JP3438211B2 - 内燃機関のウォータポンプ - Google Patents

内燃機関のウォータポンプ

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JP3438211B2
JP3438211B2 JP24889396A JP24889396A JP3438211B2 JP 3438211 B2 JP3438211 B2 JP 3438211B2 JP 24889396 A JP24889396 A JP 24889396A JP 24889396 A JP24889396 A JP 24889396A JP 3438211 B2 JP3438211 B2 JP 3438211B2
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逸朗 橋口
憲夫 佐々木
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Aisin Corp
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Toyota Motor Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のウォー
タポンプに関し、特に内燃機関の各部に供給される冷却
水の配分を可変としたウォータポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関のウォータポンプに関し
て、シリンダヘッドとシリンダブロックに供給する冷却
水量の割合を調節するシステムが提案されている。例え
ば、「VQエンジン可変二系統冷却システムの開発」
(第13回内燃機関シンポジウム講演論文集−65、96年7
月9〜11日、東京)には、シリンダヘッド、シリンダブ
ロックそれぞれに、一つのウォータポンプに連通する独
立した冷却水通路を接続し、シリンダヘッド及びシリン
ダブロック下流にシリンダヘッド及びシリンダブロック
をそれぞれ循環した冷却水が合流する合流管を設け、さ
らに、シリンダブロックとこの合流管の間に(シリンダ
ブロック下流側に)、シリンダブロックへの冷却水流量
を調整するコントロールバルブを配置し、このコントロ
ールバルブによりシリンダブロックへの冷却水流量を調
整するシステムが提案されている。このシステムは、シ
リンダブロックへの冷却水流量を調整するものであっ
て、シリンダヘッドには常時冷却水がウォータポンプか
ら供給される。
【0003】また、特開平4-237898号公報には、機関各
部(シリンダヘッドとシリンダブロック)への冷却水流
量の配分を適切にして冷却性能を高めることを目的とす
る流路切替弁を備えた内燃機関のウォータポンプが提案
されている。図11は、このウォータポンプの構成を説
明するための断面図である。図11を参照して、このウ
ォータポンプ100において、シリンダヘッド側吐出通
路101とシリンダブロック側吐出通路102との境界
壁105はロータ106から送出される冷却水の通路1
09中に突出され、この境界壁105先端の枢軸103
に制御翼104を枢支し、制御翼104を枢動させるこ
とによりシリンダヘッド側吐出通路101とシリンダブ
ロック側吐出通路102との開口面積比を制御する。こ
のウォータポンプ100は、図示の通り制御翼104の
構造上、冷却水をシリンダヘッド及びシリンダブロック
に供給しない、いわゆる全閉の状態をとることはできな
い。
【0004】また、内燃機関に代えて電動モータを駆動
源とし、その吐出通路を切換えることにより内燃機関の
各部に供給される冷却水の配分を可変とする内燃機関の
冷却装置及びウォータポンプが、特開昭57-159916号公
報及び特開平8-142647号公報に夫々提案されている。特
開昭57-159916号公報に提案されている冷却装置では、
電動モータで駆動されるウォータポンプの吐出通路を制
御弁を介してシリンダブロック及びシリンダヘッドに連
通させ、内燃機関の温度に応じて制御弁によりシリンダ
ブロック及びシリンダヘッドへ供給される冷却水の配分
を可変としている。また、特開平8-142647号公報に提案
されているウォータポンプは、ラジエータ吐出口と、オ
イルクーラ吐出口と、ヒータ吐出口を備え、ロータと同
心にロータを取り巻くように設けられた渦室を有する回
転体が回転されて、冷却水が吐出する吐出口が選択され
るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記講演論文「VQエ
ンジン可変二系統冷却システムの開発」のシステムにお
いては、コントロールバルブをシリンダブロックの下流
側に配置し、シリンダヘッド上流側には流量制御手段を
配置していないため、シリンダヘッド及びシリンダブロ
ックのいずれにも冷却水を供給しない状態を実現するこ
とができない。従って、内燃機関始動直後においてもシ
リンダヘッドへの冷却水流量を“0”にすることができ
ないため、内燃機関始動直後からシリンダヘッドが冷却
されることとなり、シリンダヘッド温度が適温に上昇し
て最適燃焼状態が達成されるまで長時間を要する。
【0006】特開平4-237898号公報に提案された内燃機
関のウォータポンプは、その制御翼104(図11参
照)の構造上、シリンダヘッド側吐出通路101とシリ
ンダヘッド側吐出通路102の両方を閉止することが不
可能とされ、必ずシリンダヘッド又はシリンダブロック
のいずれかに冷却水が供給される。従って、内燃機関始
動直後においても、シリンダヘッド又はシリンダブロッ
クのいずれかが必ず冷却されて、シリンダ温度が適温に
上昇して最適燃焼状態が実現するまで長時間を要する。
【0007】これに対し、特開昭57-159916号公報及び
特開平8-142647号公報に提案される、電動モータを駆動
源とするウォータポンプによれば、ウォータポンプによ
る冷却水の送給を停止するように電動モータを制御する
ことにより、シリンダヘッド及びシリンダブロックのい
ずれにも冷却水を供給しない状態が得られる。従って、
内燃機関の始動直後にシリンダ温度が適温に遅滞なく上
昇し、最適燃焼状態が短時間で実現される。しかしなが
ら、これらのウォータポンプにおいては、電動モータを
その駆動源としているため、ウォータポンプの構造の複
雑化、製造コストの増大、及び設計自由度の減少等の問
題を招く。また、さらに、特開平8-142647号公報に提案
されているウォータポンプは、ロータを収容するインボ
リュート曲線を描いた渦室を有する回転体を設けること
により、ポンプ構造、特にロータ周辺構造が肥大化し、
限られたスペースにこの肥大化したポンプ構造を導入す
ることによって、他の機器の大きさ、配置等が制約を受
けるという問題が生じる。
【0008】以上の問題点に鑑みて、本発明は内燃機関
の始動直後において内燃機関温度の最適制御を可能とす
るコンパクトな構造の内燃機関のウォータポンプを提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、内燃機関始
動直後において、シリンダヘッド及びシリンダブロック
に冷却水を供給しないことによって、シリンダヘッド及
びシリンダブロック温度が最適燃焼温度に到達する時間
が短縮可能であることを見出し、さらに、新たにウォー
タポンプを追加したり、ウォータポンプの駆動源を内燃
機関以外とすることなく、内燃機関を駆動源とするウォ
ータポンプを用いて、少なくともシリンダヘッド及びシ
リンダブロックに冷却水を供給しない状態、すなわち全
閉の状態を実現する、回転弁を備えたコンパクトな構造
のウォータポンプを提供することによって、上記最適燃
焼温度に到達する時間の短縮化が可能とされることを見
出し、本発明に想到したものである。
【0010】上記目的を達成するために、本発明の手段
は、ハウジング内に設けられた冷却水送出手段と、該冷
却水送出手段から送出された冷却水を吐出可能な第1吐
出口及び第2吐出口と、少なくとも1つの制御翼を有
し、該制御翼の回動に伴い、前記第1吐出口と前記冷却
水送出手段との間の連通を許容する第1の位置、前記第
2吐出口と前記冷却水送出手段との間の連通を許容する
第2の位置、及び前記両吐出口と冷却水送出手段との間
の連通を遮断する第3の位置との間を切換可能に前記ハ
ウジングに回動可能に配設される回転弁とを備えること
を特徴とする。
【0011】上記手段において、好ましくは、前記冷却
水送出手段は、前記ハウジングに軸支されるロータと、
前記ハウジング内に形成されてその内部に前記ロータが
収容される渦室とを備え、前記回転弁の制御翼は、前記
渦室の始端部における前記ロータと前記ハウジング間の
間隙を可変とするように、前記回転弁の3位置に応じて
前記渦室内に突出可能であることを特徴とする。
【0012】さらに好ましくは、前記回転弁の制御翼
は、前記両吐出口を同時に閉止可能なように所定角度離
間され、前記ハウジングに回転可能に軸支された枢軸に
固定された2枚の板状部材であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して、本発明の一
実施形態を詳細に説明する。
【0014】図1〜図3は、本発明の一実施形態に係る
内燃機関のウォータポンプを用いた冷却装置の概略構成
を説明するためのブロック図であって、冷却水水温をT
W、第1設定水温をT1、第2設定水温をT2、サーモ
スタット開弁温度T3(但し、T1<T2<T3)とす
ると、図1はTW>T2の場合、図2はT1<TW<T
2の場合、図3はTW>T3の場合のウォータポンプの
状態をそれぞれ示す図である。
【0015】図1〜図3を参照して、冷却水供給切替手
段として吐出口切替弁を備え、内燃機関によって駆動さ
れるウォータポンプ10の2つの独立した吐出口とシリ
ンダヘッド11、シリンダブロック12の間にはそれぞ
れシリンダヘッド側冷却水通路14、シリンダブロック
側冷却水通路15が接続される。シリンダブロック12
内の冷却水通路は、不図示のウォータジャケットを介し
て、シリンダヘッド11内の冷却水通路に連通し、シリ
ンダヘッド11の冷却水とシリンダブロック12の冷却
水とは合流して、シリンダヘッド冷却水排出管から合流
した冷却水が、ヒータ16、バイパス管19を介してサ
ーモスタット17、又はラジエータ18に供給され、そ
れぞれウォータポンプ10に環流する。サーモスタット
17は、冷却水水温TWがサーモスタット開弁温度T3
を超えると冷却水をラジエータ18を通してウォータポ
ンプ10に環流させる。ウォータポンプ10に備えられ
た吐出口切替弁は不図示のDCモータ(又はアクチュエ
ータなど)によって駆動されてウォータポンプ10の冷
却水吐出口を切替え、DCモータはシリンダヘッド11
に取り付けた不図示の温度センサの出力によって制御さ
れる。
【0016】次に、この内燃機関のウォータポンプの動
作を説明する。先ず、内燃機関の始動直後、ウォータポ
ンプ10に備えられた吐出口切替弁は全閉の状態とさ
れ、シリンダヘッド11及びシリンダブロック12へ冷
却水を供給しない。従って、冷却水は循環せず、燃焼に
よってシリンダヘッド11及びシリンダブロック12の
温度は速やかに上昇し、シリンダヘッド11及びシリン
ダブロック12内に滞留している冷却水は暖められる。
【0017】図2を参照して、次に、内燃機関の暖機状
態において、冷却水水温TWが第1設定水温T1を超え
ると、ウォータポンプ10に備えられた吐出口切替弁が
駆動されて、シリンダヘッド11側にのみ冷却水を供給
する。シリンダヘッド11内を循環し冷却した冷却水
は、ヒータ16に供給されてヒータ16を暖め、ヒータ
16は温風を吹き出すことが可能とされる。
【0018】図1を参照して、次に、さらに冷却水水温
TWが上昇して第2設定水温T2を超えた場合、ウォー
タポンプ10に備えられた吐出口切替弁が駆動されて、
シリンダブロック12側にのみ冷却水を供給する。シリ
ンダブロック12側に供給された冷却水は、ウォータジ
ャケットを介してシリンダヘッド11側に循環する。シ
リンダヘッド11及びシリンダブロック12を循環し冷
却した冷却水は、ヒータ16又はバイパス管19を介し
てウォータポンプ10に環流する。
【0019】図3を参照して、次に、さらに冷却水水温
TWが上昇して、サーモスタット17の開弁温度T3を
超えた場合、サーモスタット17はバイパス管19を閉
鎖して、シリンダヘッド11及びシリンダブロック12
を冷却して暖められた冷却水がラジエータ18を通過し
て冷却された後、ウォータポンプ10に環流する。
【0020】このように、ウォータポンプ10に備えら
れた吐出口切替弁は、シリンダヘッド11側吐出口を
閉止、シリンダブロック12側吐出口を開放、シリン
ダヘッド11側吐出口を開放、シリンダブロック12側
吐出口を閉止、シリンダヘッド11側吐出口を閉止、
シリンダブロック12側吐出口を閉止、の3位置をとる
ことができ、内燃機関(エンジン)の始動状態及び冷却
水水温などの内燃機関の状態に応じて、〜の位置が
選択される。特に、この内燃機関のウォータポンプは、
シリンダヘッド11側吐出口を閉止、シリンダブロッ
ク12側吐出口を閉止の状態をとることが可能とされる
ことにより、内燃機関の冷却制御幅が拡大され、内燃機
関始動直後においてシリンダヘッド11及びシリンダブ
ロック12のいずれにも冷却水を供給しない状態が達成
できるため、内燃機関の始動から最適燃焼温度に到達す
るまでの時間が短縮される。
【0021】なお、冷却水水温TWを測定する温度セン
サは、上述のようにシリンダヘッド11に取り付けても
良く、或いはシリンダヘッド11及びシリンダブロック
12の両方に取付け、シリンダヘッド11側で第1設定
水温T1と対照する冷却水水温TW、シリンダブロック
12側で第2設定水温T2と対照する冷却水水温TWを
それぞれ検出する制御システムとすることによって、さ
らに内燃機関のウォータポンプを最適制御することが可
能とされる。
【0022】また、シリンダヘッド11内においてシリ
ンダヘッド11側冷却水とシリンダブロック12側冷却
水とが合流するシステムに代えて、シリンダヘッド側冷
却水とシリンダブロック側冷却水がシリンダヘッド及び
シリンダブロック外で合流するシステムに対しても、以
上説明した内燃機関のウォータポンプは適用可能とされ
る。
【0023】図4〜図6は、本発明の一実施形態に係
る、内燃機関のウォータポンプの構成を説明するための
断面図である。図4は内燃機関始動直後、図5は内燃機
関暖機中、図6は暖機後の状態をそれぞれ示す。図7〜
図9は図4〜図6にそれぞれ示す水切り部5の拡大図で
ある。
【0024】図4〜図6を参照して、吐出口切替弁とし
て回転弁3を備え、内燃機関によって駆動されるウォー
タポンプ10は、そのハウジング内に、互いに隣接して
配置されたシリンダヘッド側吐出口(第1吐出口)1
と、シリンダブロック側吐出口(第2吐出口)2と、渦
室に収容され、インペラを備えたロータ(冷却水送出手
段)6と、両吐出口1、2とロータ6の間に両者に近接
して配された冷却水の吐出口切替弁である回転弁3とを
有し、回転弁3は互いに略180゜離隔して互いに対向
する2枚の制御翼4a、4bを備える。制御翼4aは回
転されてハウジングの所定位置にその両端部が当接し、
シリンダヘッド側吐出口1を閉止、シリンダブロック
側吐出口2を開放、シリンダヘッド側吐出口1を開
放、シリンダブロック側吐出口2を閉止、シリンダヘ
ッド側吐出口1を閉止、シリンダブロック側吐出口2を
閉止、の3位置をとることができる。ロータ6の外周と
回転弁3に向かって突出形成されたハウジングに当接す
る制御翼4a、4bの端部との間が水切り部5(渦室の
始端部に位置する)であり、この制御翼4a、4b端部
とロータ6の外周との間の隙間が、水切り部5のクリア
ランスとなる。制御翼4bを設けたことにより、前記3
位置に応じて水切り部5のクリアランスを3段階に可変
することが可能とされる。また、シリンダブロック側吐
出口2は、整流板で仕切られ2分割されている。このウ
ォータポンプ10を図1〜図3の内燃機関のウォータポ
ンプに適用する場合、シリンダヘッド側吐出口1がシリ
ンダヘッド側冷却水通路14に、シリンダブロック側吐
出口2がシリンダブロック側冷却水通路15にそれぞれ
接続される。
【0025】次に、このウォータポンプの動作を説明す
る。図4を参照して、内燃機関始動直後の場合、シリン
ダヘッド側吐出口1とシリンダブロック側吐出口2は共
に、制御翼4aによって閉止される。従って、シリンダ
ヘッド及びシリンダブロックには共に、冷却水が供給さ
れないため、燃焼によるシリンダヘッド及びシリンダブ
ロックの温度上昇速度は高められる。また、水切り部5
の拡大図である図7を参照して、制御翼4aによって水
切り部5のクリアランスは最大とされている。これによ
り、キャビテーションの発生の防止及びポンプ駆動トル
クの低減が図られる。
【0026】図5を参照して、内燃機関暖機中の場合、
シリンダブロック側吐出口2が制御翼4aによって閉鎖
され、ロータ6から圧送された冷却水はシリンダヘッド
側吐出口1に送出される。また、水切り部5の拡大図で
ある図8を参照して、制御翼4aによって水切り部5の
クリアランスは中間の幅とされている。
【0027】図6を参照して、内燃機関暖機後の場合、
シリンダヘッド側吐出口1が制御翼4aによって閉鎖さ
れ、ロータ6から圧送された冷却水はシリンダブロック
側側吐出口2に送出される。また、水切り部5の拡大図
である図9を参照して、制御翼4bによって水切り部5
のクリアランスは最小とされている。
【0028】図4〜図6に示す回転弁3の位置は、前記
したように内燃機関の始動状態及び冷却水水温などの内
燃機関の状態に応じて、前記〜の位置が選択制御さ
れる。このように3位置をとる回転弁3によって、内燃
機関自体の出力する駆動力によってロータ6が回転され
る装置においても、内燃機関とロータ6との間に駆動力
断接手段を別に設けることなく、内燃機関各部に冷却水
を供給しない(循環させない)状態が達成される。ま
た、図7、図8、図9の順に水切り部5のクリアランス
を狭くすることにより、冷却水の供給先及び冷却水を供
給しないという全閉の状態に応じて、ロータ6の回転数
が同じであっても(例えばロータ6を駆動する内燃機関
の回転数が同じ状態であっても)、吐出量を可変するこ
とができる。すなわち、この装置によれば、始動直後に
おいては水切り部5のクリアランスが最大とされロータ
6の負荷が低減され(図7参照)、且つ暖機中(図8参
照)よりも多くの冷却水量を必要とする暖機後(図9参
照)の方が、ロータ6の同一回転数において冷却水吐出
量を大きくすることが可能とされている。
【0029】図10は、本発明の他の実施形態に係る、
ウォータポンプの断面図である。図10に示すウォータ
ポンプと図4〜図6に示したウォータポンプ10とは、
その吐出口切替弁の構造と、シリンダヘッド側吐出口1
の開口径及びその開口付近のハウジング形状のみが相違
している。
【0030】図10を参照して、この吐出口切替弁(回
転弁)の制御翼は、シリンダヘッド側吐出口1とシリン
ダブロック側吐出口2とを同時に閉止可能なように約9
0゜離間されて、枢軸となる制御翼センタ軸7に枢動可
能に固定された2枚の扉状制御翼4a、4bからなる。
制御翼4a、4bは図10中実線で示す位置においてシ
リンダヘッド側吐出口1とシリンダブロック側吐出口2
を共に閉止し、仮想線で示す位置において、シリンダヘ
ッド側吐出口1又はシリンダブロック側吐出口2のいず
れか一方を閉止し、他方の吐出口を開放する。このよう
に、図10に示す吐出口切替弁を備えたウォータポンプ
は、シリンダヘッド側吐出口1を閉止、シリンダブロ
ック側吐出口2を開放、シリンダヘッド側吐出口1を
開放、シリンダブロック側吐出口2を閉止、シリンダ
ヘッド側吐出口1を閉止、シリンダブロック側吐出口2
を閉止、の3位置をとることができるため、これを図1
〜図3に示した内燃機関のウォータポンプに好適に適用
することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第1吐出口に連通される内燃機関の部位に冷却水を供給
する状態、第2吐出口に連通される内燃機関の部位に冷
却水を供給する状態、及び両部位に冷却水を供給しない
状態の少なくとも3状態に冷却水の供給状態を切替る回
転弁をハウジングに設けることにより、内燃機関の冷却
制御幅が拡大される。これによって、特に前記部位とし
てのシリンダブロック及びシリンダヘッドに冷却水を供
給しない状態が当該ウォータポンプの大型化及び製造コ
ストの増大等を招くことなく達成されることによって、
この状態において内燃機関の始動直後における燃焼によ
る内燃機関の温度上昇速度が高くされるため、最適燃焼
温度への到達時間が短縮されるという効果を奏する。
【0032】さらに、回転弁の制御翼を渦室の始端部に
おけるロータとハウジング間の隙間を可変とするよう
に、回転弁の3位置に応じて渦室内に突出可能としたこ
とにより、回転弁の位置すなわち冷却水供給先又は全閉
の状態に応じて、冷却水吐出量を可変することができ、
さらに冷却制御幅が拡大される(請求項2)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る内燃機関のウォータ
ポンプを用いた冷却装置の構成を説明するためのブロッ
ク図であり、冷却水水温TW>第2設定水温T2の状態
を示す図である(但し、第1設定水温T1<T2<T
3)。
【図2】本発明の一実施形態に係る内燃機関のウォータ
ポンプを用いた冷却装置の構成を説明するためのブロッ
ク図であり、第1設定水温T1<冷却水水温TW<第2
設定水温T2の状態を示す図である(但し、T1<T2
<T3)。
【図3】本発明の一実施形態に係る内燃機関のウォータ
ポンプを用いた冷却装置の構成を説明するためのブロッ
ク図であり、冷却水水温TW>サーモスタット開弁温度
T3の状態を示す図である(但し、T1<T2<T
3)。
【図4】本発明の一実施形態に係る内燃機関のウォータ
ポンプの構成を説明するための断面図であり、内燃機関
始動直後における状態を示す。
【図5】本発明の一実施形態に係る内燃機関のウォータ
ポンプの構成を説明するための断面図であり、内燃機関
暖機中における状態を示す。
【図6】本発明の一実施形態に係る内燃機関のウォータ
ポンプの構成を説明するための断面図であり、内燃機関
暖機後における状態を示す。
【図7】図4に示す水切り部5の拡大図である。
【図8】図5に示す水切り部5の拡大図である。
【図9】図6に示す水切り部5の拡大図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係る、内燃機関のウ
ォータポンプの断面図である。
【図11】従来の流路切替弁を備えた内燃機関のウォー
タポンプの構成を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド側吐出口(第1吐出口) 2 シリンダブロック側吐出口(第2吐出口) 3 回転弁(吐出口切替弁) 4a、4b 制御翼 5 水切り部 6 ロータ(冷却水送出手段) 7 制御翼センタ軸(枢軸) 10 吐出口切替弁を備えたウォータポンプ(冷却水供
給切替手段) 11 シリンダヘッド 12 シリンダブロック 14 シリンダヘッド側冷却水通路 15 シリンダブロック側冷却水通路 16 ヒータ 17 サーモスタット 18 ラジエータ 19 バイパス管
フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭62−74199(JP,U) 実開 平1−145364(JP,U) 実開 平4−111598(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01P 5/10 F01P 7/16 F04D 29/44

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジング内に設けられた冷却水送出手段
    と、該冷却水送出手段から送出された冷却水を吐出可能
    な第1吐出口及び第2吐出口と、少なくとも1つの制御
    翼を有し、該制御翼の回動に伴い、前記第1吐出口と前
    記冷却水送出手段との間の連通を許容する第1の位置、
    前記第2吐出口と前記冷却水送出手段との間の連通を許
    容する第2の位置、及び前記両吐出口と冷却水送出手段
    との間の連通を遮断する第3の位置との間を切換可能に
    前記ハウジングに回動可能に配設される回転弁とを備え
    ることを特徴とする内燃機関のウォータポンプ。
  2. 【請求項2】前記冷却水送出手段は、前記ハウジングに
    軸支されるロータと、前記ハウジング内に形成されてそ
    の内部に前記ロータが収容される渦室とを備え、前記回
    転弁の制御翼は、前記渦室の始端部における前記ロータ
    と前記ハウジング間の間隙を可変とするように、前記回
    転弁の3位置に応じて前記渦室内に突出可能であること
    を特徴とする請求項1に記載の内燃機関のウォータポン
    プ。
  3. 【請求項3】前記回転弁の制御翼は、前記両吐出口を同
    時に閉止可能なように所定角度離間され、前記ハウジン
    グに回転可能に軸支された枢軸に固定された2枚の板状
    部材であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関
    のウォータポンプ。
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