JP3426369B2 - グライダの曳航方法 - Google Patents

グライダの曳航方法

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JP3426369B2
JP3426369B2 JP27113694A JP27113694A JP3426369B2 JP 3426369 B2 JP3426369 B2 JP 3426369B2 JP 27113694 A JP27113694 A JP 27113694A JP 27113694 A JP27113694 A JP 27113694A JP 3426369 B2 JP3426369 B2 JP 3426369B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はグライダの曳航方法に関
するものである。 【0002】 【従来の技術】滑空機(以下グライダと称す)を曳航し
て地上から上空所定高さまで引上げる際には、曳航装置
のウインチドラムから繰出されて先端がグライダに連結
されたワイヤロープを所定の速度で巻取ることによりグ
ライダを地上で滑走させて加速し、グライダが離陸後に
は、地上から所定高度に到達するまで曳航装置によりワ
イヤロープを巻取りつつグライダを上昇させる必要があ
る。 【0003】而して、停止状態からグライダの曳航を開
始して離陸可能な速度(約70km/Hr)に達するま
でに加速する際に曳航装置に要求される特性は、短時間
でグライダが離陸可能な速度に達するよう、迅速な加速
を行うことである。この際、加速度が大きすぎると機体
が上向きになる等の不安定状態になるため、グライダ重
量に見合った(i)式に示すワイヤパワー(馬力)で曳
航を行う必要がある。 【0004】 【数1】 グライダ重量に見合ったワイヤパワー(馬力) =ワイヤロープに作用する張力×ワイヤロープの巻取り速度…(i) 【0005】又、グライダが離陸した後上昇中において
曳航装置に要求される最も重要な特性は、グライダが大
気に対して一定速度で上昇するようワイヤロープの巻取
り速度をコントロールすることである。 【0006】すなわち、図8に示すように、曳航装置1
のウインチドラム2から、離陸を開始し始める直前のグ
ライダ3までの距離をL、グライダ3が離陸して上昇し
て行く際の上向き角度をθ(一定)、上昇時の対気速度
をVg(一定)、風速をVw、グライダ3が地上から高
度hに位置する際のワイヤロープ4の巻取り速度をVr
とすると、巻取り速度Vrは(ii)式により表わされ
る。 【0007】 【数2】 Vr=(Vg−Vw・cosθ)・cos{θ+ tan-1[h・tanθ/(L・tanθ−h]}…(ii) 【0008】(ii)式中、Vg−Vw・cosθは図
9に示すような対地速度Vggであり、風速Vwが一定
ならば一定値である。又、θ+tan-1[h・tanθ
/(L・tanθ−h]は高度hが増加すると大きくな
り、このため、cos{θ+tan-1[h・tanθ/
(S・tanθ−h]}は高度hが増加すると小さくな
る。 【0009】従って、(ii)式より一定の対気速度V
g又は対地速度Vgg、及び一定の上向き角度θでグラ
イダ3を上昇させるためには、高度hの上昇に従いワイ
ヤロープ4の巻取り速度Vrを徐々に滑らかに下げる必
要があり、このためには、ウインチドラム2を駆動する
エンジンの回転数を徐々に下げなければならない。 【0010】一方、グライダ3が離陸した後、対気速度
Vg若しくは対地速度Vggが一定となるよう、ワイヤ
ロープ4を巻取るためには、図10に示すように、グラ
イダの自重をW、抗力をD、ワイヤロープの巻取り張力
をTとすると、離陸する直前のグライダ3とウインチド
ラム2との距離が上述のようにLで、上向き角度がθの
場合、ワイヤロープの巻取り張力Tは(iii)式によ
り表わされる。 【0011】 【数3】 T=(W・sinθ+D)/cos{θ+tan-1[h・tanθ/ (L・tanθ−h]}…(iii) 【0012】(iii)式中、W・sinθ+Dは略一
定値とみなすことができる。又、θ+tan-1[h・t
anθ/(L・tanθ−h]は高度hが増加すると大
きくなり、このため、cos{θ+tan-1[h・ta
nθ/(L・tanθ−h]}は高度hが増加すると小
さくなる。 【0013】従って、一定の対気速度Vg又は対地速度
Vgg、及び、一定の上向き角度θでグライダ3を上昇
させるためには、高度hの上昇に従いワイヤロープ4の
巻取り張力Tを徐々に上げる必要があり、このために
は、ウインチドラム2を駆動するエンジンのトルクを徐
々に上げなければならない。 【0014】而して、グライダを曳航するための曳航装
置1としては、例えば図11に示すものがあり、図中5
はワイヤロープ4を巻取り或いは繰出すためにウインチ
ドラム2を回転駆動するエンジン、6はエンジン5に燃
料を噴射するための燃料噴射ポンプ、7は燃料噴射ポン
プ6からエンジン5へ噴射される燃料の流量をコントロ
ールするためのガバナ、8は運転席9で操作レバー10
を操作することによりコントロールワイヤ11を介して
操作されるガバナ7のコントロールレバーであり、ガバ
ナ7としては、従来公知の最高・最低スピードガバナ或
いはオールスピードガバナが用いられる。又ガバナ7が
最高・最低スピードガバナの場合、コントロールレバー
8はロードコントロールレバーであり、ガバナ7がオー
ルスピードガバナの場合、コントロールレバー8はスピ
ードコントロールレバーである。 【0015】図11に示す曳航装置1を用いてグライダ
3を曳航する場合には、エンジン5を駆動してウインチ
ドラム2を逆回転させることによりワイヤロープ4を繰
出し、その先端をフックを介してグライダ3に接続し、
しかる後エンジン5を正転させてワイヤロープ4の巻取
りを開始する。このため、グライダ3はワイヤロープ4
に引張られて地上を滑走し始める。 【0016】グライダ3が滑走を始めたら、運転席9の
運転者は操作レバー10を操作する。このため、コント
ロールワイヤ11を介してコントロールレバー8が操作
され、コントロールレバー8の操作により図示していな
いコントロールラックが燃料増加方向へ移動し、燃料噴
射ポンプ6からエンジン5内へ噴射される燃料の噴射量
が増加する。 【0017】而して、燃料噴射量が増加すると、エンジ
ン5の回転数延いてはウインチドラム2の回転数が増加
してワイヤロープ4の巻取り速度延いてはグライダ3の
滑走速度が上昇し、ワイヤロープ4が所定の巻取り速度
になるとグライダ3も所定の滑走速度となり、離陸す
る。 【0018】操作レバー10は、グライダ3が迅速に加
速されるよう操作する必要があるが、しかしグライダ3
の加速度が大きすぎると離陸したグライダ3が上昇する
際の上向き角度θが大きくなりすぎ不安定状態になる。
このため、グライダ3の加速度が大きくなりすぎないよ
うに操作レバー10を操作する必要がある。 【0019】グライダ3が離陸したら、操作レバー10
によりコントロールワイヤ11を介してコントロールレ
バー8をコントロールラックが燃料減少方向へ移動する
よう操作する。このため、燃料噴射ポンプ6からエンジ
ン5内へ噴射される燃料の噴射量が減少し、燃料噴射量
の減少に伴い、エンジン5の回転数延いてはウインチド
ラム2の回転数が減少し、その結果、ワイヤロープ4の
巻取り速度Vrが下降しつつグライダ3は上空へ上昇
し、所定の高度に達すると、ワイヤロープ4はグライダ
3から離脱される。 【0020】而して、グライダ3が離陸した後は、操作
レバー10はグライダ3が一定の対気速度Vg若しくは
対地速度Vggとなるようコントロールする必要があ
り、このためにはワイヤロープ4の巻取り速度Vrを
(ii)式に従い下降させなければならない。 【0021】又、ワイヤロープ4の巻取り速度Vrが下
降する際には、エンジン5の回転数が低下するため、エ
ンジン5のトルクは徐々に増加し、グライダ3の高度h
の上昇に伴い、ワイヤロープ4に作用する巻取り張力T
は徐々に増加して行く。 【0022】このように、グライダ3の滑走開始から、
離陸してワイヤロープ4がグライダ3から離脱されるま
での間にエンジン回転数とエンジン軸トルクとの間に要
求される関係を、横軸にエンジン回転数をとり縦軸にエ
ンジン軸トルクをとって図示すると、図12のようにな
る。図12中、aは曳航時にグライダ3を停止状態から
離陸するまで(i)式に従い加速する際の特性曲線を示
し、bは離陸してからワイヤロープ4が離脱されるまで
(ii)式、(iii)式に従いグライダ3が上昇する
際の特性曲線を示している。 【0023】 【発明が解決しようとする課題】上述のガバナ7は最高
・最低スピードガバナ或いはオールスピードガバナが用
いられるが、用いられるガバナの形式により、以下に述
べるような問題がある。 【0024】I)ガバナ7として最高・最低スピードガ
バナを用いた場合 最高・最低スピードガバナは、エンジン5の最高回転数
を規制する高速コントロールとアイドル時の回転数を円
滑に安定させる低速コントロールを自動的に行うもの
で、それ以外の中間の回転数の範囲では運転者自身が操
作レバー10の操作量を加減してエンジン5の回転をコ
ントロールするものである。 【0025】すなわち、最高・最低スピードガバナは、
最高回転数と最低回転数の中間の回転数において操作レ
バー10を操作すると、エンジン軸トルクの大小を変化
させる特性を持ち、このトルク特性を横軸にエンジン回
転数をとり縦軸にエンジン軸トルクをとり図示すると図
13の曲線dのようになる。 【0026】図13中、C1で示す矢印は、操作レバー
10の操作により負荷をパラメータとしてエンジン軸ト
ルクが操作レバー10の操作量に対応して変化すること
を示しており、この場合のエンジン回転数は成り行き任
せになる。従って、最高・最低スピードガバナは、グラ
イダ3を停止状態から所定の速度まで加速して離陸させ
る場合(特性曲線a)のように、加速途中のワイヤロー
プ4の巻取り速度Vrがそれ程重要ではない範囲では、
グライダ3の重量に見合った馬力コントロールを行うだ
けで良いため、操作は比較的容易である。しかし、離陸
してからワイヤロープ4が離脱されるまでの間のよう
に、グライダ3の対気速度Vg或いは対地速度Vggが
一定となるようワイヤロープ4の巻取り速度Vrをスピ
ードコントロールを行いつつ(ii)式に従い徐々に減
速しなければならない範囲では、コントロールに必要な
特性曲線bとエンジン軸トルクの曲線dが平行に近いた
め、スピードコントロールが難しく熟練を要する。 【0027】又、ワイヤロープ4の巻取り速度Vrのス
ピードコントロールが難しいため、ワイヤロープ4の巻
取り張力Tを(iii)式に従い徐々に上げるコントロ
ールも難しく、従ってワイヤロープ4には張力変動が生
じ易く、曳航中のグライダ3は大きな衝撃を受ける虞れ
があり、更にワイヤロープ4の寿命にも悪影響を与える
ことになる。 【0028】II)ガバナ7としてオールスピードガバ
ナを用いた場合 オールスピードガバナはエンジン5の低速及び高速回転
だけではなく、中間回転数においてもスピードコントロ
ールを行うもので、エンジン5の負荷が変化しても常に
所定の回転数を保持することができるものである。従っ
て、エンジン5の低速から高速までの全ての回転域をコ
ントロールすることにより操作レバー10の操作量に応
じた回転数が得られる。 【0029】すなわち、オールスピードガバナは、操作
レバー10の操作量に対応してエンジン回転数延いて
は、ワイヤロープ4の巻取り速度Vrを変化させる特性
を持ち、この速度特性を横軸にエンジン回転数をとり縦
軸にエンジン軸トルクをとり図示すると、図14の斜線
eに示すようになる。 【0030】図14中、C2で示す矢印は、操作レバー
10の操作量に対応してエンジン回転数すなわちワイヤ
ロープ4の巻取り速度Vrが変化することを示してい
る。従って、オールスピードガバナは、滑らかにスピー
ドコントロールを行う場合は、エンジン軸トルクも滑ら
かに変化するため、グライダ3が離陸した後のワイヤロ
ープ4の巻取り速度Vrを滑らかに下げるコントロール
やワイヤロープ4の巻取り張力Tを滑らかに上げるコン
トロールは比較的容易に行うことができるが、停止して
いるグライダ3を曳航開始時に加速する場合のように急
激に加速した場合には、エンジン軸トルクも急激に上昇
して不必要な最大トルクが出力され、急激な加速により
グライダ3の機首が上向きになりすぎ、不安定姿勢にな
る虞れがある。 【0031】以上のように、グライダ3が曳航時に滑走
を開始して離陸し、ワイヤロープ4がグライダ3から離
脱されるまでに要求されるエンジン回転数とエンジン軸
トルクとの関係を理想的な状態にするためには、ガバナ
7として最高・最低スピードガバナを用いてもオールス
ピードガバナを用いても、安定した円滑な曳航を行うの
は難しく、長時間の練習、習熟を要し、常に細心の注意
を払った微妙な操作レバー10の操作を必要としてい
た。 【0032】本発明は、上述の実情に鑑み、短時間の練
習で、熟練せずともグライダを安定した上向き角度で離
陸させ、一定の速度で上昇させることのできるグライダ
の曳航方法を提供することを目的としてなしたものであ
る。 【0033】 【課題を解決するための手段】本発明は、ガバナにより
回転数をコントロールし得るようにしたエンジンにより
ウインチドラムを回転させ、グライダに連結されたロー
プを前記ウインチドラムに巻取ることによりグライダを
滑走、離陸させて所定の高度まで上昇させるグライダの
曳航方法において、前記ガバナを最高・最低スピードガ
バナとしてもオールスピードガバナとしても使用し得る
切換え可能なガバナとし、グライダが滑走を開始して離
陸するまでは前記ガバナを最高・最低ガバナとして作動
させると共にエンジン回転数を上げ、グライダが離陸し
たら前記ガバナをオールスピードガバナとして作動させ
ると共にエンジン回転数を下げるものである。 【0034】 【作用】ガバナは離陸するまでは最高・最低スピードガ
バナとして作動させると共にエンジンの回転数を上げ、
離陸後はオールスピードガバナとして作動させると共に
エンジンの回転数を下げるようにしているため、操作に
熟練せずともグライダを容易に所定の上向き角度で離陸
させ、離陸後は一定の上昇速度でグライダを所定の高度
まで上昇させることができる。 【0035】 【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照しつ
つ説明する。 【0036】図1は本方法発明に用いる曳航装置1の一
例を示しており、図中、図11に示すものと同一のもの
には同一の符号が付してある。 【0037】又、図中、12はガバナ7のロードコント
ロールレバー、13は同スピードコントロールレバーで
あり、ロードコントロールレバー12は運転席9に設け
た操作レバー16によりコントロールワイヤ14を介し
て回動させ得るようになっており、スピードコントロー
ルレバー13は運転席9に設けた操作レバー17により
コントロールワイヤ15を介して回動させ得るようにな
っている。 【0038】ガバナ7は、最高・最低スピードガバナと
しても又オールスピードガバナとしても使用できる従来
公知のいわゆるRFD型ガバナであり、その一例の詳細
は図2に示されている。 【0039】図中、18は燃料噴射ポンプ6(図1参
照)のカムシャフトであり、該カムシャフト18の一端
には、ガバナケーシング19内に収納されるフライウエ
イト20が取付けられている。該フライウエイト20
は、カムシャフト18と一体に回転し得るようになって
いると共にピン21を支点としてカムシャフト18の径
方向へ開閉し得るようになっており、フライウエイト2
0のアーム22端面には、フライウエイト20の開閉時
にカムシャフト18の軸線方向へ移動し得るようにした
スライダ23が取付けられている。 【0040】又、カムシャフト18のガバナケーシング
19内の端部には、スライダ23に押されてカムシャフ
ト18の軸線方向へ移動し得るようにしたスリーブ24
が嵌合され、スリーブ24の端部にはシフタ25が連結
されている。 【0041】ガバナケーシング19の上部に平面的に見
てカムシャフト18に対し直交するよう取付けた水平な
ピン26には、下方へ延在するテンションレバー27と
ガイドレバー28が夫々ピン26に対し個別に回動し得
るように枢着されている。而して、テンションレバー2
7の下端には、アイドリングスプリング29によりシフ
タ25側へ付勢されて先端がシフタ25の端部に当接し
得るようにしたアイドリングピン30がスリーブ24及
びシフタ25に対し直列状になるよう取付けられてお
り、ガイドレバー28の下端には、前記シフタ25が前
記ピン26と平行なピン25aを介して枢着されてい
る。 【0042】ガイドレバー28の上下方向略中間位置に
は、上下へ延在すると共に上端はピン26の下方に位置
し下端はシフタ25よりも下方に位置するフローチング
レバー32が前記ピン26と平行なピン31を介して回
動自在に支持されており、フローチングレバー32の上
端には、カムシャフト18と平行に燃料噴射ポンプ6
(図1参照)のプランジャ側へ延在するコントロールラ
ック33が連結バー34を介して連結され、フローチン
グレバー32のピン31の位置よりも上方とガバナケー
シング19内壁面との間には、スタートスプリング35
が張設され、スタートスプリング35によりフローチン
グレバー32を介しコントロールラック33を燃料噴射
ポンプ6側(燃料増加方向)へ付勢し得るようになって
いる。 【0043】ガバナケーシング19の高さ方向中間位置
に回転可能に支持された、前記ピン26と平行なピン3
6には、テンションレバー27から離れる方向へ斜め上
方へ向けて延在するスピードセッチングレバー37が固
定されると共に、ピン36のガバナケーシング19外方
へ突出した部分にはスピードコントロールレバー13が
固定されており、スピードセッチングレバー37先端の
ブラケット部37aとテンションレバー27の高さ方向
中間位置に形成したブラケット部27aには、スタート
スプリング35よりも張力の大きいガバナスプリング3
8が張設され、該ガバナスプリング38により、テンシ
ョンレバー27をシフタ25側へ付勢するようになって
いる。 【0044】テンションレバー27の下部には、前記ピ
ン26と平行に延びるピン39が、前記アイドリングピ
ン30の取付け位置よりも若干上方に位置するよう取付
けられ、前記フローチングレバー32の下端には、ピン
39と平行に延び且つ四角形状部40aを有するピン4
0が、前記ピン39よりも下方に位置するよう取付けら
れている。 【0045】テンションレバー27及びフローチングレ
バー32の側部には、上部に上下に延びる矩形状の孔4
1aが形成されると共に下部に下端が開口して上下に延
びる矩形状の切欠き41bが形成されたサポーチングレ
バー41が配設され、サポーチングレバー41の孔41
aには、前記ピン39の先端が孔41aの側面に対し摺
動し得るよう嵌合され、切欠き41bには前記ピン40
の四角形状部40aが切欠き41bの側面に対し摺動し
得るよう嵌合されている。 【0046】サポーチングレバー41には、偏心軸42
が固着され、偏心軸42の一端にはロードコントロール
レバー12が取付けられている。 【0047】なお、図中、43はマキシマムスピードス
トッパボルト、44はストロークアジャスチングスクリ
ュ、45はダンパスプリングであり、図2には示されて
いないが、ガバナケーシング19にはフルロードストッ
パボルトが設けられている。 【0048】次に、上述の図2に示すガバナ7を備えた
曳航装置1によりグライダ3を曳航する場合の手順を図
3〜図7をも参照しつつ説明する。なお、図3〜図5
中、46はフルロードストッパボルトである。 【0049】先ず、エンジン5を駆動してウインチドラ
ム2を逆回転させることによりワイヤロープ4を繰出
し、その先端を曳航装置1から離れて地上に停止してい
るグライダ3にフックを介し接続し、しかる後操作レバ
ー17を操作してコントロールワイヤ15を介しスピー
ドコントロールレバー13を図3に示すように倒し、グ
ライダ3の離陸に必要な速度に合せて突出量が調節され
ているマキシマムスピードストッパボルト43に当接さ
せ、図示してないラッチによりスピードコントロールレ
バー13を固定する。 【0050】又、操作レバー16を操作してコントロー
ルワイヤ14を介しロードコントロールレバー12を回
動させ、サポーチングレバー41を図3の二点鎖線位置
に位置させる。この場合、スピードコントロールレバー
13、スピードセッチングレバー37、テンションレバ
ー27は図3の実線位置にありロードコントロールレバ
ー12、ガイドレバー28、フローチングレバー32は
図3の二点鎖線位置にある。従って、コントロールラッ
ク33はフローチングレバー32により連結バー34を
介して燃料減少方向の極限位置にある。 【0051】又、スピードコントロールレバー13をマ
キシマムスピードストッパボルト43に当接させると、
スピードセッチングレバー37はピン36を支点として
燃料噴射ポンプ6側へ最も倒れた状態にあり、ガバナス
プリング38は最大に伸びているため、テンションレバ
ー27は最も強い力でシフタ25側へ引張られており、
これによりエンジン5の最高回転数が設定される。 【0052】エンジン5が起動されたら、操作レバー1
6を操作してコントロールワイヤ14を介しロードコン
トロールレバー12を図3の二点鎖線位置から反時計方
向へ回動させる。この場合カムシャフト18の回転によ
りフライウエイト20は遠心力を受けてピン21を支点
として開こうとするが、ガバナスプリング38の張力
は、フライウエイト20の遠心力によりスライダ23を
介しスリーブ24及びシフタ25をアイドリングピン3
0側へ押す力よりも大きいため、テンションレバー27
及びガイドレバー28は静止したままで、このためサポ
ーチングレバー41はピン39を支点として図3の二点
鎖線位置から反時計方向へ回動する。 【0053】而して、サポーチングレバー41がピン3
9を中心に反時計方向へ回動すると、フローチングレバ
ー32はピン40を介してサポーチングレバー41によ
り押され、ピン31を支点として図3の反時計方向へ回
動させられ、その結果、連結バー34を介しコントロー
ルラック33は図3の左方向へ押され、燃料増加方向D
1へ移動する。 【0054】コントロールラック33が燃料増加方向D
1へ移動すると、燃料噴射ポンプ6のプランジャが燃料
増加方向へ回動し、燃料噴射ノズルからエンジン5内へ
噴射される燃料の流量が増加し、エンジン回転数が徐々
にあがって行く。このため、ウインチドラム2の回転数
も徐々にあがり、ワイヤロープ4の巻取り速度が上昇す
るため、ワイヤロープ4に作用するワイヤパワー(馬
力)もあがり、グライダ3は地上を滑走し始める。 【0055】而して、運転者が、操作レバー16を継続
して滑らかに操作し、ロードコントロールレバー12を
図3の反時計方向へ回動させて行くと、コントロールラ
ック33は更に燃料増加方向D1へ移動し、従って、燃
料噴射ポンプ6によりエンジン5内へ噴射される燃料の
流量は更に増加して、ウインチドラム2の回転数も更に
上り、このため、ワイヤパワーも更に上り、グライダ3
は加速されて滑走速度が上がって行く。 【0056】グライダ3の滑走速度が増加して所定の速
度に達すると、グライダ3は離陸する。而して、グライ
ダ3が離陸可能な速度に達するとカムシャフト18は高
速回転になるため、フライウエイト20に作用する遠心
力は大きくなり、スライダ23がスリーブ24を押す力
は、ガバナスプリング38がテンションレバー27を引
張る力よりも大きくなる。 【0057】このため、スリーブ24はスライダ23に
より押されて図4に示すごとく、二点鎖線位置から実線
位置まで右方向へ燃料噴射ポンプ6から離れる方向へ移
動し、シフタ25も同じく図4の右方向へ移動する。 【0058】而して、シフタ25が図4の右方向へ移動
すると、アイドリングピン30を介してテンションレバ
ー27も右方向へ押されるため、テンションレバー27
はピン26を中心として図4の二点鎖線位置から実線位
置まで反時計方向へ回動し、又シフタ25の右方向への
移動により、ピン25aを介してガイドレバー28がピ
ン26を中心として図4の二点鎖線位置から実線位置ま
で反時計方向へ回動し、ピン31の位置も図4の二点鎖
線位置から実線位置へ右方向へ移動する。 【0059】而して、ピン31が図4の二点鎖線位置か
ら実線位置へ移動するとフローチングレバー32も図4
の二点鎖線位置から実線位置へ右方向へ移動し、フロー
チングレバー32によりコントロールラック33は連結
バー34を介して図4の右方向へ押され、燃料減少方向
D2へ移動させられる。このため、燃料噴射ポンプ6か
らエンジン5内へ噴射される燃料の流量が制限され、従
って、エンジン5の回転数はマキシマムスピードストッ
パボルト43により設定された許容最高回転数を越えな
いようにコントロールが行われる。 【0060】グライダ3が滑走を開始してから離陸する
までは、ガバナ7は最高・最低スピードガバナとして作
動させることができるため、ロードコントロールレバー
12の操作によりワイヤパワーを徐々に上げるだけでグ
ライダ3を適宜の上向き角度で離陸させることが可能と
なり、グライダ3を離陸させる操作を容易に行うことが
できる。 【0061】グライダ3が離陸して上昇を開始したらグ
ライダ3が一定速度で上昇するようワイヤロープ4の巻
取り速度を徐々に低下させる必要があるが、この場合に
は次のように操作を行う。 【0062】すなわち、操作レバー16を操作してコン
トロールワイヤ14によりロードコントロールレバー1
2を回動させ、予めグライダ3の重量に見合ったワイヤ
パワーに合せて突出量の調整してあるフルロードストッ
パボルト46に前記ロードコントロールレバー12を当
接させ、図示してないラッチによりロードコントロール
レバー12を固定する。 【0063】ロードコントロールレバー12をフルロー
ドストッパボルト46に当接させ、固定したら、操作レ
バー17を操作してコントロールワイヤ15によりスピ
ードコントロールレバー13を図5に示す二点鎖線位置
から実線位置側へ時計方向へ回動させる。このため、ス
ピードセッチングレバー37はピン36を支点として図
5の時計方向へ回動し、ガバナスプリング38がテンシ
ョンレバー27を引張る力は徐々に減少する。 【0064】一方、テンションレバー27は、フライウ
エイト20の遠心力によりスライダ23がスリーブ24
及びシフタ25を図5の右方向へ押す力とガバナスプリ
ング38のテンションレバー27を引張る力とがバラン
スする位置で停止するが、スピードコントロールレバー
13を図5の反時計方向へ回動させることにより、ガバ
ナスプリング38がテンションレバー27を引張る力が
減少すると、力のバランスが崩れる結果、フライウエイ
ト20の遠心力によりスライダ23を介しスリーブ24
及びシフタ25は図5の右方向へ二点鎖線位置から実線
位置へ移動する。このためガイドレバー28はピン26
を支点として図5の反時計方向へ回動し、フローチング
レバー32も図5の二点鎖線位置から実線位置へ右方向
へ移動し、その結果、コントロールラック33は燃料減
少方向D2へ移動し、燃料噴射ポンプ6からエンジン5
へ噴射される燃料の噴射量は減少する。 【0065】又、燃料噴射ポンプ6からの燃料の噴射量
が減少すればエンジン回転数は下降し、ワイヤロープ巻
取り速度も下降するため、スピードコントロールレバー
13を一定の速度で滑らかに図5の時計方向へ回動させ
ることによりグライダ3の上昇速度が一定になるようエ
ンジン回転数延いてはワイヤロープ巻取り速度を下降さ
せることができる。 【0066】更に、グライダ3の上昇速度が一定になる
ように、ワイヤロープ巻取り速度を下降させると、それ
に対応してワイヤロープ4の巻取り張力(ワイヤパワ
ー)が大きくなるため、グライダ3は所定の高さへと滑
らかに上昇することができる。 【0067】グライダ3が離陸して後は、ガバナ7はオ
ールスピードガバナとして作動させることができるた
め、スピードコントロールレバー13の操作によりワイ
ヤロープ4の巻取り速度を滑らかに下げるだけでグライ
ダ3を一定速度で上昇させることができ、グライダ3を
所定の高度まで上昇させる操作を容易に行うことができ
る。 【0068】グライダ3が滑走を開始してから離陸する
までのエンジン回転数とエンジン軸トルクの関係は図6
の特性曲線aに示され、グライダ3が離陸してから所定
の高度に到達するまでのエンジン回転数とエンジン軸ト
ルクの関係は図7の特性曲線bに示されている。 【0069】離陸後はエンジン回転数の低下に伴いグラ
イダ3を上昇させるために必要なエンジン軸トルクは徐
々に増加するが、図7の黒点イ,ロ,ハ,ニ,…の位置
でエンジン軸トルクが自動的にコントロールされる。 【0070】尚、本発明は上述の実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変
更を加え得ることは勿論である。 【0071】 【発明の効果】本発明のグライダの曳航方法によれば、
グライダが地上を滑走する際にはガバナを最高・最低ス
ピードガバナとして作動させ、離陸後はガバナをオール
スピードガバナとして作動させてグライダの曳航を行う
ことができるため、 I)操作に熟練しておらずグライダが滑走を開始する際
の加速が急激に行われても、不必要な最大トルクが出力
されず、従って離陸に際してグライダの機首が上向きに
なりすぎることがない、 II)操作に熟練していない場合でもグライダを安定し
た上向き角度で離陸させ、一定の速度で上昇させること
ができる、 III)離陸後のスピードコントロールが容易であるた
め、ワイヤロープの張力変動が少なく、グライダに与え
る衝撃が減少する、等、種々の優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の方法に適用する曳航装置の概要を表わ
す正面図である。 【図2】図1の曳航装置に用いるガバナの内部構造を示
す斜視図である。 【図3】本発明の方法においてガバナが最高・最低スピ
ードガバナとして機能する場合のガバナの作動状態を説
明するための側面図である。 【図4】本発明の方法においてガバナが最高・最低スピ
ードガバナとして機能する際にエンジン回転数が最高回
転数になった場合のガバナの作動状態を説明するための
側面図である。 【図5】本発明の方法においてガバナがオールスピード
ガバナとして機能する場合のガバナの作動状態を説明す
るための側面図である。 【図6】本発明の方法においてグライダが離陸可能な速
度まで加速される際のエンジン回転数とエンジン軸トル
クの関係を表わす特性曲線の線図である。 【図7】本発明の方法においてグライダが離陸した後所
定の高度まで上昇する際のエンジン回転数とエンジン軸
トルクの関係を表わす特性曲線の線図である。 【図8】グライダが上昇する際の対気速度とワイヤ巻取
り速度との関係を説明するための側面図である。 【図9】図8に示すグライダに作用するワイヤロープ巻
取り速度と対空速度との関係を表わすベクトル線図であ
る。 【図10】グライダが所定の上昇角度で上昇する際のワ
イヤロープの巻取り張力とグライダの自重と効力の関係
を表わすベクトル線図である。 【図11】従来の方法に適用する曳航装置の概要を表わ
す正面図である。 【図12】グライダを滑走させて離陸させ所定の高度ま
で上昇させる際のエンジン回転数とエンジン軸トルクの
理想的な関係を表わす特性曲線のグラフである。 【図13】従来の方法において最高・最低スピードガバ
ナを用いた場合にグライダの滑走、離陸、上昇の状態を
説明するためのエンジン回転数とエンジン軸トルクの関
係を表わす特性曲線図である。 【図14】従来の方法においてオールスピードガバナを
用いた場合にグライダの滑走、離陸、上昇の状態を説明
するためのエンジン回転数とエンジン軸トルクの関係を
表わす特性曲線図である。 【符号の説明】 2 ウインチドラム 3 グライダ 4 ワイヤロープ 5 エンジン 7 ガバナ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B64F 1/08 F02D 1/02 311 F02D 35/00 305

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ガバナにより回転数をコントロールし得
    るようにしたエンジンによりウインチドラムを回転さ
    せ、グライダに連結されたロープを前記ウインチドラム
    に巻取ることによりグライダを滑走、離陸させて所定の
    高度まで上昇させるグライダの曳航方法において、前記
    ガバナを最高・最低スピードガバナとしてもオールスピ
    ードガバナとしても使用し得る切換え可能なガバナと
    し、グライダが滑走を開始して離陸するまでは前記ガバ
    ナを最高・最低ガバナとして作動させると共にエンジン
    回転数を上げ、グライダが離陸したら前記ガバナをオー
    ルスピードガバナとして作動させると共にエンジン回転
    数を下げることを特徴とするグライダの曳航方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101607602A (zh) * 2008-06-18 2009-12-23 上海奇谋能源技术开发有限公司 一种动力发射方法及装置

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CN101607602A (zh) * 2008-06-18 2009-12-23 上海奇谋能源技术开发有限公司 一种动力发射方法及装置

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