JP3458242B2 - フローティングシールのシールリング製造方法 - Google Patents
フローティングシールのシールリング製造方法Info
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Description
ベルの装軌車両の履帯式走行装置の回転部分に装着され
るフローティングシールを構成するシールリングの製造
方法に関する。
履帯式走行装置としては、起動輪と遊動輪に履帯を巻掛
けると共に、その履帯を上転輪、下転輪でガイドするも
のが知られ、これらの起動輪、遊動輪、上下転輪の回転
部にはフローティングシールを装着して封入した潤滑油
のもれを防止するとともに、泥砂等が侵入しないように
している。
ルリングを静止側ハウジングと回転側ハウジングの内周
面に各々ゴム製の負荷リングを介して気密的に支持し、
その一対のシールリングの対向端面を密接摺動させたも
のであり、そのシールリングの摺動面は耐久性向上のた
めに高硬度としてある。
素材を鋳造により所定断面形の基体とし、この基体を機
械加工した後に全体を焼入れ、焼戻しの熱処理をして再
び機械加工するものが知られている。
と、鋳造工程、機械加工工程、熱処理工程、機械加工工
程と多くの工程を必要とするから製造コストが高くな
る。また、熱処理に伴なう歪が大きく発生し、熱処理後
の機械加工による削り代を大きくして歪を取り除く必要
があり、歩留り低下や加工費増大となってコストが高く
なる。なお、この熱処理に伴なう歪を小さくするために
はプレスクエンチ設備を用いれば良いが、このプレスク
エンチ設備は比較的大がかりな設備であってコスト高と
なる。
ようにしたフローティングシールのシールリング製造方
法を提供することを目的とする。
さの板材を板金加工して同一の厚さで、かつ所定の角度
をなす円筒部11とフランジ部12を有するシールリン
グ基体13を作製し、このシールリング基体13の円筒
部11を支持した状態でフランジ部12を高周波焼入れ
して、その高周波焼入れによる歪で円筒部11とフラン
ジ部12のなす角度が直角よりも大きなシールリングと
することを特徴とするフローティングシールのシールリ
ング製造方法。 第2の発明は、第1の発明において支持
治具15の環状隙間19にシールリング基体13の円筒
部11を嵌合して支持してフランジ部12を上向き姿勢
とし、この状態で支持治具15とともにシールリング基
体13を回転させながら高周波誘導加熱コイル16によ
りフランジ部12を焼入れするようにしたフローティン
グシールのシールリング製造方法である。
状部11とフランジ部12を有するシールリング基体1
3を作成し、そのシールリング基体13のフランジ部1
2を高周波焼入れすることで、その高周波焼入れによる
歪で筒状部11とフランジ部12のなす角度が直角より
も大きく、そのフランジ部12がテーパ状のシールリン
グを製造できる。 このようにして製造したシールリング
をフローティングシールに用いることで一対のシールリ
ングのフランジ部12の外周寄り部分12aが相互に接
するからフローティングシール本来の機能を発揮する。
よって、高周波焼入れした後に、歪を取り除く後工程、
テーパ状に機械加工する後工程が不必要で、製造工程が
少なく製造コストが安くなるし、歩留りが向上する。 第
2の発明によれば、フランジ部12を均一に高周波焼入
れできる。
の内周面1aと回転側ハウジング2の内周面2aとに一
対のシールリング3,3がゴム製の負荷リング4を介し
てそれぞれ気密的に設けられ、この一対のシールリング
3,3が密着摺動し、その摺動部5によって封入した潤
滑油がもれるのを防止するとともに、泥砂が侵入するこ
とを防止してフローティングシールを構成している。
る。図2に示すように、例えばSK−7材により所定の
厚さで所定形状のリング状となった基板10をプレス機
Aにより曲げ加工して図3に示すように筒状部11とフ
ランジ部12を有するシールリング基体13とする。例
えばこのシールリング基体13の厚さtは2mm、筒状
部11の外径dは96mm、フランジ部12の外径Dは
109mm、高さHは8.2mm、円筒部11とフラン
ジ部12のなす角度θが直角となっている。なお、平板
をリング状に打ち抜くと同時に曲げ加工してシールリン
グ基体13としても良い。つまり、板金加工によりシー
ルリング基体を作成すれば良い。
周波焼入装置Bにセットしてフランジ部12を高周波焼
入れする。前記高周波焼入装置Bはターンテーブル14
上に設置した支持治具15と、スプレージャットを備え
たリング状の高周波誘導加熱コイル16により成り、そ
の支持治具15はリング状の外周ガイド17と円板状の
内周ガイド18により環状隙間19を有する形状とな
り、その環状隙間19にシールリング基体13の円筒部
11が嵌合して支持され、かつ外周ガイド17の環状凹
部17aにフランジ部12が嵌合して支持される。前記
外周ガイド17と内周ガイド18の環状隙間19の寸法
はシールリング基体13の円筒部11の厚さ+許容公差
となっている。前記高周波誘導加熱コイル16はシール
リング基体13のフランジ部12と所定の間隔(例えば
1mm)を置いて対向している。
持治具15により支持した状態でターンテーブル14を
回転しながら高周波誘導加熱コイル16で加熱した後に
冷媒で冷却して高周波焼入れ(熱処理)し、その後にフ
ランジ部12の外周寄りをラップ加工してシールリング
とする。ここで、高周波焼入れ条件は、周波数150K
Hz、電圧6.5KV、電力30KW、加熱時間6秒で
あり、冷媒は水で冷却時間は4秒である。このように、
ターンテーブル14を回転して高周波焼入れすることで
均一な高周波焼入れができる。
ルリング基体13の円筒部11とフランジ部12は図5
の破線で示す方向に歪が発生して円筒部11の内径d1
が小さくなると共に、円筒部11とフランジ部12のな
す角度θが直角よりも大きくなるが、円筒部11は支持
治具15の環状隙間19内に嵌合されて拘束されている
のでその内径d1 の変化が僅かになるし、円筒部11と
フランジ部12のなす角度θが直角より大きくなること
は図6に示すように一対のシールリング13のフランジ
部12,12がテーパ状となって外周寄り部分12aが
相互に接することになるのでフローティングシール本来
の機能を発揮するので、特別な加工が不要となるから好
ましい。
上一対のシールリング対向端面をテーパ状として外周寄
りが接するようにしており、従来は熱処理後に機械加工
してテーパ状としていたが、本発明によれば熱処理によ
りテーパ状となるから従来のように熱処理後のテーパ加
工が不要となる。
ルリング基体13の円筒部11の内径d1 変化と、円筒
部11とフランジ部12とのなす角度θの変化を測定し
たところ、円筒部11の内径d1 変化は下記の表1に示
すようになった。但し内径d1 を周方向に90度間隔で
4ヶ所測定した。
θ、この場合にはシールリング基体13の高さHの変化
(フランジ部12のそり)として測定した結果は下記表
2に示すようになった。但し、高さHを周方向に等間隔
で8ヶ所測定した。
金加工して筒状部11とフランジ部12を有するシール
リング基体13を作成し、そのシールリング基体13の
フランジ部12を高周波焼入れすることで、その高周波
焼入れによる歪で筒状部11とフランジ部12のなす角
度が直角よりも大きく、そのフランジ部12がテーパ状
のシールリングを製造できる。 このようにして製造した
シールリングをフローティングシールに用いることで一
対のシールリングのフランジ部12の外周寄り部分12
aが相互に接するからフローティングシール本来の機能
を発揮する。 よって、高周波焼入れした後に、歪を取り
除く後工程、テーパ状に機械加工する後工程が不必要
で、製造工程が少なく製造コストが安くなるし、歩留り
が向上する。 請求項2に係る発明によれば、フランジ部
12を均一に高周波焼入れできる。
る。
る。
基体、14…ターンテーブル、15…支持治具、16…
高周波誘導加熱コイル、17…外周ガイド、18…内周
ガイド、19…環状隙間。
Claims (2)
- 【請求項1】 所定の厚さの板材を板金加工して同一の
厚さで、かつ所定の角度をなす円筒部11とフランジ部
12を有するシールリング基体13を作製し、 このシールリング基体13の円筒部11を支持した状態
でフランジ部12を高周波焼入れして、その高周波焼入
れによる歪で円筒部11とフランジ部12のなす角度が
直角よりも大きなシールリングとすることを特徴とする
フローティングシールのシールリング製造方法。 - 【請求項2】 支持治具15の環状隙間19にシールリ
ング基体13の円筒部11を嵌合して支持してフランジ
部12を上向き姿勢とし、この状態で支持治具15とと
もにシールリング基体13を回転させながら高周波誘導
加熱コイル16によりフランジ部12を焼入れするよう
にした請求項1記載のフローティングシールのシールリ
ング製造方法。
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1993
- 1993-10-04 JP JP24768393A patent/JP3458242B2/ja not_active Expired - Fee Related
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