JP3436286B2 - 固体レーザ用置換型ガーネット結晶材料 - Google Patents

固体レーザ用置換型ガーネット結晶材料

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JP3436286B2
JP3436286B2 JP12306895A JP12306895A JP3436286B2 JP 3436286 B2 JP3436286 B2 JP 3436286B2 JP 12306895 A JP12306895 A JP 12306895A JP 12306895 A JP12306895 A JP 12306895A JP 3436286 B2 JP3436286 B2 JP 3436286B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信分野で使用され
る光増幅器の励起光源に用いられる固体レーザ結晶材料
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光通信分野では光通信用の信号として、
波長1.3μm帯の光と波長1.55μm帯の光が用い
られている。信号光は、光ファイバを用いて伝送される
が、50km程度以上も信号光が伝搬すると、その間の
損失が無視できずに徐々に強度が減少していくことが避
けられない。従って、伝送の途中で、光信号を増幅する
必要があるが、超高速での情報伝達を行なうには、光信
号を直接増幅することが望ましい。その際に必要とされ
るのが光増幅器である。
【0003】光増幅器の中でも、加入者向けの波長領域
である1.3μm帯で必要とされているのが1.3μm
帯用光増幅器であり、フッ化物光ファイバ中に希土類元
素である3価のプラセオジムイオンを分解させて、その
誘導放出を利用して光の増幅を行なうものが有望であ
り、開発が進められている。
【0004】図7はプラセオジムのエネルギーダイアグ
ラムを示したものである。図中、aは励起光、bはレー
ザ光、cは準位、dは準位、eは準位
、fは準位、gは準位、hは準位
、iは準位を示す。該1.3μm帯用光増
幅器では、中心波長がおよそ1.02μmである
の遷移を利用して光を吸収し、中心波長が1.
30μmであるの誘導放出を利用して
1.3μm帯の信号光の増幅を行なうことを特徴として
いる。
【0005】該1.3μm帯光増幅器においては、プラ
セオジムイオンを励起するための1.02μm波長の外
部光源を必要とする。外部励起光源としては、高出力で
発振波長が安定でなおかつ長寿命で低価格・小型の素子
が望ましい。また、1.55μm帯光増幅器において
は、石英光ファイバ中に分散したエルビウムイオンの誘
導放出による光増幅を行なっているが、エルビウムイオ
ンの光吸収のための0.98μm波長の外部励起光源を
用いている。外部励起光源として、高出力で発振波長が
安定でなおかつ長寿命で低価格・小型の素子が望ましい
ことは全く同様である。
【0006】それらを満足するよう開発が進められてい
るのがInGaAs半導体レーザダイオードである。し
かしながら、InGaAs半導体レーザダイオードは、
1.02μmおよび0.98μmの波長に関して発振波
長の安定性になお課題があり、しかも量産体制の整備が
進んでおらず、単価が高くなっている。また、動作寿命
も短いなど実用に供するには問題がある。もう一つの問
題点を挙げると、発振波長を安定させるのに、光アイソ
レータを必要とすることである。
【0007】光アイソレータは、半導体レーザから出射
した光の反射戻り光を遮断するために用いられる。これ
は、反射戻り光が半導体レーザの共振器内で再び増幅さ
れることにより、位相の異なった光の影響で発振波長が
不安定になること等を防止するためである。しかしなが
ら、1μm近辺の光に対するアイソレータは、通信波長
(1.3μmあるいは1.55μm)用のアイソレータ
に用いられている磁性ガーネット材料では、損失が大き
くなることから、HgCdMnTeのような特殊な半導
体材料を用いて作製されているが、この材料は大型の結
晶育成が困難であり、なおかつ組成が少しでもずれると
特性が極端に変化するため作製が難しく、非常に高価な
ものとなっている。
【0008】一方、波長の安定性の良いものとしては固
体レーザがある。例えば、チタンサファイアレーザは、
0.7〜1.1μmの領域での波長を可変できる固体レ
ーザとして知られており、実験室レベルでは盛んに用い
られている。実験段階において、光増幅器用の光ファイ
バの特性を調べるのにチタンサファイアレーザを用いる
ことはあるが、実用的な増幅器に用いるには以下のよう
に課題がある。
【0009】まず、チタンサファイアレーザを励起する
のに、通常アルゴンガスレーザを用いることである。こ
のため、レーザ全体が極めて大型になる。そして非常に
高価なものになることも挙げられる。これらの問題点を
解決しうる候補として、既存の安価で安定・高出力の半
導体レーザで励起できる固体レーザが考えられる。現在
のところ、その候補の一つと目されているのが、Yb:
YAGレーザである。Yb:YAl12(Yb:
YAG)レーザは、最近1.03μmでの室温連続発振
が確認された有望なレーザであるが、発振させるには、
イッテルビウムイオンの光吸収を満足する0.943あ
るいは0.968μmの外部励起光が必要である。この
ような外部励起光は、前述の波長可変固体レーザを用い
るか、特殊な半導体レーザを用いるかの2者択一であ
る。波長可変固体レーザには、前述の問題があり、小型
・安価の要求に耐えない。また、励起に特殊な波長の半
導体レーザを用いるのであれば、最初から所望の波長域
の半導体レーザを用いる方が利点が多く、問題にならな
い。また、Yb:YAGレーザは発振しきい値が300
mWと大きく、実用に供するところまで到達していな
い。
【0010】このように、従来型のレーザにおいては、
光増幅起用の外部励起光源として実用的に用いるには、
なお課題が多かった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように従来
の固体レーザには、安価で高出力が容易に得られる既存
の半導体レーザで励起ができて、発光波長が0.98μ
mから1.03μmの範囲にあり、戻り光などの外部か
らの擾乱に対し発振が不安定にならない固体レーザはな
かった。
【0012】そこで本発明の目的は、安価で高出力が容
易に得られる既存の波長0.8μmで発振するAlGa
As半導体レーザで励起ができて、発振波長が0.98
μmから1.04μmの範囲にあり、戻り光などの外部
からの擾乱に対し発振が不安定にならない固体レーザ用
の材料を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、固体レーザ用置換型ガーネット結晶材料は、一般式
がR12で示され、Rがイットリウム、ランタ
ン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、
ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシ
ウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビ
ウム、ルテチウム、ビスマスの中から選ばれた1種以上
の元素を任意に組み合わせたものからなり、Aがアルミ
ニウム、スカンジウム、ガリウムの中から選ばれた1種
以上の元素を任意に組み合わせたものからなる置換型ガ
ーネット結晶において、少なくともネオジム、イッテル
ビウムをその構成元素として含むことを特徴とする。
【0014】すなわち、0.98μmから1.04μm
にかけての波長領域での実用的な励起光源用の固体レー
ザの材料として、ガーネット結晶を構成する希土類元素
の一部をネオジムとイッテルビウムの組み合わせで置換
することによって得られる置換型ガーネット結晶材料を
提供するものである。
【0015】さらに、本発明の置換型ガーネット結晶材
料においては、ネオジムの占有率は希土類元素全体の1
%以上であり、イッテルビウムの占有率は希土類元素全
体の40%以下であることが望ましい。
【0016】また、ネオジム、イッテルビウム以外の希
土類構成元素は、ランタン、ガドリニウム、イットリウ
ムの中から選ばれた1種以上の元素を任意に組み合わせ
たものが望ましい。
【0017】
【作用】ガーネット結晶は、一般式R12で表
され、Rの部分を希土類元素で、Aの部分をアルミニウ
ム、スカンジウム、ガリウムでそれぞれ置換することが
可能である。本発明ではそのような置換を行なった様々
な置換型ガーネット結晶の組成のうちさらにRの一部を
ネオジウムなどの他の希土類元素で置換し、Aの一部を
アルミニウム、スカンジウム、ガリウムでそれぞれ置換
することが可能である。本発明ではそのような置換を行
なった様々な置換型ガーネット結晶の組成のうち特にR
の部分にネオジウムとイッテルビウムの組み合わせを
須の条件として含む置換型ガーネット結晶材料を用い
る。
【0018】置換元素のエネルギー準位は、近隣の原子
または原子団がつくりだす場を感じることによって、分
裂を起こす、該場のことを配位子場というが、ホストの
結晶系を変えることによって配位子場が変化し、置換元
素のエネルギー準位が該エネルギー準位が持つ性質に応
じた分だけシフトする。したがって、ホストの結晶系を
適当に選ぶことにより、発振波長をある程度の範囲でシ
フトさせることができる。例えば、ガーネット結晶にお
いては、Aの大分がアルミニウムである場合とガリウム
である場合で配位子場が大幅に変化するため、1μmの
近辺の光については、十分に0.98μm〜1.04μ
mの範囲内で発振波長を選択することが可能である。
【0019】またさらに、複数の置換元素に基づく吸収
によって、励起の波長をある程度自由に設定でき、さら
に吸収したエネルギーを同原子間で起こる内部転換や、
異原子間で起こる項間交差などの量子力学的相互作用を
利用することによって、うまく発光原子の発振上準位に
分布させることができ、発振準位間の反転分布を作るこ
とができる。
【0020】本発明による固体レーザ用置換型ガーネッ
ト結晶材料においては、希土類元素としてネオジムを含
有することから、基底準位から5/2への吸収遷移
により、安価な0.81μm波長のAlGaAs半導体
レーザによる励起が可能であり、3/2準位へ非発
光で遷移したネオジムイオンから双極子間相互作用によ
り自動的に3価のイッテルビウムイオンへの非発光での
エネルギー伝達があり、イッテルビウムイオン
5/2準位における1μm近辺の誘導放出を行なうべく
反転分布の形成が可能である。
【0021】また、Aの構成元素のガリウム、アルミニ
ウム、スカンジウムの構成比を適当に選ぶことによって
0.98μm〜1.04μmの範囲内で所望の波長で選
択的に発振させることが可能である。ネオジムを活性イ
オンとして用いる従来の固体レーザ用ガーネット結晶に
おいては、吸収・発光の効率を考慮して、ネオジムイオ
ンの含有量を増大することにより生ずる濃度消光を回避
すべくネオジムの含有量を希土類全体のおよそ1%前後
に選択していた。しかし、本発明においてのネオジムイ
オンの果たす役割は、逸れ事態が発光することではな
く、0.81μmの励起光を効率よく吸収し、近傍のイ
ッテルビウムイオンにエネルギーを伝達することであ
る。すなわち、含有量としては、むしろそれ自体の発光
が生じにくい程度以上が望ましく、希土類元素全体の1
%以上に選んでいる。
【0022】本発明は、以上のことにより、0.98μ
mから1.04μmの波長領域に発振波長を持つことを
特徴とする固体レーザ用置換型ガーネット結晶材料を提
供することが可能である。
【0023】以下、本発明の実施例について説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0024】
【実施例1】以下に示す実施例1−1から実施例1−5
ではチョコラルスキー(Czochralski)法に
より本発明固体レーザ用置換型ガーネット結晶材料のバ
ルク単結晶を作製した。さらに前記バルク単結晶は、レ
ーザ材料としての特性を評価するために片面が平坦面、
片面が半径5cmの球面、厚さ1.5mmの円盤に加工
し、波長0.98〜1.04μmにおいて平坦面には約
99%、球面には約97%の反射率のコーティングを施
した。図1に本発明による実施例1−1〜1−9の固体
レーザ用置換型ガーネット結晶材料のレーザ材料として
の特性を評価した測定系を示す。励起用光源には波長
0.808μmのAlGaAs半導体レーザを用いた。
半導体レーザ1から出射した励起光3をレンズ2、
2’、2”を通して集光しながら実施例1−1から実施
1−9の固体レーザ用置換型ガーネット結晶材料の円
盤4に入射し、円盤4からの出射光5を光スペクトラム
アナライザ6で観測することにより、レーザ発振特性を
評価した。
【0025】
【実施例1ー1】本実施例は、実施例1に示したように
組成式R3−X−YNdYb5−ZGa12
およびR3−X−YNdYbA15−Z−WA2
Ga12(X=0.13,Y=0.80,Z=0.
17,W=2.0、AおよびA1はAl、A2はSc、
RはLa、Ce、Pr、Bi、Sm、Eu、Gd、T
b、Dy、Ho、Y、Er、Tm、Luのいずれか一つ
の元素)で表される本発明レーザ用ガーネット結晶材料
を作製し、図1に示した測定系を用いてレーザ発振特性
を調査したものである。表1にR、A、A1およびA2
を適宜選択した本実施例の固体レーザ用置換型ガーネッ
ト結晶材料のレーザ発振波長とレーザ発振に最低必要な
励起用光源の光強度で表されるしきい値を選択した元素
について示す。いずれの本実施例の固体レーザ用置換型
ガーネット結晶材料も0.98〜1.04μmの範囲の
波長でレーザ発振した。また、いずれの本実施例の材料
も従来材料では実現が困難であった100mW以下のし
きい値で発振した。
【0026】
【実施例1ー2】本実施例は、実施例1と同様にして、
組成式R3−X−YNdYb12およびR
3−X−YNdYbA15−WA212(X=
0.15,Y=0.80,W=2.0、AおよびA1は
Ga、A2はSc、RはLa、Ce、Pr、Bi、S
m、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Y、Er、Tm、
Luのいずれか一つの元素)で表される本発明固体レー
ザ用置換型ガーネット結晶材料を作製し、図1に示した
測定系を用いてレーザ発振特性を調査したものである。
表2にR、A、A1およびA2を適宜選択した本実施例
の固体レーザ用置換型ガーネット結晶材料のレーザ発振
波長としきい値を選択した元素について示す。実施例
−1と同様にしていずれの本実施例の固体レーザ用置換
型ガーネット結晶材料も0.98〜1.04μmの範囲
の波長でレーザ発振した。また、いずれの本実施例の材
料も従来材料では実現が困難であった100mW以下の
しきい値で発振した。
【0027】
【実施例1ー3】本実施例は、実施例1と同様にして、
組成式Y3−X−YNdYbAl −ZGa
12(X=0.1,Y=1.0)で表される本発明固体
レーザ用置換型ガーネット結晶材料を作製し、図1に示
した測定系を用いてレーザ発振特性とGa濃度Zの関係
を調査したものである。図2に本実施例の固体レーザ用
置換型ガーネット結晶材料のレーザ発振波長および発振
しきい値とGa濃度Zの関係を示す。レーザ発振波長
は、Ga濃度Zが大きくなるほど短くなる傾向にある
が、いずれの本実施例の固体レーザ用置換型ガーネット
結晶材料も0.98〜1.04μmの範囲の波長でレー
ザ発振した。また、いずれの本実施例の材料もGa濃度
Zによりばらつきはあるものの従来材料では実現が困難
であった100mW以下のしきい値で発振した。
【0028】
【実施例1ー4】本実施例は、実施例1と同様にして、
組成式Gd3−X−YNdYbAl5−Z−WGa
Sc12(X=0.13,Y=1.2,W=2.
00)で表される本発明固体レーザ用置換型ガーネット
結晶材料を作製し、図1に示した測定系を用いてレーザ
発振特性とGa濃度Zの関係を調査したものである。
に本実施例の固体レーザ用置換型ガーネット結晶材料
のレーザ発振波長としきい値とGa濃度Zの関係を示
す。レーザ発振波長は、Ga濃度Zが大きくなるほど短
くなる傾向にあるが、いずれの本実施例のレーザ用ガー
ネット結晶材料も0.98〜1.04μmの範囲の波長
でレーザ発振した。また、いずれの本実施例の材料もG
a濃度Zによりばらつきはあるものの従来材料では実現
が困難であった100mW以下のしきい値で発振した。
【0029】
【実施例1ー5】本実施例は、実施例1と同様にして、
組成式Y3−X−Y−VLaNdYbAl5−Z
Ga12(X=0.13,Y=1.00,Z=0.
17)で表される本発明固体レーザ用置換型ガーネット
結晶材料を作製し、図1に示した測定系を用いてレーザ
発振特性とLa濃度Vの関係を調査したものである。
に本実施例の固体レーザ用置換型ガーネット結晶材料
のレーザ発振波長としきい値とLa濃度Vの関係を示
す。レーザ発振波長は、La濃度Vが大きくなるほど短
くなる傾向にあるが、いずれの本実施例の固体レーザ用
置換型ガーネット結晶材料も0.98〜1.04μmの
範囲の波長でレーザ発振した。また、いずれの本実施例
の材料もLa濃度Vによりばらつきはあるものの従来材
料では実現が困難であった100mW以下の低いしきい
値で発振した。
【0030】なお、本実施例1−5ではR3−X−Y
Yb5−ZGa12においてRがYとL
a、AがAlの本発明レーザ用ガーネット結晶材料につ
いて説明したが、RがLa、Ce、Pr、Bi、Sm、
Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Y、Er、Tm、Lu
のいずれか一種類以上の元素であり、AがAl、Scの
いずれか一種類以上の元素であり、XとYとZが0<X
<3,0<Y<3,0≦Z≦5の範囲であっても、本実
施例の材料と同様に0.8μm帶半導体レーザの励起に
より100mW以下の低いしきい値で0.98〜1.0
4μmの範囲の波長でレーザ発振することは言うまでも
ない。
【0031】
【実施例1ー6】本実施例は、実施例1と同様にして、
組成式R3−X−YNdYb12およびR
3−X−YNdYbA15−WA212(X=
0.20,Y=0.20,W=2.0AおよびA1はA
l、A2はSc、RはLa、Ce、Pr、Bi、Sm、
Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Y、Er、Tm、Lu
のいずれか一つの元素)で表される本発明固体レーザ用
置換型ガーネット結晶材料を作製し、図1に示した測定
系を用いてレーザ発振特性を調査したものである。表3
にR、A、A1およびA2を適宜選択した本実施例の固
体レーザ用置換型ガーネット結晶材料のレーザ発振波長
としきい値を選択した元素について示す。いずれの本実
施例の固体レーザ用置換型ガーネット結晶材料も0.9
8〜1.04μmの範囲の波長でレーザ発振した。ま
た、いずれの本実施例の材料も従来材料では実現が困難
であった100mW以下の低いしきい値で発振した。
【0032】
【実施例1ー7】本実施例は、実施例1と同様にして、
組成式R3−X−YNdYb12およびR
3−X−YNdYbA15−WA212(X=
0.20,Y=0.20,W=2.0AおよびA1はA
l、A2はSc、RはLa、Ce、Pr、Bi、Sm、
Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Y、Er、Tm、Lu
のいずれか一つの元素)で表される本発明固体レーザ用
置換型ガーネット結晶材料を作製し、図1に示した測定
系を用いてレーザ発振特性を調査したものである。表4
にR、A、A1およびA2を適宜選択した本実施例の固
体レーザ用置換型ガーネット結晶材料のレーザ発振波長
としきい値を選択した元素について示す。いずれの本実
施例の固体レーザ用置換型ガーネット結晶材料も0.9
8〜1.04μmの範囲の波長でレーザ発振した。ま
た、いずれの本実施例の材料も従来材料では実現が困難
であった100mW以下の低いしきい値で発振した。
【0033】
【実施例1ー8】本実施例は、実施例1と同様にして、
組成式Y3−X−YNdYbAl5−ZGa
12(X=0.20,Y=0.18)で表される本発明
固体レーザ用置換型ガーネット結晶材料を作製し、図1
に示した測定系を用いてレーザ発振特性とGa濃度Zの
関係を調査したものである。図8に本実施例の固体レー
ザ用置換型ガーネット結晶材料のレーザ発振波長および
発振しきい値とGa濃度Zの関係を示す。レーザ発振波
長は、Ga濃度Zが大きくなるほど短くなる傾向にある
が、いずれの本実施例の固体レーザ用置換型ガーネット
結晶材料も0.98〜1.04μmの範囲の波長でレー
ザ発振した。また、いずれの本実施例の材料もGa濃度
Zによりばらつきはあるものの従来材料では実現が困難
であった100mW以下の低いしきい値で発振した。
【0034】
【実施例1ー9】本実施例は、実施例1と同様にして、
組成式Gd3−X−YNdYbAl5−ZGa
12(X=0.19,Y=0.18)で表される本発明
固体レーザ用置換型ガーネット結晶材料を作製し、図1
に示した測定系を用いてレーザ発振特性とGa濃度Zの
関係を調査したものである。図9に本実施例の固体レー
ザ用置換型ガーネット結晶材料のレーザ発振波長および
発振しきい値とGa濃度Zの関係を示す。レーザ発振波
長は、Ga濃度Zが大きくなるほど短くなる傾向にある
が、いずれの本実施例の固体レーザ用置換型ガーネット
結晶材料も0.98〜1.04μmの範囲の波長でレー
ザ発振した。また、いずれの本実施例の材料もGa濃度
Zによりばらつきはあるものの従来材料では実現が困難
であった100mW以下の低いしきい値で発振した。
【0035】
【実施例2】以下に示す実施例2−1では、図5に示す
ような本発明による固体レーザ用置換型ガーネット結晶
材料でできたコア部を有する光導波路を作製した。図5
に示した光導波路は、YAl12(YAG)を材
質とする基板9の上にPbOとBをフラックス
(融剤)とした液相エピタキシャル成長法(LPE法)
により、YAGよりも幾分屈折率が大きく、YAG基板
との格子定数差が結晶性が低下しない程度に小さい組成
の本発明固体レーザ用置換型ガーネット結晶材料でなる
層を成長させ、このガーネット結晶材料でできた層をフ
ォトリングラフィとイオンミリングによりコア10に加
工し、最後にLPE法によりYAGでなる上部クラッド
11を成長することにより容易に形成できた。なお、下
部クラッドとしては、基板材料そのものが作用する。さ
らに前記光導波路は、実施例2−1の固体レーザ用置換
型ガーネット結晶材料を導波路型レーザ材料として用い
る場合の特性を評価するために、両端面を切断研磨した
後、両端面の光の出入射端12に波長0.98〜1.0
4μmにおいて約99%の反射率のコーティングを施し
た。
【0036】図6に実施例2−1の固体レーザ用置換型
ガーネット結晶材料のレーザ材料としての特性を評価し
た測定系を示す。励起用光源には波長0.810μmの
AlGaAs半導体レーザ1を用いた。半導体レーザ1
から出射した励起光3をレンズを用いて光ファイバ7に
入射し、この光ファイバ7を通して実施例2−1の固体
レーザ用置換型ガーネット結晶材料でできたコアを有す
る光導波路8に入射し、前記光導波路8の出射端からの
出射光5を光ファイバ7'で受けて光スペクトルアナラ
イザ6で観測することにより、レーザ発振特性を評価し
た。
【0037】
【実施例2ー1】本実施例は、組成式Y3−X−YNd
YbAl5−ZGa12で表される本発明固体
レーザ用置換型ガーネット結晶材料のコアを有する光導
波路を作製し、図6に示した測定系を用いてレーザ発振
特性を調査したものである。なお、本実施例では固体レ
ーザ用置換型ガーネット結晶材料の屈折率を基板の材料
であるYAGよりも若干大きくし、かつYAGとの格子
定数差を結晶性が低下しない範囲である0.00085
nmとなるよう、X=0.13,Y=0.80,Z=
0.17に選択した。本実施例の固体レーザ用置換型ガ
ーネット結晶材料のコアを有する光導波路は1.025
μmの波長でレーザ発振した。また、しきい値13mW
で発振し、従来材料では実現することが困難であった1
00mW以下の低いしきい値で発振した。
【0038】表1
【表1】
【0039】表1続き
【表2】
【0040】表2
【表3】
【0041】表2続き
【表4】
【0042】表3
【表5】
【0043】表3続き
【表6】
【0044】表4
【表7】
【0045】表4続き
【表8】
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明固体レーザ
用置換型ガーネット結晶材料は、0.98〜1.04μ
m波長帯において100mW以下の低いしきい値で発振
するため、実用に供することができるという利点があ
る。また、従来材料と異なり励起光源に安価で高出力な
0.8μm帯で発振する半導体レーザを使用できるた
め、経済的および性能的に利点が大きい。
【0047】なお、本発明の具体的実施例においては、
実験上のまた時間的制約から、材料の組成に関して大幅
な制約を設けたが、これらの組成から大幅に変化するこ
とがなく、かつ結晶成長に問題が生じないものであれ
ば、本発明による効果を生ずる材料については、当然に
それらは本発明の領域に含まれる。
【0048】また、結晶成長を行なう場合、坩堝材料で
ある白金をはじめとして、積極的には意図しない元素の
混入はある程度避けられないため、それら混入元素が本
質的に本発明の効果に作用しないかぎり、それら混入元
素を含む材料に関しても、同様に本発明の領域に含まれ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1(実施例1−1〜実施例1−9)の固
体レーザ用置換型ガーネット結晶材料のレーザ材料とし
ての特性を評価した測定系を示す説明図。
【図2】組成式Y3−X−YNdYbAl5−Z
12(X=0.1,Y=1.0)で表される実施
例の固体レーザ用置換型ガーネット結晶材料のレーザ発
振波長としきい値とGa濃度Zの関係を示す図。
【図3】組成式Gd3−X−YNdYbAl
5−Z−WGaSc12(X=0.13,Y=
1.2,W=2.00)で表される実施例の固体レーザ
用置換型ガーネット結晶材料のレーザ発振波長としきい
値とGa濃度Zの関係を示す図。
【図4】組成式Y3−X−Y−VLaNdYb
5−ZGa12(X=0.13,Y=1.00,
Z=0.17)で表される実施例1−15の固体レーザ
用置換型ガーネット結晶材料のレーザ発振波長としきい
値とLa濃度Vの関係を示す図。
【図5】レーザ用ガーネット結晶材料でできたコアを有
する光導波路の斜視図。
【図6】固体レーザ用置換型ガーネット結晶材料ででき
たコアを有する光導波路の導波路型レーザとしての特性
を評価した測定系を示す図。
【図7】プラセオジムのエネルギーダイアグラムを示し
た図。
【図8】Ga濃度Zとレーザ発振波長および発振しきい
値との関係を示す図。
【図9】Ga濃度Zとレーザ発振波長および発振しきい
値との関係を示す図。
【符号の説明】
1 半導体レーザ 2 レンズ 3 励起光 4 固体レーザ用置換型ガーネット結晶材料より
なる円盤 5 出射光 6 光スペクトラムアナライザ 7 光ファイバ 8 置換型ガーネット結晶材料よりなるコアを有
する光導波路 9 基板 10 コア 11 クラッド 12 光の入出射端
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 誠 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 大石 泰丈 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 清水 誠 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 須藤 昭一 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−251795(JP,A) 特開 平6−37371(JP,A) 特開 平6−120606(JP,A) 特開 平6−209135(JP,A) 特開 平6−326394(JP,A) 特開 平6−350171(JP,A) 特開 平7−183608(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00 H01S 3/00 - 3/30 CA(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式がR12で示され、Rがイ
    ットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオ
    ジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テル
    ビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツ
    リウム、イッテルビウム、ルテチウム、ビスマスの中か
    ら選ばれた1種以上の元素を任意に組み合わせたものか
    らなり、Aがアルミニウム、スカンジウム、ガリウムの
    中から選ばれた1種以上の元素を任意に組み合わせたも
    のからなる置換型ガーネット結晶において、少なくとも
    ネオジム、イッテルビウム、ガリウムをその構成元素と
    して含むことを特徴とする固体レーザ用置換型ガーネッ
    ト結晶材料。
  2. 【請求項2】一般式がR12で示され、Rがイ
    ットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオ
    ジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テル
    ビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツ
    リウム、イッテルビウム、ルテチウム、ビスマスの中か
    ら選ばれた1種以上の元素を任意に組み合わせたものか
    らなり、Aがアルミニウム、スカンジウム、ガリウムの
    中から選ばれた1種以上の元素を任意に組み合わせたも
    のからなる置換型ガーネット結晶において、少なくとも
    ネオジム、イッテルビウムをその構成元素として含むこ
    とを特徴とする固体レーザ用置換型ガーネット結晶材
    料。
  3. 【請求項3】ネオジムの占有率は希土類元素全体の1%
    以上であり、イッテルビウムの占有率は希土類元素全体
    の40%以下であることを特徴とする請求項1または2
    記載の固体レーザ用置換型ガーネット結晶材料。
  4. 【請求項4】Rとしてランタン、ガドリニウム、イット
    リウムの中から選ばれた1種以上の元素を任意に組み合
    わせたことを特徴とする請求項1から3記載のいずれか
    の固体レーザ用置換型ガーネット結晶材料。
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