JP3436903B2 - 塗料組成物 - Google Patents
塗料組成物Info
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Description
フィン系熱可塑性エラストマー樹脂との双方に対し使用
可能な塗料組成物に関する。
バー一体インストルメントパネル2はインストルメント
パネル本体21とエアバッグカバー22とからなり,該
エアバッグカバー22はインストルメントパネル本体2
1の開口部に一体成形されている。強度が要求されるイ
ンストルメントパネル本体21には,比較的硬質のポリ
プロピレン(以下,PPと略す。)樹脂が用いられ,エ
アバッグ膨張時に展開性が要求されるエアバッグカバー
22には,軟質のポリオレフィン系熱可塑性エラストマ
ー(以下,TPOと略す。)樹脂が用いられている。
トパネル2における塗装には次のような2種類の塗料が
必要である。インストルメントパネル本体21には,塩
素化ポリオレフィン樹脂や塩素化ポリオレフィン樹脂と
アクリル系樹脂の混合物,もしくは塩素化ポリオレフィ
ンと(メタ)アクリル酸エステル類との共重合体等から
なるPP樹脂用の一液型ラッカー塗料を用いる。
を有するアクリル系単量体等と塩素化ポリオレフィンを
共重合させた塩素化ポリオレフィン変性水酸基含有アク
リル共重合体とイソシアネート化合物とを必須成分とし
て構成されるTPO樹脂用の二液型塗料を用いる。
樹脂からなる一体成形品に対する塗装は,二種類の塗料
と二工程以上の塗装工程が必要となり,コストが高くな
る。また,PP樹脂用とTPO樹脂用との塗料の違いに
より,色調の差異を生じることがある。このため,特に
意匠面に使用する一体成形品では見栄えが低下するとい
う問題があった。
体成形品に対し,PP樹脂用の一液型ラッカー塗料を塗
装した場合,TPO樹脂の柔軟性に塗膜が追従できず,
経年劣化等から塗膜割れが生じるおそれがある。特に,
自動車のエアバッグカバー一体インストルメントパネル
に対しPP樹脂用の一液型ラッカー塗料を用いた場合,
エアバッグ展開時に塗膜の破片が飛散し,安全性の問題
が生じる恐れがある。この問題は,PP樹脂への塗膜の
付着性,耐油脂汚染性等を保持するために,PP樹脂用
一液型ラッカー塗料には高ガラス転移点のメイン樹脂を
用いるために発生する。
一液型ラッカー塗料に,TPO樹脂に追従できる柔軟性
を付与するため,低ガラス転移点のメイン樹脂を含有さ
せることがある。しかし,得られた塗料をPP樹脂とT
PO樹脂とからなる一体成形品に用いた場合,今度はP
P樹脂への付着性の低下や,耐油脂汚染性の低下が起こ
る。なお,耐油脂汚染性とは,人体の手油などの油脂分
が塗膜に移行し,塗膜が軟化したり,剥離することを防
止する性能である。
PO樹脂とからなる一体成形品をTPO樹脂用の二液型
塗料で塗装することも考えられる。しかしながら,PP
樹脂との塗膜付着性を得るためにプライマーが必要とな
る。また,塗料の使用前に架橋剤を配合する必要がある
ため,取扱いが煩雑となる。さらに,架橋剤配合後の塗
料使用可能時間も限られる等,塗料の安定性に問題があ
る。以上の理由から一液型ラッカー塗料に比べ二液型塗
料は,塗料材料費および塗装加工費上不利となりやす
い。
されたもので,一液型の塗料であって,PP樹脂とTP
O樹脂との一体成形品に対し直接塗装することが可能
で,一体成形品に対し優れた付着性を持ち,更に耐油脂
汚染性,塗料安定性に優れ,TPO樹脂の柔軟性に追従
できるような優れた屈曲性を有する,塗料組成物を提供
しようとするものである。
素化ポリオレフィン変性樹脂,(b)軟質樹脂及び
(c)軟質ビーズを必須の成分として含有し,ポリプロ
ピレン樹脂とポリオレフィン系熱可塑性エラストマー樹
脂からなる一体成形品用の一液型の塗料組成物であっ
て,上記(a)は,(d)塩素化ポリオレフィンの存在
下で(e)ビニル系単量体またはビニル系単量体混合物
を重合した樹脂であり,更に上記(d)は塩素含有率が
15〜50重量%であり,上記(e)のビニル系単量体
は,(メタ)アクリル酸エステル単量体または塩素化ポ
リオレフィンに対し共重合可能なその他の単量体のいず
れか一種からなる,またはビニル系単量体混合物は,
(メタ)アクリル酸エステル単量体または塩素化ポリオ
レフィンに対し共重合可能なその他の単量体のいずれか
一種以上から選ばれる単量体を混合して得た単量体混合
物からなることを特徴とするポリプロピレン樹脂とポリ
オレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂からなる一体成
形品用の一液型の塗料組成物にある。
述の(a)〜(c)にかかる物質を必須成分としたこと
にある。
ン,塩素化ポリエチレン,塩素化ポリプロピレン−エチ
レン共重合体,塩素化ポリエチレン−酢酸ビニル及びこ
れら各種塩素化ポリオレフィンの混合物を用いることが
好ましい。また,上記塩素化ポリオレフィンとして,例
えば,スーパークロン832L,スーパークロン892
L(いずれも日本製紙(株)製),ハードレン14−L
LB,ハードレン14−MLJ(いずれも東洋化成工業
(株)製)等の各種の市販された塩素化ポリオレフィン
樹脂を使用することができる。
重量%である。塩素含有量が50重量%を超えると,ポ
リオレフィン樹脂(PP樹脂,TPO樹脂共)に対する
付着性が低下するおそれがある。15重量%未満になる
と,溶剤に対する溶解性が低下するとともに,(e)と
して使われる(メタ)アクリル酸エステル系共重合体等
との相溶性に欠けるようになり,塗料の安定性が低下す
るおそれがある。なお,(e)の詳細は後述する。
クリル樹脂,軟質ウレタン樹脂,軟質ポリエステル樹
脂,可塑剤等を用いることができる。軟質アクリル樹脂
としては,アグリディックA−157,アグリディック
DL−967(いずれも大日本インキ化学工業(株)
製),軟質ウレタン樹脂としては,バーノック16−4
16(大日本インキ化学工業(株)製),軟質ポリエス
テル樹脂としては,ニッポラン1004(日本ポリウレ
タン工業(株)製),また,可塑剤としては,ポリサイ
ザーW−2040(大日本インキ化学工業(株)製)等
が例示できる。これらの各種軟質樹脂,可塑剤のそれぞ
れを一種以上組み合わせて使用することもできる。
ズ,ウレタンビーズ,オレフィンビーズ等を使用するこ
とができる。具体的には,アクリルビーズとしては,M
4R−7G(綜研化学(株)製),ウレタンビーズとし
ては,アートパールC−800(根上工業(株)製),
オレフィンビーズとしては,ハイフラットT−15P−
2((株)岐阜セラック製造所製)等を例示することが
でき,これらの各種ビーズを一種類以上組み合わせて用
いることができる。
(a)塩素化ポリオレフィン変性樹脂が本発明にかかる
塗料組成物の塗料基本樹脂となり,一液型ラッカー塗料
の特徴である。よって,プライマー等を使用することな
く直接塗装を行なうことが可能という特徴を本発明の塗
料組成物に付与することができる。また,一液型である
ため,使用前の架橋剤等の配合工程も不要で,塗料使用
可能時間の限定も少なく,取り扱い容易で作業性に優れ
るという特徴を付与することができる。
間力によりPP樹脂に対する付着性もTPO樹脂に対す
る付着性も確保することができる。更に,上記(d)は
塩素含有率が15〜50重量%であるため,塗料安定性
が良好で,ポリオレフィン樹脂に対する安定した付着性
を得ることができる。
(a)のみよりなる塗料組成物は比較的硬質の成分
(a)だけのポリマーが絡み合っている状態にあるが,
図1(A)に示すごとく,(a)に対し(b)や(c)
とが加わることで,(a),(b)のポリマーがからみ
合い,(c)が均一に分散した状態になる。このよう
に,本発明の塗料組成物は(b),(c)という材料を
含んでいるため,塗膜に柔軟性や屈曲性を持たせること
ができる。
って,PP樹脂とTPO樹脂との一体成形品に対し直接
塗装することが可能で,一体成形品に対し優れた付着性
を持ち,更に耐油脂汚染性,塗料安定性に優れ,TPO
樹脂の柔軟性に追従できるような優れた屈曲性を有す
る,塗料組成物を提供することができる。
材質に合わせた別成分の塗料を使用する必要がなくなる
ため,塗料の色合わせの手間がなく,部品間の色調,ツ
ヤ感のあわせこみを不要とすることができる。
(a)〜(c)以外の成分として,各種の添加物や溶剤
等を含むことができる。例えば,後述する表1に示され
るごとく,顔料や顔料分散剤,カーボンブラック等の添
加物やトルエン等の溶剤である。
記(d)塩素化ポリオレフィンは,α−オレフィンの単
独重合体または共重合体を塩素化したものであることが
好ましい。これにより,炭化水素系溶剤に溶け易くな
り,塗料化しやすくなる。
は,例えばエチレン,プロピレン,1−ブテン,3−メ
チル−1−ペンテン等の単独共重合体を用いることがで
きる。また,上記α−オレフィンの共重合体としては,
エチレン−酢酸ビニル,エチレン−ブタジエン,エチレ
ン−アクリル酸エステル等の共重合体を例示することが
できる。
記(e)ビニル系単量体またはビニル系単量体混合物に
おける上記(メタ)アクリル酸エステル単量体は,(メ
タ)アクリル酸のアルキルまたはα,β−エチレン性不
飽和カルボン酸であり,上記その他の共重合可能な単量
体は,スチレン誘導体またはビニルエステルより選ばれ
る1種以上を用いることが好ましい。これにより,安定
した付着力を保ち,良好な塗膜物性を発現させることが
できる。
は,(メタ)アクリル酸エステル単量体としては,メチ
ル(メタ)アクリレート,エチル(メタ)アクリレー
ト,n−ブチル(メタ)アクリレート,iso−ブチル
(メタ)アクリレート,tert−ブチル(メタ)アク
リレート,2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート,
シクロヘキシル(メタ)アクリレート等を用いることが
できる。また,上記α,β−エチレン性不飽和カルボン
酸としては,シクロアルキルエステル(メタ)アクリル
酸,マレイン酸,フタル酸,イタコン酸等を用いること
ができる。
レン,α−メチルスチレン,ビニルトルエン等を使用す
ることができる。また,上記ビニルエステルとしては,
酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル等を使用することがで
きる。なお,これらの物質はそれぞれのグループより選
ばれた1種以上を選んで組み合わせて使用することがで
きる。
記(d)塩素化ポリオレフィンと上記(e)ビニル系単
量体またはビニル系単量体混合物とを重合する際の割合
は,(d)の固形分5〜50重量部に対し(e)の固形
分を95〜50重量部とすることが好ましい。これによ
り,PP樹脂に対する安定した付着性と耐油脂汚染性を
得ることができる。(d)の固形分が5重量部未満にな
ると((e)が95重量部を越える),PP樹脂に対す
る付着性が低下するようになるおそれがある。また,固
形分が50重量部を越えると((e)が50重量部未満
となる),塗膜の耐油脂汚染性が低下するおそれがあ
る。
記(a)塩素化ポリオレフィン変性樹脂に対する上記
(b)軟質樹脂の含有量は,固形分100重量部に対し
5〜70重量部であることが好ましい。これにより,付
着性が良好で,素材の伸びにも追従することができる。
(b)が5重量部未満である場合は,塗膜の柔軟性,屈
曲性が低下するおそれがある。更に,70重量部を越え
た場合は,付着性が低下するおそれがある。また,特に
好ましい下限は20重量部である。更に好ましい上限は
60重量部である。
記(a)塩素化ポリオレフィン変性樹脂に対する上記
(c)軟質ビーズの含有量は,固形分100重量部に対
し2〜50重量部であることが好ましい。これにより,
樹脂(a)のガラス転移点を低下させることなく,柔軟
性を向上させる効果を得ることができる。(c)が2重
量部未満の場合,十分な柔軟性,屈曲性が得られなくな
るおそれがある。一方,50重量部を越えた場合には,
耐油脂汚染性が低下するおそれがある。また,特に好ま
しい下限は10重量部である。更に好ましい上限は40
重量部である。
の車両用エアバッグカバー一体インストルメントパネル
の塗装に使用することが好ましい。上記インストルメン
トパネルは,強度が要求されるインストルメントパネル
本体にPP樹脂が使用され,エアバッグ膨張時に展開性
が要求されるエアバッグカバーに軟質のTPO樹脂が使
用される一体成形品である。
ルメントパネルを塗装することで,上述した本発明にか
かる効果の他に,エアバッグ展開時におけるエアバッグ
カバーの塗膜割れから生じた塗膜破片の飛散を防止する
ことができ,安全なエアバッグカバーを得ることができ
る。更に,塗膜に柔軟性,屈曲性を持たせることができ
るので,エアバッグ展開時の優れた機能性を持つエアバ
ッグカバーを得ることができる。
オレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂からなる一体成
形品用の一液型の塗料組成物及びその性能につき説明す
る。本例のポリプロピレン樹脂とポリオレフィン系熱可
塑性エラストマー樹脂からなる一体成形品用の一液型の
塗料組成物は,(a)塩素化ポリオレフィン変性樹脂,
(b)軟質樹脂及び(c)軟質ビーズを必須の成分とし
て含有する。上記(a)は,(d)塩素化ポリオレフィ
ンの存在下で(e)ビニル系単量体またはビニル系単量
体混合物を重合した樹脂であり,更に上記(d)は塩素
含有率が15〜50重量%であり,上記(e)のビニル
系単量体は,(メタ)アクリル酸エステル単量体または
塩素化ポリオレフィンに対し共重合可能なその他の単量
体のいずれか一種からなる,またはビニル系単量体混合
物は,(メタ)アクリル酸エステル単量体または塩素化
ポリオレフィンに対し共重合可能なその他の単量体のい
ずれか一種以上から選ばれる単量体を混合して得た単量
体混合物からなる。
能について次のように評価した。表1にて示すように,
A−1からA−9の各配合にて塗料組成物を調製し,図
2に示すごとき,自動車のエアバッグカバー一体インス
トルメントパネル2におけるインストルメントパネル2
1と同様のPP樹脂よりなる試験片と,エアバッグカバ
ー22と同様のTPO樹脂よりなる試験片に,塗膜厚さ
が15〜20μmとなるよう塗装し,70℃雰囲気にて
10分問乾燥したものを,塗膜物性試験に供試した。
(a)塩素化ポリオレフィン変性樹脂として,塩素化P
P変性アクリル樹脂を使用した。このものは,(d)塩
素化ポリオレフィンである塩素含有率30%のポリプロ
ピレンの存在下で(e)ビニル系単量体であるメチル
(メタ)アクリレートを重合して作製した樹脂である。
ステル樹脂,軟質ウレタン樹脂,軟質アクリル樹脂のい
ずれか一種を,(c)軟質ビーズとして,ウレタンビー
ズ,オレフィンビーズ,アクリルビーズのいずれか一種
を使用した。また,それ以外の成分として,顔料分散剤
(楠本化成(株)製ディスパロンDA703−50),
カーボンブラック(三菱化成(株)製MA−100),
溶剤であるトルエンを用いた。表1における数値は塗料
組成物100重量部に対する重量部を示す数値である。
また( )内の数値は塩素化PP変性アクリル樹脂の固
形分100重量部に対しての各成分固形比である。
る。塗膜付着性試験について説明する。塗面上に1mm
間隔で素地に達する100個の碁盤目状の切り込みを作
り,その上にセロハンテープを十分に密着させてから1
80度方向に引き剥がし,塗膜の残存する程度で判定し
た。判定基準は,100個の碁盤目中1個の剥れもない
状態を合格とした。さらに,試験片を50℃,相対湿度
95%の雰囲気中に240時間放置した後,同様の付着
性試験を行い,100個の碁盤目中1個の剥れもない状
態を合格とした。
る。試験片の塗面上に,単位塗装面積に対して一定量の
牛脂(ナカライデスク(株)製化学用牛脂)を塗布し,
その上に,試験片と同様の大きさのネル布を乗せ,80
℃雰囲気で7日間放置した後,少量の中性洗剤を用いて
牛脂を取り除いた。その後,セロハンテープによる塗膜
付着性試験と,摩擦試験機による塗膜摩耗性試験を行っ
た。セロハンテープによる塗膜付着性試験は上記と同様
の要領で行なった。塗膜摩耗性試験は,ガーゼを摩擦子
とし,これを塗面に対し40.09kPaの荷重にて乗
せ,200往復させた。判定基準は,付着性試験にて塗
膜剥離の認められないもの,摩耗性試験にて素地露出の
認められないものを合格とした。
試験片を直径110mmおよび65mmの円柱の外周に
沿って塗膜を外側にして曲げて,塗膜のクラックの有無
を目視にて観察した。判定基準は110mmおよび65
mm両条件ともにクラックの発生が認められないものを
合格とした。
試料を密封缶に入れ,50℃および−5℃の恒温槽中に
7日間放置した後,塗料中のゲル化生成物および析出物
の有無を観察した。判定基準は,ゲル化生成物および析
出物が認められないものを合格とした。
る。図2に示すごとき,エアバッグカバー一体インスト
ルメントパネル2に,試験片と同様の条件でA−1〜9
にかかる塗料を塗装,乾燥した。その後,塗膜の表面温
度が−30℃の条件にてエアバッグを展開させ,塗膜の
飛散を高速度ビデオカメラを用いて観察した。判定基準
は,塗膜の飛散が認められないものを合格とした。
表1のA−1は本発明にかかる(b)及び(c)を含ん
でおらず,またA−2は(c)を,A−3は(b)をそ
れぞれ含んでいない。これらについては,塗膜付着性試
験,耐油脂汚染性試験,塗料安定性試験については合格
であった。しかしながら,塗膜屈曲性が不合格であっ
た。また,A−4〜A−9の塗料組成物については本発
明にかかる(a)〜(c)のいずれの成分も含んでお
り,塗膜付着性試験,耐油脂汚染性試験,塗膜屈曲性試
験,塗料安定性試験,及びエアバッグ展開性試験の各試
験について合格であった。
が本例の塗料組成物の塗料基本樹脂であるため,被塗装
物に対してプライマー等を使用することなく直接塗装を
行なうことが可能となる。また,一液型であるため,使
用前の架橋剤等の配合工程も不要で,塗料使用可能時間
の限定も少なく,上述の塗料安定性試験についても合格
した。このため,取り扱い容易で作業性に優れている。
また,(d)塩素化ポリオレフィンの分子間力によりP
P樹脂に対する付着性もTPO樹脂に対する付着性も確
保され,上記塗膜付着性試験にも合格した。
(a)のみよりなる塗料組成物は比較的硬質の成分
(a)だけでのポリマーが絡み合っている状態にある
が,図1(a)に示すごとく,(a)に対し(b)や
(c)とが加わることで,(a),(b)のポリマーが
からみ合い(c)が均一に分散している。
(c)という材料を含んでいるため,塗膜に柔軟性や屈
曲性を持たせることができ,上述の塗膜屈曲性にも合格
した。また,(c)にかかる材料を含んでいるため,上
述の耐油脂汚染性にも合格した。
であって,PP樹脂とTPO樹脂との一体成形品に対し
直接塗装することが可能で,一体成形品に対し優れた付
着性を持ち,更に耐油脂汚染性,塗料安定性に優れ,T
PO樹脂の柔軟性に追従できるような優れた屈曲性を有
する,塗料組成物を得ることができる。
優れた性能の他に,図2に示すごとき,エアバッグカバ
ー一体インストルメントパネル2の塗装に使用すること
で,エアバッグ展開時におけるエアバッグカバーの塗膜
割れから生じた塗膜破片の飛散を防止することができ,
安全なエアバッグカバーを得ることができる。更に,塗
膜に柔軟性,屈曲性を持たせることができるので,エア
バッグ展開時の優れた機能性を持つエアバッグカバーを
得ることができる。
の塗料であって,PP樹脂とTPO樹脂との一体成形品
に対し直接塗装することが可能で,一体成形品に対し優
れた付着性を持ち,更に耐油脂汚染性,塗料安定性に優
れ,TPO樹脂の柔軟性に追従できるような優れた屈曲
性を有する,塗料組成物を提供することができる。
組成物よりなる塗膜の説明図,(B)A−1にかかる塗
料組成物よりなる塗膜の説明図。
ンストルメントパネルの斜視図。
ル,
Claims (6)
- 【請求項1】 (a)塩素化ポリオレフィン変性樹脂,
(b)軟質樹脂及び(c)軟質ビーズを必須の成分とし
て含有し,ポリプロピレン樹脂とポリオレフィン系熱可
塑性エラストマー樹脂からなる一体成形品用の一液型の
塗料組成物であって, 上記(a)は,(d)塩素化ポリオレフィンの存在下で
(e)ビニル系単量体またはビニル系単量体混合物を重
合した樹脂であり, 更に上記(d)は塩素含有率が15〜50重量%であ
り, 上記(e)のビニル系単量体は,(メタ)アクリル酸エ
ステル単量体または塩素化ポリオレフィンに対し共重合
可能なその他の単量体のいずれか一種からなる, またはビニル系単量体混合物は,(メタ)アクリル酸エ
ステル単量体または塩素化ポリオレフィンに対し共重合
可能なその他の単量体のいずれか一種以上から選ばれる
単量体を混合して得た単量体混合物からなる ことを特徴
とするポリプロピレン樹脂とポリオレフィン系熱可塑性
エラストマー樹脂からなる一体成形品用の一液型の塗料
組成物。 - 【請求項2】 請求項1において,上記(d)塩素化ポ
リオレフィンは,α−オレフィンの単独重合体または共
重合体を塩素化したものであることを特徴とするポリプ
ロピレン樹脂とポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
樹脂からなる一体成形品用の一液型の塗料組成物。 - 【請求項3】 請求項1又は2において,上記(e)ビ
ニル系単量体またはビニル系単量体混合物における上記
(メタ)アクリル酸エステル単量体は,(メタ)アクリ
ル酸のアルキルまたはα,β−エチレン性不飽和カルボ
ン酸であり, 上記その他の共重合可能な単量体は,スチレン誘導体ま
たはビニルエステルより選ばれる1種以上であることを
特徴とするポリプロピレン樹脂とポリオレフィン系熱可
塑性エラストマー樹脂からなる一体成形品用の一液型の
塗料組成物。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,
上記(d)塩素化ポリオレフィンと上記(e)ビニル系
単量体またはビニル系単量体混合物とを重合する際の割
合は,(d)の固形分5〜50重量部に対し(e)の固
形分を95〜50重量部とすることを特徴とするポリプ
ロピレン樹脂とポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
樹脂からなる一体成形品用の一液型の塗料組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項において,
上記(a)塩素化ポリオレフィン変性樹脂に対する上記
(b)軟質樹脂の含有量は,固形分100重量部に対し
5〜70重量部であることを特徴とするポリプロピレン
樹脂とポリオレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂から
なる一体成形品用の一液型の塗料組成物。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項において,
上記(a)塩素化ポリオレフィン変性樹脂に対する上記
(c)軟質ビーズの含有量は,固形分100重量部に対
し2〜50重量部であることを特徴とするポリプロピレ
ン樹脂とポリオレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂か
らなる一体成形品用の一液型の塗料組成物。
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JP33268099A JP3436903B2 (ja) | 1999-11-24 | 1999-11-24 | 塗料組成物 |
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JP (1) | JP3436903B2 (ja) |
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US11485831B2 (en) | 2013-11-08 | 2022-11-01 | Dow Global Technologies Llc | Primerless paint composition, methods of manufacture thereof and articles comprising the same |
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