JP3458425B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

Info

Publication number
JP3458425B2
JP3458425B2 JP27685293A JP27685293A JP3458425B2 JP 3458425 B2 JP3458425 B2 JP 3458425B2 JP 27685293 A JP27685293 A JP 27685293A JP 27685293 A JP27685293 A JP 27685293A JP 3458425 B2 JP3458425 B2 JP 3458425B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
fuel ratio
ratio sensor
control
sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27685293A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07127502A (ja
Inventor
寿浩 鈴村
山下  幸宏
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP27685293A priority Critical patent/JP3458425B2/ja
Publication of JPH07127502A publication Critical patent/JPH07127502A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3458425B2 publication Critical patent/JP3458425B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関への燃料供給
量を制御することにより同内燃機関への混合気の空燃比
を目標空燃比に制御する空燃比制御装置に関するもので
ある。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の空燃比制御装置として、
例えば特開平5−52140号公報がある。この公報に
よれば、空燃比センサの半暖機状態をセンサ温度から検
出し、空燃比センサが半暖機状態にある(センサ温度が
約400℃)と検出されると、比例・積分制御処理によ
り空燃比フィードバック制御を行うようにしている。ま
た、半暖機状態から暖機状態(センサ温度が約630
℃)になると現代制御処理によって空燃比フィードバッ
ク制御を行うようにしている。 【0003】現代制御処理による空燃比フィードバック
制御は空燃比を決定する内燃機関の動的なモデルに基づ
き現実の空燃比を目標空燃比に制御しており、このモデ
ルは内燃機関への燃料供給量と混合気の空燃比との間に
て正確に成立した動的なモデル関係でもって常に構成さ
れる必要がある。しかしながら、空燃比センサは所定温
度(約630℃)になるまで安定した出力が得られない
ため、この温度になるまでは現代制御処理による空燃比
フィードバック制御が実行できない。そこで、上記の従
来技術では、空燃比センサは所定温度になるまでは安定
した出力は得られないが、空燃比センサの出力である限
界電流のリッチリーン出力が半暖機状態で得られる(但
し、安定していない)ため、この出力に基づいて比例・
積分制御処理による空燃比フィードバック制御を行うよ
うにしている。これにより、空燃比フィードバック制御
を開始する時期を早めるようにしている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においても空燃比センサが所定温度(約400
℃)になるまでは比例・積分制御が実行できないため、
その分空燃比制御が遅れ、エミッションが改善されるま
でには至っていない。本発明は空燃比制御の開始時期を
より早めることのできる内燃機関の空燃比制御装置を提
供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、図1
に示すように作動電圧が印加されていないときには内燃
機関の排出ガスから空燃比がリッチかリーンかのみを検
出し、作動電圧が印加されているときには空燃比を検出
する空燃比センサと、前記空燃比センサに作動電圧を印
加する電圧印加手段と、前記電圧印加手段による前記空
燃比センサへの作動電圧の印加を停止しているときの前
記空燃比センサの出力に基づいて空燃比制御を実行する
第1の空燃比制御実行手段と、前記電圧印加手段により
前記空燃比センサへ作動電圧を印加しているときの前記
空燃比センサの出力に基づいて空燃比制御を実行する第
2の空燃比制御実行手段と、前記空燃比センサから信号
が出力されているかを判定する信号判定手段と、前記空
燃比センサが活性化しているかを判定する活性化判定手
段とを含み、前記信号判定手段により前記空燃比センサ
から信号が出力されていると判定され、かつ、前記活性
化判定手段により前記空燃比センサが活性化していない
と判定されたとき、前記電圧印加手段による前記空燃比
センサへの作動電圧の印加を停止するとともに空燃比制
御手段として前記第1の空燃比制御手段を選択し、前記
活性化判定手段により前記空燃比センサが活性化してい
ると判定されたとき、前記電圧印加手段に前記空燃比セ
ンサへ作動電圧を印加させるとともに空燃比制御手段と
して前記第2の空燃比制御手段を選択する選択手段とを
備えることを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置を提
供する。 【0006】 【作用】空燃比センサは作動電圧が印加されていないと
きには内燃機関の排出ガスから空燃比がリッチかリーン
かのみを検出し、作動電圧が印加されているときには空
燃比を検出する。また、電圧印加手段は前記空燃比セン
サに作動電圧を印加し、第1の空燃比制御実行手段は前
記電圧印加手段による前記空燃比センサへの作動電圧の
印加を停止しているときの前記空燃比センサの出力に基
づいて空燃比制御を実行する。第2の空燃比制御実行手
段は前記電圧印加手段により前記空燃比センサへ作動電
圧を印加しているときの前記空燃比センサの出力に基づ
いて空燃比制御を実行する。 【0007】そして、選択手段は、前記空燃比センサか
ら信号が出力されているかを判定する信号判定手段と、
前記空燃比センサが活性化しているかを判定する活性化
判定手段とを含み、前記信号判定手段により前記空燃比
センサから信号が出力されていると判定され、かつ、前
記活性化判定手段により前記空燃比センサが活性化して
いないと判定されたとき、前記電圧印加手段による前記
空燃比センサへの作動電圧の印加を停止するとともに空
燃比制御手段として前記第1の空燃比制御手段を選択
し、前記活性化判定手段により前記空燃比センサが活性
化していると判定されたとき、前記電圧印加手段に前記
空燃比センサへ作動電圧を印加させるとともに空燃比制
御手段として前記第2の空燃比制御手段を選択する。 【0008】 【実施例】以下、本発明の一実施例を図面により説明す
る。本実施例は空燃比センサからリッチ信号が出力され
るまで(センサ温度が約300℃)はオープン制御を、
リッチ信号が出力されてから空燃比センサの活性化状態
が検出されるまで(センサ温度が約530℃)はスキッ
プ積分制御(以下、本実施例では比例・積分(PI)制
御とする)を、活性化状態が検出されてからは現代制御
によって空燃比制御を行うものである。 【0009】図2は、4気筒4サイクル型火花点火式内
燃機関(エンジン)1の燃料噴射制御システムに本発明
が適用された例を示している。エンジン1は、その作動
下にて、エアクリーナ10を通り吸気管20内に流入す
る空気流をこの吸気管20内のスロットルバルブ20a
およびサージタンク30を通りインテークマニホールド
40内に流入させ、この流入空気流をインテークマニホ
ールド40内に各燃料噴射弁41〜44により噴射され
る燃料タンクからの燃料と混合して混合気を形成し、か
つこの混合気を機関本体50の各気筒の燃焼室内に供給
して各点火プラグ51〜54の点火のもとに燃焼させイ
グゾーストマニホールド60および三元触媒70を通し
排気ガスとして排気管80内に排出する。なお、各点火
プラグ51〜54は、ディストリビュータ90から点火
回路100との協働により配電される高電圧を受けて点
火する。また、三元触媒70はインテークマニホールド
60からの排気ガス中の有害成分(CO,HC,NOx
等)を低減する役割を果たす。 【0010】燃料噴射システムは、回転数センサ110
を有しており、この回転数センサ110は、ディストリ
ビュータ90に配設されて、機関本体50の出力軸の現
実の回転数(エンジン1の現実の回転数に相当する)を
検出し、この検出結果に比例する周波数にてパルス信号
を順次発生する。ただし、回転数センサ110からのパ
ルス信号の発生数は、エンジン1の2回転(即ち、72
0°CA(クランク角))あたり24個である。 【0011】スロットルセンサ120は、スロットルバ
ルブ20aの現実の開度を検出し開度検出信号として発
生する。また、スロットルセンサ120は、アイドルス
イッチをも内蔵しており、このアイドルスイッチはスロ
ットルバルブ20aの全閉時にこれを検出し全閉検出信
号を発生する。負圧センサ130は、吸気管20内のス
ロットルバルブ20aの下流に生ずる現実の負圧を検出
し、負圧検出信号として発生する。 【0012】水温センサ140は、機関本体50の冷却
系統内の現実の冷却水温を検出し、水温検出信号として
発生する。空気温センサ150は吸気管20内のスロッ
トルバルブ20aの上流に流入する空気流の現実の温度
を空気温検出信号として発生する。第1の空燃比センサ
160は、排気管80内の三元触媒70の上流における
排気ガス中の現実の未燃焼酸素濃度を検出し、酸素濃度
検出信号として発生する。 【0013】このとき、この酸素濃度検出信号は機関本
体50に供給される混合気の現実の空燃比λに対しリニ
アな値をとる。第2の空燃比センサ170は、排気管8
0内の三元触媒70の下流における排気ガス中の現実の
未燃焼酸素濃度を検出し酸素濃度検出信号として発生す
る。但し、この第2の空燃比センサ170からの酸素濃
度検出信号は、空燃比λが理論空燃比λ0 に対しリッチ
かリーンであるかを表す。 【0014】マイクロコンピュータ180は、CPU1
81,ROM182,RAM183,バックアップRA
M184,入力ポート185,出力ポート186および
バスライン187等により構成されており、CPU18
1は、回転数センサ110からのパルス信号、スロット
ルセンサ120からの開度検出信号および全閉検出信
号、負圧センサ130からの負圧検出信号、水温センサ
140からの水温検出信号、空気温センサ150からの
空気温検出信号、第1の空燃比センサ160からの酸素
濃度信号ならびに第2の空燃比センサ170からの酸素
濃度検出信号を入力ポート185およびバスライン18
7を通して受け、ROM182,RAM183およびバ
ックアップRAM184内の記憶データをバスライン1
87を通して受けて、コンピュータプログラムを実行
し、この実行中において、バスライン187および出力
ポート186を介し各燃料噴射弁41〜44および点火
回路100を駆動制御するために必要な演算処理を行
う。ただし、上述のコンピュータプログラムはROM1
82内にあらかじめ記憶されている。 【0015】また、マイクロコンピュータ180はバッ
テリBaから供給された電源を第1,第2の空燃比セン
サ160,170に供給するとともに、第1の空燃比セ
ンサ160への電源供給を制御している。詳細は後述す
る。次に、現代制御処理による空燃比制御を行うために
設定されている手法を説明する。 【0016】始めに、制御対象のモデリングについて説
明する。本実施例では、エンジン1の空燃比λを制御す
るシステムのモデルに、無駄時間P=3を有する次数1
の自己回帰移動平均モデルを用い、さらに、外乱dを考
慮して近似している。まず、自己回帰平均モデルを用い
た空燃比λを制御するシステムのモデルは、次の数式1
により近似できる。 【0017】 【数1】 λ(K)=a・λ(K−1)+b・FAF(K−3) 但し、この数式1において、符号FAFはフィードバッ
ク補正係数を表す。また、各符号a,bは定数を表す。
また、符号Kは、最初のサンプリング開始からの制御回
数を示す変数を表す。 【0018】さらに、外乱dを考慮すると、制御システ
ムのモデルは、つぎの数式2で近似できる。 【0019】 【数2】λ(K)=a・λ(K−1)+b・FAF(K
−3)+d(K−1) 以上のようにして近似したモデルに対し、ステップ応答
を用いた回転周期(360°CA(クランク角))サン
プリングで離散化して各定数a,bを定めること、即
ち、空燃比λを制御する系の伝達関数Gを求めることは
容易である。 【0020】次に、状態変数量IXの表示方法(但し、
IXはベクトル量である)について説明する。上述の数
式2を、次の数式3により表示される状態変数量IX
(K)を用いて書き直すと、数式4および数式5のよう
になる。 【0021】 【数3】IX(K)=〔X1(K),X2(K),X3
(K),X4(K)〕T ただし、数式3において、符号Tは、転置行列を示す。 【0022】 【数4】 【0023】 【数5】X1 (K+1)=aX1 (K)+bX2 (K)
+d(k)=λ(K+1) X2 (K+1)=FAF(K−2) X3 (K+1)=FAF(K−1) X4 (K+1)=FAF(K) 次に、レギュレータの設計について説明する。 【0024】上述の数式3〜数式5に基づいてレギュレ
ータ設計すると、フィードバック補正係数は、最適フィ
ードバックゲインIK(ベクトル量を有する)に関する
次の数式6、および状態変数量IX(K)に関する数式
7を用いて数式8のように表せる。 【0025】 【数6】IK=〔K1 ,K2 ,K3 ,K4 〕 【0026】 【数7】IXT (K)=〔λ(K),FAF(K−
3),FAF(K−2),FAF(K−1)〕 【0027】 【数8】FAF(K)=IK・IXT (K) =K1・λ(K)+K2・FAF(K−3)+K3・F
AF(K−2)+K4・(K−1) さらに、この数式8において、誤差を吸収させるための
積分項ZI(K)を加えると、フィードバック補正係数
は、次の数式9によって与えられる。 【0028】 【数9】FAF(K)=K1 ・λ(K)+K2 ・FAF
(K−3)+K3 ・FAF(K−2)+K4 ・FAF
(K−1)+Z1 (K) なお、上述の積分項ZI(K)は、目標空燃比λTGおよ
び現実の空燃比λ(K)間の偏差と積分定数Kaとから
決まる値であって、次の数式10により与えられる。 【0029】 【数10】 ZI(K)=ZI(K−1)+Ka・(λTG−λ
(K)) 図3は、上述のようにモデルを設計した空燃比λの制御
システムのブロック線図を表す。図3において、フィー
ドバック補正係数FAF(K)をFAF(K−1)から
導出するために(1/Z)変換を用いて表示したが、こ
れは過去のフィードバック補正係数FAF(K−1)を
RAM183に記憶しておき、次の制御タイミングで読
み出して用いている。 【0030】また、図3において、一点鎖線で囲まれた
ブロックP1が、空燃比λ(K)を目標空燃比λTGにフ
ィードバック制御している状態にて状態変数量IX
(K)を定める部分であり、ブロックP2が、積分項Z
1 (K)を求める部分(累積部)であり、かつ、ブロッ
クP3が、ブロックP1で定められた状態変数量IX
(K)とブロックP2で求められた積分項Z1 (K)と
から今回のフィードバック補正係数FAF(K)を演算
する部分である。 【0031】次に、最適フィードバックゲインIKおよ
び積分定数Kaの決定について説明する。最適フィード
バックゲインおよび積分定数Kaは、例えば、次の数式
11で示される評価関数Jを最小にすることで設定でき
る。 【0032】 【数11】 【0033】ただし、この数式11において、評価関数
Jは、フィードバック補正係数FAF(K)の動きを制
約しつつ空燃比λ(K)と目標空燃比λTGとの偏差を最
小にすることを意図したものである。また、フィードバ
ック補正係数FAF(K)に対する制約の重み付けは、
重みのパラメータQ,Rの値によって変更できる。従っ
て、重みのパラメータQ,Rの値を種々変えて最適な制
御特性が得られるまでシミュレーションを繰り返して、
最適フィードバックゲインIKおよび積分定数Kaを定
めればよい。 【0034】さらに、最適フィードバックゲインIKお
よび積分定数Kaは、量モデル定数a,bに依存してい
る。従って、現実の空燃比λを制御する系の変動(パラ
メータ変動)に対するシステムの安定性(ロバスト性)
を保証するためには、各モデル定数a,bの変動分を見
込んで最適フィードバックゲインIKおよび積分定数K
aを設定する必要がある。 【0035】よって、シミュレーションは、各モデル定
数a,bの現実に生じうる変動を加味して行い、安定性
を満足する最適フィードバックゲインIKおよび積分定
数Kaを定める。以上、制御対象のモデリング、状態変
数量の表示方法、レギュレータの設計並びに最適フィー
ドバックゲインおよび積分定数の決定について説明した
が、これらは、予め決定されており、本実施例において
は、上述の数式7および数式8のみを用いて燃料噴射制
御システムにおける空燃比制御を行う。 【0036】以上のように構成した本実施例において、
燃料噴射制御システムを作動状態におけば、マイクロコ
ンピュータ180のCPU181が、図4のフローチャ
ートにしたがい、ステップ200にてコンピュータプロ
グラムの実行を開始し、ステップ300にて、エンジン
1の360°CA毎に回転数センサ110から生ずる各
パルス信号に応答し、同回転数センサ110から順次生
ずるパルス信号の周波数に応じて内燃機関1の回転数N
e を演算し、この回転数Ne 、負圧センサ130からの
負圧検出信号の値(以下、負圧PMという)等に基づ
き、インテークマニホールド40内への燃料の基本噴射
量Tp を演算し、コンピュータプログラムを空燃比演算
処理ルーチン400(図5参照)に進める。 【0037】このステップ400にて実行される処理を
示したフローチャートが図5である。ステップ400に
て空燃比演算処理(FAF設定処理)が実行されると、
まず、ステップ401においてフィードバック条件が成
立しているかを判定する。ここで、フィードバック条件
とは、例えば機関本体50の冷却水温が所定水温(20
℃)以上であること等である。 【0038】ここで、フィードバック条件が成立してい
ないときにはステップ402に進む。そして、ステップ
402においてオープン制御を実行する。このオープン
制御処理ルーチンを示したフローチャートが図6であ
る。図6において、オープン制御が実行されると、ステ
ップ409にてフィードバック補正係数FAFをFAF
=1とセットし、次のステップ410にて現代制御未実
施F1をF1=1とセットする。ただし、F1=1は現
代制御以外の制御で空燃比制御が実行されていることを
示している。このようにして、FAF設定ルーチン40
0がステップ410にて終了すると、CPU181が図
4のステップ500にてオープン制御のもとに、次の数
式12に基づき、ステップ300における基本噴射量T
p を補正係数FALLに応じ補正し、これを燃料噴射量
TAUとして設定する。 【0039】 【数12】TAU=FAF・TP ・FALL 一方、図5のステップ401にて、フィードバック条件
が成立していると判定されるとステップ403に進み、
第1の空燃比センサ160が活性化状態(安定した信号
を出力できる温度状態)にあるかを判定する。以下に、
具体的な活性化状態の判定方法を説明する。第1の空燃
比センサ160の活性化状態判定方法として、本実施例
では空燃比センサヒータ抵抗値によるものを採用してい
る。 【0040】図9(a)は素子温に対するヒータ温度の
関係を示したものである。この図において、第1の空燃
比センサ160が活性化する活性化温度(530℃)の
とき、ヒータ温度は600℃〜680℃となる。このば
らつきはヒータ熱効率のばらつきから生じるものであ
る。また、第1の空燃比センサ160のヒータ抵抗の抵
抗値はヒータ温度の上昇とともに大きくなる特性を有し
ている。この特性を示した図が図9(b)である。この
図において、ヒータ抵抗が2.3Ω以上のときはヒータ
温が少なくとも680℃以上となり、第1の空燃比セン
サ160が活性化していることがわかる。 【0041】なお、第1の空燃比センサ160の活性化
判定方法としては、上記方法に限らず、例えば第1の空
燃比センサ160の素子温と1対1の関係にある素子の
インピーダンスを直接測定するものでもよい。以上のよ
うな方法で第1の空燃比センサ160の活性化状態を判
定し、活性化状態でないと判定されるとステップ404
に進む。ステップ404では第1の空燃比センサ160
の素子に印加する電圧を0Vにする。このように印加電
圧を0Vとすることにより、空燃比センサ160は空燃
比がリッチのときに信号を出力するようになる。よっ
て、信号が出力されているときには空燃比がリッチ、信
号が出力されていないときには空燃比がリーンであると
判定することができる。次にステップ405に進み、第
1の空燃比センサ160から信号が出力されているかを
判定する。このとき、エンジン始動後はだいたいにおい
て空燃比はリッチ側に制御されているため、出力信号に
より空燃比のリッチ・リーンを判定できるまで空燃比セ
ンサ160が活性化しているとき(センサ温度が約30
0℃)にはリッチ信号が出力される。 【0042】ここで、空燃比センサ160から信号が出
力されていないときには、ステップ402に進み前述し
たオープン制御によりフィードバック補正係数FAFを
定めてこのルーチンを抜ける。リッチ・リーン信号が出
力されているときにはステップ406に進み、比例・積
分制御(PI制御)処理を実行する。以下、図7に示し
たフローチャートにしたがって、PI制御処理について
説明する。 【0043】ステップ406においてPI制御処理が実
行されると、ステップ422に進む。ステップ422で
は、空燃比がリッチであるかを判断する。本実施例で
は、空燃比センサ160から信号が出力されているとき
は空燃比がリッチであると判断する。ここで、信号が検
出され空燃比がリッチであると判断されるとステップ4
26に進む。ステップ426では前回の検出結果と比較
し、リーンからリッチに反転したか否かを判断する。こ
こで、リーンからリッチに反転したと判断されると、ス
テップ428においてフィードバック補正係数FAF−
α(αはスキップ量)を新たなフィードバック補正係数
FAFとするとともに、リーンからリッチに反転がない
とステップ426で判断されたときにはステップ427
でフィードバック補正係数FAF−β(βは積分量,α
>β)を新たなフィードバック補正係数FAFとする。
そして、ステップ429に進み、現代制御未実施フラグ
F1をF1=1にして、このルーチンを抜ける。その
後、図4のステップ500に進み、数式12に基づいて
ステップ300における基本燃料噴射量TP を、ステッ
プ427またはステップ428において算出されたフィ
ードバック補正係数FAFおよび補正係数FALLに応
じて補正し、これを燃料噴射量TAUと設定する。 【0044】また、ステップ422において、空燃比が
リッチでない、つまりリーンであると検出されたときに
はステップ423に進む。ステップ423では前回の検
出結果と比較してリッチからリーンに反転したか否かを
判断する。リッチからリーンに反転したと判断されると
ステップ424に進む。ステップ424ではフィードバ
ック補正係数FAF+α(αはスキップ量)を新たなフ
ィードバック補正係数FAFとする。ステップ423に
おいて、リッチからリーンへの反転がないと判断された
ときにはステップ425に進み、フィードバック補正係
数FAF−β(βは積分量)を新たなフィードバック補
正係数FAFとする。そして、ステップ429に進み、
現代制御未実施フラグF1をF1=1にして、このルー
チンを抜ける。その後、図4のステップ500に進み、
数式12に基づいてステップ300における基本燃料噴
射量TP を、ステップ424またはステップ425にお
いて算出されたフィードバック補正係数FAFおよび補
正係数FALLに応じて補正し、これを燃料噴射量TA
Uと設定する。 【0045】また、ステップ403において、第1の空
燃比センサ160が活性化状態にあると判定されたとき
にはステップ407に進む。ステップ407では空燃比
を検出する限界電流を出力するための電圧(例えば0.
5V)を第1の空燃比センサ160の素子に印加する。
そして、次にステップ408において現代制御処理を実
行する。この現代制御処理を示したフローチャートが図
8である。以下、このフローチャートにしたがって説明
する。 【0046】ステップ408においてこのフローチャー
トが実行されると、まず、ステップ414においてセン
サ温度に応じた空燃比ガードを設定する。この空燃比ガ
ードは図10に示すように、ある素子温において限界電
流が安定する範囲で空燃比を取り込むようにしている。
詳しくは、空燃比センサ160の素子温が高くなるほど
限界電流が安定するため、空燃比の取り込み範囲を広く
している。次にステップ415において、運転状態に応
じた目標空燃比λTGを設定する。そして、次のステップ
416において現代制御未実施フラグF1がF1=1で
あるかを判定する。つまり、前回の空燃比制御が現代制
御以外の方法で実行されていたかを判定する。ここで、
現代制御未実施フラグF1がF1=1であったとき、次
のステップ417に進み、現代制御処理を実行するため
の初期設定を行う。 【0047】具体的には、まず、ステップ417におい
て最適フィードバックゲインをあらかじめ定めておいた
IKN (1,2,3,4,A)に設定し、次のステップ
418において現代制御未実施フラグF1をF1=0と
する。このとき、最適フィードバックゲインIKN は、
数式11の評価関数Jにおける重みパラメータQの重み
パラメータRに対する比(Q/R)を(1/5)に設定
することにより定められている。さらに、ステップ41
9において、次の数式13に基づいて積分項の初期値Z
I(K−1)を演算する。 【0048】 【数13】ZI(K−1)=FAF(K−1)+K2・
FAF(K−1)+K3・FAF(K−2)+K4・F
AF(K−3)−K1・λ(K) ただし、この数式13において符号λ(K)は空燃比を
表す。また、この数式13は次の数式14より逆演算し
て求めたものである。 【0049】 【数14】FAF(K)=ZI(K)+K1・λ(K)
−K2・FAF(K−1)−K3・FAF(K−2)−
K4・FAF(K−3) ただし、この数式14において、符号FAFはフィード
バック補正係数を表す。 【0050】ステップ419で積分項の初期値ZI(K
−1)を演算したあとはステップ420に進む。また、
ステップ416において現代制御未実施フラグF1がF
1=1でなかったとき、つまり、前回の空燃比制御が現
代制御にて実行されていたときには、ステップ417,
ステップ418,ステップ419を迂回してステップ4
20に進む。ステップ420では数式10に基づいて積
分項ZI(K)を演算する。そして、ステップ421で
数式14に基づいてフィードバック補正係数FAFを演
算する。フィードバック補正係数FAFが算出される
と、図4のステップ500において数式12の基づいて
ステップ300における基本燃料噴射量T p をステップ
421におけるフィードバック補正係数FAFおよび補
正係数FALLに応じて補正し、これを燃料噴射量TA
Uと設定する。 【0051】以上の処理を実行することにより、図11
に示すように、第1の空燃比センサ160の素子温が約
300℃となり、第1の空燃比センサ160からリッチ
・リーン信号が出力されるとオープン制御からPI制御
へと切り換えられるため、より早く空燃比制御を実行す
ることができるようになる。さらに、素子温が約530
℃となり第1の空燃比センサ160が活性化されると、
PI制御から現代制御へと切り換えられ、より正確に空
燃比制御が実行できる。 【0052】なお、本実施例において、ステップ40
4,ステップ407が電圧印加手段に、ステップ406
が第1の空燃比制御実行手段に、ステップ408が第2
の空燃比制御実行手段に、ステップ403,ステップ4
05が選択手段にそれぞれ相当し、機能する。また、上
記実施例においては、活性化状態でなく空燃比センサ1
60から信号が出力されるようになるとPI制御を、活
性化すると現代制御により空燃比制御を行っているが、
これに限ることはなく、例えば空燃比センサが活性化し
てから検出された空燃比に応じてスキップ量または積分
量を変化させるようなPI制御により空燃比制御を実行
するようにしてもよい。 【0053】 【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、作
動電圧を印加していないときに空燃比センサからリッチ
またはリーンを検出する信号が出力されると第1の空燃
比制御実行手段により空燃比制御を実行するので、従来
の空燃比制御開始時期より早く空燃比制御を実行するこ
とができる。さらに、空燃比センサが活性化すると空燃
比センサ出力の空燃比に応じた空燃比制御を実行するた
め、空燃比センサが活性化するとより正確な空燃比制御
を実行することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の構成要件を示したブロック図である。 【図2】本発明を用いた実施例の概略構成図である。 【図3】現代制御理論における動的なモデルのブロック
図である。 【図4】CPUにて実行されるTAU設定処理のフロー
チャートである。 【図5】CPUにて実行されるFAF設定処理のフロー
チャートである。 【図6】CPUにて実行されるオープン制御処理のフロ
ーチャートである。 【図7】CPUにて実行されるPI制御処理のフローチ
ャートである。 【図8】CPUにて実行される現代制御処理のフローチ
ャートである。 【図9】(a),(b)は空燃比センサの活性化状態を
判定する方法の説明を示した説明図である。 【図10】空燃比と各空燃比センサとセンサ温度との関
係において空燃比の取り込み範囲を示すグラフである。 【図11】各空燃比センサのセンサ電流iとセンサ温度
との関係を空燃比A/Fをパラメータとして示すグラフ
である。 【符号の説明】 1 エンジン 41〜44 燃料噴射弁 160 第1の空燃比センサ 180 マイクロコンピュータ Ba バッテリ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−52140(JP,A) 特開 昭61−19960(JP,A) 特開 昭60−6037(JP,A) 特開 昭62−182645(JP,A) 特開 昭63−223347(JP,A) 特開 平1−219327(JP,A) 実開 昭62−190840(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/00 - 41/40

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 作動電圧が印加されていないときには内
    燃機関の排出ガスから空燃比がリッチかリーンかのみを
    検出し、作動電圧が印加されているときには空燃比を検
    出する空燃比センサと、 前記空燃比センサに作動電圧を印加する電圧印加手段
    と、 前記電圧印加手段による前記空燃比センサへの作動電圧
    の印加を停止しているときの前記空燃比センサの出力に
    基づいて空燃比制御を実行する第1の空燃比制御実行手
    段と、 前記電圧印加手段により前記空燃比センサへ作動電圧を
    印加しているときの前記空燃比センサの出力に基づいて
    空燃比制御を実行する第2の空燃比制御実行手段と、 前記空燃比センサから信号が出力されているかを判定す
    る信号判定手段と、前記空燃比センサが活性化している
    かを判定する活性化判定手段とを含み、前記信号判定手
    段により前記空燃比センサから信号が出力されていると
    判定され、かつ、前記活性化判定手段により前記空燃比
    センサが活性化していないと判定されたとき、前記電圧
    印加手段による前記空燃比センサへの作動電圧の印加を
    停止するとともに空燃比制御手段として前記第1の空燃
    比制御手段を選択し、前記活性化判定手段により前記空
    燃比センサが活性化していると判定されたとき、前記電
    圧印加手段に前記空燃比センサへ作動電圧を印加させる
    とともに空燃比制御手段として前記第2の空燃比制御手
    段を選択する選択手段とを備えることを特徴とする内燃
    機関の空燃比制御装置。
JP27685293A 1993-11-05 1993-11-05 内燃機関の空燃比制御装置 Expired - Fee Related JP3458425B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27685293A JP3458425B2 (ja) 1993-11-05 1993-11-05 内燃機関の空燃比制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27685293A JP3458425B2 (ja) 1993-11-05 1993-11-05 内燃機関の空燃比制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07127502A JPH07127502A (ja) 1995-05-16
JP3458425B2 true JP3458425B2 (ja) 2003-10-20

Family

ID=17575313

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27685293A Expired - Fee Related JP3458425B2 (ja) 1993-11-05 1993-11-05 内燃機関の空燃比制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3458425B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3887871B2 (ja) * 1997-04-14 2007-02-28 株式会社デンソー 内燃機関の空燃比制御装置
JP5556387B2 (ja) * 2010-06-01 2014-07-23 トヨタ自動車株式会社 可変バルブシステムの制御装置
JP7437341B2 (ja) * 2021-03-26 2024-02-22 日立Astemo株式会社 空燃比制御装置
WO2023181292A1 (ja) * 2022-03-24 2023-09-28 日立Astemo株式会社 空燃比制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07127502A (ja) 1995-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4345561A (en) Air-fuel ratio control method and its apparatus
JP2003503624A (ja) 内燃エンジンのa/f比を確定する方法および装置
JPS6053813A (ja) 熱式空気流量検出装置
JPH0758054B2 (ja) 内燃機関の燃料供給制御装置における学習補正装置及び自己診断装置
JPH08232745A (ja) 内燃機関の制御装置
JP3458425B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JPH0472438A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置における空燃比センサ劣化診断装置
JP3564847B2 (ja) エンジンの排気浄化装置
JP2927074B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JPS60237134A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JPH1018883A (ja) エンジンの空燃比制御装置
JP2916804B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP3589683B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JPH09324691A (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2650069B2 (ja) 内燃機関の空燃比フィードバック制御装置
JPH0248728B2 (ja)
JPH077563Y2 (ja) 内燃機関の電子制御燃料噴射装置
JP3161249B2 (ja) 内燃機関の触媒劣化診断装置
JP2705268B2 (ja) 内燃機関の空燃比フィードバック制御装置
JP2500946Y2 (ja) 内燃機関の電子制御燃料供給装置
JP2684012B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JPS62139942A (ja) 内燃機関の空燃比制御方法
JPS601341A (ja) 内燃エンジンの空燃比制御方法
JPS62255552A (ja) 内燃エンジンの空燃比フイ−ドバツク制御方法
JPH01106945A (ja) 内燃機関の学習制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030708

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090808

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100808

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100808

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120808

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees