JP3444560B2 - 好気性硝化脱窒素方法 - Google Patents

好気性硝化脱窒素方法

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JP3444560B2 JP25609894A JP25609894A JP3444560B2 JP 3444560 B2 JP3444560 B2 JP 3444560B2 JP 25609894 A JP25609894 A JP 25609894A JP 25609894 A JP25609894 A JP 25609894A JP 3444560 B2 JP3444560 B2 JP 3444560B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、汚水及び/又は汚泥の
好気性硝化脱窒素方法に係り、特に還元型硫黄及び/又
は低級脂肪酸などの有機物を多量に含む各種の汚水や汚
泥から水素を生産し、発酵消化液に溶存しているアンモ
ニアを窒素ガスとして除去する方法に関する。また、本
発明は、発生源対策技術として、地下水及びダム貯水
池、内湾、内海などの閉鎖水域の富栄養化を著しく改善
する方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】河川、海域などの水域、水系は、人間生
活、生産活動、家畜の飼育、食品加工などの飛躍的増大
・拡大により、わが国では昭和45年頃から窒素、リン
に基因する富栄養化が顕在化し、微細藻類の異常増殖に
よる異質の水質汚染が著しく進行し、人類の健康、生存
に支障を来している。また、ここ数年来、我々の生活に
身近な土壌、地下水及び多目的ダム等(上水の取水源、
水力発電用、農業用水用及び景勝・景観を楽しむ湖沼な
ど)も廃水起源の窒素、リンによる富栄養化が進み、既
に限界に達している。この水系、水域、貯水池の富栄養
化を根本的に解決するために、例えば水素生産菌と水素
資化性細菌の共働作用による窒素の除去、化学的方法に
よるリンの除去技術が研究開発されつつあり、窒素(硝
酸塩)の除去に関しては評価に値する成果を上げてい
る。しかしながら、その全ての技術は、希釈された水中
の窒素の除去に限定されており、高度の富栄養化ポテン
シアルを持っている底泥の有効利用、処理・処分に関し
ては言及されていないため、これらの処理技術が成功し
たとしても、単なる対症療法的な効果しか持たない。水
質汚染を抜本的に解消するためには、発生源対策が最も
効果があり、経済効果も顕著であることは万人が認める
事実である。
【0003】このような観点から、昭和40年代から発
生源対策としての生物学的硝化脱窒素法が研究開発、商
品化され、主として窒素、リン負荷が極めて大きいし尿
処理場に適用され、十分に評価に耐える具体的な効果を
上げている。現時点(1994)で全国にし尿処理場が
概算で1,260箇所あり、昭和50年に広島市でわが
国の1号機が稼働を始めてから生物学的硝化脱窒素法を
採用しているし尿処理場は既に約30%(約400箇
所)に達している。また、建設省管轄の下水処理場は現
時点で約750箇所の多きに達し、その内、約30箇所
が前記の硝化脱窒素法、一部には硝化脱窒素・脱リン法
が採用されている。従来の生物学的硝化脱窒素法には、
次に示すような技術的問題があり、発生源対策技術とし
ての改善が要求されている。即ち、 エネルギー獲得源として貴重な資源である有機性汚
水や汚泥、例えばし尿等が、脱窒素菌の水素供与体とし
て使用されるために、濃厚な有機物からエネルギーを回
収することが出来ない。 生物学的脱窒素法はプロセス内で生理特性、機能が
異質の硝化菌、脱窒素菌を遅退なく増殖させ、機能を発
揮させる必要があるために、プロセス構成が複雑であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記した
技術の基本的、根本的な欠陥を改善し、汚濁源としての
し尿、その他の廃水から窒素を完全に除去し、上水取水
源の富栄養化を防止することができる好気性硝化脱窒素
方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明の他
栄養性水素生産菌及び好気性の他栄養性硝化脱窒素菌の
それぞれの機能を合理的に組み合わせた方法により達成
できる。即ち、本発明は、汚水及び/又は汚泥を次の
(a)〜()の工程で順次処理することを特徴とする
好気性硝化脱窒素方法としたものである。 (a)水素生産菌により水素を生成するとともに、硫酸
塩還元菌により還元性硫化物を生成する水素発酵工程、 (b)水素発酵工程の発酵消化液及び/又は前記水素発
酵工程で発生したガスを水洗した還元性硫化物を含有す
る水洗廃液を導入した発酵消化液を、該発酵消化液に含
まれるアンモニアを好気性条件下で他栄養性硝化脱窒素
細菌により完全硝化するとともに、前記発酵消化液に含
まれる還元性硫化物及び/又は低級脂肪酸を水素供与体
として、生成した硝酸性窒素を脱窒素する好気性硝化脱
窒素工程 また、本願発明の好気性硝化脱窒素方法にお
いて、さらに、好気性硝化脱窒素工程からの処理水に、
水素発酵工程で発生した水洗した後のガスを導入し、気
体攪拌を行うとともに該ガス中に含まれる水素を水素供
与体として窒素化合物を更に完全脱窒素する水素還元工
で処理することができる。上記において、処理対象が
汚泥の場合、水素発酵工程の後に、固液分離工程を設け
てもよい。
【0006】本発明の水素発酵工程では、基本的に通常
の野性的に生息している他栄養性水素生産菌の機能を有
効に利用して、汚水や汚泥に含まれる炭水化物、蛋白
質、脂肪及び/又は低級脂肪酸などの有機物を分解する
ものである。この分解反応の過程で、即ち、有機物代謝
の過程で菌体内に生じた余剰電子は、炭酸ガスと共に水
素ガスとして菌対外に放出される。また、し尿中、或い
は下水汚泥などには水素生産菌だけでなく、各種の嫌気
性細菌主体の混合培養系が構成されている。本発明と直
接関連する重要な、その存在を無視し得ない細菌にメタ
ン菌があり、他栄養性水素生産菌の培養条件によって
は、混合培養系でメタン菌が優占種となり、本発明が本
来の目的とする水素生産が阻害される恐れがある。
【0007】然し、このメタン菌と水素生産菌とでは、
自然環境の中でそれぞれ生活し、かつ増殖するに必要な
最適条件に可成りの格差があることが実験的に実証・確
認されており、この条件の差を人為的に制御することに
より、本発明の目的とする水素生産菌を混合培養系の中
で常に優占種として増殖せしめることが出来る。最も簡
単な方法としては、水素生産菌の増殖速度がメタン菌の
増殖速度に対しては可成り大きいことを利用し、水素生
産菌培養槽の容積をメタン菌が洗流される範囲、大凡、
培養日数が5日以下程度の容積とすることにより、水素
生産菌を容易に優占種とすることが出来る(メタン菌は
至適pH7.8で、比増殖速度μ=0.3〜0.5da
-1、水素生産菌は至適pH5.5〜5.8で、比増殖
速度μ=5〜15day-1)。
【0008】さらに確実な方法としては、本発明者が先
に出願した特願平5−195329号に詳細に記述して
ある方法が適用できる。即ち、両菌種の間には増殖する
に適した酸化還元電位には下記するように相当の格差が
ある。 メタン菌 : −350〜−450mV 水素生産菌 : −100〜−200mV 従って、連続培養系で、この酸化還元電位の約−250
mVの格差を常時安定して維持するために、水素生産菌
培養槽内の培養液を緩慢曝気して微嫌気の雰囲気に維持
することにより、目的とする水素生産菌を常に優占種と
することが出来る。通常、濃厚な有機性廃水、有機性廃
棄物に自然発生的に増殖してくるメタン菌及び水素生産
菌(他栄養性)は次の種属であることが知られている。
【0009】主要なメタン菌 メタノコッカス(Methanococcus) メタノザルシナ(Methanosarcina) メタノスリックス(Methanothrix) メタノブレビバクター(Methanobrevibacter) メタノスピリウム(Methanospirillum) 主要な水素生産菌 クロストリジウム(Clostridium) エンテロバクター(Enterobacter) ルミノコッカス(Ruminococcus) ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)
【0010】また、微嫌気水素発酵法では、メタン発酵
に優先して水素発酵が進行する結果として、水素発酵槽
の液相において水素平衡濃度が上昇し、当然、閉鎖系
(密封式)の発酵槽気相部の水素分圧が上昇する。水素
生産菌による有機性廃棄物の水素発酵は、その生物反応
の標準自由エネルギーが正の値となる吸エルゴン反応で
あり、本来的に生物反応は正の方向に進みにくい。従っ
て、し尿の水素発酵を遅退なく進行させるために、水素
発酵槽を必要により−300〜−4000mmAqの減
圧条件とし、槽内溶液を減圧発酵することにより、液相
中の水素の平衡濃度及び気相中の水素分圧を強制的に低
減し、水素発酵が実質的に発エルゴン反応として進行さ
せるのがよい。また、水素発酵を順調に進行させるため
の方法として、水素発酵の発生ガスをガス分離膜を通過
させることにより炭酸ガスと水素ガスとに分離し、微生
物に対して有害な水素ガスを生物反応系外に強制的に取
出し、前記の障害を解消する方法を採用することもでき
る。
【0011】以上から容易に理解できるように、本発明
における最重要な必須の条件は、発酵槽内容液を緩慢曝
気することにより槽内溶液を絶対嫌気的環境から微嫌気
環境に変換せしめ、即ち、内溶液の酸化還元電位を−1
00〜−200mVの範囲となるように調整し、水素生
産菌が生活し、増殖するのに最適な条件を付与すること
である。さらに、生物反応系内から強制的に水素ガスを
引抜き、吸エルゴン反応を発エルゴン反応に人為的に転
換することである。この両条件の人為的な設定により、
汚水や汚泥の水素発酵は順調に進行し、次の工程で使用
するに十分な水素を確保することが出来る。
【0012】このような水素発酵の過程において、野性
的に生息している硫酸塩還元細菌により硫酸塩が生物的
に還元される。本発明は、また水素発酵過程で生じた還
元型硫黄を多量に含む発酵消化液、及び有機物の分解の
過程で生産される酢酸、酪酸、プロピオン酸或いは乳酸
などの低級脂肪酸を含む発酵消化液を処理する過程にお
いて、還元型硫黄、低級脂肪酸及び/又は発生ガス中に
含まれている硫化水素を水素供与体として、自然発生的
に増殖してくる好気性の他栄養性硝化脱窒素菌の機能に
より、発酵消化液中の高濃度のアンモニア性窒素を硝
化、脱窒素する工程を有することである。し尿や下水汚
泥等の野性的に棲息している硫酸塩還元細菌について
は、一般に、下記に示す細菌類の存在が公知となってお
り、低級脂肪酸をエネルギー源として硫酸塩を還元して
いる。
【0013】硫酸塩還元細菌 デスルホビブリオ(Desulfovibrio)属 デスルホバクター(Desulfobacter)属 デスルホコッカス(Desulfococcus)属 デスルホザルシナ(Desulfosarcina) 属 デスルホネマ(Desulfonema)属 デスルホクルム(Desulfomaculum) 属
【0014】 硫酸塩の生物還元(エネルギー源) 乳酸 2CH3 (CH)(OH)COO- +SO4 2- =2CH3 COO- +2CO2 +S2-+2H2 O プロピオン酸 4CH3 CH2 COO- +3SO4 2- =4CH3 COO- +4HCO3 - +3HS- +H+ 酢酸 CH3 COO- +SO4 2- =2CO2 +HS- +2OH-
【0015】また、アンモニアの硝化脱窒素工程で主役
を演じている好気性の他栄養性硝化脱窒素菌は硝酸塩及
び/又は亜硝酸塩(以下NOxと略記する)に対応する
還元型硫黄と低級脂肪酸が水素供与体として当量以上存
在すれば、液中の空気飽和率が25〜95%の広い範囲
でアンモニアの硝化と同時に脱窒素反応によりNOxを
還元し、窒素ガスとして大気中に放散することが出来
る。この好気性条件下での他栄養性硝化脱窒素の代謝経
路は、現時点において必ずしも明確にされていないが、
次に示すような代謝経路を経て硝化、脱窒素を行なうも
のと考えられている。
【0016】予測される代謝経路
【化1】
【0017】NOx還元に必要な水素供与体のうち、低
級脂肪酸を水素供与体とした脱窒素反応は通常の生物学
的脱窒素反応と同様であるが、還元型硫黄を水素供与体
とする脱窒素反応は次の生物反応式に従うものと考えら
れている。 還元型硫黄を水素供与体とする脱窒素反応 0.42H2 S+0.421HS- +0.346CO2
+0.0856HCO3 - +0.0856NH4 +
0.0856C5 7 2 N+0.5N2 +0.842
SO4 2-+0.413H2 O+0.262H+ (注)C5 7 2 N;他栄養性硝化脱窒素菌の菌体分
子式
【0018】なお本発明の実施例で示すし尿を対象とし
た水素生産と、発酵消化液の硝化脱窒素実験において、
特定の条件で優占種として増殖してきた他栄養性硝化脱
窒素菌は、チオスファエラ パントトロファ(Thiospha
era pantotropha)であることが確認された。本発明の第
三の特徴は、第一工程の水素発酵槽から発生したガス、
即ち硫化水素、水素、炭酸ガスの混合ガスのうち、硫化
水素は第二の工程での水素供与体として使用し、クリー
ン・エネルギーとして精製された水素及び炭酸ガスの一
部を第三の工程である水素還元槽に導入し、他栄養性硝
化脱窒素菌の水素供与体及び炭酸源として供給すること
により、残留した硝酸塩及び/又は亜硝酸塩を完全に脱
窒素し、大気中に放散せしめることである。
【0019】純粋の水素を水素供与体とした場合の生物
学的脱窒素反応は次に示す通りである。 硝酸塩(吸収) 2NO3 - +5(H2 )=N2 +2OH- +4H2 O 亜硝酸塩(吸収) 2NO2 - +3(H2 )=N2 +2OH- +2H2 O 本発明では、第二工程において、発酵消化液中に必ずし
も硝酸塩量に対応した液中の還元型硫黄、低級脂肪酸及
び硫化水素を、化学量論的に過不足なく供給することは
操作上困難が伴うことも考えられ、また、廃水の種類に
よってはNOx量に対して前記の水素供与体量が過剰に
存在しているとは限らない。
【0020】この技術上の問題点を、本発明では水素発
酵槽で発生した多量の水素の一部を分割、使用すること
により、安全側で解決していると同時に、当然、なお過
剰の水素はクリーン・エネルギーとして有効に利用する
ことが出来る。また、発生した水素を、好気性硝化脱窒
素槽に水素供与体として供給すると、酸素と水素が混在
することになり、混合ガスの水素の含有率が空気に対し
て4%以上に達すると爆発を誘引する恐れがある。本発
明は、この問題点を、最終工程におけるNOx除去の仕
上げを目的とする水素接触槽に供給することにより完全
に解決している。以上が、本発明の課題、目的を解決す
るための手段、方法であり、此等により本発明の目的で
ある硫化物及びアンモニアを含む廃水から水素エネルギ
ーの生産とNOxの除去が完全に達成される。
【0021】
【作用】次に、本発明の優れた機能及び作用効果を図1
を用いて以下に詳細に説明する。但し、本発明の実施態
様は以下の説明によって制限されるものではない。ま
た、本発明の機能、作用効果を説明するにあたり、現
在、通常の生物学的硝化脱窒素法が最も多用しているし
尿処理場を想定し、し尿を基質として選定したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、硫化物及びアンモ
ニアを濃厚に含む有機性廃水や有機性汚泥等にも適用さ
れる。従来の生物学的硝化脱窒素法は、硝酸塩の還元に
必要とされる水素供与体をし尿自身に依存しているため
に、エネルギー生産の高度のポテンシアルを内在してい
る有価な資源のし尿は脱窒素の目的のために浪費され
る。
【0022】本発明は、この有価な資源を浪費すること
無く、まず、水素生産菌によりクリーン・エネルギーで
ある水素を取出し、脱窒素の水素供与体としてし尿及び
/又はその発酵消化液に含まれている還元型硫黄、各種
の低級脂肪酸、さらに発生ガス中の硫化水素を水素供与
体として、NOxを還元除去する機能を有する好気性の
他栄養性硝化脱窒素菌を、特定の培養条件で優占種とし
て増殖せしめることにより、し尿からエネルギー生産と
脱窒素の目的を同時に達成することが可能であることに
着目した新規の生物学的硝化脱窒素プロセスである。
【0023】図1において、まず、含硫・含アンモニア
廃水1としてし尿を用いた場合を説明する。し尿1を無
希釈のまま連続的及び/又は間歇的に水素発酵槽2に移
送する。この水素発酵槽2でし尿の有機物を分解する
が、水素生産の主役を演じるのは、し尿及び/又は土壌
中に極く一般的に棲息している下記の細菌類であり、此
等を土壌から分離した単一菌或いは混合培養系を増量培
養して槽2に適量接種してもよいし、或いはまた、微生
物のバンキング機関から分与を受けて使用してもよい。
し尿中にも野性的に棲息している水素生産菌を、特定の
条件で優占種として増殖せしめ、これを使用してもよ
い。 クロストリジウム(Clostridium)属 エンテロバクター(Enterobacter) 属 ルミノコッカス(Ruminococcus) 属 ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属
【0024】此等の水素生産菌はし尿(有機物)を、下
記の条件で低級脂肪酸と水素及び炭酸ガスとに分解す
る。 至適pH : 5.5〜5.8 至適温度 : 25〜30℃ 発酵日数 : 5〜7日 比増殖速度 : 5〜15日-1 (C6 105 )n → 4C6 126 →3CH3 (CH2 2 COOH+2CH3 COOH +8H2 +8CO2 (1) 3CH3 (CH2 2 COO- +6H2 O=6CH3 COO- +3H+ +6H2 (2) 2CH3 COO- +4H2 O=10H+ +2H2 +4CO2 (3)
【0025】一応、基本的には式(1)の反応が主反応
であり、し尿の微生物分解により多量の低級脂肪酸(主
として酪酸、酢酸)と等モルの水素と炭酸ガスが生成さ
れる。前記したように、水素生産菌による水素生成反応
は吸エルゴン反応であり、低級脂肪酸が可成り蓄積した
段階で動的平衡に達し、それ以上の水素生成反応が進行
しない。従って、従来法での水素発酵では有機物中の水
素原子の水素ガスへの転換効率が低く、経済性に問題が
ある。従って、本発明では、可能な範囲で有機物中の水
素転換率を向上するために、微嫌気水素発酵法を採用す
ることが良い。即ち、生物反応系から水素を強制的に系
外に除去する(減圧発酵)と同時に、槽2の内溶液の酸
化還元電位を人為的に−100〜−200mVに設定す
ることにより、水素ガスの発生を70〜80%程度にま
で高めることができる。
【0026】し尿1は可成り地域特異性があり、その理
化学的性状には可成りの幅があるが、硫酸イオンは通常
500〜600mg/l、含硫蛋白質由来の硫黄イオン
が100〜200mg/l含まれている。この内、硫酸
イオンは水素発酵槽2で他栄養性水素生産菌による水素
発酵の過程で、硫酸塩還元細菌により殆ど100%硫黄
イオンに還元され、発酵消化液3及び/又は発生ガス8
中に硫化水素として存在している。また、含硫蛋白質中
の硫黄分もほぼ同様の挙動をとり発酵消化液か、或いは
発生ガス中に分配される。水素発酵を終えた発酵消化液
3は、次の生物処理工程である好気性硝化脱窒素槽4に
導入される。この槽4には、発酵消化液3中に含まれて
いる還元型硫黄が当然含まれており、また、発生ガス8
を水洗脱硫9した硫化水素水10が導入され、発酵消化
液中の還元型硫黄の濃度は概略250〜350mg/l
程度となる。
【0027】また、発酵消化液3には有機物を基質とし
た水素発酵により、各種の低級脂肪酸が約1500〜2
000mg/lの範囲で含まれており、この両者が好気
性の他栄養性硝化脱窒素菌による硝酸塩還元の水素供与
体として該菌に利用される。し尿1の水素発酵の結果と
して発酵消化液に含まれるアンモニア性窒素は、これも
地域差が大きいが、概略1500〜2000mg/lの
範囲で変動する。このNH4 −Nが他栄養性硝化脱窒素
菌により100%硝化されると仮定して、発酵消化液中
の還元型硫黄で還元されるNO3 −Nは、次の化学量論
的関係から約200mg/lであり、また、発酵消化液
3に含まれる低級脂肪酸を酢酸で代表させると、低級脂
肪酸によるNO3 −Nの除去濃度は約800mg/lで
あり、発酵消化液3に含まれている全NO3 −Nを完全
に還元するには水素供与体の量が不足することになる。
NO3 −Nについてもやはり不足する。 kg・NO3 −N/kg・S2-≒0.52 kg・NO3 −N/kg・CH3 COOH≒0.37
【0028】好気性硝化脱窒素槽4で他栄養性硝化脱窒
素菌を優占種として増殖させるための培養条件の一つ
は、発生ガス8中の硫化水素10を含めて還元型硫黄を
出来るだけ高濃度に与えることであり、さらに、もう一
つの必須条件として好気性硝化脱窒素槽4に供給する空
気量を意識的に制限することである。好気性硝化脱窒素
槽4に供給する空気量14は、槽4内の混合培養系が定
常状態に達した時点において、培養液の溶存酸素が5m
g/l以下、好ましくは2.0mg/lを越えない範囲
となるように調整することであり、このような操作を行
なうことにより他栄養性好気性硝化脱窒素菌であるチオ
スファエラ パントトロファ(Thiosphaera pantotroph
a)を優占種とする混合培養系を構築することが出来る。
【0029】残留したNOxを含む槽4での処理水を次
の工程である水素還元槽5に導入する。この水素還元槽
5により他栄養性好気性硝化脱窒素菌を優占種とする。
この槽5には、水素発酵槽2で他栄養性水素資化性細菌
により生産された水素と炭酸ガスの混合ガス11をブロ
ワー12によって導入し、繰り返し循環利用することに
より水素供与体としての水素の利用率を高めると同時
に、有機炭素源として炭酸ガスを供給する。水素発酵槽
2におけるし尿の有機物分解量当り(VS R の水素生
産量は、概略次の数値が得られた。 水素生産量=0.25m3 ・H2 /kg・VSR また、硝酸性窒素還元に必要な水素量は、水素還元の生
物反応式から化学量論的に次の数値が計算上得られる。
亜硝酸性窒素については更に少量のH2 量で良い。 0.9m3 ・H2 /kg・NO3 −N
【0030】以上の基礎数値を計算根拠として、し尿の
水素発酵における有機物分解率80%を仮定すると、好
気性硝化脱窒素槽4の処理水に残留するNO3 −N10
00mg/lを完全分解するに必要な水素量の約8〜1
0倍(利用効率100%とした場合)の水素が発生する
ことになる。この大過剰の水素15はクリーン・エネル
ギーとして多目的に使用することができる。水素還元槽
5でNOx、有機物を完全に除去された処理水は、固液
分離槽6に導入され、脱窒素処理水7は外部の水系に放
流され、濃縮された菌体は返送汚泥16として好気性硝
化脱窒素槽4に返送され、繰り返し利用される。一方、
水素発酵槽2で増殖した菌体は、余剰汚泥17として槽
2外に取り出され、処理・処分される。
【0031】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 実施例1 (a)汲取し尿のクロストリジウム(Clostridium)属に
よる水素発酵 比較的濃厚なし尿が得られる処理場を選定し、これを供
試試料として、し尿の水素発酵の実験を行なった。供試
し尿の主要な理化学的性状は表1の通りである。(5℃
以下の冷蔵庫保管)
【0032】
【表1】 (注)単位は、pH以外は全てg/lで表示してある。 *;総固形物に対する強熱減量の比率は75.1%である。 *;供試し尿は1mm目開きのスクリーンでろ過した試料。
【0033】水素発酵槽の容積は、実際の水張り容積
(有効容積)が5リットルの円筒型発酵槽であり、これ
を30℃の恒温水槽にセットして、発酵日数が5日の中
温発酵試験を行なった。水素発酵槽には、当初、適当な
種菌の接種を考えたが、供試し尿の嫌気的条件における
一般細菌数が約108-9 個/g・し尿、クロストリジウ
ム(Clostridium)属の菌数が106-7 個/g・し尿、も
の多数棲息していたので、水素発酵の運転開始時に当
り、特に種菌は接種しなかった。水素発酵の実験条件は
要約すると次の通りである。 水素発酵の運転条件 発酵水温 : 30℃±1℃ 運転時の動的状態におけるpH : 5.5〜6.0 発酵日数 : 約5日 有機物負荷 : 5.26kg・VS/m3 ・日 し尿の供給方法 : 午前と午後に、それぞれ1日分の
半量を投入
【0034】使用した水素発酵槽は有効容積が5リット
ルで規模が小さいために、本発明における減圧発酵の機
構をそのまま実験装置に適用することは技術的に困難で
ある。従って簡略化した方法を用いた。即ち、水素発酵
槽の気相部分と連通した塩化ビニル製のパイプに真空ポ
ンプを連結し、真空ポンプを作動せしめて、全槽が実質
的に−1000〜−1500mmAqとなるように自動
的に減圧制御し、減圧発酵を行なった。供試し尿は水素
発酵槽に投入する前に緩慢曝気を行い、供試し尿の酸化
還元電位(以下、ORPと略記する)が所定のORPよ
りも高めとなるように、具体的には−50〜−100m
Vとなるように調整してから水素発酵槽に投入した。水
素発酵槽にはORP感知センサーを設置し、ORP値を
監視しながら他栄養性水素生産菌が増殖するに好適な−
150mVを設定値として運転した。
【0035】水素発酵槽に対するし尿の有機物負荷は、
運転当初は最終負荷の約1/3の負荷を掛け、徐々に負
荷を上げていく方法により水素生産菌を増殖せしめた
が、運転を開始してから約1ヵ月後に設定した有機物負
荷条件での定常状態に達した。種菌の接種は前記した通
り特に行なわなかった。実験終了後、本実験の増殖汚泥
について水素生産菌を同定した結果、次の複数種の水素
生産菌の混合培養系であることが確認された。
【0036】検出された他栄養性水素生産菌 クロストリジウム ブチリカム(Clostridium butyricu
m)(ATCC25779) クロストリジウム バルケリ(Clostridium barkeri)
(ATCC25849) クロストリジウム セルロリチカム(Clostridium cell
ulolyticum) (ATCC35319) クロストリジウム ジスポリカム(Clostridium dispor
icum) (ATCC43838) クロストリジウム プロピオニカム(Clostridium prop
ionicum)(ATCC25522)
【0037】この同定の結果から、一般込取し尿を水素
発酵の基質とした場合、特にATCCなど微生物保存機
関から純粋菌株を購入して水素発酵槽に接種しなくて
も、し尿自身に有用な水素生産菌、主としてクロストリ
ジウム(Clostridium)属が野性的に棲息しており、此等
の共働作用により抵抗なく水素生産が行なわれた。水素
発酵に必要な条件を設定すれば、メタン菌の増殖は抑制
され、投入された基質に最も適合した水素生産菌群が構
築され、人為的に種菌を接種するよりも安定した水素発
酵が行なわれることが実証された。以上の実験装置、実
験条件における検証実験は、運転が定常状態に達してか
ら3ヵ月間継続し、実験終期の約1ヵ月間に得られた処
理成績の平均値を表2に示した。なお、水質分析に供し
た試料は、発酵消化液を遠心力1,500Gの遠心分離
器に10分間かけ、強制的に菌体を含む浮遊物を分離除
去し、分析用試料とした。
【0038】
【表2】
【0039】し尿の水素発酵検証実験によって得られた
結果を要約すると、次の通りである。 (1)し尿の水素発酵は、特に公的機関からの水素生産
菌の純菌株に依存しなくても、本来的にし尿に野性的に
棲息している水素生産菌群により、水素発酵は遅退なく
進行する。 (2)特に、本発明者による微嫌気・減圧発酵を適用す
ることにより、メタン菌の増殖は抑制され、水素発酵が
優先的に進行し、本来、発酵消化液中に蓄積されるべき
有機酸も可成りの量が水素に変換される。 その結果、生物化学量論的にほぼ等量の発生が予測され
る炭酸ガスと水素ガスの発生比率は大凡35:65とな
った。これは、微嫌気・減圧発酵による水素発酵によ
り、本来的に吸エルゴン反応が実質的に発エルゴン反応
に変換されるためであると考えられる。 (3)供試し尿中に含まれる硫酸イオン(720mg/
l)は硫酸塩還元細菌により、実質的に100%硫黄イ
オンにまで還元される。 発酵消化液の硫黄イオン濃度(S2-)は平均値として3
10mg/lが得られ、化学的換算値よりも高い数値が
得られたが、これはし尿中の含硫蛋白質の硫黄に基因す
るものと考えられる。
【0040】(b)他栄養性の好気性硝化脱窒素菌によ
る発酵消化液の硝化・脱窒素及び水素還元による脱窒素
(b)では、図1に示した連続処理が可能な好気性硝化
脱窒素槽、水素還元槽及び固液分離槽、さらに菌体返送
経路とガス経路をそのまま製作し、連続処理による硝化
脱窒素実験を行なった。実験のフローシートは図1の通
りであるが、この処理工程に対応する下記の実験装置を
組みあげ、好気性硝化脱窒素槽への発酵消化液の注入、
及び菌体の返送に関しては半連続式、硫化水素水の注
入、(水素ガス+炭酸ガス)の水素発酵槽における循環
は連続的に運転した。好気性硝化脱窒素槽に対しては連
続的に空気を吹き込んだが、発酵消化液の注入が中断さ
れている時には吹込み率を極端に絞り、槽内液の溶存酸
素が1mg/l程度を維持するように配慮した。
【0041】 実験装置及び実験条件 全体の処理工程に共通の条件、 処理水温 : 30℃±1℃ 実験装置を全て大型の恒温水槽に設置し、上記の温度で運転した。 発酵消化液の注入量 : 1リットル/日(以下の工程も同じ液量) 個々の実験装置及び実験条件 好気性硝化脱窒素槽 : 円形・開放型曝気槽 1リットル 曝気 : 小型ブロワーによる散気攪拌式連続曝気 溶存酸素濃度 : 溶存酸素計と連動して自動制御 (DO≦1mg/l) 菌体濃度 : 6,000〜7,000mg/l 返送菌体濃度 : 浮遊物を含めて約13,000mg/l 発酵消化液+硫化水素水 : 表3に示す
【0042】 水素還元槽 : 円形・密閉型還元槽 1リットル (水素ガス+炭酸ガス)の循環 : ブロワーによる連続循環 好気性硝化脱窒素槽での処理水 : 表3に示す 固液分離槽 : 重力式円形沈殿池 1リットル 以上の実験装置及び実験条件によって得られた発酵消化
液の硝化、脱窒素検証実験の結果を表3に示す。(運転
が定常状態に達してからの1ヵ月の平均値)
【0043】
【表3】 (注)*;単位はpH以外は全てmg/lで表示してある。 *;水質分析用の試料は、全て遠心力1,500Gの遠心分離器に10 分間かけ、その分離液について測定した。 *;NO3 −Nは極めて微量であった。
【0044】発酵消化液の他栄養性の好気性硝化脱窒素
菌による硝化・脱窒素実験、及び水素による脱窒素実験
の結果を要約すると次の通りである。 (1)発酵消化液に硫化水素水を加えて還元型硫黄の濃
度を上げ、液の溶存酸素濃度を1mg/l程度に制限し
て好気的条件を継続し、更に水素還元槽による脱窒素を
行うと、他栄養性の好気性硝化脱窒素菌が自然発生的に
発現、増殖し、混合培養系で優占種となる。 (2)この他栄養性の好気性硝化脱窒素菌は、チオスフ
ァエラ パントトロファ(Thiosphaera pantotropha)と
推定された。この種の細菌は亜硝酸態の窒素を生成しや
すくすることが知られている。
【0045】(3)好気性硝化脱窒素槽における硝化は
殆ど完全であり、僅かに残留アンモニアが検出されるに
過ぎなかった。また、この槽における脱窒素は還元型硫
黄と各種の総有機酸によって還元分解される化学量論値
にほぼ近い数値が得られた。 (4)好気性硝化脱窒素槽の処理で残留した亜硝酸塩
は、次の水素還元槽において、水素発酵槽で発生した
(水素+炭酸ガス)の混合ガスを循環し、水素を水素供
与体として供給することにより完全に分解することがで
きた。 (5)水素還元槽で水素が好気性硝化脱窒素菌の水素供
与体として消費されても、多量の水素が余剰エネルギー
源として残り、クリーンなエネルギーとして有効に利用
することができる。
【0046】
【発明の効果】本発明は、詳述したように、従来技術と
は全く異なる視点、思想からの発想による革新的な発明
であり、次のような作用効果を有する。 (1)し尿等の汚水や汚泥は、富栄養化原因物質である
窒素、リンだけでなく、通常、硫酸塩或いは還元型硫黄
をも含むことに着目し、水素生産菌と他栄養性の好気性
硝化脱窒素菌の共働作用により、クリーンエネルギーで
ある水素を生産するだけでなく、還元型硫黄及び水素そ
のものを水素供与体として窒素をも除去できる極めて優
れた処理技術であり、閉鎖系水域或いは停滞水域の富栄
養化を防止できる。 (2)高濃度の汚濁源、例えば、し尿そのものを汚濁源
としのみ評価せず、高度の潜在的ポテンシアルを有する
資源として評価し、し尿を基質として生物学的に水素を
生産し、さらに窒素をも除去できる、生産と分解の両機
能を具備した革新的な微生物利用技術である。
【0047】(3)従来の生物学的脱窒素法がプロセス
内で異質の硝化菌、脱窒素菌を増殖させる必要性から複
雑な処理工程を有するのに対して、本発明の技術は、硝
化・脱窒素工程において両機能を有する他栄養性の好気
性硝化脱窒素菌を増殖せしめて脱窒素を行なうので、プ
ロセス構成が極めて単純であり、高度の運転技術を必要
としない。 (4)本発明では、脱窒素の水素供与体を補完するため
に、水素発酵槽で生産された水素の一部を分岐、使用す
るが、その必要量は水素生産量の僅かに1/10程度に
過ぎず、十分に利用に耐える水素発生量を有する。 (5)本発明技術による最終処理水は、リン以外の汚濁
物質に関しては、そのまま系外に放流しても、外部の水
系、水域に対して打撃を与えることはない。通常、し尿
処理では物理化学的手段・方法により、リン及び色度成
分を除去しているので、本発明の処理水も常法に従って
リンを除去すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好気性硝化脱窒素方法の一例を示すフ
ロー工程図。
【符号の説明】
1:含硫・含アンモニア原水(し尿)、2:水素発酵
槽、3:発酵消化液、4:好気性硝化脱窒素槽、5:水
素還元槽、6:固液分離槽、7:脱窒素処理水、8:発
生ガス、9:水洗脱硫器、10:硫化水素水、11:H
2 +CO3 、12:ブロワー、13:循環経路、14:
空気、15:余剰水素+N2 、16:返送汚泥、17:
余剰汚泥
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−115897(JP,A) 特開 平5−115864(JP,A) 特開 平5−317881(JP,A) 特開 平4−169178(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 3/28 - 3/34 C02F 11/00 - 11/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚水及び/又は汚泥を次の(a)〜
    )の工程で順次処理することを特徴とする好気性硝
    化脱窒素方法。 (a)水素生産菌により水素を生成するとともに、硫酸
    塩還元菌により還元性硫化物を生成する水素発酵工程、 (b)水素発酵工程の発酵消化液及び/又は前記水素発
    酵工程で発生したガスを水洗した還元性硫化物を含有す
    る水洗廃液を導入した発酵消化液を好気性条件下で他栄
    養性硝化脱窒素細菌により完全硝化するとともに、生成
    した硝酸性窒素を脱窒素する好気性硝化脱窒素工程。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の好気性硝化脱窒素方法に
    おいて、さらに、好気性硝化脱窒素工程からの処理水
    に、水素発酵工程で発生した水洗した後のガスを導入
    し、気体攪拌を行うとともに該ガス中に含まれる水素を
    水素供与体として窒素化合物を更に完全脱窒素する水素
    還元工程で処理することを特徴とする好気性硝化脱窒素
    方法。
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