JP3446465B2 - 燃料電池発電装置の原燃料流量制御装置 - Google Patents

燃料電池発電装置の原燃料流量制御装置

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JP3446465B2 JP07862296A JP7862296A JP3446465B2 JP 3446465 B2 JP3446465 B2 JP 3446465B2 JP 07862296 A JP07862296 A JP 07862296A JP 7862296 A JP7862296 A JP 7862296A JP 3446465 B2 JP3446465 B2 JP 3446465B2
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    • Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃料電池発電装
置における燃料改質装置への原燃料流量の制御装置に関
する。
【０００２】
【従来の技術】図５は燃料電池発電装置の従来の原燃料
流量制御装置を簡略化して示すシステム構成図である。
図において、燃料改質装置３は天然ガスなどの原燃料と
改質スチームとの混合ガスを水蒸気改質により水素リッ
チな燃料ガスに改質して燃料電池４に供給する。燃料電
池４はその燃料極に供給される燃料ガスと空気極に供給
される反応空気との電気化学反応に基づく発電により直
流電流を出力する。このように構成された燃料電池発電
装置の原燃料流量制御装置は、原燃料供給系８に設けた
流量計１および制御バルブ２と、燃料電池４の出力側に
設けた電流検出器５と、電流検出器５で検出した燃料電
池出力電流ＩD に相応した原燃料の流量設定値ＱS を演
算して出力する流量演算部７と、流量計で検出した原燃
料流量ＱFが原燃料の流量設定値ＱS に追従するよう制
御バルブ２の開度を制御するバルブ制御部６とで構成さ
れ、燃料電池４の出力電流ＩD に追従して原燃料の供給
量Ｑ F を制御するよう構成される。
【０００３】ところで、燃料電池４の出力電流ＩD の制
御は外部負荷指令により図示しない電力変換器を制御す
る方式が用いられるが、外部負荷指令により出力電流Ｉ
D の急増が指令された場合、燃料電池１は遅滞なく出力
電流ＩD を急増しようとするのに対し、物質の移動およ
び化学反応を伴う燃料改質装置３の応答が遅いために燃
料ガスの供給に遅れが生じ、燃料電池４に過渡的に燃料
ガスの不足状態（ガス欠状態）が発生する。また、この
状態で燃料電池を運転した場合には、電極触媒粒子が粗
大化するなどの劣化現象が発生し、これが原因で燃料電
池の発電性能および寿命特性の低下を招くという問題が
発生する。
【０００４】このような劣化現象を防ぐために、従来の
原燃料流量制御装置では流量演算部７に一次式を用い、
原燃料の流量設定値ＱS を燃料電池出力電流ＩD の変化
に即応して変化させることにより、燃料電池出力電流Ｉ
D の急増に追従して原燃料流量ＱF が変化するよう構成
されている。また、燃料電池出力電流ＩD が急増したと
きに燃料ガスが不足しないように原燃料流量設定値ＱS
を予め増加しておく補正を加えたり、燃料電池出力電流
ＩD を素早く低下させる手段を設けたりする提案が本願
と同一出願人等により提案されている（特願平６−９９
３９７号参照）。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】図６は図５に示す従来
の原燃料流量制御装置における出力電流急減時の動作を
模式化して示す特性線図である。図において、燃料電池
出力電流ＩD がＡレベルからＢレベルに急減すると、こ
れに比例して流量演算部７が出力する原燃料の流量設定
値ＱS も急減し、この変化を検知したバルブ制御部６は
流量計の検出流量ＱF が原燃料の流量設定値ＱS に追従
するよう制御バルブ２の開度を制御する指令を発する。
ところが、制御バルブ２の動作が流量設定値ＱS の急減
に追従できないために、原燃料流量ＱF にアンダーシュ
ートが発生し、これが原因で燃料電池４に過渡的にガス
欠状態が生ずるため、電極触媒粒子が粗大化するなどの
劣化現象や、燃料電池の寿命特性の低下を完全には回避
できないという、従来技術では気付かない問題点がある
ことが判明した。
【０００６】この発明の課題は、燃料電池出力電流の急
減時における原燃料流量のアンダーシュートを防ぎ、ガ
ス欠状態の発生を回避できる原燃料流量制御装置を提供
することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項１に記載の発明は、原燃料の供給系から供
給される原燃料を水素リッチな燃料ガスに改質する燃料
改質装置、および前記燃料ガスを受けて発電する燃料電
池を有する燃料電池発電装置の前記原燃料の供給系に設
けた流量計および制御バルブと、前記燃料電池の出力側
に設けた電流検出器と、この電流検出器の検出値に相応
した前記原燃料の流量設定値を演算して出力する流量演
算部と、前記流量計の検出流量が前記原燃料の流量設定
値に一致するよう前記制御バルブの開度を制御するバル
ブ制御部とからなり、前記燃料電池の出力電流に応じて
前記原燃料の供給量を制御する原燃料流量制御装置にお
いて、前記流量演算部の出力流量設定値の増減を判別し
て、流量設定値の急減時にはその減少速度を緩和した補
正流量設定値を出力し、前記流量設定値の増加時には減
速しない流量設定値をそのまま出力する変化速度制限手
段を備える。
【０００８】ここで、請求項２に記載の発明は、請求項
１に記載の燃料電池発電装置の原燃料流量制御装置にお
いて、変化速度制限手段を流量設定値の増加または減少
を判別する増減判別部と、この増減判別部が流量設定値
の急増を検知したとき動作して減速しない流量設定値を
そのまま出力する流量増加設定値の出力部と、前記増減
判別部が流量設定値の急減を検知したとき動作して減少
速度を緩和した補正流量設定値を出力する減少速度低減
部とを備えるよう構成すると好便である。
【０００９】請求項１に記載の発明では、変化速度制限
手段が流量演算部の出力流量設定値の急減時に、その減
少速度を緩和した補正流量設定値を出力するので、例え
ばその減少速度を制御弁動作が追従できる程度に緩和す
ることにより、原燃料流量のアンダーシュートを防止す
ることが可能になり、原燃料流量のアンダーシュートが
原因で燃料電池に発生するガス欠状態が回避される。ま
た、流量設定値の増加時には変化速度制限手段が減速し
ない流量設定値をそのまま出力するので、原燃料流量を
流量設定値に比例して急増させることが可能となり、ガ
ス欠を防止する作用が得られる。
【００１０】ここで請求項２に記載の発明では、増減判
別部が流量設定値の急増を検知したとき、流量増加設定
値の出力部が動作して減速しない流量設定値をそのまま
出力し、増減判別部が流量設定値の急減を検知したとき
減少速度低減部が動作して減少速度を緩和した補正流量
設定値を出力するので、原燃料流量のアンダーシュート
を防止する作用と、原燃料流量を流量設定値に追従して
急増させる作用とが容易に得られる。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下この発明を実施例に基づいて
説明する。なお、従来例と同じ参照符号を付けた部材は
従来例のそれと同じ機能をもつので、その説明を省略す
る。図１は請求項１に記載の発明の一実施例を示す燃料
電池発電装置の原燃料流量制御装置の簡略化したシステ
ム構成図である。図において、原燃料流量制御装置は電
流検出器５で検出した燃料電池出力電流ＩD に相応した
原燃料の流量設定値ＱS を演算して出力する流量演算部
７の出力側に変化速度制限手段１０を備え、流量設定値
ＱS の急減時にはその減少速度を緩和した補正流量設定
値ＱStを出力し、流量設定値ＱS の増加時には減速しな
い流量設定値ＱS をそのまま出力する。したがって、例
えば補正流量設定値ＱStの減少速度を制御弁２の動作が
追従できる程度に緩和しておくことにより、従来技術で
問題になった原燃料流量ＱF のアンダーシュートを防止
することが可能になり、原燃料流量のアンダーシュート
が原因で燃料電池４に発生するガス欠状態が回避され
る。また、流量設定値ＱS の増加時には変化速度制限手
段１０が減速しない流量設定値ＱS をそのまま出力する
ので、原燃料流量ＱF を流量設定値ＱS および燃料電池
出力電流ＩD の変化に比例して急増させる制御弁２の開
度制御が可能となり、出力電流急増時におけるガス欠状
態をも防止することが可能になる。
【００１２】図２は請求項２に記載の発明の一実施例を
示す変化速度制限手段の簡略化した構成図である。図に
おいて、変化速度制限手段は、流量演算部７が出力する
流量設定値ＱS の増加または減少を判別する増減判別部
１１と、この増減判別部１１が流量設定値の急増を検知
して出力する信号により動作して減速しない流量設定値
ＱS をそのまま出力する流量増加設定値の出力部１２
と、増減判別部１１が流量設定値の急減を検知して出力
する信号により動作して減少速度を緩和した補正流量設
定値ＱStを出力する減少速度低減部１３とで構成され
る。
【００１３】図３は図２に示す実施例における減少速度
低減部の動作を模式化して示す特性線図である。図にお
いて、流量演算部７が燃料電池出力電流ＩD の急減を検
知してＱSAからＱSBに急減する流量設定値ＱS(A-B)を出
力したと仮定する。このとき減少速度低減部１３は流量
設定値ＱS(A-B)を制御弁２の追従可能速度によって決ま
る緩和時間ＴD で除した減少速度で低下する補正流量設
定値ＱStを出力する。これを受けたバルブ制御部６は流
量計で検出した原燃料流量ＱF が原燃料の補正流量設定
値ＱStに追従するよう制御バルブ２の開度を制御するの
で、原燃料流量ＱF のアンダーシュートは排除され、こ
れに起因する燃料電池４のガス欠状態が回避され、電極
触媒粒子が粗大化するなどの劣化現象の発生や、燃料電
池の寿命特性の低下などの悪影響が排除される。
【００１４】図４は請求項２に記載の発明の異なる実施
例を示す流れ図であり、変化速度制限手段が演算処理回
路として構成された場合を例に示してある。図におい
て、ステップ２１で流量演算部７が出力する流量設定値
ＱS が流量の急減を指示していない場合、ステップ２２
により流量設定値ＱS と等しい減速しない補正流量設定
値ＱStが出力される。流量設定値ＱS が流量の急減を指
示した場合、ステップ２３でタイマーがカウントを開始
し、ステップ２５で減少速度ＱS(A-B)／ＴD で減少する
補正流量設定値ＱStが出力され、ＱSt≧ＱSB、またはタ
イマー≦ＴD なる条件に到達するまで補正流量設定値Ｑ
Stが更新される。
【００１５】
【発明の効果】この発明は前述のように、原燃料の流量
演算部が出力する流量設定値が急減したとき、その減少
速度を緩和して出力する変化速度制限手段を設けるよう
構成した。その結果、従来の原燃料流量制御装置で問題
になった原燃料流量のアンダーシュートが排除され、こ
のアンダーシュートに起因して燃料電池に発生するガス
欠状態が回避されるので、ガス欠状態に起因して燃料電
池に生ずる発電性能や寿命特性の低下を排除できる原燃
料流量制御装置を備えた燃料電池発電装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】請求項１に記載の発明の一実施例を示す燃料電
池発電装置の原燃料流量制御装置の簡略化したシステム
構成図
【図２】請求項２に記載の発明の一実施例を示す変化速
度制限手段の構成図
【図３】図２に示す実施例における減少速度低減部の動
作を模式化して示す特性線図
【図４】請求項２に記載の発明の異なる実施例を示す流
れ図
【図５】燃料電池発電装置の従来の原燃料流量制御装置
を簡略化して示すシステム構成図
【図６】図５に示す従来の原燃料流量制御装置における
出力電流急減時の動作を模式化して示す特性線図
【符号の説明】
１・・・流量計、２・・・制御バルブ、３・・・燃料改
質装置、４・・・燃料電池、５・・・電流検出器、６・
・・バルブ制御部、７・・・流量演算部、８・・・原燃
料供給系、１０・・・変化速度制限手段、１１・・・増
減判断部、１２・・・流量増加設定値の出力部、１３・
・・減少速度低減部、ＱS ・・・流量設定値、ＱF ・・
・原燃料流量（実際値）、ＱSt・・・補正流量設定値、
ＩD ・・・燃料電池出力電流、ＴD ・・・緩和時間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) H01M 8/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】原燃料の供給系から供給される原燃料を水
    素リッチな燃料ガスに改質する燃料改質装置、および前
    記燃料ガスを受けて発電する燃料電池を有する燃料電池
    発電装置の前記原燃料の供給系に設けた流量計および制
    御バルブと、前記燃料電池の出力側に設けた電流検出器
    と、この電流検出器の検出値に相応した前記原燃料の流
    量設定値を演算して出力する流量演算部と、前記流量計
    の検出流量が前記原燃料の流量設定値に一致するよう前
    記制御バルブの開度を制御するバルブ制御部とからな
    り、前記燃料電池の出力電流に応じて前記原燃料の供給
    量を制御する原燃料流量制御装置において、前記流量演
    算部の出力流量設定値の増減を判別して、流量設定値の
    急減時にはその減少速度を緩和した補正流量設定値を出
    力し、前記流量設定値の増加時には減速しない流量設定
    値をそのまま出力する変化速度制限手段を備えたことを
    特徴とする燃料電池発電装置の原燃料流量制御装置。
  2. 【請求項２】請求項１に記載の燃料電池発電装置の原燃
    料流量制御装置において、変化速度制限手段が流量設定
    値の増加または減少を判別する増減判別部と、この増減
    判別部が流量設定値の増加を検知したとき動作して減速
    しない流量設定値をそのまま出力する流量増加設定値の
    出力部と、前記増減判別部が流量設定値の急減を検知し
    たとき動作して減少速度を緩和した補正流量設定値を出
    力する減少速度低減部とを備えたことを特徴とする燃料
    電池発電装置の原燃料流量制御装置。
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