JP3455937B2 - ノルボルネン系水素添加重合体 - Google Patents

ノルボルネン系水素添加重合体

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JP3455937B2 JP10977096A JP10977096A JP3455937B2 JP 3455937 B2 JP3455937 B2 JP 3455937B2 JP 10977096 A JP10977096 A JP 10977096A JP 10977096 A JP10977096 A JP 10977096A JP 3455937 B2 JP3455937 B2 JP 3455937B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ノルボルネン系水
素添加重合体に関し、さらに詳しくはノルボルネン系共
重合体を含んでなり、優れた複屈折性、透明性、耐熱性
を有し、非ハロゲン系溶媒に可溶な新規なノルボルネン
系水素添加共重合体に関する。 【0002】 【従来の技術】複屈折性、透明性に優れた樹脂としてポ
リメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネー
ト(PC)、ノルボルネン系樹脂などがある。これらの
樹脂は、透明性、複屈折性、電気特性において優れた性
能をもっており、これらの特性を活かして自動車部品、
電気・電子部品、光学部品、建材などの広範な用途に用
いられている。 【0003】ところが、近年、環境規制の問題から、ハ
ロゲン系溶媒の使用が規制されはじめてきた。 【0004】一方で、上述の樹脂などはキャストフィル
ム、バインダー、ワニス、接着剤などのように、いった
ん溶媒に溶解させてから製造する場合、溶媒としてハロ
ゲン系溶媒を使用すると、衛生上、環境対策上の観点か
ら局所排気設備を設ける必要がある。また、多量に溶媒
を使用する場合、局所排気設備から出る溶媒を大気中に
放出することはできないため、溶媒を回収することが必
要となる。従って、ハロゲン系溶媒を使用するには、か
なりの設備投資をする必要がある。接着剤などは使用す
る場所により局所排気できない場合があり、大きな問題
となっている。 【0005】PMMA,PC,ノルボルネン系樹脂など
は、ハロゲン系溶媒(塩化メチレン、クロロホルムな
ど)には比較的によく溶解するが、非ハロゲン系溶媒に
は溶けにくいという、もう一つの問題がある。ノルボル
ネン系樹脂においては、エーテル系、芳香族系の溶媒に
可溶な樹脂もあるが、これらの樹脂にもさらに問題があ
る。すなわち、エーテル系溶媒は、急性毒性(麻酔性)
があり、なかなか使用できないのが現状である。ベンゼ
ンは発ガン性があり、トルエンも単独溶媒で使用すると
急性、慢性中毒をおこすため、使用しにくい。また、キ
シレンなどは沸点が高いので、使用しにくい。特にキャ
ストフィルムを製造するには、比較的低沸点な、非ハロ
ゲン系溶媒に可溶な、透明で、複屈折率が小さく、耐熱
性に優れた(高いガラス転移温度をもつ)樹脂がこれま
でなく、そのような樹脂が要望されていた。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従来
の樹脂の上述のような欠点を解決するため、非ハロゲン
系溶媒に溶解する樹脂であって、しかもその樹脂が、複
屈折性、透明性、耐熱性に優れている(高ガラス転移温
度を有する)新規な樹脂を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、従来の樹脂の
このような欠点を解決するために鋭意研究した結果、
(イ)下記一般式(I)で表される単量体と下記一般式
(II)で表される単量体とを、または(ロ)下記一般式
(I)で表される単量体と下記一般式(II)で表される
単量体(II)とこれらの単量体と共重合可能な単量体と
を、開環共重合し、さらに水素添加して得られる非ハロ
ゲン系溶媒に可溶な水素添加重合体を提供する。 【0008】 【化3】 【0009】(式(I)中、E1 ,F1 ,G1 ,J1
水素原子、ハロゲン原子、または一価の有機基を示し、
あるいは互いに結合して単環または多環の基を形成して
もよく、かつその単環または多環の基が二重結合を有し
ていてもよく、さらにE1 ,F1 ,G1 ,J1 のうち2
つがアルコキシカルボニル基を含む基であり、kは0ま
たは3以下の正整数、qは0または1である。) 【0010】 【化4】 【0011】(式(II)中、E2 、F2 ,G2 ,J2
水素原子またはハロゲン原子、一価の有機基を示し、あ
るいは互いに結合して単環または多環の基を形成しても
よく、かつその単環または多環の基が二重結合を有して
いてもよく、さらにE2 ,F2,G2 ,J2 のうち1つ
がアルコキシカルボニル基を含む基であり、kは0また
は3以下の正整数、qは0または1である。) 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。 【0013】本発明に用いられる前記一般式(I)で表
される単量体(以下、「単量体(1)」と示す。)とし
ては、下記一般式(III )で表されるアルコキシカルボ
ニル基を含む基を2個含有する、ノルボルネン系化合物
を使用することができる。 【0014】 【化5】 【0015】(式中、nは0または正整数であり、R1
は炭素数1〜12の炭化水素基である。) この一般式(III )において、R1 は炭素原子数が1〜
12の炭化水素基、好ましくは、アルキル基、例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル
基、デシル基、ドデシル基等である。また、nは0また
は正整数である。nの値が小さいものほど、得られる開
環共重合体のガラス転移温度が高くなるので好ましく、
さらにnが0である単量体(I)は、その合成が容易で
ある点で、また、得られる開環共重合体のガラス転移温
度が高いものとなる点で好ましい。前記一般式(III )
で表わされるアルコキシカルボニル基の好ましい具体例
としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、n−プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオ
キシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基等が挙げ
られる。 【0016】また、一般式(I)において、ハロゲン原
子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、沃素等、好
ましくはフッ素原子を、一価の有機基としては、シアノ
基、置換もしくは無置換アルキル基、置換もしくは無置
換アルコキシ基等を挙げることができる。無置換アルキ
ル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t
ert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基、ドデシル基等が挙げられる。無置換アルコキシ基と
しては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、
イソプロピルオキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。 【0017】アルキル基またはアルコキシ基の置換基と
しては、フッ素、塩素、臭素、沃素等のハロゲン原子、
水酸基等が挙げられる。置換アルキル基としては、フル
オロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチ
ル基、ペンタフルオロメチル基、ヘプタフルオロイソプ
ロピル基、ペンタフルオロプロピル基等が挙げられる。
また、置換アルコキシ基としては、フルオロメトキシ
基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ
基、ペンタフルオロプロピルオキシ基、ヘプタフルオロ
プロピルオキシ基等が挙げられる。 【0018】一般式(I)において、2つのアルコキシ
カルボニル基を含む基はノルボルネン環上の同一炭素原
子に結合していないことが好ましく、さらには同一炭素
原子には水素原子またはアルキル基、特にメチル基が結
合していることが、製造が容易な点から好ましい。 【0019】また、E1 ,G1 ,F1 ,J1 が互いに結
合して単環または多環の基を形成する場合は、そのよう
な基は、例えば、シクロヘキシル、1−シクロヘキセニ
ル、フェニルなどの単環、ナフチル、オクタヒドロナフ
チルなどの多環の基であってもよい。 【0020】単量体(1)の具体例としては、8,9−
ジメトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8,8−ジメトキシカ
ルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10
−3−ドデセン、8−メトキシカルボニル−9−エトキ
シカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、8−メトキシカルボニル−8−
エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8,9−ジエトキシ
カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8,8−ジエトキシカルボニ
ルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−
ドデセン、8,9−ジ−n−プロピルオキシカルボニル
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ド
デセン、8,8−ジ−n−プロピルオキシカルボニルテ
トラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデ
セン、8,9−ジイソプロピルオキシカルボニルテトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8,8−ジイソプロキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17, 10]−3−ドデセン、8,
9−ジ−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,8−ジ
−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−3−ドデセン、5,6−ジメトキシ
カルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5,6−ジメトキシカルボニルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5,6
−ジエトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、5,5−ジメトキシカルボニルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエトキシ
カルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジイソプロピルオキシカルボニルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ−n−ブ
トキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エンなどが挙げられる。 【0021】これらの単量体(1)は単独で用いても、
あるいは二種以上を併用してもよい。 【0022】本発明に用いられる前記一般式(II)で表
される単量体(以下、「単量体(2)」と示す。)は、
前記一般式(III )で表されるアルコキシカルボル基を
含有する基を1個含むノルボルネン系化合物である。 【0023】一般式(II)において、アルコキシカルボ
ニル基を含む基が結合するノルボルネン環上の炭素原子
には水素原子またはアルキル基、特にメチル基が結合し
ていることが、製造が容易な点から好ましい。 【0024】E2 ,F2 ,G2 ,I2 のうちの2つの基
が互いに結合して単環または多環の基を形成する場合の
単環および多環の基は前記一般式(I)と同様である。 【0025】単量体(2)の環の骨格としては、ビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、テトラシクロ
[4.4.0.12,5 7,10]−3−ドデセンがとくに
好ましい。 【0026】単量体(2)の具体例としては、5−メト
キシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エ
トキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5−メチル−5−イソプロピルオキシカルボニル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル
−5−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−
エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8−n−プロピルオ
キシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、8−イソプロピルオキシカルボ
ニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3
−ドデセン、8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−
メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .1 7,10]−3−ドデセン、8−メチル
−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−n
−プロピルオキシカルボニルテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8
−イソプロピルオキシカルボニルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−メチル
−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2,2,
2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−
メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカル
ボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10
−3−ドデセンなどを挙げることができる。 【0027】これらの単量体は単独で用いても、あるい
は二種以上を併用してもよい。 【0028】本発明に用いられる単量体(1)および単
量体(2)に共重合可能な単量体(3)としては、ノル
ボルネン構造を有する化合物がある。このようなノルボ
ルネン誘導体としては、直鎖状高分子を得ることができ
るもの、具体的には、1分子中に環内の二重結合が1つ
である単量体が好ましく用いられる。 【0029】単量体(3)のうちで好ましいのは、下記
式(IV)で表される、アルコキシカルボニル基を含まな
い単量体である。 【0030】 【化6】 【0031】(式(IV)中、E3 ,F3 ,G3 ,J3
水素原子、ハロゲン原子、または一価の有機基(アルコ
キシカルボニル基を含む基を除く)を示し、あるいは互
いに結合して単環または多環の基を形成してもよく、か
つその単環または多環の基が二重結合を有していてもよ
く、kは0または3以下の正整数、qは0または1であ
る。) 一般式(IV)において、ハロゲン原子および一価の有機
基としては前記一般式(I)と同様のものを挙げること
ができる。 【0032】この場合、E3 ,F3 ,G3 ,J3 は、そ
れぞれ、水素原子またはアルキル基であることが好まし
く、アルキル基である場合はメチル基が特に好ましい。 【0033】また、E3 ,F3 ,G3 ,J3 は、それら
のうち二つが互いに結合して単環または多環の基を形成
する場合は、例えば、シクロヘキシル、1−シクロヘキ
セニル、フェニルなどの単環の基、ナフチル、オクタヒ
ドロナフチルなどの多環の基であってもよい。 【0034】あるいは、E3 ,F3 ,G3 ,J3 のいず
れかとR1 とで形成されるアルキリデン基の例として
は、例えばメチリデン基、エチリデン基、イソプロピリ
デン基、ブチリデン基等が挙げられる。 【0035】単量体(3)の具体例としては、テトラシ
クロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−メチル
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ド
デセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .03,7
9,13]−4−ペンタデセン、ヘキサシクロ[6.6.
1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタ
デセン、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9 .14,7
11,17 .03,8 .012,16 ]−5−エイコセン、オク
タシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .1
13,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、5−メチ
ルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シア
ノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−メチ
ルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−
ドデセン、ペンタシクロ[7.4.0.12,5
9,12.08,13]−3−ペンタデセン、ペンタシクロ
[8.4.0.12,5 .19,12.08,13]−3−ヘキサ
デセン、ヘプタシクロ[8.7.0.13,6
10,17 .112,15 .02,7 .011,16]−4−エイコ
セン、ヘプタシクロ[8.8.0.14,7 .111,18
13,16 .03,8 .012,17]−5−ヘンエイコセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、5−トリフルオロメチルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−ペンタフルオロエチル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5−ジ
フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エン、5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(トリ
フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5,6−トリフ
ルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,
5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5,5,6,6−テトラフルオ
ロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5,
6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5−ジフルオロ
−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジフルオロ−5,
6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5,5,6−トリフルオロ−5
−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン、5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−
6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジフルオロ−5−
ヘプタフルオロイソプロピル−6−トリフルオロメチル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−クロロ
−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン、5,6−ジクロロ−5,6−ビス(ト
リフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エン、5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロ
メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロピ
ルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8
−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8−フルオロメチルテトラシ
クロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8−トリフルオロメチ
ルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−
ドデセン、8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,
8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、8,9−ジフルオロテトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,
9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−メチル
−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8,8,9−トリフ
ルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−
3−ドデセン、8,8,9−トリス(トリフルオロメチ
ル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3
−ドデセン、8,8,9,9−テトラフルオロテトラシ
クロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テ
トラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデ
セン、8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオ
ロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8,9−ジフルオロ−8,9
−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,8,9−ト
リフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,
8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセ
ン、8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプ
ロピルオキシテトラシクロ[[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、8−フルオロ−8−ペンタフル
オロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセ
ン、8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロイソプロ
ピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−クロロ−
8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8,9−ジクロロ−
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ
[[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセンなど
を挙げることができる。 【0036】また、単量体(3)の具体例としては、ジ
メタノオクタヒドロナフタレン、エチルテトラシクロド
デセン、6−エチリデン−2−テトラシクロドデセン、
トリメタノオクタヒドロナフタレンなども使用すること
ができる。 【0037】これらの単量体は単独で用いてもよく、あ
るいは2種以上を混合して用いてもよい。 【0038】上述の単量体(1)、単量体(2)、単量
体(3)は、ジシクロペンタジエン(DCP)と各種の
二重結合基含有単量体とのDiels−Alder反応
により合成することができる。 【0039】本発明の単量体(1)と単量体(2)の共
重合体の組成比(重量比)は、単量体(1):単量体
(2)=99:1〜1:99が好ましく、80:20〜
20:80がさらに好ましい。組成比の単量体(1):
単量体(2)が99:1より大きくても、また組成比の
単量体(1):単量体(2)が1:99より小さくて
も、いずれも最終的に得られる水素添加重合体は非ハロ
ゲン系溶媒に溶解しにくい。 【0040】本発明で使用する単量体(3)と単量体
(1)+単量体(2)の総量との組成比(重量比)は、
単量体(3):{単量体(1)+単量体(2)}=0:
100〜50:50が好ましく、さらに好ましくはO:
100〜40:60である。 【0041】単量体(3):{単量体(1)+単量体
(2)}の組成比が=50:50より大きいと、最終的
に得られる水素添加重合体は非ハロゲン系溶媒に溶解し
にくい。 【0042】本発明の水素添加重合体は上述の単量体
(1)と単量体(2)とともに、またはこれらの単量体
とこれらの単量体と共重合可能な単量体(3)とともに
メタセシス重合触媒を用いて有機溶媒中で開環共重合さ
せることにより得られる開環共重合体をさらに、水素添
加して得られる水素添加重合体である。 【0043】本発明の水素添加重合体の製造に用いるメ
タセシス重合触媒の具体例としては、モリブテン(M
o)、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、レニ
ウム(Re)およびタンタル(Ta)などの金属のハロ
ゲン化物、オキシハロゲン化物、酸化物、有機アンモニ
ウム塩などが挙げられる。またメタセシス重合触媒の共
触媒としては、アルキルアルミニウムハライド、アルコ
キシアルキルアルミニウムハライド、アリールオキシア
ルキルアルミニウム、有機スズ化合物などが挙げられ
る。 【0044】メタセシス重合触媒の使用量は、ノルボル
ネン誘導体単量体1モルに対して、0.01〜20ミリ
モル、好ましくは0.1〜10ミリモルの範囲で用いら
れる。共触媒は上記メタセシス重合触媒に対し1〜50
(モル比)の範囲で用いられる。 【0045】また、メタセシス重合触媒は予め変性され
た金属化合物の変性体であっても良い。 【0046】本発明の水素添加重合体の製造に用いる溶
媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ノナン、デカンなどのアルカン類、シクロヘキサ
ン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノル
ボルナンなどのシクロアルカン類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭
化水素、クロロブタン、ブロムヘキサン、塩化メチレ
ン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロ
ロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなど
のハロゲン化アルカン、アリールなどの化合物、酢酸エ
チル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオ
ン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エ
ステル類、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
メトキシエタンなどのエーテル類などを挙げることがで
き、これらは単独であるいは混合して用いることができ
る。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。 【0047】溶媒の使用量としては、「溶媒:単量体
(重量比)」が、通常1:1〜10:1となる量とさ
れ、好ましくは1:1〜5:1となる量とされる。 【0048】本発明において、開環共重合体の分子量の
調節は重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行
うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を
反応系に共存させることにより調節することができる。 【0049】ここに、好適な分子量調節剤としては、例
えばエチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、
1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネ
ン、1−デセンなどのα−オレフィン類、1,3−ブタ
ジエン、1,3−ペンタジエンなどのジエン類およびス
チレンなどを挙げることができ、これらのうち、1−ブ
テン、1−ヘキセンが特に好ましい。 【0050】これらの分子量調節剤は、単独であるいは
2種以上を混合して用いることができる。 【0051】分子量調節剤の使用量としては、単量体1
モルに対して0.005〜1.0モル、好ましくは0.
02〜0.7モルとされる。 【0052】また、開環共重合反応の重合温度は40〜
120℃、好ましくは50〜100℃とされる。 【0053】以上のようにして得られる開環共重合体
は、水素化触媒を用いて水素化できる。 【0054】水素化反応は、通常の方法、すなわち、開
環共重合体の溶液に水素化触媒を添加し、これに常圧〜
300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0
〜200℃、好ましくは20〜180℃で作用させるこ
とによって行われる。 【0055】水素化触媒としては、通常のオレフィン性
化合物の水素化反応に用いられるものを使用することが
できる。この水素化触媒としては、不均一系触媒および
均一系触媒が公知である。 【0056】不均一系触媒としては、パラジウム、白
金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒
物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの
担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。ま
た、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエ
チルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/ト
リエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチ
ルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニ
ウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリ
フェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリストリフ
ェニルホスフィンルテニウム、クロロヒドロカルボニル
トリストリフェニルホスフィンルテニウムなどを挙げる
ことができる。触媒の形態は粉末でも粒状でもよい。 【0057】これらの水素化触媒は、開環共重合体:水
素化触媒(重量比)が、1:1×10-5〜1:2となる
割合で使用される。 【0058】このように、水素化することにより、得ら
れる水素添加重合体は優れた熱安定性を有するものとな
り、成形加工時や製品としての使用時の加熱によっては
その特性が劣化することはない。ここに、水素添加率
は、通常50%以上、好ましく70%以上、更に好まし
くは90%以上である。水素添加率が50%より低いと
得られた樹脂は、耐熱性が悪く、加熱されると黄色に変
色したり、脆くなったりし好ましくない。 【0059】本発明の水素添加重合体の分子量はポリス
チレン換算量による重量平均分子量で、通常20,00
0〜700,000、特に30,000〜500,00
0であることが好ましい。分子量が20,000より小
さいと得られた樹脂が脆く、700,000より大きい
と製造しにくくなる。 【0060】本発明の水素添加重合体には、公知の酸化
防止剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフ
ェノール、2,2′−ジオキシ−3,3′−ジ−t−ブ
チル−5,5′−ジメチルジフェニルメタン、テトラキ
ス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]メタン;紫外線吸
収剤、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどを添加
することによって安定化することができる。また、加工
性を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加すること
もできる。 【0061】本発明の水素添加重合体を溶解することの
できる溶媒としては、比較的低沸点のエステル系溶媒、
ケトン系溶媒、炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒が挙げら
れ、これらの混合溶媒でもよい。 【0062】エステル系溶媒としては、ギ酸メチル、ギ
酸エチル、ギ酸ブチル、ギ酸アミル、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチ
ル、酢酸イソブチル、酢酸第二アミル、酢酸イソアミ
ル、酢酸メチルアミル、ケトン系溶媒としてはアセト
ン、メチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルプロ
ピルケトン、ジエチルケトン、メチルブチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、ブチロ
ン、炭化水素系溶媒としてはシクロヘキサン、ヘキサ
ン、イソヘキサン、メチルペンタン、ヘプタン、イソヘ
プタン、オクタン、イソオクタン、イソオクテン、ノナ
ンなど、が挙げられる。溶媒の値段、使いやすさ、毒
性、水素添加重合体の溶解性、揮発性から、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢
酸、ケトン系溶媒としてはアセトン、メチルアセトン、
メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチル
ケトン、炭化水素系溶媒としてはシクロヘキサン、ヘキ
サン、イソヘキサン、メチルペンタン、ヘプタン、イソ
ヘプタン、オクタン、イソオクタン、芳香族系溶媒とし
て、トルエン、キシレン、など、またこれらの混合溶媒
などが挙げられる。さらに好ましくは、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、ケトン系
溶媒としてはアセトン、メチルアセトン、メチルエチル
ケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、また
これらの溶媒とのトルエンとの混合溶媒などが挙げられ
る。 【0063】本発明の水素添加重合体の用途は特に限定
されるものではなく、広い範囲にわたって使用すること
ができ、例えば、一般カメラ用レンズ、ビデオカメラ用
レンズ、望遠鏡レンズ、眼鏡レンズ、レーザビーム用レ
ンズなどのレンズ類、光学式ビデオディスク、オーディ
オディスク、文書ファイルディスク、メモリディスクな
どの光ディスク類、光ファイバーなどの光学材料、受像
転写シートや各種フィルム、接着剤、ワニス、シート、
封止剤、無機または有機化合物のバインダーとして特に
好適に使用することができる。 【0064】また、本発明の水素添加重合体からなる成
形品の表面には、無機化合物、シランカップリング剤な
どの有機シリコン化合物、アクリル系樹脂、ビニル系樹
脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂、シリ
コーン樹脂などからなるハードコート層を形成すること
ができる。ハードコート層の形成手段としては、熱硬化
法、紫外線硬化法、真空蒸着法、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法などの公知の方法を挙げることが
できる。これによって、成形品の耐熱性、光学特性、耐
薬品性、耐摩耗性および透湿性などを向上させることが
できる。 【0065】以下、本発明の実施例について説明する
が、本発明がこれによって限定されるものではない。 【0066】(実施例1) (a)重合 表1および表3で示された化学構造式の(A)単量体4
0重量部と化学構造式(B)で示された単量体を60重
量部と、分子量調節剤である1−ヘキセン13部とトル
エン200部を、窒素置換した反応容器に仕込み、80
℃に加熱した。これに、重合触媒であるトリエチルアル
ミニウム(1.5モル/l)のトルエン溶液0.51部
と、WCl6溶液(濃度0.05モル/l)3.0部を
加え、80℃で3時間加熱撹拌して、重合体溶液Aを得
た。 【0067】この重合反応における重合転化率は97%
であった。 【0068】(b)水素添加 上記で得られた重合体溶液の400部に水素化触媒とし
てクロロヒドロカルボニルトリスフェニルホスフィンル
テニウム0.075部を添加し、オートクレーブ内にお
いて、水素ガス圧100kg/cm2 、温度165℃の
条件下で4時間加熱することにより、水素化反応をおこ
なった。得られた水素化重合溶液において、水素化率は
実質上100%であった。 【0069】(c)脱触、凝固および乾燥 上記で得られた水素化重合溶液の400部と、トルエン
100部を反応容器内に仕込み、乳酸0.71部と、水
1.15部とを添加して、60℃で30分間撹拌し、次
いで、メタノール260部を添加し、60℃でさらに1
時間撹拌した。その後、反応容器内を室温まで冷却し、
貧溶媒相(メタノール相)と良溶媒相(重合体含有相)
とを分離させ、貧溶媒相のみを抜き出した。次いで抜き
出された貧溶媒の4.5重量%に相当するメタノールと
55%重量部に相当するトルエンとを反応容器内に添加
して60℃で1時間撹拌した。再び室温まで冷却して、
貧溶媒相と良溶媒相を分離させ、貧溶媒相のみを抜き出
した。このメタノールのよる抽出操作をもう一度繰り返
した後、良溶媒相を分離し、残留金属などを脱触した水
素添加重合体を回収した。 【0070】この溶液をメタノールで凝固した後、真空
乾燥機で80℃、12時間乾燥後ポリマー(水素添加重
合体1)を得た。その重量平均分子量(Mw)は2万で
あった。 【0071】(d)フィルム製造 上記水素添加重合体を非ハロゲン系溶媒(酢酸エチル/
トルエン=90/10wt%)に溶解させて20wt%
の濃度液にし、その溶液を一定幅のダイスよりテフロン
フィルム(キャリアー)の上に押し出し、風乾させた
後、キャリアーから剥離させ、さらに真空乾燥機、80
℃、12時間かけて乾燥し、厚み150μmのキャスト
フィルムを得た。 【0072】評価方法 全光線透過率、ガラス転移温度(Tg)、複屈折および
溶解性は、以下の方法により測定または評価した。 【0073】全光線透過率 :フィルムを何枚か重ね合
わせ、厚み3.2mmにしヘイズメーターによりAST
M D 1003に準じて測定した。 【0074】複屈折:フィルムをエリプソメーター(条
件633nm)で測定した。 【0075】ガラス転移温度:DSC(differe
ntial Scanning Calorimete
r)により、20℃/minの温度上昇条件で測定し
た。 【0076】溶解性:重合体を酢酸エチル/トルエン=
85/15(wt%比)混合溶媒への溶解性を評価し
た。 【0077】結果を表3に示した。溶媒に可溶で、Tg
が高く、透明性、複屈折の良好な水素添加重合体が得ら
れることがわかる。 【0078】(実施例2〜3)表1および表3のとおり
(A)単量体と(B)単量体の組成比を変えて実施例1
と同様に重合し水素添加、脱触、凝固、乾燥を経てフィ
ルムを得た。 【0079】なお、実施例2および3の重合体の重合転
化率は、それぞれ、98%、95%、水素添加重合体の
Mwはそれぞれ19000および20000であった。 【0080】結果を表2に示した。(A)単量体と
(B)単量体の比を変えても溶媒に可溶で、Tgが高
く、透明性、複屈折の良好な水素添加重合体が得られる
ことがわかる。 【0081】(実施例4)表1および表3のとおり
(A)単量体と(B)単量体にさらに前記単量体と共重
合可能な単量体を添加し、実施例1と同様に重合し水素
添加、脱触、凝固、乾燥を経てフィルムを得た。結果を
表2に示した。 【0082】なお、実施例4、5および6の重合体の重
合転化率は、それぞれ、94%、95%および96%、
水素添加重合体のMwはそれぞれ19000、2000
0および20000であった。 【0083】(A)単量体および(B)単量体の他に共
重合可能な単量体を加えても溶媒可能な水素添加重合体
が得られることがわかる。 【0084】(実施例5および6)表1および表3のと
おり単量体(1)と単量体(2)をそれぞれ2種以上使
用しても溶媒可溶な水素添加物が得られることがわか
る。 【0085】(実施例7〜10)表1および表3に示す
ような単量体を使用しても、実施例1と同様に重合し水
素添加、脱触、凝固、乾燥を経てフィルムを得た。結果
を表2に示した。 【0086】なお、実施例7、8、9および10の重合
体の重合転化率は、それぞれ、92%、92%、96%
および95%、水素添加重合体のMwはそれぞれ150
00、20000、19000および20000であっ
た。 【0087】表1および表3に示すような単量体を使用
しても、溶媒可能な水素添加重合体が得られることがわ
かる。 【0088】(実施例11〜13)表2および表3に示
すような単量体を使用しても、実施例1と同様に重合し
水素添加、脱触、凝固、乾燥を経てフィルムを得た。結
果を表3に示した。 【0089】なお、実施例11、12および13の重合
体の重合転化率は、それぞれ、91%、92%および9
2%、水素添加重合体のMwはそれぞれ16000、2
0000および18000であった。 【0090】表2および表3に示すような単量体を使用
しても、溶媒可能な水素添加重合体が得られることがわ
かる。 【0091】(比較例1および2)表1および表3のと
おり(A)単量体のみ、または(B)単量体のみを実施
例1と同様に重合し水素添加、脱触、凝固、乾燥を経て
フィルムを得た。ただし、フィルム製造時の溶媒はクロ
ロホルムを使用した。 【0092】なお、比較例1および2の重合体の重合転
化率は、それぞれ、92%および92%、水素添加重合
体のMwはそれぞれ15000および20000であっ
た。 【0093】結果を表4に示した。(A)単量体のみ、
または(B)単量体のみで重合し水素添加した水素添加
重合体は、Tgが高く、透明性、複屈折も良好である
が、溶媒に不溶であることがわかる。 【0094】(比較例3および4)ポリメチルメタクリ
レート、ポリカーボネートはクロロホルムを使用しフィ
ルムを製造した。評価結果を表4に示した。 【0095】ポリメチルメタクリレートは、Tgが低
く、溶媒にも溶解しない。またポリカーボネートは複屈
折が大きく、しかも溶媒に不溶であることがわかる。 【0096】 【表1】 【0097】 【表2】【0098】 【表3】【0099】 【表4】【0100】 【発明の効果】本発明の水素添加重合体は、非ハロゲン
系溶媒に可溶であるため、製造工程での環境汚染がな
く、特にキャストフィルム、ワニス、接着剤、バインダ
ー用途など溶解工程の必要な用途に好適に用いることが
できる。しかも本発明の水素添加重合体は、ガラス転移
温度が高く、透明性、複屈折に優れた高品質なポリマー
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 61/00 - 61/12

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (イ)下記一般式(I)で表される単量
    体と下記一般式(II)で表される単量体とを、または
    (ロ)下記一般式(I)で表される単量体と下記一般式
    (II)で表わされる単量体とこれらの単量体と共重合可
    能な単量体とを、開環共重合し、さらに水素添加して得
    られるポリスチレン換算重量平均分子量が20,000
    〜700,000の水素添加重合体。 【化1】 (式(I)中、E1 ,F1 ,G1 ,J1 は水素原子、ハ
    ロゲン原子、または一価の有機基を示し、あるいは互い
    に結合して単環または多環の基を形成してもよく、かつ
    その単環または多環の基が二重結合を有していてもよ
    く、さらにE1 ,F1 ,G1 ,J1 のうち2つがアルコ
    キシカルボニル基を含む基であり、kは0または3以下
    の正整数、qは0または1である。) 【化2】 (式(II)中、E2 、F2 ,G2 ,J2 は水素原子また
    はハロゲン原子、一価の有機基を示し、あるいは互いに
    結合して単環または多環の基を形成してもよく、かつそ
    の単環または多環の基が二重結合を有していてもよく、
    さらにE2 ,F2,G2 ,J2 のうち1つがアルコキシ
    カルボニル基を含む基であり、kは0または3以下の正
    整数、qは0または1である。)
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