される化合物である場合、有機
遷移金属化合物と活性化助触媒のモル比が(A成分):
(B成分)=10:1〜1:1000、特に好ましくは
3:1〜1:100の範囲である。また、(A)有機遷
移金属化合物と(C)有機アルミニウム化合物の比は特
に制限はないが、好ましくは有機遷移金属化合物と有機
アルミニウム化合物の金属原子当たりのモル比が(A成
分):(C成分)=100:1〜1:100000の範
囲であり、特に好ましくは1:1〜1:10000の範
囲である。
は(9)である場合、有機遷移金属化合物と活性化助触
媒のモル比が(A成分):(B成分)=100:1〜
1:1000000、特に好ましくは1:1〜1:10
0000の範囲である。また、(A)有機遷移金属化合
物と(C)有機アルミニウム化合物の比は特に制限はな
いが、好ましくは有機遷移金属化合物と有機アルミニウ
ム化合物の金属原子当たりのモル比が(A成分):(C
成分)=100:1〜1:100000の範囲であり、
特に好ましくは1:1〜1:10000の範囲である。
合、(A)有機遷移金属化合物と(B)活性化助触媒の
比は、有機遷移金属化合物と反応するのに十分な量であ
れば特に制限はないが、有機遷移金属化合物に対する粘
土鉱物中のカチオン量が1〜10000倍モルが好まし
い。1倍モル未満では十分な活性が得られず、1000
0倍モルを越えると触媒当たりの活性が低くなり、ポリ
マー中の灰分除去の必要が生じる。また、(A)有機遷
移金属化合物と(C)有機アルミニウム化合物の量比に
ついても特に制限されないが、好ましくは有機遷移金属
化合物の100000倍モル以下であり、これを越える
量であると脱灰の工程を考慮する必要が生じる。触媒の
安定化および触媒毒の排除の観点を考えあわせると有機
アルミニウム化合物を1〜10000倍モルの範囲で使
用することが特に望ましい。
ら触媒を調製する方法は特に制限はなく、調製の方法と
して、各成分に関して不活性な溶媒中あるいは重合を行
うモノマーを溶媒として用い、混合する方法などを挙げ
ることができる。また、これらの成分を反応させる順番
に関しても特に制限はなく、この処理を行う温度、処理
時間も特に制限はない。
り、1つの錯体内に重合活性を有する2つの遷移金属原
子M1,M2を有していることから、重合条件などの種々
の条件を設定することにより、2つの遷移金属部位の重
合成長反応速度および停止反応速度に変化が生じ、1つ
の分子内に2つの異なる活性点を有する触媒系を形成す
ることが可能な構造を有している。すなわち、本発明の
有機遷移金属化合物を主触媒として用いた重合用触媒を
用いることにより、幅広いおよび/またはマルチモーダ
ルな分子量分布、特にバイモーダルな分子量分布を有す
るポリマーを製造することが可能である。
すなわちスラリー重合、気相重合、高圧重合、溶液重
合、塊状重合のいずれにも使用できる。
らず共重合も意味し、これら重合により得られるポリオ
レフィンは、単独重合体のみならず共重合体も含む意味
で用いられる。さらに、本発明は、これら新規な触媒系
を用いて実質的なポリマー粒子の形成下にポリオレフィ
ンを安定に生産する方法に関する。
フィンで予備重合してなるオレフィン重合用固体触媒の
存在下に、ポリオレフィンを製造すると、得られるポリ
オレフィンは高い嵩密度を有し、ポリオレフィンの反応
器壁への付着などが起こらず、特に気相重合やスラリー
重合で安定な製造が実現される。
て用いられる微粒子固体は、無機担体あるいは有機担体
であり、具体的に無機担体としては、SiO2、Al2O
3、ZrO、B2O3、CaO、ZnO、MgCl2、Ca
Cl2およびこれらを組み合わせたものを用いることが
できる。また有機担体としては、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ1−ブテン、ポリスチレンなどのポリオ
レフィンおよびこれらのポリオレフィンとポリメタクリ
ル酸エチル、ポリエステル、ポリイミドなどの極性ポリ
マーとの混合物であり、あるいは有機担体が共重合組成
を有していてもよい。
限はないが、粒子径が5〜200μ、細孔径は20〜1
00オングストロームであることが好ましい。
成分である(F)有機アルミニウム化合物としては、下
記一般式(15)で表される化合物を挙げることができ
る。
素原子、アミド基、アルコキシド基、炭化水素基を示
し、そのうち少なくとも1つは炭化水素基である。)こ
のような化合物としては、トリメチルアルミニウム、ト
リエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等
を挙げることができる。
成分である(E)オレフィンは特に制限はないが、炭素
数2〜16のα−オレフィンまたは環状オレフィンが好
ましく、具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1−オクテン等のα−オレフィン、ノルボルネ
ン、ノルボルナジエン等の環状オレフィンが挙げられ
る。これらは単独で用いてもよいし、2種以上の混合成
分として用いてもよい。2種以上のオレフィンを用いて
予備重合を行う場合には、逐次あるいは同時に反応系中
に添加し、予備重合を行うことができる。
て予備重合を行う方法に関しては、オレフィン重合用固
体触媒と(E)オレフィンが重合しうる条件であれば特
に限定されない。一般的には、−50〜100℃、好ま
しくは−20〜60℃、より好ましくは−10〜40℃
の温度範囲で、常圧下または加圧下にて実施することが
でき、気相中で処理する場合には流動状況下で、液相中
で処理する場合には攪拌状況下で、十分に接触させるこ
とが好ましい。
る際、2種類以上を用いて重合を行うことも可能であ
る。
でも液相でも行うことができ、特に気相にて行う場合に
は粒子形状の整ったオレフィン重合体を効率よく安定的
に生産することができる。また、重合を液相で行う場
合、用いる溶媒は、一般に用いられている有機溶媒であ
ればいずれでもよく、具体的にはベンゼン、トルエン、
キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等が挙げら
れ、プロピレン、1−ブテン、1−オクテン、1−ヘキ
センなどのオレフィンそれ自身を溶媒として用いること
もできる。
は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−
1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、スチレン
等のα−オレフィン、ブタジエン、1,4−ヘキサジエ
ン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペン
タジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メ
チル−1,6−オクタジエン等の共役および非共役ジエ
ン、シクロブテン等の環状オレフィン等が挙げられ、さ
らに、エチレンとプロピレンとスチレン、エチレンと1
−ヘキセンとスチレン、エチレンとプロピレンとエチリ
デンノルボルネンのように、3種以上の成分を混合して
重合することもできる。
造する上で、重合温度、重合時間、重合圧力、モノマー
濃度などの重合条件について特に制限はないが、重合温
度は−100〜300℃、重合時間は10秒〜20時
間、重合圧力は常圧〜3000kg/cm2Gの範囲で
行うことが好ましい。また、重合時に水素などを用いて
分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ
式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可
能であり、重合条件を変えて2段以上に分けて行うこと
も可能である。また、重合終了後に得られるポリオレフ
ィンは、従来既知の方法により重合溶媒から分離回収さ
れ、乾燥してポリオレフィンを得ることができる。
明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるもの
ではない。
反応に用いた溶媒はすべて予め公知の方法により精製、
乾燥または脱酸素を行った。有機遷移金属化合物の同定
には1H−NMR(日本電子社製 GPX−400型
NMR測定装置)を用いて行った。
KO社製 DSC200)を用い、200℃で5分保持
したサンプルを0℃まで冷却させた後に、10℃/分で
昇温させたときの結晶融解ピークを測定することで算出
した。
[(μ−Cl)Zr(η5−C5H5)]2」の合成1]窒
素気流下、水銀(17.2g)にナトリウム(0.17
g、7.5mmol)小片をゆっくり加え、そのまま室
温で1時間撹拌した。得られた銀色の反応混合物にトル
エン(50ml)を加えた後、ジルコノセンジクロライ
ド(1.46g、5.0mmol)のトルエン溶液(5
0ml)をゆっくり加えた。そのまま室温で終夜撹拌し
た後、7時間還流を行い、黒色の反応混合液を得た。こ
の溶液をセライトを用いて濾過し、得られた濾液の溶媒
を減圧下で留去した。再びトルエンに溶かした後、G4
フィルターを用いて濾過後、わずかに固体が析出するま
で減圧下で溶媒を留去した後、ヘキサンを加え固体を析
出させた。−30℃で終夜放置した後、上澄み液をゆっ
くり除去後、得られた固体を減圧下で乾燥することで、
濃い紫色の固体(0.50g)を得た。
測定したところ δ(C6D6)=3.98(pseudotriplet、4H) 4.94(pseudotriplet、4H) 5.58(s、10H) であることから、(μ−η5:η5−C10H8)[(μ−
Cl)Zr(η5−C5H5)]2あると同定された。
[(μ−Cl)Zr(η5−C5H5)]2」の合成2]窒
素気流下、−78℃に冷却したジルコノセンジクロライ
ド(2.14g、7.3mmol)のTHF溶液(50
ml)に、n−BuLiの1.60mol/lのヘキサ
ン溶液(9.1ml、14.6mmol)をゆっくり加
えた。−78℃で2時間撹拌した後、この反応溶液にジ
ルコノセンジクロライド(2.14g、7.3mmo
l)のTHF溶液(50ml)をゆっくり加えた。その
まま、ゆっくりと室温まで昇温した後、さらに室温で終
夜撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去した後、
残査をトルエンで抽出した。わずかに固体が析出するま
で減圧下で溶媒を留去した後、ヘキサンを加え、固体を
析出させた。−30℃で終夜放置した後、上澄み液をゆ
っくり除去後、得られた暗赤色の固体を減圧下で乾燥す
ることで、暗赤色の固体(1.83g)を得た。
を測定したところ δ(C6D6)=3.98(pseudotriplet、4H) 4.94(pseudotriplet、4H) 5.58(s、10H) であり、これは参考例1のスペクトルと一致し、(μ−
η5:η5−C10H8)[(μ−Cl)Zr(η5−C
5H5)]2であると同定された。
ルアルミノキサン(東ソー・アクゾ(株)製、分子量1
121)をアルミニウム原子換算で10mmol、およ
び上述の参考例2で得た有機遷移金属化合物(μ−
η5:η5−C10H8)[(μ−Cl)Zr(η5−C
5H5)]2の1.0mmol/lトルエン溶液を1.0
ml(1.0μmol)加えた。オートクレーブに、エ
チレン圧が8kg/cm2Gとなるようにエチレンを供
給しながら80℃で10分間重合を行い、37gのポリ
マーを得た。
ルアルミノキサン(東ソー・アクゾ(株)製、分子量1
121)をアルミニウム原子換算で2.5mmol、お
よび上述の参考例1で得た有機遷移金属化合物(μ−η
5:η5−C10H8)[(μ−Cl)Zr(η5−C
5H5)]2の1.0mmol/lトルエン溶液を0.5
ml(0.5μmol)加えた。オートクレーブに、エ
チレン圧が4kg/cm2Gとなるようにエチレンを供
給しながら80℃で30分間重合を行い、37gのポリ
マーを得た。
mlの1−ヘキセン、メチルアルミノキサン(東ソー・
アクゾ(株)製、分子量1121)をアルミニウム原子
換算で2.5mmol、および上述の参考例1で得た有
機遷移金属化合物(μ−η5:η5−C10H8)[(μ−
Cl)Zr(η5−C5H5)]2の1.0mmol/lト
ルエン溶液を0.5ml(0.5μmol)加えた。オ
ートクレーブに、エチレン圧が4kg/cm2Gとなる
ようにエチレンを供給しながら80℃で30分間重合を
行い、33gのポリマーを得た。得られたポリマーの融
点は124℃であった。
イソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.89mo
l/l)を0.14ml(0.125mmol)、N,
N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオ
ロ)フェニルボレートの1.0mmol/lトルエン溶
液を2.5ml(2.5μmol)、および上述の参考
例1で得た有機遷移金属化合物(μ−η5:η5−C10H
8)[(μ−Cl)Zr(η5−C5H5)]2の1.0m
mol/lトルエン溶液を0.5ml(0.5μmo
l)加えた。オートクレーブに、エチレン圧が4kg/
cm2Gとなるようにエチレンを供給しながら80℃で
30分間重合を行い、31gのポリマーを得た。
mlの1−ヘキセン、トリイソブチルアルミニウムのト
ルエン溶液(0.89mol/l)を0.14ml
(0.125mmol)、N,N−ジメチルアニリニウ
ムテトラキス(ペンタフルオロ)フェニルボレートの
1.0mmol/lトルエン溶液を2.5ml(2.5
μmol)、および上述の参考例1で得た有機遷移金属
化合物(μ−η5:η5−C10H8)[(μ−Cl)Zr
(η5−C5H5)]2の1.0mmol/lトルエン溶液
を0.5ml(0.5μmol)加えた。オートクレー
ブに、エチレン圧が4kg/cm2Gとなるようにエチ
レンを供給しながら80℃で30分間重合を行い、27
gのポリマーを得た。得られたポリマーの融点は122
℃であった。
モリロナイト5.0g(商品名 クニピア、クニミネ工
業社製)を十分に脱気した水1lに分散させた懸濁液
に、N,N−ジメチルアニリン塩酸塩を1.9g(1
2.1mmol)溶解した水溶液150mlを加えた
後、24時間攪拌した。これを濾過後、水およびエタノ
ールで洗浄し、室温で減圧乾燥し、変性粘土Aを得た。
ンクフラスコに、上記で得た変性粘土A106mgをト
ルエン10mlに懸濁させた後、トリイソブチルアルミ
ニウム(0.89mol/lのトルエン溶液)2.2m
l(2.0mmol)を加え、室温で10分間攪拌し
た。この懸濁液に、参考例1で得た(μ−η5:η5−C
10H8)[(μ−Cl)Zr(η5−C5H5)]2のトル
エン溶液(1.0mmol/l)1.0mlを加え、室
温で20分間攪拌して触媒懸濁液1を得た。
に、1200mlのヘキサン、トリイソブチルアルミニ
ウム(0.89mol/lのトルエン溶液)3.3ml
(3.0mmol)、および上記触媒懸濁液1を加え
た。オートクレーブに、エチレン圧が4kg/cm2G
となるようにエチレンを供給しながら80℃で90分間
重合を行い、5gのポリマーを得た。
に、上記で得た変性粘土A111mgをトルエン10m
lに懸濁させた後、トリイソブチルアルミニウム(0.
89mol/lのトルエン溶液)2.2ml(2.0m
mol)を加え、室温で10分間攪拌した。この懸濁液
に、参考例1で得た(μ−η5:η5−C10H8)[(μ
−Cl)Zr(η5−C5H5)]2のトルエン溶液(1.
0mmol/l)1.0mlを加え、室温で20分間攪
拌して触媒懸濁液2を得た。
オートクレーブに、1200mlのヘキサン、15ml
の1−ヘキセン、トリイソブチルアルミニウム(0.8
9mol/lのトルエン溶液)3.3ml(3.0mm
ol)、および上記触媒懸濁液2を加えた。オートクレ
ーブに、エチレン圧が4kg/cm2Gとなるようにエ
チレンを供給しながら80℃で90分間重合を行い、3
gのポリマーを得た。得られたポリマーの融点は123
℃であった。
合成ヘクトライト(商品名 ラポナイト、日本シリカ工
業社製)を用いた以外は実施例6と同様の方法により変
性粘土Bを調製した。
は実施例6と同様の方法により触媒懸濁液3の調製を行
った。
に、1200mlのヘキサン、トリイソブチルアルミニ
ウム(0.89mol/lのトルエン溶液)3.3ml
(3.0mmol)、および上記触媒懸濁液3を加え
た。オートクレーブに、エチレン圧が4kg/cm2G
となるようにエチレンを供給しながら80℃で90分間
重合を行い、58gのポリマーを得た。
方法により触媒懸濁液4の調製を行った。
オートクレーブに、1200mlのヘキサン、15ml
の1−ヘキセン、トリイソブチルアルミニウム(0.8
9mol/lのトルエン溶液)3.3ml(3.0mm
ol)、および上記触媒懸濁液4を加えた。オートクレ
ーブに、エチレン圧が4kg/cm2Gとなるようにエ
チレンを供給しながら80℃で90分間重合を行い、3
9gのポリマーを得た。得られたポリマーの融点は12
3℃であった。
たオレフィン重合用触媒は、オレフィン重合に対して極
めて有効であり、本触媒をオレフィン重合用触媒として
用いることで、工業的に有用なオレフィン重合体を効率
よく製造することが可能である。
Claims (9)
- 【請求項1】(A)下記一般式(1)、(2)または
(3) 【化1】 (ここで、M1,M2は互いに同じでも異なっていてもよ
く、Ti、ZrまたはHfから選ばれる遷移金属原子で
あり、Cp1,Cp2,Cp3,Cp4は互いに同じでも異
なっていてもよく、遷移金属M1,M2に結合した炭素数
3〜60のヘテロ原子を含んでいてもよいπ結合性環状
不飽和炭化水素基を示す。X1,X2は互いに同じでも異
なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜20の炭化水
素基、ハロゲン原子または周期表16族の原子を含有す
る置換基を示す。Y1,Y2は互いに同じでも異なってい
てもよく、炭素数1〜60の炭化水素基、炭素数1〜2
0のアルキル化および/またはアリール化されたシリル
基、炭素数1〜20のアルキル化および/またはアリー
ル化されたシロキシ基であり、Y1はCp1とCp2を結
び、Y2はCp3とCp4を結ぶ架橋基である。a,bは
それぞれ1または2の整数を示し、a,bが2の場合、
対応するY1,Y2は互いに同じでも異なっていてもよ
い。)で表される有機遷移金属化合物および (B)活性化助触媒を構成成分とするオレフィン重合用
触媒。 - 【請求項2】(A)有機遷移金属化合物、(B)活性化
助触媒および(C)有機アルミニウム化合物を構成成分
とすることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン重
合用触媒。 - 【請求項3】(B)活性化助触媒が、下記一般式
(4)、(5)、(6)または(7) [HL1][B(Ar)4] (4) [AL2 m][B(Ar)4] (5) [D][B(Ar)4] (6) B(Ar)3 (7) (ここで、Hはプロトンであり、Bはホウ素原子または
アルミニウム原子である。L1はルイス塩基、L2はルイ
ス塩基またはシクロペンタジエニル基である。Aはリチ
ウム、鉄または銀から選ばれる金属の陽イオンであり、
Dはカルボニウムカチオンまたはトロピリウムカチオン
である。Arは炭素数6〜20のハロゲン置換アリール
基である。mは0〜2の整数である。)で表される化合
物であることを特徴とする請求項1または2に記載のオ
レフィン重合用触媒。 - 【請求項4】(B)活性化助触媒が、下記一般式(8)
および/または(9) 【化2】 (但し、R1は互いに同じでも異なっていてもよく、水
素原子、炭素数1〜20の炭化水素基であり、qは2〜
60の整数である。)で表される化合物であることを特
徴とする請求項1または2に記載のオレフィン重合用触
媒。 - 【請求項5】(B)活性化助触媒が、粘土鉱物であるこ
とを特徴とする請求項1または2に記載のオレフィン重
合用触媒。 - 【請求項6】請求項1または2に記載のオレフィン重合
用触媒成分を(D)微粒子担体に担持してなることを特
徴とするオレフィン重合用固体触媒。 - 【請求項7】請求項6に記載のオレフィン重合用固体触
媒に、(E)オレフィンを予備重合させることにより形
成されるオレフィン重合用固体触媒。 - 【請求項8】請求項6または7に記載のオレフィン重合
用固体触媒と(F)有機アルミニウム化合物からなるこ
とを特徴とするオレフィン重合用固体触媒。 - 【請求項9】請求項1ないし8に記載の重合用触媒を用
いて、オレフィンの重合を行うことを特徴とするポリオ
レフィンの製造方法。
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JP3597296 | 1996-02-23 | ||
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JPH09286814A JPH09286814A (ja) | 1997-11-04 |
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1997
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Chemical Abstracts,1991年 9月23日,第115巻 第12号,要約番号115144 |
Neftehimiya,1991年,第31巻 第2号,209−220頁 |
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