JP3448812B2 - マーク検知装置、及びそれを有する露光装置、及びその露光装置を用いた半導体素子又は液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

マーク検知装置、及びそれを有する露光装置、及びその露光装置を用いた半導体素子又は液晶表示素子の製造方法

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JP3448812B2
JP3448812B2 JP2002173800A JP2002173800A JP3448812B2 JP 3448812 B2 JP3448812 B2 JP 3448812B2 JP 2002173800 A JP2002173800 A JP 2002173800A JP 2002173800 A JP2002173800 A JP 2002173800A JP 3448812 B2 JP3448812 B2 JP 3448812B2
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  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体素子、液晶表示素
子等を製造する工程で使用される各種製造装置、検査装
置に組み込まれたマーク検知装置、及びそれを有する露
光装置、及びその露光装置を用いた半導体素子又は液晶
表示素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子、液晶表示素子等
の製造工程では、半導体素子が作り込まれるウェハ、又
は液晶表示素子が作り込まれるガラスプレートに形成さ
れたアライメント用のマークを検出して、ウェハやプレ
ートを所望の位置に精密に位置決めする技術、いわゆる
アライメント技術が重要な課題となっている。特にウェ
ハやプレート上に精密な微細パターンを重ね合わせ露光
するアライナー、ステッパー等では、全工程で十数回〜
20回程度の重ね合わせ作業が必要であり、各重ね合わ
せ毎のアライメント精度を高めることが要求されてい
る。アライメント精度は、一般に絶対誤差と再現性とに
よって評価され、その両者がいずれも十分に小さいこと
が必要である。実際のアライナー、ステッパーではウェ
ハやプレート上にフォトレジスト(厚さ0.5〜2μm程
度)が塗布された状態で、そのレジスト層の下にあるマ
ークパターン(凹凸段差形状)を光学的に検出してい
る。通常、ウェハ等のプロセスにおいては下地にアルミ
ニウム層が蒸着された上にレジスト層が塗布されたり、
マークパターンの凹凸段差の程度が極めて小さくなった
りするので、光学的なマークパターンの検出系、すなわ
ちアライメント装置はウェハ上の層構造によって精度が
大きく変化することが知られている。そこでこのような
アライメント装置を組み込んだステッパーの構成を図1
を参照して説明する。
【0003】投影レンズ1によって所定の倍率で投影す
べきパターン領域を備えたレチクル(マスク)3は、レ
チクルホルダー2により周辺部で保持される。レチクル
ホルダー2は投影レンズ1の光軸AXと垂直な面内で
x、y方向に微動可能に設けられ、レチクル3の中心点
が光軸AXと極力一致するように、レチクルアライメン
ト系RAによって位置決めされる。投影レンズ1の物体
面側に位置するレチクル3のパターンは、像面側に位置
するウェハ12上に結像投影される。このとき、露光用
のレチクル照明光はg線(波長436nm)、i線(波長
365nm)、エキシマレーザ(波長248nm、193n
m)等の紫外線が使われる。ウェハ12は2次元(x、
y方向)に移動するステージ11上に載置され、アライ
メント時、又は露光時の夫々で所定の経路に沿って運動
する。またステージ11上にはウェハ12とほぼ同じ高
さで基準マーク板FMが固定され、アライメント系の各
種チェックに使われる。さらにステージ11の周辺に
は、ステージ11のx方向とy方向との各移動量を計測
するレーザ干渉計13からのビームを反射するための移
動鏡10が固定されている。そしてステージ11はモー
タ14によって2次元に駆動される。ステージ制御ユニ
ット17は干渉計13による測長値に基づいてモータ1
4の駆動を制御する。
【0004】さて、露光に先立ってレチクル3とウェハ
12とを相対的に位置合わせする必要があるが、そのた
めにここでは、投影レンズ1を介してウェハ12上のマ
ーク(又は基準マーク板FM上のマーク)を検出するT
TL・アライメント系5と、投影レンズ1の投影光路
(鏡筒)の外部に固設されたオフ・アクシス・アライメ
ント系9とが設けられている。一般に投影レンズ1は特
定の1つの波長に対してのみ収差補正されているので、
投影レンズ1を通してウェハマークを検出するTTL・
アライメント系では、アライメント用照明光としてスペ
クトル幅の狭いレーザ光源6が使われる。そのレーザ光
源6からのビームはTTL・アライメント系5内の各光
学素子を通り、レチクル3と投影レンズ1との間の空間
に斜設されたミラー5aで偏向されて、投影レンズ1の
投影視野の周辺部に入射する。投影レンズ1が両側テレ
セントリックであるとすると、そのミラー5aから投影
レンズ1に向うビームの主光線は光軸AXと平行にな
り、さらに投影レンズ1からウェハ12に向うビームも
光軸AXと平行になる。
【0005】さて、ウェハ12上の特定位置にマークが
形成され、このマークをTTL・アライメント系5のレ
ーザビームが照射すると、マークからはその段差形状に
応じて散乱光や回折光が発生する。この散乱光や回折光
は投影レンズ1を介してTTL・アライメント系5へ逆
進し、送光系と受光系とを分離するビームスプリッター
で反射(又は透過)されて光電センサー(フォトマル、
シリコンフォトダイオード等)に受光される。このTT
L・アライメント系5は、ウェハ上のマーク、又はその
周辺部で正規反射された光成分は遮光し、散乱光や回折
光のみを抽出する空間フィルターを含む。またここで
は、TTL・アライメント系5からウェハ12上に投射
されるレーザビームの断面形状は、マークの形状に合わ
せてスリット状にするが、微小円形スポットでもよい。
【0006】TTL・アライメント系5によるマーク位
置の検出は、レーザビームの投射点をマークが横切るよ
うに、ステージ11をx方向、又はy方向に移動し、そ
の間に光電センサー7から出力される信号をアライメン
ト制御ユニット4内の波形メモリに記憶した後、その波
形を解析することによって行なわれる。通常、図1のよ
うなTTL・アライメント系では、先端のミラー5aが
レチクル3のパターン領域の外側であって、かつ投影レ
ンズ1の投影視野内に位置するように固定されているた
め、レーザビームとウェハマークとが合致するマーク検
出位置と、レチクル3のパターン領域の投影像とウェハ
12上のショット領域とが合致する露光位置とは、予め
定められた一定量(ベースライン量)だけずれている。
そのためマーク検出位置に対して、そのわずかなずれ量
分だけステージ11を補正して位置決めすることが必要
になる。このような方式は、俗にサイト・バイ・サイト
方式(又はフィールド・バイ・フィールド方式)と呼ば
れている。
【0007】一方、オフ・アクシス・アライメント系9
を使ったウェハアライメントも、そのベースライン量が
大きくなるだけで、基本的なシーケンスはTTL・アラ
イメント系を使ったサイト・バイ・サイト方式と同じに
なる。ところがオフ・アクシス・アライメント系9は、
投影レンズ1とは無関係に単独にウェハマークを検出す
るため、マーク検出用の照明光の波長に関する制約がな
い。そのため、図1のようにハロゲンランプ15からの
照明光のうち、500nm〜800nm程度の広帯域の光
(レジストに対して非感光性)を光ファイバー16を介
してオフ・アクシス・アライメント系9に導びき、その
広帯域の波長特性の照明光でウェハ12を照射する。こ
のようにすると、レジスト層とウェハ面との干縞により
生ずる干渉縞による悪影響が低減されるため、結像方式
でも高精度なアライメント(マーク検出)が期待でき
る。そこでオフ・アクシス・アライメント系9は、ウェ
ハ12上のマークを含む局所領域からの反射光を入射
し、送光系と受光系とを分離するビームスプリッタを介
して、マークの像をテレビカメラ(撮像管、又はCC
D)8の撮像面上に結像する。テレビカメラ8はマーク
像のコントラストに対応した画像信号を発生するので、
その画像信号をアライメント制御ユニット4内の画像解
析回路で処理することによってマーク位置を検出する。
【0008】アライメント制御ユニット4は、TTL・
アライメント系5によるマーク位置検出結果、又はオフ
・アクシス・アライメント9によるマーク位置検出結果
に基づいて、ウェハステージ11の露光時の座標位置を
各ベースライン量も加味して演算し、その演算結果をス
テージ制御ユニット17に送る。尚、TTL・アライメ
ント系5のベースライン量は、基準マーク板FM上の基
準マークをレチクルアライメント系RAとTTL・アラ
イメント系5との夫々で検出したときのステージ11の
座標位置の差に基づいて決定され、オフ・アクシス・ア
ライメント系9のベースライン量は基準マークをレチク
ルアライメント系RAとオフ・アクシス・アライメント
系9との夫々で検出したときのステージ11の座標位置
の差に基づいて決定される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図1に示した装置で
は、TTL・アライメント系5は投影レンズ1の投影視
野を介してウェハ12上のマークを検出する構成である
ので、ベースライン量は極めて安定していると言える。
さらにTTL・アライメント系5は、レーザビームを照
明光として使用しているため、段差が極めて小さいマー
クであっても十分な検出能力をもつことが確かめられて
いる。一方、オフ・アクシス・アライメント系9は照明
光がブロードバンド(白色)光であるため、特にメタル
ウェハ(表面に金属層が蒸着されたウェハ)上のマーク
を検出したときに優れたアライメント精度が得られると
いう特徴がある。反面、オフ・アクシス・アライメント
系は投影レンズ1と無関係に設けられているため、ベー
スライン量は必然的にTTL・アライメント系5よりも
大きくなり、1枚のウェハをアライメントするに際し
て、TTL・アライメント系5とオフ・アクシス・アラ
イメント系9とを併用するとなると、アライメント処理
のためのステージ11の移動距離、移動回数が増大し、
スループットの低下を招くことになる。特にTTL・ア
ライメント系5は、投影レンズ1の投影視野内の周辺
(軸外)にマーク検出範囲(スリット状ビームの寸法範
囲)が設定されるため、そのマーク検出方向は円形の投
影視野内で放射方向に延びた線に対してほぼ直交する方
向(接線方向)に定められている。これは、TTL・ア
ライメント系5のレーザ光源6をHe−Ne等の非感光
性の波長域(630nm)のレーザービームにした場合、
そのビームをスリット状にしたときの方向を放射方向に
一致させて、マーク検出方向を接線方向にすることで、
投影レンズ1の色収差に起因した誤差(ビーム形状のマ
ーク検出方向に関する非対称性)を最小にするためであ
る。従ってTTL・アライメント系5でx方向とy方向
とのマーク位置検出を行なう場合、x方向用のTTL・
アライメント系のマーク検出位置(スリット状ビーム)
と、y方向用のTTL・アライメント系のマーク検出位
置(スリット状ビーム)とは、投影レンズ1の視野内に
ほぼ90°の関係で互いに分けて配置されていた。すな
わち、x方向とy方向の各マーク検出領域が、かなり離
れていたという問題点があった。
【0010】また近年、ウェハ上のショット領域の配列
の規則性を統計的な手法で決定するエンハンスト・グロ
ーバル・アライメント(E.G.A.)法が着目されて
いるが、E.G.A法ではウェハ上の代表的な数個(3
〜9個)のショット領域の夫々に付随したx方向用、y
方向用の各アライメントマークを順次検出することが行
なわれる。この場合、E.G.A法で指定されるサンプ
ルアライメント・ショット(マーク検出すべきショッ
ト)領域は、ウェハ上でかなり離れたものになる。この
ためTTL・アライメント系でサンプルアライメントシ
ョット領域の各マークを検出するとなると、x方向のマ
ーク検出のためのステージ11の移動とy方向のマーク
検出のためのステージ11の移動とを個別に行なわなけ
ればならず、しかもサンプルアライメントショット領域
(又はその近傍のショット領域)の各マークをオフ・ア
クシス・アライメント系9でも検出するとなると、ステ
ージ11の移動回数はさらにその分だけ増加することに
なり、スループット的にかなり不利になるといった問題
点があった。
【0011】本発明は、この様な問題点を考慮してなさ
れたもので、高精度、かつ高速にウェハ等の対象物に形
成されたマークを検出することを可能とし、しかもマー
ク検出のためのステージの移動回数を減らし、全体とし
てのスループット低下を防止したアライメント装置を得
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決する為の手段】請求項1に記載の発明にお
いては、基板(12)上に形成されたマークを、マスク
(3)上のパターンを該基板上に投影する投影レンズ
(1)を介さずに検知するマーク検知装置に、その投影
光学系の投影光路の外部に設けられた光学系(BS1,
OBL,M1)と、前記基板上のマークに対して第1波
長域(ブロードバンド)の照明光を照射して、該照射に
より前記マークから発生した光を前記光学系を介して受
光し、該受光により生じる波形信号を演算処理して前記
マークの位置情報を算出する第1検知系(FIA系,波
形処理用プロセッサー69)と、前記基板上のマークに
対して前記第1波長域とは波長域が異なる第2波長域
(He−Ne)の照明光を照射して、該照射により前記
マークから発生した回折光同士の干渉光を前記光学系を
介して受光し、該受光により生じる波形信号を演算処理
して前記マークの位置情報を算出する第2検知系(LI
A系,波形処理用プロセッサー73)と、を構成した。
【0013】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、検出波長域の
異なるアライメント系を備えているので、検知対象マー
クに応じて最適な照明波長域を使用することができる。
例えば段差が小さいマークに対してマーク検知を行う場
合と、メタルウェハ上のマークを検知する場合など、種
々の場面に応じて最適なアライメント系を使い分けるこ
とができ、このため高精度なマーク検知が可能となる。
その上、何れもオフアクシスアライメント系としている
ので、波長の制約(投影レンズの色収差に関する制約)
が無い。このため「課題」に記載されているような問題
点(x方向とy方向の各マークの検出領域がかなり離れ
ていたという状態)を解決でき(離さずにすみ)、この
ため高速にマーク検知可能となる。また本実施例のよう
に、対物光学系の視野内の互いに異なる領域に、検出原
理の異なる2つ以上のアライメント受光系の各検出範囲
を設定すれば、例えば同一のマークパターンを異なる検
出原理のアライメント受光系で検出する際、各検出範囲
は互いに分離してはいるが接近しているため、マークパ
ターンをそれぞれの検出範囲のもとに、わずかな移動量
でただちに移すことができる。その移動量は各検出範囲
の大きさ、マークパターンのサイズ等によっても異なる
が、基板上で大きくても500μm前後であり、実用上
は150μm程度まで小さくすることもできる。
【0014】また、対物光学系の観察視野内を、像観察
する観察系を設けた場合は、その観察領域の大きさを可
変にするようにし、各受光系の検出範囲を個別に観察し
たり、同時に観察したりすることもできる。この際、観
察系に設けられた撮像素子を1つの受光系とし、この受
光系を画像検出方式にしておくと、観察系の倍率を高め
たときは画像検出方式による受光系の検出範囲内で撮像
されたマークパターンを画像解析によって検知すること
ができるとともに、観察系の倍率を低くしたときは、画
像検出方式の受光系の検出範囲の近傍に位置する別の受
光系の検出範囲を同時に観察することができる。
【0015】
【実施例】本発明の実施例においては、色収差の制約を
受けないオフ・アクシス・アライメント系に2種類のア
ライメントセンサー(マーク検出系)を持たせ、対物光
学系を各アライメントセンサーに対して共用するように
した。図2は、本発明の実施例によるアライメント装置
の全体的な構成を模式的に示す斜視図である。図2にお
いてウェハ上に形成されたマークからの反射光(散乱
光、回折光も含む)は、ミラーM1で反射されて対物レ
ンズOBLに入射した後、ビームスプリッタBS1で分
割される。ビームスプリッタBS1で反射された方の光
は、上段部に配置されたFIA(フィールド・イメージ
・アライメント)系に入射し、図1に示した従来のオフ
・アクシス・アライメント系9と同様にマーク像として
テレビカメラで検出される。一方、ビームスプリッタB
S1を透過した方の光は、下段部に配置されたLIA
(レーザ・インターフェローメトリック・アライメン
ト)系に入射する。このLIA系は詳しくは後述する
が、ウェハ上の回折格子状マークに2本のレーザビーム
を対称的に傾斜させて照射し、回折格子状マークから同
一方向に発生する2つの回折光同志の干渉光を光電検出
する方式であり、特開昭62−56818号公報、特開
平2−116116号公報等に示された技術と同じ原理
に基づくものである。従って図2に示したLIA系の内
部にはx方向検出用の2本のレーザビームと、y方向検
出用の2本のレーザビームとの計4本のビームを対物レ
ンズOBLを介して所定の光学条件でウェハ上に投射す
るための送光系と、x方向回折格子マークからの干渉光
とy方向回折格子マークからの干渉光とを個別に光電検
出するための受光系とが設けられている。
【0016】ここで、対物レンズOBLを介してFIA
系、LIA系の夫々で検出されるウェハ上の観察範囲の
一例を、図3を参照して説明する。図3において円形の
領域は対物レンズOBLのウェハ上での視野領域IFを
表わし、その中心点には対物レンズOBLの光軸AXa
が通る。また図3では中心点を原点として座標軸X、Y
を設定してある。さて、視野領域IF内には大きな矩形
領域PF1と、それよりも小さな矩形領域PF2とが仮
想的に設定される。領域PF1とPF2の各中心は、い
ずれも光軸AXa上に配置され、FIA系内部に設けら
れた変倍光学系によって領域PF1を観察する場合と領
域PF2を観察する場合とが切り替えられる。一方、L
IA系のx方向検出用の2本のビームの交差領域(照射
領域)ALx、ALyは、FIA系の小さな観察領域P
F2からY方向にはずれた位置で、かつFIA系の大き
な観察領域PF1の内部に設定される。一般にウェハ上
に形成されるマークは、スクライブライン(幅100〜
50μm程度)内に存在することが多く、LIA系で検
出されるx方向用、y方向用の各回折格子状マークも5
0〜80μm角程度の面積を有する。そのためLIA系
による照射領域ALx、ALyの面積もそれと同程度の
大きさに設定される。またFIA系による小さい観察領
域PF2は、FIA系のテレビカメラまでの拡大倍率を
高倍にしたときに得られるものであり、このときFIA
系は、領域PF2内に存在するウェハマーク(LIA系
用の回折格子状マークでもよい)の画像信号を用いてF
IA系内部の指標パターンに対する位置ずれ量を検出す
る。ただし、テレビカメラによる観察範囲は領域PF2
であっても、画像信号を使った画像処理範囲は走査ライ
ン(CCDの場合は画素の一例の並び)の何本分かの範
囲、例えば64本分の範囲に限られている。以上のこと
から、対物レンズOBLのウェハ上での視野領域IFの
大きさは直径で数100μm〜1000μm程度あれば
十分であるが、実際にはFIA系の小さい領域PF2と
LIA系の照射領域ALx、ALyとを余裕をもって離
しておいた方が好しいので、ウェハ上での視野領域IF
は最低でも1〜5mm程度にするのが望ましい。尚、対物
レンズOBLはマーク観察時にわずかなフォーカス誤差
が発生したとしても正しいマーク位置計測ができるよう
に、テレセントリック対物光学系にしておく。また、図
3ではLIA系のy方向検出用の照射領域ALyとx方
向検出用の照射領域ALxとをY軸をはさんでX方向に
並べたが、X軸をはさんでY方向に並べてもよく、ある
いは領域PF2をはさんで左右(X方向)又は上下(Y
方向)に分けて配置してもよい。しかしながら、LIA
系によるマーク検出範囲、すなわち照射領域ALx、A
Lyの位置を極力接近させておくと、ウェハ上に形成す
べきx方向用、y方向用の各回折格子状マークのマーク
形成領域の面積が最も小さくなるので、そのことを考慮
すると図3の配置が望ましい。
【0017】ここで、LIA系で検出可能なマーク形状
の一例を図4に示す。図4(A)はウェハ上にマトリッ
ク状に形成された複数のショット領域SAのうちの1つ
と、それに付随したLIA用マーク領域MLの配置を示
し、図4(B)は各マーク領域ML内に形成されたx方
向用マークMLxとy方向用マークMLyとを示す。マ
ーク領域MLは通常、ショット領域SAの外周のスクラ
イブライン内に配置される。従って隣接するショット領
域に付随して形成されるマーク領域MLとの配置的な干
渉をさけるため、図4(A)では、各ショット領域毎に
X方向に伸びた一方のスクライブライン中と、Y方向に
伸びた一方のスクライブライン中との夫々の中央にマー
ク領域MLを配置した。ただしこれは、ショット領域S
Aの中心点CSを通りX軸と平行な中心線LLx上、及
び中心点CSを通りY軸と平行な中心線LLy上の夫々
にマーク領域MLを配置する場合であって、これらの中
心線LLx、LLyの夫々の上、又はそれらの中心線と
平行な線上でショット領域SAをはさむ対称的な位置の
2ケ所にマーク領域MLを配置しなければ、1つのショ
ット領域SAの4辺のスクライブライン中の夫々にマー
ク領域MLを形成できる。
【0018】尚、LIA用のマークMLx、MLyを、
FIA系の検出領域PF2内で同時に検出するときは、
図3に示した領域PF2はマーク領域MLを包含する大
きさにする必要がある。またFIA系で検出するマーク
を専用のものとして、マークMLx、MLyと異なる形
状にするときは、そのマークもスクライブライン中に設
けておかなければならない。
【0019】次に、図5を参照してFIA系の具体的な
構成を説明する。光ファイバー16Aからは非感光性の
ブロードバンド(帯域270nm以上)の照明光が射出さ
れ、この照明光はコンデンサーレンズ20Aを介してウ
ェハ用照明視野絞り板21Aを均一な照度で照明する。
絞り板21Aで制限された照明光はミラー22Aで反射
され、レンズ系23Aを通ってビームスプリッタBS2
に入射する。このビームスプリッタBS2で反射によっ
て分割された光ファイバー16Aからの照明光は、ミラ
ーM2で反射されてビームスプリッタBS1に入射す
る。その後、照明光は対物レンズOBL、ミラーM1を
介してウェハ上の所定領域(例えば図3中の小さな領域
PF2内)を照明する。このウェハ用の照明送光路にお
いて、絞り板21Aはレンズ系23Aと対物レンズOB
Lとの合成系に関してウェハと共役(結像関係)になっ
ている。従ってFIA系によるウェハに対する照明領域
は絞り板21Aに形成された開口形状及び寸法で一義的
に決まる。
【0020】そして光ファイバー16Aからの照明光に
よって照射されたウェハからは反射光(正規反射光、散
乱光等)が発生し、この反射光はミラーM1、対物レン
ズOBL、ビームスプリッタBS1、ミラーM2を介し
てビームスプリッタBS2に対し、ここで反射光の一部
(約1/2)が検出光学系の方に進む。検出光学系はレ
ンズ系24、ミラー25、指標板26、撮像用のリレー
レンズ系27、31、ミラー28、及びビームスプリッ
タBS3で構成され、ビームスプリッタBS3はウェハ
からの反射光をx方向検出用のテレビカメラ(CCD)
8Xと、y方向検出用のテレビカメラ(CCD)8Yと
の夫々に分け、各テレビカメラ8X、8Yの撮像面上に
ウェハ表面のパターンの像(マーク像)を形成する。
【0021】ここで指標板26は、対物レンズOBLと
レンズ系24との合成系に関してウェハと共役に配置さ
れ、さらに指標板26と各テレビカメラ8X、8Yとは
リレー系27、31に関して互いに共役に配置される。
その指標板26は透明板の上にクロム層等で指標パター
ンを形成したものであり、ウェハ上のマークの像が形成
される部分は透明部のままである。従ってカメラ8X、
8Yは指標板26の透明部に結像したウェハマークの空
中像と、指標パターンの像とを同時に受光する。
【0022】ところで、先の図3で示したように、FI
A系には変倍機能が設けられているが、図5の系では指
標板26とテレビカメラ8X、8Yとの間の結像光路中
に変倍光学系30を挿脱可能に設けることで、それに対
応した。またリレー系27、31の光路中には波長フィ
ルター(特定帯域をカットするフィルター)29も挿脱
可能に設けられているが、この波長フィルター29はL
IA系を使用したときにウェハで反射してくる強いレー
ザ光の波長成分をカットするためのものである。
【0023】さらに図5の系においては、指標板26を
独立に照明するための照明系が設けられる。この照明系
は光ファイバー16B、コンデンサーレンズ20B、照
明視野絞り板21B、ミラー22B、及びレンズ系23
Bで構成され、レンズ系23Bから射出する照明光は、
ビームスプリッタBS2に関してウェハ照明光路と反対
側からビームスプリッタBS2に入射する。このため光
ファイバー16Bからの照明光はビームスプリッタBS
2で反射してレンズ系24、ミラー25を介して指標板
26に達する。この系で、絞り板21Bはレンズ系23
B、24の合成系に関して指標板26と共役に配置さ
れ、光ファイバー16Bは絞り板21Bをケーラー照明
する。
【0024】ここで各系の機能を明確にすめため、ビー
ムスプリッタBS1よりもウェハ側の対物レンズOB
L、ミラーM1を共通対物系と呼び、ビームスプリッタ
BS1からミラーM2、ビームスプリッタBS2、レン
ズ系24、ミラー25、及び指標板26までの系をFI
A受光系と呼び、レンズ系27からテレビカメラ8X、
8Yまでの系をFIA検出系と呼び、光ファイバー16
AからビームスプリッタBS2までの系をウェハ照明系
と呼び、さらに光ファイバー16Bからビームスプリッ
タBS2までの系を指標照明系と呼ぶことにする。これ
ら共通対物系、FIA受光系、FIA検出系、ウェハ照
明系、指標照明系の夫々を構成する各光学レンズは、い
ずれも同軸に配置される。
【0025】先に図3で説明したように、テレビカメラ
8X、8Yは小さな検出領域PF2を観察するように高
倍率に設定されたとき、指標板26上の指標パターンと
ウェハマーク(MLx、MLy)とを画像解析してx、
y両方向の各位置ずれを検出し、大きな領域PF1を観
察するように低倍率に設定されたときは、単に目視だけ
を目的とするのでテレビカメラ8X、8Yのいずれか一
方だけの画像信号を表示手段(CRT、液晶表示パネル
等)に送って表示するようにしてもよい。
【0026】ここで指標板26上の指標パターンの配置
例を図6を参照して説明する。指標板26は、透明ガラ
ス板上にクロム層を蒸着してエッチングにより指標パタ
ーンを形成したものであり、図6中で斜線部、又は黒部
で示した部分がクロム層による遮光部である。テレビカ
メラ8X、8YはそれぞれX方向、Y方向に水平走査線
が位置するように互いに90°回転した関係で配置され
るので、撮像面が正方形でない限り、図6に示すように
テレビカメラ8Xの撮像領域PF2xと、テレビカメラ
8Yの撮像領域PF2yとは完全には一致しない。また
図6中の大きな観察領域PF1はテレビカメラ8Xによ
るものである。さて、この指標板26上で、ウェハマー
クのX方向の位置ずれ検出の基準は、X方向の離れた2
ケ所に形成された指標パターン部RX1、RX2であ
り、Y方向の位置ずれ検出の基準はY方向に離れて形成
された2ケ所の指標パターン部RY1、RY2である。
それぞれの指標パターン部RX1、RX2、RY1、R
Y2は、いずれも同じ形状、寸法であり、かつそこには
同一形状の透明スリットパターンが形成されている。ま
た大きな観察領域PF1に切り替えたとき、LIA系に
よる照射領域ALx、ALyの位置が指標板26上で認
識できるように、ターゲットマークTx、Tyが設けら
れている。そして4ケ所の指標パターン部RX1、RX
2、RY1、RY2の内側に、図4に示したウェハマー
クMLx、MLyの領域MLが位置するように、ウェハ
ステージ11を位置決めしてから、テレビカメラ8X、
8Yからの画像信号が解析される。
【0027】図7は指標パターンRX1、RX2、RY
1、RY2の各拡大図であり、ウェハマークMLx、M
Lyの配置例をあわせて示すものである。図7におい
て、X方向に水平走査線をもつテレビカメラ8Xは全水
平走査線のうち特定部分のn本の走査線による領域KX
内に位置する各パターン、マークに対して画像解析を行
なう。走査線領域KX内の両側にはX方向用の指標パタ
ーン部RX1、RX2の夫々に形成された3本の透明ス
リットが、水平走査線と直交するように配置される。ウ
ェハ上のマークMLx、MLyは図7に示すように、指
標パターン部RX1、RX2の間に位置するように設定
される。ここで走査領域KXはX方向用のものであるの
で、ウェハマークとしてはX方向にピッチを有するマー
クMLxが使われる。この際、Y方向にピッチを有する
マークMLyも走査領域KX内に位置するが、このマー
クMLyに対応した画像信号波形は処理のときに無視さ
れる。同様に、Y方向に水平走査線をもつテレビカメラ
8Yは、全走査線のうち特定部分のn本の走査線による
走査領域KY内に位置する指示パターン部RY1、RY
2の各透明スリットと、ウェハ上のマークMLyとを画
像解析する。
【0028】尚、画像信号を解析するコンピュータは、
各テレビカメラの解析に必要な走査線のスタート点と終
了点との設定、解析すべき走査線の本数(最大n本)設
定等を予め決定している。また走査領域KXのX方向の
位置や、走査領域KYのY方向の位置は、ジョイスティ
ック等によって表示画面をモニターしつつマニュアルに
て変更することもできる。そのためには表示画面上に領
域KX、KYの位置を表わすカーソル線、囲み枠線、範
囲指定用の矢印状表示パターン等に応じたビデオ信号を
作り出し、これを各テレビカメラ8X、8Yからの画像
信号とミキシングして表示するのがよい。このとき、そ
れらカーソル線、囲み枠線、矢印等はジョイスティック
操作により表示画面内で任意の位置に移動する。
【0029】ところで、図5に示した系のうちのウェハ
照明系でウェハを照明すると、そのままだと、ウェハ表
面の反射率に依存した強度の反射光が指標パターン部R
X1、RX2、RY1、RY2に達し、その反射光の一
部が透明スリットを透過してテレビカメラ上でスリット
像となる。このため指標パターン部の下のウェハ上に複
雑なパターンがあったり、反射率が極めて小さかったり
すると、指標パターン部内のスリット像のコントラスト
が低下し、画像信号に基づいた指標パターン(スリッ
ト)の位置計測精度が悪化することがある。
【0030】そこで図5に示したように、指標照明系
(光ファイバー16B〜ビームスプリッタBS2までの
系)を設け、指標板26上の指標パターン部RX1、R
X2、RY1、RY2のみを別に照明するように、照明
視野絞り板21B上の対応する位置に開口部(透明部)
を設けるようにする。図8は絞り板21B上での透明部
の配置を示し、透明部QX1は指標パターン部RX1の
みを照明し、透明部QX2、QY1、QY2はそれぞれ
指標パターン部RX2、RY1、RY2のみを照明す
る。このとき各透明部QX1、QX2、QY1、QY2
はいずれも対応する指標パターン部の形状と相似であっ
て、かつ指標パターン部よりも若干小さい寸法になるよ
うに設定されている。
【0031】一方、ウェハ照明系内の照明視野絞り21
Aは、図3、又は図6に示したように広い観察領域PF
1の全体を照明する必要があるので、領域PF1に合わ
せた単純な矩形開口(透明部)をもったものでよい。し
かしながら、指標パターン部RX1、RX2、RY1、
RY2のスリット像のコントラストを一定にするため
に、ウェハ表面からの反射光が指標パターン部に達しな
いようにすることが必要なときは、視野絞り21Aの透
明部上に、図8の透明部QX1、QX2、QY1、QY
2の各形状寸法とその配置とを同一にした遮光部を設け
るとよい。すなわち図8の絞り板21Bと相補的な関係
で遮光部と透明部とを形成した絞り板にすればよい。
【0032】図9は図7に示した状態で、走査領域K
X、KY内の一本の走査線に対応してテレビカメラ8
X、8Yが出力する画像信号の波形の一例を示し、図9
(A)はテレビカメラ8Xの画像信号波形VFx、図9
(B)はテレビカメラ8Yの画像信号波形VFyを示
す。まずX方向検出用の走査領域KX内には図7のよう
に各パターン、マークが位置するので、信号波形VFx
には指標パターン部RX1内の3本の透明スリット像強
度に対応した波形部分Vx1、ウェハマークMLyの解析
格子が並ぶ方向に関する像強度に対応した波形部分Vm
y、ウェハマークMLxの解析格子のピッチ方向に関す
る像強度に対応した波形部分Vmx、及び指標パターン部
RX2内の3本のスリット像強度に対応した波形部分V
x2が時系列的に含まれる。同様に信号波形VFyには、
指標パターン部RY2内の3本のスリット像に対応した
波形部分Vy2、ウェハマークMLyの解析格子のピッチ
方向に関する像コントラストに対応した波形部分Vmy、
及び指標ピターン部RY1内の3本のスリット像に対応
した波形部分Vy1が時系列的に含まれる。
【0033】尚、マークMLxのピッチ方向(X方向)
に対応した波形部分Vmx、マークMLyのピッチ方向
(Y方向)に対応した波形部分Vmyは、図9のように多
数のボトム点をもつ繰り返し波形になるが、これは図1
0(A)に示すように各マークのピッチ方向に繰り返し
並ぶ格子のエッジ位置で対物レンズOBLに戻らない反
射光が発生し、図10(B)のようにボトム点になるた
めである。ただし、マークの格子のエッジ部の傾斜がな
だらかだったり、マークの格子を形成する材質の反射率
が下地とくらべて極端に低かったり、あるいは格子自体
の線幅が小さかったりすると、図10(C)のようにマ
ークの格子位置でボトム点となることもある。原理的に
は、マーク格子の本数と同じ数のボトム点が得られてい
るか、マーク格子本数の約2倍の数のボトム点が得られ
ているかを波形処理上のアルゴリズムで判別するように
すれば、マークMLx、MLyの形状、光学的な特徴に
依存することなく信号波形処理が可能である。
【0034】次に図11を参照してLIA系の具体的な
構成を説明する。LIA系はオフ・アクシス・アライメ
ント系のミラーM1、対物レンズOBL及びビームスプ
リッタBS1からなる共通対物系を介して、対物レンズ
OBLの視野領域IF内に図3で示したようにレーザビ
ームの交差照明領域ALx、ALyを形成するものであ
る。その照明領域ALx、ALyに対してレーザビーム
を送光するために、直線偏光、又は円偏光のHe−Ne
のレーザ光源6を設け、このレーザ光源6からのビーム
LBをシャッター40を介してビームスプリッタBS8
で2分割する。ビームスプリッタBS8を透過したビー
ムは適宜折り返しミラーを介してヘテロダイン2光束化
ユニット41Xに入射する。このユニット41X内には
入射ビームをさらに2つに分割し、分割された2つのビ
ームの夫々を、互いに異なる周波数分だけシフトさせる
2つの周波数シフター(音響光学変調器)と、各周波数
シフターから出力される2本のビームを偏心合成する合
成系とを含んでいる。その合成系によって合成された2
本のビームは、図11に示すようにLB1x、LB2x
となって系の光軸と平行に進み、レンズ系42Xに入射
する。2本のビームLB1x、LB2xはレンズ系42
Xの後側焦点面で所定の角度で交差し、その後側焦点面
に配置されたアパーチャ板43Xを一様に照射する。従
ってアパーチャ板43X上には、2つのビームLB1
x、LB2xの交差によって一次元の干渉縞が生成さ
れ、しかもヘテロダイン2光束化ユニット41X内の1
対の周波数シフターのドライブ周波数が互いに異なるこ
とから、その周波数の差に応じた速度で、一次元の干渉
縞はピッチ方向に流れている。
【0035】さてアパーチャ板43Xによって制限され
た2本のビームは、ビームスプリッタBS6で一部反射
され、レンズ系44X、ビームスプリッタBS4、BS
1を通って対物レンズOBLに入射し、ウェハ上の照射
領域ALxに達する。ここでアパーチャ板43Xに形成
されるアパーチャは、対物レンズOBLの視野領域IF
の中で、LIA系による照明領域ALxの位置と共役に
なるように配置されている。
【0036】さて、LIA系による照明領域ALx内に
は、2本のビームLB1x、LB2xがX方向に関して
対称的に傾いて入射しているので、ウェハ上でも一次元
の干渉縞がX方向に流れている。このため照明領域AL
x内にX方向アライメント用のウェハマークMLxが存
在したものとすると、マークMLxのピッチ寸法Pgと
干渉縞のピッチ寸法Piとを所定の比(例えばPg/P
i=2)に設定すると、マークMLxから垂直方向に進
む±1次回折光が発生する。その+1次回折光は例えば
レーザビームLB1xの照射によって得られたものであ
り、−1次回折光はレーザビームLB2xの照射によっ
て得られたものである。この2つの±1次回折光は偏向
方向が同一なので互いに干渉するとともに、2つの周波
数シフターによる周波数の差、すなわちビート周波数で
周期的に干渉強度が変化している。そこでマークMLx
から垂直に発生する±1次回折光を干渉ビート光と呼
ぶ。この干渉ビート光はミラーM1、対物レンズOB
L、ビームスプリッタBS1、BS4、レンズ系44X
を通ってビームスプリッタBS6に達し、ここで分割さ
れて受光用アパーチャ板45Xに達する。受光用アパー
チャ板45Xは、レンズ系44Xと対物レンズOBLと
の合成系に関してウェハと共役(結像関係)に配置さ
れ、ウェハ上の照明領域ALxからの反射光(干渉ビー
ト光)のみを透過するような開口を有する。アパーチャ
板45Xを通った干渉ビート光はミラー46X、レンズ
系47Xを介して光電センサー48Xに達する。この光
電センサー48Xの受光面はレンズ系47Xによるフー
リエ変換面と一致するように配置される。同時に光電セ
ンサー48Xの受光面は対物レンズOBLとレンズ系4
4Xとの間に存在する瞳面(絞り位置、又はウェハ面に
対してフーリエ変換の関係にある面)とも共役になって
いる。
【0037】一方、Y方向用のLIA系は、レーザ光源
6からのビームのうちビームスプリッタBS8で分割さ
れた他方のビームを入射して、互いに周波数が異なる2
本のビームLB1y、LB2yを射出するヘテロダイン
2光束化ユニット41Y、2本のビームLB1y、LB
2yをそれぞれ平行光束にしてアパーチャ板43Y上で
交差させるレンズ系42Y、送受光系を分割するビーム
スプリッタBS5、レンズ系44Y、受光用アパーチャ
板45Y、ミラー46Y、フーリエ変換用のレンズ系4
7Y、及び光電センサー48Yで構成され、各部材の光
学的な配置と機能はX方向用のLIA系と全く同一であ
る。ただし、X方向用LIA系と異る点は、ウェハ上で
交差する2本のビームLB1y、LB2yをY方向に対
称的に傾ける必要があることから、ヘテロダイン2光束
化ユニット41YをX方向用LIA系のユニット41X
に対して90°回転させて配置すること、ウェハ上のY
方向用のマークMLyを照明領域ALy内で検出するよ
うに、各アパーチャ板43Y、45Yの各開口を、ウェ
ハ上の照明領域ALyと互いに共役な部分に設けること
である。
【0038】ところでヘテロダイン方式の場合、マーク
から発生した干渉ビート光はビート周波数で正弦波状に
強度変化し、光電センサー48X、48Yの各出力信号
が、正弦波状の交流信号(ビート周波数)となっている
ので、その出力信号のみからマークMLx、MLyの位
置ずれを知ることはできない。そこで図11のようにビ
ームスプリッタBS4の残りの一面側に、基準信号作成
系を設ける。図11に示したビームスプリッタBS4の
スプリット方向からも明らかなように、レンズ系44X
を通ってきた2本の送光ビームLB1x、LB1yはそ
の一部(1/2)がビームスプリッタBS4を直進して
レンズ系50に入射する。レンズ系50からの2本のビ
ームLB1x、LB2xは、ミラー51、ビームスプリ
ッタBS7を介して透過型回折格子板53X、53Yの
夫々の上で交差し、そこに一次元に流れる干渉縞を作成
する。その格子板53Xは、レンズ系50、44Xに関
して送光用アパーチャ板43Xと共役に配置され、送光
用アパーチャ板43X上の開口部と対応した部分のみに
透過型回折格子(マークMLxと相似)が形成されてい
る。そこで格子板53X上の回折格子のピッチをX方向
にして干渉縞の方向と一致させておくと、格子板53X
上の格子からはビート周波数で振幅変調された干渉ビー
ト光が発生し、それをフーリエ変換用のレンズ系54X
を介して光電センサー55Xで受光することによって、
X方向用LIA系のための基準信号(ビート周波数の正
弦波状の交流)が作られる。
【0039】尚、格子板53X上には、Y方向用のLI
A系からの2本のビームLB1y、LB2yの一部が同
時に交差していることになるが、格子板53上でビーム
LB1y、LB2yが交差する投射領域内は単なる遮光
部(平面)なので、ただちにカットされてしまう。Y方
向用LIA系の基準信号作成系も同様の部材で構成さ
れ、ビームスプリッタBS7を透過したビームLB1
y、LB2yはY方向にピッチを有する透過型回折格子
板53Y上の格子部分で交差し、その格子部分から発生
する干渉ビート光がフーリエ変換用のレンズ系54Yを
介して光電センサー55Yで受光される。ここでも格子
板53Y上にはX方向用の2本のビームLB1x、LB
2xが交差するが、その部分は単なる遮光部となってい
るため、ただちにカットされ、Y方向用の基準信号の作
成にノイズとなることが防止される。
【0040】以上のLIA系の構成のうち、ヘテロダイ
ン2光束化ユニット41X、41Yは、例えば特開平2
−231504号公報に開示されたものがそのまま使え
る。図12(A)、(B)はLIA系のビーム送光路を
模式的に示したものであり、部分的に部材の配置を変更
したり、説明に不要な部材を省略したりしてある。図1
2(A)はアライメント系の光軸AXaとX軸とを含む
面内での送光路を示し、図12(B)は光軸AXaとY
軸とを含む面内での送光路を示す。まずY方向用のLI
A系では、送光用アパーチャ板43Yに2本のビーム
(平行光束)LB1y、LB2yが図12(B)の紙面
内で対称的に傾斜して入射する。このアパーチャ板43
Yの矩形状開口を通った2本のビームLB1y、LB2
yはレンズ系44Yを通って瞳面EPで集光(実際はビ
ームウエストになる)した後、対物レンズOBLを介し
て再び2本の交差するビーム(平行光束)となってマー
クMLyを照明する。2本のビームLB1y、LB2y
は図12(B)では瞳面EP上で光軸AXaをY方向に
はさんだ対称的な位置にスポットとして一度集光され
る。しかしながら図12(A)の方向からみると、2本
のビームLB1y、LB2yは瞳面EPの中央(光軸A
Xaが通る点)でスポットとなって集光しているように
見える。この種の2光束干渉方式のアライメント系で
は、ウェハマークMLx、MLyの格子ピッチ方向、す
なわち計測方向に関しては2本のビームを対称的に傾け
るが、非計測方向(ピッチ方向と直交する方向)に関し
ては傾けない、すなわち対物レンズOBLとウェハとの
間では光軸AXaと平行にしておくのである。このこと
から、図12(A)、(B)によれば、マークMLyか
ら垂直に発生する干渉ビート光も平行光束となり、それ
は瞳面EP上の光軸AXaが通る点でスポットになって
集光する。
【0041】同様にX方向用のLIA系では2本のビー
ムLB1x、LB2xが平行光束となって所定の交差角
で送光用アパーチャ板43Xに入射する。このとき2本
のビームLB1x、LB2xはマークMLxのピッチ方
向に合わせて、図12(A)の紙面内で対称的に傾いて
いる。従ってマークMLxから垂直に発生する干渉ビー
ト光も対物レンズOBLまでは平行光束となって光軸A
Xaと平行に進み、瞳面EP上では光軸AXaの通る点
でスポットになって集光する。
【0042】このため、マークMLy、MLxの夫々か
らの干渉ビート光を瞳面EPと共役な光電センサー48
Y、48Xで検出するときは、そのままでは両方の干渉
ビート光が混在してしまうので、ウェハと共役な面に受
光用アパーチャ板45Y、45Xを配置し、両方の干渉
ビート光が像面内では分離していることを利用して択一
的に抽出するようにしたのである。
【0043】図13は、以上のようなFIA系、LIA
系の各信号処理回路を模式的に示したもので、図1に示
したアライメント制御ユニット内に設けられる。図13
において、FIA系のテレビカメラ(CCD)8X、8
Yはそれぞれ独立した駆動制御回路60X、60Yによ
ってドライブされ、コンポジットビデオ信号を出力す
る。このビデオ信号はそれぞれ同期分離回路61X、6
1Yに入力し、水平同期信号HSと垂直同期信号VSと
が抽出される。さらに同期分離回路61X、61Yの夫
々から抽出されたビデオ信号はプログラマブル・ゲイン
・コントロール回路(ゲインコントローラ)62X、6
2Yによって所定のゲインが与えられた後、アナログ−
デジタル変換器とメモリ(V−RAM)とを含むデジタ
ル波形記憶部63X、63Yに入力する。
【0044】一方、同期分離回路61X、61Yの夫々
からの信号HS、VSはサンプリング・クロック生成回
路64X、64Yに入力し、ここでデジタル波形記憶部
63X、63Yに対するデジタル変換やメモリアクセス
等のタイミング・クロックが生成される。このクロック
は、例えばCCDの1本の水平走査期間中に得られるビ
デオ信号を1024画素相当分に分割するように定めら
れ、記憶部63X、63Yには、撮像画面内でn本の水
平走査線分のビデオ波形が取り込まれる。ここでは最大
64本分のビデオ波形が記憶できるものとする。また1
画面内でのビデオ波形の取り込み位置(水平走査線の垂
直方向の位置)を指定するために、取り込み制御回路6
5が設けられ、ここでは信号HS、VSに基づいて取り
込み開始点となる水平走査線がきたとき、生成回路64
X、64Yの夫々にタイミング・クロックを記憶部63
X、63Yへ出力するように指示する。その取り込み開
始点の指定は主制御回路66から送られてくるが、オペ
レータによる目視設定、又はビデオ波形を解析した自動
設定が可能である。
【0045】ところで、テレビカメラ8X、8Yからの
コンポジットビデオ信号はビデオ・コントローラ67で
ミキシング(画面合成)され、テレビモニター(CR
T)68にて表示される。このとき、画面表示上でどの
ようにミキシングするかは主制御回路66からの指示に
よって行なわれ、FIA系によるX方向マーク検出とY
方向マーク検出とを同時にモニターするときは、テレビ
画面を2分割し、分割された夫々に各方向のマーク検出
時の画像を適当にトリミング、又はシフトして表示す
る。またテレビカメラ8X、8Yのいずれか一方の画像
しか表示しないように切り替えることもできる。さらに
取り込み制御回路65は主制御回路66から指定された
取り込み開始点の位置情報に基づいて、テレビモニター
68上にその位置を表わすカーソル線(又は矢印等)に
対応したビデオ信号を作り、これをビデオ・コントロー
ラ67に送出してCCDからのビデオ信号と合成する。
【0046】さて、デジタル波形記憶部63X、63Y
の夫々に記憶された各ビデオ波形は高速波形処理用のプ
ロセッサー69によって演算処理され、X方向に関する
ウェハマークMLxの指標パターン中心に対する位置ず
れ量、Y方向に関するウェハマークMLyの指標パター
ン中心に対する位置ずれ量が求められる。これら位置ず
れ量の情報は主制御回路66を介してアライメント処理
制御部70に送られ、ウェハ上のショット位置と対応づ
けたアライメントデータとして使われる。またプロセッ
サー69は指標パターン中心の位置(水平走査方向の位
置)を個別に演算により算出し、その結果を主制御回路
66を介して取り込み制御回路65へ送る。これによっ
て制御回路65は、テレビモニター68上でウェハマー
クMLx、又はMLyがアライメントされるべき中心位
置に対応したカーソル線のビデオ信号を作り、ビデオ・
コントローラ67へ送出する。これはテレビモニター6
8を観察しながらウェハステージ11をマニュアルで微
動させて、マークMLx、又はMLyを指標パターンに
対してアライメントするときに便利である。もちろん指
標板26上に指標パターン中心を表わす線やマーカーを
付設しておいてもよいが、それらはマークMLx、ML
yの上、又はその極近傍に配置しないと意味がなく、し
かも信号波形処理範囲内に存在させてはならないことか
ら、そのマーカーの配置には自ずと制約が生じる。
【0047】尚、アライメント処理制御部70は図1に
示したステージ制御ユニット17へウェハステージ11
の位置決め目標値を出力するが、これは、レーザ干渉計
13にて計測されるステージ11の停止位置座標値を取
り込み、ステージ11が停止した状態でFIA系にて計
測された位置ずれ量とそのときのステージ停止位置座標
値とに基づいて演算によって求められる。
【0048】一方、LIA系の信号処理系は、X方向の
基準信号を出力する光電センサー55Xと、ウェハマー
クMLxからの干渉ビート光の受光によって計測信号を
出力する光電センサー48Xとの両信号を入力するデジ
タル波形記憶部71X、Y方向用の光電センサー55Y
からの基準信号とウェハマークMLyからの干渉ビート
光を受光する光電センサー48Yの計測信号とを入力す
るデジタル波形記憶部71Y、クロック作成回路72、
及び高速波形処理用プロセッサー73とで構成される。
波形記憶部71X、71Yは、それぞれ基準信号と計測
信号とを個別にデジタル変換し、その波形(いずれも正
弦波状)をメモリ(RAM)内に所定周期分だけ記憶す
る。波形記憶部71X、71Yでのデジタル波形サンプ
リングのタイミングは、クロック作成回路72からのパ
ルスに応答して行なわれ、基準信号と計測信号とのサン
プリングは全く同一のタイミングで行なわれる。ただ
し、X方向用の記憶部71XとY方向用の記憶部71Y
との間でのサンプリング開始は必ずしも一致している必
要はない。そしてプロセッサー73は各記憶部に記憶さ
れた基準信号波形と計測信号波形とをフーリエ積分を用
いてベクトル演算し、両波形の位相差(±180°以
内)を求める。LIA方式では、ウェハ上に生成された
干渉縞のピッチPiに対してウェハマークMLx、ML
yのピッチPgを2倍にした場合、算出された位相差±
Δφはピッチ方向の位置ずれ量±ΔX(又は±ΔY)に
対して4・ΔX/Pg=Δφ/180(又は4・ΔY/
Pg=Δφ/180)の関係にある。
【0049】このことから、プロセッサー73は位相差
±Δφを求めるとただちに位置ずれ量ΔX、ΔYを算出
して、それをアライメント処理制御部70へアライメン
トデータとして送出する。次に以上で説明したFIA系
とLIA系の使い方について簡単に述べる。まず先の図
5に示したように、FIA系の観察光学系の光路内にレ
ーザカットフィルター29を配置して低倍状態にする
と、テレビカメラ8X(又は8Y)による観察領域は、
図3、あるいは図6に示したPF1になる。このときL
IA系からのビームが領域ALx、ALyの夫々を照射
しているとすると、テレビモニター68上ではその領域
ALx、ALyも明るく観察される。一般に、LIA系
で用いるビームのウェハ上での照度は、FIA系による
照明光の照度にくらべて格段に強いため、フィルター2
9を挿入しておくことで、テレビモニター68上、すな
わちテレビカメラ8X、8Yの撮像面上ではハレーショ
ンを起すことなく良好なコントラストでLIA系のビー
ム照射領域ALx、ALyが広い領域PF1内で同一に
観察できる。LIA系のレーザ光源6がHe−Neであ
るとすると、その照射領域ALx、ALyは赤色が強く
なるので、テレビカメラ8X、8Y、テレビモニター6
8がいずれもカラーであるときは、モニター画面内で赤
味が強くなって観察される。
【0050】さらにLIA系のレーザ光源6からのビー
ムは、図11に示すようにシャッター40によって遮へ
い可能となっているので、FIA系によるマーク検出時
あるいはマニュアルによる目視観察時等にウェハが長時
間同一位置に滞在するような場合、シャッター40を閉
じて強いレーザビームの照射によって領域ALx、AL
y内のレジストが感光するのを防止する。He−Neレ
ーザ等のような赤色光では、ウェハ上での照度が極めて
小さければ、ほとんど問題はないが、照度が高くなって
くると、その赤色光に対する感度が完全に零でない限
り、多かれ少なかれ時間とともに感光が進む。そこで図
1に示したステージ制御ユニット17内にウェハステー
ジ11が停止してからの時間を計時するタイマーを設
け、さらにLIA系の照射領域ALx、ALyがステー
ジ停止時にウェハ上に存在するときに、そのタイマーを
起動させ、一定時間経過してもステージ11が移動しな
いときは、図11中のシャッター40を閉じるようにす
るとよい。その場合、シャッター40の開放は次にウェ
ハステージ11が移動した後に行なわれる。
【0051】また、FIA系によりマークを画像検出し
て自動アライメントする場合は、図5に示したフィルタ
ー29の代りに変倍光学系30を光路中に挿入して高倍
率の観察系にすることで、テレビカメラ8X(又は8
Y)の観察領域を図3、図6に示したような小さな領域
PF2に切りかえる。この際、テレビカメラ8X、8Y
にはFIA系の光ファイバー16A、16Bからの照明
光の広い波長帯域の全てを使った上質なマーク像が形成
されるので、ビデオ信号を用いた画像処理は極めて良好
に行なわれる。さらにテレビカメラ8X、8Yによる観
察領域PF2内には、LIA系の照射領域ALx、AL
yが存在しないため、画像処理系に何ら影響を与えな
い。またFIA系の観察領域をPF2にして、ウェハマ
ークMLx、MLyの位置を図7に示した状態で計測し
た後、LIA系でそのウェハマークMLx、MLyを引
き続いて計測する場合は、ウェハステージ11をY方向
にわずかに平行移動させて、LIA系の照射領域AL
x、ALyの夫々の直下にマークMLx、MLyを位置
決めすればよい。この場合、テレビカメラ8X、8Yに
よる小さな観察領域PF2内からはマークMLx、ML
yが出てしまい、テレビモニター68上で観察できない
といった不都合もある。そこで、FIA系の小さな観察
領域PF2内でビデオ信号波形を取り込んで記憶部63
X、63Yに記憶し終ると同時に、変倍光学系30とフ
ィルター29とを切り替えるとともに、ウェハステージ
11をY方向に移動させるとよい。このときのステージ
11の移動量は多くても500μm前後である。またテ
レビカメラによってはレーザビームの強い照射領域AL
x、ALyの像を一瞬でも受けると、撮像面に残像とし
て焼き付くこともあるので、変倍光学系30を光路から
はずすとき(低倍にするとき)は、直前にフィルター2
9が挿入されるような構成にするとよい。
【0052】また、LIA系のみを使ってマーク検出す
る場合は、変倍光学系30の代りにフィルター29を光
路に挿入すれば、広い観察領域PF1内でLIA系のビ
ーム照射領域ALx、ALyと、マークMLx、MLy
とが同時に観察できる。この際、FIA系からの照明光
がマークMLx、MLyを同時に照明しているため、L
IA系の各光電センサー48X、49Yはそれによる反
射光も受光することになる。ところがLIA系によりマ
ークから得られる干渉ビート光は、一定のビート周波数
(数KHz〜数十KHz程度)で変調されていること、LI
A系はその変調周期の位相情報のみを検出する(すなわ
ち信号の振幅に依存しない)方式であること、及びLI
A系の照射領域ALx、ALy内のレーザビーム強度に
くらべてFIA系の照明強度は格段に小さいこと等か
ら、実質的にLIA系の検出誤差要因にはならない。
【0053】以上、本発明の実施例を説明したが、画像
解析のための観察領域PF2とレーザアライメントのた
めのビーム照射領域ALy、ALxとは、必らずしも図
3(又は図6)に示した配置関係である必要はなく、互
いに分離している限り、大きな観察領域PF1内であれ
ばどこにあってもよい。またFIA系の指標パターン部
RX1、RX2、RY1、RY2は図7に示したように
光軸AXaの位置が対称点とならないようにわずかにず
れて配置されているため、図7のようにマークMLyと
MLxがX方向に並置されている場合以外に、図4
(B)のようにY方向に並置されている場合でも同様に
信号波形を検出することが可能である。
【0054】さらに図2、図5、図11の夫々に示した
ビームスプリッタBS1は振幅分割形としたが、波面分
割形の偏光ビームスプリッタとし、LIA系からの送光
ビーム(図11中のビームスプリッタBS4からBS1
へ送出されるビーム)とFIA系からの照明光(図5中
のミラーM2からビームスプリッタBS1へ送出される
光)との偏向方向を互いに相補的にしておくと、各アラ
イメント系の光量の利用効率が上がる。
【0055】図11に示したLIA系では、X方向用の
2本のビームを作成するヘテロダイン2光束化ユニット
41X内の周波数シフターと、Y方向用の2光束化ユニ
ット41Y内の周波数シフターとは、いずれも同一のド
ライブ周波数、すなわち、ビームLB1xとビームLB
1yの周波数は同一、ビームLB2xとビームLB2y
の周波数は同一としたが、それら4本のビームの周波数
を全て異ならせ、さらにX方向で得られるビート周波数
とY方向で得られるビーム周波数とを整数倍の関係にな
いように設定するとよい。このようにすると、X方向用
のマークMLxからの干渉ビート光に、Y方向用の送光
ビーム、又は干渉ビート光が混入しても、信号処理(フ
ーリエ積分等)の段階ではほぼ完全に分離できる。一例
として、元々のビームLBの周波数をf0 としたとき、
ビームLB1xをf0 +80.0MHz、ビームLB2xを
f0 +80.23MHzにしてX方向のビート周波数を23
KHzにし、ビームLB1yをf0 +90.0MHz、ビーム
LB2yをf0 +90.47MHzにしてY方向のビート周
波数を47KHzにするとよい。
【0056】ところで、図5に示したFIA系ではウェ
ハ照明系からの照明光と指標照明系からの照明光とは同
一の波長帯域をもつものとしたが、指標照明系の光ファ
イバー16Bからの照明光は、テレビカメラまでの結像
光学系(27、30、31)が色消しによって収差補正
されている範囲内であれば、ことさら同一にする必要は
ない。また共通対物光学系の対物レンズOBLと結像レ
ンズ系24の合成系も、ウェハへの照明光の波長帯域に
合わせて色消しされていることが必要である。
【0057】さらにウェハへの照明光の強度と指標板へ
の照明光の強度とは、独立に調節可能にしておき、テレ
ビカメラ8X、8Yで撮像された画像信号の波形をテレ
ビモニター68に表示する等して確認した上で、双方の
照明強度比を調節するとよい。またこのとき、図13中
のゲイン・コントローラ62X、62Yのゲインをそれ
に応じて最適になるように設定してもよい。
【0058】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、検出波
長域の異なるアライメント系を備えているので、検知対
象マークに応じて最適な照明波長域を使用することがで
きる。例えば段差が小さいマークに対してマーク検知を
行う場合と、メタルウェハ上のマークを検知する場合な
ど、種々の場面に応じて最適なアライメント系を使い分
けることができ、このため高精度なマーク検知が可能と
なる。その上、何れもオフアクシスアライメント系とし
ているので、波長の制約(投影レンズの色収差に関する
制約)が無い。このため「課題」に記載されているよう
な問題点(x方向とy方向の各マークの検出領域がかな
り離れていたという状態)を解決でき(離さずにす
み)、このため高速にマーク検知可能となる。また本実
施例に記載のようにアライメント用の対物光学系の視野
内で、互いに検出方式の異なる2つのアライメント系の
検出範囲が互いに分離すれば、対象物上のマークパター
ンを検出する際、それら2つの検出範囲の間で対象物を
移動させるだけで2つの異なったアライメント系を交互
に使うことができる。このため高速にマーク検出、位置
ずれ計測が可能となる。また実施例のように画像検出方
式を一方のアライメント系に組み込んだ場合は、画像観
察系による観察視野を、対物光学系の視野内で大きな領
域と小さな領域とに切り替えられるようにし、小さな領
域では画像信号を用いたオート・アライメント及び観察
を可能にするとともに、他方のアライメント系の検出範
囲が小さな領域の外に位置するように設定し、大きな領
域では他方のアライメント系によるマークパターンの検
出動作の観察及び画像アライメント系の目視アライメン
トを可能にしたので、効率よくアライメント時のマーク
観察を行なえるといった効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の投影露光装置の構成を示す図
【図2】本発明の実施例によるアライメント装置の概略
的な構成を示す斜視図
【図3】対物光学系の視野領域と各アライメントセンサ
ーの検出範囲とを示す平面図
【図4】ウェハ上のマーク配置とマーク構造とを示す平
面図
【図5】FIA系の構成を示す斜視図
【図6】FIA系の指標パターンの配置を示す平面図
【図7】指標パターンとウェハマークとの配置例を示す
平面図
【図8】指標照明系の絞り板の構成を示す平面図
【図9】FIA系によって検出される画像信号の波形を
示す図
【図10】画像信号の波形とマーク断面の関係を示す図
【図11】LIA系の構成を示す斜視図
【図12】LIA系の送光系を模式的に示す図
【図13】FIA系、LIA系の各信号処理回路の構成
を示すブロック図
【主要部分の符号の説明】
OBL 対物レンズ LIA レーザ・インターフェロメトリック・アライメ
ント系 FIA フィールド・イメージ・アライメント系 MLx、MLy 回折格子状マーク PF1 FIA系の低倍時の観察領域 PF2 FIA系の高倍時の観察領域 ALx、ALy LIA系のビーム照射領域

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成されたマークを、マスク上
    のパターンを該基板上に投影する投影レンズを介さずに
    検知するマーク検知装置において、 前記投影光学系の投影光路の外部に設けられた光学系
    と、前記基板上のマークに対して第1波長域の照明光を照射
    して、該照射により前記マークから発生した光を前記光
    学系を介して受光し、該受光により生じる波形信号を演
    算処理して前記マークの位置情報を算出する 第1検知系
    と、前記基板上のマークに対して前記第1波長域とは波長域
    が異なる第2波長域の照明光を照射して、該照射により
    前記マークから発生した回折光同士の干渉光を前記光学
    系を介して受光し、該受光により生じる波形信号を演算
    処理して前記マークの位置情報を算出する 第2検知系
    と、を有することを特徴とするマーク検知装置。
  2. 【請求項2】 前記第1、第2の検知方式において使用
    される照明光はそれぞれ、前記基板上に塗布されたフォ
    トレジストに対して非感光性の波長域を有することを特
    徴とする請求項1に記載のマーク検知装置。
  3. 【請求項3】 マスク上に形成された微細パターンを、
    投影光学系を介して基板上に転写する露光装置であっ
    て、 請求項1又は2に記載のマーク検知装置を有し、 前記マーク検知装置により得られた前記マークの位置情
    報に基づいて、前記マスクと前記基板とを相対的に位置
    合わせすることを特徴とする露光装置
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の露光装置を用いて、前
    記マスク上の前記微細パターンを、前記基板上に転写す
    る工程を含むことを特徴とする半導体素子又は液晶表示
    素子の製造方法
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