JP3456848B2 - 腐乱抑制効果を有する遺体処置用消臭剤 - Google Patents

腐乱抑制効果を有する遺体処置用消臭剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は消臭剤に関し、特に、
臭いを発生している遺体の近くに放置するだけで、ある
いは、遺体の臭いがこもっている空間の中に放置するだ
けで、速やかに臭いを感じさせなくする効果を有する
体処置用消臭剤に関する。
【0002】この発明による消臭剤は、従来の消臭剤で
は消臭効果の無かった遺体から発生する死臭や腐乱臭を
速やかに消す効果があるので、発見が遅れて腐乱臭の著
しい遺体の周囲に散布することにより、遺体の処置を容
易にすることができる。
【0003】また、この発明による消臭剤は、遺体の近
くに放置するだけで遺体の腐乱の進行を抑制する効果も
有するので、納棺された遺体を火葬までの期間、ドライ
アイスで冷却することを不要にすることができる。
【0004】
【従来の技術】吸着や吸収、分解、マスキングというよ
うな機構により消臭効果があるとされている種々の物質
が従来より知られており、これらの物質を用いた種々の
消臭剤が開発されてきた。例えば、ヤシガラ炭、活性炭
素繊維、シリカゲル、ゼオライト、塩化カルシウムのよ
うな塩素化合物、亜鉛華、各種金属石鹸、エチレングリ
コールおよび類似体、ホウ砂のようなホウ素化合物、フ
ェノール類、各種過酸化物、エステル系界面活性剤、硫
酸第一鉄とアスコルビン酸の混合物、安定化二酸化塩
素、各種精油類や植物抽出物などが知られている。
【0005】吸着や吸収、分解の機構による消臭剤にお
いては、臭気を含んだ空気を消臭剤の中を強制循環させ
るような使用法がとれれば、吸着や吸収、分解等の作用
を生じる臭気成分については効果的に除去できる。しか
し、強制循環の設備がない場合には、臭気がこもった室
内にこれらの消臭剤を放置するような使用法を取らざる
を得ないが、このような簡便な使用法では、通常、速や
かな消臭効果を期待できない。
【0006】臭いの発生源にスプレーで散布する液体の
消臭剤も従来より知られているが、使用が面倒であると
か、対象が限られるとか、持続性が十分ではないといっ
た難点があった。
【0007】臭いの種類を遺体からの死臭に限定する
と、人が死亡した場合、火葬に付すまでの間、遺体の腐
乱の進行と死臭の発生を抑制するために、棺の中にドラ
イアイスを入れて遺体を冷却することが一般に行なわれ
ているが、死臭を完全に抑えることはできず、また、遺
体が冷たくなって外見の自然さが失われるとか、費用が
かさむとかの難点があった。
【0008】さらに、発見が遅れて腐乱が進行した遺体
から発生している腐乱臭を消すには、ドライアイスでは
全く不可能である。ドライアイス以外の方法としては、
活性炭素繊維を不織布の中に混ぜた脱臭剤が知られてい
るが、高価であるという難点があり、また、発見が遅れ
て腐乱が進行した遺体からの腐乱臭を速やかに消す効果
は有しない。その他の遺体用消臭剤としては、二酸化塩
素を発生させるものが知られているが、使用者にも刺激
臭を与える難点があり、余り普及していない。
【0009】腐乱した遺体が発見されて警察が収容する
場合、他に有効な方法がないので、線香を焚いて線香の
匂いで腐乱臭をマスキングしようとしているが、十分な
消臭効果を奏しない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、遺体から
発生する死臭や腐乱臭を簡便かつ安全な方法で無臭化
し、遺体の処置を容易にするとともに、腐乱抑制効果を
有する遺体処置用消臭剤を提供するために考えられたも
のである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の腐乱抑制効果
を有する遺体処置用消臭剤は、質量比が9/1〜1/9
であるサリチル酸メチルと樟脳との混合物を多孔質の無
機粉体、布、綿、紙、樹脂(粉末、ペレット、ブロッ
ク)、ポリマーゲルの何れかの固体に、1質量%以上保
持させたものである。
【0012】この発明の腐乱抑制効果を有する遺体処置
消臭剤は、サリチル酸メチルと樟脳と芳香性の精油と
の混合物で、サリチル酸メチルと樟脳との合計量と精油
との質量比が9/1〜2/8である混合物を多孔質の無
機粉体、布、綿、紙、樹脂(粉末、ペレット、ブロッ
ク)、ポリマーゲルの何れかの固体に、1質量%以上保
持させたものでもよい。
【0013】また、この発明の腐乱抑制効果を有する遺
体処置用消臭剤は、サリチル酸メチルと樟脳のいずれか
と芳香性の精油との混合物で、サリチル酸メチルまたは
精油との質量比が9/1〜2/8である混合物を多孔質
の無機粉体、布、綿、紙、樹脂(粉末、ペレット、ブロ
ック)、ポリマーゲルの何れかの固体に、1質量%以上
保持させたものでもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】種々の精油もしくは精油に含まれ
ている化合物が、消臭効果を奏することは既に知られて
いる。その機構については、マスキング効果や吸収効果
であると言われているが、必ずしも完全に解明されては
いない。これらの植物由来の成分は、一般に毒性が少な
いことから使いやすい面があり、多くの発明が提案され
ている。ただし、実際には消臭効果そのものは余り強い
とは言えず、せいぜい水洗トイレの消臭や口臭の除去に
使用されている程度で、消臭というよりは、むしろ、さ
わやかな香りを室内に満たすような、いわゆるフィント
ンチッドやアロマテラピーの効果を狙った用途で実用化
されている。
【0015】このように、精油の消臭効果は従来より知
られているが、遺体からの腐乱臭のような強烈な悪臭を
消すような強力な消臭効果は知られていない。
【0016】この発明の発明者は、精油系化合物の消臭
効果を改めて検討し、樟脳およびサリチル酸メチルが、
動物の腐乱臭のような強烈な臭いを感じさせなくする効
果をかなりの程度有することを見い出し、工夫を重ねて
この発明に到達したものである。
【0017】すなわち、樟脳およびサリチル酸メチル単
独よりも、これらを混合させることにより、動物の腐乱
臭を薄くする効果がより大きいだけでなく、無臭化の効
果が得られることを見い出した。すなわち、樟脳および
サリチル酸メチルを単独で使用した場合には、腐乱臭は
かなり薄くなるが、樟脳およびサリチル酸メチル特有の
やや刺激的な匂いが感じられる。
【0018】ところが、これらを混合して使用すると、
使用後に残る樟脳およびサリチル酸メチルの刺激的な匂
いもかなり弱くなり、悪臭のマスキングというよりは無
臭化に近い効果が得られる。また、動物の腐乱臭だけで
なく、タバコの煙の臭い、トイレやし尿の臭いのよう
な、日常生活における種々の悪臭に対して広く消臭効果
を発揮すること、いうならば、消臭スペクトルが拡がる
効果も得られる。
【0019】さらに、樟脳とサリチル酸メチルの混合物
に、第3成分として芳香を有する他の精油を加えること
によって実用性がさらに向上することを見い出した。つ
まり、樟脳やサリチル酸メチルそのものの匂いはやや刺
激的で、人によっては嫌われることもあるが、これに精
油を加えることによって、使用前の消臭剤そのものの匂
いがマイルドになって刺激的でなくなる。また、悪臭源
に対して適用した場合、悪臭を感じさせなくする効果は
変わらないのに、使用後に残る匂いは一層弱くなり、実
際上、無臭化の効果が得られる。ここで使用できる精油
には、ハッカ油、スィートオレンジ油、ミカン油、レモ
ン油、ラベンダー油、ローズ油、テレピン油、ヒノキ油
等がある。
【0020】これらの精油の代わりに、精油に含まれる
主成分、例えば、メントール、リモネン等の純品を使用
することもできるが、価格の点で一般には精油の方が有
利である。反対に、この発明の主成分である樟脳とサリ
チル酸メチルについても、純品の代わりに、それぞれを
主成分とする精油、すなわち、樟脳油およびウインター
グリーン油を使用することができる。
【0021】家庭の生ゴミや水洗トイレの消臭程度であ
れば、樟脳ないしはサリチル酸メチルのいずれかと精油
という2成分の混合物でも十分であるが、遺体からの腐
乱臭のような強烈な臭いに対しては、樟脳とサリチル酸
メチルと精油の3成分の混合物が望ましい。
【0022】混合物の組成であるが、混合の比率によっ
て消臭効果が鋭敏に変わるということはないので、幅広
い組成の混合物が使用できる。樟脳とサリチル酸メチル
の2成分系の場合、樟脳/サリチル酸メチルの質量比
は、10/90〜90/10、望ましくは、15/85
〜85/15の範囲である。これに精油を加えた3成分
系の場合、樟脳とサリチル酸メチルの合計と精油との質
量比は、90/10〜20/80、望ましくは、85/
15〜60/40の範囲である。樟脳とサリチル酸メチ
ルのいずれかと精油との2成分混合物の場合、樟脳ない
しサリチル酸メチルと精油との質量比は、やはり、90
/10〜20/80、望ましくは、85/15〜60/
40の範囲である。
【0023】この発明による消臭性混合物は、アルコー
ルやエチレングリコールのような無臭の溶剤に希釈して
スプレーで散布するような液体消臭剤としての使用も可
能であるが、希釈せずに多孔質の無機粉体や布等の固体
に担持させて、見掛け上、固体の消臭剤としても使用で
きる。
【0024】驚くべきことには、このような固体の消臭
剤は、悪臭がたちこめた室内に少量を散布するだけで、
すなわち、室内の空気を消臭剤の中を強制循環させるこ
となしに、速やかに悪臭を消すことができる。
【0025】ここで使用する担体としては、それ自体が
臭いをほとんど発することがなく、また、この発明によ
る消臭性混合物に溶解しないもので、消臭性混合物をあ
る程度の量を担持できるものであれば、特に限定される
ものではない。例えば、無機の粉体があり、珪藻土やパ
ーライト、レンガの粉砕物、ALCの粉砕物のように多
孔質のものが担持量が多いので望ましい。粉体の粒径は
特に限定されないが、細かいものよりは、1〜3mm程
度のものが散布する場合には扱い易い。
【0026】有機の担体としては、布や紙、もしくはこ
れらの粉砕物、ならびに、不織布や綿、連続気泡を有す
るポリウレタンスポンジがある。合成樹脂も、多孔質で
なくても、その中に消臭混合物を溶解させて保持できる
ものは、担体として使用できる。例えば、低密度ポリエ
チレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン/ブ
タジエン共重合体などが適しており、粉末やペレットの
形が使用しやすい。
【0027】
【実施例1〜20、比較例1〜4】容量500mlのポ
リエチレン製の広口瓶を25個用意し、それぞれに生き
たアサリ貝を約80gづつ入れ、蓋をして室温で2週間
放置した。2週間後、蓋をとると著しい腐敗臭が感じら
れた。
【0028】表−1に示す消臭効果のある化合物ないし
は化合物の混合物(以下、消臭成分と記す)のそれぞれ
をエタノールに溶かしてエタノール溶液を調製した。1
0cm角のガーゼを10枚重ねたものを25セット用意
し、ピペットを用いて各々に種類の異なるエタノール溶
液5mlを滴下してしみ込ませ、10分間、冷風を送っ
てエタノールを蒸発させた。各ガーゼに含まれる消臭成
分の質量が、300mgになるようにエタノール溶液の
濃度を調節した。こうして調製した消臭成分を含んだガ
ーゼを腐敗したアサリ貝が入った広口瓶に入れ蓋をして
20分間放置した。次に、蓋をとり臭いを嗅いだ。結果
を表1に示す。
【0029】比較例2および比較例3は消臭効果がある
とされている成分であるが、この実施例のような強烈な
腐敗臭を消すことはできなかった。比較例4および比較
例5も消臭効果があるとされている成分であるが、比較
例2および比較例3の成分に比べて刺激的な匂いが強い
ためか、比較例2および比較例3に比べて腐敗臭を消す
効果は大きかったが、完全に消すまでには至っていな
い。また、消臭成分そのものの匂いがかなり感じられ
た。
【0030】これに対し、この発明による実施例1〜2
0においては、比較例に比べて大きい消臭効果が得られ
た。サリチル酸メチルと樟脳を組み合せた実施例1〜4
では、強烈な腐敗臭はほぼ完全に感じられなくなった
が、消臭成分そのものの匂いが少し感じられた。これら
にさらに精油を加えた実施例12〜20においては、腐
敗臭だけでなく消臭成分そのものの匂いも非常に弱くな
り、実質的に無臭の状態になった。
【0031】サリチル酸メチルまたは樟脳のいずれかと
精油とを組み合せた実施例4〜11においては、腐敗臭
がかすかに残ったが、消臭成分そのものの匂いも非常に
弱くなった。
【0032】この発明による消臭剤は、腐敗臭のような
強烈な悪臭を別の匂いでマスキングするというよりは、
実質的に無臭化する効果を有する。
【0033】
【実施例21】サリチル酸メチルと樟脳油とハッカ油の
質量比1/1/1の混合液を作り、これを耐火レンガ粉砕
物(ジーエルサイエンス−製のUniportC、粒径
30〜60メッシュ)にふりかけて含浸させ、固体の消
臭剤を調製した。耐火レンガ粉砕物と混合液との質量比
は7/3であった。この1gを不織布で包み、実施例1
〜20と同様に腐敗したアサリ貝が入った広口瓶に入れ
て、消臭効果をテストした。結果は表−1に示すように
ほぼ無臭化する効果が認められた。
【0034】
【実施例22】サリチル酸メチルと樟脳油とリモネンの
質量比1/1/1の混合液を作り、以後は実施例21と
同じ方法で消臭効果をテストした。結果は表−1に示す
ようにほぼ無臭化する効果が認められた。
【0035】
【実施例23】独り暮らしの老人が、家で死亡している
のが発見された。死後、推定で一週間近く経過してお
り、腐乱臭が著しく部屋に入るのが困難であった。遺体
の収容にあたった葬儀屋が、実施例21の消臭剤60グ
ラムを遺体の周囲に散布したところ、約15分程度で臭
いがほとんど感じられない状態になり、遺体の収容に支
障がなくなった。
【0036】
【実施例24】別の独り暮らしの老人が、家で死亡して
いるのが発見された。死後、推定でやはり一週間近くが
経過しており、腐乱臭が著しく部屋に入るのが困難であ
った。遺体の収容にあたった葬儀屋が、実施例22の消
臭剤60グラムを遺体の周囲に散布したところ、約15
分程度で臭いがほとんど感じられない状態になり、遺体
の収容に支障がなくなった。
【0037】
【実施例25】独り暮らしの外国人が病死した。親族か
ら火葬に付すことの同意を得るのに時間がかかり、それ
までの5日間、火葬場の冷蔵庫(温度約摂氏3度)に入
れて保管した。通常はドライアイスを冷蔵庫の中に入れ
るが、ドライアイスは入れずに、実施例21の消臭剤7
0グラムを不織布の袋7個に分けて入れ、冷蔵庫の中の
遺体の周囲に置いた。5日後、火葬のため遺体を取り出
したが、腐乱臭もなく腐乱が進行している様子は認めら
れなかった。
【0038】
【実施例26】病人が死亡した。実施例25と同じ消臭
剤を入れた不織布の袋7個を棺の底に置いた。ドライア
イスを入れなくても、火葬までの54時間、死臭も腐乱
臭も感じられなかっただけでなく、火葬に際しては、通
常感じられる火葬に伴う独特の臭いも感じられなかっ
た。
【0039】
【実施例27】サリチル酸メチル/樟脳油/ハッカ油の
質量比1/2/1の混合液を調製し、これの100gに
エチレン/酢酸ビニル共重合体(三菱化学−製、酢酸ビ
ニル含量20質量%)のペレット100g加えて時々撹
拌しながら4時間放置し、混合液をすべてペレットに吸
収させた。このペレットを低密度ポリエチレン(三菱化
学−製)のペレットと3/100の比率で混合し、厚さ
60ミクロンのインフレーションフィルムを成形した。
成形後のフィルムの中の消臭剤の濃度をヘッドスペース
ガスクロ法で分析したところ、サリチル酸メチル、樟
脳、メントールの濃度が、それぞれ、3200、5900、3000
ppmであった。
【0040】このインフレーションフィルムをフラット
に切り開き、納体袋に加工し棺の中の遺体の下に敷い
た。ドライアイスを入れなくても、火葬までの48時
間、死臭も腐乱臭も感じられなかった。
【0041】
【実施例28】サリチル酸メチル/ハッカ油の質量比1
/2の混合液を調製し、この100gにエチレン/酢酸
ビニル共重合体(三菱化学−製、酢酸ビニル含量20質
量%)のペレット100g加えて時々撹拌しながら4時
間放置し、混合液をすべてペレットに吸収させた。これ
を高低密度ポリエチレン(三菱化学−製のペレットと2
/100の比率で混合し、厚さ40ミクロンのインフレ
ーションフィルムを成形した。成形後のフィルムの中の
消臭剤の濃度をヘッドスペースガスクロ法で分析したと
ころ、サリチル酸メチルおよびメントールの濃度が、そ
れぞれで3100および5600ppmであった。ブランクとし
て、消臭剤を添加しないフィルムも成形した。
【0042】
【0043】なお、実験に使用した薬剤のうち、サリチ
ル酸メチル、樟脳、メントールおよびリモネンは、和光
純薬の試薬であり、樟脳油、ハッカ油、オレンジ油およ
びヒノキ油は、鈴木薄荷の製品である。
【0044】
【発明の効果】この発明による消臭剤は、人が亡くなっ
た場合、遺体の傍に置いたり棺の中に入れたりすること
により、ドライアイスを使用することなく腐乱の進行を
抑え、同時に、死臭を消すことができる。既に腐乱が進
行した遺体の場合には、遺体の周囲に散布することによ
り、腐乱臭を速やかに消すことができる。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量比が9/1〜1/9であるサリチル
    酸メチルと樟脳との混合物を多孔質の無機粉体、布、
    綿、紙、樹脂(粉末、ペレット、ブロック)、ポリマー
    ゲルの何れかの固体に、1質量%以上保持させたことを
    特徴とする腐乱抑制効果を有する遺体処置用消臭剤。
  2. 【請求項2】 サリチル酸メチルと樟脳と芳香性の精油
    との混合物で、サリチル酸メチルと樟脳との合計量と精
    油との質量比が9/1〜2/8である混合物を多孔質の
    無機粉体、布、綿、紙、樹脂(粉末、ペレット、ブロッ
    ク)、ポリマーゲルの何れかの固体に、1質量%以上保
    持させたことを特徴とする腐乱抑制効果を有する遺体処
    置用消臭剤。
  3. 【請求項3】 サリチル酸メチルと樟脳のいずれかと芳
    香性の精油との混合物で、サリチル酸メチルまたは精油
    との質量比が9/1〜2/8である混合物を多孔質の無
    機粉体、布、綿、紙、樹脂(粉末、ペレット、ブロッ
    ク)、ポリマーゲルの何れかの固体に、1質量%以上保
    持させたことを特徴とする腐乱抑制効果を有する遺体処
    置用消臭剤。
  4. 【請求項4】 純度の高いサリチル酸メチルおよび樟脳
    の代わりに、それぞれを主成分とする精油、すなわち、
    ウインターグリーン油および樟脳油を使用したことを特
    徴とする請求項1〜3に記載の腐乱抑制効果を有する遺
    体処置用消臭剤。
  5. 【請求項5】 芳香性の精油が、メントールを主成分と
    するハッカ油等の精油、リモネンを主成分とするミカン
    油等の精油のいずれか、または、これらの混合物である
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の腐乱
    抑制効果を有する遺体処置用消臭剤。
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