JP3431945B2 - 再剥離型粘着保護テープ - Google Patents

再剥離型粘着保護テープ

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JP3431945B2
JP3431945B2 JP08693693A JP8693693A JP3431945B2 JP 3431945 B2 JP3431945 B2 JP 3431945B2 JP 08693693 A JP08693693 A JP 08693693A JP 8693693 A JP8693693 A JP 8693693A JP 3431945 B2 JP3431945 B2 JP 3431945B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、再剥離可能な再剥離型
粘着保護テープに関し、さらに詳しくは自動車の塗装完
成車などを始めとする塗装鋼板の輸送時あるいは屋外保
管時に、塗装面に発生する傷付き、汚染、腐食、変色な
どを防止するために一時的に塗装表面に貼付し、上記目
的を達成した後は塗装表面から容易に剥離することがで
き、更に、使用後に焼却処分しても有害物質を発生させ
ない再剥離型粘着保護テープに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、塗装鋼板の塗装面の保護が種々の
用途において要求されている。例えば、自動車の塗装完
成車が生産工場からユーザーに納入される期間内に、そ
の塗膜が酸性雨、鳥糞、樹液、砂、鉄粉などにより損傷
を受けて商品価値が下がるという問題があり、塗膜の保
護が必要となっている。この問題の対策として、従来ワ
ックスによる塗膜保護が行なわれているが、ワックス塗
布時の溶剤の揮散、ワックス回収時の廃水処理などの問
題がある。また、上記問題点を解決するために、特開平
2−300281号公報、特開平3−254858号公
報、特開平3−267171号公報、特開平3−221
169号公報、特開平3−127665号公報などにプ
ラスチックフイルムによる塗膜保護方法が提案されてい
る。しかしながら、上記従来技術は、塗装鋼板の屋外保
管時に太陽光線や熱などによりフイルム及び粘着剤の耐
久性に支障をきたすことがあり、また塗膜温度が上昇し
て塗膜に曇りが生じたり、塗膜が変色したりするなどの
問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フイルム及
び粘着剤の耐久性に優れ、自動車の塗装完成車を始めと
する塗装鋼板の輸送時あるいは屋外保管時に、塗膜に発
生する傷付き、汚染、腐食、曇り、変色などを防止する
ことができ、更に使用後に焼却処分しても有害物質を発
生させない再剥離型粘着保護テープを提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討を行った結果、再剥離型粘着
保護テープを塗装鋼板の塗膜に貼付した時に、その保護
テープの表面に当たる太陽光線を白色系層で反射させ、
さらに300〜400nmの波長の光線透過率を0.2
%以下にすることにより、フイルム及び粘着剤の耐久性
を向上させ、さらに塗膜の温度上昇を押え、塗膜の汚
染、腐食、曇り、変色などを防止することができること
を見い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至
った。
【0005】すなわち、本発明は、白色系熱可塑性樹脂
フイルムの白色系層からなる単層フイルの片面に再剥
離型粘着剤層が設けられており、前記単層フイルムが酸
化チタンを4〜20重量%及び4−位に置換基を有する
2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン誘導体系ヒ
ンダードアミン光安定剤を0.05〜2重量%含有し、
白色度85%以上であり、かつ300〜400nmの波
長の光線透過率が0.2%以下であり、前記熱可塑性樹
脂が、メルトフローレートが3〜12g/10分のプロ
ピレン単独重合体又はメルトフローレートが3〜12g
/10分、エチレン含有量が1〜10重量%であるエチ
レン・プロピレンランダム共重合体であることを特徴と
する再剥離型粘着保護テープを提供するものである。
た、本発明は、白色系熱可塑性樹脂フイルムの白色系層
を有する多層フイルムの片面に再剥離型粘着剤層が設け
られており、該多層フイルムの300〜400nmの波
長の光線透過率が0.2%以下であり、該多層フイルム
が、カーボンブラックを1〜10重量%含有する熱可塑
性樹脂フイルムの黒色層と、酸化チタンを4〜20重量
%及び4−位に置換基を有する2,2,6,6−テトラ
アルキルピペリジン誘導体系ヒンダードアミン光安定剤
を0.05〜2重量%含有する熱可塑性樹脂フイルムの
白色系層からなり、白色系層と黒色層の厚み比が1:
0.25〜1:1の範囲であり、白色系層と黒色層の合
計厚みが30〜70μmであり、前記熱可塑性樹脂が、
メルトフローレートが3〜12g/10分のプロピレン
単独重合体又はメルトフローレートが3〜12g/10
分、エチレン含有量が1〜10重量%であるエチレン・
プロピレンランダム共重合体であることを特徴とする再
剥離型粘着保護テープを提供するものである。以下、本
発明を詳細に説明する。
【0006】本発明の再剥離型粘着保護テープにおいて
は、単層又は多層フイルムメルトフローレート(JI
S K−7210;230℃、2.16kg荷重)が
〜12g/10分のプロピレン単独重合体又はメルトフ
ローレートが3〜12g/10分、エチレン含有量が1
〜10重量%であるエチレン・プロピレンランダム共重
合体であ、また、エチレン・プロピレンランダム共重
合体のエチレン含有量が6.0重量%以下のものがより
好ましい。上記プロピレン単独重合体及びエチレン・プ
ロピレンランダム共重合体は、加工性に優れ、被着体表
面に貼付するための十分な可撓性及び強度を有してお
り、さらに白色系顔料が配合されることにより耐候性に
も優れる。プロピレン単独重合体及びエチレン・プロピ
レンランダム共重合体のメルトフローレートがg/1
0分未満であるとフイルムの成形性が悪くなり易く、メ
ルトフローレートが12g/10分を超えるとフイルム
の強度が低下し易い。また、エチレン・プロピレンラン
ダム共重合体を使用する場合、該共重合体のエチレン含
有量が10重量%を超えるとフイルムの耐熱性に問題を
生じ易く、夏場の屋外などで被着体と粘着保護テープの
間に浮き、剥がれ現象が発生し易い。これにより、塗膜
に曇りや変色を起こし易くなる本発明の目的を達成す
るプロピレン単独重合体又はエチレン・プロピレンラン
ダム共重合体の特性を損なわない範囲内で他の樹脂、例
えば、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、
エチレン・アクリル酸共重合体、サーリン、エチレン・
メタクリル酸メチル共重合体などやゴム、例えばエチレ
ン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・
ジエン共重合体ゴムなどを混合しても良い。
【0007】本発明の再剥離型粘着保護テープにおいて
使用するフイルムは、白色系熱可塑性樹脂フイルムの白
色系層からなる単層フイルム又は該白色系層を有する多
層フイルムである。白色系層を有するため、太陽光線を
反射することができ、塗膜の温度上昇を抑えることがで
きる。ここで白色系層とは、純白だけでなく、他の色が
少し含まれた白っぽい色も含まれる意味であり、白色系
層の白色度(JISL−1015)は80%以上が好ま
しく、特に85%以上が特に好ましい。白色系層は、
ロピレン単独重合体又はエチレン・プロピレンランダム
共重合体に酸化チタンを混合することにより構成するこ
とができる。酸化チタンとしては、ルチル型酸化チタン
が好ましい。
【0008】化チタンの含有割合は、4〜20重量%
の範囲であり、特に8〜16重量%の範囲が好ましい。
酸化チタンの量が4重量%未満では白色度が不充分とな
ることから太陽光線の反射性が劣り、光線透過率が大き
くなり被着体塗膜面の保護性及び粘着剤の耐候性が低下
し易い。酸化チタンの量が20重量%を超えるとフイル
ムの強度が低下することと、白色度も飽和状態となり経
済的に好ましくない。
【0009】白色系層には、酸化チタンと共4−位に
置換基を有する2,2,6,6−テトラアルキルピペリ
ジン誘導体系ヒンダードアミン光安定剤が含まれる。そ
の添加量は0.05〜2重量%の範囲であり、特に0.
2〜0.6重量%の範囲が好ましい。光安定剤の量が
0.05重量%未満であると充分な耐候性向上効果が得
られないことがあり、また必要以上に多量に添加しても
それに比例した効果の向上が得られないばかりか添加剤
のブリードアウトによる外観不良を生じることがある。
白色系層に光安定剤として添加される4−位に置換基を
有する2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン誘導
体系ヒンダードアミン光安定剤としては、その4−位の
置換基として例えばカルボン酸残基、アルコキシ基、ア
リロキシ基、その他種々の基を有するものが挙げられ
る。かかるものは、チバガイギー社よりキマソルブ94
4LD(商品名)、チヌビンLS622(商品名)とし
て販売されている。これらの光安定剤は、1種単独で用
いても良いし、2種以上を組合せても良い。
【0010】本発明の再剥離型粘着保護テープのフイル
ムが多層フイルムである場合、白色系層の配置は、白色
系層がテープの表面から見ることができように配置すれ
ばよく、例えば多層フイルムの表面に白色系層を配置し
ても良く、多層フイルムの内層に白色系層を配置して、
その表面を透明性熱可塑性樹脂層で覆ってもよい。
【0011】多層フイルムの好ましい態様は、白色系層
と黒色層を有する多層フイルムであり、白色系層と黒色
層の厚みの比率が1:0.25〜11の範囲である
白色系層と黒色層の厚みの比率が1:0.25未満であ
ると遮光性が不充分となり、被着体塗膜面の保護性及び
粘着剤の耐候性が低下することがある。厚みの比率が
1:1を超えると白色系層の白色度が低下し、太陽光線
の反射性が悪くなることから被着体塗膜面の温度上昇を
招き、塗膜面の保護性に悪影響を及ぼすことがあり、ま
た粘着剤の熱劣化が促進され長期屋外使用に問題を生じ
ることがある。なお、黒色層を有すると、フイルムをレ
ーザーカッテイングし易くなり、極めて効率よく成形加
工することができるので好ましい。白色系層と黒色層の
厚みは30〜70μmの範囲である。なお、白色系層
と黒色層は、隣接することが好ましいが、白色系層と黒
色層の間に熱可塑性樹脂層などの他の層を設けても良
い。
【0012】黒色層は、通常カーボンブラックを混合す
ることにより構成される。カーボンブラックの混合量
は、通常1〜10重量%の範囲であり、好ましくは3〜
7重量%の範囲である。カーボンブラックの量が1重量
%未満では遮光性が不充分の場合があり、被着体塗膜面
の保護性及び被着体とフイルムの間に介在する粘着剤の
耐候性が不充分となり長期使用に問題を生じることがあ
る。カーボンブラックの量が10重量%を超えるとフイ
ルムの強度が低下することがあり、またフイルムの白色
系層への色抜けのため白色系層の白色度が不充分となる
場合があることから太陽光線の反射性が劣り、被着体塗
膜面の保護性及び粘着剤の耐候性が低下し易い。
【0013】本発明の再剥離型粘着保護テープは、単層
又は多層フイルムの300〜400nmの波長の光線透
過率が0.2%以下であり、好ましくは0.1%以下で
ある。300〜400nmの波長の光線透過率が0.2
%を超えると被着体塗膜面の保護性及び粘着剤の耐候性
が低下し、塗膜に曇り、変色などが起こる。
【0014】この多層フイルムを製造するには、熱可塑
性樹脂とカーボンブラックあるいは酸化チタンなどの白
色系顔料及び4−位に置換基を有する2,2,6,6−
テトラアルキルピペリジン誘導体系ヒンダードアミン光
安定剤などの光安定剤とを所定割合で配合し、常法に従
ってロール、ニーダー又は押出機などを用いて混練す
る。その際に所望により分散性改良添加剤その他の各種
添加剤を添加することができる。またカーボンブラック
あるいは酸化チタンなどの白色系顔料又は4−位に置換
基を有する2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン
誘導体系ヒンダードアミン光安定剤などの光安定剤は、
各々予め高濃度のマスターバッチを作製しておき、フイ
ルム製膜時にベース樹脂へ所定量添加してもよい。この
場合、マスターバッチに使用するベース樹脂は、フイル
ムを構成する熱可塑性樹脂を使用することが好ましい
が、例えばフイルム製膜用組成物の最終配合時にマスタ
ーバッチに使用の樹脂分が全体量の10重量%未満であ
れば、低密度ポリエチレン等の樹脂を使用してもよい。
次いで混練された組成物を多層T−ダイ法、多層インフ
レーション法、その他適当な製膜法を用いてフイルムを
製造することができる。
【0015】本発明の再剥離型粘着保護テープにおいて
は、単層又は多層フイルムの片面に再剥離型粘着剤層を
設けている。再剥離型粘着剤層に使用される粘着剤とし
ては、種々の粘着剤を使用することができ、例えば天然
ゴム、合成ゴム、アクリル樹脂、ポリビニルエーテル樹
脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。合成ゴムの具体
例としては、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソブチ
レンゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、イソプレン
ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレ
ン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−エチレン
−ブチレンブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル熱
可塑性エラストマーなどが挙げられる。アクリル樹脂の
具体例としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチ
ル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸プロピル、
ポリアクリル酸ブチル、ポリアクリル酸2−エチルヘキ
シル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチ
ル、ポリアクリロニトリルなどが挙げられる。ポリビニ
ルエーテル樹脂の具体例としては、ポリビニルエーテ
ル、ポリビニルイソブチルエーテルなどが挙げられる。
シリコーン樹脂の具体例としては、ジメチルポリシロキ
サンなどが挙げられる。これらの粘着剤は、1種単独で
又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これ
らの粘着剤のうち、好ましいものとしては、天然ゴム、
合成ゴムのゴム系粘着剤であり、特に好ましいものとし
ては、ポリイソブチレンゴム、ポリイソブチレン−イソ
プレンゴムが挙げられる。
【0016】上記粘着剤には、さらに必要に応じて粘着
付与剤、充填剤、軟化剤、老化防止剤、熱光安定剤、架
橋剤などを配合することができる。粘着付与剤として
は、ロジン系樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペン
樹脂、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、石油樹脂、ク
マロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系
樹脂、キシレン樹脂などが挙げられる。充填剤として
は、亜鉛華、酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウム、硫
酸バリウムなどが挙げられる。軟化剤としては、プロセ
スオイル、液状ゴム、可塑剤などが挙げられる。熱光安
定剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール
系、アニリド系、ヒンダードアミン系、フェノール系、
ホスファイト系などが挙げられる。
【0017】粘着剤の接着力は通常100〜1500g
/25 mmが適当であり、特に500〜1000g/2
mmが好ましい。再剥離型粘着剤層の厚みは、特に限
定されるものではないが、通常2〜50g/m2の範囲
であり、好ましくは5〜20g/m2の範囲である。な
お、フイルム基材と粘着剤の投錨性が不足する場合は、
フイルム基材の粘着剤塗布面にコロナ放電処理を施した
り、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、塩素化ポリオレ
フィンなどを主成分とし、必要に応じて充填剤を配合し
たプライマーを塗布してプライマー層を設けることが好
ましい。充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、カオリン、焼成クレー、ベントナイ
ト、ゼオライト、タルク、珪藻土などの種々の充填剤を
使用することができる。
【0018】再剥離型粘着剤層を単層または多層フイル
ムの片面に設ける方法は、種々の方法により行うことが
できるが、例えば上記の粘着剤を適当な溶剤に溶解させ
て塗布する方法、適当な媒体に分散あるいは乳化させて
塗布する方法、無溶媒で塗布又はカレンダーロールによ
り塗工する方法などが挙げられる。これらの方法のうち
好ましい方法は、溶剤に溶解させて塗布する溶剤溶解法
ある。多層フイルムが上記黒色層と白色系層を含む場
合、再剥離型粘着剤層は黒色層側に設けることが必要で
ある。このようにすると、再剥離型粘着保護テープを被
着体に貼付した場合、白色系層を表面側にして、太陽光
線を反射することができる。
【0019】本発明の再剥離型粘着保護テープの再剥離
型粘着剤層の表面には、剥離紙や剥離シートを貼付して
もよいが、再剥離型粘着剤層の表面には、剥離紙や剥離
シートを貼付せず、再剥離型粘着剤層の反対側の単層又
は多層フイルムの片面に剥離剤を塗布することが好まし
い。ここで使用される剥離剤の具体例としては、ジメチ
ルポリシロキサンなどのシリコーン系剥離剤、長鎖アル
キル系剥離剤などが挙げられる。剥離剤の塗布量は、特
に限定されるものではないが、通常0.05〜1.0g
/m2の範囲であり、好ましくは0.1〜0.5g/m2
の範囲である。なお、フイルム基材と剥離剤の投錨性が
不足する場合は、フイルム基材の剥離剤塗布面にコロナ
放電処理などの表面処理を施すことが好ましい。本発明
の再剥離型粘着保護テープの厚み及び幅は、用途に応じ
て適宜選定すればよいが、通常厚みが10〜200μ
m,幅が1cm〜数mの範囲にすればよい。
【0020】本発明の再剥離型粘着保護テープは、自動
車の塗装完成車の塗膜面を始めとする各種塗装面の保護
に使用することができる。本発明の再剥離型粘着保護テ
ープを自動車の塗装完成車に貼付する方法は、塗装完成
車の端部から再剥離型粘着保護テープを合わせて、ゴム
ローラー又はスキージ等で順次圧着して車体表面を貼付
する方法、減圧状態で再剥離型粘着保護テープを車体表
面に貼付する方法など種々の方法により行うことができ
るが、本発明の再剥離型粘着保護テープは特別な方法を
必要とせず、適当な大きさに切り取って貼付するという
簡単な方法により効率良く貼付することができるので、
実用上極めて有用である。なお、本発明の再剥離型粘着
保護テープは、塗装鋼板の塗膜保護のみならず他の用途
にも使用することができる。本発明の再剥離型粘着保護
テープは、使用後に焼却処分してもシアン化水素などの
シアン化合物、塩化水素などの塩素化合物などの有害物
質を出さないので環境衛生上好ましい。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら限
定されるものではない。以下の実施例における各種試験
は以下の方法により行った。 1.光線透過率 単層又は多層フイルムをJIS K7105に従い、3
00〜400nmの波長の光線透過率を測定した。 2.燃焼試験 燃焼ガスの生成条件は、設定温度が750℃、支燃ガス
供給量が0.5リットル/分、燃焼管内保持時間が10
分、試験片の質量が0.1g、着火時間が16秒、燃焼
時間が3秒であった。燃焼ガスの捕集方法は、塩化水素
及びシアン化水素については水溶性ガス捕集法により行
った。また、塩化水素の分析法はJIS K 0107
の排ガス中の塩化水素分析方法により、シアン化水素の
分析方法はJIS K 0109の排ガス中のシアン化
水素分析方法により行った。
【0022】実施例1 図1は、本発明の一実施例である再剥離型粘着保護テー
プの一部を切り取ったものの断面図である。メルトフロ
ーレートが9.0g/10分のプロピレン単独重合体8
4.6重量%にルチル型酸化チタン15重量%及び4−
位に置換基を有する2,2,6,6−テトラアルキルピ
ペリジン誘導体系ヒンダードアミン光安定剤(チバガイ
ギー社のキマソルブ944LD(商品名))0.4重量
%を配合したものを押出機に供給し、押出機で溶融混練
し、T型ダイからフイルム状に押出し、厚み50μmの
単層の白色系層1からなる白色フイルムを製造した。単
層の白色フイルムの白色度は、90%であった。又、こ
の白色フイルムは、300〜700nmの波長の光線透
過率が1.0%以下であり、紫外線領域の300〜40
0nmの波長の光線透過率が0.1%以下であった。次
に、この単層白色フイルムの一方の表面をコロナ放電処
理し、長鎖アルキル系剥離剤を0.1g/m2になるよ
うに塗布し、剥離剤層3を設けた。さらに、単層白色フ
イルムの他方の表面にコロナ放電処理を施し、ポリイソ
ブチレンゴムを主成分とする粘着剤を10g/m2になる
ように溶剤溶解法により塗布して再剥離型粘着剤層2を
設け、再剥離型粘着保護テープを製造した。接着力は、
700g/25 mmであった。この再剥離型粘着保護テ
ープを適当な大きさに切り取り、自動車の塗装完成車の
塗膜表面に貼付し、2か月間屋外に放置後、再剥離型粘
着保護テープを剥離した。その結果、自動車の塗膜面の
損傷、曇り、変色は見られなかった。
【0023】実施例2 図2は、本発明の一実施例である再剥離型粘着保護テー
プの一部を切り取ったものの断面図である。メルトフロ
ーレートが9.0g/10分のプロピレン単独重合体8
4.6重量%にルチル型酸化チタン15重量%及び4−
位に置換基を有する2,2,6,6−テトラアルキルピ
ペリジン誘導体系ヒンダードアミン光安定剤(チバガイ
ギー社のチヌビンLS622(商品名))0.4重量%
を配合したものを押出機に供給し、一方メルトフローレ
ートが9.0g/10分のプロピレン単独重合体94.
6重量%にカーボンブラック5.6重量%を配合したも
のを他の押出機に供給し、それぞれの押出機で溶融混練
された溶融物を一台のT型ダイに供給し、該ダイよりフ
イルム状に共押出しし、厚み37.5μmの白色系層1
と厚み12.5μmの黒色層4からなる厚み50μmの
多層フイルムを製造した。白色系層1の白色度は85%
であった。又、この多層フイルムは、300〜700n
mの波長の光線透過率が1.0%以下であり、紫外線領
域の300〜400nmの波長の光線透過率が0.1%
以下であった。次に、この多層フイルムの白色系層1の
表面をコロナ放電処理し、長鎖アルキル系剥離剤を0.
1g/m2になるように塗布し、剥離剤層3を設けた。
さらに、黒色層4の表面にコロナ放電処理を施し、その
上にポリイソブチレンゴムを主成分とする粘着剤を溶剤
溶解法により塗布して再剥離型粘着保護テープを製造し
た。接着力は、800g/25 mmであった。この再剥
離型粘着保護テープを適当な大きさに切り取り、自動車
の塗装完成車の塗膜表面に貼付し、2か月間屋外に放置
後、再剥離型粘着保護テープを剥離した。その結果、自
動車の塗膜面の損傷、曇り、変色は見られなかった。ま
た、この再剥離型粘着保護テープを貼付した塗膜面の温
度は、貼付しない場合に比べて5〜10℃低下した。次
に再剥離型粘着保護テープの燃焼試験を行ったところ、
塩化水素及びシアン化水素は検出されなかった。
【0024】実施例3 実施例2において、プロピレン単独重合体の代わりに、
エチレン含量が4.5重量%で、メルトフローレートが
6.0g/10分のエチレン・プロピレンランダム共重
合体を使用した以外は、実施例2と同様に実施した。得
た再剥離型粘着保護テープを適当な大きさに切り取り、
自動車の塗装完成車の塗膜表面に貼付し、2か月間屋外
に放置後、再剥離型粘着保護テープを剥離した。その結
果、自動車の塗膜面の損傷、曇り、変色は見られず、そ
の他の特性も実施例2と同様の結果が得られた。
【0025】
【発明の効果】 本発明の再剥離型粘着保護テープによ
ると、塗装鋼板の塗膜面に再剥離型粘着保護テープを貼
付して長期屋外保管させる場合、太陽光線を遮蔽及び反
射させることから被着体塗膜面の温度上昇によるダメー
ジを防ぐことができ、塗膜に曇りや変色の発生を防止す
ることができる。被着体の温度上昇を抑える効果が高い
ことから、フイルムと被着体の間に介在する粘着剤の劣
化を防ぐと共に、フィルム内添加されてい光安定剤
の効果と相まってフイルム自体の耐候性を著しく向上さ
せることができる。又、本発明の再剥離型粘着保護テー
プを焼却処分した場合、有害物質を発生させないという
環境衛生上、好ましい効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である単層フイルムから成る
再剥離型粘着保護テープの部分断面図である。
【図2】本発明の一実施例である多層フイルムから成る
再剥離型粘着保護テープの部分断面図である。
【符号の説明】
1 白色系層 2 再剥離型粘着剤層 3 剥離剤層 4 黒色層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須藤 清麿 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化 株式会社 四日市総合研究所内 (72)発明者 降井 正治郎 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化 株式会社 四日市総合研究所内 (72)発明者 森 征哉 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化 株式会社 四日市総合研究所内 (56)参考文献 特開 平4−153287(JP,A) 特開 昭58−220139(JP,A) 特開 平1−129065(JP,A) 特開 平5−1264(JP,A) 実開 昭63−106737(JP,U) 実開 昭54−69156(JP,U) プラスチック性能便覧,日本,株式会 社工業調査会,1968年10月25日,289− 302 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 7/00 - 201/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白色系熱可塑性樹脂フイルムの白色系層
    からなる単層フイルの片面に再剥離型粘着剤層が設け
    られており、前記単層フイルムが酸化チタンを4〜20
    重量%及び4−位に置換基を有する2,2,6,6−テ
    トラアルキルピペリジン誘導体系ヒンダードアミン光安
    定剤を0.05〜2重量%含有し、白色度85%以上で
    あり、かつ300〜400nmの波長の光線透過率が
    0.2%以下であり、前記熱可塑性樹脂が、メルトフロ
    ーレートが3〜12g/10分のプロピレン単独重合体
    又はメルトフローレートが3〜12g/10分、エチレ
    ン含有量が1〜10重量%であるエチレン・プロピレン
    ランダム共重合体であることを特徴とする再剥離型粘着
    保護テープ。
  2. 【請求項2】 白色系熱可塑性樹脂フイルムの白色系層
    を有する多層フイルムの片面に再剥離型粘着剤層が設け
    られており、該多層フイルムの300〜400nmの波
    長の光線透過率が0.2%以下であり、該多層フイルム
    が、カーボンブラックを1〜10重量%含有する熱可塑
    性樹脂フイルムの黒色層と、酸化チタンを4〜20重量
    %及び4−位に置換基を有する2,2,6,6−テトラ
    アルキルピペリジン誘導体系ヒンダードアミン光安定剤
    を0.05〜2重量%含有する熱可塑性樹脂フイルムの
    白色系層からなり、白色系層と黒色層の厚み比が1:
    0.25〜1:の範囲であり、白色系層と黒色層の合
    計厚みが30〜70μmであり、前記熱可塑性樹脂が、
    メルトフローレートが3〜12g/10分のプロピレン
    単独重合体又はメルトフローレートが3〜12g/10
    分、エチレン含有量が1〜10重量%であるエチレン・
    プロピレンランダム共重合体であることを特徴とする再
    剥離型粘着保護テープ。
  3. 【請求項3】 再剥離型粘着保護テープが塗装鋼板の保
    護用である請求項1又は2記載の再剥離型粘着保護テー
    プ。
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