JP3423225B2 - 不釣合い測定装置 - Google Patents

不釣合い測定装置

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JP3423225B2 JP29712398A JP29712398A JP3423225B2 JP 3423225 B2 JP3423225 B2 JP 3423225B2 JP 29712398 A JP29712398 A JP 29712398A JP 29712398 A JP29712398 A JP 29712398A JP 3423225 B2 JP3423225 B2 JP 3423225B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、供試体が1回転
する毎に少なくとも1個発生される基準位置信号を必要
としない不釣合い測定装置であって、供試体表面への基
準マーク等の取り付け作業および基準位置信号を検出す
るための検出器が不要な不釣合い測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、供試体表面の基準マークに基
づき発生される基準位置信号を必要としない形式の不釣
合い測定装置が提案されている。たとえば、特開昭63
−182537号公報には、不釣合い検出器の出力に基
本周波数が一定のバンドパスフィルタを作用させて不釣
合い信号を得、その信号を整流することにより不釣合い
量を求める不釣合い測定装置が開示されている。この不
釣合い測定装置では、不釣合い位置が所望の位置になる
ように供試体を停止させるために、パルス発生器により
回転駆動機構の駆動モータの1回転毎に所定数のパルス
信号(角度信号)を発生させる。また、不釣合い信号を
整形し、微分して、供試体の不釣合い位置の回転位相に
同期したパルス信号(回転信号)を発生させる。そし
て、不釣合い測定完了後に回転信号が出力されると、そ
れ以降に発生する角度信号の数を数えて、その角度信号
が予め定める数になったときに駆動モータを停止させる
という構成である。
【0003】別の例として、特開昭59−178329
号公報には、不釣合い検出器の出力に基本周波数が一定
のバンドパスフィルタを作用させて不釣合い信号を得、
その不釣合い信号を成形し、微分することにより、不釣
合い信号と同期した基準位置信号を生成する構成が開示
されている。生成した基準位置信号は、供試体が1回転
する毎に1個発生される基準位置信号と同様に取り扱わ
れ、不釣合い角度位置を計測するという構成になってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した2つの不釣合
い測定装置は、いずれも、不釣合い検出器の出力にバン
ドパスフィルタを作用させて不釣合い信号を得、その不
釣合い信号に関連させて不釣合い量および不釣合い位置
を求めているので、不釣合いの測定精度はバンドパスフ
ィルタの性能に依存していた。
【0005】ところで、従来装置で用いられているバン
ドパスフィルタには、供試体の回転周波数情報を入力で
きないので、供試体の回転周波数と完全に一致する基本
周波数を持つバンドパスフィルタにすることができず、
帯域幅の広いフィルタにしなければならなかった。この
ために、この種の形式の従来装置は、ノイズ信号が不釣
合い信号に混入することがあり、高精度を要求される不
釣合い測定には使用できないという問題点があった。
【0006】また、不釣合い位置が所望の位置になるよ
うに供試体を停止させるために、バンドパスフィルタか
ら出力される不釣合い信号に、さらに整形および微分処
理を行った後のパルス信号を使用しているので、このよ
うな複数の処理の過程で、誤差が累積し、パルス信号を
正確に求められないという問題点があった。さらに、供
試体外周部にベルトを掛け回す等によって、供試体を回
転駆動させる不釣合い測定装置では、供試体の不釣合い
位置が所望の位置になるように停止させるために、回転
駆動機構側にパルス発生器を設けて、その発生信号に基
づいて供試体の停止制御が行われている。ところが、不
釣合い測定後、位置決め停止を行うために供試体を減速
中に、駆動用ベルトと供試体との間でスリップが生じや
すく、このために、供試体の位置決め停止が正確に行わ
れにくいという問題点があった。
【0007】この発明はかかる技術的課題を解決するた
めになされたもので、主たる目的は、供試体表面への基
準マーク等の取り付け作業および基準マークに基づいて
発生される基準位置信号を検出するための検出器等が不
要な不釣合い測定装置であって、不釣合い測定を正確に
行えるように改良された不釣合い測定装置を提供するこ
とである
【0008】この発明の他の目的は、供試体外周部にベ
ルトを掛け回すことにより供試体を回転させる不釣合い
測定装置において、駆動ベルトと供試体との間でスリッ
プが生じても、不釣合い位置を正確に決めることのでき
る不釣合い測定装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
供試体を回転させることにより発生する振動を検出する
振動検出手段、供試体が所定の微細角度回転する毎にパ
ルスを出力するパルス出力手段、供試体の回転速度が不
釣合い測定速度に達したら計測開始信号を出力する開始
信号出力手段、計測開始信号に応答して、振動検出手段
の出力に基づいて不釣合いベクトルを求める手段、計測
開始信号に応答して、パルス出力手段から出力されるパ
ルス数の計数を開始する計数手段、および求められた不
釣合いベクトルを計数手段で計数されたパルス数と関連
づけることによって、供試体における不釣合いベクトル
の角度位置を特定する手段、を含み、前記不釣合いベク
トルを求める手段は、振動検出手段の出力にディジタル
フィルタを作用させ、不釣合い信号の波形データを求め
るためのフィルタ装置を含み、前記ディジタルフィルタ
に対して供試体の測定回転速度と等しい回転速度データ
を与えるための速度データ付与手段を含み、前記フィル
タ装置には、供試体の不釣合い信号の波形データを出力
するための帯域幅の異なる複数個のディジタルフィルタ
が備えられており、いずれかのディジタルフィルタが順
次選択されて不釣合い信号の振幅が最大となるように制
御されることを特徴とする不釣合い測定装置である。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の不
釣合い測定装置において、前記不釣合いベクトルの角度
位置を特定する手段は、不釣合いベクトルが所定の角度
位置になるように供試体を停止させるための停止制御手
段を含むことを特徴とするものである
【0011】
【0012】
【0013】
【発明の実施の形態】以下には、図面を参照して、この
発明の実施形態について具体的に説明をする。図1は、
この発明の一実施形態にかかる不釣合い測定装置の概略
構成を示すブロック図である。
【0014】不釣合い測定がされる供試体1は、図示し
ない振動架台上に回転可能に置かれており、図示しない
駆動装置によって、不釣合い測定のために回転される。
供試体1の回転に連動して動作する回転パルス出力装置
4が備えられている。回転パルス出力装置4は、たとえ
ば供試体1の回転に連動するロータリエンコーダを含
む。ロータリエンコーダは、1回転当たりにたとえば1
024個のパルスを発生する。供試体1の1回転につき
ロータリエンコーダが1回転する必要はなく、ロータリ
エンコーダは供試体1の回転に連動して回転すればよ
い。回転パルス出力装置4の出力、上述の例ではロータ
リエンコーダの発生するパルスは、計数装置9に与えら
れる。
【0015】図示しない駆動装置によって、不釣合い測
定のために供試体1の回転が開始され、供試体1の回転
速度が所定の測定速度に達すると、測定開始信号発生装
置5から測定開始信号が発生される。測定開始信号発生
装置5は、たとえば供試体1の回転開始後の時間を計測
し、供試体1の回転速度が所定の測定速度に達するのに
必要十分な時間が経過したときに、測定開始信号を発生
する。あるいは、測定開始信号発生装置5は、図示しな
い駆動装置の駆動速度に基づいて供試体1の回転速度を
演算し、供試体1の回転速度が所定の測定速度に達した
ときに、測定開始信号を発生してもよい。この測定開始
信号は、フィルタ装置6に与えられる。
【0016】さらに、測定開始信号発生装置5は、測定
開始信号の出力と同時に、計数開始指令を計数装置9へ
与える。計数装置9では、計数開始指令が与えられたこ
とに応答して、内蔵する計数用のカウンタを「0」にリ
セットして、回転パルス出力装置4から与えられる回転
パルスの計数を開始する。なお、特許請求の範囲では、
測定開始信号および計数開始指令を総称して、計測開始
信号と定義している。
【0017】一方、供試体1が置かれた図示しない振動
架台には、振動検出器2が備えられている。供試体1の
回転により発生する不釣合い振動は、振動検出器2で検
出される。振動検出器2は検出信号を電気信号に変換
し、フィルタ装置6へ与える。フィルタ装置6には、回
転速度初期設定部3が備えられている。回転速度初期設
定部3は、後述するディジタルフィルタに与える初期回
転速度データを設定するためのものである。不釣合い測
定では、前述したように、図示しない駆動装置により、
供試体1は所定の測定速度で回転される。この場合、供
試体1の測定速度が一定速度で安定するということが重
要であり、測定速度を予め決められた速度(たとえば8
00r.p.m.)に厳密に制御することが重要ではな
い。たとえば供試体1の外周部にベルトを掛け回すこと
により供試体を回転させる形式のものでは、供試体1の
回転速度は、供試体1の直径と駆動装置の出力側プーリ
の直径との比率により決定されるが、駆動装置の回転速
度をボリューム等で調整して安定させるだけであって、
厳密に供試体1の回転速度を調整するような方法は採ら
れていない。
【0018】このため、供試体1は、不釣合い測定時
に、予め定められた測定速度付近で一定速度で回転する
ことになる。回転速度初期設定部3には、予めわかって
いる供試体1の測定回転速度または測定回転速度のたと
えば±20%の範囲の速度が設定される。フィルタ装置
6には、アンチエイリアスフィルタ、信号増幅器、アナ
ログ/ディジタル変換器、CPU、ROM、RAMおよ
び入出力インターフェース等が含まれている。ここで、
アンチエイリアスフィルタとは、サンプリングの定理を
満足するように元の信号のスペクトルの帯域を制限する
ディジタルフィルタである。アンチエイリアスフィルタ
には、ウエーブレット理論を利用した帯域幅が異なる複
数のディジタルフィルタが含まれている。フィルタ装置
6では、適切な帯域幅のディジタルフィルタを選択し、
該ディジタルフィルタに回転速度初期設定部3に設定さ
れた回転速度データを与えて、サンプリング周波数を決
定する。そして振動検出器2からの振動データのサンプ
リングを開始し、選択したディジタルフィルタを作用さ
せて、不釣合い信号の波形データを出力する。
【0019】フィルタ装置6に含まれるウエーブレット
理論を利用したディジタルフィルタの構築方法、および
不釣合い信号の波形データの演算方法、ならびに波形デ
ータ記憶装置7および不釣合い演算装置8に関しては、
本願出願人の先願にかかる特願平10−112503号
に詳しく記述されている。さて、ウエーブレット理論を
利用したディジタルフィルタの周波数−振幅特性は、一
般に、図2(A)(B)に示すようになる。
【0020】供試体1の実際の回転速度と、回転速度初
期設定部3からディジタルフィルタに与えられる回転速
度データとが異なる場合には、たとえば図2(A)のよ
うな特性を示す。図2(A)に示すように、不釣合い信
号の波形データの振幅は、実際の不釣合い信号の振幅よ
りも小さくなってしまう。図2において、Fref は、デ
ィジタルフィルタに与えられた回転速度データにより決
定されるフィルタの基本周波数であり、Frealは、供試
体1の回転速度に対応する周波数である。Fre f とF
realとがずれていると、上述のように不釣合い信号の波
形データの振幅が実際の不釣合い信号の振幅より小さく
なってしまうので、Fref を補正する。補正は、ディジ
タルフィルタに与えられる回転速度データを変化させる
ことにより行われる。回転速度データを変化させると、
ディジタルフィルタの基本周波数F ref が変化する。F
ref をFrealに接近させていくと、ディジタルフィルタ
の出力である不釣合い信号の振幅は大きくなり、図2
(B)に示すように、Fref =Frealになったとき、不
釣合い信号の振幅が最大になる。
【0021】さらに、ディジタルフィルタの帯域幅をF
ref がFrealに接近するにつれて狭めていくと、ディジ
タルフィルタに与えられた回転速度データと、供試体1
の実際の回転速度とがわずかに異なっても、大きな振幅
の変化が検出できる。これを利用して、供試体1の実際
の回転速度を極めて正確に求めることができる。つま
り、最初は帯域幅が比較的広いディジタルフィルタを使
用し、その後は帯域幅が狭いディジタルフィルタに(順
次)切換えることにより、非常に正確な回転速度データ
(供試体1の実際の回転速度に等しい回転速度データ)
を求めることができる。その結果得られる不釣合い信号
の波形データは、ノイズの混入していない非常に正確な
不釣合い信号の波形データとなる。
【0022】ディジタルフィルタの出力である波形デー
タの振幅が最大の状態になったか否かの判別は、波形デ
ータの最大値および最小値の近傍の複数の波形データ
に、ラグランジュの補間多項式等を作用させて、不釣合
い信号の振幅を求め、その振幅の変化から判断すること
ができる。あるいは、振幅を直接求めなくても、振幅と
相関関係がある基準値を波形データから求めて、その基
準値の変化から判断してもよい。いずれにしても、予め
定められた初期設定回転速度データと、回転速度補正範
囲の条件のもとにディジタルフィルタに与える回転速度
データを補正し、不釣合い信号の振幅が最大となるよう
にできるならば、いかなる判断基準を用いてもよいし、
回転速度データに関していかなる反復演算法を用いても
よい。
【0023】不釣合い信号の振幅が最大となっていない
場合には、フィルタ装置6は、回転速度データを変化さ
せ(適切な補正を行い)、別の帯域幅を持つディジタル
フィルタを選択した後に、測定開始信号発生装置5に再
測定指令を与える。再測定指令を与えられた測定開始信
号発生装置5は、測定開始信号をフィルタ装置6に返し
て、フィルタ装置6に再測定を実行させるとともに、計
数装置9に測定開始信号と同期した計数開始指令を与え
る。
【0024】不釣合い信号の振幅が最大となった場合に
は、フィルタ装置6は、最終状態の不釣合い信号の波形
データを波形データ記憶装置7に出力する。不釣合い演
算装置8では、波形データ記憶装置7に記憶された波形
データに基づいて、不釣合いベクトルの演算が行われ
る。さらに回転パルス数設定装置11が備えられてい
る。回転パルス数設定装置11には、供試体1が1回転
するときに回転パルス出力装置4から出力される回転パ
ルス数(P0)が設定されている。たとえば供試体1が
1回転することにより、回転パルス出力装置4に含まれ
るロータリエンコーダが2.3回転するのであれば、回
転パルス数(P0)は、1024×2.3=2355.
2となる。このように回転パルス数設定装置11に設定
されている設定値は、供試体1の正確な停止角度位置を
算出するために、小数点以下の数値が含まれていてもよ
い。回転信号数設定装置11に設定された値は、回転角
度位置演算装置10へ与えられる。
【0025】回転角度位置演算装置10は、回転パルス
数設定装置11の設定値である回転パルス数(P0)と
計数装置9で計数された値(P1)とに基づいて、供試
体1の現在角度位置(P2)を、 P2=(360/P0)*(P1−P0*INT(P1/P0)) …(1) により演算する。
【0026】ここにP2の単位は度である。また、上記
式(1)において、INTは( )内の式の演算結果に
おいて、小数点以下を切り捨てた整数値を出力する関数
を意味する。また、*は乗算の記号である。回転角度位
置演算装置10の出力および不釣合い演算装置8の出力
は、位置決め補助装置12へ与えられる。位置決め補助
装置12は、回転角度位置演算装置10からの供試体1
の現在角度位置(P2)と、不釣合い演算装置8からの
供試体1の不釣合いベクトルとに基づき、供試体1の不
釣合いベクトルを所定の角度位置に停止させるために必
要な、供試体1の回転角度および回転方向を演算し、そ
の結果を出力する。
【0027】出力結果は、不釣合い測定結果とともに図
外の表示装置等に表示される。これにより、作業者は、
手動で供試体1の不釣合い位置を所定の位置に停止させ
て、供試体1の不釣合い修正を行うことができる。この
場合において、回転パルス出力装置4から回転パルスの
ほかに回転方向を判別できるような信号を計数装置9に
入力するようにすれば、次のような利点がある。なお、
回転方向を判別できるような信号は、回転パルス出力装
置4にロータリエンコーダが含まれている場合、ロータ
リエンコーダからは、通常、A相およびB相のパルスが
出力されるから、そのパルスの入力方向等により、回転
方向を判別できる。
【0028】計数装置9が回転方向を判別できれば、供
試体1が測定時の回転方向に回転した場合は、カウンタ
の計数値を増加させ、それと逆方向に供試体1が回転し
た場合は、カウンタの計数値を減少させるようにする。
こうすると、不釣合い修正時に、作業者が手動で供試体
1の不釣合い位置を所定の位置に停止させる際に、供試
体1をいずれの方向へ回転させればよいかを、計数装置
9のカウンタ計数値に基づいて正しく確認できる。
【0029】位置決め補助装置12からの出力を、図示
しない供試体1の回転位置決め制御装置等に出力する構
成にすれば、供試体1を、その不釣合いベクトルが所望
の位置になるように自動停止させることも可能である。
図3、図4および図5は、回転パルス出力装置4の具体
的な構成例を示す概略図である。
【0030】まず、図3を参照して説明する。図3にお
いて、振動架台13上に供試体1が乗せられている。供
試体1には駆動ベルト15が掛け渡されており、駆動ベ
ルト15には駆動モータ14がつながれている。よっ
て、駆動モータ14により駆動ベルト15が移動され
て、供試体1が回転される。供試体1の回転により振動
が発生すると、その振動は振動検出器2で検出される。
以上は不釣合い測定装置の基本構成である。
【0031】図3では、回転パルス出力装置として、次
の構成要素が備えられている。すなわち、供試体1の外
周部に接触する摩擦係数の大きなベルト4e、供試体1
とともにベルト4eを経由して回転する回転慣性モーメ
ントの小さなプーリ4b,4b、および、プーリ4bの
回転に連動して回転パルスを発生する回転慣性モーメン
トの小さな回転パルス発生器(たとえばロータリエンコ
ーダ)4aである。回転パルス出力装置4は、供試体1
を駆動するための駆動モータ14および駆動ベルト15
を含む回転駆動機構とは別に、言い換えれば回転駆動機
構と連動しないように配置されている。
【0032】図4は、回転パルス出力装置4の他の構成
例である。図4に示すように、回転慣性モーメントの小
さなプーリ4b,4c,4dを3個使用し、ベルト4e
を供試体1に対して略U字状に接触させてもよい。他の
構成は図3の構成と同様である。なお、図4において
は、振動架台や回転駆動機構は省略されている。回転パ
ルス出力装置4は、図5に示すように、ローラ4fおよ
び回転パルス発生器4aを備えた構成としてもよい。ロ
ーラ4fは、供試体1の外周部に接触し、供試体1とと
もに回転するローラであり、接触部の摩擦係数が大きい
ローラとなっている。回転パルス発生器4aは、回転慣
性モーメントが小さく、ローラ4fの回転に連動して回
転するものである。
【0033】不釣合い測定装置としてのその他の構成は
図3に示す構成と同様であり、同一部分には同一の番号
を付して、ここでの説明は省略する。なお、図5におい
ても、ローラ4fは、駆動ベルト15とは無関係に、供
試体1の周面に接触して回転するように配置されてい
る。以上説明したこの発明の実施形態の構成要素に対し
て、以下の(a)〜(e)のいずれかの機能を選択的に
追加してもよい。
【0034】(a)振動検出器2およびフィルタ装置6
は、供試体1の回転軸方向の形状に応じて、それぞれ、
複数個設けることができる。この場合、測定開始信号発
生装置5からの測定開始信号と、回転速度初期設定部3
からの回転速度データとを、それぞれのフィルタ装置6
に入力し、それぞれのフィルタ装置6の出力を波形デー
タ記憶装置7に転送する。それにより、不釣合い演算装
置8では、複数個のフィルタ装置6の出力に基づき、複
数個の測定面における不釣合いベクトルを演算すること
ができる。
【0035】また、この場合は、複数個の測定面におけ
る不釣合いベクトルを位置決め補助装置12に入力し、
一方、回転角度位置演算装置10から与えられる供試体
1の現在角度位置(P2)に基づき、供試体1のそれぞ
れの修正面における不釣合い位置を所望の角度位置で停
止させるために必要な供試体1の回転角度および回転方
向を演算させ、その結果を出力するようにしてもよい。
【0036】(b)フィルタ装置6の信号増幅器の増幅
倍率は、不釣合い信号の波形データの振幅の大きさに応
じて、適切な値に変更すればよい。 (c)フィルタ装置6のアンチエイリアスフィルタの遮
断周波数として、複数個の遮断周波数を設け、回転速度
初期設定部3で設定される回転速度データに応じて適切
な遮断周波数を選択できるようにしてもよい。
【0037】(d)フィルタ装置6には、アンチエイリ
アスフィルタの他に積分回路を用いたフィルタが併用さ
れていてもよい。 (e)回転パルス数設定装置11が、供試体1の1回転
当たりに回転パルス出力装置4から出力される回転パル
ス数設定値を測定開始信号発生装置5に与え、回転速度
初期設定部3で設定された回転速度データを測定開始信
号発生装置5へ与えるようにする。さらに、回転パルス
出力装置4の回転パルスを測定開始信号発生装置5に入
力し、測定開始信号発生装置5が、回転パルスの入力か
ら供試体1の回転速度を演算し、演算された回転速度が
回転速度初期設定部3に設定されている回転速度データ
の近くにあり、かつ、回転速度が一定になったことを判
別して、測定開始信号を出力するようにしてもよい。
【0038】以上の変形の他に、フィルタ装置6および
不釣合い演算装置8を、次のように変更することも可能
である。すなわち、フィルタ装置6に、供試体1の正確
な回転速度を決定するためのウエーブレット理論を用い
たディジタルフィルタの他に、従来の計測装置に使用さ
れていた同期整流法や乗算法等に基づくフィルタを追加
する。そして、振動検出器3からの出力を従来法による
フィルタに導き、前記ディジタルフィルタにより決定さ
れた回転速度に基づいて、従来法によるフィルタで処理
を行い、従来法によるフィルタから出力された波形デー
タを直接不釣合い演算装置8に導くようにする。不釣合
い演算装置8には、従来法によるフィルタから出力され
る波形データに基づいて不釣合いベクトルを求める演算
処理を行わせる。
【0039】さらなる変形として、この発明で使用する
フィルタ装置6が含まれるディジタルフィルタは、供試
体1の不釣合い信号を検出できるものであれば、ウエー
ブレット理論を利用したディジタルフィルタ以外のいか
なるディジタルフィルタを使用してもよい。その他、こ
の発明は、請求項記載の範囲内において種々の変更が可
能である。
【0040】
【発明の効果】この発明によれば、供試体表面への基準
マーク等の取り付け作業および基準位置信号を検出する
ための検出器等が不要であるにもかかわらず、供試体の
回転速度を正確に測定し、その結果として不釣合い測定
を正確に行える、誤差累積のない簡単な構成の不釣合い
測定装置を提供することができる。
【0041】特に、供試体がユニバーサルジョイント等
で回転駆動機構と連結されており、回転駆動機構に回転
信号出力装置が取り付けられている場合には、供試体の
回転信号は滑り等の誤差なしに正確に検出できるので、
非常に正確に不釣合い位置の停止制御を行うことができ
る。さらに、供試体が駆動ベルトで駆動されるもので、
減速時に、駆動ベルトと供試体との間でスリップが生じ
ても、不釣合い位置を正確に決めることのできる装置を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる不釣合い測定装
置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】ウエーブレット理論を利用したディジタルフィ
ルタの周波数−振幅特性の一例を示す図である。
【図3】回転パルス出力装置の具体的な構成例を示す概
略図である。
【図4】回転パルス出力装置の具体的な他の構成例を示
す概略図である。
【図5】回転パルス出力装置の具体的なさらに他の構成
例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 供試体 2 振動検出器 3 回転速度初期設定部 4 回転パルス出力装置 4a 回転パルス発生器(ロータリエンコーダ) 5 測定開始信号発生装置 6 フィルタ装置 7 波形データ記憶装置 8 不釣合い演算装置 9 計数装置 10 回転角度位置演算装置 11 回転パルス数設定装置 12 位置決め補助装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】供試体を回転させることにより発生する振
    動を検出する振動検出手段、 供試体が所定の微細角度回転する毎にパルスを出力する
    パルス出力手段、 供試体の回転速度が不釣合い測定速度に達したら計測開
    始信号を出力する開始信号出力手段、 計測開始信号に応答して、振動検出手段の出力に基づい
    て不釣合いベクトルを求める手段、 計測開始信号に応答して、パルス出力手段から出力され
    るパルス数の計数を開始する計数手段、および求められ
    た不釣合いベクトルを計数手段で計数されたパルス数と
    関連づけることによって、供試体における不釣合いベク
    トルの角度位置を特定する手段、 を含み、 前記不釣合いベクトルを求める手段は、振動検出手段の
    出力にディジタルフィルタを作用させ、不釣合い信号の
    波形データを求めるためのフィルタ装置を含み、 前記ディジタルフィルタに対して供試体の測定回転速度
    と等しい回転速度データを与えるための速度データ付与
    手段を含み、 前記フィルタ装置には、供試体の不釣合い信号の波形デ
    ータを出力するための帯域幅の異なる複数個のディジタ
    ルフィルタが備えられており、いずれかのディジタルフ
    ィルタが順次選択されて不釣合い信号の振幅が最大とな
    るように制御される ことを特徴とする不釣合い測定装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の不釣合い測定装置におい
    て、 前記不釣合いベクトルの角度位置を特定する手段は、不
    釣合いベクトルが所定の角度位置になるように供試体を
    停止させるための停止制御手段を含むことを特徴とする
    不釣合い測定装置。
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