JP3436470B2 - 脱臭剤 - Google Patents

脱臭剤

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JP3436470B2 JP13128297A JP13128297A JP3436470B2 JP 3436470 B2 JP3436470 B2 JP 3436470B2 JP 13128297 A JP13128297 A JP 13128297A JP 13128297 A JP13128297 A JP 13128297A JP 3436470 B2 JP3436470 B2 JP 3436470B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トリメチルアミン
などの悪臭物質を除去することができる脱臭剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、トリメチルアミンやアンモニア等
の塩基性物質を除去するため固体酸による中和反応を利
用する方法が一般的である。しかし、固体酸のみでは効
果が小さいため、さらに酸化触媒との組み合わせ(特公
昭57−58212号公報)や特定の金属触媒の添加
(銅化合物の例、特開昭63−72337号公報、特開
平3−210269号公報、酸化亜鉛の例、特開昭63
−246166号公報)により効果を高めたもの、ある
いは固体超酸触媒を用いて塩基性臭気との中和反応性を
高めたもの(特公昭62−52621号公報、特開平5
−237375号公報、特開平5−253475号公
報、特開平7−256058号公報)の開示がある。し
かし、化学反応だけでは反応速度が遅く脱臭効果が十分
でなく、特にppmあるいはppbオーダの低濃度域で
の脱臭効果が望まれる脱臭剤としてはいずれも不十分な
性能であった。
【0003】そこで、多孔体担体による迅速な物理吸着
と化学反応との組み合わせが考えられるが、従来の無機
酸化物担体(ゼオライトなど)の細孔径は、不均一また
は1nm以下(ミクロポア)であったので、トリメチル
アミンなどの比較的嵩高い物質を効率的に物理吸着する
ことが困難であった。生活環境への関心が高まるにつれ
て悪臭除去の必要性も高まっている。数多くの脱臭剤あ
るいは脱臭装置が開発あるいは市販されているが、いず
れも性能が十分であるとはいえない。一時的に十分であ
っても寿命が短すぎるなどの問題がある。特に、トリメ
チルアミンの場合は悪臭物質の中でも嵩高く効果的に吸
着することが困難であるため、工場排ガス等の高濃度物
質をある程度まで希釈することはできても、ppmある
いはppbオーダの検知いき値(その物質の存在が検知
できる濃度)あるいは認知いき値(その物質が何である
かを認知できる濃度)程度まで徹底的に除去することは
これまでできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたもので、トリメチルアミンのように嵩高
い悪臭物質を効果的に吸着・除去する脱臭剤を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の脱臭剤は、悪臭
物質を除去するための脱臭剤であって、細孔径の分布曲
線における最大ピークを示す細孔直径が1〜10nmの
範囲にあり、かつこれらの細孔の60%以上が前記細孔
径分布曲線における最大ピークを示す細孔直径の±40
%の範囲にある均一な径の細孔を多数有し比表面積が1
000m2/g以上であるメソ多孔シリカ担体に、
r、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znから選ばれる
遷移元素の硝酸塩または硫酸塩からなる遷移元素化合
物、または酢酸銅(II)を担持してなることを特徴と
する。さらに、メソ多孔シリカ坦体は250m 2 /g以
上の表面積を有することが好ましい。 以下本明細書にお
いて、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znから
選ばれる遷移元素の硝酸塩、硫酸塩からなる遷移元素化
合物、または酢酸銅(II)を単に遷移元素化合物と略
する。
【0006】メソ多孔シリカ担体に担持する遷移元素と
しては、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等
が挙げられ、なかでも銅が好ましい。また、遷移元素化
合物としては、これらの元素の硝酸塩、硫酸塩などある
いは酢酸銅(II)が挙げられる。 さらに、遷移元素化
合物として、硝酸銅(II)、硝酸マンガン(II)、硝
酸亜鉛(II)、硫酸銅(II)から選ばれる少なくと
も一種であることも好ましい。メソ多孔シリカ担体に対
する遷移元素化合物の担持割合は、メソ多孔シリカ担体
100重量部に対して、0.1から60重量部の範囲で
あることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の脱臭剤は、メソ多孔シリ
カ担体に遷移元素化合物を担持して構成されている。こ
のメソ多孔シリカ担体は、たとえば、結晶性層状ケイ酸
塩から合成できる。メソ多孔シリカ担体は、層状ケイ酸
塩の板状のシート層複数積層し、隣接する上記シート
層の層間がシロキサン結合による結合点において縮幅
し、該結合点の間においては拡幅して微孔を形成してい
るハニカム状多孔構造をもつ。
【0008】このメソ多孔シリカ担体中に含まれるアル
カリ金属イオンの含有率は0.2重量%以下で、メソ多
孔シリカ担体の比表面積は1000m2/g以上である
のが好ましい。メソ多孔シリカ担体中のアルカリ金属イ
オンの含有率が0.2重量%を超えた場合には、比較的
低温で原子の移動が促進され、メソ多孔シリカ担体はク
リストパライトなどへの結晶化が起こる。そのため、メ
ソ多孔シリカ担体の比表面積が減少し、さらには耐熱性
が低下してしまうので好ましくない。また、メソ多孔シ
リカ担体の比表面積が1000m2/g未満の場合に
は、メソ多孔シリカ担体に遷移元素化合物を担持させた
時、該遷移元素化合物の活性を十分に発揮することがで
きず、また吸着剤と使用するときに悪臭物質などに対す
る吸着能力が低くなり好ましくない。
【0009】代表的なメソ多孔シリカ担体は、骨格の組
成がSiO2 で、板状の結晶性層状ケイ酸塩が上下方向
に湾曲又は屈曲している。そして上下の各シート間が部
分的に結合し、ハニカム状の骨格を形成している。シー
ト層は、SiO4 四面体が2次元的に結合することで形
成されるシリケート層であり、SiO4 四面体の結合点
が屈曲可能であるため、シート層全体としても湾曲また
は屈曲が可能である。シート層は、マグネシウムイオン
(Mg2+)、アルミニウムイオン(Al3+)などのシー
ト層の屈曲性を妨げる八面体を含まない。また、上記シ
ート層は、Na+ などのアルカリ金属イオンおよびH+
を挟んで、複数枚積層している。また、具体的には、結
晶性層状ケイ酸塩としては、たとえば、カネマイト(N
aHSi2 5 ・3H2 O)が好ましい。
【0010】また、他の結晶性層状ケイ酸塩としては、
ジケイ酸ナトリウム(Na2 Si23)、マカタイト
(Na2 Si4 9 ・5H2 O)、アイアライト(Na
2 Si817・XH2 O)、マガディアイト(Na2
1429・XH2 O)、ケニヤイト(Na2 Si2041
・XH2 O)などが代表的であるが、これらに限定され
ない。
【0011】メソ多孔シリカ担体の製造方法について
は、含水率10重量%以上の結晶性層状ケイ酸塩中の層
間に存在するアルカリ金属イオンを有機物陽イオンとイ
オン交換させ、該有機陽イオンを層間に導入する層間拡
幅工程と、上記イオン交換により遊離した上記アルカリ
金属イオンを除去する洗浄工程と、洗浄した上記結晶性
層状ケイ酸塩を焼成することにより、上記有機物陽イオ
ンを燃焼せしめて多孔体を得る多孔化工程とを含むメソ
多孔シリカ担体の製造方法がある。
【0012】結晶性層状ケイ酸塩は非晶質ケイ酸塩から
合成することができる。非晶質ケイ酸塩としては、市販
の粉末ケイ酸ナトリウム、水ガラスを乾燥して粉末とし
たものなどである。たとえば、結晶性層状ケイ酸塩の1
種であるカネマイトを合成する場合、Na2 O/SiO
2 =2にできるだけ近い組成の非晶質のケイ酸ナトリウ
ムを用いることが好ましい。
【0013】この非晶質ケイ酸ナトリウムを空気中、6
50〜750℃で焼成すると、δ型Na2 Si2 5
結晶化する。650℃より低い温度ではβまたはγ型N
2Si2 5 に、750℃を超える温度ではα型Na
2 Si2 5 に結晶化する。α、β、γ型では水との反
応で結晶性層状ケイ酸塩が生成しない。次に、このδ型
Na2 Si2 5 を2倍から50倍の水に分散させ、1
5時間攪拌した後、濾過する。これにより、δ型Na2
Si2 5 のNa+ の一部が水中のH+ と置換し、Na
HSi2 5 ・3H2 Oとなり、結晶性層状ケイ酸塩で
あるカネマイトが得られる。
【0014】上記結晶性層状ケイ酸塩における含水率は
10重量%以上である。10重量%未満では、結晶性層
状ケイ酸塩が凝集し、次の層間拡幅工程において、水中
での分散性が低下し、有機物陽イオンとアルカリ金属イ
オンとの交換が起こりにくくなる。10重量%以上であ
れば、結晶性ケイ酸塩が、次の層間拡幅工程の際に水に
よく分散し、層間のアルカリ金属イオンと有機物陽イオ
ンとのイオン交換がスムースに短時間で行われる。その
結果、層状シリカ多孔体の比表面積が1000m2 /g
以上となり、また、アルカリ金属イオンの残存量が0.
2重量%以下の優れたメソ多孔シリカ担体を得ることが
できる。
【0015】上記層間拡幅工程においては、結晶性層状
ケイ酸塩中にあるアルカリ金属イオンが有機物陽イオン
とイオン交換される。有機物陽イオンはアルカリ金属イ
オンよりも嵩高のため、結晶性層状ケイ酸塩の層間は拡
幅される。これにより、シート層は有機物陽イオンを取
り囲む形で湾曲する。それと同時に、有機物陽イオンが
導入された部分を除く、隣合うシート層中のシラノール
(Si−OH)が形成される。これにより、隣合うシー
ト層どうしが、部分的にシロキサン結合により結合さ
れ、三次元的ハニカム状の層構造を形成する。
【0016】上記有機物陽イオンとしては、アルキルト
リメチルアンモニウム、ジメチルジアルキルアンモニウ
ム、アルキルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモ
ニウムなどがある。上記イオン交換の際、pHを8〜9
に調整することが好ましい。さらに、その後、30〜9
0℃にて加熱することが好ましい。上記洗浄工程におい
ては、上記イオン交換により遊離したアルカリ金属イオ
ン、有機物陽イオンの対イオン、または未反応の有機物
陽イオンが除かれる。特に、遊離したアルカリ金属イオ
ンの含有率が0.2重量%以下となる。
【0017】上記多孔体化工程においては、層間に取り
込まれた有機物陽イオンを燃焼させ、微細な微孔を形成
させる。また、シロキサン結合の三次元骨格を安定化さ
せる。焼成は、酸化雰囲気中で温度600〜1200℃
で行うことが望ましい。600℃未満の場合、あるいは
酸化雰囲気以外の場合には、有機物陽イオンを十分に除
去することはできない。一方、1200℃を超える場
合、焼結が進み過ぎ、微孔が破れ、比表面積が低下する
ので好ましくない。
【0018】メソ多孔シリカ担体は、アルカリ金属イオ
ンの含有量が0.2重量%以下とすることで、800℃
以上の高温下でも結晶化しにくく、微孔も安定である。
そのため、耐熱性に優れている。また、1000m2
g以上の比表面積を有するため優れた吸着性能を発揮す
る。本発明で用いるメソ多孔シリカ担体の細孔径は、
移元素化合物を担持しない状態で、2nm〜50nm
(いわゆるメソ多孔)の範囲にあり、かつ均一であるこ
とが望ましい。細孔径がこれより小さいと、嵩高い臭気
物質(トリメチルアミンで約1nm)が細孔内に入り込
めず、細孔径が大き過ぎると一旦吸着しても脱着してし
まうので好ましくない。
【0019】なお、本発明の脱臭剤を構成するメソ多孔
シリカ担体の具体例として主として層状鉱物より合成す
るものを説明したが、メソ多孔シリカ担体は層状鉱物よ
り合成するものに限られるものではない。例えば、界面
活性剤のミセルを囲むようにセラミックスの殻を形成し
て得られたメソ多孔シリカ担体を用いることが出来る。
【0020】本発明の脱臭剤はルイス酸性を示す。ルイ
ス酸とは、他の物質から電子対を受けその物質と共有結
合を形成するもの(そのさい解離が生じて一部が共有結
合を作るもの)すなわち、電子対を受ける電子受容体を
いう。これに対し、ブレンステッド酸はプロトン
(H+ )供与体として定義されるが、これは相手から電
子対を受容しプロトンが解離したと見ればルイス酸に含
まれる。
【0021】なお、アミンの場合、窒素原子が不対電子
を持っておりこれが供与される。すなわち、アミンはル
イス塩基として働く。メソ多孔体とを組合わせた場合、
全体でルイス酸性を呈すればよい。本発明の脱臭剤は、
たとえば、メソ多孔シリカ担体を同じ溶媒に溶解させた
遷移元素または遷移元素化合物を含む溶液に加える。こ
の混合溶液を、加熱攪拌し後、濃縮乾固して得られる。
しかし、この方法に限定されるものではない。
【0022】メソ多孔シリカ担体に、遷移元素化合物を
担持することにより、遷移元素(遷移元素イオン)がア
ミンやアンモニアに対して錯体を形成して悪臭物質の低
濃度域でも吸着性能を高めることができる。脱臭するこ
とのできる物質は、不対電子対を有する物質(ルイス塩
基)であり、アミン、アンモニア類が挙げられる。特に
これまで、効果的な除去が不可能であった、嵩高い物質
(トリメチルアミン類)に対して有効である。脱臭剤と
しては、遷移元素化合物を担持したメソ多孔シリカ担体
をそのまま(粉末)用いても良いし、他の担体に担持し
て用いても良い。脱臭剤の使用形態は、これらに限定さ
れるものではない。
【0023】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。 (実施例)本実施例の脱臭剤は、多数の細孔を有するメ
ソ多孔シリカ担体と、該担体の細孔内および/または外
表面に担持された遷移元素の金属塩とからなる。該担体
の細孔は、細孔分布曲線における最大ピークを示す中心
細孔直径が2.8nmである。該担体の細孔の93%
が、上記の中心細孔直径の±40%の範囲内にある。な
お、比表面積は1031m2/gである。
【0024】本脱臭剤は、多孔体としてメソ多孔シリカ
担体を用い、遷移元素化合物として硝酸銅を用いた。メ
ソ多孔シリカ担体は、以下のようにして合成した。先
ず、粉末ケイ酸ソーダ(SiO2 /Na2 O=2.00
日本化学工業(株)製)を700℃、空気中で6時間焼
成した。50gの焼成粉末ケイ酸ソーダを粒径1mm以
下に粉砕した後に、500mlの水に分散させ、室温で
3時間攪拌した。その後、ブフナーロートを用い、固形
分を濾別し、層状ケイ酸塩の一種であるカネマイト(N
aHSi2 5 ・3H2 O)を合成した。
【0025】このカネマイトを乾燥せずに、湿った状態
で、セチルトリメチルアンモニウム水溶液に分散させ
た。このセチルトリメチルアンモニウム水溶液は、0.
1モルのセチルトリメチルアンモニウムクロライドを1
000mlの水に溶解させることにより調製した。この
分散液を2000ml容量のフラスコに入れた。先ず7
0℃で3時間攪拌モータで攪拌しながら熱水浴中で加熱
した。その後2N塩酸水溶液を滴下して、その分散液の
pHをゆっくり8.5に調整した。その後、更に、70
℃で3時間攪拌しながら加熱した。
【0026】この分散液を室温まで冷却した後に、固形
生成物を濾別した。1000mlの脱イオン水で合計5
回洗浄した後、乾燥した。この粉末を、550℃、空気
中で6時間焼成し、メソ多孔シリカ担体を得た。次に、
このメソ多孔シリカ担体に金属塩を担持する方法は、蒸
発乾固によりおこなった。
【0027】すなわち、ビーカーに水約100mlを取
り、硝酸銅(II)三水和物1.288g(無水の硝酸銅
として1g)を加え、ホットスターラーで攪拌して溶解
させた。次にこの硝酸銅(II)水溶液にメソ多孔シリカ担
体20gを加え、ホットスターラー上で加熱攪拌しなが
ら水分を蒸発させた。水分がほぼ蒸発したところで、ビ
ーカー毎と110℃の乾燥機に移し、一晩乾燥させた。
これにより、メソ多孔シリカ担体に硝酸銅(II)5重量部
担持した脱臭剤を得た。 (実施例2)本脱臭剤は、メソ多孔シリカ担体に、硝酸
マンガン(II)5重量部担持したものである。その他は、
実施例1と同様である。 (実施例3)本脱臭剤は、メソ多孔シリカ担体に、硝酸
亜鉛(II)5重量部担持したものである。その他は、実施
例1と同様である。 (実施例4)本脱臭剤は、メソ多孔シリカ担体に、硫酸
銅(II)5重量部担持したものである。その他は、実施例
1と同様である。 (実施例5)本脱臭剤は、メソ多孔シリカ担体に、酢酸
銅(II)5重量部担持したものである。その他は、実施例
1と同様である。 (評価)実施例1、実施例2および実施例3で作製した
脱臭剤のトリメチルアミン除去性能について評価した。
また、比較例として、無担持の活性炭を用いた。これら
の試料についての、トリメチルアミン除去性能を図1に
示す工程で測定した。
【0028】試料を所定量秤取り、ガス非透過性の袋に
入れる。続いて、この袋を図1の装置に取り付ける。こ
の装置は大気をポンプにより流量計を介して一定の速度
でパイプを通して注入する。この注入パイプには臭気物
質投入口と臭気物質を気化させるヒーターを設け臭気物
質を試料袋内に注入する。試料袋内には所定量の濃度3
0%のトリメチルアミン水溶液をマイクロシリンジを用
いて臭気物質気化器内に注入し、これを加熱気化させ大
気と共に袋の中に導入し5リットルとした。このときト
リメチルアミン水溶液の注入量を適宜変えてガス濃度の
異なるものを表2に示すように5種類調製した。試料袋
は、25℃に保った恒温恒湿槽内に静置した。約24時
間後に袋内に残留したトリメチルアミンの濃度をガスク
ロマトグラフ(条件表1に示す)で測定し、数1式によ
り吸着量を求め、試料のトリメチルアミン吸着等温線を
作成した。試料袋へのトリメチルアミンの吸着は、試料
なしで測定した等温線により補正した。
【0029】
【表1】
【0030】
【数1】 なお、数1式中、qは吸着量(mg/g)、Mwは臭気
物質の分子量、Vは袋の容量、Cb は初期濃度(pp
m)、Csは平衡濃度(ppm)、tは試験温度
(℃)、Wは試料重量(g)を表す。
【0031】結果を、表2および表4に示す。図2示す
吸着等温線(平衡濃度と吸着量の関係のグラフ)から本
実施例は比較例に比べて濃度10ppmで約6倍のトリ
メチルアミン吸着容量を有することがわかる。すなわ
ち、低濃度域での吸着量が多く比較例の活性炭よりも優
れていることを示している。
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】実施例4および実施例5の脱臭剤のトリメ
チルアミン除去性能について評価した。また、比較例と
して、無担持の活性炭を用いた。これらの試料のトリメ
チルアミンの除去性能の測定は、上記と同じである。結
果を表4および表3に示す。図3には吸着等温線を示し
た。図3より明らかなように、実施例4、実施例5の脱
臭剤は、比較例の活性炭よりもトリメチルアミンの除去
性能が優れていることがわかる。
【0036】
【発明の効果】本発明の脱臭剤は、従来使用されている
脱臭剤の活性炭に比べて、低濃度域での嵩高い臭気物質
であるトリメチルアミンの除去性能に優れ、高性能の脱
臭剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】臭気物質に対する吸着性能試験方法の概略説明
図である。
【図2】実施例1、実施例2および実施例3と比較例の
吸着等温線のグラフである。
【図3】実施例4および実施例5と比較例の吸着等温線
のグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−173754(JP,A) 特開 平9−313929(JP,A) 特開 平7−185324(JP,A) 特開 平4−290546(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 9/01 B01D 53/34 B01D 53/38 B01D 53/81 B01J 20/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】悪臭物質を除去するための脱臭剤であっ
    て、細孔径の分布曲線における最大ピークを示す細孔直
    径が1〜10nmの範囲にあり、かつこれらの細孔の6
    0%以上が前記細孔径分布曲線における最大ピークを示
    す細孔直径の±40%の範囲にある均一な径の細孔を多
    数有し比表面積が1000m2/g以上であるメソ多孔
    シリカ担体に、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、
    Znから選ばれる遷移元素の硝酸塩または硫酸塩からな
    る遷移元素化合物、または酢酸銅(II)を担持してな
    ることを特徴とする脱臭剤。
  2. 【請求項2】前記遷移元素化合物は、硝酸銅(II)、
    硝酸マンガン(II)、硝酸亜鉛(II)、硫酸銅(I
    I)から選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載
    の脱臭剤。
  3. 【請求項3】前記多孔シリカ担体に対する前記遷移元素
    化合物または酢酸銅(II)の担持割合は、前記多孔シ
    リカ担体100重量部に対して、0.1〜60重量部で
    ある請求項1に記載の脱臭剤。
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