JP3435875B2 - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JP3435875B2 JP04458195A JP4458195A JP3435875B2 JP 3435875 B2 JP3435875 B2 JP 3435875B2 JP 04458195 A JP04458195 A JP 04458195A JP 4458195 A JP4458195 A JP 4458195A JP 3435875 B2 JP3435875 B2 JP 3435875B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非ハロゲン系難燃剤を
使用した難燃性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、機
械的性質が優れ、耐加水分解性の低下がなく、コネクタ
ー、リレー、スイッチ、ケース部材、トランス部材、コ
イルボビン等の電気・電子機器部品、自動車部品、機械
部品に好適な難燃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ
シクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどに代表さ
れるポリエステル樹脂、あるいはポリカーボネート樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂等の
熱可塑性樹脂は、その優れた諸特性を生かし、成形材料
として機械機構部品、電気部品、自動車部品などの幅広
い分野に利用されつつある。一方、これら熱可塑性樹脂
から得られる成形品は本質的に可燃性であるため、工業
用材料として使用するには一般の化学的、物理的諸特性
のバランス以外に火炎に対する安全性、すなわち難燃性
が要求される場合が多い。熱可塑性樹脂成形品に難燃性
を付与する方法としては、難燃剤としてハロゲン系有機
化合物、さらに難燃助剤としてアンチモン化合物を樹脂
にコンパウンドする方法が一般的である。しかしなが
ら、この方法には、燃焼の際の発煙量が多いなどの問題
点を有している。そこで、近年これらハロゲン系難燃剤
の欠点を克服するためにハロゲンを全く含まない難燃剤
を用いることが強く望まれるようになった。
【0003】これまで、ハロゲン系難燃剤を使わずに熱
可塑性樹脂成形品を難燃化する方法としてはリン化合物
の共重合やブレンドが広く知られており、繊維用途を中
心に各種の手法が提案されている。たとえば、熱可塑性
ポリエステル樹脂を難燃化する代表的な方法としてはホ
スホン酸ユニットやホスフィン酸ユニットのポリエステ
ルへの共重合(特開昭51−54691号公報、特開昭
50−56488号公報)、環状ホスフィナイト骨格を
ペンダントに有するモノマーの共重合(特開昭52−9
8089号公報、特開昭55−5916号公報、特開昭
60−240755号公報等)、ポリホスホネートのブ
レンド(米国特許第3719727号明細書)、赤リン
のブレンド(特開昭49−74240号公報)等があ
る。これらのうち特開昭55−5916号公報、特開昭
49−74240号公報には射出成形用組成物の例示が
あるものの、従来のリン化合物による難燃化技術は基本
的に繊維、フィルム用途を対象としており、樹脂成形品
を狙いとするものではなかった。
【0004】また、芳香族ホスフェート、芳香族ホスフ
ェートオリゴマーを添加して難燃化する技術が特開昭4
8−90348号公報、特開昭48−91147号公報
等に開示されているが、これらも繊維における難燃化を
主たる狙いとしている。一方、欧州公開特許EP491
986号にはPBT系アロイ成形品の難燃化にレゾルシ
ン型芳香族ホスフェートオリゴマーを添加する方法が、
また特開平5−70671号公報ではポリアルキレンテ
レフタレートに対してレゾルシン型芳香族ビスホスフェ
ート、メラミンシアヌレートおよび無機充填材を添加す
る方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】難燃性樹脂成形品は優
れた機械的性能、また成形品を高温高湿下で使用した時
も信頼性を保持するための優れた耐熱性および耐加水分
解性が要求される。この点において、従来の技術は以下
のような問題点があることがわかった。
【0006】(1)ホスホン酸ユニットやホスフィン酸
ユニットの共重合では主鎖のP(=O)−O結合が加水
分解されやすく、その結果、成形品の耐加水分解性が大
幅に悪化する。
【0007】(2)リンを含有するモノマーを共重合し
た場合、特にポリエステル樹脂成形品では電気・電子部
品として要求されるレベルの難燃性を得ようとすると多
量の共重合率となり、樹脂自体の融点、結晶化速度が大
幅に低下し、もはや成形品としては使用が極めて制限さ
れるものとなる。
【0008】(3)赤リンのブレンドにおいては、熱可
塑性樹脂成形品の機械特性の低下、着色等の問題がある
上に、熱可塑性樹脂成形品に対する難燃化効果が小さ
い。
【0009】(4)芳香族ビスホスフェートのブレンド
においてはこれらホスフェートが加水分解されやすく、
加水分解生成物が樹脂自体の加水分解反応に触媒的に作
用するため耐久性能を低下せしめる。また、レゾルシン
型芳香族ビスホスフェートあるいはレゾルシン型芳香族
ホスフェートオリゴマーを配合した樹脂組成物を成形品
にした場合、これらの化合物が成形品表面に滲み出て来
るブリード現象が見られる。
【0010】すなわち本発明は、非ハロゲン系難燃剤を
使用し、熱可塑性樹脂に高度な難燃性を付与すると同時
に、良好な成形性、耐加水分解性、機械物性を有し、か
つブリード性のない熱可塑性樹脂組成物を得ることを課
題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは以上の状況
を鑑み、鋭意検討を重ねた結果、熱可塑性樹脂に一定以
上の重合度を有する高重合度ポリホスフェートを配合し
てなる難燃性樹脂組成物は難燃性ばかりでなく各種性能
のバランスに優れていることを見出し本発明に到達し
た。
【0012】すなわち本発明は、 (A)熱可塑性樹脂100重量部 (B)一般式(1)で表わされる構造単位からなるポリ
ホスフェート1〜100重量部 からなる難燃性樹脂組成物を提供するものである。
【0013】
【化4】 (ただし上式においてArは2価の芳香族残基を表わ
し、炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、
アラルキル基、アリール基で置換されていても良い。R
1 は炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、
アラルキル基、アリール基を表わす。nは数平均重合度
を表わし、n≧40である)。
【0014】ここでいう熱可塑性樹脂(A)とは加熱す
ると流動性を示し、これを利用して成形加工できる合成
樹脂のことである。その具体例としては例えば、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレ
ンオキサイド、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンスルフ
ィド、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン
系重合体、(エチレン/プロピレン)共重合体、(エチ
レン/1−ブテン)共重合体、(エチレン/プロピレン
/非共役ジエン)共重合体、(エチレン/アクリル酸エ
チル)共重合体、(エチレン/メタクリル酸グリシジ
ル)共重合体、(エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸
グリシジル)共重合体および(エチレン/プロピレン−
g−無水マレイン酸)共重合体などのオレフィン系共重
合体、ポリエステルポリエーテルエラストマー、ポリエ
ステルポリエステルエラストマー等のエラストマー、あ
るいはこれら合成樹脂の2種以上の混合物が挙げられる
が、特に熱可塑性ポリエステルまたは熱可塑性ポリエス
テルとフェノキシ樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、
ポリフェニレンスルフィド樹脂から選ばれる1種または
2種以上との混合物が好ましく用いられる。また、熱可
塑性ポリエステル樹脂の具体例としてはポリエチレンテ
レフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リブチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレ
ンテレフタレートおよびポリエチレン−1,2−ビス
(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート
などのほか、(ポリエチレンイソフタレート/テレフタ
レート)、(ポリブチレンテレフタレート/イソフタレ
ート)、(ポリブチレンテレフタレート/デカンジカル
ボキシレート)および(ポリシクロヘキサンジメチレン
テレフタレート/イソフタレート)などの共重合ポリエ
ステル、ポリオキシベンゾイル、(ポリオキシベンゾイ
ル/ポリエチレンテレフタレート)共重合体、(4,
4’−ビフェノール/テレフタル酸/4−ヒドロキシ安
息香酸)共重合体、(ヒドロキノン/4,4’−ビフェ
ニルジカルボン酸/4−ヒドロキシ安息香酸)共重合体
などの液晶ポリエステルが挙げられるが、これらのうち
機械的性質、成形性などのバランスのとれたポリブチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリシ
クロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレートおよびポリエチレンテレフタレートが特に
好ましく使用できる。また、熱可塑性ポリエステルと、
フェノキシ樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリフ
ェニレンスルフィド樹脂から選ばれる1種または2種以
上との混合物の配合比率としては熱可塑性ポリエステル
100重量部に対して他の樹脂5〜200重量部が好ま
しい。
【0015】本発明で用いられるポリホスフェート
(B)は前記式(1)で表される繰り返し単位からなる
重合体である。その数平均重合度nはGPC(Gel Perm
eation Chromatography 、ポリスチレン換算)によって
測定される値であるが、その値は難燃性、溶融粘度、成
形性の面から40以上であり、上限としては特に制限は
ないが、通常3,000以下、好ましくは50〜200
0、特に好ましくは60〜1000である。
【0016】数平均分子量については数平均重合度nが
40以上となる値であれば問題ないが、通常10000
以上、好ましくは12500〜500000、特に好ま
しくは15000〜250000である。
【0017】前記一般式(1)においてArは2価の芳
香族残基を表わし、好ましくはヒドロキノン、レゾルシ
ノール、カテコール、4,4’−イソプロピリデンジフ
ェノール、4,4’−ビフェノール、4,4’−ジヒド
ロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェ
ノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒ
ドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレ
ン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒド
ロキシナフタレンの残基であり、これらは炭素数1〜1
2、好ましくは炭素数1〜6、さらに好ましくは炭素数
1〜3のアルキル基で置換されていても良い。また、R
1 は炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、
アラルキル基、アリール基を表わし、好ましくはメチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチ
ル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−
ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シク
ロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロ
ドデシル、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニ
ルエチル、フェニル、トルイル、キシリル、1−ナフチ
ル、2−ナフチル、メチル−1−ナフチル、メチル−2
−ナフチル、ジメチル−1−ナフチル、ジメチル−2−
ナフチルである。
【0018】前記ポリホスフェートは一般に下記の化学
反応式(4)に示されるようにリン酸ジクロリドとビス
フェノール類との重縮合によって製造される。リン酸ジ
クロリドはオキシ塩化リンとアルコールあるいはフェノ
ール類との反応によって製造されるため、これを単離・
精製することなく、粗製物のままでビスフェノール類と
の重縮合を行うと副生物として低分子量ホスフェートや
架橋体が混入することもある。その場合、ホスフェート
混合物全体の数平均重合度が40未満にならないような
量であれば特に問題はない。
【0019】
【化5】 また、ポリホスフェートの末端構造には特に制限はな
く、熱可塑性樹脂に配合した際に樹脂の分解を引き起こ
さないような構造であればどのような構造であってもか
まわない。末端構造は重合反応中または反応後に求核試
薬や求電子試薬と反応させることにより変換することが
できる。
【0020】本発明におけるポリホスフェートの具体例
として、次の例が挙げられるがこれに限定されるもので
はない。
【0021】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】 これらポリホスフェートのうち、特に下記式(3)で表
わされるヒドロキノン型ポリホスフェートが難燃性、ド
リップ性、機械物性、経済性の面から好ましく用いられ
る。
【0022】
【化10】 本発明におけるポリホスフェートの添加量は、成形品の
難燃性や機械物性の面から熱可塑性樹脂100重量部に
対して1〜100重量部、好ましくは2〜80重量部、
より好ましくは5〜50重量部である。
【0023】通常、樹脂成形品の難燃性は成形品中に占
めるリン含量によって決まる。従ってリン含量の高いポ
リホスフェートの場合には少量の配合で十分に高い難燃
性を達成することができるが、リン含量の低いポリホス
フェートの場合には多量の配合が必要となる。熱可塑性
樹脂成形品の難燃化に必要なリン含量(成形品中に占め
るリン含量)は通常0.1〜10重量%、好ましくは
0.2〜8重量%、特に好ましくは0.5〜5重量%で
ある。
【0024】本発明ではさらにシアヌール酸またはイソ
シアヌール酸の塩を配合すると難燃性および機械強度が
向上する。ここでいうシアヌール酸またはイソシアヌー
ル酸の塩とは、シアヌール酸またはイソシアヌール酸と
一般式(2)で表わされる化合物との付加物であり、通
常は1対1(モル比)、場合により1対2(モル比)の
組成を有する付加物である。前記一般式(2)で表わさ
れる化合物のうち、シアヌール酸またはイソシアヌール
酸と塩を形成しないものは除外される。
【0025】
【化11】 (ただし上式においてR2 、R3 、R4 、R5 は同一ま
たは相異なる水素、アリール基、アルキル基、アラルキ
ル基、シクロアルキル基、または−CONH2である。
また、Rは上式中の−NR2 3 または−NR4 5
一の基、またはこれらと独立に水素、アリール基、アル
キル基、アラルキル基、シクロアルキル基、−NH2
または−CONH2 から選ばれた基である。) 前記一般式(2)においてR2 、R3 、R4 、R5 は同
一または相異なる水素、アリール基、アルキル基、アラ
ルキル基、シクロアルキル基、または−CONH2 であ
る。ここでアリール基としては炭素数6〜15のもの、
アルキル基としては炭素数1〜10のもの、アラルキル
基としては炭素数7〜16のもの、シクロアルキル基と
しては4〜15のものが好ましい。また、Rは上式中の
−NR23 または−NR4 5 と同一の基、またはこ
れらと独立に水素、アリール基、アルキル基、アラルキ
ル基、シクロアルキル基、−NH2 、または−CONH
2から選ばれた基であり、ここでアリール基としては炭
素数6〜15のもの、アルキル基としては炭素数1〜1
0のもの、アラルキル基としては炭素数7〜16のも
の、シクロアルキル基としては4〜15のものが好まし
い。
【0026】R2 、R3 、R4 、R5 の具体的な例とし
ては水素、フェニル基、p−トルイル基、α−ナフチル
基、β−ナフチル基、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、ヒドロキシメチル基、メトキ
シメチル基、ベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘ
キシル基、シクロヘプチル基、2−メチル−1−ペンチ
ル基、4−メチル−1−シクロヘキシル基、アミド基な
どが挙げられるが、中でも水素、フェニル基、メチル
基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、ベンジル
基、アミド基が好ましい。
【0027】また、Rの具体的な例としてはアミノ基、
アミド基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチル
アミノ基、ジエチルアミノ基、モノ(ヒドロキシメチ
ル)アミノ基、ジ(ヒドロキシメチル)アミノ基、モノ
(メトキシメチル)アミノ基、ジ(メトキシメチル)ア
ミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、水
素、フェニル基、p−トルイル基、α−ナフチル基、β
−ナフチル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t
ert−ブチル基、ベンジル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、シクロヘプチル基、2−メチル−1−
ペンチル基、4−メチル−1−シクロヘキシル基などが
挙げられるが、中でも水素、アミノ基、アミド基、メチ
ル基、モノ(ヒドロキシメチル)アミノ基、ジ(ヒドロ
キシメチル)アミノ基、モノ(メトキシメチル)アミノ
基、ジ(メトキシメチル)アミノ基、フェニル基、ベン
ジル基が好ましい。
【0028】前記一般式(2)で表わされる化合物とシ
アヌール酸またはイソシアヌール酸との塩のうち、特に
好ましい例としてはメラミン、モノ(ヒドロキシメチ
ル)メラミン、ジ(ヒドロキシメチル)メラミン、トリ
(ヒドロキシメチル)メラミン、ベンゾグアナミン、ア
セトグアナミン、2−アミド−4,6−ジアミノ−1,
3,5−トリアジンの塩が挙げられ、とりわけメラミ
ン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンの塩が好まし
い。
【0029】前記一般式(2)で表わされる化合物とシ
アヌール酸またはイソシアヌール酸との塩は、一般式
(2)で表わされる化合物とシアヌール酸またはイソシ
アヌール酸の混合物を水スラリーとなし、良く混合して
両者の塩を微粒子状に形成させた後、このスラリーを濾
過、乾燥して得られる粉末であり、単なる混合物とは異
なる。この塩は完全に純粋である必要は無く、多少未反
応の(2)式で表わされる化合物ないしシアヌール酸、
イソシアヌール酸が残存していても良い。また、この塩
の形態としては特に制限はないが、できる限り微細な粉
末として得られたものを用いるのが、成形品の機械的強
度や表面性の点から好ましく、樹脂に配合する前の平均
粒径が100μmのものが特に好ましい。また、上記塩
の分散性が悪い場合には、トリス(β−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレートなどの分散剤を併用してもかまわ
ない。上記塩の使用量は成形品の機械物性や表面外観の
面から熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜100重
量部、好ましくは2〜80重量部、さらに好ましくは3
〜70重量部である。
【0030】本発明ではさらに充填材を配合すると組成
物の強度が向上する。充填材の具体例としてはガラス繊
維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、炭素繊維、アスベ
スト、チタン酸カリウムウィスカー、ワラステナイト、
タルク、マイカ、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、酸化チタン、酸化アルミニウムなどが挙げられ、こ
れらは1種または2種以上で用いられる。
【0031】充填材の使用量は、特に制限はないが、成
形品の機械物性や表面外観の面から熱可塑性樹脂100
重量部に対して通常1〜100重量部、好ましくは5〜
80重量部、さらに好ましくは10〜70重量部であ
る。
【0032】中でも好ましい充填材はガラス繊維であ
り、溶融状態のガラスをノズルから急速に引き出した
り、引き延ばしたり、圧縮空気で吹き飛ばして繊維状に
したものであって、樹脂材料の強化材として一般に用い
られている1〜15μm程度の太さのものが使用され
る。その形態としてはフィラメント、ストランド、ヤー
ン、ロービング、チョップトストランド、ロービングク
ロス、ミルドファイバーなど種々の形態が知られている
がチョップトストランド、ミルドファイバーが好まし
い。
【0033】本発明の難燃性樹脂組成物はさらにフッ素
系樹脂をさらに添加すると液滴の落下(ドリップ)が抑
制される。そのようなフッ素系樹脂としては、ポリテト
ラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、
(テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレ
ン)共重合体、(テトラフルオロエチレン/パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル)共重合体、(テトラフルオ
ロエチレン/エチレン)共重合体、(ヘキサフルオロプ
ロピレン/プロピレン)共重合体、ポリビニリデンフル
オライド、(ビニリデンフルオライド/エチレン)共重
合体などが挙げられるが、中でもポリテトラフルオロエ
チレン、(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアル
キルビニルエーテル)共重合体、(テトラフルオロエチ
レン/ヘキサフルオロプロピレン)共重合体、(テトラ
フルオロエチレン/エチレン)共重合体、ポリビニリデ
ンフルオライドが好ましく、特にポリテトラフルオロエ
チレン、(テトラフルオロエチレン/エチレン)共重合
体が好ましい。
【0034】フッ素系樹脂の添加量は機械物性、成形性
の面から熱可塑性樹脂100重量部に対して0.01〜
10重量部であり、好ましくは0.1〜5重量部、さら
に好ましくは0.2〜3重量部である。
【0035】フッ素樹脂の添加は熱可塑性樹脂としてポ
リエステルとフェノキシ樹脂、ポリフェニレンオキシド
樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂から選ばれる1種
または2種以上との混合物を用いる時に特に有効であ
る。
【0036】本発明で用いるポリホスフェートは他の従
来公知のリン系難燃剤に比べエステル結合などの脱水縮
合型構造を有する熱可塑性樹脂の加水分解を促進する作
用が極めて軽微であるが、更にヒンダードフェノール系
の安定剤を併用すると長期間高温にさらされても極めて
良好な耐加水分解性が維持されることが見いだされた。
このような安定剤としては例えば、トリエチレングリコ
ール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキ
サンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエ
リスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,
2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オ
クタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート ジエチル
エステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、ビスもしくはトリス(3−t−ブチル−
6−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、N,
N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、N,N’−ト
リメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシ−ヒドロシンナマミド)などが挙げられる。
【0037】本発明においては、このようなヒンダード
フェノール系安定剤を必要に応じて添加することができ
るが、その際のヒンダードフェノール系安定剤の添加量
は通常、熱可塑性樹脂100重量部に対し0.01〜3
重量部、好ましくは0.01〜1重量部、更に好ましく
は0.03〜0.5重量部である。
【0038】さらに、本発明の難燃性樹脂組成物に対し
て本発明の目的を損なわない範囲でリン系、イオウ系な
どの酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型
剤、および染料・顔料を含む着色剤などの通常の添加剤
を1種以上添加することができる。
【0039】本発明の難燃樹脂組成物は通常公知の方法
で製造することができる。例えば、熱可塑性樹脂、ポリ
ホスフェートおよびその他の必要な添加剤をエクストル
ーダーで溶融混合し、ストランドとして押出してからペ
レタイズしてペレット化する方法、あるいは粒子状物ど
うしを均一に機械的に混合した後、射出成形機で混合と
同時に成形する方法などが用いられる。
【0040】かくして得られる難燃性樹脂組成物は通常
公知の方法で成形することができ、射出成形、押出成
形、圧縮成形、ブロー成形など種々の方法により成形
品、シート、フィルム、繊維などの成形物品とすること
ができる。中でも射出成形品用途に特に好適であり、そ
の特徴を活かして機械部品、電気部品、自動車部品とし
て有用に用いることができる。
【0041】
【実施例】以下実施例により本発明の効果を更に詳細に
説明する。ここで部とはすべて重量部をあらわす。各特
性の測定方法は以下の通りである。
【0042】(1)機械特性 射出成形により得たダンベル試験片についてASTM
D−638に従い引張降伏強度、破断伸度を測定した。
【0043】(2)難燃性 ペレットから127mm×12.7mm×1.6mmの
短冊状の試験片を射出成形作成し、UL94に定められ
ている評価基準に従い難燃性を評価した。難燃性レベル
はV−0>V−1>V−2>HBの順に低下する。
【0044】(3)燃焼時のドリップの有無 前項の燃焼性評価の際に目視で観察した。
【0045】(4)加熱時の収縮性 本来は燃焼試験時の収縮性を測定すべきであるが、実際
の燃焼時には明確な収縮率を測定することができない。
そこで、難燃性試験に用いた試験片と同じ形状の試験片
を下端から25mmまでを熱可塑性樹脂の融点またはガ
ラス転移温度より25℃高い温度に設定した油浴に20
秒間浸漬し、その時の垂直方向への収縮率を測定した。
この収縮率が高いほど燃焼時の収縮率も高く、溶融樹脂
の液滴落下が抑制されていることを示す。
【0046】(5)耐加水分解性 ダンベル試験片を恒温恒湿槽中で80℃、95%RHの
条件下に所定時間処理し、処理前後の分子量変化をGP
C(ポリスチレン換算)により測定し、その変化率を耐
加水分解性の尺度とした。
【0047】実施例および比較例中で使用されるポリホ
スフェートの略記号、構造および数平均重合度を以下に
示す。なお、下記の数平均重合度nはGPCを用い、次
に示す条件で測定した値である。
【0048】装置:Waters、カラム:TSK−G
2500H/TSK−G4000H溶媒:NMP(0.
02N 塩化リチウム)、流速:0.5mL/min、
検出:UV(260nm)
【化12】
【化13】
【0049】また、本実施例で用いたシアヌール酸塩類
を電子顕微鏡を用いて観察したところ、いずれも平均粒
径(固体数100の平均値)は100μmより小さく、
また成形品中での平均分散粒径(固体数100の平均
値)も100μmより小さかった。
【0050】実施例1〜14、比較例1〜16 極限粘度が0.85(25℃、o−クロルフェノール溶
液)のポリブチレンテレフタレート(以下PBTと略
す)100重量部に対して表1および2に示す各種ポリ
ホスフェート、シアヌール酸またはイソシアヌール酸の
塩、ガラス繊維およびその他の添加剤を混合し、30m
mΦ2軸押出機を用いて樹脂温度260℃で溶融押出し
た。得られたペレットを乾燥後、射出成形(金型温度8
0℃)によりASTMD−638に規定されている引張
試験片およびUL94に基く難燃性評価用試験片を調製
した。
【0051】各成形品の難燃性、機械的特性、成形品の
色調、耐加水分解性の測定結果を表3および4にまとめ
て示す。
【0052】なお、ポリホスフェートの配合量について
は部数の他に、成形品中に占めるリンの重量%について
も併せて記載した。
【0053】また、表中の酸化防止剤とはペンタエリス
ルチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・ガ
イギー社製”IR−1010”)である。また、GFは
ガラス繊維を表わす。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】実施例1、2と比較例1、2のUL94に
基く評価結果より、高分子量ポリホスフェートを配合し
たPBT樹脂成形品は難燃性、機械物性、色調に優れる
ことがわかる。また、高分子量ポリホスフェートの配合
により実用範囲内ではあるが耐加水分解性が若干低下す
る。しかしヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加す
ることより耐加水分解性が改善されることがわかる。
【0059】一方、赤リンを配合した比較例7〜10の
場合には、優れた難燃性が得られないことがわかる。ま
た、低分子量ホスフェートを配合した比較例11の場
合、難燃性には優れるものの、機械強度および耐加水分
解性が大きく低下していることがわかる。
【0060】実施例3、4では高分子量ポリホスフェー
トとメラミンシアヌレートを併用しているが、メラミン
シアヌレートとの併用により優れた難燃性を保つことが
できるばかりでなく、機械強度が向上することがわか
る。
【0061】一方、比較例12、15、16は低分子量
ホスフェートとメラミンシアヌレートの併用系である
が、難燃性には優れるものの、機械物性および耐加水分
解性に劣ることがわかる。
【0062】実施例5、6はさらにガラス繊維により強
化した系であるが、この場合にも難燃性、機械物性、耐
加水分解性に優れることがわかる。
【0063】実施例7〜14ではさらにテフロン(ポリ
テトラフルオロエチレン、PTFE)を添加している
が、この場合には燃焼時にドリップが見られず、難燃性
がさらに優れていることがわかる。また、加熱時の収縮
も認められ、明らかにドリップ抑制効果が発現している
ことがわかる。
【0064】比較例3、4はガラス繊維強化PBTを示
しているが、ガラス繊維のみの配合では難燃性はまった
く向上しないことがわかる。
【0065】また比較例5はメラミンシアヌレートのみ
の配合、比較例6はメラミンシアヌレートとガラス繊維
との併用系であるが、難燃性はまったく改善されていな
いことがわかる。
【0066】比較例11〜16は低分子量ホスフェート
をベースとする配合であるが、いずれも難燃性には優れ
ているものの、機械強度が劣っていることがわかる。
【0067】実施例15〜20、比較例17〜25 GPCで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が5
2000のビスフェノールA型ポリカーボネート、GP
Cで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が125
000のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ン)オキシドと重量平均分子量420000のポリスチ
レンとの混合物(重量比60/40、以下変性PPOと
略す)、相対粘度2.70(25℃、1%濃硫酸溶液)
のナイロン6、それぞれ100重量部に対して表5〜6
に示す割合でポリホスフェート、シアヌール酸塩、ガラ
ス繊維およびその他の添加剤を混合し、30mmΦ2軸
押出機を用いて溶融押出した。得られたペレットを射出
成形によりASTMD−638に規定されている引張試
験片およびUL94に基く難燃性評価用試験片を調製し
た。
【0068】各サンプルの難燃性、機械的特性、成形品
の色調、耐加水分解性等の測定結果を表7〜8にまとめ
て示す。
【0069】なお、ポリホスフェート化合物および各種
リン系難燃剤の配合量については部数の他に、成形品中
に占めるリンの重量%についても併せて記載した。
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】
【表7】
【0073】
【表8】
【0074】実施例15と比較例17、18のUL94
に基く評価結果より、高分子量ポリホスフェート、シア
ヌール酸塩およびガラス繊維を配合したポリカーボネー
ト樹脂成形品は溶融樹脂の液滴落下にない優れた難燃性
を示すことがわかる。また、実施例16よりフッ素樹脂
をさらに配合した場合には液滴落下が著しく抑制されて
いることがわかる。
【0075】比較例19は低分子量ホスフェート、シア
ヌール酸塩およびガラス繊維を配合したポリカーボネー
ト樹脂についてであるが、難燃性には優れるものの機械
物性、耐加水分解性に劣ることがわかる。
【0076】実施例17と比較例20、21のUL94
に基く評価結果より、高分子量ポリホスフェート、シア
ヌール酸塩およびガラス繊維を配合したポリフェニレン
オキシド樹脂成形品は溶融樹脂の液滴落下にない優れた
難燃性を示すことがわかる。また、実施例18よりフッ
素樹脂をさらに配合した場合には液滴落下が著しく抑制
されていることがわかる。
【0077】比較例22は低分子量ホスフェート、シア
ヌール酸塩およびガラス繊維を配合したポリフェニレン
オキシド樹脂についてであるが、難燃性には優れるもの
の機械物性が劣っていることがわかる。
【0078】実施例19と比較例23、24のUL94
に基く評価結果より、高分子量ポリホスフェート、シア
ヌール酸塩およびガラス繊維を配合したナイロン6樹脂
成形品は溶融樹脂の液滴落下にない優れた難燃性を示す
ことがわかる。また、実施例20よりフッ素樹脂をさら
に配合した場合には液滴落下が著しく抑制されているこ
とがわかる。
【0079】比較例25は低分子量ホスフェート、シア
ヌール酸、ガラス繊維を配合したナイロン6樹脂につい
て示したものであるが、難燃性には優れるものの、機械
物性が劣っていることがわかる。
【0080】実施例21〜32 極限粘度が0.85(25℃、o−クロルフェノール溶
液)のポリブチレンテレフタレートに対してGPCで測
定したポリスチレン換算重量平均分子量が59000の
フェノキシ樹脂(ビスフェノールAとエピクロルヒドリ
ンとの縮合物、表中ではフェノキシと略す)、GPCで
測定したポリスチレン換算重量平均分子量が12000
0のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)オ
キシド(以下PPOと略す)、溶融粘度800ポアズ
(320℃、剪断速度1000/秒)のリニアタイプの
ポリフェニレンスルフィド(以下PPSと略す)、高分
子量ポリホスフェート類、シアヌール酸またはイソシア
ヌール酸の塩およびその他の添加剤を表9に示す比率で
配合し、30mmΦ2軸押出機を用いて溶融押出した。
得られたペレットを射出成形によりASTMD−638
に規定されている引張試験片を作製した。また、プレス
成形を行なってLOI測定用サンプルおよびUL94に
基く難燃性評価用サンプルを調製した。
【0081】各サンプルのLOI、難燃性、機械的特
性、成形品の色調、耐加水分解性等の測定結果を表10
にまとめて示す。
【0082】なお、高分子量ポリホスフェートの配合量
については部数の他に、組成物中に占めるリンの重量%
についても併せて記載した。
【0083】
【表9】
【0084】
【表10】
【0085】実施例21〜32のLOI値およびUL9
4に基く評価結果より、ポリエステル樹脂とフェノキシ
樹脂、PPO、PPSとの混合物に対しても本発明の高
分子量ポリホスフェートおよびシアヌール酸塩を配合す
ることにより優れた難燃性を付与できることがわかる。
また、実施例8〜14と実施例21〜32を比較する
と、ポリエステル樹脂単独の場合よりフェノキシ樹脂、
PPO、PPSとの混合物の方が機械的強度が優れてい
ることがわかる。
【0086】
【発明の効果】
(1)高分子量のポリホスフェートを併用して得られる
難燃性樹脂組成物は、高い難燃性を示す上に、機械物
性、耐加水分解性に優れる。
【0087】(2)本発明で得られる難燃性樹脂組成物
は難燃性が良好であるばかりか、機械的性質、 溶融流
動性、表面外観に優れており、耐加水分解性の低下もな
いので機械部品、電気部品、自動車部品として有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 71/10 C08L 71/10 71/12 71/12 81/02 81/02 101/00 101/00 (31)優先権主張番号 特願平6−204044 (32)優先日 平成6年8月29日(1994.8.29) (33)優先権主張国 日本(JP) (56)参考文献 特開 昭53−23344(JP,A) 特開 平2−225555(JP,A) 特開 平7−196843(JP,A) 特開 昭63−227632(JP,A) 特開 昭53−45355(JP,A) 特開 昭51−145561(JP,A) 特開 昭51−103195(JP,A) 特開 昭51−111869(JP,A) 特開 昭50−91651(JP,A) 特開 平3−281566(JP,A) 特開 昭51−66339(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 85/00 - 85/02 C08G 79/00 - 79/04

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性樹脂100重量部 (B)一般式(1)で表わされる構造単位からなるポリ
    ホスフェート1〜100重量部 からなる難燃性樹脂組成物。 【化1】 (ただし上式においてArは2価の芳香族残基を表わ
    し、炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、
    アラルキル基、アリール基で置換されていても良い。R
    1 は炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、
    アラルキル基、アリール基を表わす。nは数平均重合度
    を表わし、n≧40である)。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂100重量部に対して、一般
    式(2)で表わされる化合物とシアヌール酸またはイソ
    シアヌール酸からなる塩1〜100重量部をさらに配合
    してなる請求項1記載の難燃性樹脂組成物。 【化2】 (ただし上式においてR2 、R3 、R4 、R5 は同一ま
    たは相異なる水素、アリール基、アルキル基、アラルキ
    ル基、シクロアルキル基、または−CONH2である。
    また、Rは上式中の−NR2 3 または−NR4 5
    同一の基、またはこれらと独立に水素、アリール基、ア
    ルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、−N
    2 、または−CONH2 から選ばれた基である。)
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂100重量部に対して、ガラ
    ス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、炭素繊維、ア
    スベスト、チタン酸カリウムウィスカー、ワラステナイ
    ト、タルク、マイカ、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バ
    リウム、酸化チタン、酸化アルミニウムから選ばれる1
    種以上の充填材1〜100重量部をさらに配合してなる
    請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】熱可塑性樹脂100重量部に対してフッ素
    系樹脂0.01〜10重量部をさらに配合してなる請求
    項1記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】熱可塑性樹脂が熱可塑性ポリエステル樹脂
    である請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】熱可塑性樹脂がフェノキシ樹脂、ポリフェ
    ニレンオキシド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂か
    ら選ばれる1種または2種以上と熱可塑性ポリエステル
    樹脂との混合物である請求項1記載の難燃性樹脂組成
    物。
  7. 【請求項7】ポリホスフェートが一般式(3)で表わさ
    れるものである請求項1記載の難燃性樹脂組成物。 【化3】
  8. 【請求項8】一般式(2)で表わされる化合物がメラミ
    ンである請求項2記載の難燃性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】一般式(2)で表わされる化合物とシアヌ
    ール酸またはイソシアヌール酸からなる塩が平均粒径1
    00μm以下で分散している請求項2記載の難燃性樹脂
    組成物。
  10. 【請求項10】充填材がガラス繊維である請求項3記載
    の難燃性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】熱可塑性樹脂100重量部に対してヒン
    ダードフェノール系安定剤0.01〜3重量部がさらに
    配合されている請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】請求項1記載の組成物を射出成形してな
    る難燃性樹脂成形品。
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