JP3427775B2 - コク味付与剤 - Google Patents
コク味付与剤Info
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- acid
- monophosphate
- nucleotides
- nucleotide
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品の味・匂いを
損なうことなく、簡便にコク味を付与するコク味付与剤
に関するものである。
損なうことなく、簡便にコク味を付与するコク味付与剤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】おいしさの基本は五原味に辛み渋味こく
香りが加味され構成される。この中でもこくは重要な風
味であるがこの言葉にははっきりとした定義がない。広
辞苑によれば本来コクは酷と書き、穀物が熟したことを
表したことから、酒などに深みのある味わいがあること
を表す場合に用いられた。
香りが加味され構成される。この中でもこくは重要な風
味であるがこの言葉にははっきりとした定義がない。広
辞苑によれば本来コクは酷と書き、穀物が熟したことを
表したことから、酒などに深みのある味わいがあること
を表す場合に用いられた。
【0003】近年においては、加工食品や外食産業の伸
長によって調理の簡便化が進んでいる。一方消費者の食
に対する本格、本物指向はますます高まっており、手軽
に味に厚みと奥行きを与える、たとえばコク味物質のよ
うなものが求められている。
長によって調理の簡便化が進んでいる。一方消費者の食
に対する本格、本物指向はますます高まっており、手軽
に味に厚みと奥行きを与える、たとえばコク味物質のよ
うなものが求められている。
【0004】従来コク味を付与する成分としてはペプチ
ド(ニューフードインダストリー1996年No.4
P23)、グルタチオン(特開昭60−9465)、あ
る種のアミノ酸誘導体(特開平8−143551)、畜
肉、魚介エキスの酸性不溶画分(特開平9−9407
6)、タンニン(特開平9−173008)等種々の物
質が挙げられている。
ド(ニューフードインダストリー1996年No.4
P23)、グルタチオン(特開昭60−9465)、あ
る種のアミノ酸誘導体(特開平8−143551)、畜
肉、魚介エキスの酸性不溶画分(特開平9−9407
6)、タンニン(特開平9−173008)等種々の物
質が挙げられている。
【0005】しかしながら何れの成分も分離精製が複雑
或いは高価であり、あるものは苦味や渋味といった好ま
しくない味や異臭を併せ持つといった問題があった。
或いは高価であり、あるものは苦味や渋味といった好ま
しくない味や異臭を併せ持つといった問題があった。
【0006】ちなみに核酸分解物の一種であるヌクレオ
チドは5'-ヌクレオチドのうちイノシン酸、グアニル酸
及びキサンチル酸に旨味がありイノシン酸とグアニル酸
は旨味調味料として大量に工業生産されている。しか
し、2'-、3'-のヌクレオチドは調味料として実際に使用
した例がないのはもちろん、コク味付与剤としての用途
が示唆されることもなかった。
チドは5'-ヌクレオチドのうちイノシン酸、グアニル酸
及びキサンチル酸に旨味がありイノシン酸とグアニル酸
は旨味調味料として大量に工業生産されている。しか
し、2'-、3'-のヌクレオチドは調味料として実際に使用
した例がないのはもちろん、コク味付与剤としての用途
が示唆されることもなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前項記載の従来技術の
背景下に、本発明は、新たなコク味を付与する調味料を
提供することを目的とする。
背景下に、本発明は、新たなコク味を付与する調味料を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、2'-及び/又は3'-
ヌクレオチドにコク味を付与する機能が存在することを
見出した。
を解決するために鋭意検討した結果、2'-及び/又は3'-
ヌクレオチドにコク味を付与する機能が存在することを
見出した。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、2'-ヌクレオチ
ドとは、ヌクレオシドの糖部分の2’位にリン酸がエス
テル結合している化合物のことであり、3'-ヌクレオチ
ドとはヌクレオシドの糖部分の3’位にリン酸がエステ
ル結合している化合物である。例えば、2'-イノシン
酸、グアニル酸、シチジル酸、アデニル酸、ウリジル
酸、3'-イノシン酸、グアニル酸、シチジル酸、アデニ
ル酸、ウリジル酸、チミジル酸等である。また、これら
を複数用いる場合は、適宜組み合わせることが可能であ
る。
ドとは、ヌクレオシドの糖部分の2’位にリン酸がエス
テル結合している化合物のことであり、3'-ヌクレオチ
ドとはヌクレオシドの糖部分の3’位にリン酸がエステ
ル結合している化合物である。例えば、2'-イノシン
酸、グアニル酸、シチジル酸、アデニル酸、ウリジル
酸、3'-イノシン酸、グアニル酸、シチジル酸、アデニ
ル酸、ウリジル酸、チミジル酸等である。また、これら
を複数用いる場合は、適宜組み合わせることが可能であ
る。
【0010】2'-及び/又は3'-ヌクレオチドの由来は酵
母、細菌、動植物及び乳など制限はない。酵母として
は、例えばキャンディタ ウチリス( Candida Utili
s)等があげられる。また精製方法についても制限はな
く、完全に精製されていないものを用いてもよい。従っ
て精製物の他、粗製物、含有物なども使用でき、乾燥
品、ペースト品、液状品に調製した物も自由に使用でき
る。
母、細菌、動植物及び乳など制限はない。酵母として
は、例えばキャンディタ ウチリス( Candida Utili
s)等があげられる。また精製方法についても制限はな
く、完全に精製されていないものを用いてもよい。従っ
て精製物の他、粗製物、含有物なども使用でき、乾燥
品、ペースト品、液状品に調製した物も自由に使用でき
る。
【0011】2'-及び/又は3'-ヌクレオチドは、公知の
方法、例えば、酸加水分解法やアルカリ加水分解法、酵
素による分解等により得ることができる。
方法、例えば、酸加水分解法やアルカリ加水分解法、酵
素による分解等により得ることができる。
【0012】有効成分の配合量は任意でよいが、目的と
なる食品に応じて適宜定めればよく、当業者であれば簡
単な予備検討で容易に定めることができる。通常喫食時
の濃度が0.01〜5%の範囲でコク味を付与すること
ができるが、この範囲に限定されることなく自由に添加
することができる。また一般にヌクレオチドは魚介類や
肉、キノコなどの食品に含まれているので多量に摂取し
ても安全性については問題ない。
なる食品に応じて適宜定めればよく、当業者であれば簡
単な予備検討で容易に定めることができる。通常喫食時
の濃度が0.01〜5%の範囲でコク味を付与すること
ができるが、この範囲に限定されることなく自由に添加
することができる。また一般にヌクレオチドは魚介類や
肉、キノコなどの食品に含まれているので多量に摂取し
ても安全性については問題ない。
【0013】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示すが、本発明の
範囲はこれらに限定されるものではない。
範囲はこれらに限定されるものではない。
【0014】実施例1
市販固形ブイヨン(ネスレ日本(株)製)を湯に溶かし
て2%ブイヨンスープとし、以下の割合で配合した2'-
ヌクレオチドを0.05%添加した。 シチジン2'-一リン酸 0.14 アデニン2'-一リン酸 0.16 ウリジン2'-一リン酸 0.45 グアノシン2'-一リン酸 0.25 ブランクとして無添加ブイヨンスープを作成し、二点比
較法で10名のパネラーにて味質を評価した。その結果
を表1に示す。
て2%ブイヨンスープとし、以下の割合で配合した2'-
ヌクレオチドを0.05%添加した。 シチジン2'-一リン酸 0.14 アデニン2'-一リン酸 0.16 ウリジン2'-一リン酸 0.45 グアノシン2'-一リン酸 0.25 ブランクとして無添加ブイヨンスープを作成し、二点比
較法で10名のパネラーにて味質を評価した。その結果
を表1に示す。
【0015】
【表1】表1
【0016】実施例2
市販固形ブイヨン(ネスレ日本(株)製)を湯に溶かし
て2%ブイヨンスープとし、以下の割合で配合した3'-
ヌクレオチドを0.05%添加した。 シチジン3'-一リン酸 0.14 アデニン3'-一リン酸 0.16 ウリジン3'-一リン酸 0.45 グアノシン3'-一リン酸 0.25 ブランクとして無添加ブイヨンスープを作成し、二点比
較法で10名のパネラーにて味質を評価した。その結果
を表2に示す。
て2%ブイヨンスープとし、以下の割合で配合した3'-
ヌクレオチドを0.05%添加した。 シチジン3'-一リン酸 0.14 アデニン3'-一リン酸 0.16 ウリジン3'-一リン酸 0.45 グアノシン3'-一リン酸 0.25 ブランクとして無添加ブイヨンスープを作成し、二点比
較法で10名のパネラーにて味質を評価した。その結果
を表2に示す。
【0017】
【表2】表2
【0018】実施例3
市販固形ブイヨン(ネスレ日本(株)製)を湯に溶かし
て2%ブイヨンスープとし、以下の割合で配合した2'-
ヌクレオチドと3'-ヌクレオチドを0.05%添加し
た。 シチジン2'-一リン酸 0.07 アデニン2'-一リン酸 0.08 ウリジン2'-一リン酸 0.22 グアノシン2'-一リン酸 0.13 シチジン3'-一リン酸 0.07 アデニン3'-一リン酸 0.08 ウリジン3'-一リン酸 0.22 グアノシン3'-一リン酸 0.13 ブランクとして無添加ブイヨンスープを作成し、二点比
較法で10名のパネラーにて味質を評価した。その結果
を表3に示す。
て2%ブイヨンスープとし、以下の割合で配合した2'-
ヌクレオチドと3'-ヌクレオチドを0.05%添加し
た。 シチジン2'-一リン酸 0.07 アデニン2'-一リン酸 0.08 ウリジン2'-一リン酸 0.22 グアノシン2'-一リン酸 0.13 シチジン3'-一リン酸 0.07 アデニン3'-一リン酸 0.08 ウリジン3'-一リン酸 0.22 グアノシン3'-一リン酸 0.13 ブランクとして無添加ブイヨンスープを作成し、二点比
較法で10名のパネラーにて味質を評価した。その結果
を表3に示す。
【0019】
【表3】表3
【0020】実施例4
本発明の効果を調べるため、表4の素材を用いてポター
ジュスープを作成し、10名のパネラーにて官能試験を
行った。その結果を表5に示す。
ジュスープを作成し、10名のパネラーにて官能試験を
行った。その結果を表5に示す。
【0021】
【表4】表4
【0022】
【表5】表5
【0023】これらの結果から分かるように食品に対し
て2'-ヌクレオチド及び/または3'-ヌクレオチドを添加
することで、コク味を付与することができる。
て2'-ヌクレオチド及び/または3'-ヌクレオチドを添加
することで、コク味を付与することができる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、2'-ヌクレオチド及び
/または3'-ヌクレオチドを添加することにより、簡便
にコク味を付与することが出来る。
/または3'-ヌクレオチドを添加することにより、簡便
にコク味を付与することが出来る。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
A23L 1/03
A23L 1/22 - 1/28
Claims (2)
- 【請求項1】 2'-ヌクレオチド及び/または3'-ヌクレ
オチドを有効成分とすることを特徴とするコク味付与
剤。 - 【請求項2】 2'-ヌクレオチドがヌクレオシドの糖部
分の2’位にリン酸がエステル結合してなる化合物、3'
-ヌクレオチドがヌクレオシドの糖部分の3’位にリン
酸がエステル結合してなる化合物である請求項1記載の
コク味付与剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10764899A JP3427775B2 (ja) | 1999-04-15 | 1999-04-15 | コク味付与剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10764899A JP3427775B2 (ja) | 1999-04-15 | 1999-04-15 | コク味付与剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000300206A JP2000300206A (ja) | 2000-10-31 |
JP3427775B2 true JP3427775B2 (ja) | 2003-07-22 |
Family
ID=14464527
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10764899A Expired - Fee Related JP3427775B2 (ja) | 1999-04-15 | 1999-04-15 | コク味付与剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3427775B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ATE445335T1 (de) | 1998-12-23 | 2009-10-15 | Sinai School Medicine | Hemmstoffe zur unterdrückung des bitteren geschmacks |
US7314716B2 (en) | 1999-11-19 | 2008-01-01 | Mount Sinai School Of Medicine | Gustducin γ subunit materials and methods |
US7803982B2 (en) | 2001-04-20 | 2010-09-28 | The Mount Sinai School Of Medicine Of New York University | T1R3 transgenic animals, cells and related methods |
US6942874B2 (en) * | 2001-05-25 | 2005-09-13 | Linguagen Corp. | Nucleotide compounds that block the bitter taste of oral compositions |
EP1946110B1 (en) * | 2005-11-09 | 2010-10-06 | Ajinomoto Co., Inc. | Screening method for kokumi-imparting agents |
-
1999
- 1999-04-15 JP JP10764899A patent/JP3427775B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000300206A (ja) | 2000-10-31 |
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