JP3433602B2 - パルスジェット式バグフィルターの運転方法 - Google Patents

パルスジェット式バグフィルターの運転方法

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JP3433602B2
JP3433602B2 JP05752896A JP5752896A JP3433602B2 JP 3433602 B2 JP3433602 B2 JP 3433602B2 JP 05752896 A JP05752896 A JP 05752896A JP 5752896 A JP5752896 A JP 5752896A JP 3433602 B2 JP3433602 B2 JP 3433602B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルスジェット式
バグフィルターの運転方法に関し、詳しくは、都市ごみ
焼却処理施設及び可燃性廃棄物焼却処理施設等に付設す
るパルスジェット式バグフィルターにおいて、排ガス中
の有害酸性ガスの除去率を損ねることなく、バグフィル
ターに付着するダストの払い落としを行う運転方法に係
るものである。
【0002】
【従来の技術】周知にように、バグフィルターは、従来
より排ガス中のダストを除去する集塵機として広く知ら
れているが、最近では都市ごみ焼却施設の一部として、
アルカリ剤の噴霧とともに排ガス中のHCl、SOX
の有害酸性ガスを除去する除去装置としても用いられて
いる。
【0003】また、バグフィルターの濾布に集塵された
ダストの払い落としは、通常、逆先方式、振動方式、パ
ルスジェット方式が採用されており、特に都市ごみ焼却
排ガス処理に用いるバグフィルターは、装置の簡便さか
らパルスジェット方式が多く採用されている。
【0004】都市ごみ焼却排ガス処理に用いるバグフィ
ルターは、排ガス中の有害酸性ガスを除去するために、
通常、消石灰等のアルカリ剤を上段で噴霧している。従
って、バグフィルターで集塵するダスト中には、飛灰と
反応生成物及び残留アルカリ剤が含まれ、これらの物質
は吸湿性に富んでおり、バグフィルター濾布に付着して
時間の経過とともに剥離しにくくなる傾向にある。
【0005】また、図8に示すように、特開平4−12
6509号のバグフィルター灰払い落とし方法では、ダ
ストが付着する濾布10の上部と下部に対向するように
高圧エアーを噴射する圧縮空気噴射ノズル12が設けら
れ、圧縮空気噴射ノズル12からエアーを吹き付けるこ
とにより、濾布10から剥離しにくいダスト層に亀裂を
与えて、払い落とす方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】通常のパルスジェット
式バグフィルターに於けるダストの払い落とし方式で
は、一定の払い落とし間隔で且つ一定のパルス圧でバグ
フィルターの運転が行われている。その結果、バグフィ
ルターを継続運転して半年程経過した後にはバグフィル
ター濾布に付着するダストによる圧力損失(以下、含じ
ん排ガスの供給側の圧力と清浄ガスの吹き出し側の圧力
の差、以下、バグ差圧と称する)が大幅に上昇する欠点
があった。このバグ差圧の上昇を防ぐために、バグ差圧
に対応させて、パルスジェット空気圧(以下、パルス
圧)を上昇させたり、濾布にパルス圧を加える間隔を短
くし濾布に付着する塵の払い落としを行っていた。ま
た、パルス圧は1.0〜4.0kg/cm2G程度の範囲であ
り、経時的にパルス圧を上昇させる場合が多かった。
【0007】先に説明したように、都市ごみ焼却施設に
付設した酸性ガス除去能を備えるバグフィルターの場
合、集塵するダストは飛灰、反応生成物及び残留アルカ
リ剤を含むために吸湿性を有し、ダストが濾布に固着す
る傾向がある。このダストは濾布表面に固着して一次層
が形成されて、バグ差圧の上昇をもたらす。バグフィル
ター立ち上げ時にはこの一次層の生成は少ないが、時間
とともに一次層の厚みが増え、やがて濾布全体がダスト
を含んで目詰まりとなって運転が困難に陥る。
【0008】バグ差圧は濾布自体の圧損と、濾布に固着
して除去が困難となった一次層による圧損と、ダストの
払い落としによって除去されるダスト層であり、酸性ガ
ス除去に関わる未反応アルカリ剤が多く存する反応層の
圧損との合計である。酸性ガスとの反応効率は、酸性ガ
スの中和に寄与する反応層の厚みによって決定されるか
ら、一次層による圧損を減少させることが、酸性ガス反
応効率を向上させることになる。
【0009】通常のパルスジェット式払い落とし方式で
は、パルス圧を上昇させたり、パルス圧を印加する間隔
を短くしてダストの払い落しをすることにより、バグ差
圧の上昇を防いでいるが、バグ差圧を低減することは、
反応層による圧損を小することを意味している。すなわ
ち、酸性ガスと濾布との反応効率が減少することにな
り、アルカリ剤の消費量を増やさねばならない問題点が
あった。
【0010】更に、従来のバグフィルターでは、一次層
の成長を阻止する処理をバグフィルター立ち上げ時から
継続的に行わないために、濾布に固着した一次層を払い
落とそうとする際に、パルス圧を大きくし、一次層が長
い時間をかけて形成されているために、強固に固着して
おり、払い落とせない場合が多かった。また、従来のバ
グフィルターでは、一次層の成長をくい止めることをバ
グフィルター立ち上げ時から継続的に行われていないが
ために、一次層が成長しつつある間の酸性ガス除去能の
低下を防ぐことが不可能であった。
【0011】また、図8は特開平4−126509号に
開示された払い落とし方法であり、この方法では、通常
のパルスジェット供給装置以外に別途、濾布10の側面
に高圧空気を吹き付けるエアーブロー(圧縮空気噴射ノ
ズル12)を用いて除去する装置が必要であり、設備費
が高価なものとなる問題があった。
【0012】本発明は、上述のような問題点に鑑みなさ
れたものであり、パルスジェット式バグフィルターの圧
力損失の増加を防ぐことができるパルスジェット式バグ
フィルターの運転方法を提供することを目的とする。ま
た、本発明は、パルスジェット式バグフィルターの濾布
に付着する一次層を常時除去して、HCl等の酸性ガス
除去率を向上し得るパルスジェット式バグフィルターの
運転方法を提供することを目的とするものである。
【0013】
【0014】
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するためになされたものであり、請求項の発明は、
ごみ焼却炉から排出される酸性ガスを含む排ガスの除塵
及び酸性ガス除去をパルスジェット式バグフィルター
用いて連続的に行うとともに、前記バグフィルター本体
内の濾布群を任意に区画し、低圧のパルスジェットによ
塵の払い落とし操作を各区画毎に順次行い、かつ、一
部の前記区画については前記低圧のパルスジェットより
も1kg/cm 2 G以上高圧のパルスジェットによる塵
の払い落とし操作を間欠的に行うことを特徴とするパル
スジェット式バグフィルターの運転方法であり、低圧の
パルス圧で通常運転することによって、塵を払い落とし
すぎることがなく、バグフィルター濾布による十分な厚
みの反応層を確保することができるから、酸性ガス反応
効率が向上する。
【0016】また、請求項の発明は、低圧のパルスジ
ェットが、0.5〜2.0kg/cm 2 Gの空気圧によ
るパルスジェットであり、前記低圧のパルスジェットよ
りも1kg/cm 2 G以上高圧のパルスジェットが、5
〜10kg/cm 2 Gの空気圧によるパルスジェットで
ることを特徴とするパルスジェット式バグフィルター
の運転方法であり、低圧のパルス圧で通常運転すること
によって、ダストを払い落としすぎることがなく、バグ
フィルター濾布で十分な厚みの反応層を確保することが
できるから、酸性ガス反応効率が向上する。低パルス圧
運転時のパルス圧が、0.5kg/cm2G以下である
とダスト払い落としに効果がなく、バグ差圧が大きく上
昇してしまい、2.0kg/cm2G以上であると、バ
グフィルター濾布での反応層がほとんど払い落とされて
しまい、酸性ガス除去性能が低下してしまい0.5〜
2.0kg/cm2Gの範囲が好ましい。
【0017】また、請求項の発明は低圧のパルスジェ
ットよりも1kg/cm 2 G以上高圧のパルスジェット
による塵の払い落とし操作が、一区画当たり1〜5回パ
ルスジェットを吐出する操作であることを特徴とするパ
ルスジェット式バグフィルターの運転方法であり、高圧
パルスジェット吹込回数は、1kg/cm 2 G以上高圧
のパルスジェット空気圧のときには1回でよいが、低い
ときには数回必要である。6回以上とすると、エアー消
費量が増大することと、濾布がエアーによって過度に冷
やされると中和反応が減速されることから好ましくな
く、一区画当たりのパルスジェット吐出は1〜5回が望
ましい。
【0018】
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に実施の形態につい
て図を参照して説明する。図1は、本発明に係るパルス
ジェット式バグフィルターの一実施形態を示す概略図で
ある。同図において、1は含じん排ガスの供給口1aと
清浄ガス排出口1bと塵(ダスト)の排出口1cとを備
えるバグフィルター本体、2はバグフィルター本体1内
に設けられた濾布、3はパルス圧調整弁、4はパルスジ
ェット吐出口4aが複数設けられたパルスジェットノズ
ル、5はエアーコンプッレッサによって圧搾空気が蓄え
られるエアータンク、6は排ガスにアルカリ剤を噴霧し
て混合するアルカリ剤供給装置、7は清浄ガスを排気す
るための誘引送風機、8はパルス圧調整弁3等を制御す
る制御装置である。この実施形態は、既存のパルスジェ
ット式バグフィルターを殆ど改良することなく、既設の
バグフィルターに加えられる圧力を自動調整できるパル
ス圧調整弁3をエアータンク5の後段に設置することで
形成できる。
【0020】次に、パルスジェットノズル4の配置につ
いて図2及び図3を参照して説明する。図2は、濾布2
を上方から見た一実施形態を示す図であり、パルスジェ
ットノズル41 〜48 の配管系統の一例が示されてい
る。図2に示すように、濾布2は任意に区画され、それ
ぞれの区画2a〜2hに対応してパルスジェットノズル
1 〜48 が配置されている。パルスジェットノズル4
1 〜48 は、それぞれパルス圧調整弁31 〜38 を介し
てエアータンク5に接続されている。パルス圧調整弁3
1 〜38 は制御装置8の制御信号によって制御されてい
る。
【0021】また、図3は、濾布2を上方から見た他の
実施形態を示す図である。パルスジェットノズル41
4 8 は、エアータンク5の後段に設置したパルス圧調整
弁3と遮断弁71 〜78 を介してそれぞれ接続されてい
る。図2と同様にパルスジェットノズル41 〜4 8 は濾
布2を任意に区分けした区画2a〜2hに対応した位置
に配置され、エアータンク5の後段にパルス圧調整弁3
が接続され、更に遮断弁71 〜78 を介してパルスジェ
ットノズル41 〜4 8 に接続されている。パルス圧調整
弁3及び遮断弁71 〜78 は制御装置8からの制御信号
によって制御されている。なお、図2及び図3では、濾
布2が7つの区画が設けられているが、この実施形態に
限定することなく、任意に数の区画に区分けしてもよ
く、パルスジェットノズルはその区画に対応して配置す
ればよい。
【0022】制御装置8は、パルス圧調整弁3、アルカ
リ剤供給装置6、誘引送風機7、パルス圧調整弁3,
(31 〜38 )、及び図3に示した遮断弁71 〜78
を制御して、灰塵(ダスト)の除去及び有害酸性ガスの
除去率を制御している。制御装置8は、主にパルス圧調
整弁3,(31 〜38 )及び図3に示した遮断弁71
8 を切替え制御してパルスジェット式バグフィルター
の有害酸性ガス除去率が最良の状態になるように制御し
ている。制御装置8は、タイマーを含むシーケンス制御
或いはCPU(中央制御装置)によって構成されてい
る。
【0023】次に、この制御装置8によるパルスジェッ
ト式バグフィルターの運転方法について詳細に説明す
る。図1と図2の実施形態に於けるパルスジェット式バ
グフィルターでは、例えばパルスジェットノズル4のパ
ルスジェット吐出口4aから低圧によるパルスジェット
空気圧(以下、低パルス圧)を任意の区画に区分けした
濾布2に吹き付けてダストの払い落としを行う。その払
い落とし間隔は所定周期のパルスを制御装置8のタイマ
ーで計測して所定の計数値に達した時点でパルス圧調整
弁31 〜38の切り換えを順番に行う。ダストの払い落
としの切り換え間隔は特に限定するものではないが、望
ましくは一区画から他の区画への切り換え間隔は数十秒
から数分程度に設定し、切り換え操作が全区画を一巡す
るまでの時間を数十分から数時間程度に設定する。この
払い落とし間隔は、タイマー或いはCPUを用いて設定
してパルス圧調整弁31 〜38 を切り換え制御してもよ
い。
【0024】続いて、高圧のパルスジェット空気圧(以
下、高パルス圧)による払い落としについて説明する。
濾布2を任意に区分けした区画に順番にパルスジェット
ノズル4から低パルス圧を加えてダストの払い落としを
行い全区画の払い落としが一巡すると再び最初の区画の
戻り、低パルス圧によるダストの払い落としを行い、こ
のような低パルス圧によるダストの払い落としの間に、
高圧のパルスジェット空気圧(以下、高パルス圧)を間
欠的に濾布2に加えてダストの払い落としを行う。
【0025】高パルス圧で払い落としをするタイミング
は、例えば区画数が20の場合には、1番から20番ま
での区画の内の2区画づつに高パルス圧を印加して濾布
2に付着するダストの払い落としをする。従って、1回
目の払い落としを1番区画と2番区画を高圧にし、次は
2回目の払い落としを3番区画と4番区画を高圧にして
払い落としを行う。制御装置8のタイマーとを連動させ
てパルス圧調整弁3を制御する。このように順次濾布に
高パルス圧を印加して全ての区画の払い落としが完了す
る。高パルス圧によって払い落とされる一連の操作は、
一日に一度から一ヶ月に一度の間隔で行う。無論、区画
数が20の場合、高パルス圧を印加する区画を、1番と
20番、2番と19番、3番と18番…のように行って
もよいことは明らかである。
【0026】パルスジェットによる払い落とし方式で
は、任意に区画した内の数個の区画の濾布に対して同時
に低パルス圧による払い落としが行われ、これを順々に
繰り返すことで全区画の濾布の払い落としが完了する。
低パルス圧による全区画の濾布の払い落としを繰り返す
間に、高パルス圧による払い落としがなされる。高パル
ス圧による払い落としは、一区画から1/5区画以下の
区画とする。全区画または1/5以上の区画の濾布につ
いて行うと、全ての濾布または多くの濾布の反応層を含
めた一次層が同時に払い落とされと、濾布の圧力損失が
急減して、濾布2の酸性ガス除去能が一時的に急減し、
排ガス量の処理等に影響を及ぼし、運転上好ましくな
い。従って、1/5以下の区画の濾布が高パルス圧によ
って払い落としされる仕組みとし、部分的に高パルス圧
による払い落としがなされことのによって、全体の中で
は払い落としによる影響は無視でき、安定した運転が可
能である。
【0027】また、低パルス圧による払い落としの圧力
設定は、0.5〜2.0kg/cm2Gの範囲で行い、集塵す
る排ガス中の飛灰の性状や、吹込アルカリ剤の種類や量
によって、バグ差圧が経時的に増大しない範囲で適宜設
定するものとする。望ましくは、誘引送風機7の能力が
許す範囲でバグフィルター差圧(以下、バグ差圧)が1
00mmAq以上となるようにし、パルス圧を低めに設
定する方が、濾布2による反応層の厚みが大きくなり、
酸性ガス除去効率を向上させることができる。低パルス
圧運転時のパルス圧が、0.5kg/cm2G以下であると、
ダストの払い落としに効果がなく、バグ差圧が大きく上
昇してしまい、2.0kg/cm2G以上であると、バグフィ
ルター濾布の反応層が殆ど払い落とされてしまい、酸性
ガス除去性能が低下して好ましくない。そこで、低パル
ス圧による払い落としの圧力は、0.5〜2.0kg/cm2
Gの範囲に設定する。
【0028】高パルス圧で運転するときも、同じよう
に、ダストの性状等によって濾布2に付着する一次層の
払い落としへの影響が異なるが、パルス圧は、5〜10
kg/cm2Gの範囲に設定する。すなわち、5kg/cm2G以下
であると固着しつつある一次層を払い落とすことができ
ず、パルス圧が10kg/cm2G以上であると、バグフィル
ター濾布2を破損するおそれがある。望ましくは、バグ
フィルター濾布2が許容される強度範囲で高めに設定す
ることが濾布2に付着する一次層の払い落としに効果的
であるが、同時にエアータンク5に圧搾空気を送るエア
ーコンプレッサーの能力を高める必要があり好ましくな
い。
【0029】一方、高パルス圧による濾布に付着するダ
ストの払い落とし操作は、一日から一ヶ月に一度の範囲
で行うことが望ましいが、濾布そのものが目詰まりを起
こすような耐久限度に至った場合には、濾布の物理強度
が十分である場合、一日に数度行うか、パルス圧を上昇
させて、一回の吐出回数を増やすなどしてもよいことは
明らかである。例えば、高圧パルスジェット吹込回数
は、5〜10kg/cm2Gのパルス圧の範囲で、パルス圧が
高いときには1回でよいが、低いときには数回必要であ
る。6回以上とすると、エアー消費量が増大すること
と、濾布がエアーによって過度に冷やされることから好
ましくない。従って、高圧パルスジェット吹込回数は、
5〜10kg/cm2Gのパルス圧の範囲で、1回から5回の
範囲を限度とする。
【0030】また、高パルス圧運転間隔は極端に短くし
たり、常時、高パルス圧運転にすると、エアーの消費量
が増えることと、バグフィルター濾布の酸性ガス除去に
関与する反応層の厚みを激減させてしまうから好ましく
ない。しかし、間隔を一ヶ月以上とすると、一次層の固
着が十分進行し、高圧のパルスジェットでも払い落とせ
なくなるから好ましくない。従って、高パルス圧運転
は、一日から一ケ月に一度、間欠的に行うようにする。
このような運転は、濾布2の一次層の固着が進行する以
前のバグフィルターの立ち上げ時から行うのがよい。こ
のように低パルス圧運転時に対し、一日から一ケ月に一
度、間欠的に高パルス圧によるダストの払い落としを行
うように制御する。このように、通常の運転時に濾布に
付着する一次層の固着を防ぎ、一次層の剥離が困難にな
らないよう運転されている。なお、高パルス圧による払
い落としは、バグ差圧を監視して手動によって行っても
よい。
【0031】次に、図4を参照して、本実施形態と従来
のパルスジェット式バグフィルターの実施状況を圧力損
失に着目して比較説明する。同図(a)は本発明に係る
実施形態の圧力損失を示し、同図(b)は比較例の圧力
損失を示している。濾布表面の付着するダストを一次層
と反応層とに区別して、濾布自体と一次層と反応層とに
よる圧力損失を示している。一次層は高パルス圧運転時
に濾布に残存するダスト層であり、反応層は酸性ガス除
去率に影響を与えるダスト層である。
【0032】本実施形態(a)では、濾布に付着するダ
ストの払い落とし条件が、低パルス圧運転時のパルス圧
を1.0kg/cm2Gとし、高パルス圧運転時のパルス圧を
7kg/cm2Gとする。高パルス圧運転の間隔は一週間で行
うものとし、半年間継続して運転を行った。一方、比較
例(b)の場合はパルス圧を2.0kg/cm2Gのまま一定
とし、同様に半年間継続して運転を行った。これら何れ
の場合も、バグフィルター内の温度(反応温度)は18
0℃に設定し、濾過速度は1.0m/min とした。アルカ
リ剤としては消石灰を用い、消石灰を排ガス中に噴霧
し、当量比は2で行った。
【0033】この運転条件では、図4から明らかなよう
に、酸性ガス除去率に関わる反応層の厚み(または圧
損)は、本実施形態(a)の方が比較例(b)の厚みよ
り3倍程度大きくなり、逆に濾布に固着している一次層
は半分程度になったことを示している。すなわち、本実
施形態の方が酸性ガス除去率が良好であり、濾布の詰ま
りを解消できることを示している。
【0034】図5は、比較例〔図4(b)〕の条件で、
運転を行った場合の一次層の上昇を表した図である。図
5の横軸が運転日数を示し、縦軸が一次層の圧力損失を
示している。同図から明らかなように、運転日数ととも
に、固着に関与する一次層の付着量が増加し、その圧損
が増加することを示している。運転開始時から30日ま
での間が一次層の顕著な増加傾向がみられる。
【0035】図6は、本実施形態〔図4(a)〕の反応
層による圧力損失とHCl除去率との関係を示してい
る。本実施形態では高パルス圧を変えたり、高パルス圧
を加える間隔を変えたりして、反応層の圧力損失を変化
させて、反応層の圧力損失とHCl除去率との関係を表
したものである。図6から明らかなように、HCl(酸
性ガス)除去率は、反応層が厚い方が高くなることを示
しており、すなわち、反応層の圧力損失が増大するにつ
れて酸性ガス除去率が向上し、殊に、反応層による圧力
損失が50mmAqまでは、影響が大きいことを示して
いる。
【0036】一方、酸性ガス除去率は、中和剤であるア
ルカリ剤に当量比にも依存すると思われる。図7を参照
して説明すると、図7は、図4と同じ条件で本実施形態
と比較例とをHCl除去率で比較したものである。図7
から明らかなように、本実施形態(a)の方がアルカリ
剤の添加当量比に極端な依存傾向を示すことなく、HC
l除去率が高いこと示しており、比較例(b)と比較す
ると当量比が低いほどその差が顕著である。本実施形態
(a)の低パルス圧と高パルス圧によるダストの払い落
とし方法が極めて効果的であることを示している。すな
わち、本実施形態(a)によれば、酸性ガス中和のため
のアルカリ剤の消費量を低減できることを示している。
【0037】
【発明の効果】上記のように、本発明によれば、通常の
低パルス圧運転に加えて、間欠的に高パルス圧を加えて
濾布に付着する塵を払い落とすことによって、濾布表面
での一次層におけるダストの固着の進行を未然に防ぐこ
とができるので、圧力損失(バグ差圧)の増加を防ぐこ
とが可能であり、バグフィルター自体の灰塵の除去率を
低下させることがない利点がある。
【0038】更に、酸性ガス除去効率に関与する濾布表
面の反応層を大きくすることが同時に達せられるから、
HCl等の有害酸性ガス除去率が大幅に向上する効果を
有する。また、バグフィルターにおける酸性ガスに対す
る反応効率が向上することから有害酸性ガス除去率がア
ルカリ剤の当量比に極端な依存傾向を示さず、アルカリ
剤の供給量を節減することができることから、有害酸性
ガス除去に要する処理費が削減できるので経済性に優れ
ている。
【0039】また、本発明によれば、既設のバグフィル
ター装置に、自動パルス圧調整弁を設けるだけで上記効
果を得ることができるので、設備費が低廉であり、その
運転方法が容易である利点がある。
【0040】また、本発明によれば、低パルス圧運転
と、一日から一ヶ月に一度の間欠的な高パルス圧運転に
よってダストを払い落とすことによって、通常の運転時
に固着が進行を防ぎ、高パルス圧運転時のパルス圧が、
5〜10kg/cm2Gとすることで、バグフィルター濾布を
破壊する恐れがなく、エアーコンプレッサーの容量を大
きくする必要がない利点がある。
【0041】また、高パルス圧運転間隔を一日から一ヶ
月に一度の間隔とすることにより、圧搾空気の消費量を
増やすことなく、しかもバグフィルター濾布の酸性ガス
除去に関与する反応層の厚みを激減させることがなく、
一次層の固着の進行を防ぐことができる。
【0042】また、高パルス圧運転を一区画または1/
5以下とすることで、濾布の圧力損失が急減することが
ないので、酸性ガス除去能が一時的に急減することがな
く、安定した運転が可能である。また、高圧パルスジェ
ット吹込回数は、5〜10kg/cm2Gのパルス圧の範囲
で、1〜5回とすることで、エアー消費量を抑えるとと
に、濾布がエアーによって過度に冷やされることがな
く、中和反応の悪影響を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパルスジェット式バグフィルター
の一実施形態を示す概略図である。
【図2】パルスジェットノズルの一実施形態を示す概略
図である。
【図3】パルスジェットノズルの他の実施形態を示す概
略図である。
【図4】本実施形態と比較例とを濾布表面における圧力
損失に着目して示した比較図である。
【図5】比較例における運転日数と一次層の圧力損失と
の関係を示した図である。
【図6】本実施形態の反応層の圧力損失とHCl除去率
の関係を示した図である。
【図7】本実施形態と比較例における当量比とHCl除
去率との関係を比較して示した図である。
【図8】従来のバグフィルターの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 バグフィルター本体 1a 含じん排ガスの供給口 1b 清浄ガス排出口 1c 塵の排出口 2 濾布 3 パルス圧調整弁 4 パルスジェットノズル 4a パルスジェット吐出口 5 エアータンク 6 アルカリ剤供給装置 7 誘引送風機 8 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−158833(JP,A) 特開 平6−205918(JP,A) 特開 平6−319926(JP,A) 特開 平7−213839(JP,A) 特開 平3−229607(JP,A) 特開 平4−90822(JP,A) 特開 平6−154534(JP,A) 特開 平6−190229(JP,A) 特開 昭57−45319(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 46/04 B01D 53/34 B01D 53/40

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ごみ焼却炉から排出される酸性ガスを含
    む排ガスの除塵及び酸性ガス除去をパルスジェット式バ
    グフィルターを用いて連続的に行うとともに、前記バグ
    フィルター本体内の濾布群を任意に区画し、低圧のパル
    スジェットによる塵の払い落とし操作を各区画毎に順次
    行い、かつ、一部の前記区画については前記低圧のパル
    スジェットよりも1kg/cm 2 G以上高圧のパルスジ
    ェットによる塵の払い落とし操作を間欠的に行うことを
    特徴とするパルスジェット式バグフィルターの運転方
    法。
  2. 【請求項2】 低圧のパルスジェットが、0.5〜2.
    0kg/cm 2 Gの空気によるパルスジェットであり、
    前記低圧のパルスジェットよりも1kg/cm 2 G以上
    高圧のパルスジェットが、5〜10kg/cm 2 Gの空
    気圧によるパルスジェットであることを特徴とする請求
    項1に記載のパルスジェット式バグフィルターの運転方
    法。
  3. 【請求項3】 前記低圧のパルスジェットよりも1kg
    /cm 2 G以上高圧のパルスジェットによる塵の払い落
    とし操作が、一区画当たり1〜5回パルスジェットを吐
    出する操作であることを特徴とする請求項1または2に
    記載のパルスジェット式バグフィルターの運転方法。
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