JP3451045B2 - グラウンドアンカー工法及び受圧板支持材 - Google Patents

グラウンドアンカー工法及び受圧板支持材

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JP3451045B2
JP3451045B2 JP32490199A JP32490199A JP3451045B2 JP 3451045 B2 JP3451045 B2 JP 3451045B2 JP 32490199 A JP32490199 A JP 32490199A JP 32490199 A JP32490199 A JP 32490199A JP 3451045 B2 JP3451045 B2 JP 3451045B2
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歩 山根
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Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、斜面を安定化する
ために実施されるグラウンドアンカー工法、および、そ
のグラウンドアンカー工法において、斜面と受圧板との
間に配置されて使用される受圧板支持材、ならびに補強
された受圧板支持材に関する。
【0002】
【従来の技術】傾斜地盤の傾面の地滑り、崩壊等を防止
して斜面を安定化するために実施されるグラウト材等に
よって固定されるとともに、アンカー材の他方の端部
が、斜面から突出された状態とされる。そして、この斜
面から突出したアンカー材の端部に、繊維強化プラスチ
ック、コンクリート等によって構成された複数枚の板材
が、上下方向に積み重ねられて構成された受圧板によっ
て取り付けられる。
【0003】このような状態で、アンカー材が緊張され
ると、アンカー材の一方の端部が安定地盤にグラウト材
等によって固定されているために、受圧板が斜面に圧接
される。そして、アンカー材の緊張による圧力が、受圧
板によって、斜面に対して分散された状態で加わるため
に、斜面の地滑り、崩壊等が防止される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】受圧板が圧接される斜
面は、通常、受圧板全体が斜面に対して圧接されるよう
に、土木作業機械によって平坦化されている。しかしな
がら、斜面が礫等によって凹凸状になっていたり、急傾
斜になっていると、斜面を平坦化することは容易でない
という問題がある。また、完全に平坦化されずに凹凸状
になった斜面に対して受圧板が圧接されると、受圧板に
よって、斜面に対して圧力を均等に分散させることがで
きないおそれがある。また、受圧板に対する地盤反力が
不均一に加わり、受圧板に大きな応力が加わって、受圧
板自体が破損するおそれもある。
【0005】このような問題を解決するために、受圧板
と斜面との間に、発泡スチロール、スポンジ、発泡ポリ
エチレン等の発泡体、ゴム等の弾性体を介在させて、斜
面の不陸を弾性体の変形によって吸収することが行なわ
れている。このように、弾性体によって、斜面の不陸を
吸収させることにより、受圧板からの圧力を斜面に対し
て均等に分散させることができる。
【0006】しかしながら、弾性体が比較的に柔軟な場
合には、アンカー材の緊張によって、斜面の地滑り等を
防止し得る十分な圧力を付与することができないおそれ
があり、また、アンカー材の緊張に長時間かかるおそれ
がある。これに対して,弾性体が硬質の場合には、斜面
の不陸を十分に吸収することができず、受圧板による圧
力を斜面に均等に分散させることができないおそれがあ
る。しかも、受圧板と斜面との間に介在された弾性体
は、長期にわたる圧縮クリープによって変形し、アンカ
ー材の緊張状態が弛むおそれもある。
【0007】また、受圧板と斜面との間に、モルタル等
を充填して、斜面の不陸を吸収することも行なわれてい
る。しかしながら、この場合には、モルタル等の配合、
注入を現場にて実施する必要があり、短期間にて施行す
ることが容易でなく、また、打設が広域となるので、経
済性が損なわれる。しかも、モルタル等は斜面に沿って
流動するために、斜面と受圧板との間の全体にわたっ
て、モルタル等を完全に充填することは容易ではないと
いう問題もある。
【0008】また、特開平9−242017号公報に
は、受圧板の中央部と斜面との間に適当なスペーサーを
設けて、受圧板と斜面との間におけるスペーサーの周囲
にのみ、モルタル等を充填することが行なわれている。
この場合には、受圧板の中央と斜面との間におけるスペ
ーサーが配置された部分には、モルタル等を充填する必
要がなく、モルタル等の充填作業は、比較的に容易にな
る。しかしながら、この場合にも、斜面に沿ってモルタ
ルが流動するために、その充填作業は、必ずしも容易で
はない。
【0009】本発明は、このような問題を解決するもの
であり、その目的は、斜面の不陸を確実に吸収すること
ができるため、受圧板から斜面に加わる圧力を均等に分
散させることができ、しかも、受圧板に局所的な応力集
中が発生するおそれがなく、長期にわたって斜面を安定
化することができ、さらに、現場での作業がきわめて容
易なグラウンドアンカー工法、及び、そのグラウンドア
ンカー工法に使用される受圧板支持材、さらには、この
受圧板支持材を強度性、耐候性、耐水性等について補強
する構成を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明のグラウンドアンカー工法は、安定地盤に
一方の端部が固定されて他方の端部が斜面から突出する
ようにアンカー材が配置されて、斜面から突出したアン
カー材の端部に、斜面に沿って配置された受圧板が取り
付けられて、受圧板が斜面に圧接されることによりアン
カー材が緊張状態とされるグラウンドアンカー工法であ
って、適当な大きさの木質繊維材が混入され強制乾燥さ
れた半硬化状態のセメント成形体によって構成された受
圧板支持材を斜面と受圧板との間に配置し、この受圧板
支持材に給水するとともに、アンカー材を緊張状態に
てこの受圧板支持材を硬化させることを特徴とする。
【0011】また、本発明のグラウンドアンカー工法に
は、アクリル共重合樹脂エマルジョンの加水処理液にポ
ルトランドセメントを混合してなる補強処理剤によっ
て、外表面がコートされた受圧板支持材を斜面と受圧板
との間に配置する構成が含まれる。
【0012】また、本発明の受圧支持材は、安定地盤に
一方の端部が固定されて他方の端部が斜面から突出する
ようにアンカー材が配置されて、斜面から突出したアン
カー材の端部に、斜面に沿って配置された受圧板が取り
付けられて、受圧板が斜面に圧接されることによりアン
カー材が緊張状態とされるグラウンドアンカー工法にお
いて、斜面と受圧板との間に配置される受圧板支持材で
あって、適当な大きさの木質繊維材が混入されて強制乾
燥された半硬化状態のセメント成形体によって構成さ
、このセメント形成体に給水して硬化させることを特
徴とする。
【0013】また、本発明の受圧板支持材には、適当な
大きさの木質繊維材が混入されて強制乾燥された半硬化
状態のセメント成形体の外表面に、アクリル共重合樹脂
エマルジョンの加水処理液にポルトランドセメントを混
合してなる補強処理剤をコートしてなる構成が含まれ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。図1は、本発明の受圧板支持材
を使用したグラウンドアンカー工法の実施状態を示す断
面図である。傾斜地盤20では、安定地盤22に沿った
滑り面24に沿って、斜面21の近傍部分23が地滑り
あるいは崩壊するおそれがあり、このような地滑り、崩
壊等を防止するために、グラウンドアンカー工法が実施
される。
【0015】本発明のグラウンドアンカー工法では、ま
ず、傾斜地盤20における斜面21から滑り面24を越
えて安定地盤22に達する掘削孔25が形成され、この
掘削孔25内にPC鋼線等のアンカー材12が挿入され
る。そして、安定地盤22内に位置するアンカー材12
の基端部が、セメント等のグラウト材26によって、安
定地盤22に固定される。アンカー材12の先端部は、
掘削孔25内に挿通して、斜面21から上方に適当な長
さにわたって突出されている。
【0016】アンカー材12の先端部が突出される斜面
21には、本発明の受圧板支持材11が配置されてい
る。受圧板支持材11は、ほぼ受圧板の最下側と相似形
もしくは同形状の平板状に構成されており、この受圧板
支持材11上に、複数の板材13aを、上下方向に積み
重ねられて構成された受圧板13が配置されている。ま
た、受圧板13を構成する各板材13aは、それぞれ繊
維強化プラスチックによって、ほぼ正方形もしくはクロ
ス状に構成されており、最下側に配置された板材13a
の正方形の面積が最も大きく、上側になるにつれて各板
材13aの正方形の面積が、順次、一回りずつ小さくな
っている。
【0017】最下側の板材13aと斜面21との間に配
置される受圧板支持材11は、最下側の板材13aの正
方形の面積とほぼ同形状をしている。上下方向に積み重
ねられた受圧板支持材11および受圧板13の各板材1
3aは、それぞれが同心状態であって、しかも、それぞ
れの各コーナー部同士が上下方向に整合状態で並んだピ
ラミッド状にそれぞれ配置されている。
【0018】受圧板支持材11および受圧板13の各板
材13aにおける中心部には、貫通孔がそれぞれ設けら
れており、斜面21から突出したアンカー材21の先端
部が、受圧板支持材11および受圧板13の各板材13
aに設けられた貫通孔をそれぞれ挿通している。そし
て、アンカー材12の先端部は、最上部に配置された板
材13aから上方に突出している。
【0019】受圧板13から突出したアンカー材12の
先端部には、スペーサー14を介して、ナット部材15
がネジ結合されている。
【0020】受圧板支持材11は、間伐材等によって数
cm〜数十cm程度のフレーク状とされた木質繊維材が
混合され、これが無機質材によって置換され、これにセ
メントが含浸された成形体によって構成されている。こ
のセメント含浸成形体によって構成された受圧板支持材
11は、水分が強制的に除去されることにより、セメン
ト全体の水和反応が完全に終了していない状態となって
いる。
【0021】この受圧板支持材11は、例えば、次のよ
うに製造される。まず、セメントの硬化を促進するため
の石灰を、セメント50〜60重量部に対して4〜26
重量部程度を混合し、これに塩化マグネシウム1〜5ボ
ーメ程度及び水を混合して混練する。この場合、塩化マ
グネシウムは、後に混入される木質繊維材を無機化させ
るとともに、セメントとの結合を促進させるための無機
置換材料としての無機質材として機能する。
【0022】また、セメント、石灰、塩化マグネシウム
及び水の混練によってセメントスラリーが得られると、
このセメントスラリーに対して、例えば、間伐材のフレ
ーク状材を数cm程度とした木質繊維材を24〜36重
量%程度投入して混練した後に、これを所定の枠内に投
入して軽くプレス成形し、所定の大きさの平板状に成形
する。平板状に成形されたセメント成形体は、その後、
適当な時間にわたって養生された後に、オーブンにて、
例えば、80℃で、数時間程度にわたって熱風にさらす
ことにより、強制乾燥させる。これにより、本発明の受
圧板支持材11が得られる。
【0023】このようにして得られた受圧板支持材11
は、強制的乾燥により水分が除去されて半硬化状態とさ
れているため、セメントの水和反応が完全に終了するこ
となく途中で停止した状態となっている。
【0024】従って、このようにして得られた受圧板支
持材11は、比重が0.15〜0.50程度であって、
その厚みは当初不陸の大きさの約1.7倍であるが、不
陸の大きさが50mmのとき、その厚みは85mm、不
陸の大きさが100mmのとき、その厚みは170mm
となり、また、一片の長さが適当な大きさの平板状に構
成されている。通常の場合、受圧板支持材11は、一片
の長さが50〜100cmの正方形状に構成され、この
ときには、その1枚当たりの全体重量は、20〜50k
g程度となり、1〜2名の一般の作業員によっても容易
に運搬することが可能である。
【0025】このような受圧板支持材11は、中心部に
貫通孔が形成された状態で、グラウンドアンカー工法に
使用される。グラウンドアンカー工法では、傾斜地盤2
0にアンカー材12が所定の状態に配置されて、斜面2
1からアンカー材12の先端部が突出された状態になる
と、受圧板支持材11の貫通孔内に斜面21から突出し
たアンカー材12の先端部を挿入して、受圧板支持材1
1を斜面21上に配置する。その後、この受圧板支持材
11上に、適当な枚数の板材13aが積み重ねられた受
圧板13とされる。各板材13aの中央部に設けられた
貫通孔内に、アンカー材12の先端部をそれぞれ挿入し
て、受圧板支持材11上に配置される。そして、受圧板
13から突出したアンカー材12の先端部に、スペーサ
ー14が嵌合された後に、ナット部材15がネジ結合さ
れる。
【0026】なお、受圧板支持材11は、その上に積み
重ねられる受圧板13に対しては、受圧板13に設けら
れた係合部等によって予め係合状態として、アンカー材
12の先端部に嵌合させるようにしてもよいし、また、
くさびによる固定等一般的な固定構成によることができ
る。
【0027】このようにして、アンカー材12の先端部
がナット部材等によって固定される直前に、受圧板支持
材11に対して、一様にしかも十分に給水する。この
際、受圧板支持材11は、前記したように半硬化状態と
なっているため、この給水によって水分を吸水して水和
反応を再開することになる。但し、この給水操作につい
ては、斜面21からの湧き水が発生していたり、あるい
は雨水が接触し易い地盤である場合には、特に必要では
ない。
【0028】その後、ナット部材15が締め付けられ
て、基端部が安定地盤22にグラウト材26によって固
定されたアンカー材12が緊張される。受圧板支持材1
1には、このアンカー材12の緊張によって、3×10
4 〜6.2×105 Pa程度の圧力が付与される。
【0029】このようにアンカー材12が緊張状態とな
ると、斜面21上に載置された受圧板支持材11は、板
材13aの最下面によって、斜面21に圧接される。こ
の場合、吸水によってセメントの水和反応が再開された
受圧板支持材11は、なおも完全に硬化していないこと
によって強度が不足した状態にあり、受圧板13による
圧力によって斜面21に圧接された部分が、斜面21の
不陸に沿うように圧壊又は繊維弾力によって、不陸吸収
される。これにより、斜面21の不陸が、圧壊された受
圧板支持材11によって、または受圧板支持材11の繊
維弾力によって埋められた状態になる。
【0030】このように、斜面21の近傍部分が斜面2
1に沿って圧壊されると、圧壊部分に混入された木質繊
維は、連続状態になるように緊密化される。
【0031】このような状態で、給水された受圧板支持
材11は、水和反応を再開し、硬化する。受圧板支持材
11は、斜面21の不陸を埋めた状態で硬化しており、
しかも、斜面21の近傍部にて、木質繊維材が連続状態
となるように緊密化されているため、斜面21からの地
盤反力が、その連続部分によって、均一な等分布荷重と
される。従って、受圧板支持材11に対する地盤反力に
よって、受圧板支持材11に大きな力が加わるおそれが
ない。また、硬化した受圧板支持材11は、長期圧縮ク
リープが極小化するようにでき、受圧板13からの圧力
を、長期にわたって、斜面21に均等に分散させること
ができる。
【0032】また、受圧板支持材11内に混入された木
質繊維材は、塩化マグネシウムによって無機質化されて
いるため、腐敗するおそれがない。また、受圧板支持材
11は、JIS規格のA5404の難燃木毛セメント板
に準拠しており、不燃性の性状となっている。
【0033】なお、受圧板支持材11における木質繊維
材の量が増加すると、受圧板支持材11の比重が大きく
なり、地盤反力と受圧板13とによる圧縮応力によっ
て、受圧板支持材11が変形したり、圧壊することによ
る斜面21の不陸を吸収する機能が低下するおそれがあ
る。このため、受圧板支持材11の比重が0.15〜
0.50程度になるように、木質繊維材の量は設定され
る。また、木質繊維材の長さを短くすることによって、
その量を増加させたのと同様の効果を発揮させることが
できるので、受圧板支持材11の比重調節には、その量
と長さと向きを調和させることが好ましい。
【0034】また、上記したグラウンドアンカー工法に
おいては、使用する受圧板支持材11の外表面に、アク
リル共重合樹脂エマルジョンの加水処理液にポルトラン
ドセメントを混合してなる補強処理剤をコートすること
によって、この受圧板支持材11を補強することができ
る。
【0035】この補強処理剤が受圧板支持材11の外表
面にコートされた構成において、補強処理剤中の固形分
が、受圧板支持材11中の木質繊維材で構成される部分
に、アクリル共重合樹脂を介して強力に付着された状態
となる。従って、受圧板支持材11自体の吸水性は損な
われない。また、この補強処理剤のコート構成におい
て、アクリル共重合樹脂自体の性能に基づいて、受圧板
支持材11について所要硬度の補強作用が得られると共
に、環境暴露下にあっても初期の膜強度が維持される等
の耐候性や、水と接触する状態にあっても変質化しない
等の耐水性等の性能を受圧板支持材11に保持させるこ
とができる。
【0036】上記した補強処理剤については、受圧板支
持材11の外表面へのコート作業が容易なスラリー性状
のものとして調製するのが好ましく、この補強処理剤の
スラリーの粘度を1000cps〜5000cpsの範
囲に調整することにより、リキッドスプレーガン、スラ
リースプレーガン、低圧モルタルガン等の器具を利用す
ることも可能である。
【0037】このような粘度範囲のスラリー性状の補強
処理剤は、例えば、アクリル共重合樹脂エマルジョンと
水とを重量部比で約1:5の割合で混合し、これに0.
5倍重量乃至2倍重量のポルトランドセメントを混ぜ合
わせることによって得ることができる。なお、上例の場
合、ポルトランドセメントの量が0.5倍重量未満であ
ると、補強強度が不十分となり、また、2倍重量を超え
ると、重量が大きくなって取り扱いが困難となる。
【0038】また、この補強処理剤のコート膜の厚さに
ついては、受圧板支持材11について運搬時や敷設作業
時に崩壊せず、雨水等の流水によって洗掘等されない程
度の補強強度が得られる共に、重量的に取り扱い上支障
を与えない程度であれば足りる。また、この補強強度を
受圧板支持材11について均一にするため、受圧板支持
材11の外表面に補強処理剤を均等にコートすることが
好ましい。
【0039】
【実施例】(実施例1)ターンテーブル面上に専用パレ
ットを配置し、この専用パレット上にスペーサー(80
cm角の正方形状で、厚さ5cm)と受圧板支持材(1
00cm角の正方形状で、厚さ170mm)とを交互に
複数積み重ねた状態で配置した。この場合、受圧板支持
材の4つの端縁部から10cmの範囲の平面部分がスペ
ーサーから露出した状態となっている。
【0040】また、アクリル共重合樹脂エマルジョン
(ナクリリック215−4280、日本エヌエスシー社
製)を5倍重量の水道水で希釈処理液とし、この希釈処
理液1重量部にポルトランドセメントを0.5重量部の
割合で混合分散させて、これを補強処理剤とした。この
補強処理剤をスラリースプレーガンに充填して、これを
ターンテーブルを回しながら、前記配置した受圧板支持
材の外表面に均等に吹き付けた。この吹き付け作業によ
って、受圧板支持材についてその外周面及び各端縁部か
ら10cmの範囲の外平面部に補強処理剤がコートされ
た。この際、補強処理剤のコート量は、受圧板支持材1
枚当り約2kgであった。この補強処理剤のコートから
24時間、常温下で放置して加工を完了した。
【0041】このコート処理された受圧板支持材は、一
人の作業員が運搬できる重量(約30kg)であり、運
搬時や敷設作業時において崩壊しない補強強度を保持
し、また、所要の吸水性を有すると共に、設置から1年
間以上経過後においても、0℃以下の低温状態を含む広
い温度範囲の環境条件下でも変質せず、しかも雨水や湧
き水によっても受圧板支持材の表面部分は洗掘されるこ
とはない等、耐候性、耐水性等について良好なものであ
った。
【0042】(実施例2)アクリル共重合樹脂エマルジ
ョン(ナクリリック215−4280、日本エヌエスシ
ー社製)を9倍重量の水道水で希釈処理液とし、この希
釈処理液1重量部にポルトランドセメントを0.5重量
部の割合で混合分散させて、これを補強処理剤とした。
この補強処理剤をスラリースプレーガンに充填して、こ
れを実施例1と同様に配置した受圧板支持材に対し、実
施例1の場合と同一の条件で、受圧板支持材の外表面に
均等に吹き付けた。この吹き付け作業によって、受圧板
支持材についてその外周面及び各端縁部から10cmの
範囲の外平面部に補強処理剤がコートされた。この際、
補強処理剤のコート量は、受圧板支持材1枚当り約2k
gであった。この補強処理剤のコートから24時間、常
温下で放置して加工を完了した。
【0043】このコート処理された受圧板支持材は、一
人の作業員が運搬できる重量(約30kg)であり、運
搬時、敷設作業時において崩壊しない補強強度を保持
し、また、所要の吸水性を有すると共に、設置から1年
間以上経過後においても、0℃以下の低温状態を含む広
い温度範囲の環境条件下でも変質せず、しかも雨水や湧
き水によっても受圧板支持材の表面部分は洗掘されるこ
とはない等、耐候性、耐水性等について良好なものであ
った。
【0044】
【発明の効果】上述したように本発明は構成されるか
ら、次のような効果が発揮される。まず、本発明のグラ
ウンドアンカー工法は、安定地盤に一方の端部が固定さ
れて他方の端部が斜面から突出するようにアンカー材が
配置されて、斜面から突出したアンカー材の端部に、斜
面に沿って配置された受圧板が取り付けられて、受圧板
が斜面に圧接されることによりアンカー材が緊張状態と
されるグラウンドアンカー工法であって、適当な大きさ
の木質繊維材が混入され強制乾燥された半硬化状態のセ
メント成形体によって構成された受圧板支持材を斜面と
受圧板との間に配置して、アンカー材を緊張状態として
なり、その緊張状態で前記受圧板支持材に給水してこの
受圧板支持材を硬化させるようにしたので、アンカー材
を緊張状態にするという簡単な作業によって、受圧板支
持材が斜面の不陸を確実に吸収した状態になり、受圧板
から斜面に加わる圧力を均一に分散させることができる
とともに、受圧板に大きな局所的な応力集中が発生する
おそれが小さい。しかも吸水した受圧板支持材は、設置
後において、給水により水和反応を再開して硬化するた
め、大きな長期圧縮クリープの発生が極小化して、アン
カー材の緊張状態が長期間に緩和されることもない。そ
の結果、傾斜地盤の斜面を長期間にわたり確実に安定化
させることができる。また、本発明の受圧板支持材は、
このようなグラウンドアンカー工法を、実に実施する
ことを可能とする。
【0045】また、アクリル共重合樹脂エマルジョンの
加水処理液にポルトランドセメントを混合してなる補強
処理剤により外表面がコートされた受圧板支持材を、斜
面と受圧板との間に配置するグラウンドアンカー工法に
よれば、作業性等について良好な補強強度とともに、耐
候性、耐水性等に優れた受圧板支持材によって、アンカ
ー材の緊張状態を半永久的に維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のグラウンドアンカー工法の実施状態の
一例を示す断面図である。
【符号の説明】
11 受圧板支持材 12 アンカー材 13 受圧板 14 スペーサー 15 ナット部材 20 傾斜地盤 21 斜面 22 安定地盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 我原 長男 京都府八幡市男山美桜13−22 (72)発明者 川村 実 大阪府枚方市楠葉面取町2丁目4−5 (56)参考文献 特開 平10−306699(JP,A) 特開 平9−208342(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 17/20 103

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】安定地盤に一方の端部が固定されて他方の
    端部が斜面から突出するようにアンカー材が配置され
    て、斜面から突出したアンカー材の端部に、斜面に沿っ
    て配置された受圧板が取り付けられて、受圧板が斜面に
    圧接されることによりアンカー材が緊張状態とされるグ
    ラウンドアンカー工法であって、適当な大きさの木質繊
    維材が混入され強制乾燥された半硬化状態のセメント成
    形体によって構成された受圧板支持材を斜面と受圧板と
    の間に配置し、この受圧板支持材に給水するとともに、
    アンカー材を緊張状態にしてこの受圧板支持材を硬化さ
    せることを特徴とするグラウンドアンカー工法。
  2. 【請求項2】アクリル共重合樹脂エマルジョンの加水処
    理液にポルトランドセメントを混合してなる補強処理剤
    によって、外表面がコートされた受圧板支持材を斜面と
    受圧板との間に配置する請求項1に記載のグラウンドア
    ンカー工法。
  3. 【請求項3】安定地盤に一方の端部が固定されて他方の
    端部が斜面から突出するようにアンカー材が配置され
    て、斜面から突出したアンカー材の端部に、斜面に沿っ
    て配置された受圧板が取り付けられて、受圧板が斜面に
    圧接されることによりアンカー材が緊張状態とされるグ
    ラウンドアンカー工法において、斜面と受圧板との間に
    配置される受圧板支持材であって、適当な大きさの木質
    繊維材が混入されて強制乾燥された半硬化状態のセメン
    ト成形体によって構成され、このセメント成形体に給水
    して硬化させることを特徴とする受圧板支持材。
  4. 【請求項4】適当な大きさの木質繊維材が混入されて強
    制乾燥された半硬化状態のセメント成形体の外表面に、
    アクリル共重合樹脂エマルジョンの加水処理液にポルト
    ランドセメントを混合してなる補強処理剤をコートして
    なる請求項3に記載の受圧板支持材。
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