JP3433332B2 - 転写シート - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は転写後の被転写体に平滑
性および艶を付与するための転写シートに関するもので
ある。 【０００２】 【従来の技術】従来から、弱電製品、化粧品容器及び建
材部材等で使用されている成形製品等において、予め所
望の意匠を形成し装飾層を有する転写シートが、該製品
の表面に転写シートの装飾層を転移させて、製品表面の
意匠性を容易に向上させる手段として用いられている。
従来、上記転写シートは剥離性の支持体シート表面に剥
離層、絵柄模様等の装飾層、接着剤層等からなる転写層
を積層した構成が知られている。しかし、従来の上記転
写シートは、転写シートを製品に転写した際に、装飾層
の部分の盛り上がりが転写表面に微小な凹凸が生じさ
せ、艶を損なっていた。そこで、転写後の凹凸をなくす
ために、転写表面に透明塗料の塗布、またはプレス等を
行っていた。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
転写表面に透明塗料の塗布、またはプレス行うと、製造
工程が増えてしまう欠点があった。本発明は、上記従来
技術の欠点を解消するために成されたものであり、転写
シートを転写する工程後、艶のある転写表面を与えるこ
のできる転写シートを提供することを目的とする。 【０００４】 【課題を解決するための手段】本発明転写シートは、支
持体シート上に転写層として、剥離層、転写面平滑化用
樹脂層と隣接して積層された装飾層、接着剤層とをこの
順に有する転写シートにおいて、転写面平滑化用樹脂層
の存在位置が、下記（ａ）〜（ｃ）のいずれかであり、
且つ転写面平滑化用樹脂層のガラス転移点（以下Ｔｇと
記述する）が、剥離層、装飾層および接着剤層いずれの
Ｔｇよりも低い事を特徴とする転写シートである。 （ａ）支持体シート／剥離層／転写面平滑化用樹脂層／
装飾層／接着剤層 （ｂ）支持体シート／剥離層／装飾層／転写面平滑化用
樹脂層／接着剤層 （ｃ）支持体シート／剥離層／転写面平滑化用樹脂層／
装飾層／転写面平滑化用樹脂層／接着剤層 【０００５】 【作用】本発明によれば、転写シートの転写時に熱と圧
力を与えることによって、転写面平滑化用樹脂層のＴｇ
が装飾層のＴｇより低いため、転写面平滑化用樹脂層は
装飾層の盛り上がりを吸収する。また、転写面平滑化用
樹脂層のＴｇが接着剤層のＴｇより低いため、被転写体
表面の凹凸を吸収する。そのため、転写面平滑化用樹脂
層の表面に凹凸は現れず、平滑で艶のある転写表面を施
すことができる。 【０００６】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図１は本発明転写シートの１実施例を示すも
ので、図１に示すように本発明転写シート１は、支持体
シート２の片面に剥離層３、装飾層４、転写面平滑化用
樹脂層５、接着剤層６を順次積層してなる転写シートで
ある。図２は本発明転写シートの１実施例を示すもの
で、図２に示すように本発明転写シート１は、支持体シ
ート２の片面に剥離層３、転写面平滑化用樹脂層５、装
飾層４、転写面平滑化用樹脂層５、接着剤層６を順次積
層してなる転写シートである。 【０００７】本発明の転写シートの支持体シート２は平
滑性のあるものを選び、例えば、ポリエチレン等のポリ
オレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリ
メタアクリル酸メチル等のアクリル樹脂、セルロース樹
脂、ポリカーボネート等の樹脂フィルム又はシート等が
挙げられる。支持体シートの厚さは１２μｍ〜２００μ
ｍであり、好ましくは２５μｍ〜１００μｍである。２
５μｍ以下の場合転写時のシート切れが起きやすく、ま
た転写ロールの凹凸や絵柄の凹凸が転写表面に現れやす
くなる。１００μｍ以上の場合、コストが増大し、低温
転写性も低下する。 【０００８】本発明の転写シートの剥離層３は、支持体
シート２と剥離性を容易ならしめ、転写後は表面保護層
となりうる層で、その樹脂組成は転写後の表面保護層と
して所望の物性を有するように選定する。剥離層を形成
する樹脂として、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル樹
脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂等が挙げられ
る。剥離層に表面物性、機械適性等を与えるために、滑
剤等を添加することも可能である。また、支持体シート
との剥離性を適性化するために支持体シートに離型層を
設けてもよい。特に表面の耐擦傷性、耐薬品性、耐汚染
性を要する場合は熱硬化性樹脂または電離放射線硬化性
樹脂が用いられる。剥離層のＴｇは１００℃以上のもの
が好ましい。Ｔｇが１００℃以下の場合は、転写後表面
が柔らかく傷がつきやすくなる。また、剥離層のＴｇは
転写シートの各層のうち最も高いことが好ましい。剥離
層は、グラビア法ロールコート法等により積層される。
剥離層の厚みは０．５〜６μｍが好ましい。 【０００９】本発明の転写シートの装飾層４は、天然物
を模写した絵柄や図形、記号、文字、着色層等の絵柄を
グラビア法、スクリーン法、オフセット法等の印刷方法
でμｍの厚さに形成したものであればよい。装飾層を形
成するインキとしては例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂、電離放射線硬化性樹脂等からなるベヒクルに、顔
料、染料等の着色材、体質顔料、溶剤、安定材、可塑
剤、触媒を適宜混合したものを用いる。好ましくは、上
記剥離インキと同様な樹脂をベヒクルとするインキを用
いる。装飾層のＴｇは５０℃〜１００℃位が好ましい。
５０℃以下の場合は、転写時の熱により装飾層を形成す
るインクが流れやすくなり、１００℃以上の場合は、可
塑性がなくなりクラックが生じやすくなる。装飾層は、
グラビア法、スクリーン法、オフセット法等の印刷方法
で積層する。装飾層の好ましい厚さは、０．５〜６μｍ
である。 【００１０】本発明の転写シートの転写面平滑化用樹脂
層５は、転写面の凹凸を防ぐための層で、例えば、ポリ
エステル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アク
リル樹脂、セルロース樹脂等の上記装飾層のＴｇより低
いものを選ぶ。また、上述および下述のように剥離層お
よび接着剤層の好ましい態様を考慮すると、転写面平滑
化樹脂層のＴｇは、装飾層、剥離層、接着剤層のＴｇよ
り低くする。且つ剥離層、および装飾層との適当な密着
性があればよい。必要ならば、転写面平滑化樹脂層に原
料や染料を添加して着色してもよい。また、転写面平滑
化用樹脂層に、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化型樹脂を
使用することによって、転写時に低融点で装飾層の微小
な凹凸を吸収できるので、表面の平滑性に優れた転写品
が得られる。更に、転写後硬化させることにより、密着
性や、物性を向上させることも可能である。転写面平滑
化用樹脂層は、グラビア法、スクリーン法、オフセット
法等の印刷方法で積層する。転写面平滑化用樹脂層の厚
みは０．５〜６μｍで、好ましくは１〜３μｍである。
０．５μｍ以下の場合は、転写面を平滑化する効果が少
なく、６μｍ以上の場合は、転写表面を平滑化する効果
はあるが、コストが増大する。 【００１１】本発明の転写シートの接着剤層６は、転写
層を成形品等に密着させるために設けるもので、その材
質はこの種の転写シートに通常使用されている接着剤層
の材質と同様のものが使用できる。接着剤層を形成する
樹脂として、例えばアクリル樹脂、塩ビ−酢酸ビニル共
重合体、ゴム系樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。接
着剤層のＴｇは５０〜１００℃が好ましい。５０℃以下
の場合は、ブロッキングが起き、１００℃以上の場合
は、転写時の熱で十分な被転写体との密着性を得ること
ができない。接着剤層はグラビア法、ロールコート、バ
ーコート等の印刷方法で積層する。 【００１２】次の具体的実施例を挙げて本発明を詳細に
説明する。 実施例１ 厚さ２５μｍのポリエステルフィルム（東レ製：ルミラ
ーＦ６５）を支持体シート２として用い、該支持体シー
トの表面にアクリル樹脂からなる剥離層３（昭和インク
工業所製：ハクリ４６−７，Ｔｇ＝１０５℃）を２μｍ
の厚さグラビア印刷し、該剥離層の上にアクリル樹脂か
らなる装飾層４（昭和インク工業所製：ＢＣ耐熱系，Ｔ
ｇ＝７０℃）を２μｍの厚みにグラビア印刷し、該装飾
層の表面にアクリル樹脂からなる転写面平滑化用樹脂層
５（ＢＣ−７２メジューム，Ｔｇ＝５０℃）を２μｍの
厚みにグラビア印刷し、該転写面平滑化用樹脂層の表面
に塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体からなる接着剤層６
（昭和インク工業所製：ＰＶＨＳ，Ｔｇ＝７０℃）を２
μｍの厚みにグラビア印刷し、本発明の転写シート１を
得た。上記転写シートをロール転写機で、シリコンロー
ル温度２００℃、圧力１０Ｋｇ／ｃｍ 、速度３ｍ／分
で転写基材７であるアクリル板に転写を行なった。転写
表面は平滑で高光沢となった。 実施例２ 実施例１の剥離層３の表面に転写面平滑化用樹脂層５
（ＢＣ−７２メジューム，Ｔｇ＝５０℃）をグラビア印
刷で積層した以外は実施例１と同様に転写シート１を作
成し、実施例１と同様に転写基材７であるアクリル板に
転写を行った。転写表面は平滑で高光沢となった。 比較例１ 実施例１の転写面平滑化用樹脂層５を設けない以外は実
施例１と同様に転写シートを作成し、実施例１と同様に
転写基材７であるアクリル板に転写を行った。転写表面
は、実施例１及び実施例２と比較すると、やや平滑さお
よび光沢さに欠けた。また、上記本発明の実施例より得
られた転写シート及び上記比較例より得られた転写シー
トを上記の如くアクリル板に転写した転写表面の表面粗
さＲａを測定したところ下表に示す如き結果を得た。表
面粗さＲａはＪＩＳ Ｂ０６０１−１９８２によるもの
で、測定機は、（株）小坂研究所製サーフコーダＳＥ−
３０Ｋを使用した。 【００１３】 【表１】 【００１４】 【発明の効果】以上説明したように本発明転写シート
は、支持体シート上に転写層として、剥離層、転写面平
滑化用樹脂層と隣接して積層された装飾層、接着剤層と
をこの順に有する転写シートにおいて、転写層平滑化用
樹脂層の存在位置が、下記（ａ）〜（ｃ）のいずれかで
あり、且つ転写層平滑化用樹脂層のＴｇが、剥離層、装
飾層および接着剤層いずれのＴｇよりも低い構成をとる
ことにより、従来の転写層平滑化用樹脂層を積層してい
ない転写シートと比較して、転写時に絵柄層の盛り上
げ、及び被転写体表面の凹凸を吸収し、転写表面に艶及
び平滑性を付与することができる。 （ａ）支持体シート／剥離層／転写層平滑化用樹脂層／
装飾層／接着剤層 （ｂ）支持体シート／剥離層／装飾層／転写層平滑化用
樹脂層／接着剤層 （ｃ）支持体シート／剥離層／転写層平滑化用樹脂層／
装飾層／転写面層平滑化用樹脂層／接着剤層
性および艶を付与するための転写シートに関するもので
ある。 【０００２】 【従来の技術】従来から、弱電製品、化粧品容器及び建
材部材等で使用されている成形製品等において、予め所
望の意匠を形成し装飾層を有する転写シートが、該製品
の表面に転写シートの装飾層を転移させて、製品表面の
意匠性を容易に向上させる手段として用いられている。
従来、上記転写シートは剥離性の支持体シート表面に剥
離層、絵柄模様等の装飾層、接着剤層等からなる転写層
を積層した構成が知られている。しかし、従来の上記転
写シートは、転写シートを製品に転写した際に、装飾層
の部分の盛り上がりが転写表面に微小な凹凸が生じさ
せ、艶を損なっていた。そこで、転写後の凹凸をなくす
ために、転写表面に透明塗料の塗布、またはプレス等を
行っていた。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
転写表面に透明塗料の塗布、またはプレス行うと、製造
工程が増えてしまう欠点があった。本発明は、上記従来
技術の欠点を解消するために成されたものであり、転写
シートを転写する工程後、艶のある転写表面を与えるこ
のできる転写シートを提供することを目的とする。 【０００４】 【課題を解決するための手段】本発明転写シートは、支
持体シート上に転写層として、剥離層、転写面平滑化用
樹脂層と隣接して積層された装飾層、接着剤層とをこの
順に有する転写シートにおいて、転写面平滑化用樹脂層
の存在位置が、下記（ａ）〜（ｃ）のいずれかであり、
且つ転写面平滑化用樹脂層のガラス転移点（以下Ｔｇと
記述する）が、剥離層、装飾層および接着剤層いずれの
Ｔｇよりも低い事を特徴とする転写シートである。 （ａ）支持体シート／剥離層／転写面平滑化用樹脂層／
装飾層／接着剤層 （ｂ）支持体シート／剥離層／装飾層／転写面平滑化用
樹脂層／接着剤層 （ｃ）支持体シート／剥離層／転写面平滑化用樹脂層／
装飾層／転写面平滑化用樹脂層／接着剤層 【０００５】 【作用】本発明によれば、転写シートの転写時に熱と圧
力を与えることによって、転写面平滑化用樹脂層のＴｇ
が装飾層のＴｇより低いため、転写面平滑化用樹脂層は
装飾層の盛り上がりを吸収する。また、転写面平滑化用
樹脂層のＴｇが接着剤層のＴｇより低いため、被転写体
表面の凹凸を吸収する。そのため、転写面平滑化用樹脂
層の表面に凹凸は現れず、平滑で艶のある転写表面を施
すことができる。 【０００６】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図１は本発明転写シートの１実施例を示すも
ので、図１に示すように本発明転写シート１は、支持体
シート２の片面に剥離層３、装飾層４、転写面平滑化用
樹脂層５、接着剤層６を順次積層してなる転写シートで
ある。図２は本発明転写シートの１実施例を示すもの
で、図２に示すように本発明転写シート１は、支持体シ
ート２の片面に剥離層３、転写面平滑化用樹脂層５、装
飾層４、転写面平滑化用樹脂層５、接着剤層６を順次積
層してなる転写シートである。 【０００７】本発明の転写シートの支持体シート２は平
滑性のあるものを選び、例えば、ポリエチレン等のポリ
オレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリ
メタアクリル酸メチル等のアクリル樹脂、セルロース樹
脂、ポリカーボネート等の樹脂フィルム又はシート等が
挙げられる。支持体シートの厚さは１２μｍ〜２００μ
ｍであり、好ましくは２５μｍ〜１００μｍである。２
５μｍ以下の場合転写時のシート切れが起きやすく、ま
た転写ロールの凹凸や絵柄の凹凸が転写表面に現れやす
くなる。１００μｍ以上の場合、コストが増大し、低温
転写性も低下する。 【０００８】本発明の転写シートの剥離層３は、支持体
シート２と剥離性を容易ならしめ、転写後は表面保護層
となりうる層で、その樹脂組成は転写後の表面保護層と
して所望の物性を有するように選定する。剥離層を形成
する樹脂として、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル樹
脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂等が挙げられ
る。剥離層に表面物性、機械適性等を与えるために、滑
剤等を添加することも可能である。また、支持体シート
との剥離性を適性化するために支持体シートに離型層を
設けてもよい。特に表面の耐擦傷性、耐薬品性、耐汚染
性を要する場合は熱硬化性樹脂または電離放射線硬化性
樹脂が用いられる。剥離層のＴｇは１００℃以上のもの
が好ましい。Ｔｇが１００℃以下の場合は、転写後表面
が柔らかく傷がつきやすくなる。また、剥離層のＴｇは
転写シートの各層のうち最も高いことが好ましい。剥離
層は、グラビア法ロールコート法等により積層される。
剥離層の厚みは０．５〜６μｍが好ましい。 【０００９】本発明の転写シートの装飾層４は、天然物
を模写した絵柄や図形、記号、文字、着色層等の絵柄を
グラビア法、スクリーン法、オフセット法等の印刷方法
でμｍの厚さに形成したものであればよい。装飾層を形
成するインキとしては例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂、電離放射線硬化性樹脂等からなるベヒクルに、顔
料、染料等の着色材、体質顔料、溶剤、安定材、可塑
剤、触媒を適宜混合したものを用いる。好ましくは、上
記剥離インキと同様な樹脂をベヒクルとするインキを用
いる。装飾層のＴｇは５０℃〜１００℃位が好ましい。
５０℃以下の場合は、転写時の熱により装飾層を形成す
るインクが流れやすくなり、１００℃以上の場合は、可
塑性がなくなりクラックが生じやすくなる。装飾層は、
グラビア法、スクリーン法、オフセット法等の印刷方法
で積層する。装飾層の好ましい厚さは、０．５〜６μｍ
である。 【００１０】本発明の転写シートの転写面平滑化用樹脂
層５は、転写面の凹凸を防ぐための層で、例えば、ポリ
エステル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アク
リル樹脂、セルロース樹脂等の上記装飾層のＴｇより低
いものを選ぶ。また、上述および下述のように剥離層お
よび接着剤層の好ましい態様を考慮すると、転写面平滑
化樹脂層のＴｇは、装飾層、剥離層、接着剤層のＴｇよ
り低くする。且つ剥離層、および装飾層との適当な密着
性があればよい。必要ならば、転写面平滑化樹脂層に原
料や染料を添加して着色してもよい。また、転写面平滑
化用樹脂層に、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化型樹脂を
使用することによって、転写時に低融点で装飾層の微小
な凹凸を吸収できるので、表面の平滑性に優れた転写品
が得られる。更に、転写後硬化させることにより、密着
性や、物性を向上させることも可能である。転写面平滑
化用樹脂層は、グラビア法、スクリーン法、オフセット
法等の印刷方法で積層する。転写面平滑化用樹脂層の厚
みは０．５〜６μｍで、好ましくは１〜３μｍである。
０．５μｍ以下の場合は、転写面を平滑化する効果が少
なく、６μｍ以上の場合は、転写表面を平滑化する効果
はあるが、コストが増大する。 【００１１】本発明の転写シートの接着剤層６は、転写
層を成形品等に密着させるために設けるもので、その材
質はこの種の転写シートに通常使用されている接着剤層
の材質と同様のものが使用できる。接着剤層を形成する
樹脂として、例えばアクリル樹脂、塩ビ−酢酸ビニル共
重合体、ゴム系樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。接
着剤層のＴｇは５０〜１００℃が好ましい。５０℃以下
の場合は、ブロッキングが起き、１００℃以上の場合
は、転写時の熱で十分な被転写体との密着性を得ること
ができない。接着剤層はグラビア法、ロールコート、バ
ーコート等の印刷方法で積層する。 【００１２】次の具体的実施例を挙げて本発明を詳細に
説明する。 実施例１ 厚さ２５μｍのポリエステルフィルム（東レ製：ルミラ
ーＦ６５）を支持体シート２として用い、該支持体シー
トの表面にアクリル樹脂からなる剥離層３（昭和インク
工業所製：ハクリ４６−７，Ｔｇ＝１０５℃）を２μｍ
の厚さグラビア印刷し、該剥離層の上にアクリル樹脂か
らなる装飾層４（昭和インク工業所製：ＢＣ耐熱系，Ｔ
ｇ＝７０℃）を２μｍの厚みにグラビア印刷し、該装飾
層の表面にアクリル樹脂からなる転写面平滑化用樹脂層
５（ＢＣ−７２メジューム，Ｔｇ＝５０℃）を２μｍの
厚みにグラビア印刷し、該転写面平滑化用樹脂層の表面
に塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体からなる接着剤層６
（昭和インク工業所製：ＰＶＨＳ，Ｔｇ＝７０℃）を２
μｍの厚みにグラビア印刷し、本発明の転写シート１を
得た。上記転写シートをロール転写機で、シリコンロー
ル温度２００℃、圧力１０Ｋｇ／ｃｍ 、速度３ｍ／分
で転写基材７であるアクリル板に転写を行なった。転写
表面は平滑で高光沢となった。 実施例２ 実施例１の剥離層３の表面に転写面平滑化用樹脂層５
（ＢＣ−７２メジューム，Ｔｇ＝５０℃）をグラビア印
刷で積層した以外は実施例１と同様に転写シート１を作
成し、実施例１と同様に転写基材７であるアクリル板に
転写を行った。転写表面は平滑で高光沢となった。 比較例１ 実施例１の転写面平滑化用樹脂層５を設けない以外は実
施例１と同様に転写シートを作成し、実施例１と同様に
転写基材７であるアクリル板に転写を行った。転写表面
は、実施例１及び実施例２と比較すると、やや平滑さお
よび光沢さに欠けた。また、上記本発明の実施例より得
られた転写シート及び上記比較例より得られた転写シー
トを上記の如くアクリル板に転写した転写表面の表面粗
さＲａを測定したところ下表に示す如き結果を得た。表
面粗さＲａはＪＩＳ Ｂ０６０１−１９８２によるもの
で、測定機は、（株）小坂研究所製サーフコーダＳＥ−
３０Ｋを使用した。 【００１３】 【表１】 【００１４】 【発明の効果】以上説明したように本発明転写シート
は、支持体シート上に転写層として、剥離層、転写面平
滑化用樹脂層と隣接して積層された装飾層、接着剤層と
をこの順に有する転写シートにおいて、転写層平滑化用
樹脂層の存在位置が、下記（ａ）〜（ｃ）のいずれかで
あり、且つ転写層平滑化用樹脂層のＴｇが、剥離層、装
飾層および接着剤層いずれのＴｇよりも低い構成をとる
ことにより、従来の転写層平滑化用樹脂層を積層してい
ない転写シートと比較して、転写時に絵柄層の盛り上
げ、及び被転写体表面の凹凸を吸収し、転写表面に艶及
び平滑性を付与することができる。 （ａ）支持体シート／剥離層／転写層平滑化用樹脂層／
装飾層／接着剤層 （ｂ）支持体シート／剥離層／装飾層／転写層平滑化用
樹脂層／接着剤層 （ｃ）支持体シート／剥離層／転写層平滑化用樹脂層／
装飾層／転写面層平滑化用樹脂層／接着剤層
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明転写シートの１例を示す縦断面図であ
る。 【図２】本発明転写シートの１例を示す縦断面図であ
る。 【図３】本発明転写シートを用いて転写を行う際の説明
図である。 【符号の説明】 １ 転写シート １１転写層 ２ 支持体シート ３ 剥離層 ４ 装飾層 ５ 転写面平滑化樹脂層 ６ 接着剤層 ７ 転写基材
る。 【図２】本発明転写シートの１例を示す縦断面図であ
る。 【図３】本発明転写シートを用いて転写を行う際の説明
図である。 【符号の説明】 １ 転写シート １１転写層 ２ 支持体シート ３ 剥離層 ４ 装飾層 ５ 転写面平滑化樹脂層 ６ 接着剤層 ７ 転写基材
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 支持体シート上に転写層として、剥離
層、転写面平滑化用樹脂層と隣接して積層された装飾
層、接着剤層とをこの順に有する転写シートにおいて、
転写面平滑化用樹脂層の存在位置が、下記（ａ）〜
（ｃ）のいずれかであり、且つ転写面平滑化用樹脂層の
ガラス転移点が、剥離層、装飾層および接着剤層いずれ
のガラス転移点よりも低い事を特徴とする転写シート； （ａ）支持体シート／剥離層／転写面平滑化用樹脂層／
装飾層／接着剤層 （ｂ）支持体シート／剥離層／装飾層／転写面平滑化用
樹脂層／接着剤層 （ｃ）支持体シート／剥離層／転写面平滑化用樹脂層／
装飾層／転写面平滑化用樹脂層／接着剤層
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10345494A JP3433332B2 (ja) | 1994-03-04 | 1994-03-04 | 転写シート |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10345494A JP3433332B2 (ja) | 1994-03-04 | 1994-03-04 | 転写シート |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07242074A JPH07242074A (ja) | 1995-09-19 |
| JP3433332B2 true JP3433332B2 (ja) | 2003-08-04 |
Family
ID=14354479
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10345494A Expired - Fee Related JP3433332B2 (ja) | 1994-03-04 | 1994-03-04 | 転写シート |
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