JP3444033B2 - 電子制御ユニットの調整装置及びその使用方法 - Google Patents

電子制御ユニットの調整装置及びその使用方法

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JP3444033B2
JP3444033B2 JP19300795A JP19300795A JP3444033B2 JP 3444033 B2 JP3444033 B2 JP 3444033B2 JP 19300795 A JP19300795 A JP 19300795A JP 19300795 A JP19300795 A JP 19300795A JP 3444033 B2 JP3444033 B2 JP 3444033B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電子制御式
の燃料噴射エンジンやトランスミッション等の制御対象
を制御するための電子制御ユニットにおいてその制御デ
ータを試作段階等で変更調整するようにした調整装置及
びその使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば車両に搭載される電子制
御式の燃料噴射エンジンにおいては、その制御のために
制御用CPU及びROMを有する電子制御ユニットを設
けて、上記ROMに対し制御プログラム及び各種の定数
や係数等の基本となる所定の制御データを記憶させ、上
記制御用CPUからの制御信号によりエンジンの燃料噴
射量等を制御するようにしている。
【0003】そして、上記ROMに記憶される各種の定
数や係数等のROMデータは、製品段階では所定値に固
定されるが、エンジンの設計や試作の段階では、チュー
ニングのために或いはエンジンを搭載する車種に応じて
変更され、これらの調整によって車両の加速性や燃費、
騒音等に応じた最適値が決定されるようになっている。
このため、上記設計段階等では、エンジンの運転状態
で、電子制御ユニットにおけるROMデータを書き換え
るいわゆるROMエミュレーションを行う要求がある。
このROMエミュレーションを行う装置としては、例え
ば特開平6−259284号公報に開示されるように、
電子制御ユニットの端末と接続されるパソコン等からな
るコンローラを設け、このコントローラに、電子制御ユ
ニットのROMデータをエミュレーション可能なエミュ
レーションRAMを内蔵させ、このRAMにROMデー
タを転送して書き込んだ後はRAMに対し電子制御ユニ
ットの制御用CPUをアクセスさせながらそのRAMの
データを書き換えることにより、ROMエミュレーショ
ンを容易にかつ専用的に行い得るようにしたものが知ら
れている。
【0004】また、上記電子制御ユニットの制御用CP
Uに内蔵された内部RAM又は制御用CPUに外付され
る外部RAMには、センサ類により検出されて刻々変化
する制御に必要な変数等が一時的に記憶されるが、エン
ジンの設計や試作の段階では、このRAMの記憶内容を
モニタするいわゆるRAMモニタを行う必要もある。こ
のRAMモニタを行う装置としては、例えば特開平6−
291662号公報に開示されるように、電子制御ユニ
ットの端末と接続されるコンローラに、RAMモニタデ
ータを収集する収集部を設け、該収集部で収集したRA
Mモニタデータをパソコンの画面上に表示するようにし
たものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のRO
MエミュレーションやRAMモニタ等を行う従来の電子
制御ユニットの調整装置において、電子制御ユニットと
コントローラとは、通信可能に接続されているが、電源
系統を各々別々に構成しており、コントローラの電源ス
イッチをONにしても電子制御ユニットに電流が供給さ
れることはない。従って、コントローラの電源スイッチ
をONにするとともに、電子制御ユニット側の電源系統
のスイッチ(例えばエンジン制御用ユニットの場合はイ
グニッションスイッチ)をONにしなければ、例えば電
子制御ユニットとコントローラとの間で通信をして正常
に行われるかを検査したり、ROMデータやRAMモニ
タデータの転送をしたりすることができない。このた
め、電子制御ユニットとコントローラとの間の通信に異
常があることに起因して制御対象が誤って制御され、例
えはエンジン制御の場合燃料の吹きっぱなし等が起こる
危険性がある。また、電子制御ユニット側の電源系統の
スイッチをONにした直後からROMエミュレーション
やRAMモニタを行うことができないという問題もあ
る。
【0006】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、電子制御ユニット側の
電源系統のスイッチをONにするに先立ってコントロー
ラの電源スイッチをONにしたときに電子制御ユニット
の制御用CPU側に電流を供給することにより、電子制
御ユニットとコントローラとの間の通信の検査やデータ
転送を可能とし、通信異常に起因する誤制御を未然に防
止するとともに、電子制御ユニット側の電源系統のスイ
ッチをONにする直前又は直後からROMエミュレーシ
ョンやRAMモニタを行い得るようにするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、電子制御ユニットの調整装
置として、制御用CPUにより所定の制御対象を制御す
る電子制御ユニットと、該電子制御ユニットの制御用C
PUと通信可能に接続されたコントローラとを備えてお
り、上記電子制御ユニットは、少なくとも制御用CPU
を取付けたエバボードと、各種信号の入出力端子を取付
けた入出力ボードとを有し、かつ両ボードに対して共通
のスイッチのON操作により通電するように構成されて
いることを前提とする。そして、上記電子制御ユニット
のエバボードのみに対して、コントローラへの通電時に
該コントローラを介して通電を行うように構成する。
【0008】請求項2に係る発明は、請求項1記載の電
子制御ユニットの調整装置において、更に上記制御用C
PUとコントローラとの間の通信が正常に行われるかを
検査する通信検査手段と、該通信検査手段の検査結果に
応じて電子制御ユニットの両ボード共通のスイッチのO
N操作の適否を表示する表示手段とを備える構成とす
る。
【0009】請求項3に係る発明は、請求項2記載の電
子制御ユニットの調整装置を、エンジン制御の場合に適
用した態様を示す。すなわち、上記電子制御ユニット
は、所定の制御対象としてエンジンを制御するものであ
り、上記表示手段は、電子制御ユニットの両ボード共通
のスイッチとしてイグニッションスイッチのON操作の
適否を表示するものである。
【0010】請求項4に係る発明は、請求項1〜3のい
ずれか一つに記載の電子制御ユニットの調整装置におい
て、電子制御ユニット側でシステムダウンが生じその制
御用CPUからリセット信号がコントローラに出力され
るとき該コントローラによる対応を示す。すなわち、上
記コントローラは、制御用CPUからリセット信号を受
けたとき該CPUへのコマンド送信を中止し、制御用C
PUからリセット解除信号を受けた時点から所定時間経
過後にCPUへのコマンド送信を再開するように構成さ
れている。
【0011】請求項5に係る発明は、請求項1記載の電
子制御ユニットの調整装置を、ROMエミュレーション
を行う場合に適用した態様を示す。すなわち、上記電子
制御ユニットは、そのエバボード上に制御用CPUの他
に、少なくとも制御データを記憶するROMと、該RO
Mの制御データをエミュレーション可能なエミュレーシ
ョンRAMとを有しており、上記コントローラは、上記
エミュレーションRAMに書き込まれた制御データを変
更調整するものである。そして、上記制御用CPUは、
エバボードへの通電が電子制御ユニットの両ボード共通
のスイッチのON操作及びコントローラからの通電のい
ずれによるときでも通電後直ちに上記ROMに記憶され
ている制御データをエミュレーションRAMに転送して
書き込むように構成されている。
【0012】
【0013】請求項に係る発明は、請求項1記載の電
子制御ユニットの調整装置の使用方法であって、電子制
御ユニットの両ボード共通のスイッチのON操作に先立
って、まず、コントローラの電源スイッチをON操作し
て通電を行い、しかる後該コントローラと電子制御ユニ
ットの制御用CPUとの間の通信が正常に行われるかを
検査し、その検査結果に応じて電子制御ユニットの両ボ
ード共通のスイッチのON操作の適否を表示する構成と
する。
【0014】請求項に係る発明は、請求項記載の電
子制御ユニットの調整装置の使用方法を、エンジン制御
の場合に適用した態様を示す。すなわち、上記電子制御
ユニットは、所定の制御対象としてエンジンを制御する
ものであり、上記スイッチはイグニッションスイッチで
ある。
【0015】請求項に係る発明は、請求項1記載の電
子制御ユニットの調整装置の使用方法を、ROMエミュ
レーションを行う場合に適用した態様を示す。すなわ
ち、上記電子制御ユニットは、そのエバボード上に制御
用CPUの他に、少なくとも制御データを記憶するRO
Mと、該ROMの制御データをエミュレーション可能な
エミュレーションRAMとを有しており、上記コントロ
ーラは、上記エミュレーションRAMに書き込まれた制
御データを変更調整するものである。そして、電子制御
ユニットの両ボード共通のスイッチのON操作に先立っ
て、まず、コントローラの電源スイッチをON操作して
通電を行い、しかる後上記ROMに記憶されている制御
データをエミュレーションRAMに転送して書き込む構
成とする。
【0016】請求項に係る発明は、請求項6,7のい
ずれか一つに記載の電子制御ユニットの調整装置の使用
方法において、更に下記の構成を加える。すなわち、上
記電子制御ユニット側でシステムダウンが生じたとき制
御用CPUからコントローラ側へリセット信号を出力
し、コンローラから制御用CPUへのコマンド送信を中
止する構成とする。
【0017】請求項10に係る発明は、請求項記載の
電子制御ユニットの調整装置の使用方法において、上記
システムダウン後に正常に戻ったとき制御用CPUから
コントローラ側へリセット解除信号を出力し、コントロ
ーラ側ではその信号を受けた時点から所定時間経過後に
制御用CPUへのコマンド送信を再開する構成とする
【0018】
【0019】
【0020】(作用)以上の構成により、請求項1に係
る発明では、コントローラへの通電時に該コントローラ
を介して電子制御ユニットのエバボードにも通電が行わ
れるので、電子制御ユニットの両ボード共通のスイッチ
をON操作する以前に、コントローラと電子制御ユニッ
トのエバボード上の制御用CPUとの間で通信の検査や
データ転送等を行うことが可能になる。
【0021】請求項2に係る発明では、電子制御ユニッ
トの両ボード共通のスイッチをON操作する以前に、通
信検査手段により制御用CPUとコントローラとの間の
通信が正常に行われるかを検査するとともに、その検査
結果に応じて電子制御ユニットの両ボード共通のスイッ
チのON操作の適否を表示手段で表示することにより、
通信異常に起因する誤制御、例えば請求項3に係る発明
の如くエンジン制御の場合における燃料の吹きっぱなし
等が未然にかつ確実に防止される。
【0022】請求項4に係る発明では、電子制御ユニッ
ト側でシステムダウンが生じその制御用CPUからリセ
ット信号がコントローラへ出力されると該コントローラ
からCPUへのコマンド送信が一旦中止され、制御用C
PUからリセット解除信号を受けた時点から所定時間経
過後にCPUへのコマンド送信が再開されるので、電子
制御ユニット側のシステムダウン時に処理できないコマ
ンド送信が発せられることはなく、制御の信頼性が高く
なる。
【0023】請求項5に係る発明では、電子制御ユニッ
トの両ボード共通のスイッチのON操作によりエバボー
ドに通電が行われるときだけでなく、コントローラへの
通電時に該コントローラを介してエバボードに通電が行
われるときにも、エバボード上の制御用CPUの制御に
より通電後直ちにエバボード上のROMからエミュレー
ションRAMに制御データが転送されて書き込まれるの
で、電子制御ユニット側の電源系統のスイッチをONに
する以前からROMエミュレーションを行うことがで
き、スイッチのON操作直後から変更したROMデータ
に基づく実験的・試験的な制御を行うことができる。
【0024】
【0025】請求項に係る発明では、電子制御ユニッ
トの両ボード共通のスイッチのON操作に先立って、ま
ず、コントローラの電源スイッチをON操作して通電を
行うことで電子制御ユニットのエバボードにも通電を行
い、しかる後該エバボード上の制御用CPUとコントロ
ーラとの間の通信が正常に行われるかを検査し、その検
査結果に応じて電子制御ユニットの両ボード共通のスイ
ッチのON操作の適否を表示することにより、通信異常
に起因する誤制御、例えば請求項に係る発明の如くエ
ンジン制御の場合における燃料の吹きっぱなし等が未然
にかつ確実に防止される。
【0026】請求項に係る発明では、電子制御ユニッ
トの両ボード共通のスイッチのON操作に先立って、ま
ず、コントローラの電源スイッチをON操作して通電を
行うことで電子制御ユニットのエバボードにも通電を行
い、しかる後該エバボード上のROMに記憶されている
制御データをエミュレーションRAMに転送して書き込
むことにより、電子制御ユニット側の電源系統のスイッ
チをONにする以前からROMエミュレーションを行う
ことができ、スイッチのON操作直後から変更したRO
Mデータに基づく実験的・試験的な制御を行うことがで
きる。
【0027】請求項に係る発明では、電子制御ユニッ
ト側でシステムダウンが生じたとき、制御用CPUから
コントローラ側へリセット信号を出力し、コンローラか
ら制御用CPUへのコマンド送信を中止することによ
り、電子制御ユニット側のシステムダウン時に処理でき
ないコマンド送信が発せられることはなく、制御の信頼
性が高くなる。特に、請求項10に係る発明では、シス
テムダウン後に正常に戻ったとき制御用CPUからコン
トローラ側へリセット解除信号を出力し、コントローラ
側ではその信号を受けた時点から所定時間経過後に制御
用CPUへのコマンド送信を再開することにより、電子
制御ユニット側のシステムダウン時でのコマンド送信が
確実に防止され、コマンド処理の不実行を未然に防止で
きる
【0028】
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0030】図1は本発明の実施例に係る電子制御ユニ
ットの調整装置又はモニタ装置としてのツールを示し、
このツールは制御対象の開発等の段階で使用されるもの
で、電子制御ユニット(ECU)1と、中継手段として
の中継ボックス13と、コントローラ22とで構成され
ており、そのうち、電子制御ユニット1は制御対象に付
随して設けられるが、中継ボックス13及びコントロー
ラ22は電子制御ユニット1とは切り離して装備され
る。
【0031】すなわち、図1において、電子制御ユニッ
ト1は制御対象としてエンジンの電子制御式燃料噴射エ
ンジンを制御するもので、この電子制御ユニット1には
エバボード2が搭載され、このエバボード2には制御用
CPU3、プログラムROM4、エミュレーションRA
M5、これらプログラムROM4及びエミュレーション
RAM5の切換用のメモリ切換部6、ユニット側DPR
AM(デュアルポートRAM)7、及びエバボード2端
部に位置するコネクタとしての例えば16ビットの中継
端子8が取り付けられている。また、電子制御ユニット
1には、図2に示すように、エバボード2とは別にI/
O(インプット/アウトプット)ボード(入出力ボー
ド)41が搭載され、このI/Oボート41には各種信
号の入出力端子並びにこれに付随する回路(共に図示せ
ず)、電流制限装置42及び電圧変換器43が取り付け
られている。
【0032】上記制御用CPU3は、本来のエンジン制
御(詳しくは燃料噴射制御)を行うとともに、その合間
に該本来のエンジン制御や他の制御よりも優先度の低い
最後の優先順位でツールのための信号処理を行うもので
ある。この制御用CPU3には、図外のセンサ類により
検出されて刻々変化する制御に必要な変数を記憶するR
AM及びROM(共に図示せず)が内蔵されている。
【0033】プログラムROM4は請求項5又は9に係
る発明でいうROMないし外部ROMを構成するもの
で、上記制御用CPU3がエンジン制御を行うときに必
要な制御プログラム、及び各種の定数や係数等の基本と
なる所定の制御データを記憶する。一方、エミュレーシ
ョンRAM5は、上記プログラムROM4の制御データ
を書き換えるために該制御データを一時的に記憶し、ま
た、制御の高速化を図るために制御プログラムをも一時
的に記憶するようになっている。これらプログラムRO
M4及びエミュレーションRAM5は制御用CPU3に
対しデータバス9及びアドレスバス10を介して接続さ
れている。そして、メモリ切換部6は、切換手段として
制御用CPU3からのコマンドにより上記プログラムR
OM4及びエミュレーションRAM5を選択切換えする
もので、このメモリ切換部6からROM選択信号をプロ
グラムROM4に出力することで該プログラムROM4
を、またRAM選択信号をエミュレーションRAM5に
出力することで該エミュレーションRAM5をそれぞれ
選択するようになっている。
【0034】さらに、上記ユニット側DPRAM7は通
常のRAMとは異なり、2つのポートを有していて各ポ
ートの双方向からアクセス可能なRAMで、所定の容量
(例えば32kバイト)を有する。その一方のポートは
上記データバス9及びアドレスバス10を介して制御用
CPU3に接続されている。ユニット側DPRAM7の
他方のポートは、例えば16ビットのバス11を介して
上記中継端子8に接続されている。
【0035】尚、上記エバボード2上のプログラムRO
M4、エミュレーションRAM5、メモリ切換部6、D
PRAM7及び中継端子8は、制御対象の開発段階でプ
ログラムROM4の制御データ(場合によっては制御プ
ログラムを含む)が確定するまで同エバボード2に設け
られるもので、このプログラムROM4のデータが決定
された制御対象の量産品に対しては、これらプログラム
ROM4等が搭載されていなくて制御用CPU3のみが
搭載されたエバボードが電子制御ユニット1に装備さ
れ、確定した制御データ及び制御プログラムは、制御用
CPU3の内部ROMに記憶される。
【0036】上記中継ボックス13には、そのボード端
部に配置されたパラレル通信用及びシリアル通信用の各
中継端子14,18と、通信用CPU16と、シリアル
レシーバ/ドライバ17とが搭載されている。上記パラ
レル通信用の中継端子14は例えば16ビットのもの
で、上記電子制御ユニット1のエバボード2上の中継端
子8に例えば16ビット(16本)の比較的短い長さ
(例えば10〜20cm)のパラレル通信ケーブル1
2,12,…を介して接続可能とされている。
【0037】上記通信用CPU16は、パラレル通信デ
ータとシリアル通信データとを変換するもので、その一
方のポートは例えば16ビットのバス15を介して上記
パラレル通信用の中継端子14に接続され、他方のポー
トは上記シリアルレシーバ/ドライバ17を介してシリ
アル通信用の中継端子18に接続されている。このシリ
アルレシーバ/ドライバ17は通信用CPU16に付設
されるもので、通信用CPU16の入/出力データを後
述するシリアル通信ケーブル20の規格に合致させるた
めのものである。また、上記シリアル通信用の中継端子
18には1本のシリアル通信ケーブル20の一端部が接
続可能とされ、このシリアル通信ケーブル20の他端は
コントローラ22に接続可能とされている。そして、中
継ボックス13においては、コントローラ22から例え
ば電流駆動型のシリアル通信データが電子制御ユニット
1に送信されたとき、通信用CPU16により、そのシ
リアル通信データをパラレル通信データに変換して電子
制御ユニット1のエバボード2上のユニット側DPRA
M7における所定のアドレスに書き込む一方、通信用C
PU16により、電子制御ユニット1のDPRAM7の
所定のアドレス上のパラレル通信データを読み込んでそ
れをシリアル通信データに変換した後、コントローラ2
2に送信するようになされている。
【0038】上記コントローラ22はI/Fボックス
(インタフェースボックス)23とそれに接続されたパ
ソコン30とを含んでなる。パソコン30は、データ解
析用(モニタ用)のCPU(図示せず)を内蔵したパソ
コン本体31と、このパソコン本体31に接続されたデ
ィスプレイ33と、キーボード等の外部入力装置32と
からなる。I/Fボックス23には、上記中継ボックス
13とシリアル通信を行うためのもので、そのボード端
部に配置されたシリアル通信用の中継端子24と、通信
用CPU26と、シリアルレシーバ/ドライバ25と、
I/Fボード側DPRAM27と、システムバス28と
が搭載されている。上記シリアル通信用の中継端子24
は、上記の如く、上記中継ボックス13のシリアル通信
用中継端子18にシリアル通信ケーブル20を介して接
続可能とされている。このシリアル通信ケーブル20
は、例えばデータを電流の大小に変換して送信する電流
駆動型のもので、そのケーブル長さは、例えば5〜6m
とされて上記各パラレル通信ケーブル12のケーブル長
よりも長く設定されている。
【0039】上記通信用CPU26は、上記中継ボック
ス13における通信用CPU16と同じもので、パラレ
ル通信データとシリアル通信データとを変換する。この
通信用CPU26の一方のポートは、該通信用CPU2
6に付設される上記シリアルレシーバ/ドライバ25を
介してシリアル通信用の中継端子24に接続されてい
る。
【0040】上記I/Fボード側DPRAM27は、上
記電子制御ユニット1におけるDPRAM7と同様に2
つのポートを有していて各ポートの双方向からアクセス
可能な所定の容量を持つRAMからなり、その一方のポ
ートに上記通信用CPU26の他方のポートが接続さ
れ、DPRAM27の他方のポートはシステムバス28
に接続されている。
【0041】また、上記I/Fボックス23のシステム
バス28は上記パソコン30に接続されており、このこ
とで、パソコン30により電子制御ユニット1のプログ
ラムROM4に記憶した制御データ(詳しくはエミュレ
ーションRAM5に書き込まれた制御データ)の書換え
のためのROMエミュレーションや電子制御ユニット1
の制御用CPU3におけるRAMの各種データのモニタ
(RAMモニタ)をコマンドしたとき、そのコマンドに
応じてROMエミュレーションやRAMモニタを行うよ
うにしている。
【0042】上記電子制御ユニット1におけるエバボー
ド2上の制御用CPU3とパソコン30とは、エバボー
ド2上のDPRAM7及び中継端子8と、中継ボックス
13上のパラレル通信用中継端子14、通信用CPU1
6及びシリアル通信用中継端子18と、I/Fボックス
23のシリアル通信用中継端子24、通信用CPU2
6、DPRAM27及びシステムバス28とを経由する
1チャンネルのインタラプト用ケーブル35によって接
続されており、このインタラプト用ケーブル35でイン
タラプトコマンドを送受信するようにしている。
【0043】ここで、上記電子制御ユニット1、中継ボ
ックス13及びコントローラ22の電源系統を、図2を
参照して説明する。電子制御ユニット1のI/Oボード
41上の入力端子等の電子部品に対しては、イグニッシ
ョンスイッチ44のON時に電源45から電流がI/O
ボード41上に設けた電流制限装置42及び電圧変換器
43を介して供給され(この供給部分の電気回路は図中
仮想線で示す)、その電圧は5Vである。また、コント
ローラ22及び中継ボックス13に対しては、パソコン
30の電源スイッチ46のON時に電源45から電流が
パソコン30内に設けた電流制限装置47及び電圧変換
器48を介して供給され(この供給部分の電気回路は図
中実線で示す)、その電圧は5Vである。さらに、電子
制御ユニット1のエバボード2上の制御用CPU3等の
電子部品に対しては、イグニッションスイッチ44のO
N時にI/Oボード41側から、パソコン30の電源ス
イッチ46のON時にコントローラ22側からそれぞれ
電流が供給されるように設けられており、それらの電圧
はいずれも5Vである。尚、図2中、49は電子制御ユ
ニット1のI/Oボード41とエバボード2との間の配
線中に設けられたダイオードであって、コントローラ2
2側から電流がI/Oボード41に流れるのを阻止する
ものである。また、50は中継ボックス13と電子制御
ユニット1との間の配線中に設けられたダイオードであ
って、電子制御ユニット1側から電流が中継ボックス1
3及びコントローラ22に流れるのを阻止するものであ
る。
【0044】また、上記各DPRAM7,27の構成に
ついて具体的に説明する。DPRAM7,27は、図3
に示すように、電子制御ユニット1に対するコマンド処
理に使用するコマンドブロックと、電子制御ユニット1
のRAMモニタに使用するモニタブロックと、パソコン
30からの割込み処理に使用するステータスブロックと
に割り当てられている。
【0045】上記コマンドブロックにはコマンドエリ
ア、オプションエリア、データエリア及びステータスエ
リアが割り当てられている。コマンドエリアは、パソコ
ン30側から電子制御ユニット1に対してコマンドコー
ドを書き込むためのエリアで、電子制御ユニット1側の
読込みエラーを防ぐために、パソコン30側は同一のコ
ードを上位コード(H)及び下位コード(L)に書き込
む一方、電子制御ユニット1側はそれらを2度読みす
る。
【0046】オプションエリアは、コマンドに対する補
助情報としてのオプション(アドレスやデータ数等)を
格納するエリアである。また、データエリアは、コマン
ドに対するデータ(ROMデータやモニタアドレス等)
を格納するエリアである。ステータスエリアは、電子制
御ユニット1側のコマンドを処理した後、その終了結果
やエラー等のステータスのコードを格納するものであ
る。
【0047】モニタブロックにはモニタ設定エリア、モ
ニタアドレスエリア及びモニタデータエリアが割り当て
られている。モニタ設定エリアは、モニタをON/OF
Fするためのスイッチ及びチャンネル数を設定するモニ
タスイッチ/チャンネル数エリアと、電子制御ユニット
1側で予め設定された設定値をパソコン30側から設定
する(電子制御ユニット1側でこのデータを読み込み、
モニタ周期及びトリガモードを変更する)モニタ周期/
トリガモードエリアと、モニタアドレス設定モードを指
定するアドレス設定モードスイッチエリアと、モニタの
アドレス設定モードスイッチが標準モードにあるときに
ページ数(上位アドレス)を格納するページエリアとか
らなる。
【0048】モニタアドレスエリアは、チャンネル毎に
予備を含めて4バイトでモニタアドレスを指定する拡張
モードエリアと、モニタアドレスを3バイトで指定する
標準モードとからなる。モニタデータエリアは、モニタ
データを格納するエリアである。
【0049】ステータスブロックは、ステータスエリア
及びインタラプトエリアが割り当てられている。ステー
タスエリアはステータスコードエリア、モニタステータ
スコードエリア、モニタステータスエリア、コマンドチ
ェック用カウンタ及びモニタチェック用カウンタからな
る。上記ステータスコードエリアは、コマンドで処理さ
れるステータスコード(リターンコード)を格納するも
ので、パソコン30側はDPRAM7,27からの割込
みを受けると、このコードで処理系を判別する。
【0050】モニタステータスコードエリアは、モニタ
処理におけるモニタステータスコードを格納するエリア
で、パソコン30側はDPRAM7,27からの割込み
を受けると、このコードでモニタの処理系を判別する。
また、モニタステータスエリアは、モニタサービスルー
チン処理後のステータスを書き込むエリアである。
【0051】コマンドチェック用カウンタは、パソコン
30側でのインタラプト処理時に読み込まれるもので、
コマンドの通信エラー回数等のチェックを行うためと、
電子制御ユニット1からのモニタ系及びコマンド系のイ
ンタラプトとの時間差が僅かなときにパソコン30側の
インタラプト処理の優先度を決定するための情報を表
す。そして、電子制御ユニット1側では後述するコマン
ドサービスルーチンが起動され、ステータスを返す毎に
カウンタがインクリメントされる。
【0052】モニタチェック用カウンタも、パソコン3
0側でのインタラプト処理時に読み込まれるもので、モ
ニタのエラー等のチェックを行うためと、パソコン30
側のインタラプト処理の優先度を決定するための情報を
表す。そして、電子制御ユニット1側の後述のモニタサ
ービスルーチンが起動される毎にカウンタがインクリメ
ントされる。
【0053】一方、上記インタラプトエリアは、電子制
御ユニット1側のインタラプト信号を発生させるための
データが書き込まれるもので、電子制御ユニット1側の
コマンド、モニタの処理終了タイミングをパソコン30
側に伝えるために使用される。つまり、このインタラプ
トエリアにデータが書き込まれると、DPRAM7,2
7内でインタラプトフラグがセットされ、DPRAM
7,27からインタラプト信号が出力され、このインタ
ラプト信号は上記インタラプト用ケーブル35によりパ
ソコン30側に伝達される。このインタラプト信号を受
けたパソコン30は、コマンド系かモニタ系の何れかの
処理を実行した後、インタラプトエリアを読み込む。こ
のとき、DPRAM7,27のインタラプト信号がリセ
ットされる。このインタラプトエリアは、コマンドイン
タラプト識別コードエリア、モニタインタラプト識別コ
ードエリア及びインタラプトコードエリアからなる。
【0054】(制御データ及び制御プログラムの転送)
次に、上記電子制御ユニット1のエバボード2におい
て、制御用CPU3の制御に基づいてプログラムROM
4に記憶されている制御データ及び制御プログラムをエ
ミュレーションRAM5に転送する動作手順を、図4に
示すフローチャートに従って説明する。
【0055】まず、ステップS1 でイグニッションスイ
ッチ44がONであるか否かを、ステップS2 でパソコ
ン30の電源スイッチ46がONであるか否かをそれぞ
れ判定する。つまり、電子制御ユニット1のエバボード
2に対して、電源45から電流がI/Oボード41又は
コントローラ2を介して供給されているか否かを判定す
る。そして、電流が供給されたときには直ちにステップ
S3 でプログラムROM4に記憶されている制御データ
及び制御プログラムをエミュレーションRAM5に転送
し該RAM5に書き込む。この転送の後イグニッション
スイッチ44及びパソコンの電源スイッチ46が共にO
Nされたときには、制御用CPU3は、後述するROM
エミュレーションの時を除いて上記エミュレーションR
AM5に対しアクセスし、それに書き込まれた制御デー
タ及び制御プログラムに基づいてエンジン制御をする。
【0056】このように、電子制御ユニット1側のイグ
ニッションスイッチ44をONにして電子制御ユニット
1のエバボード2に通電が行われるときだけでなく、パ
ソコン30の電源スイッチ46をONにしてコントロー
ラ22及び中継ボックス13を介して電子制御ユニット
1のエバボード2に通電が行われるときにも、エバボー
ド2上の制御用CPU3の制御により通電後直ちにエバ
ボード2上のプログラムROM4からエミュレーション
RAM5に制御データが転送されて書き込まれるので、
電子制御ユニット1側のイグニッションスイッチ44を
ONにする以前からROMエミュレーションを行うこと
ができ、イグニッションスイッチ44のON操作直後か
ら変更した制御データに基づく実験的・試験的なエンジ
ン制御を行うことができる。また、イグニッションスイ
ッチ44をONにする以前から、エバボード2上の制御
用CPU3とコントローラ22との間で通信を行うこと
ができるので、RAMモニタをエンジン始動直後から行
うことができる。従って、冷間始動のテストにも容易に
対処することができる。
【0057】(ツールの始動)次に、ツールの始動時に
おける望ましい操作手順を説明するに、電子制御ユニッ
ト1側のイグニッションスイッチ44のON操作に先立
って、パソコン30の電源スイッチ46をON操作して
コントローラ22、中継ボックス13及び電子制御ユニ
ット1のエバボード2に対し通電を行う。そして、この
通電開始時には、コントローラ22のパソコン30の解
析用CPUと電子制御ユニット1の制御用CPU3との
間で通信をして故障診断が行われる。尚、パソコン30
の解析用CPUと電子制御ユニット1の制御用CPU3
との間の通信は、2つのDPRAM7,27及び通信用
CPU16,26を介して行われるが、基本的には解析
用CPU及び制御用CPU3が各DPRAM7,27に
対してアクセスやデータの書込み、読込み等をすること
で行われるようになっており、以下の説明では通信用C
PU16,26の動作を省略して説明している。
【0058】故障診断のためのパソコン30の解析用C
PUでの制御フローは図5〜図7に示し、電子制御ユニ
ット1の制御用CPU3での制御フローは図8及び図9
に示す。尚、図5の制御フローは解析用CPUの起動プ
ログラムによって5msec毎に行われるものであり、図8
の制御フローは制御用CPU3の起動プログラムによっ
て同じく5msec毎に行われるものである。
【0059】すなわち、パソコン30の解析用CPUで
は、図5に示すように、スタートした後、まず、ステッ
プS11で故障診断を行う。この故障診断系コマンド処理
は図6に示すフローに従って行われる。続いて、ステッ
プS12で診断結果に基づいて通信が正常であるか否かを
判定し、正常のときにはステップS13でディスプレイ3
3上に「IG(イグニッションスイッチ44)オン可」
を表示する一方、異常のときにはステップS14及びS15
でそれぞれディスプレイ33上に「IGオン不可」及び
エラーメッセージを表示する。しかる後、ステップS16
でメイン処理を行い、終了する。上記ステップS11,S
12により、請求項2に係る発明にいう、制御用CPU3
とコントローラ22との間の通信が正常に行われるかを
検査する通信検査手段61が構成されており、また上記
ステップS12〜S15及びディスプレイ33により、同じ
く請求項2に係る発明にいう、通信検査手段61の検査
結果に応じて電子制御ユニット1側のイグニッションス
イッチ44のON操作の適否を表示する表示手段62が
構成されている。
【0060】上記故障診断系コマンド処理は、図6に示
すように、まず、ステップS21でECU機種コードの要
求があることを確認した後、ステップS22で機種コード
を要求するコマンドC2をDPRAM7,27のコマン
ドブロックのコマンドエリアにおける上位及び下位のコ
マンドコードエリアに書き込み、ステップS23で返答待
ち処理を行う。この返答待ち処理は図7に示すフローに
従って行われる。続いて、ステップS24でエラーフラグ
Ferr がセットされているか否か判定し、判定がYES
の故障のときはステップS25で所定のコマンドエラー処
理を行った後に終了する一方、判定がNOときはそのま
ま終了する。
【0061】上記返答待ち処理は、図7に示すように、
まず、ステップS31でカウンタを零にリセットした後、
ステップS32で電子制御ユニット1の制御用CPU3か
ら機種コードの返答があったか否かを判定し、返答があ
ったときにはステップS36でエラーフラグFerr をリセ
ットし、終了する。一方、返答がないときには、ステッ
プS33でカウンタをインクリメントした後、ステップS
34でカウンタが2msec以上であるか否かを判定し、その
判定がNOのときにはステップS32に戻るが、判定がY
ESのとき、つまり返答が2msec以上ないときには、ス
テップS35でエラーフラグFerr をセットし、終了す
る。
【0062】一方、電子制御ユニット1の制御用CPU
3では、図8に示すように、まず、ステップS41でDP
RAM7,27のコマンドブロックにおけるコマンドエ
リアの上位のコマンドコード(H)を、また次のステッ
プS42で下位のコマンドコード(L)をそれぞれ読み込
み、ステップS43で両コマンドコード(H),(L)同
士が異なっているかどうかを判定する(二重チェッ
ク)。この判定がYESのときには、ステップS45に進
み、コマンドブロックのステータスエリアに所定のコー
ドを書き込んだ後、ステップS50に進む。
【0063】上記ステップS43の判定がNOのときに
は、ステップS44においてコマンド判別処理を行い、ス
テップS46で判別結果に応じた各コマンドの処理を行っ
た後、ステップS47でエラーが発生したか否かを判定す
る。この判定がYESのときには、ステップS48で上記
ステップS45と同様に、コマンドブロックのステータス
エリアにエラーコードを書き込んだ後、また判定がNO
のときには、ステップS49で、同ステータスエリアに所
定のコードを書き込んだ後、それぞれステップS50に進
む。このステップS50では、ステータスブロックのステ
ータスエリアにおけるステータスコードエリアにコマン
ドコードの書込処理コマンドを書き込む。次のステップ
S51では、ステータスブロックのステータスエリアにお
けるコマンドチェック用カウンタをインクリメントし、
ステップS52で、ステータスブロックのインタラプトエ
リアにおけるコマンドインタラプト識別コードエリアに
所定コードを書き込み、最後のステップS53で、インタ
ラプトエリアのインタラプトコードエリアに所定コード
を書き込んだ後、終了する。
【0064】上記ステップS46でのコマンド処理の一つ
として、パソコン30側からの機種コード要求のコマン
ドC2に対する処理(C2コマンド処理)があり、この
C2コマンド処理は、図9に示すフローに従って行われ
る。すなわち、最初のステップS61で機種コードをDP
RAM7,27のコマンドブロックにおけるデータエリ
アに書き込み、次のステップS62でエラーフラグFerr
をリセットし、終了する。
【0065】このように、電子制御ユニット1側のイグ
ニッションスイッチ44のON操作に先立って、パソコ
ン30の電源スイッチ46をON操作してコントローラ
22、中継ボックス13及び電子制御ユニット1のエバ
ボード2に対し通電を行ったときには、コントローラ2
2のパソコン30の解析用CPUと電子制御ユニット1
の制御用CPU3との間で機種コードの要求及び返答と
いう通信をして故障診断を行い、その診断結果に応じて
イグニッションスイッチ44のON操作の適否をパソコ
ン30のディスプレイ33上に表示するので、イグニッ
ションスイッチ44のON操作前にコントローラ22と
電子制御ユニット1との間の通信異常に起因する電子制
御ユニット1によるエンジンの誤制御、例えば燃料の吹
きっぱなし等を未然にかつ確実に防止することができ
る。
【0066】(ROMエミュレーション及びRAMモニ
タの方法)続いて、上記電子制御ユニット1におけるプ
ログラムROM4に記憶されている制御データをパソコ
ン30側から書き換えるROMエミュレーションの方法
と、制御用CPU3のRAMに記憶されたデータをパソ
コン30側でモニタするRAMモニタの方法とについて
具体的に説明する。
【0067】(ROMエミュレーション)ROMエミュ
レーションは以下に説明する処理順序で行われ、そのD
PRAM7,27に対する処理順序を図10に番号で示
す。また、ROMエミュレーションのフローチャートを
図11に示す。尚、ROMエミュレーションを行うと
き、電子制御ユニット1の制御用CPU3は、既に説明
した図8に示す制御フロー(コマンドサービスルーチ
ン)に従ってコマンド処理を行う。
【0068】(1) まず、ツールのパソコン30側から、
ROMデータ変更のコマンドに先立ち、変更しようとす
る変更アドレスやデータ数(何バイトのデータか)等、
データ書換えのためのオプションをDPRAM7,27
のコマンドブロックにおけるオプションエリアに書き込
む(図11のステップS71)。
【0069】(2) 次いで、パソコン30側で、変更しよ
うとするROMデータをDPRAM7,27のコマンド
ブロックにおけるデータエリアに書き込む(ステップS
72)。
【0070】(3) パソコン30側がROMデータの転送
変更コマンドをDPRAM7,27のコマンドブロック
におけるコマンドエリアに書き込む(ステップS73)。
【0071】(4) パソコン30側からインタラプト用ケ
ーブル35によりDPRAM7,27のインタラプトコ
ードエリアに所定のコードを書き込んで、DPRAM
7,27から電子制御ユニット1の制御用CPU3に割
込み指令を送った後、この割込み指令を受けた制御用C
PU3が上記DPRAM7,27のコマンドエリアのコ
マンドコードを読み込み、データ書換えのためのコマン
ドを認識する(ステップS74)。
【0072】(5) 次いで、電子制御ユニット1の制御用
CPU3が、上記DPRAM7,27のオプションを読
み込み、変更アドレスやデータ数等のオプションを得る
(ステップS75)。
【0073】(6) 制御用CPU3は、上記読み込んだオ
プションを基に上記DPRAM7,27のコマンドブロ
ックにおけるデータエリアのデータを読み込んで、それ
らをエミュレーションRAM5上の指定されたアドレス
のデータエリアに書き込み、ROMデータの書換えを行
う(ステップS76,S77)。このとき、制御用CPU3
の現在の負荷(例えば電子制御ユニット1の制御対象が
エンジンである場合にはそのRAMに格納されているエ
ンジン回転数等)を読み取り、制御用CPU3の負荷か
ら変更可能なデータ数を読み込む。この制御用CPU3
の負荷(エンジン回転数等)と変更可能なデータ数との
関係は図12に示すように制御用CPU3の負荷が増大
するほどデータ変更数が減少するように設定される。こ
うすることで、変更データ数が増大してもその電子制御
ユニット1での処理が遅れることはなくなる。
【0074】(7) 制御用CPU3は、上記(4) 〜(6) の
処理の終了後、ステータス(処理結果)をDPRAM
7,27のコマンドブロックにおけるステータスエリア
に書き込む。このとき、例えば、正常な状態で終了した
ときと異常な状態で終了したとき(エラーコード)とで
各コードを変える(ステップS78)。
【0075】(8) 制御用CPU3がDPRAM7,27
のステータスブロックにおけるステータスエリアのステ
ータスコードエリアにコマンドコードの書込処理コード
を書き込む。
【0076】(9) 制御用CPU3がDPRAM7,27
のステータスブロックにおけるステータスエリアのコマ
ンドチェック用カウンタをインクリメントする。
【0077】(10)制御用CPU3は、パソコン30側に
コマンドの終了を伝えるために、DPRAM7,27の
ステータスブロックにおけるインタラプトコードエリア
に所定のデータ値を書き込む。このことで、DPRAM
7,27からインタラプト信号がパソコン30側に出力
される(ステップS79)。
【0078】(11)パソコン30側は、上記DPRAM
7,27からのインタラプト信号をインタラプト用ケー
ブル35により受けた後、DPRAM7,27の上記コ
マンドチェック用カウンタ及びモニタチェック用カウン
タを読み込み、コマンド系又はモニタ系の何れの処理を
行うか判別する。
【0079】(12)以下の処理(12)〜(15)は上記判別がコ
マンド系処理の場合であり、パソコン30側がDPRA
M7,27のステータスブロックにおけるステータスエ
リアのステータスコードを読み込んでコマンド処理コー
ドを判別する。また、パソコン30側の変更データ数N
tと電子制御ユニット1側の変更データNeとを比較
し、Nt>Neになるまで電子制御ユニット1での変更
データ数から残りのデータ数及び先頭アドレスを求めた
後、今までの処理(1) 〜(9) を繰り返す(ステップS80
〜S83)。
【0080】(13)パソコン30側がコマンドブロックに
おけるステータスエリアのステータスを読み込んで正常
終了か異常終了かを判別する。
【0081】(14)パソコン30側がコマンドブロックに
おけるコマンドコードエリアに無処理コードを書き込
む。
【0082】(15)最後に、パソコン30側がステータス
ブロックにおけるインタラプトエリアのインタラプトコ
ードを読み込み、インタラプト信号をクリアする。
【0083】(RAMモニタ)このRAMモニタを行う
ために、電子制御ユニット1の制御用CPU3内に通信
用プログラムとしてのモニタサービスルーチンが設けら
れており、モニタサービスルーチンでは、図13に示す
如く以下の処理動作を行う。尚、モニタサービスルーチ
ンは、図8のコマンドサービスルーチンと同じく、制御
用CPU3の起動プログラムによって5msec毎に行われ
る。
【0084】すなわち、最初のステップS91でDPRA
M7,27のモニタブロックのモニタ設定エリアにおい
てモニタを開始又は停止するか否か(情報を送るかどう
か)を決定するためのモニタスイッチを読み込み、次の
ステップS92でモニタスイッチがONかどうかを判定す
る。この判定がNOつまりモニタ停止状態のときにはそ
のまま終了するが、YESのときには、ステップS93に
進んでモニタチャンネル数Nを設定し、次いで、ステッ
プS94において、チャンネル数Nのカウンタnをn=N
として設定し、ステップS95で、nチャンネル分の上
位、中位及び下位のモニタアドレスをDPRAM7,2
7のモニタアドレスエリアから読み込む。ステップS96
ではDPRAM7,27のモニタデータエリアにnチャ
ンネルの上位データを、またその後のステップS97では
nチャンネルの下位データをそれぞれ書き込み、ステッ
プS98でチャンネル数のカウンタnをn−1に減算す
る。
【0085】その後、ステップS99において、nチャン
ネルの全てが終了してn≦0となったかどうかを判定す
る。この判定がNOのときには、ステップS95に戻り、
ステップS95〜S98を繰り返す。従って、ステップS95
〜S99はチャンネル数nだけ繰り返される。
【0086】そして、nチャンネル全部が終了してn≦
0となると、基本的なモニタ処理が終り、後処理に進
む。まず、ステップS100 において、DPRAM7,2
7のステータスブロックにおけるステータスエリアのモ
ニタステータスエリアにモニタステータス(例えば正常
時はモニタチャンネル数で、異常時は所定のコード)を
書き込む。次いで、ステップS101 で、同ステータスエ
リアのモニタステータスコードエリアにモニタステータ
スコードを書き込み、ステップS102 では、同ステータ
スエリアのモニタチェック用カウンタをインクリメント
する。このことで、モニタ処理の実行を確認する。その
後、ステップS103 で、インタラプトエリアのモニタイ
ンタラプト識別コードエリアに所定コードを書き込み、
ステップS104 でインタラプトコードエリアに所定コー
ドを書き込んだ後、終了する。
【0087】そして、RAMモニタは以下に説明する順
序で行われ、基本的に、パソコン30の解析用CPUと
電子制御ユニット1の制御用CPU3との間でデータの
送受を確認しながら進めるいわゆるソフトハンドシェイ
ク方式である。尚、そのDPRAM7,27に対する処
理順序を図14に番号で示す。
【0088】(1) まず、パソコン30側がモニタ周期デ
ータ/トリガ、アドレス設定モードスイッチ、ぺージ、
モニタアドレス、チャンネル数、モニタスイッチ等のモ
ニタコマンドを出力し、かつ、DPRAM7,27のコ
マンドブロックにおけるデータエリアに書き込む(モニ
タ条件設定ライト)。
【0089】(2) 電子制御ユニット1の制御用CPU3
は上記モニタコマンドを受けて、上記DPRAM7,2
7のコマンドブロックにおけるデータエリアの値を読み
出す。
【0090】(3) 制御用CPU3は、DPRAM7,2
7のモニタブロックにおいてコマンドに対応したモニタ
設定エリアに設定値を書き込む。
【0091】(4) 制御用CPU3がモニタサービスルー
チン起動プログラムにてDPRAM7,27からモニタ
設定値を読み出し、モニタサービスルーチン(図13参
照)を起動する。
【0092】(5) 制御用CPU3は上記モニタサービス
ルーチンにより、DPRAM7,27のモニタアドレス
エリア上でのモニタアドレスを読み込む。
【0093】(6) 次いで、制御用CPU3は、上記モニ
タアドレスに基づき、モニタデータをDPRAM7,2
7のモニタデータエリアにチャンネル数分だけ繰り返し
て書き込む。
【0094】(7) 制御用CPU3は、DPRAM7,2
7のステータスブロックにおけるステータスエリアに所
定のステータス(例えば正常終了時にはモニタデータ送
出コード、異常終了時にはモニタデータエラーコード)
を書き込む。
【0095】(8) 制御用CPU3はDPRAM7,27
のステータスブロックにおけるステータスエリアに次の
モニタステータスコードを書き込む。
【0096】(9) 制御用CPU3がDPRAM7,27
のステータスブロックにおけるステータスエリアのモニ
タチェック用カウンタをインクリメントする。
【0097】(10)制御用CPU3は、パソコン30側に
モニタ処理の終了を伝えるために、DPRAM7,27
のステータスブロックにおけるインタラプトコードエリ
アに所定のデータ値を書き込む。このことで、DPRA
M7,27からインタラプト信号がパソコン30側に出
力される。
【0098】(11)パソコン30側は、上記DPRAM
7,27からのインタラプト信号をインタラプト用ケー
ブル35により受けた後、DPRAM7,27の上記コ
マンドチェック用カウンタ及びモニタチェック用カウン
タを読み込み、コマンド系又はモニタ系の何れの処理を
行うかを判別する。
【0099】(12)パソコン30側がDPRAM7,27
のステータスブロックにおけるステータスエリアのステ
ータスコードを読み込んでモニタ処理コードを得る。
【0100】(13)パソコン30側がDPRAM7,27
のステータスブロックにおけるステータスエリアのモニ
タステータスを読み込む。
【0101】(14)パソコン30側がコマンドブロックに
おけるステータスエリアの処理コードに基づいた処理
(モニタデータの獲得等)を行う。
【0102】(15)最後に、パソコン30側がステータス
ブロックにおけるインタラプトエリアのインタラプトコ
ードを読み込み、インタラプト信号をクリアする。以上
で1つのサンプリングを終了し、モニタスイッチがOF
Fされるまで上記(4) 〜(15)の処理を繰り返す。
【0103】以上のROMエミュレーション及びRAM
モニタの方法についてまとめると表1に示すようにな
る。
【0104】
【表1】
【0105】(システムダウン時の処理)次に、電子制
御ユニット1において、エンジン制御中に、例えばスタ
ータの駆動等により電源45からの電圧が低下するシス
テムダウン時の処理動作について説明する。
【0106】システムダウン時には、電子制御ユニット
1のI/Oボード41に取付けられたリセットパルス発
信器(図示せず)から発せられるリセットパルスは、図
15に示すようにHi レベルからLo レベルにまで立下
る。また、システムダウン後に正常に戻った時には、リ
セットパルスはLo レベルからHi レベルにまで立上り
元に戻る。このシステムダウンから正常に戻るまでの
間、電子制御ユニット1の制御用CPU3では、図16
に示す制御フローに従ってパソコン30の解析用CPU
との間で通信が行われる一方、パソコン30の解析用C
PUでは、図17に示す制御フローに従ってリセット検
知処理が行われる。
【0107】すなわち、電子制御ユニット1の制御用C
PU3による通信制御では、最初のステップS111 でリ
セットパルスの立下りであること、つまりシステムダウ
ン時であることを確認した後、ステップS112 でコマン
ド送信の中止を要求するコマンドC3をリセット信号と
してDPRAM7,27のコマンドブロックにおけるコ
マンドエリアに書き込むとともに、ステップS113 でD
PRAM7,27のステータスブロックにおけるステー
タスコードエリアにリセットコード(h´9B)を書き
込み、ステップS114 でコントローラ22側へ割込発行
を行い、終了する。また、システムダウン後に正常に戻
り、リセットパルスが立上るとステップS115 からステ
ップS116 へ進み、コマンド送信の再開を要求するコマ
ンドC5をリセット解除信号としてDPRAM7,27
のコマンドブロックにおけるコマンドエリアに書き込む
とともに、ステップS113 でDPRAM7,27のステ
ータスブロックにおけるステータスコードエリアにリセ
ットコード(h´9B)を書き込み、ステップS114 で
コントローラ22側へ割込発行を行い、終了する。
【0108】また、パソコン30の解析用CPUによる
リセット検知処理では、最初のステップS121 でDPR
AM7,27のコマンドブロックにおけるコマンドエリ
アのコマンドコードを読み込み、それがC3コマンドで
あるか、つまりC3コマンド(リセット信号)を受信し
たか否かを判定し、その判定がYESのときには更にス
テップS122 でDPRAM7,27のステータスブロッ
クにおけるステータスコードエリアのリセットコードを
読み込み、そのコードがh´9Bであるか否かを判定す
る。上記両ステップS121 ,S122 の判定は、リセット
パルスの立下りで電子制御ユニット1側でコマンド送信
の中止を要求している時であるか否かを判定しているも
のである。そして、コマンド送信の中止が要求されてい
る時には、ステップS123 でコマンド送信フラグFxcmd
をリセットした後、ステップS128 へ移行する。
【0109】一方、ステップS121 又はS122 の判定が
NOのときには、ステップS124 でDPRAM7,27
のコマンドブロックにおけるコマンドエリアのコマンド
コードを読み込み、それがC5コマンドであるか、つま
りC5コマンド(リセット解除信号)を受信したか否か
を判定し、その判定がYESのときには更にステップS
125 でDPRAM7,27のステータスブロックにおけ
るステータスコードエリアのリセットコードを読み込
み、そのコードがh´9Bであるか否かを判定する。上
記両ステップS124 ,S125 の判定は、リセットパルス
の立上りで電子制御ユニット1側でコマンド送信の再開
を要求している時であるか否かを判定しているものであ
る。そして、コマンド送信の再開が要求されている時に
は、ステップS126 で一定時間ta を待機した後、ステ
ップS127 でコマンド送信フラグFxcmdをセットした
後、ステップS128 へ移行する。
【0110】そして、ステップS128 ではコマンド送信
フラグFxcmdがセットされているか否かを判定し、その
判定がYESのときにはステップS128 でコマンド送信
を可つまり許容して終了する一方、判定がNOのときに
はステップS130 でコマンド送信を不可つまり禁止して
終了する。
【0111】このように、電子制御ユニット1側のシス
テムダウン時には、電子制御ユニット1の制御用CPU
3からコマンド送信中止の要求がコントローラ22の解
析用CPUに発せられ、該解析用CPUでコマンド送信
がシステムダウン直後(つまりリセットパネルの立下り
直後)から禁止される。また、システムダウン後に正常
に戻った時には、電子制御ユニット1の制御用CPU3
からコマンド送信再開の要求がコントローラ22の解析
用CPUに発せられ、該解析用CPUは一定時間ta 経
過した後にコマンド送信の再開する。このため、電子制
御ユニット1の制御用CPU3がシステムダウン中に受
けたコマンド処理をシステムダウンに起因して実行でき
ないという事態の発生を未然に防止することができ、制
御の信頼性を高めることができる。
【0112】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、その他種々の変形例を包含するものである。
例えば、上記実施例では、ROMエミュレーションをす
るためのエミュレーションRAM5を電子制御ユニット
1に設けた場合について述べたが、本発明は、このエミ
ュレーションRAM5を、特開平6−259284号公
報に開示するようにコントローラ22ないしツール側に
設けた場合にも同様に適用することができる。
【0113】
【発明の効果】以上の如く、請求項1に係る発明によれ
ば、コントローラへの通電時に該コントローラを介して
電子制御ユニットのエバボードにも通電が行われるの
で、電子制御ユニットの両ボード共通のスイッチをON
操作する以前に、コントローラと電子制御ユニットのエ
バボード上の制御用CPUとの間で通信の検査やデータ
転送等を行うことが可能になり、誤制御の未然防止を図
ることができるとともに、電子制御ユニット側の電源系
統のスイッチをONにする直前又は直後からROMエミ
ュレーションやRAMモニタを実行することができる。
【0114】請求項2及び請求項に係る発明によれ
ば、電子制御ユニットの両ボード共通のスイッチをON
操作する以前に、通信検査手段により制御用CPUとコ
ントローラとの間の通信が正常に行われるかを検査する
とともに、その検査結果に応じて電子制御ユニットの両
ボード共通のスイッチのON操作の適否を表示手段で表
示することにより、通信異常に起因する誤制御、例えば
エンジン制御の場合における燃料の吹きっぱなし等を未
然にかつ確実に防止することができる。
【0115】請求項4及び請求項9,10に係る発明に
よれば、いずれも電子制御ユニット側でシステムダウン
が生じたときには、その制御用CPUからのリセット信
号に基づいてコントローラからCPUへのコマンド送信
を中止することにより、コマンド処理の不実行を未然に
防止でき、制御の信頼性を高めることができる。特に、
請求項4及び10に係る発明では、制御用CPUからの
リセット解除信号を受けた時点から所定時間経過後にC
PUへのコマンド送信を再開することにより、コマンド
処理の不実行を確実に防止でき、制御の信頼性をより高
めることができる。
【0116】請求項5及び請求項に係る発明によれ
ば、電子制御ユニット側の電源系統のスイッチをONに
する以前からROMエミュレーションを行うことがで
き、例えばエンジン制御での冷間始動のテストにも容易
に対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る電子制御ユニットとその
ROMエミュレーション及びRAMモニタを行うツール
との構成を示すブロック図である。
【図2】上記電子制御ユニット及びツールの電源系統図
である。
【図3】DPRAMにおける各ブロック及びそのエリア
を示す説明図である。
【図4】制御データ及び制御プログラムの転送動作を示
すフローチャート図である。
【図5】ツール始動時の故障診断のためのパソコンの解
析用CPUでの制御フローを示すフローチャート図であ
る。
【図6】上記解析用CPUによる故障診断系コマンド処
理のフローチャート図である。
【図7】同じく返答待ち処理のフローチャート図であ
る。
【図8】モニタサービスルーチンを示すフローチャート
図である。
【図9】C2コマンド処理のフローチャート図である。
【図10】ROMエミュレーション時のDPRAMに対
する処理動作の順序を示す図である。
【図11】ROMエミュレーションの処理動作を示すフ
ローチャート図である。
【図12】ROMエミュレーション時の制御用CPUの
負荷とエミュレーションRAMに対し変更可能なデータ
数との関係を示す特性図である。
【図13】モニタサービスルーチンを示すフローチャー
ト図である。
【図14】RAMモニタ時のDPRAMに対する処理動
作の順序を示す図である。
【図15】リセットパルスのレベルとコマンド送信との
関係を示すタイムチャート図である。
【図16】システムダウン時の通信のための電子制御ユ
ニットの制御用CPUの制御フローを示すフローチャー
ト図である。
【図17】リセット検知処理のフローチャート図であ
る。
【符号の説明】
1 電子制御ユニット(ECU) 2 エバボード 3 制御用CPU 4 プログラムROM(ROM) 5 エミュレーションRAM 22 コントローラ 30 パソコン 33 ディスプレイ 41 I/Oボード(入出力ボード) 44 イグニッションスイッチ 46 パソコンの電源スイッチ 61 通信検査手段 62 表示手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−291662(JP,A) 特開 平6−259284(JP,A) 特開 昭61−166640(JP,A) 特開 昭61−166639(JP,A) 特開 平3−99334(JP,A) 特開 平5−241688(JP,A) 特開 平7−36725(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 1/00 G06F 11/22 - 11/26 G06F 11/28 - 11/34 JSTファイル(JOIS)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御用CPUにより所定の制御対象を制
    御する電子制御ユニットと、該電子制御ユニットの制御
    用CPUと通信可能に接続されたコントローラとを備え
    ており、 上記電子制御ユニットは、少なくとも制御用CPUを取
    付けたエバボードと、各種信号の入出力端子を取付けた
    入出力ボードとを有し、かつ両ボードに対して共通のス
    イッチのON操作により通電するように構成されている
    電子制御ユニットの調整装置において、 上記電子制御ユニットのエバボードのみに対して、コン
    トローラへの通電時に該コントローラを介して通電を行
    うように構成されていることを特徴とする電子制御ユニ
    ットの調整装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子制御ユニットの調整
    装置において、 更に上記制御用CPUとコントローラとの間の通信が正
    常に行われるかを検査する通信検査手段と、該通信検査
    手段の検査結果に応じて電子制御ユニットの両ボード共
    通のスイッチのON操作の適否を表示する表示手段とを
    備えたことを特徴とする電子制御ユニットの調整装置。
  3. 【請求項3】 上記電子制御ユニットは、所定の制御対
    象としてエンジンを制御するものであり、上記表示手段
    は、電子制御ユニットの両ボード共通のスイッチとして
    イグニッションスイッチのON操作の適否を表示するも
    のである請求項2記載の電子制御ユニットの調整装置。
  4. 【請求項4】 上記コントローラは、制御用CPUから
    リセット信号を受けたとき該CPUへのコマンド送信を
    中止し、制御用CPUからリセット解除信号を受けた時
    点から所定時間経過後にCPUへのコマンド送信を再開
    するように構成されている請求項1〜3のいずれか一つ
    に記載の電子制御ユニットの調整装置。
  5. 【請求項5】 上記電子制御ユニットは、そのエバボー
    ド上に制御用CPUの他に、少なくとも制御データを記
    憶するROMと、該ROMの制御データをエミュレーシ
    ョン可能なエミュレーションRAMとを有しており、上
    記コントローラは、上記エミュレーションRAMに書き
    込まれた制御データを変更調整するものであり、 上記制御用CPUは、エバボードへの通電が電子制御ユ
    ニットの両ボード共通のスイッチのON操作及びコント
    ローラからの通電のいずれによるときでも通電後直ちに
    上記ROMに記憶されている制御データをエミュレーシ
    ョンRAMに転送して書き込むように構成されている請
    求項1記載の電子制御ユニットの調整装置
  6. 【請求項6】 請求項1記載の電子制御ユニットの調整
    装置の使用方法であって、 電子制御ユニットの両ボード共通のスイッチのON操作
    に先立って、まず、コントローラの電源スイッチをON
    操作して通電を行い、しかる後該コントローラと電子制
    御ユニットの制御用CPUとの間の通信が正常に行われ
    るかを検査し、その検査結果に応じて電子制御ユニット
    の両ボード共通のスイッチのON操作の適否を表示する
    ことを特徴とする電子制御ユニットの調整装置の使用方
    法。
  7. 【請求項7】 上記電子制御ユニットは、所定の制御対
    象としてエンジンを制御するものであり、上記スイッチ
    はイグニッションスイッチである請求項記載の電子制
    御ユニットの調整装置の使用方法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の電子制御ユニットの調整
    装置の使用方法であって、 上記電子制御ユニットは、そのエバボード上に制御用C
    PUの他に、少なくとも制御データを記憶するROM
    と、該ROMの制御データをエミュレーション可能なエ
    ミュレーションRAMとを有しており、上記コントロー
    ラは、上記エミュレーションRAMに書き込まれた制御
    データを変更調整するものであり、 電子制御ユニットの両ボード共通のスイッチのON操作
    に先立って、まず、コントローラの電源スイッチをON
    操作して通電を行い、しかる後上記ROMに記憶されて
    いる制御データをエミュレーションRAMに転送して書
    き込むことを特徴とする電子制御ユニットの調整装置の
    使用方法。
  9. 【請求項9】 請求項6,7のいずれか一つに記載の電
    子制御ユニットの調整装置の使用方法であって、 上記電子制御ユニット側でシステムダウンが生じたとき
    制御用CPUからコントローラ側へリセット信号を出力
    し、コンローラから制御用CPUへのコマンド送信を中
    止することを特徴とする電子制御ユニットの調整装置の
    使用方法。
  10. 【請求項10】 請求項記載の電子制御ユニットの調
    整装置の使用方法であって、 上記システムダウン後に正常に戻ったとき制御用CPU
    からコントローラ側へリセット解除信号を出力し、コン
    トローラ側ではその信号を受けた時点から所定時間経過
    後に制御用CPUへのコマンド送信を再開することを特
    徴とする電子制御ユニットの調整装置の使用方法
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