JP3446635B2 - 雷雲観測システム - Google Patents

雷雲観測システム

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JP3446635B2 JP30682298A JP30682298A JP3446635B2 JP 3446635 B2 JP3446635 B2 JP 3446635B2 JP 30682298 A JP30682298 A JP 30682298A JP 30682298 A JP30682298 A JP 30682298A JP 3446635 B2 JP3446635 B2 JP 3446635B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、気象レーダから
のエコー情報等をもとに雷雲の観測を行い、観測された
雷雲の移動予測及び落雷予測等を行なう雷雲観測システ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、複数の発電所、変電所及び送電
線等を備える大規模電力供給システムにおいては、落雷
事故による損害の回避ないし事故復旧措置の迅速化等の
要請から当該システム周辺に発生した雷雲の規模、動向
等を観測し予めこれら雷雲による落雷発生の位置、時間
帯等を予測しておく必要がある。例えば、特開平8−1
22433号公報には、このような電力設備に適用され
落雷発生の予報に供するものとして、レーダ覆域内に大
きく広がる雲内の降水領域さらにはその降水領域内にお
ける雷雲域の識別をすることができ、その識別された雷
雲域に基づいて高精度な雷雲の同定/追尾ができる雷雲
観測システムについて記載されている。
【0003】また、上記特開平8−122433号公報
における第2の実施例(図8対応)の説明では、取得し
た時系列の盛衰データの増減から観測対象である雷雲の
盛衰状況を判定し、この判定結果に基づいて観測中の雷
雲域が強雷か弱雷であるか識別する旨記載されている
(雷雲の盛衰状況の判定については、この他特開平7−
110378号公報、特開平7−110379号公報に
記載のものがある。)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、電力設
備等大電力の電力供給システムに適用される従来の雷雲
観測システムは、落雷事故による損害の回避ないし事故
復旧措置の迅速化等の要請から予め雷雲による落雷発生
の場所、時間帯等を正確に予測することが必要であり、
例えば、特開平8−122433号公報に記載の雷雲観
測システムのように、雷雲域の高精度な同定/追尾処理
ができる雷雲観測システム等が提案されている。しか
し、このような雷雲観測システムの観測対象である雷雲
は、航空機等の目標物とは異なり、時間の経過と共にそ
の形状が変化し、また、その存在自体が消滅するという
ものであるから、たとえ上記特開平8−122433号
公報に記載されたような手法により広範囲に広がる降水
領域内における雷雲域を精度良く同定/追尾することは
できても、これらの同定/追尾結果からこの追尾周期よ
り比較的長い一定時間経過後の雷雲域の移動位置ないし
盛衰状況を予測することはきわめて困難であり、この結
果、雷雲を監視しているオペレータが落雷発生場所又は
時間帯等について誤認識・誤判断する等、早期の落雷発
生の予報に供するという雷雲観測システムとしてはその
予測信頼性において問題点があった。
【0005】例えば、上記雷雲観測システムの同定/追
尾の結果等をモニタに表示させ、その表示内容に基づい
てオペレータが雷雲の監視を行う場合、オペレータはモ
ニタ上に表示された雷雲の同定/追尾結果から一定時間
経過後の移動位置及び落雷位置等を予測して落雷警報等
を行わねばならないが、上述のとおり、本観測システム
の観測対象である雷雲は時間の経過と共にその形状が変
化しさらにはその存在自体が消滅するというものであ
り、比較的近い先の時間(追尾周期程度)における雷雲
の移動位置等については過去の移動軌跡からほぼ正確な
予測を行うことが可能であるものの、比較的遠い先の時
間(例えば、30分〜60分程度)の雷雲の移動位置等
については、過去の移動軌跡からはほとんど正確な予測
を行うことができず、仮に過去の移動軌跡から30分後
更には60分後先の雷雲の移動位置及び移動軌跡等を予
測したとしても、実際には当該移動予測された雷雲がそ
の予測された移動軌跡からそれた方向に対して移動して
いたり、また、その予測された移動軌跡の中間地点で既
に消滅してしまっているという事態が生じ得る。
【0006】このように、比較的遠い先の時間における
雷雲の移動位置、盛衰状況が正確に把握できるというこ
とは、早期の落雷発生予測につながり、ひいては落雷事
故による損害を事前に回避するための大きなメリットと
なり得る(例えば、上述したような複数の発電所を有す
る電力供給システムにおいては、電力送電線の切替え1
つにしても多大の経費と時間を要するものであり、無駄
な送電線の切替えはできるだけ行いたくないが、稼働中
の発電所に落雷が生じることが事前に予測できれば、稼
働中の発電所への落雷を確実に回避できる上、きわめて
効率的な送電線の切替え等が実現できる。)。
【0007】なお、上述したとおり、雷雲の盛衰状況を
判定し、これら時系列盛衰データの増減から観測中の雷
雲が強雷であるか弱雷であるか、即ち、当該雷雲が発達
期であるか衰退期であるかを判断する雷雲観測システム
についても提案されているが、これらは単に観測中の雷
雲が強雷であるか弱雷であるかを識別するために雷雲の
時系列の盛衰状況を見ているものにすぎず、これらから
観測中の雷雲の落雷位置、時間帯等が早期に予測できる
ものではない。
【0008】この発明はかかる課題を解決するためにな
されたものであり、雷雲の盛衰状況から当該雷雲につい
ての消滅予測、移動予測等を行い、より正確な雷雲の移
動予測ないし落雷予測に供することができる新規な雷雲
観測システムを得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1発明に係る雷
雲観測システムは、気象観測手段の観測データから雷雲
域を判定する領域判定部と、この領域判定部により判定
された上記雷雲域の領域判定データにより上記雷雲域の
移動位置を予測する移動予測部と、上記領域判定部の上
記雷雲域の領域判定データから上記雷雲域の盛衰パター
ンを生成する盛衰パターン生成部と、その盛衰パターン
を外挿処理して上記雷雲域の消滅時点を予測する消滅予
測部と、上記領域判定部により判定された現在の雷雲域
の表示画像と併せて上記移動予測部の予測結果である上
記雷雲域の移動軌跡を上記消滅予測部により予測された
上記消滅時点まで表示し、上記消滅時点以降の上記雷雲
域の移動軌跡を非表示とする表示処理部と備えたもの
である。
【0010】請求項2発明に係る雷雲観測システム
、気象観測手段の観測データから雷雲域を判定する領
域判定部と、この領域判定部により判定された上記雷雲
域の領域判定データにより上記雷雲域の移動位置を予測
する移動予測部と、上記領域判定部の上記雷雲域の領域
判定データから上記雷雲域の盛衰パターンを生成する盛
衰パターン生成部と、過去の雷雲域の盛衰パターンをデ
ータベースに登録し、このデータベースの中から上記盛
衰パターン生成部により生成された雷雲域の盛衰パター
ンと類似する盛衰パターンを抽出し、この抽出された過
去の盛衰パターンに基づいて上記盛衰パターン生成部に
より生成された雷雲域の消滅時点及びその消滅時点まで
の消滅確率を予測する消滅予測部と、上記領域判定部に
より判定された現在の雷雲域の表示画像、上記移動予測
部の予測結果である上記雷雲域の移動軌跡、及び上記消
滅予測部により予測された上記雷雲域の消滅確率をそれ
ぞれ表示する表示処理部と備えたものである。
【0011】請求項3発明に係る雷雲観測システム
上記表示処理部は、上記雷雲域周辺の地図情報を表
示すると共に、その地図情報に基づいて変更した上記雷
雲域の消滅確率を表示するものである。
【0012】請求項4発明に係る雷雲観測システム
気象観測手段の観測データから雷雲域を判定する領
域判定部と、この領域判定部により判定された上記雷雲
域の領域判定データにより上記雷雲域の盛衰パターンを
生成する盛衰パターン生成部と、この盛衰パターン生成
部の上記雷雲域の盛衰データが入力され、上記雷雲域の
盛衰状態に応じて追尾手段又は追尾手段の演算条件を選
択する追尾手段選択部と、この追尾選択部により選択さ
れた追尾手段又は追尾手段の演算条件を用いて上記領域
判定部により判定された上記雷雲域の追尾処理を行なう
追尾処理部と、この追尾処理部の追尾結果から上記雷雲
域の移動位置を予測する移動予測部と備えたものであ
る。
【0013】請求項5発明に係る雷雲観測システム
は、上記追尾手段がkalmanフィルタであるもので
ある。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
一実施形態について図1乃至図7を用いて説明する。図
1は本実施形態による雷雲観測システムを示すブロック
構成図、図2は観測領域内のエコー情報を観測する気象
観測手段(例えば、気象観測用のレーダ装置である。)
の雷雲観測状況を模式的に示した観測状況説明図であ
り、図1に示す雷雲観測システムは、図2に示すような
気象観測手段の観測データと後述する他の気象観測手段
により得られた観測データがそれぞれ供給され、これら
各観測データから観測領域内に発生した雷雲についての
移動予測ないし消滅予測等を行うものである。ここで、
観測領域とは、気象観測手段によってエコー情報等の観
測が行われる領域をいい、上述したような電力設備とそ
の周辺部を含むかなり広範囲な領域を対象とするもので
ある。なお、図1に示すブロック構成図は本発明にかか
る雷雲観測システムの基本構成を示すものであり、他の
実施形態における雷雲観測システムは図1に示す雷雲観
測システムの構成に他の構成要素を追加したり、一部構
成内容を変更したものである。
【0018】図1において、1は各気象観測手段から入
手した各種観測データを統合的に処理し、後段の領域判
定部2に対し降水領域及び雷雲域判定の基準となる領域
判定データを出力するデータ統合処理部、2はデータ統
合処理部1から出力された領域判定データに基づいて観
測領域内に発生した降水領域、さらにはこの降水領域内
における雷雲域を判定・識別する領域判定部、3は領域
判定部2の判定結果から雷雲域を抽出し、抽出した雷雲
域について同定・追尾処理を行う追尾処理部、4は追尾
処理部3の追尾結果に基づいて追尾処理された雷雲の所
定時間経過後における移動位置等を予測する移動予測
部、5は領域判定部2から抽出した雷雲域について盛衰
状況を判定し、時系列の盛衰状況から雷雲域の盛衰パタ
ーンを生成する盛衰パターン判定部、6は盛衰パターン
判定部5にて生成された盛衰パターンに基づいて後述す
る消滅予測処理を行い、観測された雷雲域が消滅する時
点までの盛衰状況を求める消滅予測部(現在までの盛衰
状況から将来の盛衰状況を予測するものである。例え
ば、現観測時点から20分後又は60分後経過後の雷雲
域の盛衰状況が求められる。)、7は領域判定部2の判
定結果、追尾処理部3の追尾結果、移動予測部4及び消
滅予測部6の各予測結果等がそれぞれ入力され、これら
に基づいて例えば、図8又は図9に示すような表示画像
をモニタ等の表示部に表示させる表示処理部である。
【0019】また、図2において、8は送受信用のアン
テナ部を有し、観測領域内のエコー情報、具体的には直
交座標系のエコー強度データ(雨量強度値メッシュデー
タ)を取得し、図1に示すデータ統合処理部1に供給す
る気象観測手段(例えば、気象観測用のレーダ装置、以
下、気象レーダという。)、9は観測領域内に発生した
雷雲、10は気象レーダ8のアンテナ部から放射された
ビーム状の送信電波(以下、送信ビームという。)であ
り、気象レーダ8は、例えば送信ビーム10をAZ方向
に回転走査すると共に、この回転走査を所定仰角まで
( EL方向の走査)行うことにより観測領域内のエコ
ー情報(以下、単にエコー情報という。)を得る。ま
た、気象レーダ8はこの所定仰角までの回転走査を繰り
返すことにより新たなエコー情報を得ることができ、こ
のエコー情報の観測周期は、気象レーダ8の観測精度と
の関係から最適な時間を適宜設定する(観測周期を短く
設定すると短時間で観測領域内の走査を行わねばなら
ず、その分データの積分数が小さくなり観測精度は劣化
する。)。なお、図2に示す気象レーダ8は、エコー情
報を入手するものであったが、例えば観測目標物のドッ
プラ速度の変化をも測定することができる気象ドップラ
レーダ(以下、ドップラレーダという。)を用いてもよ
い。ドップラレーダを用いた場合には、エコー情報の他
にドップラ速度が計測できるため、雷雲内部の詳細な対
流の変化等を観測することができ、このドップラ速度の
観測結果からより高精度な雷雲の移動予測を実現するこ
とができる。
【0020】次に、図1に示す雷雲観測システムの動作
についてさらに図3乃至図7を用いて詳細に説明する。
図3は本実施形態による雷雲観測システムの動作を説明
するための動作フローチャート図であり、図3に示すよ
うに、本実施形態による雷雲観測システムでは、例えば
前述した特開平8−122433号公報に記載された雷
雲観測システムのような雷雲域の追尾処理(S02)と
並行して当該雷雲の盛衰パターンを生成する処理(S0
3)が行われ、これら各処理(S02〜S06)の処理
結果に基づいて表示処理部7がモニタ等の表示部上に観
測された雷雲域の移動予測結果並びに消滅予測結果等を
表示させる。
【0021】まず、図2に示すような気象レーダ8によ
ってエコー情報の観測が開始されると、図1に示す雷雲
観測システムのデータ統合処理部1には気象レーダ8か
らのエコー強度データと他の気象観測手段からの高層気
象情報(この高層気象情報は、気象庁から定期的に提供
されており、この高層気象情報から観測領域内における
高度と温度との関係を示す高度―温度対比データが得ら
れる。)とがそれぞれ入力される。データ統合処理部1
は、上述したように、これら気象観測手段の観測データ
(ここでは、エコー強度データ、高度―温度対比データ
等)から雷雲判定のための領域判定データを演算するも
ので、例えば、特開平8―122433号公報に記載の
ようにエコー強度データから算出するメッシュ単位毎の
VIL(鉛直方向積算水分量)データとエコー強度デー
タ及び高層気象情報から算出するエコー頂温度データと
を領域判定データとして出力する。この領域判定データ
は気象レーダ8により得られる観測周期毎のエコー情報
に基づいて演算・出力されるものであり、気象レーダ8
の観測周期毎に新たな領域判定データが領域判定部2に
対して出力される(S01)。
【0022】領域判定部2はデータ統合処理部1から出
力された領域判定データに基づいて観測領域内に発生し
た雷雲の規模、即ち雷雲領域を判定するものであり、こ
の領域判定部2では領域判定データが入力されると、例
えば入力されたVILデータと予め設定された第1の基
準値(降水領域判定のためのしきい値)とを比較して基
準値以上と判定されたVILデータの領域を降水領域と
判定する。そして、この降水領域と判定された領域内の
エコー頂温度データを予め設定した第2の基準値(雷雲
領域判定のためのしきい値)と比較して基準値以下と判
定されたエコー頂温度データの領域について雷雲域と判
定する(S02)。この領域判定部2の判定結果は、表
示処理部7に出力され、表示部に画像表示される雷雲域
の表示データに用いられると共に、後段の追尾処理部
3、盛衰パターン判定部5にそれぞれ供給され、追尾処
理及び盛衰判定処理のデータとして用いられる(盛衰パ
ターン判定部5においては、例えば、抽出された雷雲域
についてのエコー強度データから盛衰状況を判定するこ
とができる。)。また、判定された雷雲域については識
別符号等を付すことにより、たとえ観測領域内に複数の
雷雲が発生していても後述する移動予測部4、消滅予測
部6において各雷雲域毎の移動予測、消滅予測が可能で
ある。なお、本実施形態の説明では、雷雲域の判定をV
ILとエコー頂温度を用いて行うとしたが、その他の観
測データを用いても雷雲領域を定義することができ、雷
雲領域判定の定義はこのような雷雲域の定義ができる観
測データを用いて行えばよい。
【0023】次に、移動予測系の動作(S03乃至S0
4)について説明する。追尾処理部3は領域判定部2の
判定結果から抽出した雷雲域について例えば追尾フィル
タを用いた同定・追尾処理を行なうものであり、移動予
測部4は追尾処理部3の追尾結果から同定/追尾された
雷雲域の移動方向及び所定時間経過後における移動位置
等について予測するものである。まず、追尾処理部3に
おいては、領域判定部2の判定結果から抽出した雷雲域
についての雷雲重心算出処理を行って雷雲域の追尾基準
点を算出し、この追尾基準点と予め予測した追尾予測点
との距離がしきい値以内にあるか否かによる相関性の判
定を行う。なお、判定精度を向上させるべく、さらに雷
雲形状(パターン)の重なり具合に基づく相関性判定を
行ってもよいが、パラメータが増えると判定処理に時間
を要するため処理時間との関係から雷雲パターンの重な
り具合に基づく相関性判定を行うか否か判定する。この
相関性判定の結果、相関性がないと判定された場合には
今回抽出した雷雲域は前回抽出された雷雲域とは異なる
ものと判定しその雷雲域についての追尾処理を終了し、
相関性がありと判定された場合には今回抽出した雷雲域
は前回抽出された雷雲域と同一の雷雲域であると判定
し、相関性がないと判定されるまでこの雷雲域について
の追尾処理を継続する(S03)。
【0024】この追尾処理部3による同定/追尾処理
は、気象レーダ8の観測データが得られる毎になされる
ものであり、追尾処理部3の追尾周期は気象レーダ8の
観測周期と同じ周期となる(例えば、気象レーダ8の観
測周期が5分〜6分程度に設定されていると、各雷雲域
についての追尾処理も5分〜6分周期で行われることに
なる。)そして、時系列の追尾処理結果から追尾処理さ
れた雷雲域の移動位置及び移動速度がそれぞれ算出さ
れ、算出された雷雲域の移動位置及び移動速度は後述す
る移動予測部4における移動予測のパラメータとして移
動予測部4にそれぞれ供給される。なお、抽出した雷雲
域には識別符号を付しているため、たとえ複数の雷雲域
が抽出されたとしても、追尾結果を識別符号に基づいて
識別することにより各雷雲域毎に移動位置及び移動速度
を算出することができる。
【0025】移動予測部4は、上述のように追尾処理部
3から出力された雷雲域の移動位置、移動方向及び移動
速度等に基づいて追尾処理された雷雲域について移動予
測を行う(S04)。なお、図4は気象レーダ8の観測
周期と追尾処理部3の追尾周期、及び移動予測部4にて
移動予測される時間等との関係を示す説明図であり、図
4に示すように、追尾処理部3は気象レーダの観測周期
Tkと対応して時間Ttの時間間隔(追尾周期)毎に上
述した追尾処理を繰り返すのに対し、移動予測部4は、
現観測時点a0から所定時間経過の雷雲域の移動位置a
nまでの移動位置(a1、a2、…an)を例えば時間
間隔Tiでそれぞれ予測するものである。即ち、追尾処
理部3の同定/追尾処理においては、気象レーダ8等か
ら観測データが得られる毎に1周期(5〜6分程度)先
の比較的近い時間経過後の雷雲域の移動位置を予測する
が、移動予測部4においては、かなり遠い時間経過後ま
での雷雲域の移動位置までを予測するものである(図4
に示すように、この移動予測部4の移動予測時点は複数
時点について予測しておくことにより、比較的短時間経
過毎の移動時点を認識することができる。)。
【0026】ここで、上述の追尾周期を短く設定すれ
ば、移動予測のためのパラメータが多数得られ同定/追
尾処理の精度を向上させることができるが、上述のとお
り、この追尾周期Ttは気象レーダ8の観測周期Tkと
対応するから、気象レーダ8の観測精度との関係から5
分〜6分程度となる。観測周期を8〜10分と長く設定
した場合には、追尾処理部3の追尾周期も8〜10分程
度となる。
【0027】また、本発明にかかる雷雲観測システムの
移動予測は、従来の雷雲観測システムのように単に発雷
する危険度が高い雷雲域、即ち既に衰退期にある雷雲域
のみの移動位置を予測するというものでなく、雷雲域の
消滅予測結果をモニタ等の表示部に表示するという必要
性から衰退期か否かに拘わらず発達期における雷雲につ
いても追尾結果に基づく移動予測を行うものである(特
に、以下実施形態.2による雷雲観測システムでは、発
達期の盛衰状況から観測された雷雲域の消滅予測ないし
落雷予測を行う。)。具体的には、追尾処理部3により
算出された雷雲域の移動位置、移動速度等(これら移動
位置、移動速度等は追尾処理を何周期か繰り返すことに
より得られる。)から追尾処理の追尾ゲートと同様に各
予測時点毎に予測された移動位置を中心とした移動予測
範囲(ゲート)を作成し、各ゲート内のいずれかに雷雲
域が移動するものと判断する。この移動予測ゲートは予
測された雷雲域がゲート内に存在する確率を示すもので
例えば存在確率85%のゲートを作成したとしても、図
5に示すように先の時間における移動予測位置の移動予
測ゲートはよりゲート範囲が広いものとなる。
【0028】そして、この移動予測部4の結果(例え
ば、図5に示す(1)雷雲番号〜(5)雷雲情報等)が
表示処理部7に出力され、消滅予測部6の予測結果と共
にモニタ等の表示部に適宜表示される。なお、上述した
ように、抽出された雷雲域には識別符号を付しているの
でたとえ複数の雷雲域について移動予測が行われたとし
ても上述の追尾処理と同様、表示処理部7において各雷
雲域毎の移動予測結果の識別が可能である。なお、図4
は気象レーダ8の観測周期と以下説明する消滅予測系の
判定周期及び予測周期との関係をも示すものであり、消
滅予測系の動作説明においても適宜用いることとする。
【0029】次に、本発明の特徴部分である消滅予測系
の動作について図6乃至図8を用いて詳細に説明する
(S05乃至S06)。図6は盛衰パターン判定部5を
さらに詳細に示したブロック構成図、図7は消滅予測部
6をさらに詳細に示したブロック構成図、図8は盛衰パ
ターン判定部5にて生成された任意の雷雲域についての
盛衰パターンを示す盛衰パターン説明図であり、本実施
形態による雷雲観測システムの消滅予測部6は、例えば
図8に示すような雷雲域の盛衰パターンを判定基準とし
て雷雲域の消滅予測(消滅までの盛衰状況判定)を行う
ものである。
【0030】まず、盛衰判定処理(S05)について説
明する。盛衰パターン判定部5は、領域判定部2から抽
出した雷雲域についての観測データから盛衰状況を判定
し、時系列に取得したこれら各盛衰データから気象レー
ダ8により観測された雷雲域についての盛衰パターンを
生成するものであり、盛衰状況判定部11はデータ統合
処理部1にて得られた雷雲域についての各観測データ
(エコー強度データ、エコー頂温度データ、VILデー
タ等)に例えば所定の重み付け加算を行うことにより領
域判定部2から抽出した雷雲域について盛衰状況を判定
する。盛衰状況判定部11の判定結果はそれぞれ盛衰パ
ターン生成部12に出力される。また、重み付けについ
ては当該雷雲域の観測条件等により決定・設定すればよ
く、また、これら観測条件に応じて自動的に変更できる
ようにしておいてもよい。
【0031】次に、盛衰パターン判定部12では、盛衰
状況判定部11の判定結果が識別符号毎に区別して記憶
され、例えば図6に示すような時系列の盛衰パターンが
各雷雲域毎に生成される。上述したように、各盛衰デー
タは気象レーダ8の観測周期毎に算出されるものであり
(図4の観測周期Tkと盛衰判定周期Tsとの関係を参
照。)、盛衰パターン判定部12にて生成される雷雲域
の盛衰パターンは気象レーダ8の観測周期毎に得られた
時系列の盛衰データにより構成される。このようにして
生成された雷雲域の盛衰パターンは、後述するように雷
雲域の消滅予測の判定パラメータとして消滅予測部6に
出力される。また、抽出した雷雲域には識別符号が付さ
れているので各雷雲域毎の盛衰パターンの識別が可能で
あると共に上述した追尾処理部3及び移動予測部4の各
処理結果との対応をとることが可能であり、後述するよ
うに、これらの処理結果が表示処理部7にて統合的に処
理され、モニタ等の表示部に表示される。なお、盛衰パ
ターン判定部5の判定結果を追尾処理部3又は移動予測
部4の処理に利用して雷雲観測システムの移動予測の予
測精度を向上させる話については他の実施形態の説明に
おいて詳細に説明する。
【0032】次に、消滅予測部6の動作について説明す
る(S06)。盛衰パターン判定部5から出力された盛
衰パターンは識別符号による識別が可能であり、各雷雲
域毎の消滅予測が行われる。消滅予測の手法については
事例検索等いくつかの手法を用いることができるが、本
実施形態による雷雲観測システムの消滅予測部6は、盛
衰パターン判定部5にて生成された雷雲域の盛衰パター
ンから衰退期部分の盛衰データ(以下。衰退期データと
いう。)を抽出し、この衰退期データのピーク値、デー
タパターンの傾き等から当該雷雲域の消滅予測を行うも
のについて説明する。なお、移動予測部4の予測期間が
無制限に設定できる(a0〜anまで、nは所定数とす
る。)のに対し、消滅予測部6の消滅予測期間は盛衰パ
ターンに基づいて演算された消滅時点まである。
【0033】図8に示された雷雲域の盛衰パターンを例
に説明すると、図8において、横軸は各盛衰データが得
られた時刻、縦軸は盛衰値をそれぞれ示し、盛衰値が最
も大きい時刻Tpにおける盛衰値をピーク値、そしてこ
の盛衰データのピーク値が得られた時間Tpから最新の
盛衰データが得られた時間Tnまでの間をいわゆる盛衰
期としこの時間帯において得られた盛衰データから衰退
期データの傾き等を求める。なお、一般に衰退期とは雷
雲域が衰退している時間帯をさすが、本実施形態におい
てはより高精度の消滅予測のため盛衰データのピーク値
が得られた時間Tpから最新の盛衰データが得られた時
間Tnまでの間の時間帯を衰退期とする。
【0034】まず、衰退期検出部13では、上述したよ
うに盛衰パターン判定部5にて生成された雷雲域の盛衰
パターンから衰退期部分における盛衰データを抽出す
る。この衰退期データの抽出は盛衰データのピーク値か
ら最新の盛衰データまでを抽出すればよい。そして、消
滅判定部14では、この衰退期検出部13にて検出され
たいわゆる衰退期データに基づいて盛衰データの外挿処
理を行い、最新の盛衰データが得られた時間Tnから当
該雷雲域が消滅する時間までの盛衰データ(盛衰値)を
それぞれ算出する。なお、後述するように、雷雲域の消
滅時点は移動予測部4にて予測された雷雲域の移動軌跡
上に表示するため、これら雷雲域の盛衰データは少なく
とも移動予測部4にて予測した時点における値について
それぞれ算出しておく。この盛衰データの外挿により
(計算で求めた盛衰データを実際の観測で得られた盛衰
データ列に挿入して消滅までの盛衰パターンを生成す
る)当該雷雲域の消滅時点Tsを求めることができ、雷
雲域の消滅時点、さらには落雷発生時点の予測が可能と
なる。この消滅予測部6の処理結果(盛衰データ、消滅
時点等)は上述の領域判定判定部2、追尾処理部3及び
移動予測部4の各処理結果と同様に表示処理部7に出力
される。
【0035】上記外挿処理の手法としては、直線近似
法、ガウス曲線又はガウス関数近似法等の近似演算手法
を用いればよく、いわゆる衰退期データのデータ数、傾
き等に応じて適当な近似法を適宜選択して使用する。ま
た、衰退期のデータ数、即ち上記外挿のためのサンプリ
ング数は多ければ多いほど当該雷雲域の消滅までの盛衰
パターンを正確に近似することができるが、上述のとお
り、本発明における雷雲観測システムでは、盛衰パター
ン判定部5の盛衰判定周期、即ちサンプリングデータが
得られる周期は、上述の追尾周期と同様気象レーダの観
測周期と対応しており、観測周期を短く設定すると気象
レーダの観測精度が劣化するため、盛衰パターン判定部
5の盛衰判定周期は、追尾処理部3の追尾周期と同様、
気象レーダの観測精度との関係で適宜設定される。
【0036】最後に表示処理部7の処理内容についてさ
らに図9、図10及び図11を用いて説明する(S0
7)。図9は表示処理部7の具体的構成を示したブロッ
ク構成図、図10及び図11は表示処理部7により表示
処理され、モニタ等の表示部に表示された本実施形態に
よる雷雲観測システムの画像表示例を示す表示例説明図
である。この表示処理部7は上述の各処理ステップS0
1乃至S06の処理結果がそれぞれ入力され、これらか
ら2次元又は3次元表示させるための表示データを生成
しこの表示データに基づく表示画像を表示部に表示させ
るものであるが、単に各処理結果(S01〜S06)を
統合処理して表示するだけでなく、後述するように、消
滅予測部6の処理結果に応じて表示部に表示させる内容
を切り替える処理(選択表示)を行うものである。
【0037】図9において、15は消滅予測部6の消滅
予測結果についてその予測信頼度を判定する信頼度判定
部、16は信頼度判定部15の判定結果に応じた表示画
像を表示部17に表示させるための処理を行う表示デー
タ処理部である。また図10及び図11において、18
は表示部17に表示された雷雲域、19は追尾処理部3
の追尾軌跡及び移動予測部4にて予測された雷雲域の移
動経路を示す雷雲域の移動軌跡であり、現在までの移動
軌跡19には移動予測部4にて求められた移動予測位置
と追尾処理部3にて求められた実際の雷雲観測位置が表
示され、現在から先の移動軌跡19には移動予測部4に
て予測された雷雲域の移動予測位置だけが表示されてい
る。
【0038】また、図10又は図11においては、移動
予測部4の各移動予測時点を追尾処理部3の追尾周期に
あわせて表示した例が示されている。そして、本実施形
態による雷雲観測システムにおいては、領域判定部2の
判定結果である雷雲域18、移動予測部4の移動予測結
果である移動軌跡19に加えて消滅予測部6の消滅予測
結果である当該雷雲域の消滅位置又は消滅確率が併せて
表示されるものである。ここで、図10に示す表示例
は、信頼度判定部15による信頼度判定の結果、消滅予
測部6の消滅予測結果の信頼度が高いと判定された場合
に選択される表示例である。この場合、表示処理部7は
消滅予測部6により予測された雷雲域の消滅位置を対応
する雷雲域の移動軌跡19に表示させ、この消滅位置以
降の移動軌跡19を非表示とする表示処理を行う。図1
0において20は消滅予測部6にて予測され表示部17
上に表示された雷雲域の消滅位置を示す。
【0039】また、図11に示す表示例は、信頼度判定
部15による信頼度判定の結果、消滅予測部6の消滅予
測結果の信頼度が低いと判定された場合に選択される表
示例であり、この場合、表示処理部7は消滅予測部6に
より予測された雷雲域の消滅位置ではなく、この消滅位
置における当該雷雲域の消滅確率を対応する雷雲域の移
動軌跡19に表示させる表示処理を行う。このように消
滅予測部6の消滅予測結果を消滅確率で表示させるの
は、雷雲の監視を行っているオペレータが低い信頼度で
予測された雷雲域の消滅位置に基づいて誤った判断を行
うよりは、図11に示すように各移動予測位置において
当該雷雲域の消滅確率(図9においては、5%、30%
のように表示させている。)を表示させオペレータに雷
雲域の消滅位置の判断を委ねた方が良いからである(上
述したように、本実施形態による雷雲観測システムの観
測結果は電力設備等の落雷警報に供されるため、観測さ
れた雷雲域の消滅位置は正確に判断されることが望まれ
る。)。
【0040】次に、信頼度判定部15における消滅予測
結果の判定処理について説明する。上述したように、本
実施形態における雷雲域の消滅予測は衰退期検出部13
にて検出された衰退期部分における盛衰データに基づい
て行われるため、このような消滅予測を行う場合におけ
る消滅予測結果の信頼度判定は、例えば検出された衰退
期部分における盛衰データのデータ数に基づいて行えば
よい。一般に、データ数が多いほどより正確な近似処理
が行えるため、予めデータ数のしきい値(例えば、この
しきい値は過去の観測結果から妥当なデータ数を設定す
ればよい。)を定めておき、検出された衰退期部分にお
ける盛衰データのデータ数がそのしきい値を超えている
場合にはそれら盛衰データに基づいて予測された雷雲域
の消滅予測結果は信頼度が高いと判断する。そして、盛
衰データのデータ数がしきい値以下の場合には信頼度は
低いと判断する。
【0041】このように、本実施形態による雷雲観測シ
ステムにおいては、表示処理部7において、まず消滅予
測結果の信頼度が判定され、この判定結果に応じた表示
画像が表示部17へ表示されることになる。従って、例
えば本雷雲観測システムの表示部17に表示された表示
内容により雷雲の監視を行っているオペレータは、雷雲
の移動状況と共に消滅状況(消滅位置又は消滅確率)を
も正確に認識することができ、より正確な雷雲監視を実
現することができる。このオペレータによる正確な雷雲
監視の実現はひいてはより正確な落雷警報につながり、
落雷発生の回避又は事故復旧措置の迅速化が要請される
電力設備等に適用される雷雲観測システムにおいてきわ
めて有効である(上述したように、落雷発生場所、時間
帯の正確に予測ができると共に、誤りのある落雷警報を
なくして不要な送電線経路の切替え等が防止できるシス
テム運用上きわめて有益な効率的な雷雲観測システムを
実現できる。)。
【0042】なお、上述の説明では、表示処理部7は消
滅予測部6の消滅予測結果の信頼度に応じて自動的に表
示部に表示する表示内容を選択していたが、この表示内
容の選択を落雷監視を行っているオペレータの判断に任
せてもよく、消滅予測結果の信頼度に関係なく常に所望
の表示例を表示部に表示させるようにしてもよい。この
場合には、雷雲の監視を行っているオペレータが表示内
容を選択しそのような表示画像を表示部に表示するよう
に表示処理部7の処理内容を設定すればよい。また、図
10及び図11に示すこの雷雲観測システムによる雷雲
観測結果の表示例は1つの雷雲域の観測結果についての
み表示させたものであるが、上述したように、本システ
ムにおいては同時期に発生した複数の雷雲についての観
測がそれぞれ可能であり、複数の雷雲について観測が行
われた場合には各雷雲についての観測結果が表示処理部
7を介して表示部17に表示され、オペレータはこれら
表示内容に基づいて複数の雷雲域についての落雷予測を
行うことができる。
【0043】以上のように、本実施形態による雷雲観測
システムによれば、単に雷雲の移動予測結果を表示部に
表示させるだけでなく、当該雷雲の消滅予測結果をも併
せて表示部上に表示するようにしたので、雷雲の盛衰状
況に応じたより正確な雷雲監視ができ、オペレータが実
際には消滅し存在していない雷雲を存在していると判断
して落雷のおそれがない地域に対して誤った落雷警報を
行うこと等を防止することができる。また、観測領域内
に複数の雷雲が発生したような場合にも各雷雲毎にその
移動予測及び消滅予測が可能であり、雷雲監視を行って
いるオペレータにより正確な雷雲観測情報を提供するこ
とができる。
【0044】実施の形態2.上記実施形態による雷雲観
測システムにおいては、雷雲の消滅予測の手法として、
盛衰パターンの衰退期データから直線近似等の処理を行
い、当該雷雲域が消滅するまでの盛衰データを外挿する
という手法を用いたが、この手法では上述したように盛
衰データが衰退期以降まで蓄積されなければ当該雷雲域
の消滅予測を行うことができず(消滅予測の信頼度を向
上させるにはさらに検出された衰退期が長くより多くの
盛衰データを必要とする。)、早期の消滅予測にはあま
り効果的ではなかった。しかし、落雷発生の警報等に供
する実際の雷雲観測システムにおいては、迅速な落雷損
害回避等の要請からこのような落雷発生等の警報は早期
に行われることが望ましく、早期の消滅予測が実現でき
るシステムとすることが望ましい。本実施形態において
は、より早期の消滅予測又は落雷予測が実現できる雷雲
観測システムについて説明する。
【0045】図12は本実施形態による雷雲観測システ
ムの消滅予測部を具体的に示したブロック構成図であ
り、図12に示されるように、本実施形態における消滅
予測部6bは事例検索に基づいて現在の観測時点から雷
雲域が消滅するまでの盛衰状況乃至盛衰パターンを判定
・生成するものである。なお、雷雲観測システムの全体
的な構成、各部の動作等は図1に示すものと同様であ
り、同一符号である他の構成部分についての説明は省略
する。即ち、本実施形態による雷雲観測システムは消滅
予測部6bの動作、働き等が上記実施形態.1による雷
雲観測システムと具体的に相違するものである。
【0046】図12において、21は過去に観測された
雷雲域についての観測データ、例えば、エコー強度デー
タ、盛衰パターン判定部5にて生成された盛衰パターン
のデータ等が対応する実際の消滅情報(例えば、ピーク
値が得られた後、何分後に消滅したか等)と共に、例え
ば図12に示すような事例形式で登録・蓄積された事例
データベース、22は抽出された雷雲域についての各種
観測データを事例データベースに登録し、かつ、これら
観測データと類似の観測データを有する事例データを事
例データベースを検索することにより引き出す事例検索
部、23は事例検索部22により引き出された事例デー
タの盛衰パターン(消滅するまでの盛衰データを含
む。)から抽出した雷雲域についての消滅時点、所定時
間経過後の消滅確率等を算出し消滅予測結果として表示
処理部7に出力する消滅状況判定部である。
【0047】次に、この消滅予測部6bの具体的な処理
内容について図13を用いて説明する。上記実施形態.
1と同様に、盛衰状況の判定及び盛衰パターンの生成は
領域判定部2から抽出した雷雲域についての各種パラメ
ータ、即ち気象観測手段からの観測データに基づいて行
われるものである。上記実施形態.1による雷雲観測シ
ステムでは、盛衰パターンの衰退期データから消滅予測
を行うため、雷雲域の盛衰パターンは少なくとも図8に
示すような衰退期における盛衰データを有するものでな
ければならないが、本実施形態による雷雲観測システム
では、事例検索により消滅予測のパラメータ(当該雷雲
域が消滅するまでの盛衰状況を示す盛衰パターン)を引
き出し、これら引き出された盛衰パターンに基づいて抽
出した雷雲域の消滅予測を行うというものであり、発達
期の盛衰データのみ有する盛衰パターンから当該雷雲域
の消滅予測を行うことができ、早期の落雷発生場所、時
間帯等の予測が実現できる。
【0048】具体的には、消滅予測部6bは抽出された
雷雲域についての観測データが入力されると、まず事例
検索部22により入力された観測データが事例データベ
ース21に登録され、かつ、この観測データに基づいて
事例データベース21に対して検索処理が行われる。こ
の事例検索処理は事例データベース21に登録された過
去の事例データの中から、入力された観測データと類似
した観測データを有する事例データを探すことにより行
われる。なお、本実施形態においては、図13に示すよ
うに、類似度が高い順に事例データが引き出されてい
る。図13は事例検索部22により引き出された過去の
事例データであり、図13においては、入力された観測
データと類似する観測データを有する過去の事例データ
のうち最も類似する上位4件が引き出された様子を示し
ている。また、引き出された各事例データには図13に
示すような雷雲の消滅情報(消滅時点、消滅確率等)が
併せて含まれている。例えば、No.3の事例は盛衰デ
ータは、例えば、盛衰データのピーク値が得られてから
10分後にその事例における雷雲が消滅したことを示し
ている。
【0049】そして、この事例検索部22の検索結果は
消滅予測判定部23に入力され、消滅予測判定部23で
は、事例検索部22によって引き出された各事例データ
の消滅情報(消滅するまでの盛衰パターン等)に基づい
て入力された観測データについての消滅時点、消滅確率
等がそれぞれ求められる。例えば、図13に示すような
事例データに基づいて観測された雷雲域の消滅時点、消
滅確率を求める場合、観測された雷雲域の5分後の消滅
確率は30%、15分後の消滅確率は75%等と各消滅
予測時点の消滅確率をそれぞれ判定し、これらの結果か
らあるしきい値以上の消滅確率である消滅予測時点をそ
の観測された雷雲域の消滅時点と判定する(この例で
は、消滅確率90%をしきい値とし、消滅確率が95%
である消滅予測時点、即ち15分後を消滅時点(図13
における推定雷雲消滅時間)と判定している。)。
【0050】この消滅判定部23の判定結果(消滅時
点、消滅確率等)は表示処理部7に出力され、表示処理
部7では上記実施形態.1において説明したよう表示処
理が行われる。なお、表示処理部7による表示内容の選
択は、消滅判定部23の消滅判定結果の信頼度に基づい
て行われるが、具体的には、事例検索部22により引き
出された過去の事例データの類似度(例えば、平均値で
比較する。)が所定値以上であれば、その事例データに
基づいて算出された消滅時刻は信頼度が高いと判定し
て、例えば図10に示すような表示画像を表示部に表示
させ、事例データの類似度が所定値以下であれば、その
事例データに基づいて算出された消滅時刻は信頼度が低
いと判定して、例えば図11に示すような消滅確率を表
示する表示画像を表示部に表示させる。以上のように、
本実施形態によれば、上記実施形態と同様の効果を奏す
ると共に、発達期における盛衰データに基づいて消滅予
測ができるので、オペレータによる早期の落雷予測が実
現できる。なお、本実施形態において説明した事例検索
による雷雲域の消滅予測は他の実施形態による雷雲観測
システムにも適用することが可能であるが、以下の実施
形態においてはその説明を省略する。
【0051】実施形態.3 次に本発明の他の実施形態について図14及び図15を
用いて説明する。上記実施形態による雷雲観測システム
は、いずれも盛衰パターン判定部5にて判定された雷雲
域の盛衰状況を消滅予測部6における消滅予測にのみ利
用するものであったが、雷雲は対流性の雲であり、この
ような対流性の雲は単純に背景の風方向には移動せず、
その盛衰状況に応じて移動方向が左右されるという問題
があるので、何ら盛衰状況を考慮せず過去の移動経緯の
みに基づいて将来の移動位置を予測した場合には、その
移動予測された雷雲がこれまで追尾してきた雷雲の移動
方向とは全く別の方向に移動してしまい、実際の雷雲の
移動方向と全くずれた方向に雷雲の移動予測を行なって
しまうという可能性がある。そこで、本実施形態では、
盛衰パターン判定部5にて判定された雷雲域の盛衰状況
を消滅予測部の消滅予測だけではなく移動予測部の移動
予測にも反映することにより、移動予測の予測を上記実
施形態に記載の雷雲観測システムよりもさらに高精度に
実現できる雷雲観測システムについて説明する。
【0052】図14は本実施形態による雷雲観測システ
ムを示すブロック構成図である。本実施形態において
は、盛衰パターン判定部5の出力が消滅予測部6に入力
されると共に、移動予測部4cにも入力されている。図
14において、4cは本実施形態における移動予測部で
あり、移動予測部4cは追尾処理部3の追尾結果とこの
追尾結果に対応する盛衰パターン判定部5の盛衰判定結
果とから観測された雷雲域について移動予測を行うもの
である。また、雷雲域の盛衰状況と移動方向との間に
は、例えば図15に示すような関係があり、移動予測部
4cは例えば図13に示すような基準に基づいて雷雲域
の移動方向を予測する。図15は対流性雲の盛衰状況と
移動方向との関係を示す移動方向説明図であり、図15
によれば、雷雲等の対流性雲は生成期から発達期にかけ
ては平均風の方向に対して右方向に移動する傾向があ
り、また発達期から衰退期にかけては平均風の方向に対
して左方向に移動する傾向があることが分かる。
【0053】そこで、本実施形態による雷雲観測システ
ムにおいては、このような雷雲域の盛衰状況を移動予測
部4cの入力することにより、移動予測部4cでは追尾
処理部3からの追尾結果に基づいて移動予測された雷雲
の移動予測結果を修正して表示処理部7に出力するもの
である。このように、本実施形態による雷雲観測システ
ムでは、移動予測部4cが追尾処理部3の追尾結果だけ
でなく、盛衰パターン判定部5にて判定された雷雲域の
盛衰状状態に基づいて観測された雷雲域の移動予測を行
うので、盛衰状況に応じて移動方向が変化するような対
流性雲、例えば雷雲の移動予測をより正確に行うことが
できより高精度な移動予測ができる雷雲観測システムを
実現することができる。
【0054】実施形態.4 次に本発明の他の実施形態について図16及び図17を
用いて説明する。上記実施形態では、盛衰パターン判定
部5にて判定された雷雲域の盛衰状況基づいて雷雲域の
移動予測を行う雷雲観測システムについて説明したが、
雷雲域の移動方向は図15に示すように盛衰状態によっ
て大きく変化するものであり、このように雷雲域の移動
方向が急激に変化するような場合には、その前段に設け
られた追尾処理部3において追尾はずれが生じるという
問題が生じる。追尾処理部3は追尾はずれが生じると追
尾処理部3は追尾中の雷雲域が追尾途中で消滅してしま
った又は観測領域外に移動してしまったと判断し追尾処
理を終了してしまうため、このような場合には、たとえ
移動予測部4にて雷雲域の盛衰状態に基づく雷雲域の移
動予測の修正を行うようにしていても追尾処理自体が終
了してしまうため、観測された雷雲域についての正確な
移動予測を行うことはできない。
【0055】このように、まだ発達期にある雷雲域を追
尾途中で見失った場合には、再度この雷雲域を捕捉する
必要があるが、再度の追尾処理により見失った雷雲域を
捕捉してもその雷雲域は既に衰退期にある場合が多く、
消滅予測の精度が大幅に劣化する可能性が高い。そこ
で、本実施形態においては、盛衰パターン判定部5にて
判定された雷雲域の盛衰状態に基づいて追尾処理を行う
ことにより、雷雲域の追尾処理において追尾はずれが生
じにくく、より高精度な追尾処理ひいては移動予測処理
ができる雷雲観測システムについて説明する。
【0056】図16は本実施形態による雷雲観測システ
ムを示すブロック構成図であり、図16において、3d
は本実施形態による雷雲観測システムの移動予測部を示
す。図16に示すように、本実施形態による雷雲観測シ
ステムでは、盛衰パターン判定部5にて判定された雷雲
域の盛衰状況が消滅予測部6に入力されると共に、追尾
処理部3dに入力されている。なお、図中、同一符号は
同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は
省略する。即ち、本実施形態による雷雲観測システムに
おいても上記実施形態.1又は上記実施形態.2に示す
ような消滅予測ないしこの消滅予測に基づいた表示処理
部7による表示処理を行うものであり、本実施形態によ
る雷雲観測システムは、上記実施形態.1又は.2によ
る雷雲観測システムにさらに移動予測系の予測精度を向
上させる機能を新たに追加させたものである。
【0057】また、図17は追尾予測部3dの具体的な
構成を示すブロック構成図であり、図17において、2
5は盛衰パターン判定部5から出力された雷雲域の盛衰
状態を示す盛衰データが入力され、その盛衰データに応
じて最適な追尾手段を選択する追尾手段選択部、26は
追尾手段選択部25からの指示に基づいて選択した追尾
手段により領域判定部2の判定結果から抽出した雷雲域
についての追尾処理を行う追尾手段である。なお、選択
される追尾手段としては、異なる種類の追尾フィルタを
複数準備しておきこれらの中から最適なものを選択する
ようにしてもよく、また1つの追尾手法により追尾処理
する追尾手段を設けておきこの追尾手段の演算条件を雷
雲域の内部状態、広がり具合及び盛衰状態等に応じて最
適な条件となるように変更してもよい。追尾フィルタの
種類としては、α−βフィルタ、kalmanフィルタ
等がある。例えばドップラデータを用いた追尾処理の場
合には一般にkalmanフィルタを使用するが、この
場合も雷雲域の内部状態、広がり具合及び盛衰状態等を
考慮して最適なものを選択する。
【0058】次に本実施形態による雷雲観測システムの
観測動作等について説明する。本実施形態による雷雲観
測システムも上記実施形態.1又は.2と同様にまず領
域判定部2からの判定結果が追尾処理部3と盛衰パター
ン判定部5とにそれぞれ入力され、図3に示すような移
動予測系の処理(S03、S04)と消滅予測系の処理
(S05、S06)とが並行して行われる。但し、本実
施形態による雷雲観測システムの追尾処理部3dは、上
述したように盛衰パターン判定部5からの雷雲域の盛衰
状態の判定結果に基づいて最適な雷雲域の追尾処理を行
う追尾手段を選択し(追尾手段の演算条件を修正し)、
この選択(修正)された追尾手段により領域判定部2の
判定結果から抽出された雷雲域について追尾処理が行わ
れる。
【0059】以上のように、本実施形態による雷雲観測
システムによれば、雷雲域の盛衰状態に応じた追尾処理
を行うことにより、まだ消滅していない雷雲域について
追尾はずれを生じさせることなく追尾処理を行うことが
でき、より正確な追尾処理ひいてはより高精度な雷雲域
の移動予測を実現することができる。一般に雷雲域の移
動方向は、図15に示すように生成期と衰退期において
はほぼ平均風の方向に移動する傾向を有しているが、発
達期においては平均風の方向を横切るような方向に移動
する傾向を有しており、このような傾向を有する雷雲域
について追尾処理する場合にはその盛衰状態に応じた雷
雲域の追尾処理をすることが望ましい。
【0060】実施形態.5 次に、本発明の他の実施形態について説明する。上記実
施形態による雷雲観測システムでは、例えば実施形態.
1による雷雲観測システムのように領域判定部2、移動
予測部4又は消滅予測部6等の各処理結果のみを表示処
理部7にて表示処理し、例えば図10又は図11に示す
ような表示画像を表示部17に表示させるというもので
あったが、一般に雷雲のような気象現象は移動進路上の
地形によっても大きな影響を受けるため、たとえ上述の
ような盛衰パターンに基づく雷雲域の消滅予測を行って
も、当該雷雲の進路上に比較的高い山(具体的には山脈
等)が存在するような場合には、当該雷雲が消滅予測さ
れた消滅時点に到達する前にそれら山脈等の影響により
停滞・消滅してしまうという事態が生じる。そこで、本
実施形態による雷雲観測システムにおいては、さらに地
形情報を考慮することにより、より正確な雷雲の消滅予
測ひいては落雷予測が実現できる雷雲観測システムにつ
いて説明する。
【0061】図18は本実施形態による雷雲観測システ
ムを示したブロック構成図であり、27は観測領域の地
形・地図情報を記憶した地図データの記憶部(以下、地
図データ記憶部という。)である。この地図データ記憶
部27に記憶された地形・地図データは、表示処理部7
eに供給され、後述するように雷雲の観測結果と共に表
示部に表示される。なお、図中同一符号は同一又相当部
分を示しこれらについての詳細な説明は省略する。ま
た、本実施形態による雷雲観測システムは、実施形態.
1による雷雲観測システムを例に説明しているが他の実
施形態による雷雲観測システムに設けるようにしてもよ
く、いずれの実施形態による雷雲観測システムにも適用
が可能である(これらの例については説明を省略す
る。)。
【0062】次に本実施形態による雷雲観測システムの
表示処理部7の処理内容について説明する。上記実施形
態.1による雷雲観測システムと同様に、領域判定部
2、追尾処理部3、移動予測部4及び消滅予測部6の各
処理結果は表示処理部7eに入力されるが、本実施形態
においては、さらに地図データ記憶部27からの地形・
地図データが表示処理部7eに供給され、表示処理部7
eは供給された地形・地図データに基づく地形・地図画
像を表示部に表示させる表示処理を行う。例えば、実施
形態.1においては、図10又は図11に示すような表
示画像を表示部17に表示しようとする表示処理がなさ
れるが、本実施形態による雷雲観測システムにおいて
は、例えば図19に示すような表示画像が表示部上に表
示されるものである。
【0063】図19は本実施形態による雷雲観測システ
ムの雷雲の観測結果の表示例を示す表示例説明図であ
り、本実施形態による雷雲観測システムにおいては、観
測された雷雲域の周辺の地形・地図情報が図19に示す
ように2次元又は3次元の表示画像として表示部17に
表示される。これにより雷雲監視を行っているオペレー
タは実際の雷雲が具体的にどのような位置を通過してい
るのか表示部17上で認識することができる。例えば、
28は地図データ記憶部24から供給された地形・地図
データに基づいて表示部17上に表示された地形情報
(以下、山脈という。)であり、図19に示す表示例で
は移動予測された雷雲域15が所定時間経過後に山脈2
7を通過する様子を予測した状況が表示されている。こ
のように、本実施形態による雷雲観測システムの表示処
理部7eにおいては、上記実施形態.1における表示処
理部7と同様の表示処理に加え、さらに地図データ記憶
部27から供給された地図データに基づく表示処理が行
われる結果、例えば図19に示すような表示画像が表示
部17に表示される。
【0064】次に表示処理部7eの具体的な処理内容に
ついて説明する。即ち、表示処理部7eは消滅予測部6
にて予測された雷雲域15の消滅確率を表示部17に表
示された地形情報に基づいて変更する機能を有してお
り、本実施形態による雷雲観測システムにおいては、消
滅予測部6にて予測された消滅確率が地図データ記憶部
27から供給された地形・地図データによって変更され
て表示部17に表示される。例えば、図17に示す表示
例では、表示処理部7eは移動予測された雷雲域15が
移動軌跡16上を移動して表示部17に表示されたよう
な山脈27を横切った場合の雷雲域15の消滅状況を判
定し、この判定結果から消滅予測された雷雲域15の消
滅確率を変更するものである。
【0065】例えば、雷雲のような気象現象はその移動
中に山の斜面等に衝突すると、衝突した山の斜面に雨を
降らせてしまい、その山を通過した頃には消滅又は大幅
に衰退してしまうことがある。表示処理部7eでは雷雲
の規模、移動速度及び通過する山脈の高度大きさ等が予
め入手できることからこれらにより山脈25を通過した
雷雲がどの程度その盛衰状況が変化したかを判定し、こ
の判定結果に基づいて山脈25を通過した後の雷雲域1
5の消滅確率を表示部17に表示させるものである。な
お、図19に示す表示例では山脈27を通過した雷雲域
15は消滅確率が90%、95%と判定されている。
【0066】このように、本実施形態による雷雲観測シ
ステムにおいては、観測された雷雲の観測結果と共に観
測された雷雲域周辺の地形・地図情報を併せて表示部1
7上に表示させるため、オペレータは観測された雷雲が
具体的にどのような位置を移動しているの表示部17上
に表示された地図上で認識することができ、また、表示
された地図情報に基づいて変更された雷雲域の消滅確率
が表示部17上に表示されるためより正確な消滅予測を
実現することができる。これにより既に消滅してしまっ
た雷雲の移動予測をすることもなくより正確な移動予測
が実現できる。
【0067】
【発明の効果】この発明によれば、雷雲域の消滅時点ま
たは消滅までの消滅確率を予測し、この雷雲域の消滅時
点または消滅までの消滅確率を雷雲域の移動予測の結果
と併せて表示するので、雷雲域を監視するオペレータが
比較的長時間先における雷雲域の正確な移動位置、盛衰
状況を容易に把握することができ、落雷発生場所等の誤
判断を防止することができる共に、早期に雷雲域の落雷
発生場所、時間帯及び消滅時点を判断することができ
る。
【0068】また、他の発明によれば、雷雲域の盛衰状
態に応じた追尾手段を用いて追尾処理を行うので、雷雲
域の移動方向がその盛衰状態によって急激に変化するよ
うな場合においても追尾はずれを防止することができ、
雷雲域を追尾途中で見失うことなく高精度な移動予測を
実現することができる。
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態による雷雲観測システ
ムを示すブロック構成図である。
【図2】 気象レーダ装置による雷雲の観測状況を示す
観測状況説明図である。
【図3】 図1に示す雷雲観測システムの処理内容を示
す動作フローチャート図である。
【図4】 図1に示す雷雲観測システムの雷雲観測周
期、追尾周期及び移動予測時間等の時間関係を示す説明
図である。
【図5】 図1に示す雷雲観測システムの雷雲域の移動
予測処理結果を示す移動予測処理説明図である。
【図6】 盛衰パターン判定部の具体的構成の例を示す
ブロック構成図である。
【図7】 消滅予測部の具体的構成の例を示すブロック
構成図である。
【図8】 盛衰パターン判定部で生成された雷雲の盛衰
パターンの例を示す盛衰パターン説明図である。
【図9】 表示処理部の具体的構成の例を示すブロック
構成図である。
【図10】 図1に示す雷雲観測システムの画像表示例
を示す表示例説明図である。
【図11】 図1に示す雷雲観測システムの他の画像表
示例を示す表示例説明図である。
【図12】 消滅予測部の他の具体的構成を示すブロッ
ク構成図である。
【図13】 図12に示す消滅予測部において検索され
た登録事例を示す登録事例説明図である。
【図14】 この発明の他の実施形態による雷雲観測シ
ステムを示すブロック構成図である。
【図15】 対流性雲の盛衰状態と移動方向との関係を
示す移動方向説明図である。
【図16】 この発明の他の実施形態による雷雲観測シ
ステムを示すブロック構成図である。
【図17】 図16に示す追尾処理部の具体的構成の例
を示したブロック構成図である。
【図18】 この発明の他の実施形態による雷雲観測シ
ステムを示すブロック構成図である。
【図19】 図18に示す雷雲観測システムの画像表示
例を示す表示例説明図である。
【符号の説明】
1 データ統合処理部 2 領域判定部 3、3d 追尾処理部 4、4c 移動予測部 5 盛衰パターン判定部 6、6b 消滅予測部 7、7e 表示処理部 21 事例データベース 22 事例検索部 23 消滅判定部 24 地図データ記憶部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 系 正義 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (72)発明者 木瀬 若桜 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (72)発明者 野村 博盛 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 三菱電機エンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−122433(JP,A) 特開 平9−72965(JP,A) 特開 平1−321393(JP,A) 特開 平10−288674(JP,A) 特開 平8−50181(JP,A) 特開 平5−307080(JP,A) 特開 平7−110379(JP,A) 特開 平7−110378(JP,) 特開 平10−268065(JP,A) 特開 平7−43463(JP,A) 特許2774293(JP,B2) 特許3229566(JP,B2) 木瀬若桜、系正義、野本弘平、小菅義 夫,“複数のセンサデータによる事例検 索を用いた発雷予測方式”,電子情報通 信学会技術研究報告,日本,社団法人電 子情報通信学会,1998年 9月18日,第 98巻、第278号,p.1−7 木瀬若桜、系正義、野本弘平、小菅義 夫,“複数のセンサを用いた発雷事例検 索方式の検討”,1998年電子情報通信学 会通信ソサイエティ大会講演論文集1, 日本,社団法人電子情報通信学会,1998 年 9月 7日,TB−2−5,p. 609 黒沢公雄、青山孝広、滝谷克幸,“オ ンライン気象情報と落雷位置標定システ ムデータを用いた雷予測システムの開 発”,電気学会論文誌B,日本,社団法 人電気学会,1996年 3月20日,第116 −B巻、第4号,p.424−430 浜田敦、川崎憲介、鎌野琢也、安野 卓、鈴木茂行,”ファジィ推論を用いた 簡易雷移動予測システム”,電気学会論 文誌B,日本,社団法人電気学会,1996 年 3月20日,第116−B巻、第4号, p.403−409 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01W 1/00 - 1/18 G01S 13/00 - 13/95 JICSTファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気象観測手段の観測データから雷雲域を
    判定する領域判定部と、この領域判定部により判定され
    上記雷雲域の領域判定データにより上記雷雲域の移動
    位置を予測する移動予測部と、上記領域判定部の上記雷
    雲域の領域判定データから上記雷雲域の盛衰パターンを
    生成する盛衰パターン生成部と、その盛衰パターンを外
    挿処理して上記雷雲域の消滅時点を予測する消滅予測部
    、上記領域判定部により判定された現在の雷雲域の表
    示画像と併せて上記移動予測部の予測結果である上記雷
    雲域の移動軌跡を上記消滅予測部により予測された上記
    消滅時点まで表示し、上記消滅時点以降の上記雷雲域の
    移動軌跡を非表示とする表示処理部とを備えたことを特
    徴とする雷雲観測システム。
  2. 【請求項2】 気象観測手段の観測データから雷雲域を
    判定する領域判定部と、この領域判定部により判定され
    た上記雷雲域の領域判定データにより上記雷雲域の移動
    位置を予測する移動予測部と、上記領域判定部の上記雷
    雲域の領域判定データから上記雷雲域の盛衰パターンを
    生成する盛衰パターン生成部と、過去の雷雲域の盛衰パ
    ターンをデータベースに登録し、このデータベースの中
    から上記盛衰パターン生成部により生成された雷雲域の
    盛衰パターンと類似する盛衰パターンを抽出し、この抽
    出された過去の盛衰パターンに基づいて上記盛衰パター
    ン生成部により生成された雷雲域の消滅時点及びその消
    滅時点までの消滅確率を予測する消滅予測部と、上記領
    域判定部により判定された現在の雷雲域の表示画像、上
    記移動予測部の予測結果である上記雷雲域の移動軌跡、
    及び上記消滅予測部により予測された上記雷雲域の消滅
    確率をそれぞれ表示する表示処理部とを備えたことを特
    徴とする雷雲観測システム。
  3. 【請求項3】 上記表示処理部は、上記雷雲域周辺の地
    図情報を表示すると共に、その地図情報に基づいて変更
    した上記雷雲域の消滅確率を表示することを特徴とする
    請求項2に記載の雷雲観測システム。
  4. 【請求項4】 気象観測手段の観測データから雷雲域を
    判定する領域判定部と、この領域判定部により判定され
    た上記雷雲域の領域判定データにより上記雷雲域の盛衰
    パターンを生成する盛衰パターン生成部と、この盛衰パ
    ターン生成部の上記雷雲域の盛衰データが入力され、上
    記雷雲域の盛衰状態に応じて追尾手段 又は追尾手段の演
    算条件を選択する追尾手段選択部と、この追尾選択部に
    より選択された追尾手段又は追尾手段の演算条件を用い
    て上記領域判定部により判定された上記雷雲域の追尾処
    理を行なう追尾処理部と、この追尾処理部の追尾結果か
    ら上記雷雲域の移動位置を予測する移動予測部とを備え
    たことを特徴とする雷雲観測システム。
  5. 【請求項5】 上記追尾手段は、kalmanフィルタ
    であることを特徴とする請求項4に記載の雷雲観測シス
    テム。
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