JP3427271B2 - 映像信号処理回路 - Google Patents

映像信号処理回路

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JP3427271B2
JP3427271B2 JP19477193A JP19477193A JP3427271B2 JP 3427271 B2 JP3427271 B2 JP 3427271B2 JP 19477193 A JP19477193 A JP 19477193A JP 19477193 A JP19477193 A JP 19477193A JP 3427271 B2 JP3427271 B2 JP 3427271B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、映像信号に混入した
妨害、雑音成分を除去する映像信号処理回路に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】映像信号に混入した妨害、雑音成分とし
ては、例えばNTSC方式で製作された番組等をPAL
方式に変換した時、画像に生じる約3.5[MHz]前
後の周波数の縦じま妨害があげられる。
【0003】図17は、この縦じま妨害を除去する従来
の映像信号処理回路を示すブロック図である。図におい
て、1は輝度信号が印加される入力端子、2,3は信号
を所定時間だけ遅延させる第1,第2の遅延回路、4,
5,6は入力された信号に各々所定の係数を掛ける第
1,第2,第3の係数回路、7は第1〜第3の係数回路
4〜6からの3系統の入力信号を加算する加算回路、8
は加算回路7からの出力信号を送出する出力端子で、こ
の従来例の映像信号処理回路は3タップの低域通過フィ
ルタ回路で構成されている。
【0004】次に動作について、PAL方式TV信号の
色副搬送周波数の4倍の標本化周波数で標本化し、量子
化した信号系列に対するデジタル信号処理の場合を例に
説明する。入力端子1には、例えば複合映像信号をYC
分離して得た輝度信号Y(t)が入力され、第1の遅延
回路2および第1の係数回路4に供給される。第1の遅
延回路2は、輝度信号Y(t)を2標本周期(2τ)だ
け遅延させた出力信号Y(t−2τ)を第2の遅延回路
3および第2の係数回路5に供給する。第2の遅延回路
3は、第1の遅延回路2の出力信号Y(t−2τ)を第
1の遅延回路2の遅延時間と同じ時間だけ遅延させた出
力信号Y(t−4τ)を第3の係数回路6に供給する。
第1の係数回路4は、輝度信号Y(t)に、例えば係数
1/4を掛け合わせた出力信号1/4・Y(t)を加算
回路7に供給する。第2の係数回路5は、第1の遅延回
路2の出力信号Y(t−2τ)に、例えば係数1/2を
掛け合わせた出力信号1/2・Y(t−2τ)を加算回
路7に供給する。第3の係数回路6は、第2の遅延回路
3の出力信号Y(t−4τ)に、例えば係数1/4を掛
け合わせた出力信号1/4・Y(t−4τ)を加算回路
7に供給する。加算回路7は、第1の係数回路4の出力
信号1/4・Y(t)と、第2の係数回路5の出力信号
1/2・Y(t−2τ)と、第3の係数回路6の出力信
号1/4・Y(t−4τ)を加算した信号 1/4・Y(t)+1/2・Y(t−2τ)+1/4・Y(t−4τ) を出力端子8から出力する。
【0005】図18は、この3タップの低域通過フィル
タ回路の利得対周波数特性である。縦軸は、利得0〜1
を1目盛り0.1刻みで示している。横軸は、周波数0
〜7.0[MHz]を1目盛り0.7[MHz]刻みで
示している。図から明らかなように、3.5[MHz]
での利得が0.1以下である。したがって、約3.5
[MHz]前後の周波数の縦じま妨害が1/10以下に
減衰する。
【0006】また、映像信号に混入した妨害、雑音成分
としては、例えば2チャンネルの音声信号を磁気テープ
の深層に記録するVHS(S−VHS)方式のVTRの
画像に生じる数100[kHz]の周波数のビート妨害
があげられる。図19に、2チャンネル音声信号を2周
波の周波数変調信号に変換して記録するS−VHS方式
Hi−Fi規格VTRの記録フォーマットを示す。主
(L)チャンネル音声は中心キャリア周波数1.3[M
Hz]、副(R)チャンネル音声は中心キャリア周波数
1.7[MHz]で変調されて、映像信号の記録される
磁気テープの表層よりも深い磁性層に深層記録される。
2周波の周波数変調信号を電磁変換系を通して記録再生
するので、非直線歪を受け、スプリアスが生じる。この
うち色信号帯域に混入する成分は、 1.7[MHz]−1.3[MHz]=400[kHz] あるいは、2×1.3[MHz]−1.7[MHz]=
900[kHz]である。色信号は、2つの色差信号R
−Y、B−Yを搬送波3.58[MHz]で直角二相変
調した搬送色信号を、629[kHz]に低域変換した
低域変換搬送色信号である。これより、400[kH
z]と900[kHz]のスプリアス成分は、色差信号
において 629−400=229[kHz] 900−629=271[kHz] の成分としてあらわれる。この229[kHz]と27
1[kHz]の成分は、画面上の飽和度が高く、色変化
のあまりない大面積部分で、振幅あるいは色相成分が斜
線状に変動したビート妨害として目につく。
【0007】図20はこのビート妨害を除去する従来の
映像信号処理回路のブロック図である。図において、1
は色差信号が印加される入力端子、2,3は信号を所定
時間だけ遅延させる第1,第2の遅延回路、4,5,6
は入力された信号に対して各々所定の係数を掛ける第
1,第2,第3の係数回路、7は第1〜第3の係数回路
4〜6からの3系統の入力信号を加算する加算回路、8
は加算回路7からの出力信号を送出する出力端子で、こ
の従来例の映像信号処理回路は3タップの低域通過フィ
ルタ回路で構成されている。
【0008】次に動作について、NTSC方式TV信号
の色副搬送周波数の4倍の標本化周波数で標本化し、量
子化した信号系列に対するデジタル信号処理の場合を例
に説明する。入力端子1には、例えば複合映像信号をY
C分離して得た搬送色信号を色復調して得られた色差信
号C(t)が入力され、第1の遅延回路2、および第1
の係数回路4に供給される。第1の遅延回路2は、色差
信号C(t)を29標本周期(29τ)だけ遅延させた
出力信号C(t−29τ)を第2の遅延回路3および第
2の係数回路5に供給する。第2の遅延回路3は、第1
の遅延回路2の出力信号C(t−29τ)を第1の遅延
回路2の遅延時間と同じ時間だけ遅延させた出力信号C
(t−58τ)を第3の係数回路6に供給する。第1の
係数回路4は、色差信号C(t)に、例えば係数1/4
を掛け合わせた出力信号1/4・C(t)を加算回路7
に供給する。第2の係数回路5は、第1の遅延回路2の
出力信号C(t−29τ)に、例えば係数1/2を掛け
合わせた出力信号1/2・C(t−29τ)を加算回路
7に供給する。第3の係数回路6は、第2の遅延回路3
の出力信号C(t−58τ)に、例えば係数1/4を掛
け合わせた出力信号1/4・C(t−58τ)を加算回
路7に供給する。加算回路7は、第1の係数回路4の出
力信号1/4・C(t)と、第2の係数回路5の出力信
号1/2・C(t−29τ)と、第3の係数回路6の出
力信号1/4・C(t−58τ)を加算した信号 1/4・C(t)+1/2・C(t−29τ)+1/4・C(t−58τ) を出力端子8から出力する。出力端子8から出力される
色差信号は約247[kHz]で最も減衰してビート妨
害は減衰される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の映像信号処理回
路は以上のように構成されているので、妨害、雑音成分
は除去できるものの、輝度信号の高域成分または色信号
の高域成分まで減衰してしまうため解像度または色解像
度が劣化した画像となる等の問題点があった。
【0010】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、妨害、雑音成分を除去するとと
もに、画像の高域成分または色信号の高域成分の減衰を
最小限に抑えることができる映像信号処理回路を得るこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る映像信号
処理回路は、複合映像信号における輝度信号に含まれ
る妨害成分または雑音成分を除去する低域通過フィル
タ回路と、輝度信号と低域通過フィルタ回路の出力信号
のいずれかを選択して出力する切り換え回路と、輝度
信号の信号レベルが所定値より高い場合および輝度信号
の黒レベル付近よりも低い場合には輝度信号の出力と同
じ出力となるようにし、輝度信号の信号レベルが所定値
より低い、かつ輝度信号の黒レベル付近より高い場合は
低域通過フィルタ回路の出力信号と同じ出力となるよう
に切り換え回路を制御する制御回路とを備えたものであ
る。
【0012】請求項2に係る映像信号処理回路は、所定
値は、縦じま妨害が目立たない信号レベルに対応するこ
ととしたものである。
【0013】請求項3に係る映像信号処理回路は、複合
映像信号における輝度信号に含まれている妨害成分また
雑音成分を除去する低域通過フィルタ回路と、輝度信
号と低域通過フィルタ回路の出力信号のいずれかを選
して出力する切り換え回路と、輝度信号の信号レベル
が所定値より高い期間および輝度信号の同期信号を含む
期間は輝度信号の出力と同じ出力となるようにし、輝度
信号の信号レベルが所定値より低く、かつ複合映像信号
の同期信号を含まない期間は低域通過フィルタの出力信
号と同じ出力となるように切り換え回路を制御する制御
回路とを備えたものである。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【作用】請求項1の映像信号処理回路は、制御回路が輝
度信号の信号電位と所定電位および黒レベル付近の電位
とを比較して輝度信号の信号電位が所定電位より高い
時、すなわち輝度信号に含まれる妨害成分または雑音成
分が目立たない明るい画像部分、または黒レベル付近の
電位より低い時、すなわち暗い画像部分に含まれるがフ
ィルタリングにより波形特性が劣化する同期信号を含む
部分は輝度信号をそのまま、また輝度信号の信号電位が
所定電位より低くしかも黒レベル付近の電位より高い
時、すなわち妨害成分または雑音成分が目立つその他の
暗い画像部分は、輝度信号に含まれる妨害成分または雑
音成分を除去するフィルタ回路の出力信号を選択出力す
るように切り換え回路を制御する。
【0022】請求項2の映像信号処理回路は、所定電位
を例えばPAL方式TV画像の場合、約3.5[MH
z]前後の周波数の縦じま妨害が目につかなくなり、高
域成分があまり劣化しない電位に設定し、回路を制御す
る。
【0023】請求項3の映像信号処理回路は、制御回路
が輝度信号の信号電位と所定電位とを比較して輝度信号
の信号電位が所定電位より高い時、すなわち輝度信号に
含まれる妨害成分または雑音成分が目立たない明るい画
像部分、またはフィルタリングにより波形特性が劣化す
る同期信号が含まれる期間は輝度信号をそのまま、また
同期信号を含む期間以外であって輝度信号の信号電位が
所定電位より低い時、すなわち妨害成分または雑音成分
が目立つ暗い画像部分は、輝度信号に含まれる妨害成分
または雑音成分を除去するフィルタ回路の出力信号を選
択出力するように切り換え回路を制御する。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【実施例】例えばNTSC方式で製作された番組等をP
AL方式に変換した時、画像に生じる約3.5[MH
z]前後の周波数の縦じま妨害を除去する映像信号処理
回路を実施例1〜6として説明する。
【0032】実施例1.図1は本発明の映像信号処理回
路の第1実施例のブロック回路図である。図1におい
て、9は入力端子1に印加された輝度信号の高域成分を
減衰させる低域通過フィルタ回路、10は低域通過フィ
ルタ回路9の有する遅延時間と同じ時間だけ入力輝度信
号Yを遅延させる遅延回路、11は遅延回路10の出力
輝度信号YD と低域通過フィルタ回路9の出力輝度信号
YL とを切り換えて出力する切り換え回路、12は所定
レベルの電位E1 を発生する電位発生回路、13は遅延
回路10から出力された輝度信号YD と電位発生回路1
2から出力された電位E1 とを比較して比較結果を出力
する比較回路である。
【0033】次に動作について説明する。入力端子1に
は、例えば複合映像信号をYC分離して得た輝度信号Y
が入力され、遅延回路10と低域通過フィルタ回路9に
供給される。低域通過フィルタ回路9は、入力された輝
度信号Yの高域成分を減衰させた輝度信号YL を切り換
え回路11の一方の入力端子に供給する。この低域通過
フィルタ回路9は、例えば図17に示される従来の映像
信号処理回路と同様に構成された回路であっても良い。
遅延回路10は、入力輝度信号Yが低域通過フィルタ回
路9を通過するのに必要な時間だけ入力輝度信号Yを遅
延させた輝度信号YD を比較回路13と切り換え回路1
1の他方の入力端子に供給する。電位発生回路12は、
電位E1 を発生して比較回路13に供給する。比較回路
13は、輝度信号YD と電位E1 を比較し、輝度信号Y
D が電位E1 より高い時は切り換え回路11が遅延回路
10の出力輝度信号YD を選択するように制御し、輝度
信号YD が電位E1 より低い時は切り換え回路11が低
域通過フィルタ回路9の出力輝度信号YL を選択するよ
うに制御する。切り換え回路11により選択された輝度
信号は出力端子8から出力される。
【0034】この処理の様子を、図2に示す階段波の映
像信号波形を基に説明する。PAL方式TV画像で生じ
る約3.5[MHz]前後の周波数の縦じま妨害は、暗
い画像部分ではかなり目につくが、明るい画像部分では
あまり目につかない。そこで、明るい画像部分、すなわ
ち電位発生回路12から出力された電位E1 よりも高い
電位の輝度信号に対しては縦じま妨害の除去を行う必要
がないので、フィルタ処理を行っていない遅延回路10
の出力輝度信号YD を切り換え回路11が選択するよう
に制御する。他方、暗い画像部分、すなわち電位発生回
路12から出力された電位E1 よりも低い電位の輝度信
号に対しては、縦じま妨害の除去を行う必要があるの
で、縦じま妨害を除去する高域除去のフィルタ処理を行
った低域通過フィルタ回路9の出力輝度信号YL を切り
換え回路11が選択するように制御する。電位発生回路
12から出力される電位E1 は、PAL方式TV画像で
生じる約3.5[MHz]前後の周波数の縦じま妨害が
目につかなくなり、かつ、高域成分があまり劣化しない
電位に設定される。
【0035】実施例2.図3は本発明の映像信号処理回
路の第2実施例のブロック回路図で、図1と同一符号は
それぞれ同一部分を示しているので説明を省略する。図
3において、14は黒レベル付近の第2の電位E2 を発
生する第2の電位発生回路で、第2の電位E2 は、第1
の電位発生回路12から出力される第1の電位E1 とと
もに比較回路13に入力される。
【0036】次に動作について説明する。入力端子1に
入力された輝度信号Yが、遅延回路10、あるいは低域
通過フィルタ回路9を経て切り換え回路11で切り換え
られて出力端子8から出力される動作は、図1に示した
実施例1の動作と同じであるから、ここではその動作説
明は省略する。
【0037】次に、切り換え回路11を制御する制御信
号が切り換え回路11に供給されるまでの動作を説明す
る。第1の電位発生回路12は第1の電位E1 を、第2
の電位発生回路14は第2の電位E2 を発生して、遅延
回路10の出力輝度信号YDとともに比較回路13に供
給する。比較回路13は、輝度信号YD と第1の電位E
1 を比較すると同時に、輝度信号YD と第2の電位E2
を比較し、輝度信号YD の電位が第1の電位E1 より高
い時、または第2の電位E2 よりも低い時は、切り換え
回路11が遅延回路10の出力輝度信号YD を選択する
ように制御し、輝度信号YD の電位が第1の電位E1 よ
り低く、かつ、第2の電位E2 よりも高い時は、低域通
過フィルタ回路9の出力輝度信号YL を選択するように
制御する。
【0038】この処理の様子を図4に示す階段波の映像
信号波形を基に説明する。PAL方式TV画像で生じる
約3.5[MHz]前後の周波数の縦じま妨害は、暗い
画像部分ではかなり目につくが、明るい画像部分ではあ
まり目につかない。また、同期信号部分は、暗い画像部
分に含まれてしまうが、同期信号を低域通過フィルタ回
路9に通すと、同期信号の波形特性が劣化し、TV受像
機の同期処理系が誤動作し、時間軸の不安定な画像にな
る可能性がある。そこで、明るい画像部分、すなわち第
1の電位E1 よりも高い電位の輝度信号に対しては、縦
じま妨害の除去を行う必要がないので、フィルタ処理を
行っていない遅延回路10の出力輝度信号YD を切り換
え回路11が選択するように制御する。暗い画像部分、
すなわち第1の電位E1 よりも低い電位であって同期信
号部分以外の第2の電位E2 より高い電位の輝度信号に
対しては、縦じま妨害の除去を行う必要があるので、縦
じま妨害を除去する高域除去のフィルタ処理を行った低
域通過フィルタ回路9の出力輝度信号YL を切り換え回
路11が選択するように制御する。
【0039】しかし、暗い画像部分のうち同期信号部
分、すなわち第2の電位E2 よりも低い電位の輝度信号
に対してはフィルタ処理を行わない方が良いので、フィ
ルタ処理を行っていない遅延回路10の出力輝度信号Y
D を切り換え回路11が選択するように制御する。第1
の電位E1 は、PAL方式TV画像で生じる約3.5
[MHz]前後の周波数の縦じま妨害が目につかなくな
り、高域成分があまり劣化しない電位に設定される。ま
た、第2の電位E2 は、第1の電位E1 よりも低い電位
で、輝度信号が多少サグを持っていても同期信号部分に
かかることがないように、同期信号の電位より高い黒レ
ベル付近の電位に設定される。
【0040】実施例3.図5は本発明の映像信号処理回
路の第3実施例のブロック回路図で、図1と同一符号は
それぞれ同一部分を示しているので説明を省略する。図
5において、15は遅延回路10が出力する輝度信号Y
D から同期信号Sを分離する同期信号分離回路、16は
同期信号分離回路15から出力された同期信号Sの位相
を調整したパルス信号Pを出力する位相調整回路、17
は比較回路13の出力信号と位相調整回路16の出力パ
ルス信号Pとから切り換え回路11を制御する制御信号
を生成する制御回路である。
【0041】次に動作について説明する。入力端子1に
入力された輝度信号Yが、遅延回路10、あるいは低域
通過フィルタ回路9を経て切り換え回路11で切り換え
られて出力端子8から出力される動作は、図1に示した
実施例1の動作と同じであるから、ここではその動作説
明は省略する。
【0042】次に、切り換え回路11を制御する制御信
号が切り換え回路11に供給されるまでの動作を説明す
る。電位発生回路12は、電位E1 を発生して遅延回路
10の出力輝度信号YD と同時に比較回路13に供給す
る。比較回路13は、輝度信号YD と電位E1 を比較し
て比較結果を制御回路17に供給する。同期信号分離回
路15は、遅延回路10が出力する輝度信号YD から同
期信号Sを分離して位相調整回路16に供給する。位相
調整回路16は、同期信号分離回路15から出力された
同期信号Sの位相およびパルス幅を調整し、遅延回路1
0から出力される輝度信号YD において同期信号部分を
含んだ期間を示すパルス信号Pを制御回路17に供給す
る。この位相調整回路16は、単安定マルチバイブレー
タ、あるいは周波数カウンタ、あるいは遅延回路、ある
いは自動周波数制御回路等、同様な動作が得られるもの
であればいかなる回路で構成しても良い。制御回路17
は、輝度信号YD の電位が電位E1 より高い時、あるい
は同期信号Sを中心とした期間の時は、切り換え回路1
1が遅延回路10の出力輝度信号YD を選択するように
制御し、輝度信号YD が電位E1 より低い電位であっ
て、かつ、同期信号Sを中心とした期間に含まれない期
間の時は、切り換え回路11が低域通過フィルタ回路9
の出力輝度信号YL を選択するように制御する。
【0043】この処理の様子を図6に示す階段波の映像
信号波形を基に説明する。PAL方式TV画像で生じる
約3.5[MHz]前後の周波数の縦じま妨害は、暗い
画像部分ではかなり目につくが、明るい画像部分ではあ
まり目につかない。また、同期信号部分は暗い画像部分
に含まれてしまうが、同期信号を低域通過フィルタ回路
9に通すと、同期信号の波形特性が劣化し、TV受像機
の同期処理系が誤動作し、時間軸の不安定な画像になる
可能性がある。そこで、明るい画像部分、すなわち電位
E1 よりも高い電位の輝度信号に対しては、縦じま妨害
の除去を行う必要がないので、フィルタ処理を行ってい
ない遅延回路10の出力輝度信号YD を切り換え回路1
1が選択するような制御信号を制御回路17に供給す
る。暗い画像部分、すなわち電位E1 よりも低い電位で
あって、かつ同期信号を含んだ期間以外の輝度信号に対
しては、縦じま妨害の除去を行う必要があるので、縦じ
ま妨害を除去する高域除去のフィルタ処理を行った低域
通過フィルタ回路9の出力輝度信号YL を切り換え回路
11が選択するような制御信号を制御回路17に供給す
る。
【0044】しかし、暗い画像部分のうち同期信号部
分、すなわち位相調整回路16から出力されたパルス信
号Pが示す、同期信号を含んだ期間に対してはフィルタ
処理を行わない方が良いので、フィルタ処理を行ってい
ない遅延回路10の出力輝度信号YD を切り換え回路1
1が選択するような制御信号を制御回路17に供給す
る。電位発生回路12から出力される電位E1 は、PA
L方式TV画像で生じる約3.5[MHz]前後の周波
数の縦じま妨害が目につかなくなり、高域成分があまり
劣化しない電位に設定される。
【0045】実施例4.図7は、本発明の映像処理回路
の第4実施例のブロック回路図で、図1と同一符号はそ
れぞれ同一部分を示しているので説明を省略する。図7
において、18は入力端子1に印加された輝度信号Yの
うち妨害、雑音成分の存在する帯域のみを通過させる帯
域通過フィルタ回路、19は帯域通過フィルタ回路18
の有する遅延時間と同じ時間だけ輝度信号Yを遅延させ
る遅延回路、20は帯域通過フィルタ回路18の出力輝
度信号YB と無信号とを切り換える切り換え回路、13
は遅延回路19から出力された輝度信号YD と電位発生
回路12から出力された電位E1 とを比較して比較結果
を出力する比較回路、21は遅延回路19が出力する輝
度信号YD から切り換え回路20の出力信号を差し引く
減算回路である。
【0046】次に動作について説明する。入力端子1に
は、例えば複合映像信号をYC分離して得た輝度信号Y
が入力され、遅延回路19、帯域通過フィルタ回路18
に供給される。帯域通過フィルタ回路18は、入力端子
1に印加された輝度信号Yのうち妨害、雑音成分の存在
する帯域のみを通過させて切り換え回路20の一方の入
力端子に供給する。例えば、帯域通過フィルタ回路18
は、図17に示した従来の映像信号処理回路を構成して
いる3タップのフィルタ回路のうち、第1の係数回路4
の乗算係数を−1/4に、第3の係数回路6の乗算係数
を−1/4に変えた回路構成でも良い。この場合、入力
輝度信号をY(t)とした時の出力輝度信号YB は −1/4・Y(t)+1/2・Y(t−2τ)−1/4・Y(t−4τ) である。
【0047】遅延回路19は、入力端子1に印加された
輝度信号Yが帯域通過フィルタ回路18を通過するため
に必要な時間だけ入力輝度信号を遅延させて減算回路2
1、比較回路13に供給する。電位発生回路12は電位
E1 を発生して、遅延回路19から出力された輝度信号
YD と同時に比較回路13に供給する。比較回路13
は、輝度信号YD と電位E1 を比較し、輝度信号YD の
電位が電位E1 より高い時は切り換え回路20が無信号
を選択するように制御し、輝度信号YD が電位E1 より
低い電位の時は切り換え回路20が帯域通過フィルタ回
路18の出力輝度信号YB を選択するように制御する。
切り換え回路20は比較回路13の出力信号に応じて無
信号と帯域通過フィルタ回路18の出力輝度信号YB と
を切り換えて減算回路21に供給する。減算回路21
は、遅延回路19が出力する輝度信号YD から切り換え
回路20の出力信号を差し引いた信号を出力端子8に出
力する。
【0048】ここで、切り換え回路20が減算回路21
に無信号を供給した場合、入力端子1に印加された輝度
信号をY(t)とすると、入力輝度信号Y(t)を帯域
通過フィルタ回路18と同じ遅延時間だけ遅らせた遅延
回路19の出力輝度信号Y(t−2τ)がそのまま出力
端子8から出力されることになる。
【0049】また、帯域通過フィルタ回路18の出力輝
度信号YB をそのまま減算回路21に供給した場合、入
力輝度信号Y(t)を帯域通過フィルタ回路18と同じ
遅延時間だけ遅らせた遅延回路19の出力輝度信号Y
(t−2τ)から、帯域通過フィルタ回路18の出力信
号 −1/4・Y(t)+1/2・Y(t−2τ)−1/4・Y(t−4τ) を減算することになるので、出力端子8からの出力信号
は、 Y(t−2τ)−{−1/4・Y(t)+1/2・Y(t−2τ)−1/4 ・Y(t−4τ)} =1/4・Y(t)+1/2・Y(t−2τ)+1/4・Y(t−4τ) となり、従来例の映像信号処理回路の出力信号と同じ出
力信号が出力端子8から出力される。
【0050】この処理の様子を図2に示す階段波の映像
信号波形を基に説明する。PAL方式TV画像で生じる
約3.5[MHz]前後の周波数の縦じま妨害は、暗い
画像部分ではかなり目につくが、明るい画像部分ではあ
まり目につかない。そこで、明るい画像部分、すなわち
電位E1 よりも高い電位の輝度信号に対しては、縦じま
妨害の除去を行う必要がないので、帯域通過フィルタ回
路18と減算回路21によって低域通過フィルタが構成
されることがないように、切り換え回路20が無信号を
選択するように制御する。暗い画像部分、すなわち電位
E1 よりも低い電位の輝度信号に対しては、縦じま妨害
の除去を行う必要があるので、帯域通過フィルタ回路1
8と減算回路21によって縦じま妨害を除去する低域通
過フィルタを構成するように、切り換え回路20が帯域
通過フィルタ回路18の出力輝度信号YB を選択するよ
うに制御する。電位発生回路12から出力される電位E
1は、PAL方式TV画像で生じる約3.5[MHz]
前後の周波数の縦じま妨害が目につかなくなり、高域成
分があまり劣化しない電位に設定される。
【0051】実施例5.図8は本発明の映像信号処理回
路の第5実施例のブロック回路図で、図7と同一符号は
それぞれ同一部分を示しているので説明を省略する。図
8において、14は黒レベル付近の第2の電位E2 を発
生する第2の電位発生回路で、第1の電位E1 とともに
比較回路13に入力される。
【0052】次に動作について説明する。入力端子1に
入力された輝度信号Yが、遅延回路19、あるいは帯域
通過フィルタ回路18、切り換え回路20を経て減算回
路21で減算されて出力端子8から出力される動作は、
図7に示した実施例4の動作と同じであるから、ここで
はその動作説明は省略する。
【0053】次に、切り換え回路20を制御する制御信
号が切り換え回路20に供給されるまでの動作を説明す
る。第1の電位発生回路12は電位E1 を、第2の電位
発生回路14は電位E2 を発生し、遅延回路19の出力
輝度信号YD と同時に比較回路13に供給する。比較回
路13は、輝度信号YD と第1の電位E1 を比較すると
同時に、輝度信号YD と第2の電位E2 を比較し、輝度
信号YD が第1の電位E1 より高い電位の時、あるいは
第2の電位E2 よりも低い電位の時は切り換え回路20
が無信号を選択するように制御し、輝度信号YD が第1
の電位E1 より低い電位であって、かつ、第2の電位E
2 よりも高い電位の時は、切り換え回路20が帯域通過
フィルタ回路18の出力輝度信号YB を選択するように
制御する。
【0054】この処理の様子を図4に示す階段波の映像
信号波形を基に説明する。PAL方式TV画像で生じる
約3.5[MHz]前後の周波数の縦じま妨害は、暗い
画像部分ではかなり目につくが、明るい画像部分ではあ
まり目につかない。また、同期信号部分は暗い画像部分
に含まれてしまうが、同期信号を帯域通過フィルタ回路
18と減算回路21とから構成される低域通過フィルタ
に通すと、同期信号の波形特性が劣化し、TV受像機の
同期処理系が誤動作し、時間軸の不安定な画像になる可
能性がある。そこで、明るい画像部分、すなわち第1の
電位E1 よりも高い電位の輝度信号に対しては縦じま妨
害の除去を行う必要がないので、帯域通過フィルタ回路
18と減算回路21によって低域通過フィルタが構成さ
れることがないように、切り換え回路20が無信号を選
択するように制御する。暗い画像部分、すなわち第1の
電位E1 よりも低い電位であって、同期信号部分以外の
第2の電位E2 より高い電位の輝度信号に対しては縦じ
ま妨害の除去を行う必要があるので、帯域通過フィルタ
回路18と減算回路21によって縦じま妨害を除去する
低域通過フィルタを構成するように、切り換え回路20
が帯域通過フィルタ回路18の出力輝度信号YB を選択
するように制御する。
【0055】しかし、暗い画像部分のうち同期信号部分
すなわち第2の電位発生回路14から出力された黒レベ
ル付近の電位よりも低い電位の輝度信号に対してはフィ
ルタ処理を行わない方が良いので、帯域通過フィルタ回
路18と減算回路21によって低域通過フィルタが構成
されることがないように、切り換え回路20が無信号を
選択するように制御する。第1の電位E1 は、PAL方
式TV画像で生じる約3.5[MHz]前後の周波数の
縦じま妨害が目につかなくなり、高域成分があまり劣化
しない電位に設定される。また、第2の電位E2 は、第
1の電位E1 よりも低い電位で、輝度信号が多少サグを
持っていても同期信号部分にかかることがない同期信号
の電位より高い黒レベル付近の電位に設定される。
【0056】実施例6.図9は本発明の映像信号処理回
路の第6実施例のブロック回路図で、図8と同一符号は
それぞれ同一部分を示しているので説明を省略する。図
9において、15は遅延回路19が出力する輝度信号Y
D から同期信号Sを分離する同期信号分離回路、16は
同期信号分離回路15から出力された同期信号Sの位相
を調整したパルス信号Pを出力する位相調整回路、17
は比較回路13の出力信号と位相調整回路16の出力パ
ルス信号Pとから切り換え回路20を制御する制御信号
を生成する制御回路である。
【0057】次に動作について説明する。入力端子1に
入力された輝度信号Yが、遅延回路19、あるいは帯域
通過フィルタ回路18、切り換え回路20を経て減算回
路21で減算されて出力端子8から出力される動作は、
図7に示した実施例4の動作と同じであるから、ここで
はその動作説明は省略する。
【0058】次に、切り換え回路20を制御する制御信
号が切り換え回路20に供給されるまでの動作を説明す
る。電位発生回路12は電位E1 を発生して、遅延回路
19の出力輝度信号YD と同時に比較回路17に供給す
る。比較回路13は、輝度信号YD と電位E1 を比較し
て比較結果を制御回路17に供給する。同期信号分離回
路15は、遅延回路19が出力する輝度信号YD から同
期信号Sを分離して位相調整回路16に供給する。位相
調整回路16は、同期信号分離回路15から出力された
同期信号Sの位相およびパルス幅を調整して遅延回路1
9から出力される輝度信号のうち同期信号部分を含んだ
期間を示すパルス信号Pを制御回路17に供給する。こ
の位相調整回路16は、単安定マルチバイブレータ、あ
るいは周波数カウンタ、あるいは遅延回路、あるいは自
動周波数制御回路等、同様な動作が得られるものであれ
ばいかなる回路で構成しても良い。制御回路17は、輝
度信号YD の電位が電位E1 より高い時、あるいは同期
信号Sを中心とした期間の時は切り換え回路20が無信
号を選択するように制御し、輝度信号YD が電位E1 よ
り低い電位であって、かつ、同期信号Sを中心とした期
間に含まれない期間の時は、切り換え回路20が帯域通
過フィルタ回路18の出力輝度信号YB を選択するよう
に制御する。
【0059】この処理の様子を図6に示す階段波の映像
信号波形を基に説明する。PAL方式TV画像で生じる
約3.5[MHz]前後の周波数の縦じま妨害は、暗い
画像部分ではかなり目につくが、明るい画像部分ではあ
まり目につかない。また、同期信号部分は暗い画像部分
に含まれてしまうが、同期信号を帯域通過フィルタ回路
18と減算回路21とから構成される低域通過フィルタ
に通すと同期信号の波形特性が劣化し、TV受像機の同
期処理系が誤動作し、時間軸の不安定な画像になる可能
性がある。そこで、明るい画像部分、すなわち電位E1
よりも高い電位の輝度信号に対しては縦じま妨害の除去
を行う必要がないので、帯域通過フィルタ回路18と減
算回路21によって低域通過フィルタが構成されること
がないように、切り換え回路20が無信号を選択するよ
うな制御信号を制御回路17に供給する。暗い画像部
分、すなわち電位E1 よりも低い電位であって、かつ同
期信号を含んだ期間以外の輝度信号に対しては縦じま妨
害の除去を行う必要があるので、帯域通過フィルタ回路
18と減算回路21によって縦じま妨害を除去する低域
通過フィルタを構成するように、切り換え回路20が帯
域通過フィルタ回路18の出力輝度信号YB を選択する
ような制御信号を制御回路17に供給する。
【0060】しかし、暗い画像部分のうち同期信号部
分、すなわち位相調整回路16から出力されたパルス信
号Pが示す同期信号を含んだ期間に対してはフィルタ処
理を行わない方が良いので、帯域通過フィルタ回路18
と減算回路21によって低域通過フィルタが構成される
ことがないように、切り換え回路20が無信号を選択す
るような制御信号を制御回路17に供給する。電位発生
回路12から出力される電位E1 は、PAL方式TV画
像で生じる約3.5[MHz]前後の周波数の縦じま妨
害が目につかなくなり、高域成分があまり劣化しない電
位に設定される。
【0061】次に、例えば2チャンネルの音声信号を磁
気テープの深層に記録するVHS方式のVTRにおいて
画像に生じる数100[kHz]の周波数のビート妨害
を除去する映像信号回路を実施例7〜10として説明す
る。
【0062】実施例7.図10は本発明の映像信号処理
回路の第7実施例のブロック回路図である。図10にお
いて、9は入力端子1に印加された色差信号の高域成分
を減衰させる低域通過フィルタ回路、10は低域通過フ
ィルタ回路9の有する遅延時間と同じ時間だけ色差信号
Cを遅延させる遅延回路、11は遅延回路10の出力色
差信号CD と低域通過フィルタ回路9の出力色差信号C
L とを切り換えて出力する切り換え回路、12は所定レ
ベルの電位E1 を発生する電位発生回路、13は遅延回
路10から出力された色差信号CD の色飽和度と電位発
生回路12から出力された電位E1 とを比較して比較結
果を出力する比較回路である。
【0063】次に動作について説明する。入力端子1に
は、例えば搬送色信号を色復調して得た色差信号Cが入
力され、遅延回路10と低域通過フィルタ回路9に供給
される。低域通過フィルタ回路9は、入力された色差信
号Cの高域成分を減衰させた色差信号CL を切り換え回
路11の一方の入力端子に供給する。この低域通過フィ
ルタ回路9は、例えば図20に示される従来の映像信号
処理回路と同様に構成された回路であっても良いし、妨
害、雑音成分だけを減衰させる、もっと急峻な特性のフ
ィルタ回路であっても良い。遅延回路10は、色差信号
Cが低域通過フィルタ回路9を通過するのに必要な時間
だけ色差信号Cを遅延させた色差信号CD を比較回路1
3と切り換え回路11の他方の入力端子に供給する。電
位発生回路12は、電位E1 を発生して比較回路13に
供給する。比較回路13は、色差信号CD を全波整流し
た信号の電位と電位E1 を比較し、色差信号CD を全波
整流した信号の電位が電位E1 より低い時は切り換え回
路11が遅延回路10の出力色差信号CD を選択するよ
うに制御し、色差信号CD を全波整流した信号の電位が
電位E1 より高い時は切り換え回路11が低域通過フィ
ルタ回路9の出力色差信号CL を選択するように制御す
る。切り換え回路11は選択した色差信号を出力端子8
に出力する。
【0064】この処理の様子を、図11に示す色差信号
波形を基にして説明する。図11では、色差信号として
R−Y信号を示した。2チャンネルの音声信号を磁気テ
ープの深層に記録するVHS方式のVTRにおいて、画
像に生じる数100[kHz]の周波数のビート妨害
は、色飽和度の高い画像部分ではかなり目につくが、色
飽和度の低い画像部分ではあまり目につかない。そこ
で、色飽和度の低い画像部分、すなわち電位発生回路1
2から出力された電位E1 よりも、全波整流した色差信
号の電位が低くなるような色差信号Cに対してはビート
妨害の除去を行う必要がないので、フィルタ処理を行っ
ていない遅延回路10の出力色差信号CD を切り換え回
路11が選択するように制御する。他方、色飽和度の高
い画像部分、すなわち電位発生回路12から出力された
電位E1 よりも、全波整流した色差信号の電位が高くな
るような色差信号Cに対しては、ビート妨害の除去を行
う必要があるので、ビート妨害を除去する高域除去のフ
ィルタ処理を行った低域通過フィルタ回路9の出力色差
信号CL を切り換え回路11が選択するように制御す
る。電位発生回路12から出力される電位E1 は、2チ
ャンネルの音声信号を磁気テープの深層に記録するVH
S方式のVTRにおいて、画像に生じる数100[kH
z]の周波数のビート妨害が目につかなくなり、かつ、
高域成分があまり劣化しない電位に設定される。
【0065】ここで、色差信号は、R−Y信号とB−Y
信号の2つの信号を指す。したがって、ここでは1系統
のブロック回路図に基づいて入力信号を単に色差信号と
して説明を行ったが、入力信号を各々R−Y信号、B−
Y信号とする2系統の回路構成としてもよいし、R−Y
信号とB−Y信号を時分割多重して一つの入力信号とし
て、1系統の回路構成としても良い。これは、以下の実
施例においても同様である。
【0066】また、単に入力信号を各々R−Y信号、B
−Y信号とする2系統の回路構成とするだけでなく、R
−Y信号を全波整流した信号、あるいはB−Y信号を全
波整流した信号のどちらか一方の電位が電位E1 より高
ければ、他方の信号処理系も同様の処理となるようにR
−Y信号とB−Y信号の処理系が相互に関連した処理を
行うように構成しても良い。このような映像信号処理回
路のブロック回路図を図12に示す。図12において、
入力端子1、低域通過フィルタ回路9、遅延回路10、
切り換え回路11、出力端子8で例えばR−Y信号の処
理系が構成され、入力端子201、低域通過フィルタ回
路209、遅延回路210、切り換え回路211、出力
端子208で例えばB−Y信号の処理系が構成され、電
位発生回路12、比較回路13、比較回路213、制御
回路217で、切り換え回路11と切り換え回路211
が選択する信号を制御する制御信号の生成部分が構成さ
れる。
【0067】なお、R−Y信号の処理系及びB−Y信号
の処理系の動作は図10に示した回路の動作と同様であ
るので、その説明を省略して制御信号の生成部分の動作
について説明する。比較回路13は遅延回路10から出
力されたR−Y信号を全波整流した信号の電位と電位発
生回路12から出力された電位E1 を比較して、R−Y
信号を全波整流した信号の電位が電位E1 より高い部分
を示すパルス信号を出力する。比較回路213は遅延回
路210から出力されたB−Y信号を全波整流した信号
の電位と電位発生回路12から出力された電位E1 を比
較して、B−Y信号を全波整流した信号の電位が電位E
1 より高い部分を示すパルス信号を出力する。制御回路
217は、入力されるR−Y信号を全波整流した信号の
電位が電位E1 より高い部分を示すパルス信号とB−Y
信号を全波整流した信号の電位が電位E1 より高い部分
を示すパルス信号の論理和をとって、R−Y信号、B−
Y信号を全波整流した信号のいずれかまたは両方の電位
が電位E1 より高い時に、切り換え回路11及び切り換
え回路211が各々低域通過フィルタ回路9の出力色差
信号、低域通過フィルタ回路209の出力色差信号を選
択して出力するように制御する。また、R−Y信号及び
B−Y信号を全波整流した信号の電位が共に電位E1 よ
り低い時に、切り換え回路11及び切り換え回路211
が各々遅延回路10の出力色差信号、遅延回路210の
出力色差信号を選択して出力するように制御する。この
ように単にR−Y信号、B−Y信号の2系統の回路構成
とするのではなく、2系統の処理が相互に関連するよう
な構成は、実施例7に対して限定される構成ではなく、
以下の実施例においても同様の構成をとることができ、
その動作は同様である。
【0068】実施例8.図13は本発明の映像信号処理
回路の第8実施例のブロック回路図で、図10と同一符
号はそれぞれ同一部分を示しているので説明を省略す
る。図13において、15は輝度信号入力端子22に印
加された輝度信号Yから同期信号Sを分離する同期信号
分離回路、16は同期信号分離回路15から出力された
同期信号Sの位相を調整したパルス信号Pを出力する位
相調整回路、17は比較回路13の出力信号と位相調整
回路16の出力パルス信号Pとから切り換え回路11を
制御する制御信号を生成する制御回路である。
【0069】次に動作について説明する。入力端子1に
入力された色差信号Cが、遅延回路10、あるいは低域
通過フィルタ回路9を経て切り換え回路11で切り換え
られて出力端子8から出力される動作は、図10に示し
た実施例7の動作と同じであるから、ここではその動作
説明は省略する。
【0070】次に、切り換え回路11を制御する制御信
号が切り換え回路11に供給されるまでの動作を説明す
る。電位発生回路12は電位E1 を発生して遅延回路1
0の出力色差信号CD と同時に比較回路13に供給す
る。比較回路13は、色差信号CD を全波整流した信号
の電位と電位E1 を比較して比較結果を制御回路17に
供給する。同期信号分離回路15は、輝度信号入力端子
22に印加された輝度信号Yから同期信号Sを分離して
位相調整回路16に供給する。位相調整回路16は、同
期信号分離回路15から出力された同期信号Sの位相お
よびパルス幅を調整して、遅延回路10から出力される
色差信号CD の、複合映像信号におけるカラーバースト
に相当する部分(以下、単にカラーバースト部分とい
う)を含んだ期間S2 を示すパルス信号Pを制御回路1
7に供給する。この位相調整回路16は、単安定マルチ
バイブレータ、あるいは周波数カウンタ、あるいは遅延
回路、あるいは自動周波数制御回路等、同様な動作が得
られるものであればいかなる回路で構成しても良い。制
御回路17は、色差信号CD を全波整流した信号が電位
E1 より低い電位の時、あるいはカラーバースト部分を
中心とした期間S2 の時は、切り換え回路11が遅延回
路10の出力色差信号CD を選択するように制御し、色
差信号CD を全波整流した信号が電位E1 より高い電位
であって、かつ、カラーバースト部分を中心とした期間
S2 に含まれない期間の時は、切り換え回路11が低域
通過フィルタ回路9の出力色差信号CL を選択するよう
に制御する。
【0071】この処理の様子を図14に示す色差信号波
形を基にして説明する。図14では、色差信号としてB
−Y信号を示した。2チャンネルの音声信号を磁気テー
プの深層に記録するVHS方式のVTRにおいて、画像
に生じる数100[kHz]の周波数のビート妨害は、
色飽和度の高い画像部分ではかなり目につくが、色飽和
度の低い画像部分ではあまり目につかない。また、カラ
ーバースト部分を低域通過フィルタ回路9に通すと、カ
ラーバーストを形成する被変調信号が劣化し、TV受像
機の色信号処理系が誤動作し、色相の不安定な画像にな
る可能性がある。そこで、色飽和度の低い画像部分、す
なわち電位発生回路12から出力された電位E1 より
も、全波整流した色差信号の電位が低くなるような色差
信号Cに対してはビート妨害の除去を行う必要がないの
で、切り換え回路11がフィルタ処理を行っていない遅
延回路10の出力色差信号CD を選択するような制御信
号を制御回路17に供給する。他方、色飽和度の高い画
像部分、すなわち電位発生回路12から出力された電位
E1 よりも、全波整流した色差信号の電位が高く、かつ
カラーバースト部分以外、すなわち位相調整回路16か
ら出力されたパルス信号Pが示すカラーバーストを含ん
だ期間S2 以外の期間の色差信号Cに対しては、ビート
妨害の除去を行う必要があるので、切り換え回路11が
ビート妨害を除去する高域除去のフィルタ処理を行った
色差信号である低域通過フィルタ回路9の出力色差信号
CL を選択するような制御信号を制御回路17に供給す
る。
【0072】しかし、色飽和度の高い画像部分、すなわ
ち電位発生回路12から出力された電位E1 よりも、全
波整流した色差信号の電位が高くなるような色差信号C
のうちカラーバースト部分、すなわち位相調整回路16
から出力されたパルス信号Pが示すカラーバーストを含
んだ期間S2 に対してはフィルタ処理を行わない方が良
いので、フィルタ処理を行っていない遅延回路10の出
力色差信号CD を切り換え回路11が選択するような制
御信号を制御回路17に供給する。電位発生回路12か
ら出力される電位E1 は、2チャンネルの音声信号を磁
気テープの深層に記録するVHS方式のVTRにおい
て、画像に生じる数100[kHz]の周波数のビート
妨害が目につかなくなり、かつ、高域成分があまり劣化
しない電位に設定される。
【0073】ここで、R−Y信号とB−Y信号の2つの
色差信号は、3.58[MHz]の色副搬送波で直角二
相変調されて搬送色信号となるが、カラーバースト部分
におけるB−Y信号は100[IRE]=1[V]とし
て、2.03×(−0.2)[V]の電位が重畳されて
おり、R−Y信号は0[V]電位である。したがって、
カラーバースト部分に対してフィルタ処理を行わないの
はB−Y信号の処理系においてのみでよく、R−Y信号
の処理系に対しては、輝度信号入力端子22、同期信号
分離回路15、位相調整回路16からなるカラーバース
ト部分を示すパルス信号Pの生成回路は必要なく、比較
回路13の結果だけに基づいて切り換え回路11を制御
するような構成でも良い。
【0074】実施例9.図15は本発明の映像信号処理
回路の第9実施例を示すブロック回路図で、図10と同
一符号はそれぞれ同一部分を示しているので説明を省略
する。図15において、18は入力端子1に印加された
色差信号Cの妨害、雑音成分の存在する帯域のみを通過
させる帯域通過フィルタ回路、19は帯域通過フィルタ
回路18の有する遅延時間と同じ時間だけ色差信号Cを
遅延させる遅延回路、20は帯域通過フィルタ回路18
の出力色差信号CB と無信号とを切り換える切り換え回
路、13は遅延回路19から出力された色差信号CD の
色飽和度と電位発生回路12から出力された電位E1 と
を比較して比較結果を出力する比較回路、21は遅延回
路19が出力する色差信号CD から切り換え回路20の
出力信号を差し引く減算回路である。
【0075】次に動作について説明する。入力端子1に
は、例えば搬送色信号を色復調して得た色差信号Cが入
力され、遅延回路19、帯域通過フィルタ回路18に供
給される。帯域通過フィルタ回路18は、入力端子1に
印加された色差信号Cの妨害、雑音成分の存在する帯域
のみを通過させて切り換え回路20の一方の入力端子に
供給する。例えば、帯域通過フィルタ回路18は、図2
0に示した従来の映像信号処理回路を構成している3タ
ップのフィルタ回路のうち、第1の係数回路4の乗算係
数を−1/4に、第3の係数回路6の乗算係数を−1/
4に変えた回路構成でも良い。この場合、色差信号をC
(t)とした時の帯域通過フィルタ回路18の出力色差
信号CB は、 −1/4・C(t)+1/2・C(t−29τ)−1/4・C(t−58τ) である。
【0076】遅延回路19は入力端子1に印加された色
差信号Cが帯域通過フィルタ回路18を通過するために
必要な時間だけ色差信号を遅延させて減算回路21、比
較回路13に供給する。電位発生回路12は電位E1 を
発生して、遅延回路19から出力された色差信号CD と
同時に比較回路13に供給する。比較回路13は、色差
信号CD を全波整流した信号の電位と電位E1 を比較
し、色差信号CD を全波整流した信号の電位が電位E1
より低い時は切り換え回路20が無信号を選択するよう
に制御し、色差信号CD を全波整流した信号の電位が電
位E1 より高い時は切り換え回路20が帯域通過フィル
タ回路18の出力色差信号CB を選択するように制御す
る。切り換え回路20は比較回路13の出力信号に応じ
て無信号と帯域通過フィルタ回路18の出力色差信号C
B とを切り換えて減算回路21に供給する。減算回路2
1は、遅延回路19が出力する色差信号CD から切り換
え回路20の出力色差信号CB を差し引いた信号を出力
端子8に出力する。
【0077】ここで、切り換え回路20が無信号を減算
回路21に供給した場合、入力端子1に印加された色差
信号をC(t)とすると、色差信号C(t)を帯域通過
フィルタ回路18と同じ遅延時間だけ遅らせた遅延回路
19の出力色差信号C(t−29τ)がそのまま出力端
子8から出力されることになる。
【0078】また、帯域通過フィルタ回路18の出力色
差信号CB をそのまま減算回路21に供給した場合、色
差信号C(t)を帯域通過フィルタ回路18と同じ遅延
時間だけ遅らせた遅延回路19の出力色差信号C(t−
29τ)から、帯域通過フィルタ回路18の出力信号 −1/4・C(t)+1/2・C(t−29τ)−1/4・C(t−58τ) を減算することになるので、 C(t−29τ)−{−1/4・C(t)+1/2・C(t−29τ)−1/ 4・C(t−58τ)} =1/4・C(t)+1/2・C(t−29τ)+1/4・C(t−58τ) となり、出力端子8から出力される出力信号は、従来例
の映像信号処理回路の出力信号と同じ結果が得られる。
【0079】この処理の様子を図11に示す色差信号波
形を基に説明する。図11では、色差信号としてR−Y
信号を示した。2チャンネルの音声信号を磁気テープの
深層に記録するVHS方式のVTRにおいて、画像に生
じる数100[kHz]の周波数のビート妨害は、色飽
和度の高い画像部分ではかなり目につくが、色飽和度の
低い画像部分ではあまり目につかない。そこで、色飽和
度の低い画像部分、すなわち電位発生回路12から出力
された電位E1 よりも、全波整流した色差信号の電位が
低くなるような色差信号Cに対してはビート妨害の除去
を行う必要がないので、帯域通過フィルタ回路18と減
算回路21によって低域通過フィルタが構成されること
がないように、切り換え回路20が無信号を選択するよ
うに制御する。他方、色飽和度の高い画像部分、すなわ
ち電位発生回路12から出力された電位E1 よりも、全
波整流した色差信号Cの電位が高くなるような色差信号
Cに対してはビート妨害の除去を行う必要があるので、
帯域通過フィルタ回路18と減算回路21によってビー
ト妨害を除去する低域通過フィルタを構成するように、
切り換え回路20が帯域通過フィルタ回路18の出力色
差信号CB を選択するように制御する。電位発生回路1
2から出力される電位E1 は、2チャンネルの音声信号
を磁気テープの深層に記録するVHS方式のVTRにお
いて、画像に生じる数100[kHz]の周波数のビー
ト妨害が目につかなくなり、かつ、高域成分があまり劣
化しない電位に設定される。
【0080】実施例10.図16は本発明の映像信号処
理回路の第10実施例を示すブロック回路図で、図15
と同一符号はそれぞれ同一部分を示しているので説明を
省略する。図16において、15は輝度信号入力端子2
2に印加された輝度信号Yから同期信号Sを分離する同
期信号分離回路、16は同期信号分離回路15から出力
された同期信号Sの位相を調整したパルス信号Pを出力
する位相調整回路、17は比較回路13の出力信号と位
相調整回路16の出力パルス信号Pとから切り換え回路
20を制御する制御信号を生成する制御回路である。
【0081】次に動作について説明する。入力端子1に
入力された色差信号Cが、遅延回路19、あるいは帯域
通過フィルタ回路18、切り換え回路20を経て減算回
路21で減算して出力端子8から出力される動作は、図
15に示した実施例9の動作と同じであり、ここでは、
その動作説明は省略する。
【0082】次に、切り換え回路20を制御する制御信
号が切り換え回路20に供給されるまでの動作を説明す
る。電位発生回路12は、電位E1 を発生して遅延回路
19の出力色差信号CD と同時に比較回路13に供給す
る。比較回路13は、色差信号CD と電位E1 を比較し
て比較結果を制御回路17に供給する。同期信号分離回
路15は、輝度信号入力端子22に印加された輝度信号
Yから同期信号Sを分離して位相調整回路16に供給す
る。位相調整回路16は、同期信号分離回路15から出
力された同期信号Sの位相およびパルス幅を調整し、遅
延回路19から出力される色差信号CD のカラーバース
ト部分を含んだ期間S2 を示すパルス信号Pを制御回路
17に供給する。この位相調整回路16は、単安定マル
チバイブレータ、あるいは周波数カウンタ、あるいは遅
延回路、あるいは自動周波数制御回路等、同様な動作が
得られるものであればいかなる回路で構成しても良い。
制御回路17は、色差信号CD を全波整流した信号の電
位が電位E1 より低い電位の時、あるいはカラーバース
ト部分を中心とした期間S2 の時は、切り換え回路20
が無信号を選択するように制御し、色差信号CD を全波
整流した信号の電位が電位E1 より高い電位であって、
かつ、カラーバースト部分を中心とした期間S2 に含ま
れない期間の時は、切り換え回路20が帯域通過フィル
タ回路18の出力色差信号CB を選択するように制御す
る。
【0083】この処理の様子を図14に示す色差信号波
形を基にして説明する。図14では、色差信号としてB
−Y信号を示した。2チャンネルの音声信号を磁気テー
プの深層に記録するVHS方式のVTRにおいて、画像
に生じる数100[kHz]の周波数のビート妨害は、
色飽和度の高い画像部分ではかなり目につくが、色飽和
度の低い画像部分ではあまり目につかない。また、カラ
ーバースト部分を帯域通過フィルタ回路18と減算回路
21とから構成される低域通過フィルタに通すと、カラ
ーバーストを形成する被変調信号が劣化し、TV受像機
の色信号処理系が誤動作し、色相の不安定な画像になる
可能性がある。そこで、色飽和度の低い画像部分、すな
わち電位発生回路12から出力された電位E1 よりも、
全波整流した色差信号の電位が低くなるような色差信号
Cに対してはビート妨害の除去を行う必要がないので、
帯域通過フィルタ回路18と減算回路21によって低域
通過フィルタが構成されることがないように、切り換え
回路20が無信号を選択するような制御信号を制御回路
17に供給する。他方、色飽和度の高い画像部分、すな
わち電位発生回路12から出力された電位E1 よりも、
全波整流した色差信号の電位が高く、かつカラーバース
ト部分以外、すなわち位相調整回路16から出力された
パルス信号Pが示すカラーバーストを含んだ期間S2 以
外の期間の色差信号Cに対してはビート妨害の除去を行
う必要があるので、帯域通過フィルタ回路18と減算回
路21によってビート妨害を除去する低域通過フィルタ
を構成するように、切り換え回路20が帯域通過フィル
タ回路18の出力色差信号CBを選択するような制御信
号を制御回路17に供給する。
【0084】しかし、色飽和度の高い画像部分、すなわ
ち電位発生回路12から出力された電位E1 よりも、全
波整流した色差信号の電位が高くなるような色差信号C
においても、カラーバースト部分、すなわち位相調整回
路16から出力されたパルス信号Pが示すカラーバース
ト部分を含んだ期間S2 に対しては、フィルタ処理を行
わない方が良いので、帯域通過フィルタ回路18と減算
回路21によって低域通過フィルタが構成されることが
ないように、切り換え回路20が無信号を選択するよう
な制御信号を制御回路17に供給する。電位発生回路1
2から出力される電位E1 は、2チャンネルの音声信号
を磁気テープの深層に記録するVHS方式のVTRにお
いて、画像に生じる数100[kHz]の周波数のビー
ト妨害が目につかなくなり、かつ、高域成分があまり劣
化しない電位に設定される。
【0085】ここで、R−Y信号とB−Y信号の2つの
色差信号は、3.58[MHz]の色副搬送波で直角二
相変調されて搬送色信号となるが、カラーバースト部分
におけるB−Y信号は100[IRE]=1[V]とし
て、2.03×(−0.2)[V]の電位が重畳されて
おり、R−Y信号は0[V]電位である。したがって、
カラーバースト部分に対してフィルタ処理を行わないの
はB−Y信号の処理系においてのみでよく、R−Y信号
の処理系に対しては、輝度信号入力端子22、同期信号
分離回路15、位相調整回路16からなるカラーバース
ト部分を示すパルス信号Pの生成回路は必要なく、比較
回路13の結果だけに基づいて切り換え回路20を制御
するような構成でも良い。
【0086】
【発明の効果】以上のように、請求項1の映像信号処理
回路は、輝度信号の電位が第1の所定電位より高い明る
い画像部分、あるいは黒レベル付近の第2の電位より低
い同期信号を含む部分は輝度信号をそのまま、輝度信号
の電位が第1の所定電位より低く、かつ、第2の電位よ
り高い時は妨害、雑音成分を除去した低域通過フィルタ
回路の出力信号を選択するように構成したので、映像信
号の妨害、雑音成分を除去するとともに、画像の高域成
分の減衰を最小限に抑え、さらに同期信号の劣化による
画像の不安定化を防ぐという優れた効果を奏する。
【0087】また、請求項2の映像信号処理回路は、輝
度信号の電位が、縦じま妨害が目立たない信号レベルに
対応した第1の所定電位より高い明るい画像部分、ある
いは黒レベル付近の第2の電位より低い同期信号を含む
部分は輝度信号をそのまま、輝度信号の電位が、縦じま
妨害が目立たない信号レベルに対応した第1の所定電位
より低く、かつ、第2の電位より高い時は妨害、雑音成
分を除去した低域通過フィルタ回路の出力信号を選択す
るように構成したので、映像信号の妨害、雑音成分を除
去するとともに、画像の高域成分の減衰を最小限に抑
え、さらに同期信号の劣化による画像の不安定化を防ぐ
という優れた効果を奏する。
【0088】また、請求項3の映像信号処理回路は、輝
度信号の電位が所定電位より高い明るい画像部分、ある
いは同期信号を中心とした期間は輝度信号をそのまま、
輝度信号の電位が所定電位より低く、かつ、同期信号を
中心とした期間に含まれない期間の時はフィルタ回路の
出力信号を選択するように構成したので、映像信号の妨
害、雑音成分を除去するとともに、画像の高域成分の減
衰を最小限に抑え、さらに同期信号の劣化による画像の
不安定化を防ぐという優れた効果を奏する。
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の映像信号処理回路の第1実施例のブロ
ック回路図である。
【図2】本発明の映像信号処理回路の第1および第4実
施例の動作を説明するための信号波形図である。
【図3】本発明の映像信号処理回路の第2実施例のブロ
ック回路図である。
【図4】本発明の映像信号処理回路の第2および第5実
施例の動作を説明するための信号波形図である。
【図5】本発明の映像信号処理回路の第3実施例のブロ
ック回路図である。
【図6】本発明の映像信号処理回路の第3および第6実
施例の動作を説明するための信号波形図である。
【図7】本発明の映像信号処理回路の第4実施例のブロ
ック回路図である。
【図8】本発明の映像信号処理回路の第5実施例のブロ
ック回路図である。
【図9】本発明の映像信号処理回路の第6実施例のブロ
ック回路図である。
【図10】本発明の映像信号処理回路の第7実施例のブ
ロック回路図である。
【図11】本発明の映像信号処理回路の第7および第9
実施例の動作を説明するための信号波形図である。
【図12】本発明の映像信号処理回路の第7実施例の変
形例のブロック回路図である。
【図13】本発明の映像信号処理回路の第8実施例のブ
ロック回路図である。
【図14】本発明の映像信号処理回路の第8および第1
0実施例の動作を説明するための信号波形図である。
【図15】本発明の映像信号処理回路の第9実施例のブ
ロック回路図である。
【図16】本発明の映像信号処理回路の第10実施例の
ブロック回路図である。
【図17】従来の映像信号処理回路のブロック回路図で
ある。
【図18】従来の映像信号処理回路を構成する低域通過
フィルタ回路の利得対周波数特性図である。
【図19】S−VHS方式Hi−Fi規格VTRの記録
フォーマットを示す周波数配置図である。
【図20】従来の他の映像信号処理回路のブロック回路
図である。
【符号の説明】
9 低域通過フィルタ回路 10 遅延回路 11 切り換え回路 12 電位発生回路 13 比較回路 14 第2の電位発生回路 15 同期信号分離回路 16 位相調整回路 17 制御回路 18 帯域通過フィルタ回路 19 遅延回路 21 減算回路

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複合映像信号における輝度信号に含まれ
    ている妨害成分または雑音成分を除去する低域通過フィ
    ルタ回路と、 前記輝度信号と前記低域通過フィルタ回路の出力信号と
    のいずれかを選択して出力する切り換え回路と、 前記輝度信号の信号レベルが所定値より高い場合および
    前記輝度信号の黒レベル付近よりも低い場合には前記輝
    度信号の出力と同じ出力となるようにし、 前記輝度信号の信号レベルが前記所定値より低く、か
    つ、前記輝度信号の黒レベル付近よりも高い場合 は前記
    低域通過フィルタ回路の出力信号と同じ出力となるよう
    に前記切り換え回路を制御する制御回路とを備えたこと
    を特徴とする映像信号処理回路。
  2. 【請求項2】 所定値は、縦じま妨害が目立たない信号
    レベルに対応することを特徴とする請求項1に記載の
    像信号処理回路。
  3. 【請求項3】 複合映像信号における輝度信号に含まれ
    ている妨害成分または雑音成分を除去する低域通過フィ
    ルタ回路と、 前記輝度信号と前記低域通過フィルタ回路の出力信号と
    のいずれかを選択して出力する切り換え回路と、 前記輝度信号の信号レベルが所定値より高い期間および
    前記輝度信号の同期信号を含む期間は前記輝度信号の出
    力と同じ出力となるようにし、前記輝度信号の信号レベルが前記所定値より低く、かつ
    前記複合映像信号の同期信号を含まない期間 は前記低域
    通過フィルタの出力信号と同じ出力となるように前記切
    り換え回路を制御する制御回路とを備えたことを特徴と
    する映像信号処理回路。
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