JP3450212B2 - 非破壊検査用半導体デバイスおよびその製造方法ならびに非破壊検査方法および非破壊検査装置 - Google Patents

非破壊検査用半導体デバイスおよびその製造方法ならびに非破壊検査方法および非破壊検査装置

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JP3450212B2
JP3450212B2 JP06774499A JP6774499A JP3450212B2 JP 3450212 B2 JP3450212 B2 JP 3450212B2 JP 06774499 A JP06774499 A JP 06774499A JP 6774499 A JP6774499 A JP 6774499A JP 3450212 B2 JP3450212 B2 JP 3450212B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイスの
チップを非破壊的に検査する技術に関し、特に非破壊的
に検査を行う半導体デバイスおよびその製造方法、なら
びに同半導体デバイスの非破壊検査方法および非破壊検
査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の非破壊検査技術は、たと
えば1995年11月30日発行の日本学術振興会荷電
粒子ビームの工業への応用第132委員会第132回研
究会資料に掲載の「熱起電力を利用したOBIC解析技
術」(小山徹、益子洋治、関根正広、小山浩、、199
5.11.30−12.1、pp.221−226)に
おける221ページ右欄、下から5〜1行目の記述およ
び図2に示されているように、半導体デバイスの不良解
析および故障解析の一環として、配線系の熱起電力を発
生する欠陥個所を非破壊で検出するために用いられてい
る。
【0003】図13、図14は従来の非破壊検査装置の
一例を示す構成図である。レーザ発生器1で発生し光学
系2で細く絞ったレーザビーム3を、半導体デバイスチ
ップ4上の被観測領域に走査する。走査は、制御・画像
処理系106で制御し、光学系2で偏向することにより
行う。その際発生した電流をボンディングパッド14−
1にプロービングしたプローバ115−1により取り出
す。この電流を電流変化検出器131により検知し、制
御・画像処理系106の制御により像表示装置7上に、
電流値変化を走査場所と対応した輝度変化として像表示
する。この像を走査電流変化像と呼ぶ。
【0004】図13は発生した電流が閉回路で流れるよ
うに、電流変化検出器131に接続されているボンディ
ングパッド14−1以外のボンディングパッド14−2
にプローバ115−2をプロービングし、それを接地し
た場合の構成例である。一方、図14は発生した電流が
開回路での過渡電流としてのみ流れるように、電流変化
検出器131に接続されているボンディングパッド14
−1以外のボンディングパッドは全て開放にした構成の
例である。開回路で過渡電流が流れるためには容量成分
が必要であるが、この場合の容量成分はチップ上の寄生
容量および測定系の浮遊容量である。
【0005】次に、動作を説明する。図13と図14の
違いは上述の通り、閉回路を形成しているか、開回路を
形成しているかの違いだけであるので、ここでは区別せ
ず説明する。制御・画像処理系106の制御により、レ
ーザ発生器1で発生し光学系2で細く絞ったレーザービ
ーム3を、半導体デバイスチップ4上の被観察領域に走
査する。走査に対応して、像表示装置7上に走査電流変
化像を、例えば電流変化検出器131に流れ込む電流は
明るくし、それと逆方向の電流は暗くするというように
輝度表示する。この際、明暗ともに階調をつけて表示す
る。
【0006】レーザビーム3の走査により、熱起電力を
発生する欠陥の付近にレーザビーム3が照射されると、
その瞬間に熱起電力が発生して電流が流れる。このよう
な欠陥のない部分を照射している瞬間には熱起電力は発
生せず、電流は流れない。従って、像表示装置7上には
欠陥が存在する付近にのみ明暗のコントラストが付いた
像、すなわち走査電流変化像が表示される。なお、この
種の熱起電力を発生する欠陥の物理的原因として知られ
ているのは、ボイド、異物、断線などである。
【0007】この走査電流変化像を得る際、同時にある
いは相前後してレーザの走査に対応した光学的反射像で
ある走査レーザ顕微鏡像を得る。走査電流変化像と走査
レーザ顕微鏡像を取得後、2つの像を周知の画像処理機
能で重ね合わせた像を作成することにより、走査電流変
化像で明暗のコントラストが得られた欠陥個所が、走査
レーザ顕微鏡像上で、明確に認識できる。この技術によ
る欠陥位置の検出精度はサブミクロンのオーダである。
【0008】このようにして非破壊的に検出した欠陥の
種類や発生原因を明確に知るには、通常はこの個所を集
束イオンビーム法や電子顕微鏡法などを用いて物理的に
破壊解析する。逆に言えばこの種の従来技術で欠陥の存
在個所をサブミクロンの精度で非破壊で、明確に確認す
ることにより、サブミクロン以下の微小欠陥の物理的解
析を効率よく実施することが可能になる。このように従
来技術は、故障解析・不良解析の一連の解析手順の中で
重要な位置づけにある。
【0009】なお、図13、14では簡単のために1つ
のチップのみを示たが、ウェハー状態で1つのチップを
選択して検査する場合も同様なプロービングを行う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような従来技術の
第1の問題点は、半導体デバイスの製造工程においける
前工程が完了し、ボンディングパッド14が完成した後
でないと検査を行えないということである。すなわち、
従来技術では、電流変化を検出するため、検査装置と半
導体デバイスとの間に電気的な接続がかならず必要であ
り、したがってボンディングパッド14が完成していな
ければならない。第2の問題点は、ショート欠陥を検出
できないということである。すなわち、上述のようにボ
イドや異物、断線などは検出できるが、配線間のショー
トなどを検出することはできない。熱起電力を発生する
ような欠陥がたまたまショート欠陥と同じ配線に存在す
る場合には、間接的にショート欠陥も検出できることに
なるが、そのような2種類の欠陥が同一配線に存在する
確率は極めて低い。
【0011】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、その目的は、検査のために電気的な接
続を不要として、ボンディングパッドが完成しているか
否かにかかわらず検査を行え、しかもショート欠陥の検
出を可能とする非破壊検査用半導体デバイスおよびその
製造方法、ならびに非破壊検査方法および非破壊検査装
置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、半導体基板上に近接して配置された第1お
よび第2の導電体を含む半導体デバイスであって、前記
半導体基板上に配設された熱起電力発生体と、前記熱起
電力発生体の一端と前記第1の導電体とを接続する第1
の配線と、前記熱起電力発生体の他端と前記第2の導電
体とを接続する第2の配線とを含むことを特徴とする。
また、本発明は、半導体基板上に近接して配置された第
1および第2の導電体を含む半導体デバイスを製造する
方法であって、前記半導体基板上に熱起電力発生体を配
設し、前記熱起電力発生体の一端と前記第1の導電体と
を第1の配線により接続し、前記熱起電力発生体の他端
と前記第2の導電体とを第2の配線により接続すること
を特徴とする。
【0013】また、本発明は、半導体基板上に近接して
配置された第1および第2の導電体を含み、前記半導体
基板上に配設された熱起電力発生体と、前記熱起電力発
生体の一端と前記第1の導電体とを接続する第1の配線
と、前記熱起電力発生体の他端と前記第2の導電体とを
接続する第2の配線とを含む半導体デバイスを非破壊検
査する方法であって、前記熱起電力発生体にレーザ光を
照射し、前記熱起電力発生体に前記レーザ光を照射した
とき発生する磁場を検出し、前記磁場の検出結果にもと
づいて前記第1および第2の導電体に係わるショート欠
陥の有無を判定することを特徴とする。
【0014】また、本発明は、半導体基板上に近接して
配置された第1および第2の導電体を含み、前記半導体
基板上に配設された熱起電力発生体と、前記熱起電力発
生体の一端と前記第1の導電体とを接続する第1の配線
と、前記熱起電力発生体の他端と前記第2の導電体とを
接続する第2の配線とを含む半導体デバイスを非破壊検
査する装置であって、前記熱起電力発生体にレーザ光を
照射するレーザ光照射手段と、前記熱起電力発生体に前
記レーザ光を照射したとき発生する磁場を検出する磁場
検出手段とを含むことを特徴とする。
【0015】本発明では、第1および第2の導電体間に
ショート欠陥が存在すると、半導体基板に形成した熱起
電力発生構造にレーザ光を照射した際に、熱起電力発生
構造が発生する熱起電力により第1および第2の導電体
ならびに第1および第2の配線を通じて電流が流れ、磁
場が生成される。したがって、この磁場を超伝導量子干
渉素子などの磁場検出手段で検出することにより、ショ
ート欠陥の存在を検知することができる。このように、
本発明では、従来の熱起電力にもとづく検査技術では不
可能であったショート欠陥の検出を行うことができる。
しかも、半導体デバイスを構成する半導体基板に対して
非接触で検査を行え、したがって半導体基板にボンディ
ングパッドが形成される前の段階でも検査を行うことが
できる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態例につい
て図面を参照して説明する。 [第1の実施の形態例]図1の(A)は本発明による非
破壊検査装置の一例を示す構成図、(B)は本発明によ
る半導体デバイスを構成するチップを含む半導体ウェハ
の一例における被検査箇所を示す部分拡大断面側面図で
ある。図中、図13、図14と同一の要素には同一の符
号が付されている。以下ではこれらの図面を参照して、
本発明の非破壊検査用半導体デバイスおよび非破壊検査
装置の一例について説明し、同時に非破壊検査用半導体
デバイスの製造方法および非破壊検査装置の実施の形態
例について説明する。
【0017】まず、図1の(A)に示した非破壊検査装
置102の構成について説明する。レーザ発生器1から
発し光学系2で細く絞ったレーザビーム3を、半導体デ
バイスウェハ40上に照射し、その時に発生する磁場
を、磁場検出器5で検出する。像を得るために、レーザ
ビーム3を2次元走査する。レーザビーム3の走査は光
学系2の内部でレーザビーム3を偏向させることで行
う。なお、レーザビーム3を走査する代わりに半導体デ
バイスウェハ40を移動させることで等価的にレーザビ
ーム3の走査を行ってもよく、その場合には、半導体デ
バイスウェハ40を載置した不図示のウェハ用ステージ
を機械的に移動させる。磁場検出器5の出力は、制御・
画像処理系6(本発明に係わる画像生成手段)により走
査位置と対応させて画像表示装置7に輝度表示または疑
似カラー表示し、従来技術における走査電流変化像に相
当する走査磁場像を得る。
【0018】次に、半導体デバイスウェハ40について
図1の(B)を参照して説明する。この半導体デバイス
ウェハ40では、製造工程でシリコン基板部31上に絶
縁層32を介して第1層目配線34a、34bを形成
し、さらに、これらの配線にそれぞれ接続するビア35
a、ビア35bを形成する。シリコン基板部31上には
2カ所にコンタクト部33を立設し、第1層目配線34
a、34bの端部近傍の下面をそれぞれ各コンタクト部
33の上端に接続する。また、ビア35a、35bは、
本実施の形態例では、第1層目配線34a、34bの上
記コンタクト部33との接続箇所と反対側の端部近傍の
上面に立設する。
【0019】第1層目配線34a、34bの上には絶縁
層32を形成し、その上に、本実施の形態例では、第2
層目配線を形成する代わりに、熱起電力発生構造形成用
配線20を形成する。配線20はビア35a、35b間
に延在させ、両端部近傍の下面はそれぞれビア35a、
35bの上端部に接続する。そして、配線20の中程の
箇所には熱起電力発生構造21(熱起電力発生体)を介
在させている。
【0020】第1層目配線34a、34bは平面視にお
いてもほぼ一直線上に延在しており、本実施の形態例で
は、対向する端部間にショート欠陥42が存在し、第1
層目配線34a、34bはこのショート欠陥42により
電気的にショートされているものとする。レーザビーム
3が熱起電力発生構造21に照射されると、ショート欠
陥42を含む閉回路に矢印61で示した経路で熱起電力
電流が流れる。この電流により発生する磁場を図1の
(A)に示した磁場検出器5で検出する。
【0021】次に、動作を説明する。まず、非破壊検査
装置102の動作について図1の(A)を参照しながら
説明する。レーザ発生器1から発生したレーザは光学系
2で細く絞られ、レーザビーム3として半導体デバイス
ウェハ40に照射される。ここで用いるレーザとしては
波長が633nmのHe−Neレーザ、1152nmの
He−Neレーザ、約1300nmのレーザーダイオー
ド、約1300nmのYLF(イルフ)レーザなどが手
ごろであり、目的に応じて使い分ければよい。光学系2
での走査はガルバノミラー、音響光学素子、電気光学素
子などでレーザビーム3を縦・横に偏向させることで行
う。走査領域が広い場合には、レーザビーム3を走査さ
せるのではなく、レーザビーム3の照射点と磁場検出器
5とを固定して、半導体デバイスウェハ40側を移動さ
せた方が、常に磁場が最も強い位置で磁場を検出できる
ので好都合である。レーザビーム3は走査されながら半
導体デバイスウェハ40を照射していくが、熱起電力電
流が流れるのは、熱起電力発生構造21を照射し、なお
かつ、その熱起電力発生構造21に接続されている配線
がショート欠陥42を有し、図1の(B)を用いて後で
説明するような閉回路電流が流れたときだけである。
【0022】正常に製造された半導体デバイスウェハ4
0上には検知できる程度の熱起電力を発生する場所はな
い。半導体デバイスウェハ40が上述したようにボイド
などを含む場合には熱起電力が発生することになるが、
そのことは本実施の形態例におけるショート欠陥42の
検出にとって特に障害とはならない。
【0023】レーザビーム3により熱起電力発生構造2
1が照射され、熱起電力電流が流れると磁場が誘起さ
れ、磁場検出器5はこの磁場を検出する。高感度の磁場
計測法としては、(1)SQUID(Supercon
ducting Quantum Interfere
nce Device:超電導量子干渉素子)磁束計、
(2)フラックスゲート磁束計、(3)核磁気共鳴型磁
束計、(4)半導体磁気センサー(ホール素子)、の4
種類が知られているが、SQUIDが1fT(フェムト
テスラ)から10nT(ナノテスラ)までの超高感度の
測定領域をもつのに対して、フラックスゲート磁束計と
核磁気共鳴型磁束計は0.1nT(ナノテスラ)から
0.1mT(ミリテスラ)までの測定領域、半導体磁気
センサーは1nT(ナノテスラ)から1T(テスラ)ま
での測定領域をもち、SQUIDに比べると感度が落ち
る。現在までに本発明の発明者らが実験した結果では、
半導体デバイスウェハ40中に作り込める熱起電力発生
構造21を、レーザ照射した際の熱起電力電流により発
生する磁場を検知できるだけの感度をもっている磁場検
出器5はSQUIDのみである。
【0024】以下の例では、コストと取り扱いの容易さ
から高温超電導SQUIDを用いた場合のみを示した
が、より高感度が必要な場合には低温超電導SQUID
を用いればよい。図1の(A)を参照した動作の説明に
戻る。磁場検出器5が上記磁場を検出し、検出した磁場
の強度に対応した大きさの信号を出力すると、制御・画
像処理系6はこの信号を輝度信号に変換して像表示装置
7に供給し、走査位置に対応した像を表示させる。一度
の走査で十分なS/N(信号対ノイズ比)が得られない
場合は、複数回の走査で得られた像を積算すればよい。
それでも十分なS/Nが得られない場合は、レーザビー
ム3を変調し、ロックイン・アンプで信号を増幅するこ
とでS/Nを大幅に改善できる。
【0025】次に、図1の(B)を参照して説明する。
レーザビーム3で熱起電力発生構造21が照射される
と、矢印61で示したように、熱起電力発生構造21−
ビア35a−ショート欠陥42−第1層目配線34b−
ビア35b−熱起電力発生構造21という閉回路で熱起
電力電流が流れる。このような閉回路電流は、ショート
欠陥42が存在する場合にのみ流れる。ショート欠陥4
2が存在しない場合には、過渡的な開回路電流が流れる
ことになるが、この電流は寄生容量と抵抗できまる時定
数と、レーザビーム3の照射時間で決まる時定数をも
ち、閉回路電流に比べると極めて短時間で減衰してしま
う。したがって、ショート欠陥42が存在する場合の閉
回路に流れる電流による磁場のほうがはるか強く、また
継続期間も長いため、ショート欠陥42が存在しない場
合の過渡的な電流により発生する磁場は無視できる。
【0026】そして、ショート欠陥42が存在する場
合、上述のように矢印61の経路で電流が流れる結果、
磁場が発生し、磁場検出器5はこの磁場を検出すること
になる。以下の動作は上述した通りであり、磁場検出器
5が磁場を検出して出力する信号は制御・画像処理系6
へ出力され、熱起電力発生構造21の位置に対応する画
面上の箇所が例えば高輝度表示されて、第1層目配線3
4a、34b間にショート欠陥が存在することを知るこ
とができる。
【0027】このように、本実施の形態例では、従来の
熱起電力にもとづく検査技術では不可能であったショー
ト欠陥の検出を行うことができる。しかも、半導体デバ
イスウェハ40に対して非接触で検査を行え、したがっ
て図1の(B)に示したように半導体デバイスウェハ4
0にボンディングパッドが形成される前の段階でも検査
を行うことができる。
【0028】次に、熱起電力発生構造21の具体例につ
いて説明する。半導体デバイスで通常使用しているアル
ミ、銅、金などの金属材料は熱電能が小さく、熱起電力
発生構造21の材料としては、十分なS/N比を得る上
で適していない。ポリシリコン(PolySi)の上に
形成したチタンシリサイド(TiSi)配線(以下Ti
Si配線と略す)は通常配線としても使用されており、
本発明の発明者らの実験結果によるとかなり大きな熱電
能が得られ、熱起電力発生構造21に適している。
【0029】熱起電力を起こすためには温度勾配が必要
であるが、これについては後に詳述するように、TiS
i配線の一部を細くし、その近傍にレーザビーム3を照
射することで実現できる。熱起電力発生構造21を半導
体チップ中のどの箇所にどの程度の数作り込むかは、対
象デバイスの置かれている状況により異なる。開発初期
の段階では、考えられる限りの組み合わせで設置してお
けば、ショート個所が容易に見つけられ、早いフィード
バックが可能となる。ウェハ中のどのチップにも1個所
以上ショート個所が発見されれば、次の工程まで進める
必要はなく、ショートの原因の解析を行い、その原因と
なったレイアウト設計や製造工程条件の是正処置をした
後、また最初から製造工程を進めればよい。このような
方法を採ることによって、従来のようにボンディングパ
ッド形成後に、従来法での不良解析を行うより遥かに早
く是正処置をとることが可能となる。
【0030】ただし、1チップ中1個所もショート個所
がないようなチップがウェハ中に存在した場合、次の工
程に進めるためには、熱起電力発生構造21および熱起
電力発生構造形成用配線20は除去する必要がある。ゲ
ートアレイのように、チップ上に機能として使用してい
ない領域がある場合には、その領域にダミーの配線と熱
起電力発生構造21を作り、その領域でのショート欠陥
42の発生状況をモニターすることで、次の工程に進め
るかどうかの判断を行うこともできる。この場合には、
熱起電力発生構造21および熱起電力発生構造形成用配
線20はそのまま残して次の工程に進むことができ、効
率がよい。
【0031】また、このような空き領域がある場合に
は、さらに有効な方法がある。熱起電力発生構造21を
通常の製造工程以外の工程として作るのではなく、通常
の工程の一部で空き領域に作り込み、配線を延ばして、
ショート欠陥を検出すべき配線(図1の例では第1層目
配線34a、34b)に接続するという方法を採ること
ができる。この方法では、通常の工程で熱起電力発生構
造21も形成してしまうので、余分なコストをかけるこ
となく、検査を行うことができる。なお、この方法につ
いては後に詳しく説明する。
【0032】TEG(Test Element Gr
oups:テスト専用構造)の場合には、さらに自由に
適用できる。従来、TEGの電気的テストのためには、
プロービング用のパッドを設けてプローブするか、ボン
ディングパッドを設けてそこからボンディングワイヤで
取り出すなどの方法が採られていた。しかし、本実施の
形態例のように、熱起電力構造を半導体チップに作り込
み、磁場検出器5でレーザ照射により発生した熱起電力
電流を検出すれば、このようなプロービング用パッドや
ボンディングパッドを設けずとも、TEGを電気的にテ
ストすることが可能になる。その結果、ボンディングパ
ッドなどを形成することなくテストを行え、さらにプロ
ービングの手間が省けるのでテスト工数を削減でき、し
たがってまた半導体デバイスの製造コストを低減し、さ
らには半導体デバイスの製造納期を大幅に短縮すること
が可能になる。
【0033】なお、熱起電力発生構造21を含む半導体
デバイスチップは、単体であっても、あるいは半導体ウ
ェハに形成された状態のものであってもよく、いずれの
場合にも同様にショート欠陥42を検出することができ
る。したがって、本発明はいずれかの状態の半導体デバ
イスチップに限定されるものではない。
【0034】[第2の実施の形態例]次に、本発明の第
2の実施の形態例について図面を参照して詳細に説明す
る。図2は本発明の第2の実施の形態例の非破壊検査装
置を示す構成図、図3の(A)は本発明による半導体デ
バイスを構成するチップを含む半導体ウェハの一例にお
ける被検査箇所を示す部分拡大断面側面図、(B)は同
部分拡大平面図である。図中、図1と同一の要素には同
一の符号が付されており、それらに関する詳しい説明は
ここでは省略する。
【0035】以下ではこれらの図面を参照して、本発明
の第2の実施の形態例の非破壊検査用半導体デバイスお
よび非破壊検査装置について説明し、同時に第2の実施
の形態例の非破壊検査用半導体デバイスの製造方法およ
び非破壊検査方法について説明する。
【0036】まず、第2の実施の形態例の非破壊検査装
置104の構成について図2を参照して説明する。この
非破壊検査装置104が第1の実施の形態例の非破壊検
査装置102と異なるのは、レーザビームとして具体的
に波長が1.3μmのレーザビーム53をレーザ発生器
51で発生させている点と、レーザビーム53をウェハ
44の裏面4b側から入射させている点である。
【0037】1.3μmの波長のレーザを使う理由は3
つある。その内の最初の2つは共に対象となる半導体デ
バイスの基板部が多くの場合、シリコン(Si)から成
ることにもとづいている。1.3μmの波長のレーザを
使う第1の理由は、レーザビーム53をチップ裏面から
照射し、基板を透過したレーザビーム53により、表面
4f付近を加熱することができることである。チップ裏
面からの照射が重要な理由は、現在の半導体デバイスの
多くは、チップ表面からの照射だけで配線部の多くを加
熱することが困難であり、裏面からの照射が必要な場合
が多いことである。チップ表面からの照射だけで配線部
の多くを加熱することが困難な理由は、多層配線構造が
普通になり、通常は上層配線ほど幅が広く下層の配線を
覆い隠す場合が多いことと、半導体デバイスが実装され
た場合、チップ表面を実装基板面に向けたり、パッケー
ジングの際にリードでチップ表面を覆い隠す構造をとっ
たりする場合が多いことである。
【0038】1.1μm程度以上の波長のレーザは、基
板として使われている低濃度のシリコン中をかなりの程
度透過するため、半導体デバイスウェハ44の裏面から
照射して表面付近の配線部を加熱することが可能であ
る。例えば、1152nmのHe−Neレーザを使う
と、P−(ピーマイナス)基板ではウェハ厚が625μ
mの場合、約50%透過する。このような理由から、
1.1μm以上の波長のレーザを用いることで、ウェハ
ーを特別薄く研磨したりせずに、チップ裏面から照射し
て表面付近の配線を加熱することができる。
【0039】1.3μmの波長のレーザを使う理由の2
つ目は、OBIC電流(Optical Beam I
nduced Current:光励起電流)の発生を
防止できることである。シリコンに1.2μm程度以下
の波長のレーザを照射すると、OBIC電流が発生し、
これが熱起電力電流に対してはノイズとなる。例えば、
上記1152nm(1.076eV)のHe−Neレー
ザを使うと、シリコンの価電子帯と伝導帯の間(1.1
2eV)の遷移に伴う電子・正孔対の生成はないため、
不純物が存在しないか少ない場合は、OBIC電流が発
生しないか、少ない。しかし、トランジスタを形成する
程度の濃度のAs、B、Pなどが不純物として存在して
いる領域では、これらの不純物準位を介しての遷移は
1.076eV以下のエネルギーで十分なため、OBI
C電流が検出にかかる程度に発生し、このOBIC電流
が、熱起電力電流に対してはノイズとなる。このような
OBIC電流によるノイズを防ぐためには、1.2μm
以上の波長のレーザを用いる必要がある。
【0040】1.3μmの波長のレーザを使う理由の3
つ目は、波長が短いほどレーザビーム3が細く絞れるた
め、走査レーザ顕微鏡像、走査磁場像の解像度がよくな
ることである。上記3つの理由から1.2μm以上でで
きるだけ短波長のレーザが良いことになる。このような
条件で、実用的に使用できるレーザとして、1.3μm
の波長のレーザを選択した。具体的には、100mWの
レーザーダイオードが手ごろである。レーザ照射パワー
を増して熱起電力電流を増したい場合には500mWの
YLF(イルフ)レーザが使える。
【0041】一方、半導体デバイスウェハ44の裏側か
らレーザビーム53を入射する理由は2つある。1つ目
の理由は、上述したようにチップ表面からの照射だけで
配線部の多くを加熱することが困難であるため、チップ
裏面側からのレーザビーム照射が有効であるということ
である。2つ目の理由は、磁場検出器5をチップ表面側
に配置した方が、熱起電力電流の流れる経路と磁場検出
器5の距離が近くなり、磁場検出器5が感知する磁場が
大きくなって、より微少な熱起電力電流が検知できると
いうことである。このように、本来は別々の理由からレ
ーザビーム53はチップ裏面側から照射する方が良く、
磁場検出器5はチップ表面側に配置する方がよいのであ
るが、結果的には、これが相対した側の配置になるた
め、構成が容易である。
【0042】次に、検査対象である半導体デバイスウェ
ハ44の構成について図3を参照して説明する。なお、
図3の(A)に示した半導体デバイスウェハ44は、図
2の半導体デバイスウェハ44の一部を拡大したもので
あるが、図2とは上下を逆にした状態で示されている。
また、図3の(B)では図3の(A)のうち特に重要な
要素のみを取り出して示している。なお、図3の(B)
では、重なったために本来隠れている箇所なども特に破
線を用いず、実線で示している。以下では、上記第1の
実施の形態例と異なる点を中心に説明する。本実施の形
態例では、レーザビーム53として1.3マイクロメー
タの波長のものを使用しており、これを、ウェハ44の
裏面4b側から入射させていることは、すでに説明した
通りである。図3の(B)に示したように、レーザビー
ム53が裏面側から入射しても、熱起電力発生構造21
が照射されるよう、熱起電力発生構造21の位置は、第
1層目配線34bと熱起電力構造21とが重ならないよ
うに熱起電力発生構造形成用配線20aの中心からずら
してある。また、熱起電力発生構造形成用配線20aの
幅を第1層目配線34bの幅より広くしてある。この理
由については後述する。
【0043】次に、第2の実施の形態例の動作につい
て、上記実施の形態例と異なる点を中心に説明する。ま
ず、波長が1300nmのレーザを用いる点についての
補足説明をする。空間分解能を決めるレーザビームの径
は、対物レンズの選択により広範囲に選べるが、最小径
は回折限界により、波長の程度に制限される。光学系に
共焦点機能を設けたり、NA(Numerical A
perture:開口数)の大きな対物レンズを用いる
ことにより、走査レーザ顕微鏡像の空間分解能として
は、633nmのレーザでは400nm程度の分解能
が、1300nmのレーザでは800nm程度の分解能
が容易に実現できる。
【0044】走査磁場像で重要な像の解像度は、通常は
走査磁場像そのものの解像度ではなく、走査磁場像と同
じ領域の走査レーザ顕微鏡像の解像度であり、これによ
りショート欠陥に対応した熱起電力発生構造の位置認識
精度が決まる。その理由を次に述べる。ショート欠陥に
対応した熱起電力発生構造の位置を検出するためには、
走査レーザ顕微鏡像と走査磁場像を周知の画像処理機能
で重ね合わせて、例えば走査レーザ顕微鏡像は白黒の2
56階調で、走査磁場像は赤で表示する。走査磁場像の
コントラストは最も強度の強い1ピクセルの大きさまで
小さく絞り込む調整が可能であり、この大きさは走査レ
ーザ顕微鏡像の空間分解能よりはるかに小さくできる。
【0045】このように1ピクセルのコントラストまで
絞り込んだ走査磁場像と走査レーザ顕微鏡像を重ね合わ
せた像で表示することにより、走査レーザ顕微鏡像の中
で、ショート欠陥に対応した熱起電力発生構造の位置が
明確に認識できる。このような位置認識方法をとるた
め、ショート欠陥に対応した熱起電力発生構造の位置の
認識精度は、走査レーザ顕微鏡像の空間分解能で決ま
る。また、走査レーザ顕微鏡像の空間分解能に関連して
以下の点が重要である。前述の通り、光誘起電流(OB
IC電流:Optical BeamInduced
Current)が発生するとノイズとなり、熱起電力
電流そのものの検出が困難になるので、その点からは1
300nmのレーザを用いることが望ましい。また、前
述の通り、1300nmのレーザのもう一つの特徴であ
る、シリコン中での減衰が少ないという利点を生かし
て、チップの裏からレーザを照射する方法も有効であ
る。
【0046】このように1300nmのレーザには大き
な利点があるが、1300nmのレーザを用いた場合に
問題になるのが空間分解能である。走査レーザ顕微鏡像
の空間分解能の点からは633nmのような波長の短い
レーザが望ましい。このジレンマを解決するためには、
例えば、以下に述べる方法が有効である。レーザ発生器
として、633nmのHe−Neレーザと1300nm
のYLF(イルフ)レーザを用いる。そして走査レーザ
顕微鏡像の取得には波長が633nmのレーザを、走査
磁場像の取得には1300nmのレーザを用い、得られ
た2つの像を重ね合わせて表示する。
【0047】1300nmのレーザを裏面から照射した
場合は、それとの重ね合わせに使う633nmの走査レ
ーザ顕微鏡像は表面から取り、鏡像に変換してから重ね
合わせればよい。この方法により、1300nmのレー
ザのみを用いる場合に比べて、ショート欠陥に対応した
熱起電力発生構造の検出位置精度が2倍に改善する。重
ねあわせの精度が空間分解能より高精度であるため、こ
の方法が有効である。さらに、表面からの走査レーザ顕
微鏡像のみでは位置が明確に認識できない場合には、裏
面からの走査レーザ顕微鏡像も併用し、3つの像を重ね
あわせてもよい。ショート欠陥に対応した熱起電力発生
構造の位置によっては改善効果が見られる。
【0048】また、裏面からの走査レーザ顕微鏡像の空
間分解能が、1300nmのレーザでは不足の場合に
は、ウェハを薄くすることにより減衰を押さえること
で、短波長のレーザも用いることができる。例えば、ウ
ェハ厚を15マイクロメータまで薄くすると、633n
mの波長のレーザでも60%以上透過するので、裏面か
らの高空間分解能の走査レーザ顕微鏡像を得ることが可
能である。ただし、このような場合でも、被検査物の構
成がOBIC電流がノイズとなるような構成、すなわ
ち、電流経路が配線部のみで構成されているのではな
く、シリコン部を含んだ経路の場合には、走査磁場像は
あくまで、OBIC電流を発生しない長波長のレーザで
誘起し、取得する必要がある。
【0049】次に、特に図3の(B)を用いて、被検査
側から見た動作を説明する。本実施の形態例では、図3
の(B)に示したように熱起電力発生構造形成用配線2
0aの幅を広く形成しているが、その理由を以下に示
す。レーザビーム53で熱起電力発生構造21を照射す
ると、第1の実施の形態例の場合と同様、熱起電力発生
構造21−配線20a−ビア35a−ショート欠陥42
−第1層目配線34b−ビア35b−配線20a−熱起
電力発生構造21の閉回路経路で熱起電力電流が流れ
る。
【0050】ここで、電流経路を、図3の(A)および
の(B)に示したように第1層目配線34b側の電流経
路611と、熱起電力発生構造形成用配線20a側の電
流経路612に分けて考える。電流経路611は、比較
的幅が狭く、電流により発生する磁場も、配線に沿って
局在している。一方、電流経路612は、比較的広い範
囲に分布するため、その電流により誘起される磁場も広
い範囲に広がる。電流経路611と電流経路612とで
発生した磁場は、閉回路ループの外部では、向きとして
はおおよそ互いに打ち消す向きではあるが、上述のよう
に磁場の分布領域が異なるため、それほど打ち消し合う
ことはなく、磁場としての検出が可能になる。ショート
欠陥42を検出したい配線の幅が狭くなく、広い場合に
は、この例とは逆に、熱起電力発生構造形成用配線20
aを細くすれば良い。
【0051】次に、熱起電力発生構造21の具体例につ
いて説明する。本発明の発明者らによる実験の結果によ
れば、TiSi配線を熱起電力発生構造形成用配線20
aとして用い、その一部を幅が細くなるように形成する
と、幅が細くなった個所が熱起電力発生構造21として
使うことができる。これは、このTiSiが大きな熱電
能を有しているのに加えて、一部の幅を細くすること
で、その部分の熱伝導を悪くさせ、レーザビーム53を
照射した際に大きな温度勾配および温度勾配の左右の不
均衡を作り易くし、その結果、過渡的な大きな熱起電力
ならびにそれに伴う電流が発生したと考えられる。
【0052】本発明の発明者らによる今までの実験で
は、0.4マイクロメータ径で、照射パワー3mW程度
のレーザビームを、TiSi配線で作成した熱起電力発
生構造21に照射することで、10mV程度の熱起電力
による電圧を得ている。この電圧値は、高温超電導SQ
UIDを用いて検出可能な磁場を発生させるに十分な電
流を流しうる値である。なお、熱起電力発生構造21
は、上述のように熱起電力発生構造形成用配線20aの
一部として配線と一体に形成することも可能であるが、
熱起電力発生構造21と、熱起電力発生構造21を被検
査対象に接続する配線とを別の材料で個別に形成するこ
とも可能である。
【0053】[第3の実施の形態例]次に、本発明の第
3の実施の形態例について説明する。図4の(A)は第
3の実施の形態例の非破壊検査用半導体デバイスを構成
するチップを含む半導体ウェハを示す部分拡大断面側面
図、(B)は同部分拡大平面図である。図中、図1と同
一の要素には同一の符号が付されており、それらに関す
る詳しい説明はここでは省略する。
【0054】以下ではこれらの図面を参照して、本発明
の第3の実施の形態例の非破壊検査用半導体デバイスに
ついて説明し、同時に第3の実施の形態例の非破壊検査
用半導体デバイスの製造方法および非破壊検査方法につ
いて説明する。なお、非破壊検査装置については例えば
図2に示した非破壊検査装置104を用いることができ
る。
【0055】第3の実施の形態例の非破壊検査用半導体
デバイスでは、図4の(B)に示したように、非破壊検
査用半導体デバイスを構成するチップを含む半導体デバ
イスウェハ46において、第1層目配線34bの側方
に、第1層目配線34bとほぼ平行に第1層目配線bと
の間に間隔をおいて第1層目配線34cが並設されてい
る。
【0056】そして、これら第1層目配線34b、34
c間のショート欠陥42を検出すべく、図4の(A)、
(B)に示したように、第1層目配線34b、34cの
一端部近傍に、熱起電力発生構造21を配置している。
詳しくは、第1層目配線34b、34cの各一端部の上
方に絶縁層32を介して熱起電力発生構造形成用配線2
0を形成し、2つの配線20の間に配線20に接続する
熱起電力発生構造21を形成している。第1層目配線3
4b、34cの一端部の上面上にはそれぞれビア35
b、35cを立設し、ビア35b、35cの上端部は上
記配線20の下面にそれぞれ接続している。
【0057】したがって、この半導体デバイスウェハ4
6では、図4に示したように、例えば第1層目配線34
b、34cの、熱起電力発生構造21と反対の端部側に
ショート欠陥42が存在した場合、レーザビーム53に
より熱起電力発生構造21の箇所が照射された際に、矢
印61で示した経路で電流が流れる。
【0058】この電流を、磁場検出器で検出し、画像処
理を行って表示することでショート欠陥箇所の走査磁場
像を得ることができ、そのため第3の実施の形態例で
は、ショート欠陥42を検出すべき2本の配線が側方に
間隔をおいて並設されているような場合に、配線の幅方
向に延びたショート欠陥42を検出でき、上記第1の実
施の形態例と同様の効果を得ることができる。
【0059】その上、第3の実施の形態例では、電流
が、ウェハ平面と平行な平面内に形成された閉回路に流
れるので、磁場は上下方向に形成され、外部から容易に
磁場を検出することができる。したがって、第2の実施
の形態例のような、配線の幅を考慮するなどの構造上の
細工は不要である。また、第3の実施の形態例では、図
4の(B)に示したように、熱起電力発生構造21を、
配線34b、34cの隙間に配置することができるの
で、図4の(A)に示したように、半導体デバイスウェ
ハ46の裏面側からレーザビーム53を照射することが
可能である。
【0060】[第4の実施の形態例]次に、本発明の第
4の実施の形態例について説明する。図5の(A)は第
4の実施の形態例の非破壊検査用半導体デバイスを構成
するチップを含む半導体ウェハを示す部分拡大断面側面
図、(B)は同部分拡大平面図である。図中、図3と同
一の要素には同一の符号が付されており、それらに関す
る詳しい説明はここでは省略する。
【0061】以下ではこれらの図面を参照して、本発明
の第4の実施の形態例の非破壊検査用半導体デバイスに
ついて説明し、同時に第4の実施の形態例の非破壊検査
用半導体デバイスの製造方法および非破壊検査方法につ
いて説明する。なお、非破壊検査装置については例えば
図2に示した非破壊検査装置104を用いることができ
る。
【0062】第4の実施の形態例が上記第2の実施の形
態例と異なるのは、半導体デバイスウェハ48におい
て、第1層目配線34bが基板部31中の異なる拡散層
どうしを接続するためのものであり、第1層目配線34
bと上部の配線とを接続するビアは本来設けられていな
いという点である。なお、上記拡散層どうしを接続する
ため、第1層目配線34bの両端部の下部には拡散層に
接続するそれぞれコンタクト部33が設けられている。
【0063】このように、第1層目配線34bと上部の
配線とを接続するビアが設けられていない場合には、図
5に示したように、第1層目配線34bの例えば一端部
上に検査用ビア305を設ける。これにより、上記第2
の実施の形態例の半導体デバイスウェハ44と等価な構
成とでき、その結果、第2の実施の形態例と同様の検査
を行って第2の実施の形態例と同様の効果を得ることが
できる。
【0064】なお、検査用ビア305は、上層配線が通
っていないところに設ければ、検査終了後、熱起電力発
生構造21および熱起電力発生構造形成用配線20を除
去して、上層配線を形成したとしても、検査用ビア30
5が上層配線に接続することはなく、半導体デバイスの
本来の機能に影響は生じない。
【0065】[第5の実施の形態例]図6の(A)は第
5の実施の形態例の非破壊検査用半導体デバイスを構成
するチップを含む半導体ウェハを示す部分拡大断面側面
図、(B)は同部分拡大平面図である。図中、図1など
と同一の要素には同一の符号が付されており、それらに
関する詳しい説明はここでは省略する。
【0066】以下ではこれらの図面を参照して、本発明
の第5の実施の形態例の非破壊検査用半導体デバイスに
ついて説明し、同時に第5の実施の形態例の非破壊検査
用半導体デバイスの製造方法および非破壊検査方法につ
いて説明する。なお、非破壊検査装置については例えば
図2に示した非破壊検査装置104を用いることができ
る。
【0067】第5の実施の形態例の非破壊検査用半導体
デバイスを構成する半導体チップを含む半導体デバイス
ウェハ50では、図6の(A)、(B)に示した熱起電
力発生構造形成用配線20および熱起電力発生構造21
を、第1層目配線34と同一の製造工程で同一の層に形
成する。配線20および熱起電力発生構造21の材料と
しては前述のTiSiが適している。
【0068】被検査対象の配線は第2層目配線であり、
この例では、第1層目配線34の上方に第1層目配線3
4との間に絶縁層32を介して、第2層目配線36aと
第2層目配線36bとを互いにほぼ平行に延設する。図
中、第2層目配線36a、36bは左方向にさらに延在
しており、本来の機能上はこれら2本の配線は互いに電
気的に絶縁されている。
【0069】熱起電力発生構造21は、図6の(B)に
示したように、第2目配線36aと第2目配線36bの
間の位置に配置され、熱起電力発生構造21を挟み、熱
起電力発生構造21に接続する熱起電力発生構造形成用
配線20が延在している。配線20の上にはそれぞれ検
査用ビア305a、305bを立設し、その上に、第2
層目配線36a、36bと同一の工程で、検査用配線3
6c、36dを形成する。検査用配線36c、36d
は、相互に間隔をおいて、それぞれ第2層目配線36
a、36bの方向に延在させ、熱起電力発生構造21側
の端部の下面においてそれぞれ検査用ビア305a、3
65bの上面に接続する。
【0070】第2目配線を形成した後、その上に絶縁層
32を形成し、さらに絶縁層32を貫通して第2層目配
線36a、36bの熱起電力発生構造21側端部と、検
査用配線36c、36dの、配線36a、36b側端部
の上に検査用ビア305d、305e、305c、30
5fを形成する。
【0071】そして、絶縁層32の表面に、検査用ビア
305dと検査用ビア305cとを接続する検査用配線
37bを形成し、また、検査用ビア305eと検査用ビ
ア305fとを接続する検査用配線37aを形成する。
したがって、この半導体デバイスウェハ50でも、第2
層目配線36a、36bの間にショート欠陥42が存在
した場合、熱起電力発生構造21を半導体デバイスウェ
ハ50の裏面側からレーザビーム53により照射した際
に矢印61で示した経路で電流が流れ、そのとき発生す
る磁場を検出することでショート欠陥42に対応する磁
場走査像を得ることができる。そのため、第5の実施の
形態例でも第1の実施の形態例などと同様の効果が得ら
れる。
【0072】さらに、第5の実施の形態例では、熱起電
力発生構造形成用配線20、熱起電力発生構造21、検
査用配線36c、36dなどは第1層目配線または第2
層目配線と同一製造工程で形成できるため、検査用の配
線などを形成するための余分な工程の増加が最小限に抑
えられる。この例では、検査用の余分な製造工程は検査
用配線37a、37bを形成する工程であが、これはア
ルミニウム配線のような単純な構造の配線で作成するこ
とができ、わざわざ熱起電力発生構造形成用配線20と
してTiSi配線を新たに製造することに比べれば、工
程数の増加は最小限となる。また、このような検査用配
線37a、37bは、検査終了後の除去も極めて容易で
ある。そして、本来の半導体デバイスの機能に影響を与
えることもない。 [第6の実施の形態例]図7の(A)は第6の実施の形
態例の非破壊検査用半導体デバイスを構成するチップを
含む半導体ウェハを示す部分拡大断面側面図、(B)は
同部分拡大平面図である。図中、図6などと同一の要素
には同一の符号が付されており、それらに関する詳しい
説明はここでは省略する。
【0073】以下ではこれらの図面を参照して、本発明
の第6の実施の形態例の非破壊検査用半導体デバイスに
ついて説明し、同時に第6の実施の形態例の非破壊検査
用半導体デバイスの製造方法および非破壊検査方法につ
いて説明する。なお、非破壊検査装置については例えば
図2に示した非破壊検査装置104を用いることができ
る。
【0074】第6の実施の形態例の非破壊検査用半導体
デバイスを構成する半導体チップを含む半導体デバイス
ウェハ52が、上記半導体デバイスウェハ50と異なる
のは、検査用配線を被検査配線の第2層目配線と同一の
層にのみ形成する点である。半導体デバイスウェハ52
でも、熱起電力発生構造形成用配線20および熱起電力
発生構造21は第1層目配線34と同一の工程で同一の
層に形成する。その上に、図6に示した半導体デバイス
ウェハ50の場合と同様、絶縁層32を介して第2層目
配線36a、36bを形成するが、本実施の形態例で
は、第2層目配線36a、36bは本来の長さより長く
形成し、延長部を検査用配線36c、36dとして形成
する。検査用配線36c、36dは配線20の上部にま
で延在させ、端部においてそれぞれ検査用ビア305
a、305bを介し、配線20に接続する。
【0075】したがって、この半導体デバイスウェハ5
2でも、第2の実施の形態例などと同様の手順で検査を
行い、図9の(A)、(B)に示したように、第2層目
配線36a、36b間にショート欠陥42が存在すれ
ば、熱起電力発生構造21をレーザビーム53により照
射した際に矢印61で示した経路で各配線を通じて電流
が流れ、ショート欠陥42を検出することができる。し
たがって第6の実施の形態例においても、上記第1の実
施の形態例と同様の効果が得られる。
【0076】そして、第6の実施の形態例では、検査終
了後、図7に示した第2層目配線36a、36bと検査
用配線36c、36dとの境界38a、38bを境に、
検査用配線36c、36dは除去し、その結果、半導体
デバイスウェハ52は図8の(A)および(B)(それ
ぞれ図7の(A)、(B)に対応)に示した状態とな
る。
【0077】このように本実施の形態例では、検査用の
配線としては、第2層目配線36a、36bの延長部を
形成するのみであるから、上記第5の実施の形態例に比
べ、工程はきわめて簡素である。無論、検査用配線36
c、36dの除去も容易である。
【0078】さらに、本実施の形態例では、被検査配線
である第2の第2層目配線36a、36bの上に、検査
のために配線などを形成する必要がなく、第2の第2層
目配線36a、36bが形成され次第ただちに検査を実
施することができる。また、図9の(A)、(B)に示
したように、ショート欠陥42により形成される閉回路
が全体として単純であり、矢印61で示した電流経路が
単純となることから、発生した磁場の検出が容易とな
り、良好な磁場走査像を得ることができる。
【0079】[第7の実施の形態例]図10の(A)は
第7の実施の形態例の半導体デバイスを構成するチップ
上でのレイアウトをブロックとして示した概念図、
(B)は(A)で繰り返されているブロックを取り出し
て、その内部構造と互いの接続関係を示した概念図であ
る。図中、図1などと同一の要素には同一の符号が付さ
れている。
【0080】以下ではこれらの図面を参照して、本発明
の第7の実施の形態例の非破壊検査用半導体デバイスお
よび非破壊検査用半導体デバイスの製造方法について説
明する。なお、第7の実施の形態例の非破壊検査用半導
体デバイスの検査は、例えば図1に示した非破壊検査装
置102を用いて第1の実施の形態例として説明した非
破壊検査方法により行うことができる。
【0081】第7の実施の形態例の非破壊検査用半導体
デバイスを構成する半導体デバイスウェハ54が上記実
施の形態例と異なるのは、熱起電力発生構造21を含む
検査ツール領域120と、被検査配線などの検査要素を
含む被検査領域100とを異なるブロックとして配置す
る点である。
【0082】図10の(A)に示したように、半導体デ
バイスウェハ54は、1つの被検査領域100と1つの
検査ツール領域120との対を複数、整列配置して構成
している。図10の(B)は、1つの被検査領域100
と1つの検査ツール領域120との対を取り出して示し
たものであり、検査ツール領域120には複数の熱起電
力発生構造21を形成し、一方、被検査領域100に
は、上記複数の熱起電力発生構造21に対応して複数の
被検査要素101を形成している。そして、熱起電力発
生構造21と被検査要素101とは対応するものどうし
を検査用配線37により接続している。被検査要素10
1には例えば上述のような近接する2本の配線が被検査
対象として含まれている。
【0083】したがって、この半導体デバイスウェハ5
4でも、第1の実施の形態例などと同様の手順で検査を
行い、例えば被検査要素101に含まれる上記2本の配
線間にショート欠陥が存在すれば、熱起電力発生構造2
1がレーザビームにより照射された際に矢印61で示し
た経路で各配線を通じて電流が流れ、ショート欠陥を検
出することができる。したがって第7の実施の形態例に
おいても、上記第1の実施の形態例と同様の効果を得る
ことができる。
【0084】第5、第6の実施形態例で説明したよう
に、熱起電力発生構造21は配線の最下層に作り込むこ
とができる。したがって、ゲートアレイやTEGのよう
に、空き領域を比較的自由に設定できる場合には、熱起
電力発生構造21を含む検査ツール領域120を事前に
確保して製造しておき、被検査領域100、すなわち半
導体デバイスとしての本来の機能を有する領域は、その
後の要求に応じて設計すればよい。そのため、本実施の
形態例では、上記効果に加えて、半導体デバイスウェハ
54の設計や製造において柔軟性が増すという効果が得
られる。なお、本実施の形態例では、熱起電力発生構造
21と被検査要素101とが比較的離れて配置されるこ
とになるので、ショート欠陥が存在する被検査要素10
1を容易に判別できるようにするため、熱起電力発生構
造21と被検査要素101との対応関係が分かり易いレ
イアウトにしておくことが望ましい。
【0085】すなわち、前述のように適切な検査系を用
いることで、400nm程度の位置認識精度を得ること
はできるが、この精度で特定できるのはあくまでもレー
ザビームの照射位置すなわち熱起電力発生構造21の位
置である。したがって、実際にショート欠陥が存在する
被検査要素101は、特定した熱起電力発生構造21を
もとに判別することになり、熱起電力発生構造21と被
検査要素101との対応関係が分かり易いレイアウトが
望ましい。
【0086】具体的には、例えば図10の(B)に示し
た例のように、熱起電力発生構造21は右から左へ、そ
れに対応した被検査要素101は左から右へと単純に配
列すれば、双方の対応関係は明瞭であり、磁場検出で特
定した熱起電力発生構造21から、ショート欠陥の存在
する被検査要素101を確実に特定することができる。
なお、図10の(A)に示した半導体デバイスウェハ5
4では、熱起電力発生構造21を含む検査ツール領域1
20と、被検査領域100とを、規則的に配置したが、
必ずしもその必要はなく、チップの空き具合に応じて、
自由に配置すれば良いことは言うまでもない。
【0087】[第8の実施の形態例]次に、本発明によ
る第8の実施の形態例の非破壊検査装置について説明す
る。図11は第8の実施の形態例の非破壊検査装置を示
す構成図である。図中、図2などと同一の要素には同一
の符号が付されており、それらに関する詳しい説明はこ
こでは省略する。図11に示した非破壊検査装置108
が図2に示した非破壊検査装置104と異なるのは、磁
場検出器5として具体的にSQUID(Superco
nducting QUantum Interfer
ence Device:超電導量子干渉素子)55を
用いた点と、SQUID55に付随する液体窒素9、断
熱材8a、8b、ならびに磁気シールド材10を追加し
た点である。
【0088】現在の技術水準において、熱起電力電流に
もとづく微弱な磁場を検出するには、磁場観測方法とし
て最も高感度なSQUID55が最適である。SQUI
Dの種類としては、Nb(ニオブ)などの低温超電導体
を用いた低温系SQUIDと、酸化物超電導体を用いた
高温超電導SQUIDに大別できる。液体ヘリウムでの
冷却が必要な低温系SQUIDでは、コスト、メンテナ
ンス面で扱いが大変であるので、ここでは液体窒素9で
の冷却で十分な高温超電導SQUIDを用いた。高温超
電導SQUIDの具体的な材料としては、YBCO(Y
−Ba−Cu−O)やHBCO(Ho−Ba−Cu−
O)などがある。
【0089】液体窒素9はSUQID55を冷却するた
めのものであり、液体窒素9と半導体デバイスウェハ4
0との間は断熱材8aにより断熱され、また液体窒素9
と周囲との間は断熱材8bにより断熱されている。断熱
材8aの具体的な材料としては発泡スチロールが、容易
に薄くでき、しかも断熱効果が高いので好適である。ま
た、周囲から混入する磁場ノイズを遮断するために全体
は、レーザビーム53の入射箇所を除いて磁気シールド
材10により覆われている。レーザビーム3が通過する
程度の穴を磁気シールド材10に形成することは、磁気
シール度効果には大きくは影響しない。
【0090】図11に示したように高温超電導SQUI
Dは通常、液体窒素9に浸した状態で使用し、したがっ
てSQUID55と半導体デバイスウェハ40との間に
断熱材8aを入れて、半導体デバイスウェハ40を常温
に近い温度に保つ必要がある。半導体デバイスウェハ4
0がどの程度の低温まで耐えられるかについての試験結
果で、過去に十分な実績のある温度は摂氏−55度程度
である。
【0091】この耐性を示す実際の試験条件は、例え
ば、摂氏+150度に10分以上さらし、その後15分
以内に摂氏−55度に到達した後、摂氏−55度に10
分以上さらし、その後15分以内に摂氏+150度に到
達した後、摂氏+150度に10分以上さらし、・・・
というサイクルを十回から千回繰り返すものであり、上
記温度はこのような厳しい試験条件により得られた値で
ある。このような試験においてもチップそのものは十分
な耐性を示しているので、短時間の検査ではさらに低温
にさらしても問題は無いと思われるが、今のところ限界
を示す十分なデータはない。
【0092】図11の構成で半導体デバイスウェハ40
を常温に近い温度に保つことは、霜の付着を防止するた
めにも重要である。本発明の発明者らによる実験で確か
めた結果、断熱材8aとして発砲スチロールを用いれ
ば、その厚みを0.3mm程度まで薄くしても、チップ
に霜が付かない程度の温度に保つことができる。
【0093】SQUID55が正常に動作するために
は、所定の温度範囲の一定の温度に保つ必要がある。図
11に示した構成の場合は、液体窒素9に浸っているた
め、液体窒素9の量をSQUID55が十分浸る程度に
保つように、適宜継ぎ足せば十分である。
【0094】長時間の検査を連続して行うような場合
は、自動供給すれば便利である。窒素の自動供給装置
は、元素分析に用いるEDX(エネルギー分散型X線解
析装置)用などで十分な実用実績があるので、それを用
いればよい。このように第8の実施の形態例の非破壊検
査装置108では、現在の技術水準でもっとも高感度な
SQUID55を用いるため、ショート欠陥を通じて流
れる電流による微弱な磁場を高いS/Nで検出でき、そ
の結果、良好な磁場走査像を得ることができる。
【0095】[第9の実施の形態例]次に、本発明の第
9の実施の形態例について説明する。図12は第9の実
施の形態例の非破壊検査装置を示す構成図である。図
中、図11などと同一の要素には同一の符号が付されて
おり、それらに関する詳しい説明はここでは省略する。
図12に示した非破壊検査装置110が図11の非破壊
検査装置108と異なるのは、SQUID55の冷却方
法として冷却器11を用いている点である。すなわち、
非破壊検査装置110では、磁気シールド材10の内側
に冷却器11が設置され、その上に冷却器11に接して
SQUID55が載置され、さらにその上に半導体デバ
イスウェハ40が配置されている。冷却器11とSQU
ID55とを接触させることで、SQUID55は液体
窒素温度(77K)以下に簡単に冷却することができ
る。
【0096】また、本実施の形態例では、レーザビーム
53を導くために磁気シールド材10に形成された開口
は、透明なガラス材13により閉鎖され、磁気シールド
材10の内部は気密となっている。そして、磁気シール
ド材10の内部に連通する真空ポンプ12を設けて磁気
シールド材10の内側を真空にし、熱の放散を防ぐ構造
となっている。
【0097】このようにSQUID55を冷却器11に
より冷却し、同時に内部を真空にすることには次の3つ
の利点がある。第1の利点は、液体窒素9を供給する必
要が無くメンテナンスが容易になることである。勿論こ
れは、冷却器11として液体窒素9の助けを借りていな
い場合であり、冷却機能を液体窒素9に依存している場
合は、この利点は享受できない。
【0098】第2の利点は、半導体デバイスウェハ40
とSQUID55との間の距離を短くできることであ
る。熱起電力電流に起因する磁場は一般的には電流経路
からの距離が近いほど大きい。したがって、半導体デバ
イスウェハ40とSQUID55の距離が近いほど磁場
が強い場所で検知でき、検出感度が上がる。液体窒素9
に浸して冷やす場合は図11に示したように半導体デバ
イスウェハ40とSQUID55との間には液体窒素9
と断熱材8aが介在する。一方、冷却器11で冷やす場
合は、図12から分かるように、半導体デバイスウェハ
40とSQUID55の間にはわずかな隙間が存在する
のみであり、両者を極度に接近させることができる。
【0099】第3の利点は、半導体デバイスウェハ40
上に霜が付く心配がないことである。したがって、霜が
付くことによる半導体デバイスウェハ40の劣化の恐れ
が解消する。図12の構成にした場合には、レーザビー
ム53はガラス材13を通して、半導体デバイスウェハ
40に照射されるが、その際のガラス材の選択は130
0nmの波長の透過率に重点を置いて選択すればよく、
633nmの波長の透過率はそれほど良くなくてもよ
い。
【0100】その理由は、十分な熱起電力電流を発生さ
せるには大きなパワーのレーザ光が必要であるが、走査
レーザ顕微鏡像を得るためめには、それほど大きいなパ
ワーを必要としないということである。いずれにして
も、最終的には、レーザ発生器51および受光素子のコ
ストと検出感度とのトレードオフで決定すればよい。
【0101】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、半導体基
板上に近接して配置された第1および第2の導電体を含
む半導体デバイスであって、前記半導体基板上に配設さ
れた熱起電力発生体と、前記熱起電力発生体の一端と前
記第1の導電体とを接続する第1の配線と、前記熱起電
力発生体の他端と前記第2の導電体とを接続する第2の
配線とを含むことを特徴とする。また、本発明は、半導
体基板上に近接して配置された第1および第2の導電体
を含む半導体デバイスを製造する方法であって、前記半
導体基板上に熱起電力発生体を配設し、前記熱起電力発
生体の一端と前記第1の導電体とを第1の配線により接
続し、前記熱起電力発生体の他端と前記第2の導電体と
を第2の配線により接続することを特徴とする。
【0102】また、本発明は、半導体基板上に近接して
配置された第1および第2の導電体を含み、前記半導体
基板上に配設された熱起電力発生体と、前記熱起電力発
生体の一端と前記第1の導電体とを接続する第1の配線
と、前記熱起電力発生体の他端と前記第2の導電体とを
接続する第2の配線とを含む半導体デバイスを非破壊検
査する方法であって、前記熱起電力発生体にレーザ光を
照射し、前記熱起電力発生体に前記レーザ光を照射した
とき発生する磁場を検出し、前記磁場の検出結果にもと
づいて前記第1および第2の導電体に係わるショート欠
陥の有無を判定することを特徴とする。
【0103】また、本発明は、半導体基板上に近接して
配置された第1および第2の導電体を含み、前記半導体
基板上に配設された熱起電力発生体と、前記熱起電力発
生体の一端と前記第1の導電体とを接続する第1の配線
と、前記熱起電力発生体の他端と前記第2の導電体とを
接続する第2の配線とを含む半導体デバイスを非破壊検
査する装置であって、前記熱起電力発生体にレーザ光を
照射するレーザ光照射手段と、前記熱起電力発生体に前
記レーザ光を照射したとき発生する磁場を検出する磁場
検出手段とを含むことを特徴とする。
【0104】本発明では、第1および第2の導電体間に
ショート欠陥が存在すると、半導体基板に形成した熱起
電力発生構造にレーザ光を照射した際に、熱起電力発生
構造が発生する熱起電力により第1および第2の導電体
ならびに第1および第2の配線を通じて電流が流れ、磁
場が生成される。したがって、この磁場をSQUIDな
どの磁場検出手段で検出することにより、ショート欠陥
の存在を検知することができる。このように、本発明で
は、従来の熱起電力にもとづく検査技術では不可能であ
ったショート欠陥の検出を行うことができる。しかも、
半導体デバイスを構成する半導体基板に対して非接触で
検査を行え、したがって半導体基板にボンディングパッ
ドが形成される前の製造段階でも検査を行うことができ
る。その結果、半導体デバイスの製造工程における初期
の段階で、電気的ショート個所を検出して、適切かつ迅
速な処置を執ることができ、製品の歩留まりおよび信頼
性を大幅に向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明による非破壊検査装置の一例を
示す構成図、(B)は本発明による半導体デバイスを構
成するチップを含む半導体ウェハの一例における被検査
箇所を示す部分拡大断面側面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態例の非破壊検査装置
を示す構成図である。
【図3】(A)は第2の実施の形態例の非破壊検査用半
導体デバイスを構成するチップを含む半導体ウェハの一
例における被検査箇所を示す部分拡大断面側面図、
(B)は同部分拡大平面図である。
【図4】(A)は第3の実施の形態例の非破壊検査用半
導体デバイスを構成するチップを含む半導体ウェハを示
す部分拡大断面側面図、(B)は同部分拡大平面図であ
る。
【図5】(A)は第4の実施の形態例の非破壊検査用半
導体デバイスを構成するチップを含む半導体ウェハを示
す部分拡大断面側面図、(B)は同部分拡大平面図であ
る。
【図6】(A)は第5の実施の形態例の非破壊検査用半
導体デバイスを構成するチップを含む半導体ウェハを示
す部分拡大断面側面図、(B)は同部分拡大平面図であ
る。
【図7】(A)は第6の実施の形態例の非破壊検査用半
導体デバイスを構成するチップを含む半導体ウェハを示
す部分拡大断面側面図、(B)は同部分拡大平面図であ
る。
【図8】(A)は、図7の(A)に示したウェハにおい
て検査用配線を削除した状態を示す部分拡大断面側面
図、(B)は同部分拡大平面図である。
【図9】(A)は、図7の(A)に示したウェハにおい
て検査時に流れる電流の経路を示す部分拡大断面側面
図、(B)は同部分拡大平面図である。
【図10】(A)は第7の実施の形態例の半導体デバイ
スを構成するチップを含む半導体ウェハ上でのレイアウ
トをブロックとして示した概念図、(B)は(A)で繰
り返されているブロックを取り出して、その内部構造と
互いの接続関係を示した概念図である。
【図11】第8の実施の形態例の非破壊検査装置を示す
構成図である。
【図12】第9の実施の形態例の非破壊検査装置を示す
構成図である。
【図13】従来の非破壊検査装置の一例を示す構成図で
ある。
【図14】従来の非破壊検査装置の一例を示す構成図で
ある。
【符号の説明】
1……レーザ発生器、2……光学系、3……レーザビー
ム、4……半導体デバイスチップまたはウェハ、5……
磁場検出器、6……制御・画像処理系、7……像表示装
置、8a、8b……断熱材、9……液体窒素、10……
磁気シールド材、11……冷却器、12……真空ポン
プ、13……ガラス材、14……ボンディングパッド、
20……熱起電力発生構造形成用配線、21……熱起電
力発生構造、31……シリコン基板部、32……絶縁
層、33……コンタクト部、34a、34b……第1目
配線、35a、35b……ビア、35b……ビア、40
……半導体デバイスウェハ、42……ショート欠陥、4
4……半導体デバイスウェハ、46……半導体デバイス
ウェハ、48……半導体デバイスウェハ、50……半導
体デバイスウェハ、52……半導体デバイスウェハ、5
3……レーザビーム、54……半導体デバイスウェハ、
55……SQUID、61……電流経路、100……被
検査領域、101……被検査要素、102……非破壊検
査装置、104……非破壊検査装置、106……制御・
画像処理系、108……非破壊検査装置、110……非
破壊検査装置、115……プローバ、120……検査ツ
ール領域、131……電流変化検出器、305……検査
用ビア。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/66 G01N 27/00 G01N 27/72 H01L 39/22 ZAA

Claims (56)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に近接して配置された第1
    および第2の導電体を含む半導体デバイスであって、 前記半導体基板上に配設された熱起電力発生体と、 前記熱起電力発生体の一端と前記第1の導電体とを接続
    する第1の配線と、 前記熱起電力発生体の他端と前記第2の導電体とを接続
    する第2の配線とを含むことを特徴とする非破壊検査用
    半導体デバイス。
  2. 【請求項2】 前記熱起電力発生体は前記第1および第
    2の導電体に近接して配置されていることを特徴とする
    請求項1記載の非破壊検査用半導体デバイス。
  3. 【請求項3】 前記熱起電力発生体と前記第1および第
    2の配線とは同一材料によって一体に形成され、前記熱
    起電力発生体の箇所は前記第1および第2の配線の他の
    箇所より幅が細く形成されていることを特徴とする請求
    項1記載の非破壊検査用半導体デバイス。
  4. 【請求項4】 前記材料はチタンシリサイドであること
    を特徴とする請求項3記載の非破壊検査用半導体デバイ
    ス。
  5. 【請求項5】 前記第1および第2の導電体は配線であ
    ることを特徴とする請求項1記載の非破壊検査用半導体
    デバイス。
  6. 【請求項6】 前記第1および第2の導電体は前記半導
    体基板上に絶縁層を介して延設され、前記第1および第
    2の導電体の上にさらに絶縁層が形成され、前記熱起電
    力発生体ならびに前記第1および第2の配線は前記第1
    および第2の導電体上の絶縁層の上に形成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の非破壊検査用半導体デバ
    イス。
  7. 【請求項7】 前記第1および第2の導電体と前記第1
    および第2の配線とは絶縁層を貫通するビアにより接続
    されていることを特徴とする請求項6記載の非破壊検査
    用半導体デバイス。
  8. 【請求項8】 前記第1および第2の導電体は一方の端
    部どうしを接近させてほぼ一直線状に延設されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の非破壊検査用半導体デバ
    イス。
  9. 【請求項9】 前記第1および第2の導電体のうちの少
    なくとも一方と、前記第1および第2の配線のうちの少
    なくとも一方とはほぼ平行に延在し、ほぼ平行に延在す
    る前記導電体と前記配線とは幅が異なっていることを特
    徴とする請求項1記載の非破壊検査用半導体デバイス。
  10. 【請求項10】 前記第1および第2の導電体は並設さ
    れ、前記第1および第2の配線および前記熱起電力発生
    体は、前記第1および第2の導電体の延在方向と交差す
    る方向に延設されていることを特徴とする請求項1記載
    の非破壊検査用半導体デバイス。
  11. 【請求項11】 前記第1の導電体と前記第1の配線、
    または前記第2の導電体と前記第2の配線とを接続する
    ビアは検査用のビアであることを特徴とする請求項1記
    載の非破壊検査用半導体デバイス。
  12. 【請求項12】 前記熱起電力発生体は前記第1および
    第2の導電体より前記半導体基板に近い層に配設されて
    いることを特徴とする請求項1記載の非破壊検査用半導
    体デバイス。
  13. 【請求項13】 前記第1および第2の配線のうちの少
    なくとも一方は相互に異なる層に形成された複数の配線
    から成ることを特徴とする請求項1記載の非破壊検査用
    半導体デバイス。
  14. 【請求項14】 前記第1および第2の配線のうちの少
    なくとも一方は前記第1および第2の導電体のうちの一
    方と一体に形成されていることを特徴とする請求項1記
    載の非破壊検査用半導体デバイス。
  15. 【請求項15】 前記熱起電力発生体は、前記半導体基
    板の裏面側から入射したレーザ光が構造体により遮られ
    ることなく前記熱起電力発生体に到達する位置に配置さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の非破壊検査用
    半導体デバイス。
  16. 【請求項16】 前記構造体は配線であることを特徴と
    する請求項15記載の非破壊検査用半導体デバイス。
  17. 【請求項17】 複数の前記熱起電力発生体と、複数対
    の前記第1および第2の導電体とを含み、各熱起電力発
    生体は、前記熱起電力発生体が接続された前記第1およ
    び第2の導電体の対と対応づけられた位置に配置されて
    いることを特徴とする請求項1記載の非破壊検査用半導
    体デバイス。
  18. 【請求項18】 複数の前記熱起電力発生体および複数
    対の前記第1および第2の導電体は共にほぼ一列に配列
    され、各熱起電力発生体は同じ順位または逆の順位の前
    記第1および第2の導電体の対に接続されていることを
    特徴とする請求項1記載の非破壊検査用半導体デバイ
    ス。
  19. 【請求項19】 半導体基板上に近接して配置された第
    1および第2の導電体を含む半導体デバイスを製造する
    方法であって、 前記半導体基板上に熱起電力発生体を配設し、 前記熱起電力発生体の一端と前記第1の導電体とを第1
    の配線により接続し、 前記熱起電力発生体の他端と前記第2の導電体とを第2
    の配線により接続することを特徴とする非破壊検査用半
    導体デバイスの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記熱起電力発生体は前記第1および
    第2の導電体に近接して配置することを特徴とする請求
    項19記載の非破壊検査用半導体デバイスの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記熱起電力発生体と前記第1および
    第2の配線とは同一材料によって一体に形成し、前記熱
    起電力発生体の箇所は前記第1および第2の配線の他の
    箇所より幅を細く形成することを特徴とする請求項19
    記載の非破壊検査用半導体デバイスの製造方法。
  22. 【請求項22】 前記材料としてチタンシリサイドを用
    いることを特徴とする請求項21記載の非破壊検査用半
    導体デバイスの製造方法。
  23. 【請求項23】 前記第1および第2の導電体は配線で
    あることを特徴とする請求項19記載の非破壊検査用半
    導体デバイスの製造方法。
  24. 【請求項24】 前記第1および第2の導電体は前記半
    導体基板上に絶縁層を介して延設し、前記第1および第
    2の導電体の上にさらに絶縁層を形成し、前記熱起電力
    発生体ならびに前記第1および第2の配線は前記第1お
    よび第2の導電体上の絶縁層の上に形成することを特徴
    とする請求項19記載の非破壊検査用半導体デバイスの
    製造方法。
  25. 【請求項25】 前記第1および第2の導電体と前記第
    1および第2の配線とは絶縁層を貫通するビアにより接
    続することを特徴とする請求項24記載の非破壊検査用
    半導体デバイスの製造方法。
  26. 【請求項26】 前記第1および第2の導電体は一方の
    端部どうしを接近させてほぼ一直線状に延設することを
    特徴とする請求項19記載の非破壊検査用半導体デバイ
    スの製造方法。
  27. 【請求項27】 前記第1および第2の導電体のうちの
    少なくとも一方と、前記第1および第2の配線のうちの
    少なくとも一方とはほぼ平行に延在させ、ほぼ平行に延
    在する前記導電体と前記配線とは異なる幅に形成するこ
    とを特徴とする請求項19記載の非破壊検査用半導体デ
    バイスの製造方法。
  28. 【請求項28】 前記第1および第2の導電体は並設
    し、前記第1および第2の配線および前記熱起電力発生
    体は、前記第1および第2の導電体の延在方向と交差す
    る方向に延設することを特徴とする請求項19記載の非
    破壊検査用半導体デバイスの製造方法。
  29. 【請求項29】 前記第1の導電体と前記第1の配線、
    または前記第2の導電体と前記第2の配線とを接続する
    ビアは検査用のビアとして形成することを特徴とする請
    求項19記載の非破壊検査用半導体デバイスの製造方
    法。
  30. 【請求項30】 前記熱起電力発生体は前記第1および
    第2の導電体より前記半導体基板に近い層に配設するこ
    とを特徴とする請求項19記載の非破壊検査用半導体デ
    バイスの製造方法。
  31. 【請求項31】 前記第1および第2の配線のうちの少
    なくとも一方は相互に異なる層に形成した複数の配線に
    より構成することを特徴とする請求項19記載の非破壊
    検査用半導体デバイスの製造方法。
  32. 【請求項32】 前記第1および第2の配線のうちの少
    なくとも一方は前記第1および第2の導電体のうちの一
    方と一体に形成することを特徴とする請求項19記載の
    非破壊検査用半導体デバイスの製造方法。
  33. 【請求項33】 前記熱起電力発生体は、前記半導体基
    板の裏面側から入射したレーザ光が構造体により遮られ
    ることなく前記熱起電力発生体に到達する位置に配置す
    ることを特徴とする請求項19記載の非破壊検査用半導
    体デバイスの製造方法。
  34. 【請求項34】 前記構造体は配線であることを特徴と
    する請求項33記載の非破壊検査用半導体デバイスの製
    造方法。
  35. 【請求項35】 複数の前記熱起電力発生体と、複数対
    の前記第1および第2の導電体とを設け、各熱起電力発
    生体は、前記熱起電力発生体を接続した前記第1および
    第2の導電体の対と対応づけた位置に配置することを特
    徴とする請求項1記載の非破壊検査用半導体デバイスの
    製造方法。
  36. 【請求項36】 複数の前記熱起電力発生体および複数
    対の前記第1および第2の導電体は共にほぼ一列に配列
    し、各熱起電力発生体は同じ順位または逆の順位の前記
    第1および第2の導電体の対に接続することを特徴とす
    る請求項1記載の非破壊検査用半導体デバイスの製造方
    法。
  37. 【請求項37】 半導体基板上に近接して配置された第
    1および第2の導電体を含み、 前記半導体基板上に配設された熱起電力発生体と、 前記熱起電力発生体の一端と前記第1の導電体とを接続
    する第1の配線と、 前記熱起電力発生体の他端と前記第2の導電体とを接続
    する第2の配線とを含む半導体デバイスを非破壊検査す
    る方法であって、 前記熱起電力発生体にレーザ光を照射し、 前記熱起電力発生体に前記レーザ光を照射したとき発生
    する磁場を検出し、 前記磁場の検出結果にもとづいて前記第1および第2の
    導電体に係わるショート欠陥の有無を判定することを特
    徴とする非破壊検査方法。
  38. 【請求項38】 前記レーザ光として収束させたレーザ
    ビームを前記熱起電力発生体に照射することを特徴とす
    る請求項37記載の非破壊検査方法。
  39. 【請求項39】 前記レーザビームの前記半導体基板上
    における照射位置を移動させ、 前記レーザビームの前記半導体基板上の照射位置と表示
    装置の画面上の位置とを対応づけ、 検出した前記磁場の強度を明るさまたは色に対応づけて
    前記表示装置に表示して走査磁場像を生成することを特
    徴とする請求項38記載の非破壊検査方法。
  40. 【請求項40】 前記半導体基板を固定して前記レーザ
    ビームを移動させることを特徴とする請求項39記載の
    非破壊検査方法。
  41. 【請求項41】 前記レーザビームを固定して前記半導
    体基板を移動させることを特徴とする請求項39記載の
    非破壊検査方法。
  42. 【請求項42】 前記半導体基板の走査レーザ顕微鏡像
    を取得し、前記表示装置の画面に前記走査磁場像と前記
    走査レーザ顕微鏡像とを重ね合わせた画像を表示するこ
    とを特徴とする請求項39記載の非破壊検査方法。
  43. 【請求項43】 前記半導体基板を透過し、かつ光ビー
    ム励起電流を発生しない波長の前記レーザビームを前記
    半導体基板に照射することを特徴とする請求項38記載
    の非破壊検査方法。
  44. 【請求項44】 前記半導体基板はシリコン基板である
    ことを特徴とする請求項43記載の非破壊検査方法。
  45. 【請求項45】 前記レーザ光を前記半導体基板の裏面
    側から照射し、前記半導体基板の表面側で前記磁場を検
    出することを特徴とする請求項37記載の非破壊検査方
    法。
  46. 【請求項46】 超伝導量子干渉素子により前記磁場を
    検出することを特徴とする請求項37記載の非破壊検査
    方法。
  47. 【請求項47】 半導体基板上に近接して配置された第
    1および第2の導電体を含み、 前記半導体基板上に配設された熱起電力発生体と、 前記熱起電力発生体の一端と前記第1の導電体とを接続
    する第1の配線と、 前記熱起電力発生体の他端と前記第2の導電体とを接続
    する第2の配線とを含む半導体デバイスを非破壊検査す
    る装置であって、 前記熱起電力発生体にレーザ光を照射するレーザ光照射
    手段と、 前記熱起電力発生体に前記レーザ光を照射したとき発生
    する磁場を検出する磁場検出手段とを含むことを特徴と
    する非破壊検査装置。
  48. 【請求項48】 前記レーザ光照射手段は収束させた前
    記レーザビームを前記熱起電力発生体に照射することを
    特徴とする請求項47記載の非破壊検査装置。
  49. 【請求項49】 前記レーザビームの前記半導体基板上
    における照射位置を移動させる走査手段と、 前記レーザビームの前記半導体基板上の照射位置と表示
    装置の画面上の位置とを対応づけ、検出した前記磁場の
    強度を明るさまたは色に対応づけて前記表示装置に表示
    して走査磁場像を生成する画像生成手段を備えたことを
    特徴とする請求項48記載の非破壊検査装置。
  50. 【請求項50】 前記走査手段は、前記半導体基板を固
    定して前記レーザビームを移動させることを特徴とする
    請求項49記載の非破壊検査装置。
  51. 【請求項51】 前記走査手段は、前記レーザビームを
    固定して前記半導体基板を移動させることを特徴とする
    請求項49記載の非破壊検査装置。
  52. 【請求項52】 前記画像生成手段は、前記半導体基板
    の走査レーザ顕微鏡像を取得し、前記表示装置の画面に
    前記走査磁場像と前記走査レーザ顕微鏡像とを重ね合わ
    せた画像を表示することを特徴とする請求項49記載の
    非破壊検査装置。
  53. 【請求項53】 前記レーザ光照射手段は、前記半導体
    基板を透過し、かつ光ビーム励起電流を発生しない波長
    の前記レーザビームを前記半導体基板に照射することを
    特徴とする請求項48記載の非破壊検査装置。
  54. 【請求項54】 前記半導体基板はシリコン基板である
    ことを特徴とする請求項53記載の非破壊検査装置。
  55. 【請求項55】 前記レーザ光照射手段は、前記レーザ
    光を前記半導体基板の裏面側から照射し、前記磁場検出
    手段は、前記半導体基板の表面側で前記磁場を検出する
    ことを特徴とする請求項47記載の非破壊検査装置。
  56. 【請求項56】 前記磁場検出手段は、超伝導量子干渉
    素子を含むことを特徴とする請求項47記載の非破壊検
    査装置。
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