JP3452300B2 - 樹木種子袋付き植生マット - Google Patents
樹木種子袋付き植生マットInfo
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Description
の緑化をおこなうための樹木種子袋付き植生マットに関
する。
う場合、法面上に耐久性のあるネットを張設してその上
から、樹木種子に肥料、保水材、土壌改良材等を配合し
た厚層基材を吹き付ける吹付工法や、樹木種子を配合し
た植生基材を袋体やマット状紙布片等にセットした植生
マットを法面に敷設する施工方法等が採用されている。
によって肥料や保水材、土壌改良材等と共に樹木種子を
法面上に安定に定着させることができ、また、ネットや
マットによって法面が保護されるため、早期安定緑化を
図りやすい。
の施工方法では、いずれも数種の樹木種子が無作為に播
種されることになるため、発芽後、樹木間の競争によっ
て互いに被圧を受け、目的とする樹木種子を確実に所定
場所に生育させることが困難な場合があった。
法面に植裁穴を掘設したり、周囲に覆土を施したり、ま
た、乾燥防止や雑草類の生育防止を図るために、周囲に
米松、ベニヤ板、コモ、ダンボール、麻布等々の被覆材
を敷設する必要もあり、施工に大変な手間を要するとい
う難点があった。
目的とする樹木を法面の所望の位置に生育させることの
できる植生マットを提供することを目的としている。
決するための手段を以下のように構成している。すなわ
ち、請求項1に記載の発明では、被覆効果と植物の出芽
性を考慮した粗目のヤシネットの片面に、生分解性のネ
ット又は布片を重ね合わせ、この生分解性のネット又は
布片を幅方向に不連続に切断した切れ目を長手方向に適
宜の間隔に多数形成してヤシネットと生分解性のネット
又は布片の間に収容部を形成し、この収容部に、樹木種
子の播種量が少なくて済み、かつ、被圧をうけることが
なく、目的とする樹木を所望の位置に健全に育成させる
ように、主として樹木の種子を収容した植生袋が挟着さ
れ、これらが一体的に縫合されてなることを特徴として
いる。
載の発明における前記ヤシネットが、1〜10mm径の
ヤシ繊維の撚り紐を10×10cm当たり5〜15本に
なるように編織してなることを特徴としている。
請求項2に記載の発明において、縫合糸として生分解性
の合成樹脂繊維の糸を使用することを特徴としている。
り、播種量が少なくて済み、確実に所定場所に目的とす
る樹木を健全に生育させることができる。
耐久性があり保温性に優れ、高い蒸発抑制力を有してお
り、法面に張り付け施工すると、法面の表層土壌の移動
・流亡を効果的に防止することができ、一般的に施工後
2年ないし5年で腐食してしまい、後に残留せず、公害
問題を発生させない。
生マット(以下マットという)の実施形態を詳細に説明
する。図1はマットMの模式的な断面図、図2は分解斜
視図で、これらの図において、符号1はヤシ繊維で編織
された粗目のヤシネット、2は生分解性の繊維材よりな
るネット(又は布片)、3はヤシネット1とネット2と
の間に挟着される植生袋で、主として樹木の種子を含む
植生基材4を収納したものであり、これらが、縫合糸5
によって一体的に縫合され、マットMを形成している。
太さが1〜10mm,例えば5mmで、10×10cm
当り、5〜10本,例えば7本の構成とする。ヤシネッ
ト1は、保温性に優れ、蒸発抑制力が高い機能を持って
おり、法面に張り付け施工すると表面の表層土壌の移動
・流亡を防止する機能が高い。一般的には、施工後2年
ないし5年で腐食し、残留物を残さない。
と強度が低下し、流水により破断するおそれがあり、ま
た、ネットとしての閉塞性が低下し、ネットの被覆効果
が低下する。10mm以上では、閉塞性が大きすぎ、植
物ネットからの出芽に支障をきたし、また、編織性が悪
くなる。ヤシネットの網目を10×10cm当り5〜1
5本とすることも、ネットの閉塞性を適度に保ち、被覆
効果と植物の出芽性を考慮したものである。
きる素材として、麻の粗目の布片(ヘシアンクロス)、
生分解性樹脂ネット、レーヨン不織布、クラフトパルプ
等があり、また、生分解性の合成樹脂としては、例えば
キトサンとセルロールの複合体などの天然高分子系の合
成樹脂、微生物発酵脂肪族ポリエステル(例えば島津製
作所の商品名、ラクトロン)やバイオセルロースなどの
発酵生産系の合成樹脂、さらには、化学合成系の合成樹
脂として、脂肪族のポリエステルe−カプロラクトン系
や、ジカルボン酸とジグリコールの縮合であるe−カプ
ロラクトン系の脂肪族ポリエステル(例えば昭和高分子
の商品名、ビオノーレ)などを使用することができる。
樹脂繊維の糸、麻糸、綿糸等が腐食性の製品の構成とし
て使用可能で、必ずしも腐食しなくてもよい場合(一部
の構成材料が耐腐食性機能をもっていて法面保護効果を
持続させる必要のある場合)には、耐腐食性のポリエス
テル、ビニロン等の糸が使用できる。これらの糸は主に
撚り糸が使用され、0.5〜3mmの太さの糸が使用さ
れ、ポリエステル等のプラスチック糸の場合にはモノフ
ィラメント状の糸が使用でき、この場合には0.3mm
程度の太さの糸でも高張力のプラスチック糸を使用すれ
ば可能である。縫合の目合いは、3〜50cmの間隔で
長手方向に縫合すればよい(図3(A)参照)。
照)、ホッチキスを使用して上記の間隔で各素材を一体
化する方法も可能で、この場合には比較的に簡易な設備
で縫合が可能であり、コスト安ともなる。尚、図3
(B)において、9はホッチキスの針である。
溶性、水解性、腐食性の材質の布片からなり、具体的に
は、ボンリック紙,不織布,クラフトパルプ紙等が使用
できる。袋に充填するものとしては、バーミキュライ
ト,ピートモス,イソライト,粒状タンカル,サチュラ
イド(撥水抑制剤),粒状ベントナイト,肥料として
は、グリーンマップ(商品名、日本合同肥料株式会社
製),コーティング肥料(ハイコントロール),熔成燐
肥等、種子としてはヤマモミジ,シャリンバイ,ブナ,
ドングリ類(クヌギ,アラカシ,シラカシ等)及び、草
本種子(外来牧草種、在来の野草類)等を混合して充填
する。袋体の大きさは、10×10cm、厚み3〜5c
m程度とするのが好ましい。また、植生袋3の素材とし
て、キチン,キトサン(抗菌成分を有する素材)の不織
布を用いたり、これらの細片、粉末を植生袋3の充填材
として使用してもよく、このようにすれば、発芽不良や
不均一を解消して樹木種子の均一な発芽促進を図ること
ができる。
敷設した場合(図4参照)、ヤシネット1が適度の耐久
性を有しており、法面表層土の崩落防止効果が高いため
急傾斜地にも適用可能である。また、ヤシネット1は蒸
発防止効果が高いので、乾燥地帯や降雨の少ない時にお
いても、植物の発芽・生育のための水分を充分に確保す
ることができる。さらに、ヤシネット1は保温効果に優
れ、かつ、凍上を防止することもでき、発芽・生育促進
効果が高いため、樹木による早期安定緑化が可能とな
る。
で、播種量が少なくて済み所定の場所に目的とする樹木
を被圧の影響を受けることなく確実に生育させることが
できる。また、その植生袋3は天然素材であり、樹木が
生育した適当な時期に腐食消失するため公害問題を発生
させない。また、ヤシシート,ジュートを重ねて使用す
るので、雨水、表面流水に対して侵食防止効果に優れ、
樹木が生育するまで良好な保護効果が得られる。なお、
必要に応じて止め釘やアンカーでマットMを法面に定着
させればよい。
ヤシネット1とヘシアンクロス(粗目の麻布)よりなる
ネット2との間に、薄い紙片又は不織布よりなるシート
6を挟着させ、そのシート6とネット2との間に植生袋
3を挟着させるようにする。このように構成すれば、植
生袋3の挿入作業が容易となり、また、そのシート6に
よって法面の水分の蒸発を抑制することができ、そし
て、シート6が水によって分散されるため、良好な保水
性を確保することができる。
粗目のヤシネット1の片面に不織布等よりなるシート6
とヘシアンクロスよりなるネット2を重ね合わせ、約1
5cm間隔で長手方向に、生分解性の合成樹脂糸(発酵
系脂肪族ポリエステル−商品名ラクトロン−島津製作所
製)で縫合し、この縫合糸と縫合糸との間のネット2を
幅方向に不連続に切断した切れ目7を長手方向に適宜の
間隔に多数形成してシート6とネット2との間に収容部
8を形成しておき、その各収容部8に、樹木種子を収納
した植生袋3をあらかじめ挿入したり、現地でも挿入す
るようにする。なお、シート6は省いてもよい。
の法面の保護を主としてヤシネット1で図り、樹木が十
分生育する頃には、マットMは腐食・消失するため、生
育した樹木の根元を締めつける、いわゆる首しめ現象は
なく、公害問題も発生しない。
袋付き植生マットによれば、被覆効果と植物の出芽性を
考慮した粗目のヤシネットの片面に、生分解性のネット
又は布片を重ね合わせ、この生分解性のネット又は布片
を幅方向に不連続に切断した切れ目を長手方向に適宜の
間隔に多数形成してヤシネットと生分解性のネット又は
布片の間に収容部を形成し、この収容部に、樹木種子の
播種量が少なくて済み、かつ、被圧をうけることがな
く、目的とする樹木を所望の位置に健全に育成させるよ
うに、主として樹木の種子を収容した植生袋が挟着さ
れ、これらが一体的に縫合されてなるので、樹木種子の
播種量が少なくて済み、かつ、被圧をうけることがな
く、目的とする樹木を所望の位置に健全に生育させるこ
とができる。
ので、適当な時期に腐食するため、自然に優しい。そし
てヤシシートと生分解性のネット又は布片を重ね合わす
ので、雨水や表面流水に対して侵食防止効果が優れてお
り、樹木生育まで高い保護効果を得られる。
態を示す断面図である。。
キスによる縫合作業の説明図である。
3…植生袋、5…縫合糸、8…収容部。
Claims (3)
- 【請求項1】 被覆効果と植物の出芽性を考慮した粗目
のヤシネットの片面に、生分解性のネット又は布片を重
ね合わせ、この生分解性のネット又は布片を幅方向に不
連続に切断した切れ目を長手方向に適宜の間隔に多数形
成してヤシネットと生分解性のネット又は布片の間に収
容部を形成し、この収容部に、樹木種子の播種量が少な
くて済み、かつ、被圧をうけることがなく、目的とする
樹木を所望の位置に健全に育成させるように、主として
樹木の種子を収容した植生袋が挟着され、これらが一体
的に縫合されてなることを特徴とする樹木種子袋付き植
生マット。 - 【請求項2】 前記ヤシネットが、1〜10mm径のヤ
シ繊維の撚り紐を10×10cm当たり5〜15本にな
るように編織してなることを特徴とする請求項1に記載
の樹木種子袋付き植生マット。 - 【請求項3】 縫合糸として生分解性の合成樹脂繊維の
糸を用いてあることを特徴とする請求項1または請求項
2に記載の樹木種子袋付き植生マット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26280097A JP3452300B2 (ja) | 1997-09-09 | 1997-09-09 | 樹木種子袋付き植生マット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26280097A JP3452300B2 (ja) | 1997-09-09 | 1997-09-09 | 樹木種子袋付き植生マット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1181322A JPH1181322A (ja) | 1999-03-26 |
JP3452300B2 true JP3452300B2 (ja) | 2003-09-29 |
Family
ID=17380791
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26280097A Expired - Fee Related JP3452300B2 (ja) | 1997-09-09 | 1997-09-09 | 樹木種子袋付き植生マット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Families Citing this family (3)
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KR101009059B1 (ko) | 2010-04-15 | 2011-01-17 | (주)루펜큐 | 식생매트 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2784760B2 (ja) * | 1995-11-30 | 1998-08-06 | 日本植生株式会社 | 植生用マットおよびその施工方法 |
-
1997
- 1997-09-09 JP JP26280097A patent/JP3452300B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH1181322A (ja) | 1999-03-26 |
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