JP3425375B2 - 耐薬品性シートの製造方法 - Google Patents

耐薬品性シートの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば反応塔、反応
槽、貯留槽、輸送及び貯留用タンク類、液体用コンテ
ナ、化学薬品や電子部品用の容器等のライニング材、更
には車両、船舶、航空機、公共施設、住宅等の内装材と
して好適な耐候性、耐熱性等を有する耐薬品性シートの
製造方法に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】フッ素系樹脂は、耐薬品性、耐
熱性、非粘着性、電気的特性等に優れるため、化学、石
油、塗料、インキ、工業薬品、医薬品、半導体等の種々
の工業分野において広く使用されている。しかるに、代
表的なフッ素系樹脂であるポリテトラフルオロエチレン
樹脂(以下、PTFEと略称する)は、表面活性に乏し
く通常の手段では接着できない上に溶融流動化しないた
め、そのシートを塔槽類やタンク類等の内装に用いる場
合、旧来においては、それら器壁と内容物との間に該シ
ートを単に介在させる所謂ルーズライニングの手法、も
しくはシートの接着側表面を機械的又は化学的処理によ
って活性化させた上で接着剤を介してライニングする方
法を採っていたが、前者の方法では用途的な制約が大き
く、後者の方法でも接着強度が不充分であることに加え
てシート自体の脆弱さによる使用上及び加工上の問題が
あった。
【0003】そこで、本出願人は、先に、PTFEを用
いた積層形態の耐薬品性シートを開発すると共に、この
耐薬品性シートをヒートロールでの加熱圧着によって連
続的に長尺物として得る製造方法を確立した(特公平8
−18410号公報)。この耐薬品性シートは、PTF
Eからなるシート基材とガラスクロスとの間に熱可塑性
フッ素樹脂フィルムを介在させ、これを加熱圧着して一
体の積層物としたものであり、ガラスクロス側を接着面
として通常の接着剤にて様々な材質の器壁面に高強度で
接着できると共に、ガラスクロスとの積層構造によって
シート自体が強靱である等の優れた利点から、既に広汎
な産業分野で使用されている。とりわけ上記製造方法に
よる長尺物は、ライニングを施す部位等の大きさに応じ
て適当な長さに切断して使用できるため、余剰部分によ
る多量の不利用短材を生じることがなく、無駄が少なく
経済的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年におい
ては、耐薬品性ライニングを施す用途の拡大に伴い、そ
のライニング仕様及び加工上から要求される諸特性、す
なわち曲げや引張り等の機械的特性、熱的及び電気的特
性その他の必要特性も多様化しており、前記のPTFE
を用いた耐薬品性シートでは特性的に適合しない分野に
対応するために、溶融流動性を有するフッ素系樹脂のシ
ートとガラスクロスとを積層したライニング材の需要が
急増している。
【0005】しかるに、従来の溶融流動性フッ素系樹脂
を用いた耐薬品性シートは、該フッ素系樹脂のシートと
ガラスクロスとをバッジ方式の熱プレスにより積層一体
化して一定寸法の製品としたものであり、ライニングを
施す部位の大きさ等に合わせて切断した際の余剰部分が
全て不利用短材となるため、無駄が多く不経済である
上、製造能率が悪くコスト高になるという問題があっ
た。
【0006】このような溶融流動性フッ素系樹脂を用い
た耐薬品性シートの製造に関し、従来において前記のP
TFEを用いた耐薬品性シートようなヒートロールによ
る連続的手法が採用されていないのは、次のような理由
がある。すなわち、溶融流動性フッ素系樹脂シートとガ
ラスクロスとをヒートロール対間を通して加熱圧着する
際、該樹脂シートを融点より高温に加熱する必要がある
が、一般的に溶融流動性フッ素系樹脂は融点と流動点と
が接近して存在するため、加熱温度や走行速度等の条件
を厳しく制御しても溶融流動化した樹脂のロール面への
移着が避けられず、これによってシートの表面性及び厚
みの均一性が損なわれて品質低下を招くばかりか、樹脂
シートが破れて製品不良を生じたり、ロール面に移着し
た樹脂の蓄積によって操業不能に陥る懸念が多分にある
ことによる。
【0007】本発明は、上述の事情に鑑みて、耐薬品性
シートが溶融流動性を有するフッ素系樹脂のシートとガ
ラスクロスとを積層したものであるにも関わらず、この
耐薬品性シートを連続的手法によって高能率で容易に製
造する手段を確立し、もって該耐薬品性シートを長尺物
として製品化可能とし、無駄な不利用短材の発生を少な
くして省資源に貢献すると共に、製造コストの低減と製
品の安定供給を実現することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係る耐薬品性シートの製造方法
は、図面の参照符号を付して示せば、溶融流動性を有す
るフッ素系樹脂よりなる樹脂シート1とガラスクロス2
とを各々の巻回ロールR1,R2より連続的に繰り出し
て重ね合わせ、この重ね合わせシート10を連続走行さ
せつつ、ロール表面温度が前記フッ素系樹脂の融点より
も高い一本の高温ロールと、この高温ロールに対して各
々ニップ部を構成し、且つ加熱機構を持たない非加熱ロ
ールからなってロール表面温度が同融点よりも低い二本
の低温ロール4A,4Bとの間に、ガラスクロス2側の
表面2aを高温ロール3表面に接して通過させて加熱圧
着することにより、前記樹脂シート1とガラスクロス2
とが一体化した積層シート11とすることを特徴として
いる。
【0009】上記構成によれば、連続走行する重ね合わ
せシート10は、高温ロール3と二本の低温ロール4
A,4Bとの前後2カ所のニップ部8,8間にわたって
ガラスクロス2側の表面2aが高温ロール3の周面に接
触すると共に、両ニップ部8,8の位置で樹脂シート1
側の表面1aが低温ロール4A,4Bの表面に接触する
ことになる。この過程において、樹脂シート1の内面1
b側は高温ロール3によってガラスクロス2を通して熱
せられるために融点よりも高温になり、その表層部が溶
融流動化するが、該樹脂シート1の外側の表面1aは低
温ロール4A,4Bによる熱吸収によって融点よりも低
温に保たれるから、両低温ロール4A,4Bの表面に溶
融流動化した樹脂が移着することはなく、また特に後部
側の低温ロール4Bは加熱圧着直後の積層シート11か
らシート幅全体に均一に且つ急速に熱を吸収して冷却す
ることになり、自然放冷の場合のシート幅方向の温度勾
配(中央側より両側部の冷却が早くなる)に起因した収
縮度合の差による波打ちや皺の発生を回避でき、もって
得られる積層シート11の樹脂シート1側は平坦性に優
れたものとなる。
【0010】一方、重ね合わせシート10における樹脂
シート1とガラスクロス2との界面部は、前後2カ所の
ニップ部8,8間にわたって高温ロール3の周面に接触
する過程で、樹脂シート1の溶融流動化したフッ素系樹
脂がガラスクロス2の繊維組織中に入り込む時間的余裕
を確保できるから、加熱圧着後の積層シート11ではガ
ラスクロス2が樹脂シート1の層中に食い込んで完全に
一体化した剥離性界面のない状態となる。
【0011】しかるに、低温ロールを1本にした場合
は、重ね合わせシート10を一か所のニップ部8で加熱
圧着することになり、該シート10が高温ロール3に接
触する極めて短かい時間内で樹脂シート10のフッ素系
樹脂を溶融させてガラスクロス2と一体化させる上で、
高温ロール3による加熱温度を非常に高く設定する必要
があるから、樹脂シート1側の表面1aに低温ロールが
接触していても、該樹脂シート1の厚みが余程大きくな
い限り、高温加熱で樹脂層全体が瞬時に溶融流動化して
しまい、その表層部が低温ロールの低温の表面に移着し
て固化するため、この付着蓄積によって却って操業不能
に陥り易くなる。また、シートの厚みに変化をきたす恐
れがあり、圧着強度面でも満足なものが得られにくい。
【0012】上述のように、高温ロール3によるフッ素
系樹脂の溶融作用と、低温ロール4A,4Bによる熱吸
収作用を確実に発揮させる上で、請求項2の発明のよう
に、高温ロール3のロール表面温度が前記フッ素系樹脂
の融点よりも50℃以上高く、低温ロール4A,4Bの
ロール表面温度が同融点より50℃以上低く設定されて
なる構成が推奨される。更に、耐薬品性シートとしての
シート特性と前記の溶融作用及び熱吸収作用の観点よ
り、請求項の発明のように、樹脂シート1の厚みが
0.05〜3mm、ガラスクロス2の厚みが0.2〜2
mmである構成が好適である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る耐薬品性シー
トの製造方法について、図面を参照して具体的に説明す
る。図1は本発明の製造方法を適用した連続製造装置を
示し、図中、R1は溶融流動性を有するフッ素系樹脂シ
ート1の巻回ロール、R2はガラスクロス2の巻回ロー
ル、3はロール表面温度がフッ素系樹脂シート1の融点
よりも高く設定された高温ロール、4A,4Bは共にロ
ール表面温度がフッ素系樹脂シート1の融点よりも低く
設定された低温ロール、5A,5Bはロール対をなす前
部ガイドロール、6は後部ガイドロール、7は巻取りロ
ールであり、低温ロール4A,4Bは高温ロール3との
間で前後してニップ部8,8を構成している。
【0014】耐薬品性シートを製造するには、巻回ロー
ルR1,R2にそれぞれ長尺物として巻回されているフ
ッ素系樹脂シート1とガラスクロス2とを同期して連続
的に繰り出し、前部ガイドロール5A,5B間を通過さ
せて重ね合わせシート10とし、この重ね合わせシート
10を連続走行させつつ、高温ロール3と低温ロール4
A,4Bとの前後2カ所のニップ部8,8間に、ガラス
クロス2側の表面2a(図2参照)が高温ロール3の周
面に接する状態で通過させて加熱圧着し、もって図2に
示すようにフッ素系樹脂シート1とガラスクロス2とが
一体化した積層シート11として、後部ガイドロール6
を介して巻取りロール7に連続的に巻き取らせる。
【0015】この製造方法によれば、連続走行する重ね
合わせシート10が高温ロール3と二本の低温ロール4
A,4Bとの間を通過する過程で、樹脂シート1の内面
1b側は高温ロール3によってガラスクロス2を通して
熱せられるために融点よりも高温になり、その表層部が
溶融流動化してガラスクロス2に融着するが、該樹脂シ
ート1の外側の表面1aは低温ロール4A,4Bによる
熱吸収によって融点よりも低温に保たれる。従って、両
低温ロール4A,4Bの表面に溶融流動化したフッ素系
樹脂が移着することはなく、安定した連続工程による耐
薬品性シートの製造を行える。
【0016】ところで、一般的に、樹脂シートと他の材
料とを加熱ロールを介して連続的に加熱圧着した際、こ
の加熱圧着によって高温化した積層シートを巻き取るま
での間に自然放冷させた場合、シート幅方向の中央側よ
り両側部の冷却が早くなり、この温度勾配によってシー
ト幅方向の収縮度合に差ができるため、シートの波打ち
や皺が発生し易い。しかるに、前記の製造方法では、後
部側の低温ロール4Bが加熱圧着直後の積層シート11
に接し、シート幅全体に均一に且つ急速に熱を吸収して
冷却することから、該積層シート11は低温ロール4B
から離れた段階で殆ど収縮性を喪失した状態となり、も
って前記のシート幅方向の伸縮差による波打ちや皺の発
生が回避され、得られる積層シート11の樹脂シート1
側は平坦性に優れたものとなる。
【0017】一方、重ね合わせシート10における樹脂
シート1とガラスクロス2との界面部では、前後2カ所
のニップ部8,8間にわたって高温ロール3の周面に接
触する過程で、樹脂シート1の溶融流動化したフッ素系
樹脂がガラスクロス2の繊維組織中に入り込む時間的余
裕があるから、前記のように後部側の低温ロール4Bが
加熱圧着直後の積層シート11に接しても樹脂シート1
とガラスクロス2との融着性は阻害されない。従って、
得られる積層シート11は、ガラスクロス2が樹脂シー
ト1の層中に食い込んで完全に一体化し、剥離性界面の
ない状態となっている。
【0018】上述のように、高温ロール3によるフッ素
系樹脂の溶融作用と、低温ロール4A,4Bによる熱吸
収作用を確実に発揮させる上で、高温ロール3はロール
表面温度が樹脂シート1を構成するフッ素系樹脂の融点
よりも50℃以上高くなるように設定し、また低温ロー
ル4A,4Bはロール表面温度が同融点よりも50℃以
上低く設定するのがよい。また、両ニップ部8,8にお
けるプレスニップ圧は1〜5Kg/cm程度でよい。
【0019】なお、低温ロール4A,4B、高温ロー
ル3からの伝熱による昇温があるため、加熱機構を持た
ない非加熱ロールとす。しかして、非加熱の低温ロー
ル4A,4Bのロール表面温度の設定は、連続操業中に
おけるロール全体からの放熱と軸受部を介した熱伝導に
よる排熱のみで充分に可能であるが、必要とあれば適当
な冷却機構を設けて積極的に排熱する構成としてもよ
い。
【0020】樹脂シート1の構成材料としては、溶融流
動性を有するフッ素系樹脂であればよく、特に限定され
ないが、例えばCF2 =CF2 とCF2 =CF−CF3
の共重合体(市販品としてイー・アイ・デュポン社の商
品名テフロンFEP)、CF 2 =CF2 とCF2 =CF
−ORfの共重合体(Rf はパーフルオロアルキル基:
同テフロンPFA)、CH2 =CH2 とCF2 =CF2
の共重合体(同テフロンETFE、三井・デュポンフロ
ロケミカル社の商品名テフゼル)、CH2 =CF2 の重
合体(ポリフッ化ビニリデン樹脂:同テフロンPVD
F、Pennwalt社の商品名カイナー)、CH2
CH2 とCF2 =CClFの共重合体(同テフロンEC
TFE)、CHF=CH2 の重合体(同テフロンPV
F)等が挙げられ、これらの中でも特にCF2 =CF2
とCF2 =CF−CF3 の共重合体(テフロンFE
P)、ならびにCF2 =CF2 とCF2 =CF−ORf
の共重合体(テフロンPFA)が好適である。
【0021】樹脂シート1の厚みは、0.05〜5mm
の範囲が好ましい。すなわち、この厚みが薄過ぎる場合
は、ガラスクロス2との加熱圧着時に外面1a側を非溶
融として内面1b側を溶融流動化させることが極めて困
難になり、走行中の当該シート1が加熱圧着部で破断し
たり、積層を行えなくなる懸念がある。また、逆に上記
厚みが厚過ぎては、熱伝導性の低下を補うために送り速
度を遅くする必要があり、製造能率の低下を招き、また
大きな剛性によってロールに巻回しにくく、連続工程に
よる製造方法の適用が困難になると共に、その剛性と材
料コストの増大によって耐薬品性シートとしての用途的
な制約が大きくなる。
【0022】ガラスクロス2としては、厚みが0.2〜
2mmであるものが好適である。すなわち、この厚みが
薄過ぎると、耐薬品性シートとしての強度が不充分にな
ると共に、加熱圧着時に溶融流動化したフッ素系樹脂が
当該ガラスクロス2の表面2aまで浸透して該表面2a
側での接着性を阻害することになる。また、逆に厚過ぎ
る場合は、加熱圧着時に高温ロール3からのガラスクロ
ス2を通した熱伝導が悪くなり、樹脂シート1の融着が
困難になると共に、耐薬品性シートとしての用途的な制
約が大きくなる。
【0023】かくして得られた積層シート11つまり耐
薬品性シートは、ガラスクロス2側において一般的な接
着剤を利用して塔槽類やタンク類等の器壁面に容易に接
着ライニングを施すことができると共に、樹脂シート1
側の表面においてフッ素系樹脂本来の非常に高い耐薬品
性、耐熱性、非粘着性、電気的特性等を発揮でき、しか
も樹脂シート1側の表面1aが平滑であって波打ちや皺
がなく高品質である上、樹脂シート1とガラス2とが剥
離性界面のない状態で完全に一体化しているため、苛酷
な使用条件でも樹脂シート1が剥がれる懸念はない。ま
た、この耐薬品性シートは長尺物として得られるため、
ライニング等を施す部位の大きさに応じて適当な長さに
切断して使用でき、バッジ方式で製造した一定の大きさ
の耐薬品性シートのように余剰部分による多量の不利用
短材を生じることがなく、無駄が少なく非常に経済的で
ある。なお、特に樹脂シート1が0.05〜0.3mm
程度と極薄である耐薬品性シートは、車両、船舶、航空
機、公共施設、住宅等の内装材として極めて有用であ
る。
【0024】
【0025】
【実施例】実施例1 図1の装置構成において、ロール表面が硬質クロムメッ
キ製である直径250mmの高温ロール3と、ロール表
面が硬質クロムメッキ製である直径220mmの非加熱
の低温ロール4A,4Bとを用い、両低温ロール4A,
4Bの軸間距離を380mm、ニップ部8,8のプレス
ニップ圧を2.5Kg/cmに設定すると共に、連続操
業中における高温ロール3のロール表面温度を380
℃、同じく両低温ロール4A,4Bのロール表面温度を
180〜190℃に各々制御しつつ、厚さ0.2mmの
テフロンPFA(前出)よりなる樹脂シート1と、厚さ
0.65mmのガラスクロス2とを、それぞれ同幅の巻
回ロールR1,R2より連続的に繰り出して、前部ガイ
ドロール5A,5B間を通して重ね合わせ、これを20
0mm/分で連続的に送りつつ、ガラスクロス2側の表
面が高温ロール3の周面に接する形で両ニップ部8,8
を通して熱プレスし、長尺の耐薬品性シートを連続的に
製造した。この耐薬品性シートは、波打ちや皺を有さず
平坦性に優れており、また断面の顕微鏡観察によると、
ガラスクロス2が樹脂シート1の層中に食い込んで剥離
性界面のない状態で完全に一体化しており、ライニング
材や耐蝕布地として好適な性状を備えるものであった。
【0026】実施例2 樹脂シート1として厚さ0.1mmのテフロンFEP
(前出)よりなるもの、ガラスクロス2として厚さ0.
4mmのものを各々用いると共に、連続操業中における
高温ロール3のロール表面温度を300℃、同じく両低
温ロール4A,4Bのロール表面温度を180〜200
℃、ニップ部8,8のプレスニップ圧を2.0Kg/c
m、送り速度を250mm/分にそれぞれ設定した以外
は、実施例1と同様にして長尺の耐薬品性シートを連続
的に製造した。この耐薬品性シートは、波打ちや皺を有
さず平坦性に優れると共に、樹脂シート1とガラスクロ
ス2が完全に一体化しており、薄型で柔軟性に富むため
に特に内装材として好適なものであった。
【0027】
【発明の効果】請求項1の発明に係る耐薬品性シートの
製造方法によれば、該耐薬品性シートが溶融流動性を有
するフッ素系樹脂よりなる樹脂シートとガラスクロスと
の積層形態であるにも関わらず、両者をロール表面温度
がフッ素系樹脂の融点より高い1本の高温ロールと同融
点よりも低い2本の低温ロールとの間に構成される前後
2カ所のニップ部を通して加熱圧着する連続的手法によ
り、長尺物として高能率で容易に且つ確実に製造でき
る。しかも得られる耐薬品性シートは、樹脂シートとガ
ラスクロスとが剥離性界面のない状態に完全に一体化し
ていて強度的に優れる上、波打ちや皺がなく平坦に優れ
て非常に高品質であり、また長尺物であるために無駄な
不利用短材の発生を少なくして省資源に貢献し得るもの
となる。更に、前記低温ロールとして加熱機構を持たな
い非加熱ロールを用いることから、装置構成が簡素とな
り、それだけ設備コストを低減できるという利点があ
る。
【0028】請求項2の発明によれば、上記の製造方法
において、前記高温ロール及び低温ロールのロール表面
をフッ素系樹脂の融点に対して特定の温度差に設定する
ことから、耐薬品性シートを連続的手法によってより確
実に製造できるという利点がある。
【0029】
【0030】請求項の発明によれば、上記の製造方法
において、樹脂シート及びガラスクロスの厚みを特定範
囲とすることから、連続的手法による耐薬品性シートの
製造を確実性が増すと共に、耐薬品性シートとして好適
な特性を付与できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る耐薬品性シートの製造方法を適
用する連続製造装置の模式側面図。
【図2】 同耐薬品性シートの断面図。
【符号の説明】
1 樹脂シート 1a 外側の表面 1b 内側の表面 2 ガラスクロス 2a ガラスクロス側の表面 3 高温ロール 4A,4B 低温ロール 5A,5B ガイドロール 6 ガイドロール 7 巻取りロール 8 ニップ部 10 重ね合わせシート 11 積層シート R1,R2 巻回ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−227449(JP,A) 特開 平8−99389(JP,A) 特開 昭48−73564(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B29C 63/00 - 65/82

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融流動性を有するフッ素系樹脂よりな
    る樹脂シートとガラスクロスとを各々の巻回ロールより
    連続的に繰り出して重ね合わせ、この重ね合わせシート
    を連続走行させつつ、ロール表面温度が前記フッ素系樹
    脂の融点よりも高い一本の高温ロールと、この高温ロー
    ルに対して各々ニップ部を構成し、且つ加熱機構を持た
    ない非加熱ロールからなってロール表面温度が同融点よ
    りも低い二本の低温ロールとの間に、ガラスクロス側の
    表面を高温ロール表面に接して通過させて加熱圧着する
    ことにより、前記樹脂シートとガラスクロスとが一体化
    した積層シートとすることを特徴とする耐薬品性シート
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 高温ロールのロール表面温度が前記フッ
    素系樹脂の融点よりも50℃以上高く、低温ロールのロ
    ール表面温度が同融点よりも50℃以上低く設定されて
    なる請求項1記載の耐薬品性シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 樹脂シートの厚みが0.05〜5mm、
    ガラスクロスの厚みが0.2〜2mmである請求項1又
    は2に記載の耐薬品性シートの製造方法。
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