JP3426892B2 - マルチエバポレータ冷蔵庫 - Google Patents

マルチエバポレータ冷蔵庫

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JP3426892B2
JP3426892B2 JP00481297A JP481297A JP3426892B2 JP 3426892 B2 JP3426892 B2 JP 3426892B2 JP 00481297 A JP00481297 A JP 00481297A JP 481297 A JP481297 A JP 481297A JP 3426892 B2 JP3426892 B2 JP 3426892B2
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evaporators
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弘次 鹿島
靖三 石根
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Toshiba Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1台のコンプレッ
サ(圧縮機)に、並列に配置した複数のエバポレータ
(蒸発器)を接続して構成したマルチエバポレータ冷蔵
庫に関する。
【0002】
【従来の技術】冷蔵庫に採用されている冷凍サイクルに
おいては、1台の圧縮機に対して1台の蒸発器を接続
し、複数の冷蔵,冷凍室を冷気の循環ダクトを複数備え
て冷却するファンクールタイプの冷蔵庫が一般的であ
る。
【0003】しかし、冷蔵庫の容量が大容量化してくる
と、1台の蒸発器で冷却するタイプでは効率的でなくな
ること、2台の冷蔵庫とするには、圧縮器も2台とな
り、スペースや経済的に効率的でないことなどの問題が
ある。
【0004】そこで、1台の圧縮機に対して複数台の蒸
発器を配置して冷凍室(庫)、冷蔵室(庫)を効率的に
冷却する事が考えられる。このタイプの冷蔵庫をマルチ
エバポレータ冷蔵庫と呼ぶ。
【0005】このマルチエバポレータ冷蔵庫では、複数
台の蒸発器にそれぞれ対応した冷凍室(庫)や冷蔵室
(庫)を適正に冷却するには、それぞれの冷凍室
(庫),冷蔵室(庫)の冷媒流路(分岐した冷媒流路)
に適正に冷媒を流す必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、複数の
冷媒流路に適正に冷媒を流す方法として、複数の蒸発器
を直列に配置する方法はどちらかが従属する関係とな
り、適正に冷媒を流すのは難しい。
【0007】又、複数の蒸発器を並列に配置する方法は
独立した関係であるが、適正に冷媒を分流する事は現実
には種々の原因(例えば、冷蔵庫特有のキャピラリ絞り
と蒸発器の出口パイプを熱交換する構成による絞りの変
動、分岐部の分流性の偏り、冷却負荷の変動による蒸発
器内の冷媒流れの変化等)により困難であった(冷媒の
片流れの発生)。このように、マルチエバポレータ冷蔵
庫は実用化し難いものであった。
【0008】そこで、本発明の目的は、複数の並列配置
した蒸発器の冷媒流路に適正に冷媒を流すことが可能な
マルチエバポレータ冷蔵庫を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に請求項1記載の発明は、1台の圧縮機と、該圧縮機に
並列接続された複数の蒸発器と、該複数の蒸発器毎に対
応して配置された絞り装置と、凝縮器と、冷媒流路とを
備えて冷凍サイクルを構成し、前記1台の圧縮機で前記
複数の蒸発器を冷却するマルチエバポレータ冷蔵庫にお
いて、前記複数の蒸発器の冷媒流路における冷媒片流れ
を検出する冷媒片流れ検出手段と、該冷媒片流れ検出手
段が冷媒片流れを検出した場合に、該冷媒片流れを解除
する冷媒片流れ解除手段とを備える一方、前記複数の蒸
発器は、冷蔵室用の蒸発器と冷凍室用の蒸発器とであっ
て、前記冷蔵室用の蒸発器に対応する絞り装置の絞り度
合を、冷蔵室用の蒸発器及び冷凍室用の蒸発器へ同時に
冷媒を流すときは大きく変化させると共に、冷蔵室用の
蒸発器にのみ流すときは小さく変化させることを特徴と
する。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】請求項1記載の発明によれば、冷凍室用の
蒸発器と冷蔵室用の蒸発器は、片流れを起こすことなく
冷媒が流れる。一方、冷凍室と冷蔵室とを所定温度で同
時冷却する際、例えば、庫内温度の低い冷凍室用の蒸発
器側の絞り度合を制御して多く流し、冷凍室の庫内温度
が所定温度に早く到達した際には、冷蔵室の蒸発器に対
応する絞り度合を制御して冷蔵室の単独冷媒に切換える
ようにすれば、途中で切換えない場合に比べて省エネル
ギ運転を行なうことができる。
【0015】また、請求項記載の発明は、冷凍室用の
蒸発器と冷蔵室用の蒸発器とを同時運転する場合には、
前記冷凍室用の蒸発器を優先して運転することを特徴と
する。
【0016】請求項記載の発明によれば、相対的に効
率の良い冷蔵室10の運転が長くなり、運転中の効率が
更に向上する。
【0017】また、請求項記載の発明は、冷蔵室用の
蒸発器と冷凍室用の蒸発器のそれぞれの入口側と出口側
に開閉弁を備えたことを特徴とする。
【0018】請求項記載の発明によれば、冷蔵室用の
蒸発器と冷凍室用の蒸発器のそれぞれの入口側と出口側
に設けた開閉弁をオン・オフ制御することにより、時間
的に早く片流れの解消が可能となる。
【0019】また、請求項記載の発明は、前記絞り装
置としてキャピラリと電子膨脹弁を併用することを特徴
とする。
【0020】請求項記載の発明によれば、冷凍冷蔵庫
では、冷媒の循環流量,絞り装置で実現する圧力差等か
ら電子膨脹弁の流路断面積として約0.05mmが要求
される。しかし、現実にはこの数値の実現は困難であ
る。そこで、メカトロ弁とキャピラリとを併用し、電子
膨脹弁の分担する絞り圧力差を全絞り圧力差の半分に
し、流路断面積の大きい電子膨脹弁の使用を可能にす
る。
【0021】また、請求項記載の発明は、前記絞り装
置の少なくとも1台をキャピラリのみで構成したことを
特徴とする。
【0022】請求項記載の発明によれば、絞り装置を
構成する電子膨脹弁は高価である。そこで、複数の絞り
装置の内の少なくとも1台をキャピラリで構成し、絞り
装置を安価なものにする。
【0023】請求項記載の発明は、前記絞り装置とし
て用いるキャピラリは、蒸発器出口のパイプと接触構成
とすることを特徴とする。
【0024】請求項記載の発明によれば、絞り装置の
構成として、キャピラリと蒸発器の出口パイプとを熱交
換するように接触させる構成においても、冷凍サイクル
の効率が向上する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施形態例
に基づいて説明する。
【0026】(1)第1実施形態例 図1は本実施形態例のマルチエバポレータ冷蔵庫のブロ
ック図である。
【0027】図1に示すように、圧縮機(コンプレッ
サ)1と凝縮器2と冷媒流路3と第1,第2絞り4a,
4bと第1,第2蒸発器(エバポレータ)5a,5bと
第1,第2開閉弁6a,6b等により冷凍サイクルを構
成する。前記第1,第2蒸発器5a,5bはそれぞれ冷
蔵室(庫)10内と冷凍室(庫)20内に配置する。
【0028】前記冷媒流路3から分岐した第1分岐冷媒
流路3aに第1開閉弁6aと第1絞り4aとを直列接続
し、該第1絞り4aを前記第1蒸発器5aの入口側に接
続する。該第1蒸発器5aの出口側に出口温度を検出す
る第1出口温度センサ7aを配置する。冷蔵室10内に
は、冷蔵室内温度を検出する第1庫内温度センサ8a
と、前記第1蒸発器5aから冷蔵室10へ空気を循環さ
せる第1ファン9aとを配置する。
【0029】同様に、前記冷媒流路3から分岐した第2
分岐冷媒流路3bに第2開閉弁6bと第2絞り4bとを
直列接続し、該第2絞り4bを前記第2蒸発器5bの入
口側に接続する。該第2蒸発器5bの出口側に出口温度
を検出する第2出口温度センサ7bを配置する。冷凍室
20内には、冷凍室内温度を検出する第2庫内温度セン
サ8bと、前記第蒸発器5bから冷凍室20へ空気を循
環させる第2ファン9bとを配置する。
【0030】次に動作を説明する。
【0031】図1に示すマルチエバポレータ冷蔵庫の冷
凍サイクルを稼働する。この稼働により第1,第2蒸発
器5a,5bにおいて冷媒液が蒸発して冷媒ガスとなる
間に周囲の熱を奪い、冷蔵室10と冷凍室20とを冷却
する。
【0032】この冷却中に、第1,第2エバポレータ出
口温度センサ7a,7bの検出温度(出口温度)と、第
1,第2庫内温度センサ8a,8bの検出温度(庫内温
度)とを比較する。
【0033】そして、例えば、冷凍室20においては出
口温度の方が庫内温度より低く、且つ冷蔵室10におい
ては出口温度の方が庫内温度より高くなったとする。こ
の場合には、冷蔵室10では、冷媒液が分岐冷媒流路3
a側に十分に流れていない状態を起し、また、冷凍室2
0では、冷媒液が十分に流れている片流れ状態になった
ものと判断する。
【0034】そこで、冷媒液が十分に流れている冷凍室
20側の第2開閉弁6bを閉じて冷媒液の流れを停止さ
せ、流れの悪い冷蔵室10側の第1開閉弁6aは開いた
ままにし第1蒸発器5aに強制的に冷媒液を流すように
する。これにより、第1蒸発器5aには冷媒液が十分に
流れるので、冷蔵室10は冷却される。
【0035】やがて、冷蔵室10において、蒸発器5a
の出口温度の方が庫内温度より低くなった時点(例え
ば、3℃低くなった時点)で、冷凍室20の第2開閉弁
20を開き、第1,第2蒸発器5a,5bにそれぞれ冷
媒液が流れるようにする。
【0036】また、冷凍室20で冷媒流れの不良が発生
した場合にも、前述と同様な手段により対応する。この
ようにすれば、並列同時流しサイクル(マルチエバポレ
ータ運転)を安定して実現することができる。
【0037】なお、第1,第2の両回路(蒸発器5a,
5b)においてスーパヒート(蒸発器出口温度が蒸発器
入口温度より高くなる状態)の場合は負荷が過大である
ことを意味し、片流れではないので、冷凍サイクルの能
力アップの制御を行う。具体的には、例えば、第1,第
2絞り4a,4bを甘く(絞りをゆるめる)して冷媒流
量を多くしたり、或いは圧縮機1を構成するインバータ
のモータ周波数をアップし、冷媒循環量を増加させれば
よい。
【0038】また、冷蔵室,冷凍室が3室以上の場合に
は、冷却状態の悪いパス(分岐冷媒流路)から順に冷媒
を強制的に流していくことにより、片流れを解消すれば
よい。
【0039】また、本実施形態例では庫内温度と出口温
度とを比較したが、庫内温度の代わりに蒸発器温度と比
較してもよい。
【0040】また、第1,第2開閉弁6a,6bとして
使用する弁は、コストの面,信頼性の面から電磁弁が好
ましい。
【0041】[変形例]図1のマルチエバポレータ冷蔵
庫の構成において、片流れを検出した場合には、開閉弁
により冷媒流れを遮断している蒸発器に対応したファン
を継続して運転する。
【0042】即ち、流れを遮断した蒸発器には冷媒が溜
まっているため(残留冷媒)、ファンで送風して蒸発器
を加熱して蒸発を促進し、蒸発器の出口温度が所定温度
(例えば、庫内温度より3℃低い温度)以上になったな
ら、ファンを停止する。このようにすれば、ファンで送
風しない場合に比較し片流れの解消を速めることができ
るし、冷媒遮断による庫内温度上昇という不具合が少な
くなる。
【0043】(2)第2実施形態例 図2は本実施形態例のブロック図である。なお、本実施
形態例以降の説明においては、既に説明した部分には同
一符号を付し、重複記載を省略する。
【0044】本実施形態例と第1実施形態例との相違点
は、第1,第2蒸発器5a,5bの出口側の分岐冷媒流
路3a,3bにそれぞれ第1,第2開閉弁(又はチェッ
ク弁でも可)21a,21bを設けた点である。
【0045】そして、例えば冷凍室20で片流れ発生
時、冷媒が流れている冷蔵室10の蒸発器の入口側の開
閉弁(例えば、6a)の遮断に加えて出口側の開閉弁
(この場合は21a)を遮断し、蒸発器内を密閉化し
て、ファン(この場合は9a)の運転を継続することに
より蒸発器(この場合は5a)に滞留している液冷媒が
蒸発し、温度が速やかに上昇し、圧力も上昇する。
【0046】やがて、蒸発器出口温度(この場合は5a
の出口)が庫内温度以上になった場合には、蒸発器出口
側の開閉弁(この場合は21a)を開けば、冷媒は蒸発
器内の圧力により残留冷媒の移動が更に促進する。
【0047】(3)第3実施形態例 図3は本実施形態例のブロック図である。
【0048】本実施形態例と第1実施形態例との相違点
は、絞りとしてキャピラリを使用し、冷蔵室側に開閉弁
とキャピラリとを一組追加した点である。
【0049】図3に示すように、圧縮機1の電源として
可変周波数のインバータ電源25を使用する。
【0050】また、冷蔵室10側の第1蒸発器5aの入
口側に、第1開閉弁6a,第1キャピラリ26aの直列
組合せと第3開閉弁6c,第3キャピラリ26cの直列
組合せとの2組を並列に挿入する。
【0051】更に、冷凍室20側の第2蒸発器5bの入
口側に、第2開閉弁6b,第2キャピラリ26bの直列
組合せを挿入する。
【0052】次に動作を説明する。
【0053】この動作は、動作と、動作の2段階に
行う。
【0054】冷凍室20と冷蔵室10との同時運転 図3において、冷凍室20と冷蔵室10との同時運転
(同時冷却)のために、それぞれの負荷に対応した圧縮
機1のインバータ電源25の周波数を選択すると共に、
冷凍室20を早く冷やすための冷媒分配を、第1及び第
2キャピラリ26a,26bの絞りにより行う(選択条
件)。
【0055】冷蔵室のみの単独運転 冷蔵室10の選択運転(冷蔵室のみの単独運転)のため
に、冷蔵室10の負荷に対応して、冷蔵室蒸発器温度が
冷凍室温度(例えば、−18℃)以上となる絞り26c
の設定と、この冷却に必要な冷媒流量を確保可能な圧縮
機周波数とを選択する(選択条件)。
【0056】そして、冷凍室,冷蔵室の同時冷却時は、
第1,第2開閉弁6a,6bを開、第3開閉弁6cを閉
とし、先ず第1,第2蒸発器5a,5bの設定温度を例
えば−25℃として冷凍室庫内の設定温度(この場合は
−18℃)より低く保ち、冷蔵室10より冷凍室20の
方を早く冷却する(選択条件により稼働)。
【0057】次いで、冷凍室20の庫内温度が設定温度
以下(この場合は−18℃以下)となった場合には、冷
凍室用の第2分岐冷媒流路3bの第2開閉弁6bを閉
じ、冷蔵室10のみの選択運転とする。この選択運転の
開始と同時に、第1開閉弁6aを閉、第3開閉弁6cを
開とし、冷蔵室10の絞り設定を冷蔵室10のみの運転
用の絞り26cに切り替えると共に、圧縮機1の周波数
を変化させ、蒸発温度を−18℃以上(例えば、−15
℃)に保つ(選択条件により稼働)。
【0058】このように、先ず冷凍室と冷蔵室とを所定
温度(例えば、−25℃)で同時冷却し、冷凍室20の
庫内温度が所定温度(例えば、−18℃)に到達した場
合には冷蔵室の単独冷却に切り替えるようにすれば、次
に図4を用いて説明するように省エネルギ運転を行うこ
とができる。
【0059】図4は、蒸発温度と冷凍サイクル効率(成
績係数、COP)の関係を示す特性図である。
【0060】図4において、冷凍室20と冷蔵室10の
同時運転の場合の蒸発温度(−25℃)と、冷蔵室10
の単独運転の場合の蒸発温度(−15℃)とにおける成
績係数COPを比較する。
【0061】すると、凝縮温度が25℃の比較で、蒸発
温度の上昇分(−25℃→−15℃)の成績係数の向上
は約37.5%となる(図4において、P1 点(COP;4)
からP2 点(COP;5.5) に効率が上昇する)。即ち、蒸発
温度を途中で切り替えない場合に比較し、切り替えると
約37.5%の省エネルギとなる。
【0062】また、冷蔵室10のみの運転の運転率を全
運転時間の50%とすると、約18.7%(前記成績係
数37.5%の向上の半分(50%))の運転効率の向
上となる。
【0063】なお、冷凍サイクル制御を円滑にするた
め、凝縮器2用のファン(図示せず)や蒸発器用のファ
ン9a,9bの回転数調整を行い、冷媒の冷却および加
熱の程度を調整してもよい。
【0064】また、絞りとしてキャピラリ26a〜26
cを用いたが、代わりに電子膨脹弁(外部からの制御信
号により弁の開度を可変する自動膨脹弁)を用いてもよ
い。
【0065】(4)第4実施形態例 本実施形態例は前記図3のブロック図において、冷蔵室
10と冷凍室20の同時冷却時に、冷凍室20の冷却を
優先する場合である。
【0066】冷蔵室10と冷凍室20の同時運転時に、
冷凍室20への冷凍効果を最大とし、冷蔵室10の庫内
温度は設定温度(例えば、3℃)との温度差が大きくな
らないように、冷蔵室用の開閉弁6a,6bをオン・オ
フ制御する。
【0067】これにより、冷蔵室10の温度上昇という
不具合を押さえつつ、冷凍室20を急速に冷却すること
が可能となる。
【0068】依って、冷凍室20の運転時間が短くな
り、相対的に蒸発温度を高くする効率の良い冷蔵室10
の運転が長くなり、運転中の効率が更に向上する。
【0069】(5)第5実施形態例 図5は本実施形態例のブロック図である。
【0070】本実施形態例と第2実施形態例(図2参
照)との相違点は、冷凍室20の蒸発器5bに除霜ヒー
タ31を配置した点である。
【0071】次に動作を説明する。
【0072】冷蔵室10と冷凍室20とを同時運転し、
冷蔵室10を温度上昇させず、冷凍室20が早く冷却す
るように、それぞれの絞り4a,4bを調整し、冷蔵室
10の上流の開閉弁6aの開閉を行う。冷凍室20の温
度が冷却終了温度(例えば、−18℃)に達すると、冷
凍室20の上流の電磁弁(開閉弁)6bを閉じ、冷蔵室
10のみの運転を行う。このとき、冷凍室20のファン
9bも停止させる。その後、冷凍室10の蒸発器出口の
開閉弁21bを閉じる。
【0073】そして、冷蔵室10のファン9aを運転し
たまま、冷蔵室10の蒸発器出口の開閉弁21aを閉
じ、蒸発器5aの出口温度が庫内温度(例えば、+3
℃)以上になったなら、前記開閉弁21aを開け、更に
出口温度が庫内温度以下になったなら、前記開閉弁21
aを閉じるという動作を、前記開閉弁21aを開けても
蒸発器5aの出口温度が庫内温度以上になるまで、繰り
返す。
【0074】以上の動作により、冷蔵室10の蒸発器5
a内の冷媒が早く蒸発し、圧縮機1と凝縮器2内に回収
される。
【0075】その後、冷蔵室10の蒸発器出口の開閉弁
21aを閉じ、蒸発器出口温度が+5℃以上になるま
で、ファン9aを運転する。ファン9aは冷蔵室温度が
0℃以上であるため、蒸発器5aについた霜を溶かすこ
とができる。
【0076】以上により、短時間に冷蔵室蒸発器5aの
除霜ができると共に、従来ヒータなど電気入力による除
霜法に比べ、効率的であると共に、余分な加熱をしない
ので保存している食品の温度を一定に保て、保存の改善
もできる。
【0077】又、冷凍室20が運転を開始しても、冷蔵
室10を2つの開閉弁6a,21aを閉じることにより
サイクル的に冷凍室蒸発器5bと隔離でき、また空気経
路の面では冷凍室用の経路と独立して冷蔵室用の経路を
構成しているので、冷蔵室除霜と冷凍室冷却を同時に行
うことができる。
【0078】従って、従来の直列した2台の蒸発器での
冷蔵室オフサイクル除霜のように、冷凍室の冷却を冷蔵
室の除霜終了まで遅らすことによる冷凍室冷却不良の問
題や、冷凍室を冷却するために、冷蔵室の除霜が完了す
る前に冷却運転に入り、冷蔵室の残氷(残霜)を生じる
問題もなくなる。
【0079】更に、冷凍室20の除霜時にも同様に冷凍
室20の蒸発器5bの前後の分岐冷媒回路を閉じること
によりサイクルから隔離でき、冷蔵室10の冷却運転を
行いながら、除霜ヒータ31で加熱してヒータ除霜を行
うことができる。
【0080】[変形例]図6に示すように、圧縮機1の
出口から開閉弁32を介して、冷凍室絞り4bと蒸発器
5bの間をつなぐバイパス回路34を設け、冷凍室出口
の開閉弁21b(図5参照)の代わりに電子膨脹弁33
を設ける。
【0081】そして、冷蔵室10の圧力と調整すること
により、冷蔵室10を冷却しながら冷凍室20をホット
ガス除霜することもでき、従来の除霜に伴う、他の部屋
(冷蔵室10)の冷却不足の問題が解消できる。
【0082】また、図6に示すように、電子膨脹弁33
の代わりに、開閉弁21bと並列にキャピラリ33bを
備える回路を設けることによっても、同様の効果を得る
ことができる。
【0083】なお、冷凍用,冷蔵用にそれぞれ専用の圧
縮機を設ける手段もあるが、コストアップや圧縮機,凝
縮器,配管の設置スペース等の問題がある。
【0084】(6)第6実施形態例 図7は本実施形態例のブロック図である。
【0085】本実施形態例と第1実施形態例との相違点
は、絞り装置の構成である。
【0086】図7に示すように、絞り装置として、冷蔵
室10と冷凍室20のそれぞれの蒸発器5a,5bの上
流側に長いキャピラリ35a,35bと自動的に絞りを
調整可能な電子膨脹弁36a,36bをそれぞれ直列に
設ける。電子膨脹弁36a,36bの弁の開度調整用の
温度センサとして、庫内温度センサ8a,8bおよび蒸
発器出口温度センサ7a,7bを備える。
【0087】また、蒸発器5a,5bの出口側にサクシ
ョン配管37a,37bを配置する。該サクション配管
37a,37bは、前記キャピラリ35a,35bと接
触する構成で熱交換する。
【0088】次に動作を説明する。
【0089】従来から、冷蔵室と冷凍室とを同時冷却す
る場合は片流れが発生しやすく、防ぐ方法として、電子
膨脹弁により、蒸発器出口の冷媒スーパヒートを一定に
保つフィードバック制御が知られている。また、冷蔵庫
の絞りとしてはキャピラリが用いられており、サクショ
ンパイプと熱交換して、圧縮機入り口での液冷媒圧縮の
防止や省エネルギーの効果を上げている。
【0090】そこで、本実施形態例では、絞り装置とし
て前述の電子膨脹弁およびサクションパイプと熱交換構
成のキャピラリを直列に配することにより、片流れのし
にくい、効率の良い冷凍サイクルを提供する。
【0091】また、冷蔵庫はエアコンのような他の冷凍
サイクルに比べて、冷媒の循環流量が約10分の1と非
常に小さく、また、絞り装置で実現する圧力差が2倍と
大きいため、低流量で高圧損の電子膨脹弁が必要とな
る。
【0092】しかし、現実問題として、流路断面積を小
さくすることには限界があり、冷蔵庫用に十分な低流量
対応の電子膨脹弁は開発されていない。
【0093】また、理想的にはその断面積は約0.05
mm2 程度(直径0.2mm)の大きさが必要であり、
通常冷蔵庫で用いるキャピラリの内径0.7mmよりは
るかに小さい。このことは、例えば、冷媒中に小さなゴ
ミの存在や、水分が絞り冷却により凍結で、電子膨脹弁
の流路を塞ぎ、チョーク現象(冷媒が流れなくなる)等
の不具合を生じることが考えられ、小流量対応の電子膨
脹弁の採用にも問題がある。
【0094】本実施形態例ではこのような冷蔵庫特有の
問題を電子膨脹弁とキャピラリを併用することにより、
電子膨脹弁の分担する圧損を全圧損の半分と小さくし、
流路断面積の大きい電子膨脹弁を使用することを可能と
した。
【0095】これにより、上記チョーク現象等の発生が
低減でき、信頼性が高く、冷蔵庫に合った高性能な冷凍
サイクルを実現できる。
【0096】なお、電子膨脹弁の代わりに温度膨脹弁
(例えば、蒸発器出口の冷媒温度によりガス圧力を伝達
手段として弁の押付力を制御する)を用いても同様の効
果をあげることができる。
【0097】(7)第7実施形態例 図8は本実施形態例のブロック図である。
【0098】本実施形態例と第6実施形態例の相違点
は、冷凍室20側の電子膨脹弁を削除した点である。
【0099】電子膨脹弁は高価である。そこで、制御性
を維持しつつ冷蔵室側または冷凍室側の一方は安価なキ
ャピラリを用いる。また、キャピラリとして使用する絞
りは圧損が大きい冷凍室用とし、更に負荷が小さく流量
の少ない方に用いる。
【0100】これにより、電子膨脹弁の低流量、大圧損
での弊害を極力避けることが可能となり、信頼性の高い
システムを構築することができる。
【0101】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
冷凍室用の蒸発器と冷蔵室用の蒸発器は、片流れを起こ
すことなく冷媒が流れるようになる。また、冷凍室と冷
蔵室とを所定温度で同時冷却する際に、いずれか一方に
多く冷媒を流すことで、例えば、冷凍室の庫内温度が所
定温度に早く到達した際には、冷蔵室の蒸発器に対応す
る絞り度合を制御し冷蔵室の単独冷媒に切換えるように
すれば、途中で切換えない場合に比べて省エネルギ運転
を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態例のブロック図である。
【図2】本発明の第2実施形態例のブロック図である。
【図3】本発明の第3実施形態例のブロック図である。
【図4】同第3実施形態例における効果を説明する図で
ある。
【図5】本発明の第4実施形態例のブロック図である。
【図6】本発明の第5実施形態例のブロック図である。
【図7】本発明の第6実施形態例のブロック図である。
【図8】本発明の第7実施形態例のブロック図である。
【符号の説明】
1 圧縮機 2 凝縮器 3 冷媒流路 4a,4b 絞り 5a,5b 蒸発器 6a,6b 開閉弁 7a,7b 蒸発器の出口側温度センサ 8a,8b 庫内温度センサ 9a 9b ファン 10 冷蔵室 20 冷凍室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石根 靖三 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 住空間システム技術研究 所内 (72)発明者 小鮒 照男 東京都港区新橋3丁目3番9号 東芝エ ー・ブイ・イー株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−284164(JP,A) 特開 昭64−70659(JP,A) 特開 昭58−88561(JP,A) 特開 平4−344074(JP,A) 実開 昭61−84476(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25D 11/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1台の圧縮機と、該圧縮機に並列接続さ
    れた複数の蒸発器と、該複数の蒸発器毎に対応して配置
    された絞り装置と、凝縮器と、冷媒流路とを備えて冷凍
    サイクルを構成し、前記1台の圧縮機で前記複数の蒸発
    器を冷却するマルチエバポレータ冷蔵庫において、 前記複数の蒸発器の冷媒流路における冷媒片流れを検出
    する冷媒片流れ検出手段と、 該冷媒片流れ検出手段が冷媒片流れを検出した場合に、
    該冷媒片流れを解除する冷媒片流れ解除手段とを備える
    一方、前記複数の蒸発器は、冷蔵室用の蒸発器と冷凍室
    用の蒸発器とであって、前記冷蔵室用の蒸発器に対応す
    る絞り装置の絞り度合を、冷蔵室用の蒸発器及び冷凍室
    用の蒸発器へ同時に冷媒を流すときは大きく変化させる
    と共に、冷蔵室用の蒸発器にのみ流すときは小さく変化
    させることを特徴とするマルチエバポレータ冷蔵庫。
  2. 【請求項2】 冷凍室用の蒸発器と冷蔵室用の蒸発器と
    を同時運転する場合には、前記冷凍室用の蒸発器を優先
    して運転することを特徴とする請求項記載のマルチエ
    バポレータ冷蔵庫。
  3. 【請求項3】 複数の蒸発器を並列配置する構成で、そ
    れぞれの蒸発器の入口側と出口側に開閉弁を備えたこと
    を特徴とする請求項1記載のマルチエバポレータ冷蔵
    庫。
  4. 【請求項4】 前記絞り装置としてキャピラリと電子膨
    脹弁を併用することを特徴とする請求項1記載のマルチ
    エバポレータ冷蔵庫。
  5. 【請求項5】 前記絞り装置の少なくとも1台をキャピ
    ラリのみで構成したことを特徴とする請求項記載のマ
    ルチエバポレータ冷蔵庫。
  6. 【請求項6】 前記絞り装置として用いるキャピラリ
    は、蒸発器出口のパイプと接触構成とすることを特徴と
    する請求項記載のマルチエバポレータ冷蔵庫。
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