JP3431286B2 - ガラス積層体 - Google Patents

ガラス積層体

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JP3431286B2
JP3431286B2 JP16357794A JP16357794A JP3431286B2 JP 3431286 B2 JP3431286 B2 JP 3431286B2 JP 16357794 A JP16357794 A JP 16357794A JP 16357794 A JP16357794 A JP 16357794A JP 3431286 B2 JP3431286 B2 JP 3431286B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス積層体に関し、
詳しくは、建築物の窓ガラス等に用いられる断熱性、安
全性に優れ、さらに、光透過性を低下させることなくプ
ライバシー保護機能を有するガラス積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物の窓ガラス等に使用される
断熱ガラスとして、2枚のガラス板体が乾燥空気の層を
介して平行に固定されている複層ガラスが汎用されてい
た。この複層ガラスは、断熱性を有するものの、全体の
厚みが制限されるため強度が低く、割れやすいという欠
点があった。さらに、割れたガラスが飛散して安全性に
も問題があった。ガラスの強度を向上させ、割れた場合
のガラス片の飛散を防止するため、乾燥空気に変えて樹
脂等によって空間を満たすことが考えられるが、強度は
向上するものの、断熱性が低下するため、実用的ではな
かった。
【0003】一方、近年、窓ガラス等に使用されるガラ
ス板体にプライバシー保護機能を付与する要望が高まっ
ており、ガラス板体の片面に凹凸を設けて透明性を低下
させたり、ガラス積層体の中間に着色層を設けて、物体
がはっきり見えるのを防ぐ工夫がなされている。しかし
ながら、ガラス板体表面に凹凸を設けると強度が低下
し、ガラスの清掃が困難となり、また、ガラス積層体に
着色層を設けると光透過性が低下するという欠点があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため、断熱性、安
全性、プライバシー保護機能等の多機能を有するガラス
積層体が要求されていた。
【0005】本発明の目的は、断熱性に優れ、強度が十
分であり、割れた場合においてもガラスの飛散がなく安
全性に優れ、しかも、光透過性を低下させることなく、
プライバシー保護機能をも有するというガラス積層体を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を考慮
してなされたものであり、本発明のガラス積層体は、2
枚のガラス板体間に、薄板状の壁部で形成された多数の
セルで構成されるハニカム構造体を有し、各々のガラス
板体とハニカム構造体との間に接着層を有し、少なくと
も1層の接着層が、前記ハニカム構造体のセル内で球面
を有することを特徴とする。
【0007】さらに、本発明の請求項2記載のガラス積
層体は、前記ガラス積層体であって、前記球面の曲率半
径が、0.5〜30mmであることを特徴とする。
【0008】本発明の請求項3記載のガラス積層体は、
前記ガラス積層体であって、前記接着層が、張り合わせ
時における厚みTを有する接着層の原材料層に最大径φ
maxを有する前記セルを押圧することによって形成さ
れ、Tとφmax との関係が下記の式を満足し、且つ、前
記接着層の原材料が500ポイズ以上の粘度を有するこ
とを特徴とする。
【0009】0.001≦T/φmax ≦2.0 本発明の請求項4記載のガラス積層体は、前記ガラス積
層体であって、前記接着層が、有機過酸化物及びシラン
カップリング剤を含有するエチレン−ビニルアセテート
共重合体であることを特徴とする。
【0010】本発明においてハニカム構造体とは、サン
ドイッチ構造におけるハニカムコアと同様のものを指
し、所謂蜂の巣(ハニカム)形状のもののみならず、2
〜50mm程度の幅を有する金属薄板、合成樹脂、紙等
の壁部によって形成された、最大径(φmax )1〜50
mmの広さを有するセル(小室)が連続して構成される
構造体を全て包含する。また、接着層が球面を有すると
は、接着層が前記セル内で、接着層のガラス板体と反対
側の表面が球面の一部をなす、即ち、ガラス板体と接す
る側が平面である凸レンズ状をなしている状態を指すも
のである。
【0011】
【作用】本発明のガラス積層体は、2枚のガラス板体間
にハニカム構造体を間挿し、ガラス板体とハニカム構造
体とを接着してあるため、2枚のガラス板体の間に空気
の層が確保され、一般の複層ガラスで問題となる熱対流
現象が起きにくく断熱性に優れている。また、ハニカム
構造体を間挿することにより、ガラス板体間の空間が補
強され、強度が向上し、しかも、ハニカム構造体を形成
する壁部の両端がそれぞれガラス板体と固着されている
ため、ガラスが割れても、ガラス片が飛び散ることがな
く、安全性が高い。さらに、少なくとも1層の接着層
が、前記ハニカム構造体のセル内で球面を有する、即
ち、セル内で接着層が凸レンズ状の形状をなすため、光
透過性は低下させることなく、透明性が低下し、ガラス
積層体を通しての視認性が制御されて、プライバシー保
護機能を有するものである。
【0012】
【実施例】以下、本発明のガラス積層体を実施例をあげ
て詳細に説明する。 (実施例1)図1(A)は、実施例1のガラス積層体の
断面図であり、図2は、前記ガラス積層体に用いたハニ
カム構造体を示す斜視図である。ガラス積層体10は、
ガラス板体12の間にアルミニウム製で高さ3mm、最
大径20mm(φmax )のハニカム形のセルが壁部13
によって連続的に形成されたハニカム構造体14(図2
参照)を有する。ガラス板体12とハニカム構造体14
との間には、エチレン−ビニルアセテート共重合体で構
成された接着層16が間挿され、前記接着層16によっ
て、ガラス板体12とハニカム構造体14の壁部13端
部が接着されている。接着層16は、前記壁部13で形
成されたセルの内部で球面を有しており、セルの内部に
は、図1(A)に示すように凸レンズ状の球面を有する
接着層16が各々形成されている。
【0013】本発明のガラス積層体10の製造方法に
は、特に制限はないが、例えば、本実施例のガラス積層
体10は、次のように製造される。
【0014】表1に示される割合で各成分を配合し、8
0℃に加熱したロールミルで混合して接着層の原材料で
あるエチレン−ビニルアセテート共重合体を含む熱硬化
性樹脂を調製した。この樹脂組成物をプレスを使用して
厚さ0.4mm(T)のシートに成形して接着層の原材
料層17とした。この原材料の25℃における粘度は1
×108 ポイズであった。
【0015】
【表1】
【0016】次に、予め洗浄乾燥しておいた2枚の3mm
厚さのフロートガラス製のガラス板体12の内側面にシ
ート状の接着層の原材料層17を積層し、図2に示すよ
うなハニカム構造体14をガラス板間に間挿した。この
状態の断面図を図1(B)に示した。その後、接着層の
原材料層17を積層したガラス板体12をハニカム構造
体14に押圧した。このとき、接着層の原材料層17の
ハニカム構造体14壁部13に接する部分は、ハニカム
構造体14の壁部13により圧縮され、壁部13に囲ま
れたセル内の接着層の原材料層17は盛り上がって凸レ
ンズ状の球面を有する形状(接着層16)となる。こう
して、ガラス板体12間にハニカム構造体14が間挿さ
れ、ハニカム構造体14のセル内に球面を有する接着層
16が形成されたガラス積層体が構成された。その後、
これをゴム袋に入れて真空脱気し、80℃の温度で予備
圧着した。次に、この予備圧着ガラス積層体をオーブン
中に入れ、130℃の条件下で30分間処理して、ガラ
ス板体12の間にハニカム構造体14を有し、ハニカム
構造体14のセル内に球面を有する接着層16を有して
おり、しかも、接着層16によってガラス板体12とハ
ニカム構造体14とが接着された図1(A)に示すよう
なガラス積層体10を得た。
【0017】ここで、効果的に視認性が制御されるため
には、接着層16の球面の曲率半径が0.5〜30mm
であることが好ましい。曲率半径が30mmを超えると
球面が平面に近づき、視認性の制御が十分行えず、0.
5未満であると成形が困難となるため、何れも好ましく
ない。
【0018】本実施例のハニカム構造体14は、アルミ
ニウムの薄板を壁部13として、図2に示す如きハニカ
ム型のセル(小室)を連続して有するように形成したも
のであるが、本発明に用いられるハニカム構造体は、壁
部で形成される構成単位即ちセルの形状に特に制限はな
く、最大径が1〜50mmの範囲であれば任意の形状と
することができる。セルの形状の例を、図3に正面図で
示す。例えば、セルの形状は、所謂ハニカムを形成する
六角形の他、円形(図3(B))や楕円形(図3
(C))、三角形(図3(D))、八角形等の多角形、
全体が格子状となる長方形、正方形(図3(E))、菱
形(図3(F))等が挙げられ、これらは同一の形状が
連続していてもよく、図3(A)に示すように2種以上
の組合せで構成されていてもよい。セルを正面視した場
合の最大径(四辺形等の多角形においては最大対角線
長)は、1〜50mmの範囲であることが好ましく、さ
らに5〜20mmの範囲であることが安全性及びプライ
バシー保護の観点から好ましい。
【0019】また、ハニカム構造体の高さ、即ち、ハニ
カム構造体を形成する壁部の高さは、断熱性の観点から
3mm以上であることが好ましく、一方、ガラス積層体
をサッシに嵌め込んで用いる場合が一般的であることか
ら、ガラス積層体全体の厚みを考えると50mm以下で
あることが好ましい。断熱性、安全性の観点から好まし
くは5〜20mmである。しかしながら、ガラス積層体
を使用する部分によっては、厚みの制限なく十分な空気
層を形成するために50mmを超える幅を有していても
よい。
【0020】ハニカム構造体を形成する壁部の材質は、
アルミニウム、鉄、ステンレス、銅等の金属板、ポリエ
チレン、ポリアクリル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビ
ニル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレ
ンービニルアセテート等の樹脂板及び紙をベースとした
板体等を目的に応じて使用することができる。
【0021】本発明のガラス積層体の接着層の原材料層
の厚み(T)は任意であるが、接着強度及びプライバシ
ー保護の観点から0.05〜2.0mmであることが好
ましい。
【0022】本発明のガラス積層体においては、接着層
がハニカム構造体のセル内で球面を有するものであれ
ば、特にその製造方法に制限はないが、前記実施例1に
おける如く、予めガラス板体の表面に接着層の原材料層
を形成し、そこにハニカム構造体を押圧し、接着層の原
材料層の変形を利用して、球面を有する接着層を形成す
ることにより、プライバシー保護機能を有するガラス積
層体を簡単に製造することができる。このハニカム構造
体を接着層の原材料層に押圧する工程を減圧下で行うこ
とが、滑らかな球面を形成する観点から好ましい。
【0023】また、効果的に視認性を制御するような球
面を有する接着層を形成するためには、接着層を構成す
る素材のハニカム構造体押圧時における粘度が500ポ
イズ以上であり、且つ、ハニカム構造体のセルの最大径
(φmax )と接着層の原材料層の厚み(T)との関係が
下記の式を満足することが好ましい。
【0024】0.001≦T/φmax ≦2.0 実施例1においては、Tが0.4mm、φmax が20m
mであったので、T/φmax は0.02となり好ましい
範囲に入っていることがわかる。接着層を構成する原材
料の粘度が500ポイズ未満であると、ハニカム構造体
押圧後に接着層が変形してガラス板体と平行な平面を有
するようになり、視認性を制御することが困難となる。
原材料の粘度に特に上限はないが、1×1010ポイズを
超えるとハンドリング性が低下するため、500〜1×
1010ポイズ程度が好ましい。また、T/φmax の価が
0.001未満であると、視認性を制御することが困難
となりプライバシー保護効果が低下し、2.0を超える
と光透過性、採光性が低下するため、何れも好ましくな
い。
【0025】次に、本発明のガラス積層体に用いうる接
着層について説明する。実施例1に記載の如く、樹脂に
よってシート状に形成した接着層の原材料層17を用い
て接着する場合、接着層の原材料層は、例えば、熱硬化
型エチレン−ビニルアセテート樹脂系接着層、ポリビニ
ルブチラール系接着層、鹸化エチレン−ビニルアセテー
ト樹脂系接着層、ポリ塩化ビニル系接着層が好適に用い
られ、特に、エチレン−ビニルアセテート樹脂系接着層
が接着強度の観点から好ましい。ここで、好ましい接着
層を形成しうる熱硬化型エチレン−ビニルアセテート樹
脂について詳細に説明する。前記熱硬化型樹脂は、エチ
レン−ビニルアセテート共重合体に有機過酸化物を配合
してなるものである。
【0026】本発明のガラス積層体の接着層の原材料に
用いうるエチレン−ビニルアセテート共重合体として
は、そのビニルアセテート含有率が10〜50重量%で
あり、好ましくは15〜40重量%である。ビニルアセ
テート含有率が10重量%未満であると、高温で架橋硬
化させる場合に得られる樹脂の透明度が充分でなく、逆
に50重量%を越えるとガラス積層体にした場合のガラ
ス板体とハニカム構造体との接着強度が不十となり、耐
衝撃性等の強度が不足する傾向がある。
【0027】本発明のガラス積層体の製造に際してエチ
レン−ビニルアセテート共重合体の硬化剤として使用さ
れる有機過酸化物としては、100℃以上の温度で分解
してラジカルを生ずるものであればいずれも使用可能で
ある。配合時の安定性を考慮した場合、半減期10時間
の分解温度が70℃以上であるものが好ましく、例え
ば、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパ
ーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン−3、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブ
チルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−
4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、
2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1
−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,
1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンズエー
ト、ベンゾイルパーオキサイド等を挙げることができ
る。有機過酸化物としては、これらの内の少なくとも1
種が選択され、その配合量は、エチレン−ビニルアセテ
ート共重合体100重量部に対して0.1〜5重量部で
あることが好ましい。
【0028】また、エチレン−ビニルアセテート樹脂の
初期モジュラスを向上させて強度を向上させるために、
硬化助剤として、アクリロキシ基含有化合物、メタクリ
ロキシ基含有化合物及びアリル基含有化合物よりなる群
から選ばれた少なくとも1種の化合物を添加することが
できる。
【0029】これら化合物のうち、アクリロキシ基含有
化合物、メタクリロキシ基含有化合物としては、アクリ
ル酸誘導体又はメタクリル酸誘導体、例えば、そのエス
テルを用いることができる。この場合、エステルのアル
コール残基としては、メチル基、エチル基、ドデシル
基、ステアリル基、ラウリル基のようなアルキル基の他
に、シクロヘキシル基、テトラヒドロフルフリル基、ア
ミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキ
シプロピル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル基
等を挙げることができる。更に、エチレングリコール、
トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等の
多官能アルコールとのエステルも同様に用いることがで
きる。
【0030】また、アリル基含有化合物としては、ジア
リルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエ
ート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌ
レートが好ましく用いられる。
【0031】なお、これら化合物の配合量はエチレン−
ビニルアセテート共重合体100重量部に対して50重
量部以下とするのが好ましい。
【0032】さらに、エチレン−ビニルアセテート樹脂
とガラス板体及びハニカム構造体との接着力を更に向上
せしめる目的で、前記熱硬化型樹脂にシランカップリン
グ剤を接着力向上剤として添加することができる。この
目的に供されるシランカップリング剤としては公知のも
の、例えばγ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニル
トリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−
エトキシシクロヘキシル)エチル−トリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン等を挙げることができる。これらシ
ランカップリング剤の配合量は、エチレン−ビニルアセ
テート共重合体100重量部に対して5重量部又はそれ
以下で充分である。
【0033】また、更に、必要に応じて、接着層の安定
性を向上させる目的で、ハイドロキノン、ハイドロキノ
ンモノメチルエーテル、p−ベンゾキノン、メチルハイ
ドロキノン等の重合抑制剤を、エチレン−ビニルアセテ
ート共重合体100重量部に対して5重量部以下の量で
添加することができる。また、これらの添加剤以外にも
着色剤、紫外線吸収剤、変色防止剤等を必要に応じて添
加することができ、また、光安定性、熱安定性を一層向
上させる目的で酸化防止剤を用いることができる。この
酸化防止剤としては、フェノール系、イオウ系、リン
系、アミン系、ヒンダードフェノール系、ヒンダードア
ミン系、ヒドラジン系等を挙げることができるが特に好
ましいのはヒンダードアミン系である。 (実施例2)実施例1においては、ガラス板体12とハ
ニカム構造体14とが、両面ともにシート状の接着層1
6によって接着され、両面に球面を有する接着層を有し
ているが、片面に球面を有する接着層16があれば、他
面は接着剤を用いた接着層18で単にガラス板体12と
ハニカム構造体14とを接着したものとすることもでき
る。図4は、片面のガラス板体12とハニカム構造体1
4とをシート状の接着層の原材料層17を用いて接着
し、接着層16が球面を有するようになし、他面のガラ
ス板体12とハニカム構造体14とを接着剤を用いた接
着層18で接着した実施例2のガラス積層体20の断面
図を示す。この場合、例えば、ハニカム構造体14の片
面は、実施例1と同様に成形し、もう一方の面は、ハニ
カム構造体14の壁部13の他面側に接着剤を塗布して
接着層18を形成した後、他面側のガラス板体12と接
着することによって、ガラス積層体20を得ることがで
きる。使用しうる接着剤は、ガラス板体12とハニカム
構造体14を構成する壁部素材とを接着しうるものであ
れば、特に制限はなく、例えば、1液加熱硬化型及び2
液硬化型エポキシ系接着剤、ウレタン系、シリコン系、
変性シリコン系、ポリサルファイド系の接着剤、アクリ
ル系、ゴム系、樹脂系の溶剤型接着剤及びアクリル系、
ゴム系のホットメルト型粘着剤等が好適に用いられる。
これらのうち、硬化接着後に透明である接着剤が外観上
好ましい。これら接着剤は、例えば、ローラーコータ、
刷毛等の公知の手段によってハニカム構造体14に塗布
して用いられる。
【0034】本実施例では、接着剤をハニカム構造体1
4の壁部13端部に塗布して接着層18を形成したが、
ガラス板体12に接着剤を塗布して、好ましくは接着層
の原材料の粘度が500ポイズ以上の接着層の原材料層
を形成し、その後、ハニカム構造体14を押圧し、セル
の壁部に囲まれた部分の接着層が球面を有するように形
成して接着することもできる。
【0035】前記各実施例のガラス積層体10、20
は、多くの場合、サッシに嵌め込まれて使用されるもの
であるが、ガラス板体12がハニカム構造体14に接着
されているため、通常の中空ガラス積層体に比較して、
ガラス積層体全体の強度が高く、さらに、ガラス板体1
2が損傷した場合にも、ガラス片が多くの部位でハニカ
ム構造体14に接着されているため飛散することがな
い。また、ガラス板体12に開口部が形成されても、中
間層であるハニカム構造体14が存在することから、ガ
ラス積層体自体に貫通口を形成することが困難であるた
め、窓ガラスとして使用する際の防犯上も好ましい。ま
た、少なくとも片面の接着層16の表面が、ハニカム構
造体14のセル内で球面を有していることから、光の透
過性は低下させず、且つ、ガラス積層体を通しての視認
性を制御しうるため、プライバシー保護機能を有する。
さらに、視認性を制御するための球面を有する凸部がガ
ラス積層体の内面に形成され、両外側は平面であるた
め、清掃を簡単に行うことができ、メンテナンス上も好
ましい。
【0036】本発明のガラス積層体は、通常、2枚のガ
ラス板体間にハニカム構造体1層を間挿して接着したも
のが使用されるが、ガラス積層体の使用目的によって
は、複数のハニカム構造体を使用して構成したものを使
用してもよい。即ち、ガラス積層体として、前記2枚の
ガラス板体と1層のハニカム構造体からなるガラス積層
体を複数層接着して構成してもよく、ガラス板体とハニ
カム構造体とを交互に積層して接着して構成してもよ
い。 (実施例3)本発明のガラス構造体においては、ガラス
板体12とハニカム構造体14とが必ずしも同じ大きさ
であることは要さない。図5は、ガラス板体12よりも
小さいハニカム構造体14をガラス板体12間に有して
なる実施例3のガラス積層体22の断面図を示す。図5
のガラス積層体22では、ガラス板体12よりも小さい
ハニカム構造体14をガラス板体12間に有し、接着層
16によって両者を接着し、前記各実施例と同様に、ハ
ニカム構造体14の壁部13で形成されたセル内で接着
層16が球面を有するように構成してある。また、ガラ
ス板体12間端部のハニカム構造体14が存在しない空
間に親水性樹脂からなるシール部分24を形成してい
る。このように、ガラス積層体22の端部にシール部分
24を設けることによってガラス板体12間の空間の気
密性が確保できるため、断熱性向上の観点から好まし
い。
【0037】実施例3のガラス構造体22において、合
わせガラスの端部に設けられたシール部分24に使用す
る樹脂は、吸水率0.1%以上の樹脂であることが好ま
しい。吸水率0.1%以上の樹脂とは、JIS プラス
チックの吸水率及び沸騰水吸水率試験方法 K7209
(1984)によって吸水率を測定したときの吸水率が
0.1%以上の樹脂を指し、好ましくは、吸水率0.5
%以上さらに好ましくは1.0%以上の樹脂である。好
適に用いられる前記樹脂は、分子内に親水基をもつ、い
わゆる親水性樹脂であるが、それ以外ものでも前記試験
方法において吸水率0.1%以上を示すものであればい
ずれも用いることができる。親水基としては、水酸基、
アクリルアミド基、カルボキシル基、アミノ基、カルボ
ニル基、エーテル基、スルホ基等が挙げられる。
【0038】羊毛、絹、綿等をはじめとする天然高分子
由来の樹脂は、一般に親水性樹脂ということができる。
親水性合成樹脂及び親水性天然樹脂は、すべて、単独で
用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0039】好適に用いられる親水性樹脂としては、ポ
リアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルアミ
ン、ポリビニルピロリドン、ポリ−L−グルタミン酸ソ
ーダ、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ビ
スコース、ヘモグロビン、ポリピロリドン、ポリグリシ
ン、ポリメタクリル酸、ポリウレタン、セルロースジア
セテート、ポリメチルアリルアルコール、セルロースト
リアセテート、ナイロン6、ナイロン66、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリメチルビニルケトン、硝酸セルロース、エチ
ルセルロース、ナイロン610、ポリアクリロニトリ
ル、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリビニルイソブチルエーテ
ル、ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ア
リル樹脂、不飽和ポリエチレンテレフタレート、アルキ
ド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド、
アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリ塩
化ビニリデン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリカ
ーボネート、ポリアセタール等が挙げられるが、これら
の樹脂は単独で用いても、2種以上を混合して用いても
よく、また、これらの樹脂を変性したものでも、2種以
上を共重合したものでも、最終的に得られた樹脂が吸水
率0.1%以上の樹脂(以下、親水性樹脂と称する)で
あれば、好適に用いることができる。シール部分24の
幅には、特に制限はないが、合わせガラスが、サッシと
組み合わせて用いられること及び外観の点から30mm以
下であることが好ましい。また、0.1mm以上であるこ
とがこのましく、0.1mm未満であるとシール性能が不
充分である。
【0040】また、前記親水性樹脂でシールして湿度、
水分の侵入を防止した後、そのシール部分24の外周に
疎水性樹脂(吸水率0.1%未満の樹脂)からなるシー
ル部分を組み合わせることにより、湿度、水分の侵入の
防止をより効果的に行うことができる。この疎水性樹脂
としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等、
さらに、エチレン−酢酸ビニル共重合体等で、吸水率
0.1%未満のものを挙げることができる。
【0041】このように、シール部分24によって、周
囲からの湿度、水分の侵入を防止したガラス積層体22
は、前記各実施例の積層体10、20の効果を有し、さ
らに、高湿度の環境において好適に使用することがで
き、また、ハニカム構造体14の材質に耐湿性の低い、
例えば、紙の如き素材を使用しても耐久性が低下するこ
とがないという利点がある。
【0042】
【発明の効果】本発明のガラス積層体は、前記構成とし
たため、断熱性に優れ、強度が十分で、割れた場合にも
ガラス片が飛散することがなく安全性に優れ、しかも、
光透過性を低下させることなく、プライバシー保護機能
をも有するという優れた効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は実施例1のガラス積層体を示す断面図
であり、(B)は、接着層の原材料層を形成したガラス
板体にハニカム構造体を間挿した状態を示す断面図であ
る。
【図2】実施例1のガラス積層体に用いたハニカム構造
体を示す斜視図である。
【図3】(A)乃至(F)はハニカム構造体のセルの形
状の例を示す平面図である。
【図4】片面に球面を有する接着層を有し、他面はガラ
ス板体とハニカム構造体とを接着剤で接着した実施例2
のガラス積層体を示す断面図である。
【図5】周囲にシール部分を形成した実施例3のガラス
積層体を示す断面図である。
【符号の説明】
10、20、24 ガラス積層体 12 ガラス板体 14 ハニカム構造体 16 球面を有する接着層 17 接着層の原材料層
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 27/06 - 27/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚のガラス板体間に、薄板状の壁部で
    形成された多数のセルで構成されるハニカム構造体を有
    し、 各々のガラス板体とハニカム構造体との間に接着層を有
    し、 少なくとも1層の接着層が、前記ハニカム構造体のセル
    内で球面を有すること、 を特徴とするガラス積層体。
  2. 【請求項2】 前記球面の曲率半径が、0.5〜30m
    mであることを特徴とする請求項1記載のガラス積層
    体。
  3. 【請求項3】 前記接着層が、張り合わせ時における厚
    みTを有する接着層の原材料層に最大径φmax を有する
    前記セルを押圧することによって形成され、Tとφmax
    との関係が下記の式を満足し、且つ、前記接着層の原材
    料が500ポイズ以上の粘度を有することを特徴とする
    請求項1記載のガラス積層体。 0.001≦T/φmax ≦2.0
  4. 【請求項4】 前記接着層が、有機過酸化物及びシラン
    カップリング剤を含有するエチレン−ビニルアセテート
    共重合体であることを特徴とする請求項1記載のガラス
    積層体。
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