JP3432217B2 - 無電極放電ランプおよび電球形無電極放電ランプ - Google Patents

無電極放電ランプおよび電球形無電極放電ランプ

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JP3432217B2 JP2001288797A JP2001288797A JP3432217B2 JP 3432217 B2 JP3432217 B2 JP 3432217B2 JP 2001288797 A JP2001288797 A JP 2001288797A JP 2001288797 A JP2001288797 A JP 2001288797A JP 3432217 B2 JP3432217 B2 JP 3432217B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無電極放電ランプ
に関し、特に、放電容器の内側にコイルが設けられた無
電極放電ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】放電ランプの中には、電極を持たない無
電極放電ランプがある。無電極放電ランプは、電極を持
たないことから、電極上の電子放出材料の枯渇によって
寿命末期を迎える有電極放電ランプに比べて、長寿命で
あるという特長を有している。無電極放電ランプは、次
のような動作によって、紫外域もしくは可視域での発光
を呈する。すなわち、例えば50kHzから50MHz
の高周波交流磁界をコイルにより発生させ、その高周波
交流磁界により生じる誘導電界によって、発光管(バル
ブ)内に封入された希ガス、水銀、金属ハロゲン化物等
の発光ガスを励起する。この発光ガスの励起によって、
紫外域ないし可視域の発光が得られる。なお、紫外域の
発光は、蛍光体によって可視域の発光へと変換すること
ができる。
【0003】図16(a)、(b)は、従来の無電極放
電ランプの構成を模式的に示している。図16(a)
は、コア1106の中心軸を含む断面図であり、図16
(b)は、図16(a)のX−X'に沿った断面図であ
る。
【0004】図16を参照しながら、従来の無電極放電
ランプの構造および動作を説明する。この従来の無電極
放電ランプは、コイル周辺に発生する高周波交流磁界で
点灯維持するランプであり、そして、口金1101が一
体構成された電球形無電極放電ランプである。
【0005】図16に示した無電極放電ランプは、口金
1101と、電源部1102内部に配置された電源(図
示せず)と、凹入部1105が設けられた透光性の発光
管(バルブ)1104とを有している。凹入部1105
には、円柱状コア1106に巻線103を巻き付けたコ
イルが挿入されている。口金1101と、電源部110
2内の電源とは互いに電気的に接続されており、そし
て、電源と巻線1103とも互いに電気的に接続されて
いる。なお、図16(a)では、図面の見やすさのため
に、コア1106の中心軸周辺および磁力線(点線)に
ついて断面構成を示し、口金1101、電源部110
2、発光管1104については、外観を示している。
【0006】口金1101を介して、電源部1102内
の電源(図示せず)に商用交流電力を供給すると、電源
部1102は、商用交流電力を高周波交流電力に変換
し、巻線1103に供給する。高周波交流電力の供給を
受けた巻線1103は、コイル近傍の空間に、磁力線ο
で示したような高周波交流磁界を形成する。高周波交流
磁界が形成されると、当該高周波交流磁界に直交するよ
うに誘導電界が生じ、それによって、発光管1104の
内部の発光ガスが励起発光する。その結果、紫外域また
は可視域の発光が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図16
に示した従来の無電極放電ランプの構成には、次のよう
な問題がある。すなわち、当該従来の構成では、磁力線
οで示したようにコイルから放射される高周波交流磁界
が発光管1104の外部に漏れてしまうため、発光管1
104の内部の磁界が減少し、その結果、当該磁界によ
って形成される誘導電界が減少し、ランプが始動し難く
なる。特に、周囲温度が低い場合には、ランプの始動性
の悪さが顕著になる。
【0008】本発明はかかる観点に鑑みてなされたもの
であり、その主な目的は、始動性を改善した無電極放電
ランプを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による無電極放電
ランプは、発光物質が封入された透光性の放電容器と、
前記発光物質を放電させる交流磁界を発生するコイル
と、前記コイルに交流電流を供給する電源とを備え、前
記コイルは、前記放電容器の近傍に設けられたコアと巻
線とから構成されており、さらに、前記コイルにより発
生する前記交流磁界の強度が前記放電容器内で高まる箇
所を発生させて、ランプの始動性を向上させる、ソフト
磁性材料を含む高透磁率部材を備え、前記高透磁率部材
は、前記放電容器内部の前記交流磁界を前記コアの中心
軸に直交する断面で不均一な分布となるような構成を有
している
【0010】ある好適な実施形態において、前記コイル
は、前記放電容器に設けられた凹入部に挿入されてい
る。
【0011】ある好適な実施形態において、前記放電容
器の内面に塗布された蛍光体をさらに備える。
【0012】ある好適な実施形態において、前記発光物
質は、水銀および希ガスを含む。
【0013】
【0014】ある好適な実施形態において、前記高透磁
率部材は、前記放電容器内に設けられている。
【0015】ある好適な実施形態において、前記高透磁
率部材は、前記放電容器の表面に設けられた磁性薄膜で
ある。
【0016】ある好適な実施形態において、前記高透磁
率部材は、板状であり、且つ、前記電源と前記放電容器
との間に挿入されている。
【0017】ある好適な実施形態において、前記板状の
高透磁率部材は、前記コアの中心軸を基準にして対称形
状とはならない、非対称形状を有している。
【0018】ある好適な実施形態において、前記板状の
高透磁率部材は、円板形状を有している。
【0019】ある好適な実施形態において、前記円板形
状の高透磁率部材における円の中心点は、前記コアの中
心軸以外に位置している。
【0020】ある好適な実施形態において、前記高透磁
率部材は、前記電源側に位置する前記放電容器の底面お
よび当該底面に接する側面の一部を囲むようなU字形の
断面形状を有している。
【0021】ある好適な実施形態において、前記高透磁
率部材は、少なくとも1つの凸部、凹部または切り欠き
部を有する。
【0022】
【0023】本発明による他の無電極放電ランプは、発
光物質が封入された透光性の放電容器と、前記発光物質
を放電させる交流磁界を発生するコイルと、前記コイル
に交流電流を供給する電源とを備え、前記コイルは、前
記放電容器の近傍に設けられたコアと巻線とから構成さ
れており、さらに、前記コイルにより発生する前記交流
磁界の強度が前記放電容器内で高まる箇所を発生させ
て、ランプの始動性を向上させる始動性向上手段を備
え、前記始動性向上手段は、前記コアの中心軸に沿った
コアの断面の面積を異なるようにした前記コイルによっ
て構成されている。
【0024】本発明による更に他の無電極放電ランプ
は、発光物質が封入された透光性の放電容器と、前記発
光物質を放電させる交流磁界を発生するコイルと、前記
コイルに交流電流を供給する電源とを備え、前記コイル
は、前記放電容器の近傍に設けられたコアと巻線とから
構成されており、さらに、前記コイルにより発生する前
記交流磁界の強度が前記放電容器内で高まる箇所を発生
させて、ランプの始動性を向上させる始動性向上手段を
備え、前記始動性向上手段は、透磁率の異なる二種以上
の磁性材料からなる前記コアを備えた前記コイルによっ
て構成されている。
【0025】ある好適な実施形態において、本発明の無
電極放電ランプは、前記電源に電気的に接続された口金
をさらに備えた、電球形無電極放電ランプとして構成さ
れている。
【0026】
【0027】本発明による更に他の無電極放電ランプ
は、管内に発光物質が充填され、透光性材料からなる発
光管と、前記発光管近傍に配置されたコアと巻線とを有
するコイルと、前記巻線に高周波交流電力を供給する電
源とを備えた無電極放電ランプであって、前記無電極放
電ランプは、前記コイルが形成する高周波交流磁界によ
って、前記発光管内部での放電が生じる構成を有し、し
かも、前記発光管内部の前記高周波交流磁界が、前記コ
アの中心軸を有する断面で前記電源に対向する方向へ偏
った分布となるような構成を有している。
【0028】ある好適な実施形態では、ソフト磁性材料
を含む磁性部材が、前記コアの近傍または前記コアと一
体となって設けられている。
【0029】
【0030】
【0031】
【本発明の実施の形態】本願発明者は、無電極放電ラン
プの始動性の悪さを改善すべく研究・実験を行っていた
ところ、コイルによって形成される磁界の空間的広がり
をおさえ、放電空間の一部に磁界を集中させて電界強度
の強い部分を設ければ、比較的簡便に、始動性を改善で
きることを見出し、本発明に至った。
【0032】以下、図面を参照しながら、本発明による
実施の形態を説明する。以下の図面においては、説明の
簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を
同一の参照符号で示す。なお、本発明は以下の実施形態
に限定されない。 (実施形態1)図1から図3を参照しながら、本発明に
よる実施形態1にかかる無電極放電ランプを説明する。
【0033】まず、図1を参照する。図1(a)および
(b)は、本実施形態の無電極放電ランプの構成を模式
的に示している。図1(a)は、円柱状コア106の中
心軸を含む断面図であり、そして、図1(b)は、図1
(a)中のX−X’線に沿った断面図である。
【0034】図1に示した無電極放電ランプは、発光物
質が封入された透光性の放電容器(バルブ)104と、
コア(106)と巻線(103)とから構成された誘導
コイルと、当該誘導コイルに交流電流を供給する電源
(不図示)を内部に収容する電源部102とを有してい
る。なお、電源部102を単に電源と呼び、そして、誘
導コイル(106,103)を単にコイルと呼ぶことも
ある。電源部102の下部には、口金101が取り付け
られており、電源部102内の電源と口金101とは電
気的に接続されている。つまり、この無電極放電ランプ
は、口金101を介して、電源に商用交流電力を供給す
ることができる電球形無電極放電ランプである。なお、
図1(a)では、図面の見やすさのために、コア106
の中心軸周辺および磁力線(点線)について断面構成を
示し、口金101、電源部102、放電容器104につ
いては、外観を示している。
【0035】放電容器104は、内部に発光物質(例え
ば、水銀および希ガスを含む発光ガス)を含む発光管で
あり、放電容器104の内表面には、蛍光体が塗布され
てなる蛍光体膜(不図示)が形成されている。本実施形
態では、内容積100〜2500cm3の放電容器10
4の中に、1〜10mgの水銀(または、水銀蒸気もし
くはアマルガム)と、10〜350Paのアルゴンガス
とが含まれている。放電容器104のうち、電源部10
2側の一部には、コイル(106,103)を配置する
ための凹入部(キャビティ)105が設けられており、
この凹入部105内に、円柱状コア106が挿入されて
いる。つまり、コイル(106,103)は、凹入部1
05内に挿入されて、放電容器104の近傍に配置され
ている。なお、コア106は、円筒状のものを用いても
よい。
【0036】コア106は、例えば、Mn―Zn系フェ
ライトから構成されたものであり、コア106の外周に
巻線103が巻かれている。巻線103は、電源部10
2内の電源に電気的に接続されており、具体的には、電
源部102の出力端に結線されている。なお、コア10
6は、放熱性を高めるために、当該電源を収納するため
の電源部102のケースに熱的に接続されていることが
好ましい。
【0037】本実施形態の無電極放電ランプは、コイル
(106,103)により発生する交流磁界の強度が放
電容器104内で高まる箇所(交流磁界の分布が密にな
る部分)を発生させて、ランプの始動性を向上させる手
段(107)を有している。本実施形態では、この手段
(107)を始動性向上手段と呼ぶ場合がある。
【0038】図1に示した構成においては、始動性向上
手段(107)は、コア106の近傍に設けられた高透
磁率部材(107)よって構成されている。高透磁率部
材107は、例えば、ソフト磁性材料を含む部材であ
る。ソフト磁性材料は、外部からかけた磁界に応じて磁
化がその方向に向きを変える性質を有しており、透磁率
が大きいという特徴を持っている。ソフト磁性材料とし
ては、ソフトフェライト(例えば、スピネル型フェライ
ト)が挙げられる。本実施形態の高透磁率部材107
は、ソフトフェライトからなる磁性部材であり、高透磁
率部材107を構成するソフトフェライトの比透磁率
は、1000以上(例えば、1000〜5000程度)
であることが好ましい。ソフトフェライトとしては、例
えば、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライ
トなどが挙げられる。高透磁率部材(始動性向上手段)
107は、支持棒108を介して放電容器104の放電
空間内に設けられている。支持棒108の材質は、特に
限定されず、金属、セラミック、プラスチック等を用い
ることができる。
【0039】続いて、本実施形態の無電極放電ランプの
動作を説明する。口金101を介して、電源部102に
商用交流電力が供給されると、電源部102は、商用交
流電力を高周波交流電力に変換して、巻線103に供給
する。電源部102が供給する交流電流の周波数は、例
えば、50〜500kHzであり、そして、供給する電
力は、例えば、5〜200Wである。巻線103が当該
高周波交流電力の供給を受けると、コイル(106,1
03)は、その近傍の空間に高周波交流磁界を形成す
る。すると、当該高周波交流磁界に直交するように誘導
電界が生じ、放電容器104の内部の発光ガスが励起発
光し、その結果、紫外域もしくは可視域の発光が得られ
る。紫外域の発光は、放電容器104の内壁に形成され
た蛍光体膜によって、可視域の発光(可視光)に変換さ
れる。なお、蛍光体膜を形成せずに、紫外域の発光(ま
たは、可視域の発光)をそのまま利用するランプを構成
することも可能である。紫外域の発光は、主として、水
銀から生じる。詳述すると、放電容器104に近接させ
たコイル(106,103)に高周波電流を流した場
合、電磁誘導による磁力線αによって形成された磁界に
より、放電容器104内の水銀原子と電子との衝突が起
き、それにより、励起した水銀原子から紫外線が得られ
る。
【0040】ここで、電源部102が供給する交流電流
の周波数について説明する。本実施形態において、電源
部102が供給する交流電流の周波数は、実用的に一般
的に使用されているISM帯の13.56MHzまたは
数MHzと比べると、1MHz以下(例えば、50〜5
00kHz)の比較的低い周波数の領域である。この低
周波数領域の周波数を使用する理由を述べると、次のよ
うである。まず、13.56MHzまたは数MHzのよ
うな比較的高い周波数領域で動作させる場合、電源部1
02内の高周波電源回路から発生するラインノイズを抑
制するためのノイズフィルタが大型となり、高周波電源
回路(または、電源部102)の体積が大きくなってし
まう。また、ランプから放射または伝播されるノイズが
高周波ノイズの場合、高周波ノイズには非常に厳しい規
制が法令にて設けられているため、その規制をクリアー
するには、高価なシールドを設けて使用する必要があ
り、コストダウンを図る上で大きな障害となる。一方、
1MHz〜50kHz程度の周波数領域で動作させる場
合には、高周波電源回路を構成する部材として、一般電
子機器用の電子部品として使用されている安価な汎用品
を使用することができるとともに、寸法の小さい部材を
使用することが可能となるため、コストダウンおよび小
型化を図ることができ、利点が大きい。ただし、本実施
形態の無電極放電ランプは、1MHz以下の動作に限ら
ず、13.56MHzまたは数MHz等の周波数の領域
においても動作させ得るものである。
【0041】本実施形態の無電極放電ランプでは、コア
106(または、コイル)の近傍に高透磁率部材107
が設けられているので、高周波交流磁界は、選択的に高
透磁率部材107を透過することになる。言い換える
と、高周波交流磁界は、透磁率の高い物質中を選択的に
通過するので、図1中の磁力線αで示したように、コイ
ル(106,103)により形成される高周波交流磁界
は、高透磁率部材107中を選択的に通過し、高透磁率
部材107近傍で密になる。その結果、当該高周波交流
磁界と直交するように発生する誘導電界も、高透磁率部
材107近傍で強くなるため、この局部的に強くなった
電界の作用により、アルゴンガスおよび水銀は容易に励
起され、放電が発生しやすくなる。すなわち、図16に
示した高透磁率部材107の無い従来の構成よりも、図
1に示した構成の方が容易に放電を生じさせることがで
き、このことは、始動性が向上することを意味する。
【0042】さらに詳細に述べると、図16に示した構
成における磁力線οは、空間的に広がりを持っていたの
に対し、図1に示した構成では、高透磁率部材107が
あるがゆえに、磁力線οよりも磁力線αの曲率の方が小
さくなり、磁力線αの空間的に広がりは抑えられ、さら
に、磁力線αの分布を放電容器104内で局部的に集中
させることができる。放電容器104内で一箇所でも容
易に放電を起こすことができるのであれば、当該箇所の
放電がいわゆる種火となって、放電容器104内の全体
の放電をスムーズに起こすことができる。したがって、
高透磁率部材107によって、始動性の改善が図られる
ことになる。つまり、高透磁率部材107を設けるとい
う比較的簡便な構成によって、無電極放電ランプの始動
性を向上させることができる。
【0043】図1に示した構成では、支持棒108によ
り高透磁率部材107をコイル(106,103)の近
傍に設けたが、支持棒108を用いない構成にしてもよ
い。図2(a)および(b)は、本実施形態の無電極放
電ランプの改変例を模式的に示しており、この構成で
は、支持棒108を用いていない。
【0044】図2に示した無電極放電ランプでは、二つ
の略半円形発光管204aおよび204bで作られる凹
入部205に、高透磁率部材107が配置されている。
なお、この構成において、二つの略半円形発光管204
aおよび204bの間に、両者の放電空間を連結させる
ための開口部を設けるようにしてもよい。
【0045】図1に示した構成と同様に、図2に示した
構成でも、磁界は選択的に透磁率の高い物質(高透磁率
部材107)中を通過するので、磁力線βで示したよう
に、高透磁率部材107近傍で磁界が密になり、すなわ
ち、局所的に磁界の強度が高くなり、その結果、無電極
放電ランプの始動性を向上させることができる。
【0046】図2に示した構成は、図1に示した構成に
比べて、支持棒108が無いので、放電容器104の製
造プロセスが簡便となるという利点が得られる。加え
て、高透磁率部材107および支持棒108が、放電容
器104の放電空間内に設けられていると、発光ガスの
イオン衝突によって性能が劣化するおそれがあるが、図
2に示した構成では、放電容器104の外部に高透磁率
部材107が配置されているので、そのような劣化も抑
えることができる。
【0047】図1および図2に示した構成においては、
高透磁率部材107として、直方体や円柱状のフェライ
ト部材を用いたが、図3に示すように、ソフトフェライ
トからなる磁性薄膜307を用いることもできる。磁性
薄膜307は、例えば、放電容器104の表面に設ける
ことができる。同図に示した構成では、放電容器104
の内壁に磁性薄膜307を形成したが、外壁に形成して
もよい。
【0048】図3に示した構成でも、磁界は選択的に透
磁率の高い物質(磁性薄膜307)中を通過するので、
放電容器104表面に形成した磁性薄膜307によっ
て、磁力線γで示したように、磁界の広がりを専ら発光
管104の内部に抑えることができる。その結果、局所
的に磁界の強度を高くすることができ、始動性を向上さ
せることができる。本構成では、高透磁率部材として薄
膜を用いているので、軽量化できる効果が大きい。ま
た、図1に示した構成における支持棒108を設ける必
要もない。
【0049】図1から図3に示した構成においては、放
電容器104の内部または表面に、高透磁率部材107
(または磁性薄膜307)を左右対称に2箇所設けた
が、これに限定されない。非対称に設けてもよいし、放
電容器104の表面全体に形成してもよい。また、1箇
所または3箇所以上に設けてもよい。このように改変し
た構成でも、高透磁率部材107の無い従来の構成(図
16参照)の場合では、比較的均一に広がりを持ってい
た磁界を、コア106の中心軸に直交する断面で不均一
な分布にすること(特に、磁界の強度を局所的に高くす
ること)ができる。 (実施形態2)図4から図9を参照しながら、本発明に
よる実施形態2にかかる無電極放電ランプを説明する。
【0050】まず、図4を参照する。図4(a)および
(b)は、本実施形態の無電極放電ランプの構成を模式
的に示しており、図4(a)は、コア106の中心軸を
含む断面図であり、そして、図4(b)は、図4(a)
中のX−X’線に沿った断面図である。なお、図1
(a)と同様に、図4(a)および他の同様の構成の図
面においても、図面の見やすさのために、コア106の
中心軸周辺および磁力線(点線)について断面構成を示
し、口金101、電源部102、放電容器104につい
ては、外観を示している。
【0051】本実施形態の無電極放電ランプは、電源部
102と放電容器104との間に板状の高透磁率部材4
07が挿入されている点において、上記実施形態1のも
のと異なる。他の点は、基本的に上記実施形態1の構成
と同様である。本実施形態および後述の実施形態の説明
を簡潔にするために、以下では、実施形態1と異なる点
を主に説明し、実施形態1と同様の点の説明は省略また
は簡略化することとする。
【0052】図4に示した構成では、円板状の高透磁率
部材(以下、「円板状磁性材料」と呼ぶ)407が、円
柱状コア106の下部に配置されており、円柱状コア1
06の中心軸と円板状磁性材料407との中心軸は互い
に同一軸になるようにされている。円板状磁性材料40
7は、ソフトフェライトから構成されており、円板状磁
性材料407の直径および厚さは、それぞれ、10〜2
00mm、および0.5〜10mmである。コア106
の直径および高さは、それぞれ、5〜50mm、および
25〜200mmである。
【0053】本実施形態の無電極放電ランプの場合、磁
力線δで示したように、円柱状コア106の下部から放
射されていた磁界は、円板状磁性材料407の内部を通
って、円板状磁性材料407の端部から放射される。し
たがって、磁界の広がりが抑えられ、発光管104の内
部の磁力線δが密になる。磁力線δが密になる結果、磁
界の強度が局所的に高められ、それにより、ランプの始
動性が向上する。
【0054】図4に示した構成の無電極放電ランプの始
動性を本願発明者が実験により調べた結果、周囲温度0
℃での始動時間が、従来技術のものと比較して半分以下
に短縮することがわかった。実験の内容を詳述すると、
次のようである。
【0055】従来の構成については、無電極放電ランプ
の放電容器、コイルコアおよび電源(点灯回路)を0℃
の恒温槽中に12時間放置した後、低温暗所にて90V
で始動を行ったところ、点灯所要時間は、13秒または
15秒であった。一方、図4に示した構成については、
無電極放電ランプの放電容器(104)、コイル(10
6,103)および電源102(点灯回路)を0℃の恒
温槽中に24時間放置した後、低温暗所にて90Vで始
動を行ったところ、点灯所要時間は、8秒または4秒で
あった。つまり、格段に始動性を改善できることがわか
った。実験に使用した無電極放電ランプの条件をさらに
示すと、放電容器104の内容積は、170cm3で、
封入物質の水銀量は4mgであり、アルゴンの封入圧力
は、240Paである。また、コイル(106,10
3)は、直径14mm、長さ55mmの構成を有してお
り、コア106に巻線103が66回巻かれている。電
源102が供給する交流電流の周波数は、85kHzで
ある。
【0056】本実施形態の構成では、図1に示した構成
と異なり、放電容器104内部に高透磁率部材を配置し
ないので、図1に示した構成と比べて、外部に取り出せ
る光束を増やすことができ、その結果、ランプ効率を高
くすることができるという利点もある。
【0057】図4に示した構成を改変して、図5に示す
ようにしてもよい。図5に示した構成は、円板状磁性材
料407の表面に凸部507を設けたものである。図5
に示した構成においては、磁界は凸部507の内部を通
過するようになるので、磁界は、磁力線εで示したよう
に放電容器104の一部に集中し、その結果、始動性が
さらに向上する。
【0058】また、円板状磁性材料407の主面の形状
は、円形であるが、それに限らず、楕円形のものや、三
角形、四角形、五角形や六角形のような形状を有する板
状の磁性材料を用いることができる。さらに、板状の磁
性材料として、コア106の中心軸を基準にして対称形
状とはならないもの、つまり、非対称形状を有する板状
の磁性材料を用いることもできる。
【0059】図6および図7は、非対称形状を有する板
状の磁性材料(それぞれ、607および707)が円柱
状コア106の下部に配置された無電極放電ランプを示
している。板状磁性材料607、707とも、その端面
までの距離が一定となるような中心点を持たない形状を
有している。図6に示した板状磁性材料607は、円形
形状の外周側面に凸部が設けられた形状をしており、一
方、図7に示した板状磁性材料707は、円形形状の外
周側面に凹部(または、切り欠き部)が設けられた形状
をしている。
【0060】図6および図7に示した構成では、円柱状
コア106の下部から放射されていた磁界が、それぞ
れ、板状磁性材料607、707の内部を通って、板状
磁性材料607、707の端部から放射されるようにな
る。それゆえ、磁力線ζ、ηで示したように、円柱状コ
ア106の中心軸に直交する断面内で、磁界の分布が不
均一になる。言い換えると、磁界の強度が局部的に高く
なる箇所が生じる。そして、放電容器104の内部また
は一部で磁界が集中する結果、始動性が向上することに
なる。なお、放電容器104のX―X'における断面形
状が円形以外の形状の場合でも、電容器104の断面形
状に応じて、板状磁性材料607、707の形状を変え
ることにより、始動性を向上させることができる。
【0061】また、円板状磁性材料407を用いた場合
において、図8に示すように、円の中心点が、円柱状コ
ア106の中心軸と同一軸にならないように、円柱状コ
ア106の下部に円板状磁性材料407を配置すること
もできる。このようにした場合、円柱状コア106から
放出された磁界は、円板状磁性材料407内部を通過す
るので、磁界は、磁力線θで示したように、円板状磁性
材料407の存在する方向のみで密になり、その結果、
始動性を向上させることができる。この構成では、図4
に示した円板状磁性材料407よりも小型のものを使用
することができるので、装置の軽量化、低コスト化に有
利となる。
【0062】さらに、図9に示すように、図8に示した
円板状磁性材料407の表面に凸部507を設けた構成
にすることもできる。この構成の場合、磁界は、凸部5
07の内部を通過するようになるので、磁力線ιで示し
たように発光管104の一部で密になる。その結果、ラ
ンプの始動性は、格段に向上した。
【0063】なお、本実施形態では、円板状磁性材料4
07の表面に凸部507を設けたが、円柱状コア106
に設けてもよい。また、円板状磁性材料407に設けら
れた凸部507を四角柱としたが、これに限定されず、
例えば、円柱、円錐、円錐台、多角柱、多角錐、多角錐
台、半球などのものも使用することができる。そして、
個数は、一個に限らず、複数個設けても良い。 (実施形態3)図10を参照しながら、本発明による実
施形態3にかかる無電極放電ランプを説明する。図10
(a)および(b)は、本実施形態の無電極放電ランプ
の構成を模式的に示しており、図10(a)は、コア1
06の中心軸を含む断面図であり、そして、図10
(b)は、図10(a)中のX−X’線に沿った断面図
である。
【0064】本実施形態の無電極放電ランプは、電源1
02側に位置する放電容器104の底面および側面の下
部を囲む高透磁率部材1007を有する点が、板状の高
透磁率部材407を有する上記実施形態2のものと異な
る。他の点は、基本的に上記実施形態2の構成と同様で
あるので、実施形態2と同様の点の説明は省略または簡
略化する。
【0065】本実施形態における高透磁率部材1007
はU字形の断面形状を有している。図10に示した構成
では、高透磁率部材1007は、底部を備えた円筒形状
を有している。換言すると、高透磁率部材1007は、
いわゆる「有底円筒形」の磁性材料である。有底円筒形
磁性材料1007の断面は、凹形形状であるとも言え
る。なお、本構成では、円板状の底部の中心軸上に、円
柱状コア106が配置されている。
【0066】図10に示した構成では、円柱状コア10
6の下部から放射された磁界は、有底円筒形磁性材料1
007の内部を通過するので、磁力線κで示したような
磁界が形成される。その結果、本実施形態では、磁束の
ほとんど全てを発光管104内部に収束させることがで
き、それゆえ、始動性を格段に向上させることができ
る。 (実施形態4)図11を参照しながら、本発明による実
施形態4にかかる無電極放電ランプを説明する。図11
は、本実施形態の無電極放電ランプの構成を模式的に示
しており、コア106の中心軸を含む断面図である。
【0067】本実施形態の無電極放電ランプでは、コア
106に巻かれる巻線103の巻きを電源102の側で
は粗にし、且つ、電源側102とは反対の側(上方側、
または放電容器104側)では密にしたコイルによっ
て、始動性向上のための手段を構成している。なお、巻
線103の巻き密度を電源部102側を粗に、反電源部
側を密にとなるように、巻線103を巻き付けた以外の
構成は、図16に示した構成と基本的に同じである。
【0068】環状になった線に電流を流した時に、巻線
が囲む断面積を通過する磁界は巻き数に比例し、断面積
に反比例することは一般的に知られていることであるの
で、本実施形態では、図11中の磁力線λで示したよう
に、磁界は、反電源側の放電容器104の内部で密にな
る。その結果、その密になった箇所で強い誘導電界が生
じ、アルゴンガスと水銀が容易に励起され、それによ
り、始動性が向上する。 (実施形態5)図12を参照しながら、本発明による実
施形態5にかかる無電極放電ランプを説明する。図12
は、本実施形態の無電極放電ランプの構成を模式的に示
しており、コア1206の中心軸を含む断面図である。
【0069】本実施形態の無電極放電ランプは、上記実
施形態4のものと異なり、コアの中心軸に沿ったコアの
断面の面積を異なるようにした、円錐台形状のコア12
06を用いて、始動性向上のための手段を構築してい
る。つまり、コア1206が、その中心軸に直交する断
面で異なる断面積を有し、当該コア1206を含むコイ
ルによって始動性向上手段が構成されている。
【0070】巻線が囲む断面積を通過する磁界は、断面
積に反比例することから、本実施形態においても、上記
実施形態4と同様に、反電源部102側(上部側)の放
電容器104の内部では、磁力線μで示したように密に
なり、その結果、始動性が向上する。
【0071】実施形態4および5の構成は、それぞれ、
巻線の巻き密度を変えるだけ、コアの形状を変えるだけ
で、ランプの始動性を向上させることができる。したが
って、部品点数を増やさなくてよいし、ランプ製造工程
上の変更もいらないというメリットがある。また、上記
実施形態1および3と比べると、磁性材料をランプの発
光取り出し方向に設けないので、バルブ104外への光
の取り出し効率も良くなる。 (実施形態6)図13を参照しながら、本発明による実
施形態6にかかる無電極放電ランプを説明する。図13
(a)および(b)は、本実施形態の無電極放電ランプ
の構成を模式的に示しており、図13(a)は、コアの
中心軸を含む断面図であり、そして、図13(b)は、
図13(a)中のX−X’線に沿った断面図である。
【0072】本実施形態の無電極放電ランプでは、透磁
率(または磁化率)の異なる二種以上の磁性材料からな
るコアを備えたコイルによって、始動性向上手段を構成
している。図13に示したコアは、半円柱形コア130
6と、半円柱形コア1307とからなり、そして、半円
柱形コア1306の透磁率μAと、半円柱形コア130
7の透磁率μBとの関係は、μA>μBとなっている。
このコア1306、1307を含む円柱形のコアは、凹
入部105に挿入されている。
【0073】図13に示した構成において、半円柱形コ
ア1306と半円柱形コア1307の巻線中の断面積と
巻き数が同じであれば、透磁率の大きい磁性材料近傍で
磁界は強く発生する。したがって、磁力線νで示したよ
うに、放電容器104の内部の半円柱形コア1306近
傍で密になり、始動性が向上する。
【0074】また、図14に示すように、透磁率の異な
る二種以上の磁性材料(1306,1307)を上下方
向に積層した構成でも、透磁率の大きい磁性材料近傍で
磁界は強く発生するので、始動性を向上させることがで
きる。なお、図14においては、磁力線を示す点線を省
略している。
【0075】なお、上記実施形態1から4では、コアと
して円柱状コア106を用い、そして、実施形態5で
は、円錐台形コア1206を用い、実施形態6では、半
円柱形コア1306、1307(または、円柱形コア1
306、1307)を用いたが、コア形状は、円筒形で
もよい。つまり、コアは、その内部に貫通する穴を持っ
ていてもよい。または、コアの形状は、円柱、円錐、円
錐台、多角柱、多角錐、多角錐台、半球のいずれかでも
よい。
【0076】さらに、上記実施形態1から6では、コア
を一個だけ用いたが、コアの個数は一個に限定されず、
コアを複数個を配置してもよい。また、上記実施形態1
から6では、1個または2個の高透磁率部材(磁性材
料)を、コイル近傍に配置したが、高透磁率部材(磁性
材料)の個数は、所望の特性を得るために適宜決定すれ
ばよく、すなわち、3個以上にしてもよい。そして、高
透磁率部材(磁性材料)の形状も、円柱、円錐、円錐
台、多角柱、多角錐、多角錐台、半球のいずれでもよ
い。
【0077】加えて、上記実施形態1から6では、発光
ガスとしてアルゴン、水銀を封入したが、これに限定さ
れない。希ガスとしては、キセノン、アルゴン、クリプ
トン、ネオンおよびヘリウムならびにこれらの混合物を
用いることができる。さらに、発光ガスとして、実質的
に水銀だけのものや、水銀が実質的に存在しない希ガス
だけのものを用いることも可能である。さらに、これら
の発光ガスの構成に、金属ハロゲン化物を追加すること
も可能である。つまり、特定の放電ガスの使用を排除す
るものではない。
【0078】そして、上記実施形態1から6では、Mn
−Zn系フェライト製のコアを用いたが、他の材質から
なるコアを用いてもよい。さらに、上述した高透磁率部
材(磁性材料)の材質について限定されるように解釈さ
れない。また、上記実施形態1から6では、放電容器1
04に蛍光体を塗布したが、蛍光体を塗布しなくても、
始動性改善の効果を得ることができる。
【0079】なお、上記実施形態1から6では、高周波
交流電力を巻線に供給する電源部102がバルブ104
とコイルと一体化された電球形無電極放電ランプを示し
たが、電源部102を分離しても、始動性改善の効果を
得ることができる。そして、上記実施形態1から6で
は、凹入部105を持つ放電容器104を用いた構成を
示したが、放電容器の近傍にコイルを配置できれば、放
電容器はどのような形状でもよい。例えば、図15に示
すような円筒状の形状をした放電容器1504を用いる
こともできる。図15に示した構成の場合でも、上記実
施形態2と同様の原理により、磁力線ξのように放電容
器104の内部で密になり、その結果、始動性が向上す
る。
【0080】また、上記実施形態1から6の特徴を各々
組み合わせることも可能である。例えば、図10に示し
た部材1007に、図5から図7に示した凸部(507
等)や凹部を設けることも可能であるし、実施形態4か
ら6のコイルと、実施形態1から3の高透磁率部材とを
組み合わせることも可能である。
【0081】以上説明したように、本発明による実施形
態の無電極放電ランプによれば、コアと巻線とから構成
されるコイルを放電容器近傍に配置し、コイルに高周波
電力を供給することで発生する高周波磁界により、発光
ガスを放電させる原理のランプにおいて問題であった始
動性の悪さ(特に、低温時の始動性)を解決することが
できる。すなわち、高透磁率部材をコアの近傍に配置し
たり、巻線密度に粗密をつけたりすること等によって、
コアの中心軸に直交する断面で不均一な分布を有するよ
うな構成にするか、または、高周波交流磁界の分布がコ
アの中心軸を有する断面で電源に対向する方向に偏って
分布を有するような構成にし、それにより、放電空間の
一部に電界強度の強い部分を設けることができ、その結
果、ランプの始動性を向上させることができる。
【0082】
【発明の効果】本発明の無電極放電ランプによれば、コ
イルにより発生する交流磁界の強度が放電容器内で高ま
る箇所を発生させて、ランプの始動性を向上させる始動
性向上手段を備えているので、始動性を改善することが
できる。特に、低温時での始動性の悪さが改善されるの
で、低温の環境下でも効果的に使用できる無電極放電ラ
ンプを提供することができる。本発明の無電極放電ラン
プが、電球形無電極放電ランプとして構成されている場
合には、口金を用いて、商用交流電力を電源に供給する
ことができるので、取り扱いが便利なランプを提供する
ことができる。
【0083】始動性向上手段は、例えば、ソフト磁性材
料を含む高透磁率部材を、コアの近傍に設けられること
によって構成することができる。また、始動性向上手段
は、コアに巻かれる巻線の巻きを、電源の側では粗に
し、且つ、電源側とは反対の側では密にしたコイルによ
って構成することもできる。さらに、始動性向上手段
は、コアの中心軸に沿ったコアの断面の面積を異なるよ
うにした前記コイルによって構成することもできるし、
そして、透磁率の異なる二種以上の磁性材料からなるコ
アを備えたコイルによっても構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明による実施形態1にかかる無
電極放電ランプの構成を円柱状コアの中心軸に沿って示
す断面図である。(b)は、その無電極放電ランプの構
成を、円柱状コアの中心軸に直交する線(X−X’)に
沿って示す断面図である。
【図2】(a)は、実施形態1にかかる無電極放電ラン
プの構成を円柱状コアの中心軸に沿って示す断面図であ
る。(b)は、その無電極放電ランプの構成を、円柱状
コアの中心軸に直交する線(X−X’)に沿って示す断
面図である。
【図3】(a)は、実施形態1にかかる無電極放電ラン
プの構成を円柱状コアの中心軸に沿って示す断面図であ
る。(b)は、その無電極放電ランプの構成を、円柱状
コアの中心軸に直交する線(X−X’)に沿って示す断
面図である。
【図4】(a)は、実施形態2にかかる無電極放電ラン
プの構成を円柱状コアの中心軸に沿って示す断面図であ
る。(b)は、その無電極放電ランプの構成を、円柱状
コアの中心軸に直交する線(X−X’)に沿って示す断
面図である。
【図5】(a)は、実施形態2にかかる無電極放電ラン
プの構成を円柱状コアの中心軸に沿って示す断面図であ
る。(b)は、その無電極放電ランプの構成を、円柱状
コアの中心軸に直交する線(X−X’)に沿って示す断
面図である。
【図6】(a)は、実施形態2にかかる無電極放電ラン
プの構成を円柱状コアの中心軸に沿って示す断面図であ
る。(b)は、その無電極放電ランプの構成を、円柱状
コアの中心軸に直交する線(X−X’)に沿って示す断
面図である。
【図7】(a)は、実施形態2にかかる無電極放電ラン
プの構成を円柱状コアの中心軸に沿って示す断面図であ
る。(b)は、その無電極放電ランプの構成を、円柱状
コアの中心軸に直交する線(X−X’)に沿って示す断
面図である。
【図8】(a)は、実施形態2にかかる無電極放電ラン
プの構成を円柱状コアの中心軸に沿って示す断面図であ
る。(b)は、その無電極放電ランプの構成を、円柱状
コアの中心軸に直交する線(X−X’)に沿って示す断
面図である。
【図9】(a)は、実施形態2にかかる無電極放電ラン
プの構成を円柱状コアの中心軸に沿って示す断面図であ
る。(b)は、その無電極放電ランプの構成を、円柱状
コアの中心軸に直交する線(X−X’)に沿って示す断
面図である。
【図10】(a)は、実施形態3にかかる無電極放電ラ
ンプの構成を円柱状コアの中心軸に沿って示す断面図で
ある。(b)は、その無電極放電ランプの構成を、円柱
状コアの中心軸に直交する線(X−X’)に沿って示す
断面図である。
【図11】実施形態4にかかる無電極放電ランプの構成
を円柱状コアの中心軸に沿って示す断面図である。
【図12】実施形態5にかかる無電極放電ランプの構成
をコアの中心軸に沿って示す断面図である。
【図13】(a)は、実施形態6にかかる無電極放電ラ
ンプの構成をコアの中心軸に沿って示す断面図である。
(b)は、その無電極放電ランプの構成を、コアの中心
軸に直交する線(X−X’)に沿って示す断面図であ
る。
【図14】実施形態6にかかる無電極放電ランプの構成
をコアの中心軸に沿って示す断面図である。
【図15】(a)は、円筒形放電容器を用いた無電極放
電ランプの構成を円柱状コアの中心軸に沿って示す断面
図である。(b)は、その無電極放電ランプの構成を、
円柱状コアの中心軸に直交する線(X−X’)に沿って
示す断面図である。
【図16】(a)は、従来の無電極放電ランプの構成を
コアの中心軸に沿って示す断面図である。(b)は、そ
の無電極放電ランプの構成を、コアの中心軸に直交する
線(X−X’)に沿って示す断面図である。
【符号の説明】
101 口金 102 電源部(電源) 103 巻線 104 発光管 204a,204b 略半円形発光管 105,205 凹入部 106 円柱状コア 107 高透磁率部材(磁性材料) 108 支持棒 407 円板状磁性材料 1007 有底円筒形磁性材料 607,707 板状磁性材料 507 磁性材料に設けられた凸部 307 磁性材料薄膜 1206 円錐台形コア 1306,1307 半円柱形コア 1504 円筒形発光管 α,β,γ,δ,ε,ζ,η,θ,ι,κ,λ,μ,
ν,ξ,ο 磁力線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本谷 磨志 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−136159(JP,A) 実開 昭55−173859(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 65/04 H05B 41/24

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光物質が封入された透光性の放電容器
    と、 前記発光物質を放電させる交流磁界を発生するコイル
    と、 前記コイルに交流電流を供給する電源とを備え、 前記コイルは、前記放電容器の近傍に設けられたコアと
    巻線とから構成されており、さらに、 前記コイルにより発生する前記交流磁界の強度が前記放
    電容器内で高まる箇所を発生させて、ランプの始動性を
    向上させる、ソフト磁性材料を含む高透磁率部材を備
    え、 前記高透磁率部材は、前記放電容器内部の前記交流磁界
    を前記コアの中心軸に直交する断面で不均一な分布とな
    るような構成を有している 、無電極放電ランプ。
  2. 【請求項2】 前記コイルは、前記放電容器に設けられ
    た凹入部に挿入されている、請求項1に記載の無電極放
    電ランプ。
  3. 【請求項3】 前記放電容器の内面に塗布された蛍光体
    をさらに備える、請求項1または2に記載の無電極放電
    ランプ。
  4. 【請求項4】 前記発光物質は、水銀および希ガスを含
    む、請求項1から3の何れか一つに記載の無電極放電ラ
    ンプ。
  5. 【請求項5】 前記高透磁率部材は、前記放電容器内に
    設けられている、請求項に記載の無電極放電ランプ。
  6. 【請求項6】 前記高透磁率部材は、前記放電容器の表
    面に設けられた磁性薄膜である、請求項に記載の無電
    極放電ランプ。
  7. 【請求項7】 前記高透磁率部材は、板状であり、且
    つ、前記電源と前記放電容器との間に挿入されている、
    請求項に記載の無電極放電ランプ。
  8. 【請求項8】 前記板状の高透磁率部材は、前記コアの
    中心軸を基準にして対称形状とはならない、非対称形状
    を有している、請求項に記載の無電極放電ランプ。
  9. 【請求項9】 前記板状の高透磁率部材は、円板形状を
    有している、請求項に記載の無電極放電ランプ。
  10. 【請求項10】 前記円板形状の高透磁率部材における
    円の中心点は、前記コアの中心軸以外に位置している、
    請求項に記載の無電極放電ランプ。
  11. 【請求項11】 前記高透磁率部材は、前記電源側に位
    置する前記放電容器の底面および当該底面に接する側面
    の一部を囲むようなU字形の断面形状を有している、請
    求項に記載の無電極放電ランプ。
  12. 【請求項12】 前記高透磁率部材は、少なくとも1つ
    の凸部、凹部または切り欠き部を有する、請求項から
    の何れか一つに記載の無電極放電ランプ。
  13. 【請求項13】 発光物質が封入された透光性の放電容
    器と、 前記発光物質を放電させる交流磁界を発生するコイル
    と、 前記コイルに交流電流を供給する電源とを備え、 前記コイルは、前記放電容器の近傍に設けられたコアと
    巻線とから構成されており、さらに、 前記コイルにより発生する前記交流磁界の強度が前記放
    電容器内で高まる箇所を発生させて、ランプの始動性を
    向上させる始動性向上手段を備え、 前記始動性向上手段は、前記コアの中心軸に沿ったコア
    の断面の面積を異なるようにした前記コイルによって構
    成されている、無電極放電ランプ。
  14. 【請求項14】 発光物質が封入された透光性の放電容
    器と、 前記発光物質を放電させる交流磁界を発生するコイル
    と、 前記コイルに交流電流を供給する電源とを備え、 前記コイルは、前記放電容器の近傍に設けられたコアと
    巻線とから構成されており、さらに、 前記コイルにより発生する前記交流磁界の強度が前記放
    電容器内で高まる箇所を発生させて、ランプの始動性を
    向上させる始動性向上手段を備え、 前記始動性向上手段は、透磁率の異なる二種以上の磁性
    材料からなる前記コアを備えた前記コイルによって構成
    されている、無電極放電ランプ。
  15. 【請求項15】 前記電源に電気的に接続された口金を
    さらに備えた、電球形無電極放電ランプとして構成され
    ている、請求項1から1の何れか一つに記載の無電極
    放電ランプ。
  16. 【請求項16】 管内に発光物質が充填され、透光性材
    料からなる発光管と、 前記発光管近傍に配置されたコアと巻線とを有するコイ
    ルと、 前記巻線に高周波交流電力を供給する電源とを備えた無
    電極放電ランプであって、 前記無電極放電ランプは、 前記コイルが形成する高周波交流磁界によって、前記発
    光管内部での放電が生じる構成を有し、しかも前記発光
    管内部の前記高周波交流磁界が、前記コアの中心軸を有
    する断面で前記電源に対向する方向へ偏った分布となる
    ような構成を有している、無電極放電ランプ。
  17. 【請求項17】 ソフト磁性材料を含む磁性部材が、前
    記コアの近傍または前記コアと一体となって設けられて
    いる、請求項1に記載の無電極放電ランプ。
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