JP3433562B2 - 高強力複合糸およびその製造方法 - Google Patents

高強力複合糸およびその製造方法

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JP3433562B2 JP10412995A JP10412995A JP3433562B2 JP 3433562 B2 JP3433562 B2 JP 3433562B2 JP 10412995 A JP10412995 A JP 10412995A JP 10412995 A JP10412995 A JP 10412995A JP 3433562 B2 JP3433562 B2 JP 3433562B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高強力複合糸に関する。
さらに詳しくは破断強度が高く、かつ被覆性に優れたス
パン調の風合いを有する芳香族系ポリアミドフィラメン
トを用いた高強力複合糸とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエステル系繊維などの合成繊
維は耐久性、染色性に優れているので衣料用や資材用あ
るいはスポーツ用などに用いられてきたが、強い摩擦に
よる溶融性や切創性には致命的な問題があり、その対策
として木綿やウールなどと混繊したり交織、交編などに
より改善されてきた。そして、従来のポリエステル系繊
維の溶融性や切創性をはるかに越えた芳香族ポリアミド
繊維が登場以来、ハードな動きや厳しい環境条件が要求
されるような、例えば、登山用ウエアー、ベースボール
スライディングパンツ、工業用手袋、武道具、防衛用具
あるいは消防ホースなど特殊な用途に用いられてきた。
【0003】一方、衣料用素材に用いられる芳香族ポリ
アミド繊維は、特開昭60−34633号公報に「糸条
の製造方法」として芳香族ポリアミド繊維を延伸、牽切
しドラフトしたのち空気旋回ノズルで抱合処理する方法
が、また特開昭63−92740号公報に「芳香族ポリ
アミド繊維の紡績糸とその製造方法」として芳香族ポリ
アミド繊維のステープルファイバーを紡績し、その単糸
を複数本撚って製造した芳香族ポリアミド繊維の紡績糸
とその製造方法などが提案されている。
【0004】しかし、いずれも長繊維を短繊維化させて
用いているので糸強度の大幅な向上は望めない問題があ
る。特開平1−118637号公報では「嵩高加工糸」
として“タスラン”ノズルを用いて空気交絡させた嵩高
加工糸が提案されているが、嵩高形成するための弛緩処
理により糸強度が低下する問題がある。
【0005】通常、高強度の被覆糸を製造するにはカバ
ーリング方法や撚り合わせ方法あるいは撚り合わせ後、
樹脂などでコーテイングする方法が採用されているが、
いずれも得られた被覆糸は嵩高性をまったく有すること
が無く、剛直性のため衣料用には適さないのである。ま
た、特開平3−830号公報に提案されている芯成分の
主体が芳香族ポリアミド繊維の短繊維と鞘成分の主体が
ポリエステル系繊維の短繊維あるいは長繊維から構成さ
れた芯鞘型複合糸では、被覆性が不十分なため日光など
紫外線を吸収して脆化がおこりやすい糸構造のため、糸
強度や染色堅牢性の低下につながる問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、強い
摩擦に対する耐久性を有し、日光などの紫外線による糸
強度や染色堅牢性の低下を改善し、さらに優れたスパン
ライクな風合いを有する高強力複合糸およびその合理的
な製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の高強力複合糸
は、前記課題を解決するため以下の構成を有する。
【0008】すなわち、芯鞘型複合糸において、芯成分
は芳香族系ポリアミドフィラメント、鞘成分は芳香族系
ポリアミド以外の合成繊維フィラメントの捲縮糸から成
り、該鞘成分と芯成分とは流体交絡処理により集束部と
開繊部とを有し、該開繊部において開繊された鞘成分の
中に芯成分が筒状に包み込まれた状態で絡まって被覆さ
れているとともに、被覆度が80%以上であることを特
徴とする高強力複合糸である。
【0009】また、本発明の高強力複合糸の製造方法は
以下の構成を有する。
【0010】すなわち、加ねん−熱固定−解ねんの仮よ
り加工を施した合成繊維フィラメントの捲縮糸と、芳香
族系ポリアミドフィラメントとを供給糸に用い、前記合
成繊維フィラメントの捲縮糸を前記芳香族ポリアミド
フィラメントよりも2〜15%高いオーバフィード率に
て供給しつつ、流体交絡処理することを特徴とする高強
力複合糸の製造方法である。
【0011】
【作用】以下、本発明の高強力複合糸とその製造方法に
ついて詳細に説明する。
【0012】本発明の高強力複合糸の一例構造をモデル
的に図1にて示し、図1中の(a)、(b)、(c)の
各位置における該糸の概略横断面構造をモデル的にそれ
ぞれ図2、3、4に示した。
【0013】図1においてイは芯糸である芳香族系ポリ
アミドフィラメント、ロは鞘糸である捲縮を有する合成
繊維フィラメントを表す。
【0014】本発明の高強力複合糸においてはイをロが
被覆してなるものであり、さらにスパン調の風合いを得
る観点から、集束部ハと開繊部ニから成る糸形態を有す
るのが好ましい。
【0015】さらに、図2は(a)での横断面にて芯糸
と鞘糸が引き揃え状態で絡まっている状態、図3は
(b)での横断面にて鞘糸の中に芯糸が撚り込まれた状
態で緊密に絡まっている状態、図4は(c)での横断面
にて開繊された鞘糸の中に芯糸が筒状に包み込まれた状
態で絡まっている状態をそれぞれモデル的に示した概略
図である。
【0016】(b)および(c)の位置においては芯糸
の芳香族系ポリアミドフィラメントは鞘糸の捲縮を有す
る合成繊維フィラメントによりほとんど被覆されている
が、(a)の位置においては、ほとんど被覆されてな
く、引き揃えの状態に近いものである。
【0017】本発明の高強力複合糸を構成する糸種につ
いて、芯糸は芳香族系ポリアミドフィラメントとするも
のである。この芳香族系ポリアミドフィラメントはパラ
系の芳香族系ポリアミド繊維あるいはメタ系の芳香族系
ポリアミド繊維のいずれであってもよく、生糸の長繊維
糸条などを用いることができる。
【0018】芯糸が芳香族系ポリアミドフィラメントで
ないと、高強力特性を得ることができない問題がある。
【0019】鞘糸は芳香族系ポリアミド以外の合成繊維
フィラメントの捲縮糸とするものである。鞘糸が合成繊
維フィラメントでないと、捲縮を付与せしめることがで
きず、捲縮を有しないと交絡性が極めて低く、芯糸に対
する被覆度を向上させることができない問題がある。
【0020】合成繊維フィラメントとしては、ポリエス
テルフィラメント、芳香族系ポリアミド以外のポリアミ
ドフィラメントなどを用いることができる。求める風合
いや発色性によって合成繊維フィラメントは適宜選択す
ることができる。
【0021】交絡性を向上し、芯糸に対する被覆性を向
上させる観点から、鞘成分はループ、たるみ、コイルな
どを有するのが好ましく、特に、ループを有しながら芯
成分を筒状に交絡被覆するのがより好ましい。このよう
なループ等は、またスパンライク効果をより大きくする
上で有効である。
【0022】本発明の高強力複合糸の被覆度は80%以
上とするものである。被覆度が80%以下になると芯糸
の露出度合いが多くなり過ぎて、日光に含まれる紫外線
などにより芯糸の脆化がおこり易くなり、糸強力や染色
堅牢性などが低下する問題がある。
【0023】本発明の高強力複合糸の被覆度の測定方法
は、スガ試験機株式会社製SMカラーコンピューター
(型式SM−3)を用いて、この高強力複合糸を5cm
角枠に密に平行に並べ両端を固定したシートを3枚重
ね、光源が透過しないようにサンプルをセットし明度L
値を測定することにより算出することができる。
【0024】一般に、芳香族系ポリアミド繊維はポリマ
合成の製造過程により黄色、黒色、青色などの有色繊維
となる。そこで、どの程度被覆されたのかを知るために
複合前と複合後の明度L値を測定する。複合前の芯糸の
明度L値をL1、複合後の複合糸の明度L値をL2とす
ると被覆度Co (%)は、100−[|L2−L1|/
L1]×100により算出することができる。例えば、
L1が60%の芯糸を明度95%の鞘糸が被覆した場
合、この複合糸のL2が70%になれば、被覆度Co
(%)は、100−[|70−60|/60]×100
=83.3となる。また、L1が80%の芯糸を明度5
0%の鞘糸が被覆した場合、この複合糸のL2が60%
になれば、被覆度Co (%)は、100−[|60−8
0|/80]×100=75.0となる。
【0025】なお、明度100%とはセラミック板に酸
化チタンを焼付けた白板の明度を基準とし、明度0%と
は測定機を暗幕で覆い、測定部を光が透過し反射しない
条件を基準としたものである。
【0026】本発明の高強力複合糸は、芯糸が鞘糸によ
りほとんど覆われるので日光などに含まれる紫外線によ
る影響を受けにくくなるため脆化による糸強度の低下は
阻止され強度維持率は高くすることができる。また、被
覆成分が、日光堅牢性、耐磨耗性、染色性、編織物での
易接着性、工程通過性などの効果をもたらす。
【0027】従って、この高強力複合糸の破断強度は芯
糸が保持するレベルを損なわず、8〜30g/dと高
く、破断伸度は5%以下の高強力特性を維持することが
できる。
【0028】さらに芯糸の芳香族系ポリアミドマルチフ
ィラメント糸の強伸度特性は交絡処理によっては、ほと
んど低下しないので、高強力複合糸の破断強度、破断伸
度は芯糸によってほぼ決まるといえる。
【0029】本発明の高強力複合糸においては、被覆度
の増加、強度の向上、糸筋乱れの防止の観点から、単位
長さにおいて鞘糸の糸長は芯糸より2〜15%長いこと
が好ましく、2〜10%長いことはより好ましい。
【0030】次に本発明の高強力複合糸の製造方法につ
いて説明する。
【0031】鞘糸として用いる捲縮糸は、芳香族系ポリ
アミド以外の合成繊維フィラメントを仮より機にて、加
ねん−熱固定−解ねんの仮より加工を行うことにより得
ることができる。
【0032】一方、芯糸として用いる芳香族系ポリアミ
ドフィラメントの生糸等をボビンから引き出し、前記の
鞘糸である合成繊維フィラメントの捲縮糸とを供給糸に
用い、前記合成繊維フィラメント糸の捲縮糸を前記芳香
族型ポリアミドフィラメントよりも高いオーバフィード
率にて供給しつつ流体交絡処理を施しチーズに巻き上げ
ることにより本発明の高強力複合糸が製造できる。
【0033】本発明の高強力複合糸の製造方法において
は、流体交絡処理を用いるものである。
【0034】流体交絡処理以外の方法を用いると風合い
や糸の特性に悪影響を与える問題がある。
【0035】図5を用いて本発明の高強力複合糸の製造
工程の一例をさらに詳細に説明する。
【0036】芯糸となる芳香族系ポリアミドフィラメン
ト1および鞘糸となる合成繊維フィラメント2をそれぞ
れボビンから解舒する。合成繊維フィラメント2をフィ
ードローラ3から仮より加工機に供給し、ツイスター6
により加ねんを施し、ヒータ5で熱セットして解ねんし
た後、デリベリローラ7から引き出し、鞘糸である捲縮
糸を得ることができる。
【0037】一方、フィードローラ4から仮より加工機
に供給した芳香族系ポリアミドフィラメント1と交絡処
理ローラ8からこの捲縮糸とを引き揃え、該捲縮糸を芳
香族型ポリアミドフィラメント1よりも高いフィード条
件下で流体交絡処理ノズル9へ供給し、リラックスロー
ラ10との間で両糸条に交絡処理を施す。交絡処理され
た複合糸は巻取ローラ11によりチーズに巻き上げるこ
とにより、高強力複合糸を得ることができる。
【0038】この製造方法は仮より加工機上で鞘糸とな
る捲縮糸を製造し、さらに、この捲縮糸と芯糸である芳
香族系ポリアミドフィラメントとを交絡処理する合理的
な一例であるが、仮より加工と交絡処理を別々の工程で
実施することもできる。
【0039】交絡処理において芯糸となる芳香族系ポリ
アミドフィラメントと鞘糸となる合成繊維の捲縮糸を引
き揃える際のオーバフィード率は、破断強度および破断
伸度の低下を防止する観点から、芯糸で0〜5%とする
のが好ましい。
【0040】鞘糸である捲縮糸のオーバフィード率は芯
糸である芳香族系ポリアミドフィラメントのオーバフィ
ード率より2〜15%(フィード率値の差)多く供給す
るものである。
【0041】鞘糸である捲縮糸のオーバフィード率値と
芯糸である芳香族系ポリアミドフィラメントのオーバフ
ィード率値との差が2%に満たないと、被覆度の低下の
問題がある。
【0042】また、鞘糸である捲縮糸のオーバフィード
率値と芯糸である芳香族系ポリアミドフィラメントのオ
ーバフィード率値の差が15%を越えると、糸筋乱れな
どの問題がある。
【0043】芯糸である芳香族系ポリアミドフィラメン
トはフィラメントを構成する単繊維本数が多く、かつ単
繊維の繊度が小さいマルチフィラメントが、交絡し易さ
の観点から好ましく、単繊維本数も10本以上が好まし
い。芳香族系ポリアミドフィラメントのトータル繊度は
5デニールの細いものから3000デニールの太いもの
まで特に制限はない。
【0044】また、鞘糸である合成繊維フィラメント
は、交絡し易さの観点から、単繊維本数が多く、単繊維
の繊度が小さいものが好ましく、単繊維本数は10本以
上が好ましい、合成繊維フィラメントのトータル繊度の
範囲も特に制限はない。
【0045】さらに、酸化チタンや酸化マグネシウムの
微粒子を含有した光沢の低いタイプの合成繊維フィラメ
ントを用いることにより、日光などに含まれる紫外線を
反射させることができ、芯糸の芳香族系ポリアミドフィ
ラメントの脆化をよりいっそう防止することができるの
で、高強力複合糸の強度維持につながるのである。
【0046】このような微粒子の含有のほか、鞘糸の合
成繊維フィラメントがY型、8角形、星型、シースコア
ー型、薄皮型などの異形断面、複合断面をとると、日光
などに含まれる紫外線を反射させたり、交絡性能の向上
効果があるのでさらに好ましい。
【0047】芯糸と鞘糸の複合度合いは単位長さ当たり
重量比で芯糸が1に対して鞘糸が1以上になるのが風合
いなどの観点から好ましい。
【0048】
【実施例】以下、本発明の高強力複合糸を実施例および
比較例によって詳細に説明する。本発明の高強力複合糸
の評価方法について以下に説明する。
【0049】[オーバフィード率]図5におけるフィー
ドローラ4の周速V1 (m/s)、交絡処理ローラ8の
周速V2 (m/s)、リラックスローラ10の周速V0
(m/s)を測定し、芯糸のオーバフィード率、鞘糸の
オーバフィード率をそれぞれ以下に示す式を用いて算出
した。
【0050】芯糸のオーバフィード率(%)=[(V1
−V0 )/V0 ]×100 鞘糸のオーバフィード率(%)=[(V2 −V0 )/V
0 ]×100 [破断強度、破断伸度]定伸長型引張試験機 INST
RON MODEL 1122(インストロン社製)を
用い、サンプル長20cm、引張り速度10cm/分で
測定した。n数は10とした。
【0051】[糸長差]試長として複合糸長さ20cm
を採取し、この複合糸から芯糸と鞘糸を分離し、それぞ
れの糸につき0.1g/dの荷重下で芯糸の長さl1
鞘糸の長さl2を測定し、下式により糸長差を算出し
た。nは5とした。
【0052】 糸長差(%)=[(l2 −l1 )/l1 ]×100 [被覆度]スガ試験機株式会社製SMカラーコンピュー
ター(型式SM−3)を用いて、この高強力複合糸を5
cm角枠に密に平行に並べ両端を固定したシートを3枚
重ね、光源が透過しないようにサンプルをセットし、複
合前と複合後の明度L値を測定した。複合前の芯糸の明
度L値をL1、複合後の複合糸の明度L値をL2とする
と被覆度Co (%)は、100−[|L2−L1|/L
1]×100により算出した。nは4とした。
【0053】[強度保持率]スガ試験機株式会社製サン
シャインスーパーロングライフウエザーメータ型式WE
L−SUN−HMO型を用いて500時間のカーボン燃
焼光源照射テストを行い、照射前の強度に対する照射後
の強度の比率により算出した。nは10とした。
【0054】[糸筋]セリプレン法に準じて、糸の断面
方向から糸長方向に目を向け糸筋の均整度合を肉眼判定
し、基準として製織可能なレベルを○、製織困難なレベ
ルを△、製織不可レベルを×とした。nは1とした。
【0055】[風合い]わく周1mのカセくり機に10
0回巻きの糸束を作り手触りの官能テストを行なった。
スパンライク風合いが感じられるレベルを○、生糸に近
いレベルを△、ほとんどスパン糸並を◎とした。nは1
とした。
【0056】[実施例1]鞘糸に用いる合成繊維として
ポリエステルフィラメント(300デニール、144フ
ィラメント)をフィードローラから仮より機にオーバフ
ィード率+2%で供給しツイスターにより仮よりを施し
(仮より数1850T/m)、ヒータで225℃の熱セ
ットを施し解ねんした後、デリベリローラから引き出
し、仮より捲縮糸を製造した。
【0057】一方、フィードローラから供給した黄色原
着の強度25g/dを有する芳香族系ポリアミドフィラ
メント(200デニール、134フィラメント)と白色
の強度3.7g/dを有する前述の仮より捲縮糸を引き
揃え流体交絡処理ノズルへ供給しリラックスローラとの
間で4kg/cm2 の交絡処理を施し、チーズに巻き上
げ高強力複合糸を製造した。
【0058】流体交絡処理条件は、芳香族系ポリアミド
フィラメントのオーバフィード率を+2%、この仮より
捲縮糸のオーバフィード率を+10%とした(オーバフ
ィード率の差8%)。
【0059】破断強度が高く、スパンライクな風合を有
する高強力複合糸が得られた。得られた複合糸の特性を
表1に示す。
【0060】
【表1】 [実施例2]実施例1と同じ糸種を用いて同じ装置を用
い、芳香族系ポリアミドフィラメントのオーバフィード
率を+2%、この仮より糸のオーバフィード率を+8%
として高強力複合糸を製造した(オーバフィード率の差
6%)。
【0061】得られた複合糸の特性を併せて表1に示
す。
【0062】[実施例3]実施例1と同じ糸種を用いて
同じ装置を用い、芳香族系ポリアミドフィラメントのオ
ーバフィード率を+2%、この仮より糸のオーバフィー
ド率を+13%として高強力複合糸を製造した(オーバ
フィード率の差11%)。
【0063】得られた複合糸の特性を併せて表1に示
す。
【0064】[実施例4]ポリエステルフィラメント
(150デニール、72フィラメント)をフィードロー
ラから仮より機にオーバフィード率+2%で供給しツイ
スターにより仮より(仮より数2630T/m)を施
し、ヒータで225℃の熱セットを施し解ねんした後、
デリベリローラから引き出し、仮より捲縮糸を製造し
た。フィードローラから供給した芳香族系ポリアミドフ
ィラメント(100デニール、75フィラメント)をオ
ーバフィード率+2%で、前述の仮より捲縮糸をオーバ
フィード率+10%で引き揃え流体交絡処理装置へ供給
しリラックスローラとの間で4kg/cm2 の交絡処理
を施し、チーズに巻き上げることにより、高強力複合糸
を製造した。
【0065】得られた複合糸の特性を併せて表1に示
す。
【0066】[実施例5]実施例1と同じ糸種を用いて
同じ方法によって、芳香族系ポリアミドフィラメントの
オーバフィード率+1%、仮より捲縮糸のオーバフィー
ド率+4%として高強力複合糸を製造した。
【0067】得られた複合糸の特性を併せて表1に示
す。
【0068】[実施例6]実施例1と同じ糸種を用いて
同じ方法によって、芳香族系ポリアミドフィラメントの
オーバフィード率+2%、仮より捲縮糸のオーバフィー
ド率+10%として高強力複合糸を製造した。
【0069】得られた複合糸の特性を併せて表1に示
す。
【0070】[実施例7]実施例1と同じ糸種を用いて
同じ方法によって、芳香族系ポリアミドフィラメントの
オーバフィード率+5%、仮より捲縮糸のオーバフィー
ド率+15%として高強力複合糸を製造した。
【0071】得られた複合糸の特性を併せて表1に示
す。
【0072】[実施例8]実施例1と同じ糸種を用いて
同じ方法によって、芳香族系ポリアミドフィラメントの
オーバフィード率+5%、仮より捲縮糸のオーバフィー
ド率+20%として高強力複合糸を製造した。
【0073】得られた複合糸の特性を併せて表1に示
す。
【0074】[比較例1]流体交絡処理ノズルに代わり
流体乱流処理ノズルを用い、鞘糸となるポリエステルフ
ィラメント(100デニール、72フィラメント)の生
糸をオーバフィード率+10%で、芯糸となる芳香族系
ポリアミドフィラメント糸(100デニール、75フィ
ラメント)をオーバフィード率+7%で引き揃え、HE
MA−JET T−311(ヘバーライン社製)の流体
乱流ノズルへ供給し5kg/cm2の空気処理を施し、
300m/minでチーズに巻き取った。
【0075】流体乱流処理を用いたためフィブリル化が
発生し破断強度が低下した。
【0076】得られた複合糸の特性を併せて表1に示
す。
【0077】[比較例2]流体交絡処理に代わり最も一
般的に行なわれるカバーリングによるねん糸の例とし
て、芳香族系ポリアミドフィラメント(100デニー
ル、75フィラメント)をカバーリング機の芯糸とし
て、ポリエステルフィラメント(100デニール、72
フィラメント)をフィードローラから仮より機にオーバ
フィード率+2%で供給しツイスターにより仮より数3
200T/mを施し、ヒータで225℃で熱固定を施し
解ねんした後、デリベリローラから引き出した仮よりケ
ン縮糸を鞘糸として、S方向に1200回のシングルカ
バーリングを行いチーズに巻き上げることにより、高強
力複合糸を製造した。
【0078】カバーリングを用いたため風合いに劣った
ものであった。
【0079】得られた複合糸の特性を併せて表1に示
す。
【0080】[比較例3]鞘糸となるポリエステルフィ
ラメントとして、ポリエステル100デニール、72フ
ィラメントの生糸(非捲縮糸)をオーバフィード率+7
%で、芯糸となる芳香族系ポリアミドマルチフィラメン
ト糸100デニール、75フィラメントをオーバフィー
ド率+2%で引き揃え流体交絡処理装置へ供給しリラッ
クスローラとの間で4kg/cm2 の交絡処理を施し、
チーズに巻き上げることにより高強力複合糸を製造し
た。
【0081】得られた複合糸の特性を併せて表1に示
す。
【0082】被覆度が80%に満たないため、糸の風合
いは生糸感が強く衣料用には不向きであった。
【0083】[比較例4]実施例1と同じ糸種を用いて
同じ装置を用い、芳香族系ポリアミドフィラメントのオ
ーバフィード率を+1%、仮より糸のオーバフィード率
を+2.5%として高強力複合糸を製造した。
【0084】得られた複合糸の特性を併せて表1に示
す。
【0085】被覆度が80%に満たないため、糸の風合
いは生糸感が強く衣料用には不向きであった。
【0086】[比較例5]実施例1と同じ糸種を用いて
同じ装置を用い、芳香族系ポリアミドフィラメントのオ
ーバフィード率を+1%、仮より糸のオーバフィード率
を+3%として高強力複合糸を製造した。
【0087】得られた複合糸の特性を併せて表1に示
す。
【0088】被覆度が80%に満たないため、糸の風合
いは生糸感が強く衣料用には不向きであった。
【0089】[比較例6]前述実施例1で芯糸として用
いた芳香族系ポリアミドフィラメントのみからなる高強
力糸を製造した。この結果、鞘糸であるポリエステルフ
ィラメントがないため風合いに劣ったものしか得られな
かった。
【0090】得られた糸の特性を併せて表1に示す。
【0091】[比較例7]前述実施例1で用いた鞘糸と
して用いたポリエステルフィラメントのみからなる糸を
製造した。この結果、芯糸である芳香族系ポリアミドフ
ィラメントがないため破断強度に劣ったものしか得られ
なかった。
【0092】得られた糸の特性を併せて表1に示す。
【0093】
【発明の効果】本発明によれば、スパンライクな風合い
を有し、日光堅牢性、耐磨耗性、染色性、編織物での易
接着性および工程通過性などに優れた高強力複合糸を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高強力複合糸の一例構造をモデル的に
示した概略糸外観図である。
【図2】本発明の高強力複合糸の一部構造例をモデル的
に示した概略モデル横断面図である。
【図3】本発明の高強力複合糸の他の一部構造例をモデ
ル的に示した概略モデル横断面図である。
【図4】本発明の高強力複合糸のさらに他の一部構造例
をモデル的に示した概略モデル横断面図である。
【図5】本発明の製造方法の一例をモデル的に示した概
略図である。
【符号の説明】 1:芳香族系ポリアミドフィラメント 2:ポリエステルフィラメントパッケージ 3:フィードローラ 4:フィードローラ 5:ヒータ 6:ツイスタ 7:デリベリローラ 8:交絡処理ローラ 9:交絡処理ノズル 10:リラックスローラ 11:巻取ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 1/00 - 3/48 D02J 1/00 - 13/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯鞘型複合糸において、芯成分は芳香族系
    ポリアミドフィラメント、鞘成分は芳香族系ポリアミド
    以外の合成繊維フィラメントの捲縮糸から成り、該鞘成
    分と芯成分とは流体交絡処理により集束部と開繊部とを
    有し、該開繊部において開繊された鞘成分の中に芯成分
    が筒状に包み込まれた状態で絡まって被覆されていると
    ともに、被覆度が80%以上であることを特徴とする高
    強力複合糸。
  2. 【請求項2】鞘成分がポリエステルフィラメントの仮よ
    り捲縮糸であることを特徴とする請求項1記載の高強力
    複合糸。
  3. 【請求項3】鞘成分がループを有しながら、芯成分を筒
    状に交絡被覆してなる合成繊維フィラメントであること
    を特徴とする請求項1または2記載の高強力複合糸。
  4. 【請求項4】糸全体の破断強度が8〜30g/dである
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の高強力複
    合糸。
  5. 【請求項5】単位長さにおいて鞘糸が芯糸より2〜15
    %長いことを特徴とする請求項1、2、3または4記載
    の高強力複合糸。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の高強力複
    合糸の製造方法であって、加ねん−熱固定−解ねんの仮
    より加工を施した合成繊維フィラメントの捲縮糸と、芳
    香族系ポリアミドフィラメントとを供給糸に用い、前記
    合成繊維フィラメントの捲縮糸を前記芳香族ポリアミ
    ドフィラメントよりも2〜15%高いオーバフィード率
    にて供給しつつ、流体交絡処理することを特徴とする高
    強力複合糸の製造方法。
  7. 【請求項7】合成繊維フィラメントがポリエステルフィ
    ラメントであることを特徴とする請求項6記載の高強力
    複合糸の製造方法。
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