JP3450208B2 - 結束バンドの結束方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】この発明は、電気コード等細
長い部材を複数束ねて結束する結束バンドの結束方法に
関する。 【０００２】 【従来の技術】従来、複数本の電気コード等を束ねるた
めに使用される結束バンドは、結束バンドを環状に保持
する手段として面ファスナーが使用されているものがあ
った。例えば、実開昭６３−１７７２６８号公報に開示
されている結束バンドは、雄係合子を有する雄面ファス
ナー片と、雌係合子を有する雌面ファスナー片を、たが
いに裏面を対向させ一対の接合部で取り付けたものであ
った。そして一対の接合部の間に、保持孔が形成されて
いた。この結束バンドの使用方法は、まず電気コードの
一部を結束バンドの保持孔に挿通する。そして、電気コ
ードのその他の部分を複数回折り曲げ、互いに折り重ね
られた部分を結束バンドの本体で巻き回し、雄係合子と
雌係合子を互いに係合させるものである。 【０００３】また、実開平５−８４６５８号公報に開示
されているベルトは、テープ状の基体を有し、この基体
の同一面上に雄係合子と雌係合子が多数混在して植生さ
れ、基体の一端には、環が取り付けられていた。このベ
ルトの使用方法は、互いに折り重ねられた電気コードの
周囲に、このベルトの基体を、雄係合子と雌係合子が設
けられた係合面が外側になるように一周巻き回し、ベル
トの環に基体の先端を挿通し基体を折返して係合面同士
を係合させ種々の部材を保持するものである。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術の実開
昭６３−１７７２６８号公報に開示されている結束バン
ドは、構造が複雑で、電気コード等の取り付け方法も、
雌面ファスナー片と雄面ファスナー片を同時に互いに近
づく方向へ巻き付けなければならず、面倒であった。ま
た、実開平５−８４６５８号公報に開示されているベル
トは、ベルト短部に金属製等の環を取り付ける必要があ
り、製造工程も複雑であった。 【０００５】この発明は上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、容易に且つ確実に結束可能な結束バン
ドの結束方法を提供することを目的とする。 【０００６】 【課題を解決するための手段】この発明は、帯状の締付
片と、この締付片の一端部から延出した一対の取付片
と、上記一対の取付片の間に形成され上記締付片が挿通
可能な間隙と、上記一対 の取付片の先端に設けられこの
取付片を互いに連結する連結部とが設けられ、上記締付
片と上記取付片の同一表面に多数の雄係合子と雌係合子
が混在する面ファスナー係合面が形成された結束バンド
の結束方法についてのものである。まず、結束される長
尺部材の一部に、上記結束バンドの取付片を当て、この
取付片及び連結部を折り返して互いの上記面ファスナー
係合面を係合させ、次に上記長尺部材を束ねて上記面フ
ァスナー係合面が外側を向くようにして、上記結束バン
ドの締付片により上記長尺部材を巻き回し、上記締付片
の先端を上記間隙から露出している上記長尺部材の内側
に差し込んで、上記締付片を環状にし、さらに、上記締
付片の先端を上記間隙から引き出して、上記締付片を上
記長尺部材に巻き付け、上記間隙から露出している上記
一部の長尺部材で、上記締付片を折返し、上記締付片の
上記面ファスナー係合面同士を係合して上記長尺部材を
結束する結束バンドの結束方法である。 【０００７】また、上記締付片と上記取付片は一体に形
成され、一面に多数の雄係合子と雌係合子が混在する繊
維製面ファスナー帯材を打ち抜いて形成されている。 【０００８】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て図面に基づいて説明する。図１〜図４はこの発明の一
実施形態を示すもので、この実施形態の結束バンド１０
は、帯状の締付片１２を有し、締付片１２の一端部に
は、締付片１２よりも細く短い帯状に形成されている一
対の取付片１４が、締付片１２の長手方向に対して平行
に且つ締付片１２の延出方向とは反対側に延びて設けら
れている。一対の取付片１４の内側には、締付片１２よ
りわずかに幅広の空隙１６が形成され、そして一対の取
付片１４の先端には、取付片１４を互いに連結する連結
部１８が形成されている。これにより、この取付片１４
と連結部１８とが、締付片１２の一端部でロ字状に設け
られている。なお、締付片１２と取付片１４の幅は、等
しいものであってもよい。 【０００９】締付片１２と一対の取付片１４、連結部１
８の同一側表面には、フック状の雄係合子２０と、ルー
プ状の雌係合子２２がほぼ均等に混在して設けられ、面
ファスナー係合面２４を構成している。この雄係合子２
０はキノコ状であってもよい。 【００１０】この実施形態の結束バンド１０の作り方
は、一面に雄係合子２０と雌係合子２２が混在する繊維
製面ファスナー帯材を基にして、締付片１２、取付片１
４、連結部１８を一体に打ち抜いて形成する。 【００１１】次に、この実施形態の結束バンド１０の結
束方法について説明する。まず、図２に示すように、電
気コード等の長尺部材２６の一部に、結束バンド１０の
取付片１４の各々中心付近を当て、取付片１４を各々折
返して互いの面ファスナー係合面２４を係合させ、この
結束バンド１０を一つの長尺部材２６に取り付ける。こ
のとき、取付片１４が取り付けられた長尺部材２６は、
結束バンド１０の取付片１４の間隙１６から露出してい
る。そして、複数本の長尺部材２６を束ねた部分を結束
バンド１０の締付片１２で一周巻き回す。このとき面フ
ァスナー係合面２４が外側を向くようにする。そして、
図３に示すように結束バンド１０の締付片１２の先端１
２ａを、間隙１６から露出している一つの長尺部材２６
の内側に差し込んで締付片１２を環状とする。そして、
締付片１２の先端１２ａを間隙１６の間から引き出して
環状となっている部分を長尺部材２６に緩みなく巻き付
け、間隙１６から露出している一つの長尺部材２６で締
付片１２の先端１２ａを折返し、図４に示すように面フ
ァスナー係合面２４同士を係合し、複数の長尺部材２６
を結束する。 【００１２】この実施形態の結束バンド１０によれば、
簡単な構造で長尺部材２６を確実に結束することができ
る。しかも、取り付けや取り外しも簡単で、再利用可能
であり、便利である。また、面ファスナー係合面２４を
着脱するだけなので、強い力が要らず短時間で作業を行
うことができる。さらに、この結束バンド１０は、製造
方法も簡単で、コストが安価である。特にこの実施形態
の場合、一対の取付片１４は、連結部１８で連結されて
いるため、一対の取付片１４を同時に操作でき固定に手
間がかからず、さらに締付片１２との係合面積が広く確
実で強固な係合を行うことができる。 【００１３】なお、結束バンド１０は上記以外の形態で
もよく、例えば図５に示すように一対の取付片１４が円
形に形成され、そのリング状の中央部が間隙１６として
形成されたものでもよい。 【００１４】また、図６に示すように、締付片１２と、
一方の取付片１４の側縁部が一直線上に位置するもので
もよい。また、図７に示すように、取付片１４の先端が
開放され連結部がなく、間隙１６が開口しているもので
もよい。 【００１５】さらに、図８に示すように、一対の取付片
１４が締付片１２の端部付近に互いに平行に隣接して設
けられ、締付片１２と取付片１４の延出方向が同じでも
よい。この場合、締付片１２と取付片１４の境界線には
各々切り込み線２８が形成されている。この結束バンド
１０の使用方法は、まず図９に示すように締付片１２
を、切り込み線２８の端部から取付片１４を反対側に折
返し、取付片１４を長尺部材の一部に各々巻きつけて取
り付ける。そして、締付片１２で長尺部材が束ねられた
部分を一周巻き回し、締付片１２の先端を、一対の取付
片１４の間に露出している長尺部材の内側に差し込み、
次に締付片１２の先端を折返し、面ファスナー同士を係
合し、長尺部材の結束を行う。 【００１６】さらに、図１０に示すように、一対の締付
片１２と取付片１４の長さが等しく形成されたものでも
よく、これらの寸法は適宜設定し得るものである。 【００１７】また、取付片と連結部は、適宜の形状であ
ればよく、自由に設計可能である。この結束バンドの作
り方は、面ファスナーから一体的に形成するものであれ
ばよく、その材料や、面ファスナーの構造は問わない。 【００１８】 【発明の効果】この発明の結束バンドの結束方法は、紐
状の部材や細長い部材等の長尺部材を容易且つ確実に結
束することができ、取り付けや取り外しも簡単で、強い
力が要らず短時間で作業を行うことができる。

【図面の簡単な説明】 【図１】この発明の一実施形態の結束バンドの斜視図で
ある。 【図２】この実施形態の結束バンドの取り付け工程を示
す斜視図である。 【図３】この実施形態の結束バンドの取り付け工程を示
す斜視図である。 【図４】この実施形態の結束バンドの使用状態を示す縦
断面図である。 【図５】この発明の結束バンドの変形例を示す平面図で
ある。 【図６】この発明の結束バンドの他の変形例を示す平面
図である。 【図７】この発明の結束バンドの他の変形例を示す平面
図である。 【図８】この発明の結束バンドの他の変形例を示す平面
図である。 【図９】図８に示す結束バンドの取り付け工程を示す斜
視図である。 【図１０】この発明の結束バンドの他の変形例を示す平
面図である。 【符号の説明】 １０ 結束バンド １２ 締付片 １４ 取付片 １６ 間隙 １８ 連結部 ２０ 雄係合子 ２２ 雌係合子 ２４ 面ファスナー係合面

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 帯状の締付片（１２）と、上記締付片
   （１２）の一端部から延出した一対の取付片（１４）
   と、上記一対の取付片（１４）の間に形成され上記締付
   片（１２）が挿通可能な間隙（１６）と、上記一対の取
   付片（１４）の先端に設けられこの取付片（１４）を互
   いに連結する連結部（１８）とが設けられ、上記締付片
   （１２）と上記取付片（１４）の同一表面に多数の雄係
   合子（２０）と雌係合子（２２）が混在する面ファスナ
   ー係合面（２４）が形成された結束バンドの結束方法に
   おいて、結束される長尺部材（２６）の一部に、上記結
   束バンド（１０）の取付片（１４）を当て、この取付片
   （１４）及び連結部（１８）を折り返して互いの上記面
   ファスナー係合面（２４）を係合させ、次に上記長尺部
   材（２６）を束ねて上記面ファスナー係合面（２４）が
   外側を向くようにして、上記結束バンド（１０）の締付
   片（１２）により上記長尺部材（２６）を巻き回し、上
   記締付片（１２）の先端（１２ａ）を上記間隙（１６）
   から露出している上記長尺部材（２６）の内側に差し込
   んで、上記締付片（１２）を環状にし、さらに、上記締
   付片（１２）の先端（１２ａ）を上記間隙（１６）から
   引き出して、上記締付片（１２）を上記長尺部材（２
   ６）に巻き付け、上記間隙（１６）から露出している上
   記一部の長尺部材（２６）で上記締付片（１２）を折返
   し、上記締付片（１２）の上記面ファスナー係合面（２
   ４）同士を係合して上記長尺部材（２６）を結束するこ
   とを特徴とする結束バンドの結束方法。