JP3457221B2 - 耐疵付き性及び耐指紋性に優れた導電性黒色表面処理金属板 - Google Patents

耐疵付き性及び耐指紋性に優れた導電性黒色表面処理金属板

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、耐疵付き性及び耐
指紋性の両方に優れた導電性黒色表面処理金属板に関す
る。本発明の黒色表面処理金属板は、特にコピー機やプ
リンター等の如く、低光沢で黒色の外観が要求され、且
つアース性、電磁シールド性が要求される内部部品に好
適に利用される。 【0002】 【従来の技術】コピー機やプリンター等の内部部品は、
光遮蔽を目的として低光沢で黒色の外観が要求されると
共に、アース性、電磁波シールド性等も要求される。か
かる用途に適用される黒色表面処理金属板として、従来
より、Zn−Niめっき、Zn−Co−Moめっきとい
った特殊めっきを施しためっき表面に、酸化処理等によ
りめっき表面自体を黒色化した金属板が汎用されてい
た。 【0003】ところが、黒色酸化皮膜は硬質皮膜である
為、折曲げ加工等の加工を行なうと、該黒色皮膜は伸び
に追随できず割れが発生し、製品としての外観が著しく
低下するという問題があった。更に上記金属板では、原
板に、Zn−NiめっきやZn−Co−Moめっき等の
特殊めっきを行う必要があり、性能上の制約を受けるの
みならずコスト高を招くという不具合もあった。 【0004】そこで上記問題点を克服すべく、加工性の
優れた樹脂に導電性顔料を添加した塗膜を金属板に被覆
した所謂「導電性プレコート金属板」が開発された。こ
のプレコート金属板では、導電性付与を目的として、皮
膜中に種々の導電性顔料(ニッケル、酸化亜鉛、導電性
酸化チタン、りん化鉄等の金属または金属化合物)を添
加している。ところが、該導電性顔料添加による導電性
向上作用を有効に発揮する為には塗膜厚をできるだけ薄
くしなければならず、その結果、塗膜表層に上記導電性
顔料が突出し、取扱い時や加工時において、その突出部
に疵が非常に発生し易いという問題があった。更に、折
曲げ加工等の加工を行うと、塗膜のクラック及び導電性
顔料の剥離等が見られるという問題も抱えていた。 【0005】上記問題点のうち疵の発生を防止する為、
塗膜中にワックスを添加して塗膜の潤滑性を向上させ、
その結果耐疵付き性を改善する方法が一般的に採用され
ている。しかしながら、ワックスを添加したとしても、
導電性顔料添加に伴う突出による悪影響を除くことは極
めて困難であり、ワックス添加による潤滑性向上効果は
不十分で、耐疵付き性に関して充分満足し得るプレコー
ト金属板は得られないのが実状である。 【0006】更に、上記プレコート金属板では、前述し
た通り、塗膜厚が厚くなると導電性は低下する。導電性
低下の防止を目的として、塗膜中に導電性顔料を添加し
たとしても、該導電性顔料を樹脂が膜厚に応じて覆って
しまうため、膜厚を薄くしなければならないが、そうす
ると所望の黒色度が得られず、高度の黒色度が要求され
る用途には適用できないという問題もあった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、その目的は、耐疵付き性及び
耐指紋性のいずれの特性にも優れており、更には黒色度
及び導電性も高められた導電性黒色表面処理金属板を提
供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決し得た本
発明に係る耐疵付き性及び耐指紋性に優れた導電性黒色
表面処理金属板は、金属板に、導電性を有する黒色塗膜
及びクリアー塗膜が被覆されたものであるところに要旨
を有する。 【0009】上記黒色塗膜において、塗膜中にカーボン
ブラックを含有するものや、該黒色塗膜の膜厚を0.3
〜10μmに制御したもの;上記クリアー塗膜の膜厚を
0.05〜3μmに制御したものは、いずれも本発明の
好ましい態様である。 【0010】更に、下式(1)を満足するものは導電性
が一層高められるので有用である。 10B/A+3C≦10……(1) 式中、Aは、黒色塗膜中に含まれるカーボンブラックの
添加量(重量%),Bは、黒色塗膜の膜厚(μm) Cは、クリアー塗膜の膜厚(μm)を夫々意味する。 【0011】また、下式(2)及び(3)を満足するも
のは黒色度が更に高められるので有用である。 A×B≧10 ……(2) A×B+20C≧15……(3) 式中、A及びBは前と同じ意味である。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明者らは、耐疵付き性及び耐
指紋性のいずれの特性にも優れた導電性黒色表面処理金
属板を提供すべく、前述のプレコート金属板を中心に鋭
意検討してきた。前述した通り、従来の導電性プレコー
ト金属板は、導電性付与の観点から塗膜中に導電性顔料
を添加すると共に、該導電性顔料が塗膜表層に突出する
様塗膜厚を制御しており、導電性は付与される反面、耐
疵付き性に劣るという問題があった。耐疵付き性の改善
を目指して塗膜中にワックスを添加し、塗膜の潤滑性を
高める方法も提案されているが、さほどの効果は見られ
ず、耐疵付き性を充分向上させるには至らなかった。更
には、耐疵付き性に加えて耐指紋性をも向上し得るプレ
コート金属板は、未だ提供されていなかった。 【0013】そこで、導電性のみならず耐疵付き性にも
充分優れ、更には耐指紋性も高められたプレコート金属
板を提供すべく鋭意検討した結果、金属板の上に、導電
性黒色塗膜(下塗り層)及びクリアー塗膜(上塗り層)
を順次被覆した2層構造の皮膜を形成させれば所期の目
的を達成し得ることを見出し、本発明を完成したのであ
る。 【0014】上述した様に本発明の導電性黒色表面処理
金属板は、金属板に、導電性を有する黒色塗膜(導電
性黒色塗膜;下塗り層)、及びクリアー塗膜(上塗り
層)が順次施されたものである。以下、各塗膜の作用に
ついて詳述する。 【0015】導電性黒色塗膜(下塗り層) この導電性黒色塗膜(以下、黒色塗膜と略記する場合も
ある)は、導電性及び黒色度を付与する目的で被覆さ
れ、更に導電性フィラー(カーボンブラック等)の粒径
及び塗膜厚を制御すれば耐疵付き性も向上するという利
点もある。 【0016】具体的には、導電性を付与すると共に耐疵
付き性を改善する為、金属フィラーよりも粒径の小さい
導電性フィラーを使用することが推奨される。粒径の小
さいものを使用すれば黒色塗膜の凹凸を小さくすること
ができ、耐疵付き性が向上するからである。更に、粒径
が小さい為、曲げ加工してもフィラーの脱落が少なく、
曲げ加工性も向上するという利点も奏する。本発明で
は、黒色度付与の観点から、粒径の小さいカーボンブラ
ックを使用することが推奨される。このカーボンブラッ
クは単独で使用しても良いし、二種以上のものを添加し
ても良い。 【0017】更に、上記黒色塗膜の膜厚は0.3〜10
μmに制御することが好ましい。膜厚が0.3μm未満
では、所定の黒色度を付与することができない。より好
ましくは0.6μm以上、更に好ましくは0.8μm以
上である。但し、黒色塗膜の膜厚が厚くなり過ぎると導
電性が低下するので、10μm以下に制御することが好
ましい。より好ましくは6μm以下、更に好ましくは4
μm以下である。 【0018】クリアー塗膜(上塗り層) このクリアー塗膜は、導電性付与に有効であると共に、
特に耐疵付き性及び耐指紋性を著しく高める作用があ
り、更には、黒色度を大幅に上昇させる作用も備えてい
る点で、本発明の最重要ポイントをなすものである。 【0019】即ち、上記の黒色塗膜を形成することに
より耐疵付き性はある程度向上するが、それだけでは、
過酷な加工条件下における耐疵付き性を改善するまでに
は至らない。更に、上記黒色塗膜は濃色系の黒で塗装さ
れている為、手で取扱う際、指紋が目立ち易いというデ
メリットを抱えており、外観品質が低下する。かかる事
情に鑑み、過酷な加工条件下においても耐疵付き性に優
れると共に、更に耐指紋性にも優れた表面処理金属板を
提供すべく、上記黒色塗膜にクリアー塗膜を被覆したの
である。 【0020】まず、クリアー塗膜の形成による耐疵付き
性向上作用について説明する。 【0021】クリアー塗膜を黒色塗膜に塗装することに
より耐疵付き性が向上する理由は、黒色塗膜の凹凸を更
に小さくすることができるからである。尚、上記耐疵付
き性の向上には、クリアー塗膜の膜厚を制御することが
重要である。更にクリアー塗膜中にワックス、架橋剤等
の添加剤を添加すれば、塗膜の潤滑性や強度等を容易に
調整することが可能になり、その結果、耐疵付き性を更
に高めることができる。本発明に用いられる添加剤とし
ては、塗膜中に通常使用され、上記作用を有効に発揮し
得るものであればとくに限定されず、例えばメラミン系
架橋剤、ブロックイソシアネート系架橋剤等の架橋剤が
挙げられる。 【0022】次に、クリアー塗膜の形成による耐指紋性
向上作用について説明する。 【0023】ここで、本発明の解決課題である「指紋」
について簡単に説明する。周知の通り、指紋は指からの
分泌物による痕跡であり、一種の透明な油である。従っ
て、指紋が付着していない黒色塗膜の表層部と、指紋が
付着した黒色塗膜の表層部とでは光の反射率及び吸収率
が異なり、指紋が非常に目立ち易くなる結果、外観不良
を招いてしまう。その解決策として、指紋自体を付着さ
せないことも考えられるが極めて困難である。そこで視
点を変え、指紋が付着しても目立たなくなる様、光の反
射率及び吸収率が指紋のそれらと近似するクリアー塗膜
を塗装することにより耐指紋性を改善したのである。上
記耐指紋性の向上には、前記耐疵付き性向上作用の場合
と同様、クリアー塗膜の膜厚を制御することが重要であ
る。 【0024】この様にクリアー塗膜の膜厚は、耐疵付き
性及び耐指紋性の向上、更には黒色度を更に上昇させる
(後記する)という観点から制御され、これらの作用を
有効に発揮させる為には、膜厚を0.05μm以上にす
ることが好ましい。より好ましくは0.1μm以上、更
に好ましくは0.2μm以上である。尚、膜厚が厚くな
り過ぎると、導電性に悪影響を及ぼす為、その上限を3
μmにすることが好ましい。より好ましくは2μm以
下、更に好ましくは1.5μmである。 【0025】上述の如く黒色塗膜の上にクリアー塗膜を
被覆した二層塗膜構造とすることにより、黒色塗膜単独
からなる単層塗膜構造に比べ、耐疵付き性を格段に向上
し得ると共に、該単層層塗膜構造では達成できなかった
耐指紋性向上も得られる点で、クリアー塗膜の形成は極
めて有効であるが、更に黒色塗膜の黒色度を大幅に向上
させることが可能になるという利点もある。その結果、
より黒色度の高い外観が要求される用途にも適用できる
他;単層塗膜金属板に比べ、本発明金属板では金属板に
被覆されるトータルの塗膜厚を小さくすることができ、
塗料コストを低減し得る等、適用分野の拡大・コストの
低減を図れる点で極めて有用である。 【0026】以下、本発明の二層塗膜金属板による黒色
度上昇作用等について、クリアー塗膜を被覆しない単層
塗膜金属板との差異を一層明瞭にすべく、図1及び図2
を用いて詳細に説明する。なお、これらの図は、金属板
として、めっき鋼板にクロメート皮膜が被覆されたクロ
メート処理鋼板を用いた表面処理鋼板を代表例として挙
げた例であるが、これに限定する趣旨ではないことは言
うまでもない。 【0027】このうち図1は本発明鋼板の構成を示す概
略図であり、図中1は鋼板、2はめっき層、3はクロメ
ート皮膜、4は導電性黒色塗膜、5はクリアー塗膜を夫
々意味する。また、図2はクリアー塗膜を被覆しない導
電性プレコート鋼板の構成を示す概略図であり、それ以
外は図1に示す本発明鋼板と同じ構成からなる。尚、導
電性黒色塗膜には、導電性フィラーとしてカーボンブラ
ックが添加されている。 【0028】黒色度は、JIS Z 8722−198
1に規定の色調測定法に基づき、測定する。具体的に
は、試料に入射する光に対して正反射光を除いた拡散反
射光を測定することにより試料の色調を算出するもの
で、実際に目視で感じられる色調を模擬したものであ
る。この様に、色調は入射光に対する拡散反射光の波長
およびその強度によって決定されるから、拡散反射光が
極めて少ないときに「黒い色」と感じるのである。 【0029】図2に示す様に、金属板に導電性の黒色塗
膜のみを被覆した単層塗膜鋼板は、導電性付与の観点か
ら、塗膜中に導電性フィラーを添加すると共に膜厚を薄
くする必要がある為、塗膜の凹凸が大きくなることは避
けられない。たとえ導電性フィラーとして粒径の小さい
カーボンブラックを使用し、塗膜の凹凸をある程度平滑
にし得たとしても、過酷な加工条件下における耐疵付き
性向上作用を発揮することは困難である。 【0030】また、上記単層塗膜鋼板では、表層に黒色
の塗膜がある為、入射する光の大部分は吸収されるが、
該表層には塗膜の凹凸がある為、反射光は拡散反射光が
多くなり、その結果、若干白っぽい黒色度を有する外観
しか得られない。 【0031】これに対し、黒色塗膜にクリアー塗膜を更
に被覆した本発明の二層塗膜鋼板(図1)において黒色
度が上昇する理由は以下の様に考えられる。 【0032】黒色塗膜にクリアー塗膜を被覆した本発明
鋼板に光を当てた場合における反射光等の態様として
は、クリアー塗膜での正反射および拡散反射、クリ
アー塗膜を透過し、黒色塗膜での正反射および拡散反
射、における反射光がクリアー塗膜に反射するとき
の多重反射、クリアー塗膜および黒色塗膜における光
吸収、の合計4態様が考えられる。このうちクリアー塗
膜の形成により黒色度に影響を及ぼすのは、での拡散
反射光、及びである。 【0033】即ち、の多重反射及びの光吸収による
効果により、塗膜からでていく拡散反射光は、クリアー
塗膜を形成しないものに比べ、確実に減少する。更に、
図1に示す通り、クリアー塗膜の形成により導電性黒色
塗膜の凹凸は平滑化する為、では正反射光が大きくな
り、その結果、拡散反射光は少なくなる。これらの効果
が組合わさって拡散反射光が極めて少なくなる結果、黒
色度が上昇するものと思料される。 【0034】本発明の二層塗膜鋼板による作用は上記の
通りであるが、更に導電性の向上を目的として、上記式
(1)を満足することが推奨される。本発明では、導電
性を制御する因子として、黒色塗膜側の因子[カーボン
ブラックの添加量(A)及び膜厚(B)]及びクリアー
塗膜側の因子[膜厚(C)]に着目し、該カーボンブラ
ック1重量%当たりの黒色塗膜厚さ(B/A)及びクリ
アー塗膜厚さ(C)が導電性の向上に及ぼす影響につい
て検討した結果、上記関係式(1)を特定した次第であ
る。上記式(1)が10を超えると導電性が不十分にな
る。より好ましくは4.5以下、更により好ましいのは
4.0以下である。 【0035】また、更なる黒色度上昇作用を目指して、
上記関係式(2)及び(3)を満足することが推奨され
る。本発明では、黒色度を制御する因子として、前記導
電性の場合と同様上記A、B及びCに着目して検討した
結果、黒色塗膜側の因子としてはカーボンブラック量と
塗膜厚さの積(A×B)、即ち式(2)が重要であり、
一方、クリアー塗膜側の因子としては膜厚(C)が重要
であり、これら黒色塗膜側及びクリアー塗膜側の関係が
両方所定範囲でなければ黒色度上昇作用は見られないこ
とを見出し、式(3)を特定したのである。上式(2)
及び(3)は、より好ましくは20以上である。 【0036】本発明における塗膜の構成は上述した通り
であり、塗膜下の金属板については特に限定されず、冷
延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、合
金化溶融亜鉛めっき鋼板、アルミニウム板、ステンレス
鋼板、銅板、銅めっき鋼板、錫めっき鋼板等のいずれに
も適用可能である。この様な鋼板等の上に、直接上記黒
色塗膜及びクリアー塗膜を順次被覆しても良いが、該鋼
板等の表面が油等の汚染物質で汚染されている場合に
は、塗膜との密着性改善を目的として、上記鋼板に公知
の金属表面処理を施すことが推奨される。公知の表面処
理方法としては、例えばりん酸系表面処理、クロム酸系
表面処理等が挙げられる。 【0037】また、上記黒色塗膜およびクリアー塗膜に
使用する塗料としては特に限定されず、ポリエステル
系、アクリル系、ウレタン系、シリコン系、フッ素系の
種々の樹脂が挙げられる。加工性を考慮すれば、ポリエ
ステル系樹脂の使用が推奨される。 【0038】更に種々の特性付与を目指して、必要に応
じて、架橋剤、防錆顔料、艶消し剤、骨材、ワックス、
体質顔料、着色顔料、レベリング剤、消泡剤等の添加剤
を適宜添加しても良い。 【0039】次に、本発明に係る表面処理金属板の製造
方法について説明する。表面処理金属板は、塗膜構成成
分を含む塗布液を、任意の塗布方法によって金属板表面
に塗布し、乾燥することによって製造することができ
る。塗布液の塗工方法は一切制限されず、例えば金属板
表面を清浄化したり、塗装前処理(例えばりん酸塩処
理、クロメート処理)等を施した金属板の長尺帯の表面
に、ロールコーター法、スプレー法、カーテンフローコ
ーター法等の公知の塗工手段を採用すれば良い。 【0040】塗膜厚さの均一性や処理コスト、塗布効率
などを総合的に考慮すると、実用上最も好ましいのは、
ロールコーターで塗布する方法である。尚、亜鉛系めっ
き鋼板に、塗膜との密着性向上や、表面処理鋼板の耐食
性向上の目的で、りん酸塩処理やクロメート処理等の塗
装前処理を施したものも、勿論本発明の「金属板」とし
て利用可能である。 【0041】以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に
説明するが、本発明は、もとより下記実施例によって制
限されるものでは決してなく、前・後記の主旨に適合し
得る範囲で適切に変更して実施することも勿論可能であ
り、いずれも本発明の技術的範囲内に包含される。 【0042】 【実施例】金属板としてクロメート処理(クロム付着量
50mg/m2)した電気亜鉛めっき鋼板(亜鉛付着量
20g/m2)を使用し、該金属板に下塗り塗料(ポリ
エステル系樹脂にカーボンブラックを添加した塗料)を
塗装して黒色塗膜を被覆した後、クリアーのポリエステ
ル系樹脂を塗装することによりクリアー塗膜を被覆し
た。その際、下塗り塗料中のカーボンブラック添加量、
並びに黒色塗膜及びクリアー塗膜の膜厚を表1に示す如
く種々変化させ、各供試材を得た。この様にして得られ
た各供試材につき、以下の特性を評価した。 【0043】[導電性]テスターにて供試材の塗膜抵抗
(kΩ)を測定し、下記基準で評価した。 ◎:優れる 抵抗1.0kΩ未満 ○:良好 抵抗1.0kΩ以上10kΩ未満 ×:劣る 抵抗10kΩ以上 【0044】[耐疵付き性]供試材の塗膜表面を爪で擦
り、擦った部分の外観変化を下記基準で観察した。 ◎:優れる 外観変化なし ○:良好 わずかに痕跡あり ×:劣る 著しく痕跡あり 【0045】[耐指紋性]50℃で白色ワセリンを飽和
させたアセトン溶液を人工指紋液として用い、この中に
供試材を1分間浸漬した後、浸漬前後の外観変化を日本
電色株式会社製色差計(SZ−S Σ90)にて測定し
た。色調の変化をΔEで表す。ΔEが大きい程、色調の
変化が大きいことを示す。得られたΔE値に基づき、下
記基準にて耐指紋性を評価した。 ◎:優れる ΔE=1未満 指紋の付着が全く目立たない ○:良好 ΔE=1以上3未満 指紋の付着がほとんど目立たない ×:劣る ΔE=3以上 指紋の付着が目立つ 【0046】[黒色度]日本電色株式会社製色差計(S
Z−S Σ90)を用いて測定したL値に基づき、下記
基準にて黒色度を評価した。尚、L値の値が低い程黒い
ことを表す。 ◎:優れる L値=31未満 ○:良好 L値=31以上33未満 ×:劣る L値=33以上 得られた結果を表1に併記する。 【0047】 【表1】【0048】表1より以下の様に考察することができ
る。 【0049】まず、No.1〜24は、黒色塗膜にクリア
ー塗膜を被覆すると共に、各塗膜厚を適切に制御した本
発明の二層塗膜鋼板であり、各塗膜厚が本発明の好まし
い範囲に制御されていないNo.25〜28,32〜37
に比べ、耐疵付き性、耐指紋性及び黒色度上昇作用のい
ずれも良好である。 【0050】これに対し、No.29〜31は、クリアー
塗膜を被覆せず黒色塗膜のみを被覆した単層塗膜鋼板で
あり、耐疵付き性及び耐指紋性に劣り、黒色度上昇作用
も得られない。 【0051】また、No.38〜44は、本発明鋼板にお
ける上式(1)〜(3)の影響を調べたものである。上
式(1)が本発明の好ましい上限を満足するNo.38〜
42及びNo.44は、好ましい上限を満足しないNo.
43に比べ、導電性に一層優れている。また、上式
(2)及び(3)が本発明の好ましいNo.38〜41及
びNo.43は、好ましい下限を満足しないNo.42及び
44に比べ、黒色度上昇作用に一層優れている。 【0052】 【発明の効果】本発明は以上の様に構成されているの
で、耐疵付き性及び耐指紋性のいずれの特性にも優れて
おり、更には黒色度及び導電性も高められた導電性黒色
表面処理金属板を提供することができた。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の構成を説明する為の概略図。 【図2】クリアー塗膜を被覆しない黒色単層塗膜鋼板の
構成を説明する為の概略図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−59377(JP,A) 特開 昭63−114635(JP,A) 特開 平10−16128(JP,A) 特公 平6−79842(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B05D 1/00 - 7/26

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 金属板に、導電性を有する黒色塗膜及び
    クリアー塗膜が被覆されたものであって、 前記黒色塗膜は、塗膜中にカーボンブラックを含有する
    ものであり、 前記黒色塗膜の膜厚は0.3〜10μm、 前記クリアー塗膜の膜厚は0.3〜3μmであると共
    に、 下式(1)〜(3)を満足す ることを特徴とする耐疵付
    き性及び耐指紋性に優れた導電性黒色表面処理金属板。10B/A+3C≦4.5……(1) A×B≧10 ……(2) A×B+20C≧15 ……(3) 式中、Aは、黒色塗膜中に含まれるカーボンブラックの
    添加量(重量%), Bは、黒色塗膜の膜厚(μm), Cは、クリアー塗膜の膜厚(μm)を夫々意味する。
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