JP3432552B2 - 窒化アルミニウム多層基板 - Google Patents
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Description
基板に関するものである。
い電子機器には、同じく小型化・高密度化したICチッ
プやLSIチップ等が使用される状況にある。ところ
が、チップの高密度化等が進むと発熱量も増加するとい
うことから、セラミックス多層基板にチップを搭載して
なるパッケージには高い放熱性が要求されることとな
る。このため、従来から良く知られているアルミナパッ
ケージよりも更に放熱性に優れたセラミックパッケージ
を実現することが近年強く望まれている。
ミニウムは、熱伝導率がアルミナよりも高くしかも熱膨
張係数がシリコンに近似しているという優れた物理的特
性を備えている。よって、現時点においては、窒化アル
ミニウム製の多層基板を使用したパッケージが好適であ
ろうと考えられている。
しては、例えば窒化アルミニウム多層基板の下面側に接
続用端子としての多数のピンを備えた、いわゆるPGA
(ピングリッドアレイ)タイプのものなどが良く知られ
ている。そして、PGAタイプのパッケージは、マザー
ボードであるプリント配線板上のパッドにピンを介して
表面実装されるようになっている。
用したセラミックパッケージには、以下に述べるような
問題点があった。つまり、窒化アルミニウムの熱膨張係
数は4.5(×10-6/℃)前後であるため、熱膨張係
数が3.6(×10-6/℃)前後であるシリコンとの差
は比較的小さい。このため、窒化アルミニウム多層基板
とシリコンチップとの組合わせに関しては、両者間に特
に熱的不整合が生じるということはない。従って、窒化
アルミニウム多層基板−シリコンチップ間で抵抗増大が
みられたり、接続不良が起こるということもない。
ラスエポキシ等の樹脂は、一般的にセラミックスや金属
に比して熱膨張係数が数倍大きいという特徴を有する。
ゆえに、窒化アルミニウム多層基板とプリント配線板と
の組合せに関しては、両者間に熱的不整合が生じ易い。
このため、窒化アルミニウム多層基板−プリント配線板
間で抵抗増大がみられたり、接続不良が起こる確率が高
くなる。また、前記のような不具合は、例えばパッケー
ジが急激な温度変化に遭遇したときなどに顕著になるも
のと予測される。
化アルミニウム基板を使用したパッケージを実際に作製
しかつそのパッケージをプリント配線板に表面実装させ
た状態で、次のような実装信頼性試験を行った。
角、25mm角、30mm角、35mm角の4種類とした。ま
た、これらのパッケージを表面実装するためのプリント
配線板として、一般的に良く使用されているFR−4製
のプリント配線板を選択した。接続用端子としてのピン
には、コバール製のショートピン(長さ2mm,0.2mm
φ)を用いた。また、前記ピンの接合には共晶はんだ
(Pb:Sn=63:37)を用いた。そして、サー
マルサイクル試験(気相,−65℃〜150℃)とサ
ーマルショック試験(液相,−55℃〜125℃)とを
それぞれ1000サイクルずつ行い、所定のサイクル毎
に抵抗値を測定した。そして、抵抗変化率(%)を求
め、当初の抵抗値の10%増になった時点を「NG」と
判定した。なお、抵抗値の測定は、(a) パッケージの最
外周部に存在しているピン及び(b) そうでないピンの二
群に分けて行った。以下、説明の便宜上前者(a) を「外
周部のピン」、後者(b) を「中央部のピン」と呼ぶこと
にする。
たグラフである。これらのグラフから明らかなように、
外周部のピンに関しては、いずれの試験においても10
00サイクルを経過するまでにNGに到るという結果が
得られた。逆に中央部のピンに関しては、1000サイ
クルを経過した後でもNGに到らないという結果が得ら
れた。また、NGに到った外周部のピンの接続部分を観
察したところ、ピンとはんだとの界面付近にクラックが
発生したものが多くみられた。
を引き起こすメカニズムについて次のように推論した。
図8には、パッケージを窒化アルミニウム多層基板Sの
底面側から見た図が示されている。窒化アルミニウム多
層基板Sに突設されているピンのうち、ピンP1 ,P1a
がいわゆる外周部のピンであり、ピンP2 ,P2aがいわ
ゆる中央部のピンである。ここでピンP2aについて注目
すると、同ピンP2aの周囲には8本のピンが存在してい
ることがわかる。それに比べて、ピンP1 の周囲には5
本のピンのみが、ピンP1aの周囲には3本のピンのみが
存在しているに過ぎないことがわかる。従って、ピンに
熱応力が加わった場合、周囲に存在するピンの本数が少
ないものほど熱応力の分散度合いも小さくなることがわ
かる。
きい外周部のピンP1 ,P1a、特にコーナー部Cに位置
するピンP1aにクラックが多発するのであろう、という
結論に到ることになる。
,ピンP1aのような特定のピンに対して大きな熱応力
が加わらないように、何らかの対策を講じれば良いもの
と考えた。そして、本願発明者は、これまでに得た知見
を更に発展させることによって、以下に詳述する本発明
を完成させた。
ント配線板に対する実装信頼性に極めて優れた窒化アル
ミニウム多層基板を提供することにある。
めに、請求項1に記載の発明では、ガラスエポキシ樹脂
からなるプリント配線板上に、複数の接続用端子を介し
て表面実装される窒化アルミニウム多層基板において、
前記接続用端子は、窒化アルミニウム多層基板の最下層
に設けられたスルーホールに接合されてなり、前記窒化
アルミニウム多層基板のうち、接続用端子形成領域の外
側のコーナー部にコバール製のダミー接続用端子を設
け、該ダミー接続用端子は前記スルーホールに接合され
てなることを特徴とする窒化アルミニウム多層基板をそ
の要旨としている。
載の発明において、前記窒化アルミニウム多層基板に
は、LSIチップが搭載されてなる窒化アルミニウム多
層基板をその要旨としている。
基板が表面実装されたガラスエポキシ樹脂からなるプリ
ント配線板が高温に晒され熱応力が発生した時、接続用
端子形成領域の外側のコーナー部のダミー接続用コバー
ル端子側に熱応力を集中させることによって、電気的接
続に関与する接続用端子の破壊が回避される。
ム多層基板を用いたセラミックパッケージに具体化した
一実施例を図1〜図3に基づき詳細に説明する。
ージ1はPGAタイプのパッケージであり、主に窒化ア
ルミニウム多層基板2、封止用のリング3及びキャップ
4、並びにLSIチップ5等によって構成されている。
ウム多層基板2は、グリーンシートを積層したものをホ
ットプレス焼成してなる5層板である。窒化アルミニウ
ム多層基板2の内部には、タングステンペースト等の印
刷によって、表裏を貫通するスルーホール7a,7bや
配線パターン6が形成されている。窒化アルミニウム多
層基板2の上面には、5層の薄膜多層回路(L/S=2
0μm/20μm)8を備えるビルドアップ層9が形成
されている。ビルドアップ層9の上面中央部には、LS
Iチップ5が搭載されている。LSIチップ5とビルド
アップ層9の薄膜多層回路8とは、ボンディングワイヤ
11を介して電気的に接続されている。
ルーホール7aの径(0.8mmφ)は、それ以外の層の
スルーホール7bの径(0.2mmφ)よりも大きくなっ
ている。そして、この窒化アルミニウム多層基板2の場
合、このスルーホール7aの表面が接続用端子を取り付
けるためのパッドとして使用されている。なお、スルー
ホール7aの表面には予めNi−Auめっきが施されて
いる。
ルーホール7aの表面には、接続用端子としてのコバー
ル製のショートピン(長さ2mm,0.2mmφ)12,1
2aが接合されている。また、本実施例ではショートピ
ン12と最下層のスルーホール7aとの接合に、Au−
Cuろう材が用いられている。従って、これらのショー
トピン12,12aは、スルーホール7a,7b、薄膜
多層回路8及びボンディングワイヤ11を介してLSI
チップ5に電気的に接続された状態にある。なお、本実
施例では、ショートピン12,12aのピッチは1.2
7mmに設定されている。
2,12aが突設された領域の更に外周には、同ショー
トピン12,12aを包囲するようにダミーのショート
ピン13が突設されている。ここでいうダミーのショー
トピン13は、前記ショートピン12,12aとは異な
り、電気的な接続には特に関与していない。また、本実
施例では、ダミーのショートピン13として、電気的接
続に関与しているショートピン12と同一形状かつ同一
材質のものが使用されている。
搭載された窒化アルミニウム多層基板2の上面には、L
SIチップ5を湿気等から保護するためにコバール製の
封止用のリング3及びキャップ4が接合されている。そ
の結果、いわゆるフェースアップ型かつ略正方形状のパ
ッケージ1(本実施例では35mm角)が構成されてい
る。
はマザーボードであるプリント配線板(FR−4製)1
4上に実装される。プリント配線板14上の所定位置に
は、パッケージ1側のショートピン12,12a及びダ
ミーのショートピン13の突設位置に対応して接続用パ
ッド15が形成されている。そして、共晶はんだ(P
b:Sn=63:37)10によって、ショートピン1
2,12a及びダミーのショートピン13と接続用パッ
ド15とが接合されている。
熱応力の集中し易いショートピン、即ち外周部(特にコ
ーナー部C)に位置しているショートピン12aの周囲
をダミーのショートピン13が包囲したような構成とな
っている。従って、急激な温度変化に遭遇したときで
も、ダミーのショートピン13に熱応力を分散させるこ
とができる。よって、外周部に位置しているショートピ
ン12aの破壊を未然に回避することができる。また、
仮にダミーのショートピン13の一部に破壊が生じたと
しても、それ自身が電気的接続に何ら関与していないも
のであることから、重大な問題が生じるというようなこ
とはない。ゆえに、本発明の窒化アルミニウム多層基板
2を使用したパッケージ1は、プリント配線板14に対
する実装信頼性に極めて優れたものとなる。
信頼性試験を行ったところ、1000サイクルを経過し
た後でも外周部に位置しているショートピン12aがN
Gに到ることがない、という極めて好ましい結果が得ら
れた。
実施例によると、窒化アルミニウム多層基板2−プリン
ト配線板間14での抵抗増大や接続不良等といった不具
合は発生しないということがわかる。
ることはなく、以下のように変更することが可能であ
る。例えば、 (a)図4に示される別例1の窒化アルミニウム多層基
板20を使用したパッケージ21のように、ダミーのシ
ョートピン13をコーナー部Cのみに配設するという構
成にしても良い。このような構成であっても、少なくと
も熱応力が最も集中し易いコーナー部Cのショートピン
12aが保護されることになるという利点がある。ま
た、この構成を採用した場合、使用されるダミーのショ
ートピン13の本数が少なくて済むため、コスト的にも
安くなる。
ン13を、例えばショートピン12,12aが突設され
ている領域Rの内側に設けることとしても良い。即ち、
図4において二点鎖線で示されるような領域Rにダミー
のショートピンを設ければ、その近傍のショートピン1
2bに加わる熱応力を分散させることができるからであ
る。
ニウム多層基板22に使用するパッケージ23のよう
に、電気的接続に関与する接続用端子をバンプ24と
し、かつその周囲に電気的接続に関与しないダミーのバ
ンプ25としても良い。この場合、バンプの形成材料と
して、例えば高融点はんだ、銀ろう、タングステン等を
使用することが好適である。
と同様の作用効果が得られ、前記パッケージ23のプリ
ント配線板に対する実装信頼性を向上させることができ
る。 (d)図6に示される別例3の窒化アルミニウム多層基
板26に使用するパッケージ27のような構成としても
良い。
合、電気的接続に関与する接続用ピン28,28aのう
ち、最外周の接続用ピン28aがそれ以外の接続用ピン
28に比べて小径(0.15mmφ)なものとなってい
る。この構成であると、温度変化に遭遇したときでも、
熱応力の集中し易い最外周の接続用ピン28a自体が、
ある程度の熱応力を吸収してしまう。よって、接続用ピ
ン28aの破壊が未然に回避される。
くとも熱応力の集中し易い最外周の接続用ピン28a
を、熱応力の集中し難い接続用ピン28よりも軟質なも
のとしても良い。つまり、熱応力の集中し難い接続用ピ
ン28をコバール製としたときには、最外周の接続用ピ
ン28a用の材料として、例えば銅や金等のコバールよ
りも軟質な金属を選択すれば良い。また、これらの金属
ばかりでなく、例えば軟質の合金を選択することも可能
である。
用の金属としてコバール以外のものを選択した場合であ
っても、最外周の接続用ピン28aとして同金属よりも
軟質な別の金属を選択すれば良いということになる。
ニウム多層基板29を使用したパッケージ30のよう
に、接続用ピン31の全てを熱応力を吸収し得る形状に
することも好ましい。即ち、別例4のパッケージ30の
場合、接続用ピン31を熱応力を吸収し得る形状にする
ために、同接続用ピン31を小径(0.15mmφ)にし
ている。また、前記接続用ピン31の形状を変更するば
かりでなく、例えば接続用ピン31等の材料として軟質
な金属である銅等を用いることとしても良い。
のビルドアップ層9は特に必須というわけではなく、不
要な場合には構成から省略することも可能である。ま
た、窒化アルミニウム多層基板2の積層数は任意に変更
することが可能である。
付けするという接合方法に代え、例えば窒化アルミニウ
ム多層基板2側の凹部に接続用ピンを挿入するという接
続方法を採用しても良い。
窒化アルミニウム多層基板が表面実装されたガラスエポ
キシ樹脂からなるプリント配線板が高温に晒され熱応力
が発生した時、接続用端子形成領域の外側のコーナー部
のダミー接続用コバール端子側に熱応力を集中させるこ
とによって、電気的接続に関与する接続用端子の破壊が
回避されるため、マザーボードであるプリント配線板に
対する実装信頼性に極めて優れたものとなるという効果
を奏する。
パッケージを示す概略縦断面図である。
図である。
ント配線板に実装した状態を示す要部拡大断面図であ
る。
ジ)を示す底面図である。
ジ)を示す概略縦断面図である。
ジ)を示す概略縦断面図である。
ジ)を示す概略縦断面図である。
多層基板を示す一部破断底面図である。
験の結果を表したグラフである。
試験の結果を表したグラフである。
ージ、20…窒化アルミニウム多層基板、12,12a
…接続用端子としてのショートピン、13…ダミーの接
続用端子としてのダミーのショートピン、14…プリン
ト配線板。
Claims (2)
- 【請求項1】ガラスエポキシ樹脂からなるプリント配線
板上に、複数の接続用端子を介して表面実装される窒化
アルミニウム多層基板において、 前記接続用端子は、窒化アルミニウム多層基板の最下層
に設けられたスルーホールに接合されてなり、前記窒化
アルミニウム多層基板のうち、接続用端子形成領域の外
側のコーナー部にコバール製のダミー接続用端子を設
け、該ダミー接続用端子は前記スルーホールに接合され
てなることを特徴とする窒化アルミニウム多層基板。 - 【請求項2】前記窒化アルミニウム多層基板には、LS
Iチップが搭載されてなる請求項1に記載の窒化アルミ
ニウム多層基板。
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