JP3432602B2 - 半安定性のシロップを粒状化する方法 - Google Patents

半安定性のシロップを粒状化する方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の分野】本発明は耐衝撃性を改質された熱可塑性
材料の性質または性質のバランスの良さを改良する方法
に関する。特に、本発明は、分散された樹脂相または同
時連続性の樹脂相を含むシロップの中の転換後の半安定
性(post inversion metastable) の連続または同時連続
性のゴム状複合相を生成し、そしてプロセスのより後の
方でこれを粒状化して、連続した樹脂相を含むシロップ
の中の安定な分散されたゴム状複合相にする方法に関す
る。 【0002】 【発明の背景】耐衝撃性改質プラスチックの製造分野は
比較的古く、そしてそれらの製造者にとっては現状の工
業的方法は明らかに周知である。通常の代表的な技術に
よれば、一つまたはそれ以上の単量体の中に溶解された
ゴムの溶液、代表的には1〜約20重量%の、好ましく
は3〜12重量%の、最も好ましくは4〜10重量%の
ゴムを含む溶液を、最初の段階の反応器内で機械的攪拌
下で重合させる。重合がバッチ式の攪拌されたプラグフ
ロー(plug flow) 反応器内で起ころうが、または連続式
の攪拌されたタンク反応器内で起ころうが、殆ど全ての
従来の技術および開示は、最終生成物の中の分散された
ゴム状複合相に関する粒径(particle size) 、粒度分布
(particle size distribution)および形態学(morpholog
y)はプロセスの早い時点における粒状化の間に大部分決
定されてしまうと明らかに教示している。 【0003】粒状化は、そのメカニズムとは無関係に、
分散されたゴム状複合相の形成を記述するために使用さ
れている包括的用語である。 【0004】バッチ方式での又は攪拌されたプラグフロ
ー反応器内での高衝撃耐性ポリスチレンの製造において
は、まず、ゴム状複合相が連続相になり、そして樹脂相
(単量体/得られた重合体の相)が分散される。代表的
には、通常の方法においては、重合がバッチ式反応器に
よる時間でまたは攪拌されたプラグフロー反応器による
空間で進行すると、その系は5〜20%の転化率の或る
時点において、機械的攪拌によって生成される剪断の場
(shear field) の適用下で相転換によって粒状化する。
すなわち、ゴム状複合相が分散相になり、そして樹脂相
が連続相になる。これは瞬時に起こるわけではなく、か
なりの時間または空間にわたって、代表的には、20〜
50分間にわたって、または2〜8%の転化率を生じる
反応器空間にわたって起こる。すなわち、粒状化プロセ
スが完了する前の或る時間または空間では、ゴム状複合
相と樹脂相とが同時連続性になる。 【0005】スチレン‐ポリスチレン‐ポリブタジエン
の三元相の状態図は良く研究されており、そして周知で
ある。たとえば、相の状態図および高衝撃耐性ポリスチ
レンの重合中に起こることは1983年に刊行されたカ
ーク‐オスマーの化学技術事典(Kirk-Othmer Encyclop
edia of Chemical Technology)第21巻第823〜82
6頁に論じられている。 【0006】連続式の攪拌されたタンク反応器(continu
ous stirred tank reactor)(CSTR)内での高衝撃耐
性ポリスチレンの製造においては、ゴム相は分散のメカ
ニズムによって粒状化される。すなわち、ゴム相または
ゴム状複合相は、連続した樹脂相によって操作されるC
STR内で分散される。 【0007】この文書において使用されるゴム相とゴム
状複合相との間の区別は次の通りである: ゴム相は一つ
またはそれ以上の単量体の中に溶解された単なるゴムで
あり、他方、ゴム状複合相は、重合中に一つまたはそれ
以上の単量体との反応によって改質されたゴムを称す
る。すなわち、重合中に、一つまたはそれ以上の単量体
を含有する重合体鎖がゴム分子にグラフトされる。グラ
フト共重合体の他に、ゴム状複合相は吸蔵重合体(occul
ated polymer) を含有してもよい。吸蔵重合体はゴム分
子にグラフトされないで、ゴム状複合相内に存在する。 【0008】従来の知識によれば、重合体関係の化学者
は耐衝撃性改質熱可塑性樹脂の製造における粒状化のプ
ロセスに関して限定された自由度しか有していない。す
なわち、粒状化は、バッチ方式および攪拌されたプラグ
フロー反応器においては転相領域に、またはCSTRに
おいては分散時点に、限定される。バッチ式またはプラ
グフロー反応器における粒状化は或る時間にわたって又
は反応器の空間の或る領域にわたって起こるので、かか
る粒状化を正確に制御することは不可能である。CST
Rにおいては、分散による粒状化は殆ど瞬時に起こる
が、系の動的挙動のせいで、粒子が反応器内ですごす時
間は指数分布によって記述される。すなわち、或る粒子
は生成後に短時間で反応器外に出るが、別の粒子はもっ
と長く反応器内に居る。さらに、CSTRにおいては、
反応体の各単位容量に同じ剪断履歴または匹敵する剪断
履歴を確実に受けさせることは不可能でないにしても困
難である。結果として、分散されたゴム状複合相の粒度
分布はCSTRで生成された場合には典型的に広範囲で
ある。 【0009】粒径、粒度分布および形態学は、生成物の
耐衝撃性、光沢および半透明性を含めて多数の性質に寄
与する。不都合なことに、一般に、或る性質を最大にす
ると、最終重合体の他の性質の一つまたはそれ以上が低
下する傾向がある。これら欠陥を克服する幾つかの試み
は、粒径の異なる樹脂をブレンドすることによってなさ
れている。かかる試みは樹脂の溶融ブレンドを押出機に
通すことを要求するので、経費がかかる。加えて、ブレ
ンドの性質は、ブレンドの各成分の性質の重量数値平均
から予想されるものよりも低い。 【0010】耐衝撃性改質熱可塑性材料を得るための重
合における、そして反応の早い段階での特に相転換の前
および中での機械的攪拌または剪断の要求についての、
技術状況の代表は次の通りである。殆ど全ての技術はゴ
ム状複合相の最終粒径を転相または分散の時点で大部分
決定してしまう。 【0011】米国特許第2,694,692号(195
4年11月16日発行、ダウ ケミカル社に譲渡)は、
耐衝撃性改質熱可塑性重合体を得るための重合の早期段
階での攪拌が望ましくかつ臨界的であることを開示して
いる。 【0012】米国特許第3,658,946号(197
2年4月25日発行、バデッシェアリニン‐& ソーダ
‐ファブリック社(BASF)に譲渡)は、耐衝撃性改
質熱可塑性材料の粒径および粒度分布が反応の早期時点
での攪拌速度または剪断力の変動によって制御されても
よいと開示している。 【0013】米国特許第3,660,535号(197
2年5月2日発行、ダウ ケミカル社に譲渡)は、耐衝
撃性改質熱可塑性材料を得るための重合において必要な
粒度分布を生じさせるために重合の初期段階での攪拌ま
たは機械的攪拌を開示している。 【0014】米国特許第3,903,202号(197
5年9月2日発行、モンサント社に譲渡)は、樹脂相の
中に耐衝撃性改質剤が分散されている必要な分散体を生
成するために、重合の早期段階に、部分重合した単量体
の中に、ゴムを含有する単量体シロップを、機械的攪拌
下で分散させることを教示している。 【0015】米国特許第4,857,587号および第
4,861,827号(それぞれ、1989年8月15
日および29日発行、フィナ テクノロジー社(Fina Te
chnology Inc.,) に譲渡)は、連続した樹脂相の中にゴ
ムが分散されている必要な分散体を生成するために、耐
衝撃性改質熱可塑性材料を得るための重合の早期段階に
機械的攪拌を使用することを開示している。 【0016】剪断の制御がプロセスに重要であると主張
する3件の特許を出願人は知っている。 【0017】カナダ特許第832,523号(1970
年1月20日発行、シエル インターナショナル リサ
ーチ商事 (Shell Internationale Research Maatschapp
ij N.V.)に対して)は、バイモダル(bimodal) 粒度分布
を含有するHIPSを教示している。このHIPSは7
0〜99重量%のポリスチレンと1〜30重量%の分散
ゴム相とからなり、分散ゴム相の粒度分布は粒子の70
〜97%が1〜3μの直径を有し、そして粒子の30〜
3%が5〜25μの直径を有するようなものである。 【0018】このシェルの特許は、必要な粒度分布を得
るために重合の早期段階の攪拌または剪断を制御するこ
とを教示している。シェルの特許は通常プロセスの剪断
を使用することを教示している。 【0019】シェル特許は必要な粒度分布を得るために
耐衝撃性改質ポリスチレンをブレンドすること(4頁1
0〜15行)および二つの別個のタイプのゴムを含有す
るスチレン単量体を相互共重合する(interpolymerize)
ことを明らかに意図しているけれども、それは異なる粒
度分布を有するシロップをブレンドし、そして重合を完
了してバイモダル粒度分布の生成物を直接生成するとい
うことを教示または開示しているのではないということ
に留意することは興味深いことである。 【0020】米国特許第4,007,234号(197
7年2月8日発行、ヘキスト社に譲渡)は、エチレン‐
プロピレンゴムによって改質された高衝撃耐性スチレン
共重合体における粒度分布を制御する方法を開示してい
る。重合体は予め重合機で高剪断を伴う塊状/塊状また
は塊状/懸濁プロセスを使用して製造される。得られた
重合体は、それから、二段階の剪断作用を受ける。二次
剪断の前または二次剪断中に重合体の中に触媒を導入し
てゴム粒子を交叉結合させ且つ粒径を維持させる。ヘキ
ストの特許は重合体を剪断することを教示しているが、
それは本発明に必要とされるようなシロップの剪断を開
示していない。また、ヘキストの方法に使用されるゴム
は、本発明には使用されないEPDMである。 【0021】米国特許第5,210,132号(199
3年5月11日発行、三井東圧化学に譲渡)は、連続し
た樹脂相の中に分散されたゴム状複合相を形成する方法
を開示している。この粒状化されたシロップはそれか
ら、少なくとも三つの剪断用ブレードまたは回転子を有
する装置で剪断にかけられる。剪断用回転子と固定子は
同軸であり、そして多層構造を形成するように挟み込み
端部または区域において櫛形切り込みを有している。結
果として、三井の許許は粒状化されたシロップを、少な
くとも三つの異なる剪断速度を有する多ゾーン型の剪断
の場を使用して剪断することを教示している。三井特許
の本質的特徴はシロップが剪断にかけられる前に粒状化
されていることである。本発明は粒状化されていない半
安定性のシロップを粒状化することに関するものである
という点で、三井特許は本発明の対象を教示しない。さ
らに、三井特許の円筒状の剪断装置は、本発明に要求さ
れる比較的均一な剪断の場を生成しない。三井特許の装
置における剪断の場は、回転子の中心からの距離の関数
として、円筒状櫛形回転子の中心から放射状に外側に向
かって変動するであろう。本発明の円筒状の回転子と固
定子においては、接近して制御された剪断の場を有する
単一の剪断の場が存在するだけである。三井特許の多数
の本質的特徴は、本発明の対象物とは遠いものを教示し
ている。 【0022】上記技術のどれにも、機械的攪拌を使用し
ないで又は低い機械的攪拌を使用して重合の初期段階
で、転換後の半安定性のシロップ(post inversion meta
stablesyrup) を生成する低剪断方法は教示されていな
いし、加えて更に、この転換後の半安定性のシロップ
を、比較的均一な剪断の場を生成する装置で粒状化して
安定なシロップにすることは教示されていない。本発明
の好ましい態様では、本発明の剪断の場は、(化学的プ
ロセスでのより一般的な攪拌機、たとえば、タービン、
アンカー、プロペラ、スクリュー、または螺旋に比べ
て)剪断の脈動が比較的無いということで、比較的均一
である。比較的均一な剪断の場の具体例は、一方または
両方のシリンダーが回転している同軸のシリンダーの間
に生成されたものである。 【0023】半安定性のシロップは学問的見地から僅か
に研究されてきた。耐衝撃性改質熱可塑性材料の従来技
術は、プラグフロー反応器またはバッチ方式で相転換に
よって又はCSTRで相分散によって形成された分散さ
れたゴム状複合相は転換後の半安定性の状態を通らない
と明らかに教示している。 【0024】本発明の方法には多数の利点がある。本発
明は安定な分散されたゴム状複合相の粒径に対する高度
の制御を、半安定性の連続または同時連続のゴム状複合
相の急速なまたは段階的な相転換によって可能にする。
加えて、本方法は流れを分割し、そして複数の均一な剪
断の場を生成する装置を適用することによって、バイモ
ダルまたはマルチモダルの粒度分布を生成するように変
更することが容易である。これらはいずれも、より良い
性質またはより良くバランスのとれた性質を導く。 【0025】従って、本発明は転換後の半安定性のシロ
ップの工業的な用途を提供して耐衝撃性改質熱可塑性材
料における粒度分布を制御または操作する自由度を高め
ることを意図している。 【0026】本願明細書に使用される下記の用語は次の
ような意味を有する: 【0027】「分散物」は、一つの相が連続相を形成
し、そして他の相が連続相中に小さな液滴または粒子と
して分散されているところの、二つまたはそれ以上の相
の系を意味する; 【0028】「樹脂相」は一つまたはそれ以上の単量体
の中に溶解された重合体樹脂の溶液、またはその重合体
自体を意味する; 【0029】「ゴム相」は一つまたはそれ以上の単量体
の中に溶解された未交叉結合ゴム、またはそのゴム自体
を意味する; 【0030】「ゴム状複合相」は上記定義通りのゴム相
と上記定義通りの一つまたはそれ以上の樹脂相との複合
物を意味する。前記複合物は樹脂重合体をゴム重合体に
よって吸蔵した状態で含んでいてもよいし又はゴム重合
体の上にグラフトした状態で含んでいてもよい; 【0031】「分散されたゴム状複合相」は連続した樹
脂相の中に分散されたゴム状複合相を意味する; 【0032】「転換後の半安定性のシロップ」または
「半安定性のシロップ」はバッチ方式およびプラグフロ
ー反応器に関して先に記述した通常の相転換領域を経
た、低剪断条件下で重合されたシロップを意味し、そし
て半安定性の自由エネルギー状態(たとえば、ギブスま
たはヘルムホルツ)で連続性である又は樹脂相と同時連
続性であるゴム状複合相からなる; 【0033】「粒状化」は、そのメカニズムに関係な
く、分散されたゴム状複合相の形成を記述するために使
用される用語である; 【0034】「分散する」または「相分散」または「分
散による粒状化」は、ゴム相または連続したゴム状複合
相を、機械的攪拌によって、連続樹脂相を有するタンク
中に分散させることによって、連続した樹脂相の中の分
散されたゴム状複合相を形成することを意味する。代表
的には、このプロセスは連続式の攪拌されたタンク反応
器(CSTR)内で起こる; 【0035】「転換する」または「転換」または「相転
換」または「転換による粒状化」は、連続性または同時
連続性のゴム状複合相を有するシロップから、連続した
樹脂相の中の分散されたゴム状複合相を形成することを
意味する; 【0036】「急速な相転換」または「段階的な相転
換」は(「転換する」または「相転換」または「転換に
よる粒状化」に対して)、転換後の半安定性のシロップ
を、比較的短い時間または小さい反応器容積で粒状化し
て、分散されたゴム状複合相と連続樹脂相からなる安定
なシロップにすることを意味する。 【0037】「低剪断」は半安定性のシロップを転換す
るのに十分でない剪断の場を意味する。低剪断の場は静
的混合反応器で、またはアンカーまたはタービン攪拌機
または低い回転速度で操作されるその他の攪拌機による
機械的攪拌中に、起こる。代表的には、駆動攪拌機で
は、回転速度は15rpm 未満であり、好ましくは、10
rpm 未満であり、最も好ましくは、できるだけ低い。勿
論、この分野に精通した者には、攪拌の度合は反応器の
構造に依存するであろうこと、および適切な速度は本願
明細書を閲読した後では常套的な実験によって決定でき
るということが分かるであろう。 【0038】 【発明の概要】本発明の最も一般的な特徴によれば、転
換後の半安定性のシロップを生成し、そして前記シロッ
プを剪断の場にかけて、分散されたゴム状複合相と連続
した樹脂相を含む安定なシロップを生成するための方法
が提供される。 【0039】こうして処理されたシロップはその後で更
に通常通り重合することができ、そして任意的に脱蔵さ
れてもよい。 【0040】また好ましい態様においては、転換後の半
安定性のシロップを二つまたはそれ以上の流れに分割
し、前記シロップの流れを、異なる、制御された剪断の
場にかけて、連続樹脂相中の分散されたゴム状複合相を
含む安定シロップの流れを生成し、そして前記流れを合
わせてバイモダルまたはポリモダルの粒度分布を有する
シロップを与えてもよい。 【0041】こうして処理されたシロップはその後で更
に通常通り重合することができ、そして任意的に脱蔵さ
れてもよい。 【0042】 【発明の詳細】本発明の方法はその応用において極めて
広い。たとえば、半安定性のシロップの少なくとも一部
分は全シロップからなることができる。その一方で、半
安定性のシロップは二つまたはそれ以上の流れに分割す
ることができ、それら流れの各々を別個に、制御された
剪断にかけて転換を起こさせる。それから、各部分を別
個に実質的に重合して二つまたはそれ以上の異なる重合
体生成物を生成してもよい。特に好ましい態様において
は、半安定性のシロップを二つまたはそれ以上の流れに
分割し、それから、それら流れの各々を異なる制御され
た剪断の場にかけて転換を起こさせる。それから、この
得られた少なくとも二つのシロップを合わせ、そして実
質的に重合して少なくとも二つの異なる粒度分布を有す
る分散されたゴム状複合相を有する生成物を生成する。 【0043】本発明に従って製造できる耐衝撃性改質重
合体としては、高衝撃耐性ポリスチレン(HIPS)、
アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン重合体(AB
S)およびメチルメタクリレート‐ブタジエン‐スチレ
ン重合体(MBS)が包含される。この熱可塑性重合体
を形成するために本発明に従って有効な単量体は、非置
換のまたはC1 〜C4 アルキル基で置換されたC8 〜C
12ビニル芳香族単量体、アクリル酸またはメタクリル酸
のC1 〜C8 アルキルエステル、無水マレイン酸、およ
びアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルからなる
群から選択されてもよい。 【0044】非置換のまたはC1 〜C4 アルキル基で置
換された、適するC8 〜C12ビニル芳香族単量体として
は、スチレン、α‐メチルスチレン、p‐メチルスチレ
ン、およびp‐t‐ブチルスチレンが包含される。有効
な、アクリル酸またはメタクリル酸のC1 〜C8 アルキ
ルエステルとしては、メチルメタクリレート、エチルメ
タクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、およびエチルヘキシルアクリレートが包含される。 【0045】耐衝撃性改質熱可塑性材料中の樹脂成分
は、一つまたはそれ以上の非置換のまたはC1 〜C4 ア
ルキル基で置換されたC8 〜C12ビニル芳香族単量体の
共重合体または単独重合体から成ってもよい。適する樹
脂としてはポリスチレンが包含される。しかしながら、
この樹脂は、5〜95重量%の、好ましくは50〜90
重量%の、一つまたはそれ以上のC8 〜C12ビニル芳香
族単量体と、95〜5重量%の、好ましくは50〜10
重量%の、アクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C8
アルキルエステル、およびアクリロニリトルまたはメタ
クリロニトリルからなる群から選択された一つまたはそ
れ以上の単量体とからなる共重合体であってもよい。代
表的には、かかる重合体は、スチレンと、アクリロニリ
トル、メタクリロニトリル、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレー
ト、エチルヘキシルアクリレートおよび無水マレイン酸
からなる群から選択された一つまたはそれ以上の単量体
との共重合体である。この樹脂は、一つまたはそれ以上
の、アクリル酸またはメタクリル酸のC1 〜C8 アルキ
ルエステル、好ましくは上記に列挙したもの、の単独重
合体または共重合体であってもよい。 【0046】最終的に完成されたときに、樹脂重合体は
含スチレン重合体については65,000より大きい、
好ましくは70,000より大きい、数平均分子量を有
しているべきであり、そして主にエステルの重合体につ
いては30,000より大きい数平均分子量を有してい
るべきである。 【0047】本発明において耐衝撃性改質剤として使用
されてもよいランダムゴム重合体は、代表的には、約1
00,000より大きい、好ましくは200,000よ
り大きい、(重量平均)分子量(Mw)を有しているであ
ろう。ゴムのブロック共重合体は有意にもっと低い分子
量、代表的には、50,000(Mw)より大きい分子
量、を有する。ゴムは (i) 非置換の、またはハロゲン原子(好ましくは、塩
素または臭素原子)によって置換された、C4 〜C6 共
役ジオレフィンの共重合体または単独重合体; (ii) 10〜80重量%の一つまたはそれ以上の非置換
のまたはC1 〜C4 アルキル基で置換されたC8 〜C12
ビニル芳香族単量体と、20〜90重量%の一つまたは
それ以上のC4 〜C6 共役ジオレフィンとからなる、ラ
ンダム、ブロック、線状、星形およびテーパー状共重合
体; および (iii) 1〜50重量%のアクリロニトリルまたはメタク
リロニトリルと、50〜99重量%の一つまたはそれ以
上のC4 〜C6 共役ジオレフィンとからなる共重合体か
らなる群から選択されてもよい。 【0048】C4 〜C6 共役ジオレフィンの共重合体ま
たは単独重合体である、適する重合体としては、ブタジ
エンの単独重合体、およびブタジエンおよびイソプレン
の共重合体が包含される。好ましくは、重合体はブタジ
エンの単独重合体であろう。一般に、重合体は或るレベ
ルの立体特異性を有する。立体特異度の選択は最終生成
物に要求される性質に或る程度依存するであろう。幾つ
かのポリブタジエンは90重量%を越す単量体を、最も
好ましくは95重量%を越す単量体をシス構造で含有す
る。かかるタイプの重合体は商標タクテン(TAKTENE)(登
録商標) 1202の名でポリサーラバー社(Polysar Rub
ber Corporation)から商業的に入手可能である。ポリブ
タジエンはもっと低い量の、代表的には50〜65重量
%の、最も好ましくは約50〜60重量%の単量体をシ
ス構造で含有していてもよく、かかる重合体はフアイア
ーストーン社から商標ダイエン(DIENE)(登録商標) の名
でまたはポリサーラバー社から商標タクテン (登録商
標) 550の名で商業的に入手可能である。 【0049】適するゴム状重合体は、10〜80重量%
の、好ましくは20〜50重量%の非置換のまたはC1
〜C4 アルキル基で置換された一つまたはそれ以上のC
8 〜C12ビニル芳香族単量体と、20〜90重量%の、
好ましくは50〜80重量%の一つまたはそれ以上のC
4 〜C6 共役ジオレフィンとから成ってもよい。かかる
ゴム重合体はランダム重合体であってもよいし、また
は、線状ブロック、星形ブロックまたはテーパー状ブロ
ックのようなブロック重合体であってもよい。 【0050】上記組成を有するランダム共重合体は商業
的に入手可能なスチレン‐ブタジエンゴム(SBR)で
ある。多数のブロック共重合体が商標クラトン(KRATON)
(登録商標) の名でシェル(Shell) から入手可能であ
る。 【0051】ゴム状重合体は1〜50重量%の、好まし
くは5〜35重量%のアクリロニトリルまたはメタクリ
ロニトリルと、50〜99重量%の、好ましくは95〜
65重量%の一つまたはそれ以上のC4 〜C6 共役ジオ
レフィンとから成ってもよい。 【0052】上記重合体は商業的に入手可能なニトリル
ゴムであり、商標クリナック(KRYNAC)(登録商標)の名
でポリサーラバー社から、およびパーブナン(PURBUNAN)
(登録商標) の名でバイエル社(Bayer AG)から入手可能
である。 【0053】ゴムは、熱可塑性材料用の一つまたはそれ
以上の単量体の中に、または単量体のための希釈剤また
は溶剤の中に可溶性であるべきであるということに留意
すべきである。様々な単量体および/または希釈剤また
は溶剤に対する上記ゴムの溶解度は非発明的な通常試験
によって容易に測定できる。 【0054】代表的には、1〜20重量%の、好ましく
は約3〜12重量%の、最も好ましくは4〜10重量%
のゴムが、シロップ生成用単量体または単量体混合物の
中に溶解される。それから、このシロップを、剪断無し
または低い剪断または低い機械的攪拌の条件下で、熱的
に、または一つまたはそれ以上の開始剤の存在下で、重
合させる。代表的には、本発明によれば、シロップは5
%より高い転化率まで、好ましくは10〜75%の転化
率に、最も好ましくは約15〜65%の転化率に重合さ
れる。 【0055】また、半安定性のシロップは、単量体と未
交叉結合ゴムとの部分重合混合物に対して、単量体、溶
剤、加工油および液体可塑剤からなる群から選択された
一つまたはそれ以上の材料を含む流体媒体の中に10〜
30重量%の一つまたはそれ以上の未交叉結合ゴムを含
むゴム濃縮液を添加し、そして得られた混合物を低剪断
下で部分重合してゴム状相が半安定性の連続相または同
時連続相になるようにすることによって、製造されても
よく、そして任意的には、更に別個の工程で、部分重合
混合物が一つまたはそれ以上の追加単量体によって希釈
されてもよい。 【0056】半安定性のシロップは、シロップを相転換
させるのに十分な剪断が存在しないことを条件に工業的
に取り扱うことができる。シロップは低剪断ポンプ、重
量供給または真空および加圧の手法のような低剪断方法
を使用して取り扱われてもよい。 【0057】半安定性のシロップを生成するためには、
プラグフロー反応器のような、低い機械的剪断を有する
反応器が使用できる。本発明のプロセスを受けると、ゴ
ム相は連続樹脂相中に粒子として分散されたゴム状複合
相になる。 【0058】粒径の有効な表示は粒子の容量平均直径に
よって反映される。粒子の容量平均直径は、粒度分布の
三次モーメントに対する粒度分布の四次モーメントの比
によって与えられる。 【数1】 【0059】式中、ni はdi の直径を有する粒子の全
数である。それを全ての粒子直径にわ積和した。 【0060】必ずというわけではないが、しばしば、分
散粒子は対数正規分布を有し、そして粒径の密度の分布
は次の式によって与えられる: 【数2】【0061】式中、p(x) は直径xの粒子の密度であ
り、μはその分布の位置を示すパラメーターであり、そ
してσは分布の広がりまたは幅を示すパラメーターであ
る。粒度分布が対数正規分布である場合には、分布はこ
れら二つのパラメーターμおよびσによって固有に決ま
る。 【0062】有効(最終)粒径は0.01〜15μm の
容量平均直径を有する粒径として特徴付けることができ
る。高衝撃耐性ポリスチレンのタイプの系に関しては、
好ましくは、粒子の容量平均直径は0.5〜15μm で
あろう。好ましくは、ABS、MBSおよびエステル
(たとえば、アクリレートおよびメタクリレート)樹脂
のタイプの系に関しては、粒子の容量平均直径は0.0
5〜5μm であろう。先に言及した通り、有効な性質を
与える多数の、バイモダルおよびポリモダルの粒度分布
が存在する。これら有効なマルチモダル分布は対数正規
分布でない粒度分布である。一般に、有効なバイモダル
またはポリモダルの粒度分布は小さい粒子100重量%
〜約40重量%と、中間の大きさの粒子約0〜約60重
量%と、小粒子および中間粒子の特定サイズ以外の粒子
0〜約20重量%とからなる。小さい粒子の直径対中間
粒子の直径の比は1:1.15から1:20までの範囲
にあってもよく、好ましくは、1:1.3から1:6ま
での範囲にある。 【0063】半安定性のシロップは、半安定性の状態を
規定している「エネルギーの井戸(well)または谷(valle
y)」を越えるように系の全エネルギーが上昇するのを許
すのに十分なエネルギーをシロップに入力する剪断を使
用した処理を受けた場合には、シロップはそれから、よ
り低いエネルギーの、より安定な状態に移行するであろ
う。その安定な状態では、樹脂相(単量体(単数または
複数)の中の、部分重合した重合体)は連続相を形成
し、そしてゴム状複合相は不連続相であろう。 【0064】シロップにエネルギーを入力することは、
制御された剪断装置の使用を通してなされてもよい。こ
の制御された剪断装置は固定子と回転子を、最も好まし
くは両者の間の隙間を調節可能な態様で、含み、かつ、
シロップがその中を流動しなければならないところの制
御された行路又は決まった行路を含む。 【0065】この装置は管状固定子部材、たとえば、直
線状またはテーパー状の管、から構成されてもよい。管
状部材の内部には、回転子である密閉したシリンダーま
たは円錐体がある。好ましくは、回転子は、回転子と固
定子との間の隙間および流体を剪断にかける行路の長さ
のどちらかまたたは両方を制御するように、固定子内で
可動性である。より好ましくは、この装置はクーエット
の剪断の場を生成する装置(Couette shear field gener
ator) であってもよく、それは (i) 軸線に垂直な横断面が円形であり、そして少なく
とも一つの入口と少なくとも一つの出口を有するチャン
バー; (ii) 前記チャンバー内のシリンダーであって、その軸
線に垂直な横断面が円形であり、前記チャンバーの内面
に接近して順応している表面を有し、そしてチャンバー
の内面とシリンダーの外面との間の接近して制御された
隙間以外の前記チャンバー内の空間の実質的に全てを占
拠する前記シリンダー; および (iii) 前記チャンバーと前記シリンダーの少なくとも一
方を互いに対して相対的に回転させるための手段;を含
んでいる。 【0066】チャンバーの内部形状とシリンダー(たと
えば、密閉した非輪状)の外部形状は順応しており、そ
して軸線に垂直な横断面が円形である。チャンバーおよ
び回転子の適する形状としては、円筒状、円錐台状(テ
ーパー円筒状)、および円錐状が包含される。球状、半
球状、および放物状も有効であるらしいが、工場の操業
で使用するためには、もっと困難であろう。具体的な形
状は平坦端面に造形された固定子またはチャンバーと、
平坦端面に造形された回転子である。さらに別の具体的
な構造は、平坦端面に造形された固定子と円錐状に造形
された回転子の組み合わせであり、または円錐状の固定
子と平坦端面に造形された回転子の組み合わせである。 【0067】剪断の場を生成する装置に関する適切な寸
法比は要求される滞留時間、回転子およびチャンバーの
直径および回転速度に依存する。チャンバー壁と回転子
表面との間の隙間は回転子半径(rr)対チャンバー半
径(rc)の比によって規定できる。代表的な比は0.
999〜0.750の範囲であり、好ましくは、0.9
93〜0.875の範囲である。チャンバーの長さ対直
径の比(L/D比)は0.25/1より大きくあるべき
であり、好ましくは、0.5/1から10/1まで、最
も好ましくは、0.5/1から3/1までである。好ま
しくは、入口と出口はチャンバーの反対の端部に位置し
てべきである。 【0068】比較的均一な制御された剪断は前記シロッ
プを次のような装置の中を流動させることによって提供
されてもよい。その装置は、軸線に垂直な横断面が円形
である閉じたチャンバーであって、その軸線に沿って連
続側壁と頂角の小さい円錐状突出体とを有し、かつ、前
記チャンバーの軸線に垂直で前記円錐状突出体の頂点に
隣接して位置した平坦な端面、および前記円錐状突出体
と前記平坦面を互いに対して相対的に回転させるための
手段を有する前記チャンバーによって規定される。頂角
は7°未満であり、好ましくは4°未満、最も好ましく
は2°未満である。円錐先端と平坦面との間の間隙は最
小にすべきである。 【0069】代表的な剪断速度は約2〜2000秒-1
好ましくは、約4〜1000秒-1の範囲にある。 【0070】装置の中を流動するときのシロップの滞留
時間は要求される結果を得るための最低時間に近づける
べきである。代表的には、滞留時間は10分未満、好ま
しくは5分未満、最も好ましくは3分未満であるべきで
ある。勿論、滞留時間はチャンバー内の自由容積および
装置を通過する流量に依存する。代表的には、単量体の
転化率は制御された剪断の場内では、5%未満、好まし
くは2%未満、最も好ましくは1%未満である。 【0071】回転子は回転子を数百rpmまでの速度で
駆動できる駆動手段に接続しているべきである。大抵の
操作では、回転子は約5〜約500rpmの速度で、代
表的には10〜250rpmの速度で操作することが可
能であるべきである。 【0072】装置を通過するときのシロップの滞留時間
が比較的短いので、本発明は同量のゴムを有するが異な
る粒度分布を有する耐衝撃性改質熱可塑性材料に等級変
更するための移行時間が非常に短くてすむ方法を提供す
る。 【0073】上記開示はシロップに剪断を与える装置に
よって記述されている。本発明の利点の一つはシロップ
を多数の流れに分割してもよいということであり、そし
て各流れを別個に処理してもよく、それから二つまたは
それ以上の流れを合わせてもよく、そして更に実質的に
重合してもよい。かかる手順はシロップ内の粒度分布を
バイモダルまたはポリモダルにすることを可能にさせ
る。従って、光沢と靱性のような幾つかの最終的性質を
最大にするように系の中の粒度分布を選択または制御す
ることが可能である。 【0074】本発明によれば、そのように処理された転
換されたシロップ(すなわち、ゴム相が分散相であるも
の)に追加の樹脂単量体を添加することが可能である。
適する樹脂単量体は上記に記述してある。 【0075】本発明は現在の技術に対して幾つかの明ら
かに優れた利点を付加する。交叉結合していないゴムの
粒度分布を固定させるような程度に重合が進行するまで
は、更に粒度分布を変更することが可能である。本発明
のプロセスは交叉結合していないゴム相の粒径を減少ま
たは粒度分布を変更させるために使用されてもよい。 【0076】本発明の方法の実施に際しては注意を払う
べきである。粒状化されたシロップは、極端な剪断およ
び圧力の条件下では、粒状化を解消してゴム状複合相と
樹脂相が連続性である即ち同時連続性である転換後の半
安定性のシロップになる恐れがあると考えられる。 【0077】分散されたゴム状複合相の容量平均直径を
変化させることと、粒状化を解消することとの間の点
は、使用する装置のタイプおよび構造、シロップの重合
度、およびシロップの粘度を包含する多数の因子に依存
するであろう。実験室装置から工業規模の装置に規模を
拡大することは容易ではないが、制限された放出口を有
するギアポンプのような高剪断装置を使用することで、
乗り換わる点の各々の側の剪断および圧力の相対的大き
さを実験できる。数個のシロップサンプルを高い剪断お
よび圧力の装置の中に入れ、そして異なる剪断速度およ
び圧力にかけてもよい。得られたサンプルをそれから、
ガラス管の中で重合を完了させ、そしてその生成物をそ
れから、粒状化およびTEM(後述)に関する試験によ
って分析して、シロップに対する剪断および圧力の効果
を測定する。サンプルの形態を観察し、そしてそれを剪
断速度および圧力に対して相関させることによって、分
散されたゴム状複合相の粒度分布を変化させることか
ら、粒状化を解消して半安定性のシロップにすることに
乗り換わる点の条件を規定することが可能である。一般
には、シロップの粒状化を解消して半安定性のシロップ
にすることを生じさせる剪断速度および圧力は実に高い
と考えられる。かかる手順を使用すると、粒径と剪断と
の間の相関関係を示すグラフを規定またはプロットする
ことも可能である。 【0078】シロップ内に未交叉結合ゴムの適切な粒度
分布を得た後で、シロップを通常の仕方で重合してもよ
い。樹脂相中のゴム状複合相粒子の形態はゴムが交叉結
合したときに固定されるであろう。シロップは一つまた
はそれ以上の反応器内を通過して、生成物の劣化無し
で、かつ「通常の」商業的な重合方法の時間限度内で、
可能な限り完全に近いところまで転化率を上げる。代表
的には、この転化率は65%より大きく、好ましくは、
約70%〜約90%である。それから、シロップは予備
加熱器に送られ、そして通常の仕方で脱蔵される。それ
から、この脱蔵された重合体はストランドとして押出さ
れ、そしてペレット状に細断されてもよい。 【0079】装置の観点からすると、本発明は、耐衝撃
性改質重合体を得るための適切な重合装置を、シロップ
に剪断を入力するための一つまたはそれ以上の装置、好
ましくは、クーエットの剪断の場を生成する装置と協働
するように、提供する。簡単に説明するために、本発明
に従って有効なタイプの装置を、高衝撃耐性ポリスチレ
ン(HIPS)のような耐衝撃性改質重合体を製造する
ために使用される装置の概要で記述する。それを図1と
関連させて記述する。図1は3つの反応器を使用してか
かる衝撃耐性重合体を得る重合を行うための生産設備の
概略図である。 【0080】代表的には、耐衝撃性改質重合体を得る重
合においては、約20重量%までの、好ましくは約3〜
約12重量%の、最も好ましくは4〜10重量%の、ゴ
ムを溶解用タンク1の中で一つまたはそれ以上の単量体
および任意的に溶剤の中に溶解させる。それから、こ
の、単量体および任意的に溶剤の中に溶解されたゴムの
溶液を、一連の反応器の中の、この場合には三連の水平
または垂直な反応器の中の、第一反応器2に供給する。
反応器2の中で、単量体を(攪拌無しの、または非常に
低い攪拌による)低剪断下で部分重合させてシロップを
生成する。このシロップ内では、連続相はゴム状複合相
であり、そして不連続相または同時連続相は樹脂相(た
とえば、単量体と重合体)である。反応器2を後にした
シロップの全部または一部を、一つまたはそれ以上のク
ーエットの剪断の場を生成する装置(単数または複数)
(一般的に、3で表示されている) に通す。図示されて
いないが、反応器2から出たシロップはバイモダルまた
はポリモダルの粒度分布を形成するために二つまたはそ
れ以上の粒状化装置に通されてもよい。 【0081】クーエットの剪断の場を生成する装置は閉
じたチャンバー4を含み、チャンバーは端部5および
6、およびチャンバーの軸線に垂直な横断面が円形であ
り(好ましくは円筒状であり)、そしてその内部に、そ
のチャンバーの形状に厳密に順応している回転子7を有
する。回転子は、厳密に制御された隙間以外の、チャン
バーの容積を実質的に占拠している。チャンバーの内面
とシリンダーの外面との間の隙間は小さく、そして接近
して制御されている。チャンバー4は入口8と出口9を
有する。駆動手段10はチャンバーの閉端部の一方、こ
の場合には6、を貫通している。駆動手段はパワー手段
11、たとえば、電気モーター、に接続している。 【0082】反応器2からのシロップをそれから、第二
反応器12に移送し、そこで、より多くの樹脂相を重合
させる。図示されていないが、反応器12を後にしたシ
ロップの全部または一部を一つまたはそれ以上の粒状化
装置に通すことも可能である。 【0083】反応器12からのシロップをそれから、反
応器13に移送し、そこで、樹脂相をさらに重合させ
る。図示されていないが、反応器13を後にしたシロッ
プの全部または一部を一つまたはそれ以上の粒状化装置
に通すことも可能である。 【0084】反応器13からのシロップをそれから、脱
蔵装置14に通す。脱蔵装置では、殆どの残留単量体お
よび溶剤がシロップから除去される。単量体および溶剤
は再循環される。 【0085】生成物はそれから、ダイプレート15を通
過し、そこから生成物がストランドとして押出される。
ストランドは冷却工程16を通過する。代表的には、ス
トランドは冷却水の浴を通過する。それから、ストラン
ドはペレット製造機17の中でペレット化される。 【0086】破線で示されているように、第一反応器か
らの排出部以外の場所に粒状化装置20を配置すること
が可能である。たとえば、反応器2は反応器の末端以前
のどこかに出口21を有することができる。出口21は
粒状化装置20の入口22に接続することができる。シ
ロップは粒状化装置20を通過し、そして粒状化装置の
出口23を後にし、そして出口21の下流にある入口2
4によって反応器2に戻される。さらに、クーエットの
場を生成する装置は、ゴムが交叉結合されていないこと
及びシロップが半安定状態にあることを条件に、どの反
応器の排出部に配置することも可能である。さらに代替
においては、クーエットの剪断の場を生成する装置を、
脱蔵装置14の直前に配置することも可能である。 【0087】クーエットの剪断の場を生成する装置は、
多数の仕方で使用できる。半安定性のシロップの流れを
二つまたはそれ以上の流れに分割することができ、各流
れを特定の粒度分布を生成するように処理することがで
きる。それから、流れを合わせ、そして重合が完了させ
る。これは分散されたゴム状相について二つまたはそれ
以上の粒度分布を有する生成物の生成を可能にして、た
とえば靱性と光沢のような多数の性質を向上させること
ができる。 【0088】上記記載は本発明の一つの態様についての
ものであることが認識さるであろう。当業者には、本発
明について他の構造や応用が明らかになるであろう。 【0089】 【実施例】本発明を次の実施例によって例証するが、実
施例は本発明を制限することを意図していない。実施例
においては、別に表示されていない限り、部は重量部を
意味し、そして%は重量%を意味する。 【0090】制御された剪断装置 実験室規模の実験のために、クーエットの剪断の場を生
成する装置(粒状化装置)を注文して作製した。この装
置は、深さが6インチで、直径が2インチである(L/
D比が3:1である)円筒状チャンバーを有する。チャ
ンバーは外部加熱用ジャケットを有しており、ジャケッ
トはその中に熱油を流動させるための2つの口を有して
おり、それら2つの口は温度制御を与える加熱/循環油
浴に接続される。チャンバーの上面は取り外し可能であ
る。駆動軸はチャンバーの上面のシール部を貫通する。
駆動軸の一端は電気モーターに接続可能であり、そして
他端は円筒状回転子に接続可能である。この装置用に数
個の円筒状回転子が加工された。回転子は本質的にチャ
ンバーを満たす。回転子は回転子表面とチャンバー表面
との間の壁間隙間が0.03125インチ、0.062
50インチ、0.1250インチおよび0.2500イ
ンチになるように加工された。回転子を装置に設置した
ときに得られる容積はそれぞれ、19.0ml、37.0
ml、72.4mlおよび135.0mlである。チャンバー
の底には、チャンバーにシロップを流し入れるための入
口があり、そしてチャンバーの上面には、処理されたシ
ロップが装置から流れ出ることを許す出口がある。この
装置の中でシロップが曝される剪断速度は回転子のrp
mまたは回転子の隙間を変動させることによって変動可
能である。シロップの温度は装置の入口と出口で測定さ
れ、記録される。装置全体はステンレス鋼で作製され
た。 【0091】連続式の攪拌されたタンク反応器(CST
R) CSTRは底部に出口を備えた1.0リットルのガラス
製容器である。この反応器は外部加熱用ジャケットを有
しており、ジャケットはその中に熱油を流動させるため
の口を有しており、そして温度制御を与える加熱循環油
浴に接続される。チャンバーの上面は取り外し可能であ
り、そして機械的攪拌を装備される。駆動軸は反応器の
上面のシール部を貫通する。駆動軸の一端は電気モータ
ーに接続可能であり、そして他端は攪拌機に接続可能で
ある。バッチ(シロップ)温度は反応器の中央で測定さ
れ、そして記録される。全ての移送ラインの温度が制御
される。 【0092】静的混合反応器(SMR) 静的混合反応器は、長さ11.5インチ×直径1.5イ
ンチの3つの単位からなり、スルザー(Sulzer)SMX混
合要素を含有しており、そして容積が約350mlであ
る。サンプリング用に、各単位の間にはバルブが配置さ
れる。各単位は外部加熱用ジャケットを有しており、ジ
ャケットはその中に熱油を流動させるための2つの口を
有しており、そして個別の温度制御を与える各所有の加
熱/循環油浴に接続される。バッチ(シロップ)温度は
各単位の入口と出口で測定され、そして記録される。全
ての移送ラインの温度が制御される。全ての移送ライン
の温度が制御される。反応器全体はステンレス鋼で作製
された。 【0093】実験室規模の反応器系統(タイプ−I) 供給原料溶液が溶解タンクからギアポンプに供給され、
ギアポンプは供給原料溶液を静的混合反応器の底の入口
に分配する。シロップは静的混合反応器の上面の出口か
ら出て、そして制御された剪断装置の底の入口に分配さ
れる。シロップは制御された剪断装置の上面の出口から
出て、そして分析するため又は進行させるために収集さ
れる。 【0094】実験室規模の反応器系統(タイプ−II) 供給原料溶液が溶解タンクからギアポンプに供給され、
ギアポンプは供給原料溶液をCSTRに分配する。CS
TRは後で説明する粒状化についての試験によって示さ
れるように、安定な非粒状化ゴム状複合相によって低固
形分量で操作される。シロップはCSTRの底の出口か
ら出て、そして第二のギアポンプに入り、そして静的混
合反応器の底の入口に分配される。静的混合反応器を上
面の出口から出たシロップは制御された剪断装置の底の
入口に分配される。シロップは制御された剪断装置の上
面の出口から出て、そして分析するため又は進行させる
ために収集される。 【0095】重合 上記反応器系統の一つを使用して、一連の実験を行う。
4〜8重量%の中度シスゴムまたは高度シスゴムを含有
するスチレンを熱によって、または0.028%のt‐
ブチルペルオキシアセテート開始剤によって、重合させ
る。得られたシロップのサンプルの採取を、CSTR
(使用する場合には)の後と、静的混合反応器の各単位
の後と、制御された剪断装置の後で行う。シロップのサ
ンプルをそのまま分析するか、または140℃で24時
間進行させ、それから真空炉内で減圧( -5mmHg )下
で220℃で30分間脱蔵する。得られた、ゴムで改質
されたポリスチレンのサンプルを、それから、分析にか
ける。機械的試験のためには、脱蔵された重合体をペレ
ット化し、そして標準ASTM試験片成形用型で成形す
る。 【0096】静的混合反応器を出たシロップは通常の転
換点を経ており、そして下記の粒状化についての試験に
よって示されるように連続性または同時連続性のゴム状
複合相を有する半安定性の状態であると認められる。 【0097】粒状化についての試験 3/20gの、脱蔵されたHIPS樹脂を、15mlの2
‐ブタノン(MEK)の中で振とうし、そして可視ゲル
粒子について検査した。十分に粒状化されたHIPS樹
脂は乳様懸濁物に見えるが、非粒状化HIPS樹脂(ゴ
ム相が同時連続相または連続相であるもの)は透明溶液
中の単一ゲル粒子として見える。「部分粒状化」された
HIPS樹脂はこれら2つの極端な状態の間にあるもの
である。 【0098】膨潤指数およびゲル含量の測定 約1gの重合体を精密に秤量し、そして40mlのトルエ
ンの中に溶解し、そして17,000rpm、−7℃
で、2時間遠心分離する。上澄液をデカンテーション
し、沈澱ゲルに新たに40mlのトルエンを加え、そして
この混合物を超音波浴で2時間処理する。それから、サ
ンプルを17,000rpm、−7℃で、2時間遠心分
離する。上澄液をデカンテーションする。湿潤ゲルを秤
量し、それから乾燥し、そして再び秤量する。湿潤指数
は湿潤ゲル重量を乾燥ゲル重量で割ることによって算出
され、そしてゲル量は乾燥ゲル量を最初のサンプル重量
で割ることによって算出される。 【0099】粒径測定 粒径分析には、ホリバ式フォトセディメントメーター(p
hotosedimentometar)を使用する。代表的な手順は、計
器の出発吸光度が10mlのMEKの中で0.75と0.
85の間にくるように十分なHIPS樹脂を分散させる
ことを伴う。サンプルは完全分散について検査され、そ
して遠心分離式で直ちに測定される。この機器は面積の
中央値を報告する。アウトプットを、粒度分布を特徴付
けるのに適する値を算出するために適している対数正規
分布に合わせる。 【0100】透過型電子顕微鏡写真(TEM)および分
散相の容量画分の分析(DPVF) TEMは通常の方法を使用して選択サンプルについて撮
影する。 【0101】シロップ固形分 シロップ固形分はサンプルを高温(220℃)および減
圧(5mmHg )で脱蔵することによって重量分析を使用
して求められる。 【0102】次の実施例は本発明の応用を例証する。実施例1 供給原料シロップはスチレン中の4%の高シス‐ポリブ
タジエンと0.028%のt‐ブチルペルオキシアセテ
ートから成る。シロップを440ml/時の速度でタイプ
Iの反応器系統に供給し、そして重合を開始させた。静
的混合反応器(SMR)のジャケットは126℃、12
6℃および131℃の増加する温度で操作し、そして粒
状化装置のジャケットは120℃に維持した。粒状化装
置においては、0.125インチの壁隙間のスピンドル
を使用し、そして様々なrpmで操作した。この実施例
の結果は表1に示されている。 【表1】実施例1の結果 ─────────────────────────────── 反応器 シロップ スピンドル 容量平均直径 固形分 % rpm μm ─────── ─────── ─────── ─────── SMRの出口 19.10 半安定性のシロップ 粒状化装置 22.04 5 部分粒状化 粒状化装置 19.18 10 5.38 粒状化装置 24.89 20 2.54 粒状化装置 21.98 40 2.06 粒状化装置 22.53 80 1.72 粒状化装置 20.40 160 2.27 粒状化装置 18.99 260 1.81 ─────────────────────────────── 【0103】実施例2 供給原料シロップはスチレン中の8%の中度シス‐ポリ
ブタジエンから成る。シロップを448ml/時の速度で
タイプIの反応器系統に供給し、そして熱的に重合を開
始させた。粒状化装置においては、0.125インチの
壁隙間のスピンドルを使用し、そして様々なrpmで操
作した。この実施例の結果は表2に示されている。 【表2】実施例2の結果 ─────────────────────────────── 反応器 シロップ スピンドル 容量平均直径 固形分 % rpm μm ─────── ─────── ─────── ─────── 粒状化装置 30.26 40 9.20 粒状化装置 36.61 80 5.97 粒状化装置 37.04 160 4.66 粒状化装置 27.73 260 2.58 ─────────────────────────────── 【0104】実施例3 供給原料シロップはスチレン中の4%の高シス‐ポリブ
タジエンと0.028%のt‐ブチルペルオキシアセテ
ートから成る。シロップを876ml/時の速度でタイプ
IIの反応器系統に供給し、そして重合を開始させた。ジ
ャケットの温度は、CSTR=120℃、増加する温度
の順番にSMR=118℃、118℃および120℃、
および粒状化装置=120℃で、操作した。粒状化装置
においては、0.125インチの壁隙間のスピンドルを
使用し、そして様々なrpmで操作した。この実施例の
結果は表3に示されている。 【表3】実施例3の結果 ─────────────────────────────── 反応器 シロップ スピンドル 容量平均直径 固形分 % rpm μm ─────── ─────── ─────── ─────── SMRの出口 20.96 半安定性のシロップ 粒状化装置 21.85 20 3.32 粒状化装置 22.02 40 2.73 粒状化装置 21.61 80 1.72 粒状化装置 21.91 160 0.94 粒状化装置 22.05 260 0.66 ─────────────────────────────── 【0105】実施例4 供給原料シロップはスチレン中の8%の中度シス‐ポリ
ブタジエンと0.028%のt‐ブチルペルオキシアセ
テートから成る。シロップを876ml/時の速度でタイ
プIIの反応器系統に供給し、そして重合を開始させた。
ジャケットの温度は、CSTR=120℃、増加する温
度の順番にSMR=123℃、123℃および125
℃、および粒状化装置=120℃で、操作した。粒状化
装置においては、0.0625インチの壁隙間のスピン
ドルを使用し、そして様々なrpmで操作した。この実
施例の結果は表4に示されている。 【表4】実施例4の結果 ─────────────────────────────── 反応器 シロップ スピンドル 容量平均直径 固形分 % rpm μm ─────── ─────── ─────── ─────── SMRの出口 29.40 半安定性のシロップ 粒状化装置 29.95 10 3.80 粒状化装置 30.17 20 2.75 粒状化装置 31.27 40 2.67 粒状化装置 30.82 80 2.22 粒状化装置 31.06 160 1.99 粒状化装置 30.60 260 1.55 ─────────────────────────────── 【0106】上記データは、本発明の方法を使用して粒
度分布を制御することが可能であることを実証してい
る。特に、どの表のデータも、同じ化学的組成および本
質的に類似の転化率を有するシロップが粒状化されて様
々な粒度分布を生成することができることを示してい
る。加えて、これら結果は半安定性のシロップを本発明
の方法によって粒状化できることを示している。これら
データは本方法が各種タイプのゴムをもって、様々な量
のゴムおよび様々なタイプの重合開始において、有効で
あることを例証している。 【0107】図2は完了するまで進行した半安定性のシ
ロップの電子顕微鏡写真(7,500倍)である。図中
の暗部はゴム状複合相であり、連続している。明部は樹
脂相であり、不連続である。 【0108】図3はプラグフロー反応器を出て完了する
まで進行したシロップのサンプルの電子顕微鏡写真
(7,500倍)である。図中、ゴム状複合相は暗く、
そして樹脂相は明るい。図中、ゴム状複合相は連続性で
あるか又は樹脂相と共に同時連続性である。このシロッ
プは転換しなかった。 【0109】図4は40rpm で操作する粒状化装置から
採取したシロップのサンプルの電子顕微鏡写真(7,5
00倍)である。明らかに、このサンプルは転換してお
り、そして樹脂相は連続であり、そしてゴム状複合相は
不連続である。 【0110】図5は、比較用の、「通常の」技術(たと
えば、転換または分散の技術)を使用して製造した高衝
撃耐性ポリスチレンの電子顕微鏡写真(7,500倍)
である。 【0111】実施例5 4.25重量%の中度シス‐ポリブタジエンと0.02
8重量%のt‐ブチルペルオキシアセテートと0.5重
量%の鉱物油を含有するスチレン供給原料溶液を、上記
のタイプIIの重合装置で重合させた。このシロップは2
2%の固形分で、クーエットの剪断の場を生成する装置
から出た。この装置の壁隙間は1/16インチであり、
そして回転子は20rpmで操作された。本発明による
サンプルを、それから、上記のように、高固形分(>9
5%)になるまで進行させ、脱蔵し、そしてペレット化
した。それから、この実験樹脂から試験標本を製造し、
そして通常の重合技術を使用して製造された比較配合物
の標準市販樹脂と比較した。試験および結果は表5に示
されている。 【表5】 ──────────────────────────────── 試験 通常の方法 本発明の方法 ──────────── ───────── ──────── メルトフローインデックス 3.1 1.6 (g/10分) ASTM D1238 ─────────────────────────────── 延伸 % 39 42 ─────────────────────────────── アイゾット衝撃強さ 0.80 ft-lb/in 1.29 ft-lb/in ASTM D256 4.3 kg cm/cm 6.9 kg cm/cm ─────────────────────────────── 引張降伏強さ 5740 psi 4870 psi ASTM D638 403.9 kg cm2 342.7 kg/cm2 ─────────────────────────────── 引張破壊強さ(PSI) 5600 psi 5610 psi ASTM D638 394.1 kg cm2 394.8 kg cm2 ─────────────────────────────── 伸び % 22 42 ──────────────────────────────── 【0112】それから、これらサンプルを機器衝撃試験
にかけて、ピーク荷重(単位)、ピーク荷重までのエネ
ルギー、および全エネルギーを測定した。結果は表6に
示されている。 【表6】 ──────────────────────────────── 試験 通常の方法 本発明の方法 ──────────── ───────── ──────── ピーク荷重 169.4 lb 193.5 lb 76.8 kg 87.7 kg ─────────────────────────────── ピークまでの 38.7 in/lb 43.8 in/lb エネルギー 0.43 J 0.49 J ─────────────────────────────── 全エネルギー 64.5 in/lb 82.1 in/lb 0.72 J 0.92 J ──────────────────────────────── 【0113】本発明に従って製造された樹脂から製造し
たサンプルは従来技術に従って製造された樹脂から製造
したサンプルよりも改良された半透明性を有するという
ことも主観的に注目された。これは、本発明の方法を使
用すると、従来の方法を使用しては不可能とされていた
靱性と透明性の両方を改良することが可能であるという
ことを示しているので、最も興味深い観察である。 【0114】以上、上記データは本発明の方法が、耐衝
撃性改質樹脂の性質の範囲を、当分野で現在入手可能な
ものよりも優れて拡張することができることを示してい
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】序列反応器を使用する連続式塊状重合によって
高衝撃耐性ポリスチレン(HIPS)のような耐衝撃性
改質重合体を製造するためのプラントの概略図である。 【図2】ゴム相が連続である、進行し脱蔵された半安定
性のシロップの、透過型電子顕微鏡写真である。図中、
ゴム相は黒く、そして樹脂相は白い。 【図3】ゴム状複合相と樹脂相が同時連続性である、進
行し脱蔵された、転換後の半安定性のシロップの、透過
型電子顕微鏡写真である。このサンプルは29.43%
の固形分で、実施例4の静的混合反応器から採取された
ものである。 【図4】進行し脱蔵された安定なシロップの、透過型電
子顕微鏡写真である。このシロップは、図3に示された
転換後の半安定性のシロップから、それを、急速な相転
換を誘発する制御された剪断装置(スピンドルは40r
pmで回転する)の中を流動させることによって、製造
された。このサンプルは31.27%の固形分で、実施
例4の制御された剪断装置の後で採取された。 【図5】通常のプロセスを使用して製造された、高衝撃
耐性ポリスチレンの、透過型電子顕微鏡写真である。 【符号の説明】 1 溶解タンク 2、12、13 反応器 3、20 制御された剪断の場を生成する装置(粒状化
装置) 4 閉じたチャンバー 5 シリンダー 14 脱蔵装置 17 ペレット製造機
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−234415(JP,A) 特開 平3−162407(JP,A) 特開 平3−28210(JP,A) 特開 昭62−95312(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 279/02

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 以下の(i)及び(ii): (i)以下の(a)及び(b)から成る群から選択され
    た樹脂相を99〜80重量%: (a)非置換のまたはC1〜C4アルキル基で置換され
    たC8〜C12ビニル芳香族単量体の単独重合体、及び (b)以下の(1)及び(2)から本質的に成る共重合
    体: (1)非置換のまたはC1〜C4アルキル基で置換され
    た一つまたはそれ以上のC8〜C12ビニル芳香族単量
    体を50〜90重量%、及び (2)アクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C8アル
    キルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル
    及び無水マレイン酸からなる群から選択された一つまた
    はそれ以上の単量体を50〜10重量%;及び (ii)以下の(a)〜(c)から成る群から選択され
    たゴム相を1〜20重量%: (a)C4〜C6共役ジオレフィンの共重合体または単
    独重合体、 (b)非置換のまたはC1〜C4アルキル基で置換され
    た一つまたはそれ以上のC8〜C12ビニル芳香族単量
    体を10〜80重量%と、一つまたはそれ以上のC4〜
    C6共役ジオレフィンを20〜90重量%とを含む、ラ
    ンダム、ブロックおよびテーパー共重合体、および (c)5〜50重量%のアクリロニトリルまたはメタク
    リロニトリルと、50〜95重量%の一つまたはそれ以
    上のC4〜C6共役ジオレフィンとを含む共重合体; から本質的に成る連続または同時連続性のゴム相と非連
    続または同時連続性の樹脂相とから本質的に成るシロッ
    プであって5〜75%の転化率まで重合されているシロ
    ップを、以下の(I)〜(III): (I)軸線に垂直な横断面が円形であり、そして少なく
    とも一つの入口と少なくとも一つの出口を有し、チャン
    バーの長さ対直径の比が0.5:1〜3:1であるチャ
    ンバー; (II)前記チャンバー内にあって前記チャンバーの容
    積を実質的に占拠しているシリンダーであって、その軸
    線に垂直な横断面が円形であり、そして、0.993〜
    0.875のシリンダー半径対チャンバー半径の比で規
    定されるチャンバーの内面とシリンダーの外面との間の
    接近して制御された隙間以外に前記チャンバーの内面に
    接近して順応している表面を有する、前記シリンダー;
    および (III)前記シリンダーと前記チャンバーの少なくと
    も一方を互いに対して相対的に回転させるための手段; を含む装置の中を10分未満の間、流動させることによ
    って、比較的均一に制御された2〜2000秒-1の剪断
    の場にかけて転換を起こさせ、そして、連続した樹脂相
    及び0.01〜15μmの容量平均直径を有する分散さ
    れたゴム状複合相を形成させる、 ことを包含する、連続式方法。
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