JP3422356B2 - 交流電動機の惰性回転情報検出方法及び装置及び電動機駆動方法 - Google Patents

交流電動機の惰性回転情報検出方法及び装置及び電動機駆動方法

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JP3422356B2
JP3422356B2 JP04902898A JP4902898A JP3422356B2 JP 3422356 B2 JP3422356 B2 JP 3422356B2 JP 04902898 A JP04902898 A JP 04902898A JP 4902898 A JP4902898 A JP 4902898A JP 3422356 B2 JP3422356 B2 JP 3422356B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多相インバータ
(DC−AC電力変換器)によって多相交流電動機を駆
動する方式において、交流電動機の非駆動時即ちフリー
ランニング時の回転情報の検出方法及び装置及び交流電
動機の駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】電動機
のフリーランニング状態の回転速度及び回転方向を検出
することは電動機の再起動の条件を設定する上で意味を
有する。フリーランニング状態の回転速度及び方向は回
転検出器によって検出可能であるが、回転検出器を設け
ると装置が大型になるばかりでなく、コスト高になる。
【0003】インバータで駆動される誘導電動機の惰性
回転速度を回転検出器を使用しないで検出する方法を本
件出願人は、特願平7−155218号(特開平8−3
31894号公報)で提案した。しかし、ここでは回転
方向の検出方法が提案されていない。誘導電動機を正方
向のみに回転させる場合には回転方向の検出が要求され
ないが、正方向と逆方向との両方に回転させる場合に
は、フリーランニング(惰性回転)中の回転方向の情報
が要求される。そこで、本願の第1の目的は惰性回転中
の回転方向を容易に検出することができる方法及び装置
を提供することにある。
【0004】インバータで誘導電動機を駆動する際に、
正方向回転駆動状態から逆方向回転駆動状態に単純に切
換えると回転速度及び方向の切換を短時間に円滑に行う
ことができないのみでなく、過電流保護回路が作動して
停止状態になることがある。そこで、本願の第2の目的
は回転方向の切換を円滑に行うことのできる方法を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、上記
第1の目的を達成するための本発明は、 一対の直流電
源端子間に第1及び第2のスイッチの直列回路が複数個
接続された構成の多相インバータによる多相交流電動機
の駆動を停止している期間における前記交流電動機の惰
性回転情報を検出する方法であって、前記多相インバー
タの前記複数の直列回路の前記第1及び第2のスイッチ
のいずれか一方を同時にオンに制御し、この時の前記交
流電動機の少なくとも第1及び第2の相の入力電流を検
出し、前記第1及び第2の相の入力電流の正ピークから
負ピークまでの期間を第1の電圧レベルとし、負ピーク
から正ピークまでの期間を第2の電圧レベルとした2値
信号をそれぞれ形成し、前記第1及び第2の相の入力電
流の2値信号の比較に基づいて前記第1の相の入力電流
に対して前記第2の相の入力電流が、進み位置か又は遅
れ位置かを判定し、進み位相の時には第1の回転方向の
情報を出力し、遅れ位相の時には第1の回転方向と反対
の第2の回転方向の情報を出力して前記交流電動機の惰
性回転の方向を示す情報を得ることを特徴とする交流電
動機の惰性回転情報検出方法に係わるものである。
お、請求項1の方法を実行するために請求項に示すよ
うに交流電動機の惰性回転情報検出装置を構成すること
が望ましい。また、第2の目的を達成するための発明
は、一対の直流電源端子間に第1及び第2のスイッチの
直列回路が複数個接続された構成の多相インバータによ
って多相交流電動機を駆動する方法であって、前記交流
電動機を第1の回転方向に駆動した後の駆動停止期間中
に第1の回転方向と逆の第2の回転方向の駆動指令が発
生した時に、前記多相インバータの前記複数の直列回路
の前記第1及び第2のスイッチのいずれか一方を同時に
オンに制御し、前記交流電動機の惰性回転における回転
速度を検出するために前記交流電動機の入力電流を検出
し、検出された入力電流の周期又は周波数を計測し、こ
の周期又は周波数を前記交流電動機の惰性回転の回転速
度として検出し、且つ前記交流電動機の惰性回転におけ
る回転方向を検出するために前記交流電動機の少なくと
も第1及び第2の相の入力電流を検出し、前記第1及び
第2の相の入力電流の正ピークから負ピークまでの期間
を第 1の電圧レベルとし、負ピークから正ピークまでの
期間を第2の電圧レベルとした2値信号をそれぞれ形成
し、前記第1及び第2の相の入力電流の2値信号の比較
に基づいて前記第1の相の入力電流に対して前記第2の
相の入力電流が、進み位置か又は遅れ位置かを判定し、
進み位相の時には第1の回転方向の情報を出力し、遅れ
位相の時には第1の回転方向と反対の第2の回転方向の
情報を出力する第1のステップと、前記第1のステップ
の後に、前記第1のステップで検出された回転速度と実
質的に同一の回転速度を得ることができる前記インバー
タの出力周波数に相当する第1の周波数指令値(f1 )
を用意し、この第1の周波数指令値(f1 )に対応する
出力周波数が得られるように前記インバータを駆動し、
且つ前記インバータの出力周波数fと出力電圧Vとの比
V/fが一定となるように前記インバータの出力周波数
と出力電圧とを制御して前記電動機を駆動するための出
力周波数と出力電圧との関係を示す特性図における前記
第1の周波数指令値(f1 )に対応する第1の出力電圧
値(V1 )を得ることができるように前記インバータの
出力電圧を零から前記第1の出力電圧値(V1 )に向か
って徐々に上げる第2のステップと、 前記インバータ
の出力周波数が前記第1の周波数指令値(f1 )に対応
する値であると共に前記インバータの出力電圧が前記第
1の出力電圧値(V1 )になった後に、前記インバータ
の出力周波数指令値を前記第1の周波数指令値(f1 )
から零に向かって徐々に下げ、且つ前記V/f一定の制
御に従って前記インバータの出力電圧指令値も前記第1
の出力電圧指令値から零に向かって徐々に下げる第3の
ステップと、前記第3のステップの後に前記交流電動機
を前記第2の回転方向に回転させる方向性を有して前記
インバータの出力周波数指令値を目標出力周波数指令値
に向かって徐々に変化させ且つインバータの出力電圧指
令値を前記V/f一定の制御に従って変化させる第4の
ステップとを備えていることを特徴とするインバータに
よる交流電動機の駆動方法に係わるものである。
【0006】
【発明の効果】請求項1、の発明によれば、インバー
タのスイッチの制御と交流電動機の入力電流とに基づい
て惰性回転の方向を検出するので、この検出を容易且つ
低コストに行うことができる。また、転方向を示す情
報を正確且つ容易に得ることができる。また、請求項
の発明によれば、第1の回転方向の期間中にV/f一定
の状態を作り、V/f一定の制御で回転速度を零にし、
その後、第2の回転方向の駆動をV/f一定の制御で行
うので、回転方向の切換を円滑且つ短時間に行うことが
できる。
【0007】
【実施形態及び実施例】次に、図1〜図9を参照して本
発明の実施形態及び実施例に係わる誘導電動機の惰性回
転検出方法及び駆動方法及び装置を説明する。図1に示
すように誘導電動機の制御及び駆動装置は、3相交流電
源端子1に接続された3相整流平滑回路2と、この一対
の直流出力端子2a、2b間に接続された3相インバー
タ回路3と、インバータ回路3に接続された交流電動機
としての3相誘導電動機4と、インバータ制御回路5
と、第1及び第2の電流検出器6、7と、周波数検出回
路8と、インバータ運転指令器9とから成る。
【0008】インバータ回路3は周知の3相ブリッジ型
インバータ回路であって、6個のIGBT即ち絶縁ゲー
ト・バイポーラ・トランジスタから成る第1〜第6のス
イッチQ1 〜Q6 を3相ブリッジ接続し、各スイッチQ
1 〜Q6 に逆並列に帰還用ダイオードD1 〜D6 を接続
したものである。即ち、第1及び第2のスイッチQ1、
Q2 の直列回路から成る第1相アームと、第3及び第4
のスイッチQ3 、Q4の直列回路から成る第2相アーム
と、第5及び第6のスイッチQ5 、Q6 の直列回路から
成る第3相アームを直流電源端子としての整流平滑回路
2の出力端子2a、2bにそれぞれ接続し、各相アーム
の中点から出力ライン3a、3b、3cを導出したもの
である。
【0009】誘導電動機4は、1次巻線4a、4b、4
cから成る固定子の他に回転子(図示せず)を有し、こ
の回転子にファン等の負荷が結合されているものであ
る。なお、この実施例では1次巻線4a、4b、4cが
Y結線され、インバータ回路3の出力ライン3a、3
b、3cに接続されている。
【0010】制御回路5は、インバータ回路3のスイッ
チQ1 〜Q6 を3相PWM制御すると共に定常状態にお
いては電動機4をV/f=所定(但しVはインバータ出
力電圧、fはインバータ出力周波数)の条件に従って所
定回転速度に制御し、フリーランニング(惰性回転)期
間にはインバータ回路3の下側の3個のスイッチQ2、
Q4 、Q6 を同時にオンに制御し、フリーランニング期
間の回転情報を検出し、これに従う起動制御を実行する
ように構成されている。
【0011】第1及び第2の電流検出器6、7はインバ
ータ回路3の出力ライン3a、3cに結合され、インバ
ータ出力電流即ち電動機入力電流を検出する。この電流
検出器6、7の出力ライン6a、7aはインバータ制御
回路5及び周波数検出回路8に接続され、フリーランニ
ング時の回転方向及び回転速度検出に利用されている。
なお、電流検出器6、7の出力は過電流時にインバ−タ
回路3のスイッチQ1〜Q6 の全部をオフにするための
過電流保護回路(図示せず)にも使用されている。
【0012】周波数検出回路8はフリーランニング時に
電流検出器6、7から得られた電流の周波数を検出して
電動機4の回転速度情報を得るものであり、回転速度検
出回路とも呼ぶことができるものである。即ち、周波数
検出回路8は、第1及び第2の電流検出波形を方形波パ
ルスに整形し、これをそれぞれのカウンタに入力させ、
単位時間当りの計数出力によって周波数を検出するよう
に構成されている。ここで計測した周波数は電動機4の
回転速度を示す。即ち、電動機4の回転速度をNx 、極
数をP、電流検出器6、7で検出した電流の周波数をf
mとすると、Nx =120fm/Pの関係式が成立す
る。従って、検出周波数fmに定数を掛けると回転数即
ち回転速度Nx となる。なお、電流検出波形の周期T秒
を検出し、1/Tによって周波数を求める構成とするこ
とができる。周波数検出回路8では2つの相の入力電流
に基づいて周波数をそれぞれ検出し、これ等の平均値を
出力ライン8aでインバータ制御回路5に送る。勿論1
相の入力電流のみで周波数を検出してもよい。
【0013】運転指令器9は電動機4の所望回転速度
(目標回転速度)即ちインバータの所望周波数指令、正
転指令、逆転指令をライン9a、9b、9cによって制
御回路5に与えるものである。
【0014】図2は図1のインバータ制御回路5を詳し
く示すものである。このインバータ制御回路5はスイッ
チQ1 、Q2 、Q3 、Q4 、Q5 、Q6 の制御電極を制
御するための周知のPWM制御回路11の他に、周波数
指令値発生及び起動制御器12、フリーランニング検出
回路13、フリーランニング制御回路14及び回転方向
検出回路15を有する。回転方向検出回路15は第1及
び第2のピーク検出器16、17と位相比較器18から
成る。なお、制御回路5の多くの部分はマイクロコンピ
ュータで構成されているが、図2では理解を容易にする
ために機能別にブロックで示されている。
【0015】図3は図2のPWM制御回路11の詳細を
示すものである。このインバータ制御回路11は例えば
特開昭57−40369号公報で周知のV/f=一定の
制御を行うと共にPWM制御を行うものであって、出力
電圧指令値発生器21と、電圧切換スイッチ22と、三
相正弦波発生器23と、三角波キャリア発生器24と、
3つの比較器25、26、27と、ゲートドライブ回路
28とから成る。図2の周波数指令値発生及び起動制御
器12から導出されている出力周波数指令ライン12a
はインバータの周波数指令値Fn を電圧指令値発生器2
1及び三相正弦波発生器23に与える。電圧指令値発生
器21は、ライン12aの周波数指令値Fn に応答して
Vn /Fn =一定の条件に従う出力電圧指令値Vn を特
性線29で示すように発生する。三相正弦波発生器23
はライン12aの周波数指令値Fn で指定された周波数
の三相正弦波電圧Vsu、Vsv、Vswを図5(A)に示す
ように発生する。この電圧Vsu、Vsv、Vswの振幅は電
圧指令値発生器21の電圧Vn 又はライン12cの電圧
Vs に比例するように制御される。三角波キャリア発生
器24は図5(A)に示すように正弦波電圧Vsu、Vs
v、Vswの周波数(例えば0〜60Hz)よりも十分に高
い周波数(例えば20kHz )の三角波電圧Vtを発生す
る。比較器25、26、27は正弦波電圧Vsu、Vsv、
Vswと三角波電圧Vt とを比較して図5(B)(C)
(D)のPWMパルス(パルス幅変調パルス)を出力す
る。ゲートドライブ回路28は比較器25、26、27
から得られた図5(B)(C)(D)のPWM信号を第
1、第3及び第5のスイッチQ1 、Q3 、Q5 のゲート
(制御電極)に与えると共に、図5(B)(C)(D)
と逆相のPWM信号を第2、第4及び第6のスイッチQ
2 、Q4 、Q6 に与える。
【0016】電圧切換スイッチ22は接点a、bを有
し、図2の周波数指令値発生及び起動制御器12の出力
ライン12bの信号によって制御され、ライン12cに
図9(D)のt2 〜t3 期間に得られる傾斜電圧、図1
0(D)のt2 〜t3 期間に得られる傾斜電圧をt2 〜
t3 期間のみ接点bを介して正弦波発生器23に送り、
この他の期間には電圧指令値発生器21の出力を接点a
を介して正弦波発生器23に送るものである。この実施
例では三相正弦波発生器23がメモリとD/A変換器で
構成されている。このメモリには多数の電圧レベルの正
弦波データが格納されており、正常動作時における電圧
指令値発生器21の電圧指令値Vn 、起動時における傾
斜電圧指令値Vs に相当する正弦波データがライン9b
の周波数指令値Fn に対応するクロックで読み出され、
これがD/A変換され、図5(A)の電圧Vsu、Vsv、
Vswとなる。また、正弦波発生器23には正転指令信号
ライン9bと逆転指令信号ライン9cと回転方向情報ラ
イン12eとが接続されており、正転時にはVsu、Vs
v、Vswの順で120度間隔で正弦波を発生し、逆転時
にはVsw、Vsv、Vsuの順で120度間隔で正弦波を発
生する。なお、この実施例では、図5に示すように各相
のスイッチQ1 〜Q6 に常にPWMパルスを与えるよう
にゲートドライブ回路28が構成されているが、この代
りに、ゲートドライブ回路28を、U相電圧Vsuを基準
にして、第1のスイッチQ1 を0〜180度区間でPW
Mパルスで制御し、180〜360度区間でオフに保
ち、第2のスイッチQ2 を0〜180度区間でオフに保
ち、180〜360度区間でPWM制御し、第3のスイ
ッチQ3 を0〜120度区間及び300〜360度区間
でオフに保ち、120〜300度区間でPWM制御し、
第4のスイッチQ4 を0〜120度区間及び300〜3
60度区間でPWM制御し、120〜300度区間でオ
フに保ち、第5のスイッチQ5 を0〜60度区間及び2
40〜360度区間でPWM制御し、60〜240度区
間でオフに保ち、第6のスイッチQ6 を0〜60度区間
及び240〜360度区間でオフに保ち、60〜240
度区間でPWM制御することができる。また、第1〜第
6のスイッチQ1 〜Q6のPWM制御の時間幅をそれぞ
れ120度幅とすることもできる。また、三相正弦波発
生器23は上述の実施例に限定されるものでなく、例え
ば固定振幅の正弦波発生器とこの出力段の乗算器とで構
成することができる。この場合には、周波数指令に従う
固定振幅の正弦波に電圧指令値を乗算して振幅制御され
た正弦波を作る。
【0017】図2の周波数指令値発生及び起動制御器1
2は、ライン9aによって与えられた目標周波数f0 を
示す指令値を定常状態においてライン12aに出力する
他に、図9(C)のt2 〜t4 期間の起動時(過渡時)
の周波数指令値fs 、fa 及び図10(C)のt2 〜t
5 期間の周波数指令値f1 、f2 、f3 をライン12a
に出力し、また図3のスイッチ22の制御信号をライン
12bに出力し、また、傾斜電圧Vs をライン12cに
出力し、また、フリーランニング制御信号をライン12
dに出力し、また、回転方向切換信号をライン12eに
出力するものである。すなわち、この周波数指令値発生
及び起動制御器12は、図9に示すように正転惰性回転
状態から正転再起動する場合には、周波数検出回路8の
出力ライン8aの検出周波数fmに基づいて図9のt2
〜t3 期間の再起動時のインバータの出力周波数fs を
決定し、これを出力ライン12aに送り、また、図9
(C)のt3 〜t4 期間では加速のための傾斜周波数指
令値fa をライン12aに送出し、図9(C)のt4 以
後にはライン9aの目標周波数指令値f0 をライン12
aに送出し、また、図10に示す正転惰性回転から逆転
再起動する時には、図10(C)のt2 〜t3 期間にラ
イン8aの検出周波数fmに相当する周波数指令値f1
をライン12aに送出し、また、図10(C)のt3 〜
t4 期間には減速用の傾斜周波数指令値f2 をライン1
2aに送出し、図10(C)のt4 〜t5 期間には加速
用の傾斜周波数指令値f3 をライン12aに送出し、図
10のt4 時点にライン12eに回転方向切換信号を出
力するものである。
【0018】図4はマイクロコンピュータで構成されて
いる図2の周波数指令値発生及び起動制御器12をアナ
ログ類推で詳しく示すものである。この周波数指令値発
生及び起動制御器12は図9及び図10の制御を実行す
るために、第1、第2、第3、第4、第5の信号抽出ス
イッチ31、32、33、34、35と、起動周波数発
生器36と、ORゲート37と、タイマ38と、トリガ
回路39と、RSフリップフロップ40と、傾斜電圧発
生器41と、ラッチ回路42と、f/V(周波数・電
圧)変換器43と、正転加速周波数発生器44aと、逆
転加速周波数発生器44bと、減速周波数発生器45
と、第1、第2及び第3の比較器46、47、48とか
ら成る。図4の各部の動作は追って詳しく説明する。
【0019】本実施例において電動機4を円滑に再起動
させるためには、電動機4の非駆動期間中の電動機4の
惰性回転即ちフリーランニングの回転速度(回転数)及
び回転方向の情報が必要になる。本実施例では惰性回転
中にインバータ回路3のスイッチQ1 〜Q6 を零ベクト
ル状態に制御し、この状態のインバータの出力電流即ち
電動機4の入力電流を電流検出器6、7で検出し、この
検出電流Iu 、Iw に基いて回転速度及び回転方向を検
出している。
【0020】まず、惰性回転期間中の電動機4の回転速
度の検出方法を説明する。図2のフリーランニング検出
回路13は、電流検出器6、7の電流が流れなくなった
ことをライン6aの信号に基づいて検出し、フリーラン
ニング期間になったことを示す信号をフリーランニング
制御回路14に与える。
【0021】フリーランニング制御回路14はフリーラ
ンニング検出回路13の出力と図4のタイマ38の出力
ライン12dの信号に基づいて図9及び図10のt1 〜
t2期間にインバータ回路3の下側の3つのスイッチQ2
、Q4 、Q6 を同時にオンにするためのスイッチ制御
信号を発生する。なお、フリーランニング制御回路14
を独立に設ける代りにPWM制御回路11を使用してス
イッチQ2 、Q4 、Q6 を同時にオンするように構成す
ることもできる。
【0022】フリーランニング制御回路14が図9及び
図10のt1 〜t2 期間にンバータ回路3の片側の全ス
イッチQ2 、Q4 、Q6 を同時にオンにすると、図6に
示すような閉回路が形成される。即ち、第1の電流検出
器6が結合されているラインについては、第1相巻線4
a−第2のスイッチQ2 −第4のダイオードD4 −第2
相巻線4bの正方向閉回路、第2相巻線4b−第4のス
イッチQ4 −第2のダイオードD2 −第1相巻線4aの
逆方向閉回路、第1相巻線4a−第2のスイッチQ2 −
第6のダイオードD6 −第3相巻線4cから成る正方向
閉回路、第3相巻線4c−第6のスイッチQ6 −第2の
ダイオードD2 −第1相巻線4aから成る逆方向閉回路
が形成される。第2の電流検出器7が結合されているラ
インにおいても同様な閉回路が形成される。ここでは第
1の電流検出器6の出力について説明する。電動機4が
回転していると、固定子巻線4a〜4cに電圧が発生す
るので、電流検出器6は図9(E)のt1 〜t2 期間に
説明的に示すように周期性を有して変化する電流を検出
する。この電流の周期は電動機4の回転数に対応してい
る。また、この電流はスイッチQ2 、Q4 、Q6 で巻線
4a、4b、4cを短絡した状態で流れるので、比較的
大きなレベルとなる。図1の周波数検出回路8は図9
(E)のt1 〜t2 及び図10のt1 〜t2 期間の電流
の周波数を計測する。周波数検出回路8で検出した周波
数は電動機4の惰性回転速度に対応するので、周波数検
出回路8を回転速度検出回路と呼ぶこともできる。な
お、周波数検出回路8は電動機4の正常駆動状態のイン
バータ出力周波数を検出して回転速度を推定することも
できる。検出周波数fmはライン8aによって図4の周
波数指令値発生及び起動制御器12の中の起動周波数発
生器36及びラッチ回路42に送られ、再起動制御に使
用される。この回転速度検出方法は、回転型の速度セン
サを使用しないので、検出装置の構成が簡単になるとい
う利点を有する。なお、電流検出器6、7はインバータ
回路3及び電動機4の過電流防止回路にも兼用されるの
で、コストの上昇を招かない。また、この回転速度検出
方法においては、インバータ回路3の各相アームの片側
のスイッチQ2 、Q4 、Q6 を同時にオンにし、この状
態を保って電動機4のフリーランニングの電圧に基づく
電流を流し、この電流の周波数を計測するので、スイッ
チQ1 〜Q6 のオン・オフに基づくノイズの影響のない
回転速度検出が可能になる。また、スイッチQ2 、Q4
、Q6 によって巻線4a、4b、4cを短絡して電流
を流すので、フリーランニング中に比較的大きな電流を
流すことができ、交流電力線等の外乱要素の影響の少な
い回転速度検出ができる。
【0023】電動機4のフリーランニング期間の回転方
向を検出するための回転方向検出回路15の第1及び第
2のピーク検出器16、17は、第1及び第2の電流検
出器6、7の出力ライン6a、7aに接続されている。
電動機4が正転(第1の方向)に惰性回転している時に
は、第1及び第2の電流検出器6、7の検出電流Iu、
Iw は図7(A)に示す位相関係で流れ、逆転(第2の
方向)に惰性回転している時には、第1及び第2の電流
検出器6、7の検出電流Iu 、Iw は図8(A)に示す
位相関係で流れる。図2の第1及び第2のピーク検出器
16、17は検出電流Iu 、Iw の最大値(正ピーク)
検出手段と最小値(負ピーク)検出手段とを有し、図7
(A)及び図8(A)に示す正弦波状の検出電流Iu 、
Iw を図7(B)(C)及び図8(B)(C)に示す2
値の第1及び第2のピーク検出信号I1 、I2 に変換す
る。即ち、検出電流Iu 、Iw の正ピークから次の負ピ
ークまでの期間(例えばt1 〜t3 )は低レベル(第1
の電圧レベルを示す値)となり、負ピークから次の正ピ
ークまでの期間(例えばt3 〜t5 )は高レベル(第2
の電圧レベルを示す値)となる信号I1 、I2 を形成す
る。要するに、図7、図8の検出電流Iu 、Iw を方形
波に波形整形したものに相当する信号I1 、I2 を得
る。従って、信号I1 、I2 は検出電流Iu 、Iw を零
クロスコンパレータで方形波に波形整形したものであっ
てもよい。図2の位相比較器18は第1及び第2のピー
ク検出器16、17から得られた図7(B)(C)又は
図8(B)(C)の2値の第1及び第2のピーク検出信
号I1 、I2 の位相を論理的に比較する。位相比較器1
8は電動機4の回転方向を検出するものであるので、第
1及び第2のピーク検出信号I1 、I2 の位相差の量の
情報は不要であり、図7に示すように正転(第1の回転
方向)状態のためにU相の検出電流Iu を基準にしてW
相の検出電流Iw が進んでいるか、又は図8に示すよう
に逆転(第2の回転方向)状態のためにU相の検出電流
Iu を基準にしてW相の検出電流Iw が遅れているかを
判別できればよい。本実施例において、図9及び図10
のt1 〜t2 期間にインバータ回路3のスイッチQ2 、
Q4 、Q6 を同時にオンにして零ベクトル状態とする
と、正転の時には図7に示すようにIu を基準にしてI
w が120度進み、逆転の時には図8に示すようにIu
を基準にしてIw が120度遅れる。そこで、本実施例
では、図7(B)(C)及び図8(B)(C)の第1及
び第2のピーク検出信号I1 、I2 に基づく正転、逆転
の検出を次の第1又は第2の方法で行う。 (1) 第1の方法では、図7に示すように第1のピー
ク検出信号I1 がH(高レベル)からL(低レベル)に
変化した時点(t1 、t5 等)で第2のピーク検出信号
I2 がL(低レベル)であれば、正転を示す信号を位相
比較器18から出力し、図8に示すように第1のピーク
検出信号I1 がHからLに変化した時点(t1 、t5
等)で第2のピーク検出信号I2 がHの時には逆転を示
す信号を比較器18から出力する。 (2) 第2の方法では、図7に示すように第1のピー
ク検出信号I1 がLからHに変化した時点(t3 等)で
第2のピーク検出信号I2 がHの時には正転を示す信号
を位相比較器18から出力し、図8に示すように第1の
ピーク検出信号I1 がLからHに変化した時点(t3
等)で第2のピーク検出信号I2 がLの時には逆転を示
す信号を位相比較器18から出力する。なお、誤検出を
防止するために、第1及び第2のピーク検出信号I1 、
I2 の複数周期において複数回の位相比較を行い、複数
回の全部又は所定回数以上で同一の比較結果が得られた
時に、これを回転方向情報として位相比較器18から出
力させる。勿論、1回の位相比較で高い信頼性を有する
判定ができる場合は1回の位相比較でもよい。上記第1
及び第2の方法の変形として、第2のピーク検出信号I
2 を基準にして第1のピーク検出信号I1 の進み、遅れ
を判定して電動機4の回転方向を検出することができ
る。また、U相検出電流Iu とW相検出電流Iw との位
相差に対応する出力を発生するPLL回路等で使用する
周知の位相比較器を使用して両者の位相関係を判断し、
図7の状態を正転、図8の状態を逆転としてもよい。図
2の位相比較器18から得られた回転方向検出信号はラ
イン18aによって図4に示す周波数指令値発生及び起
動制御器12の中の減速周波数発生器45に送られる。
【0024】
【正転再起動方法】図9のt0 時点で正転駆動が停止さ
れ、電動機4がフリーランニング状態になると、この回
転速度Nは図9(A)に示すように徐々に低下する。フ
リーランニング期間中のt1 時点で図9(B)に示すよ
うに正転指令ライン9bが正転指令を示す高レベルに転
換すると、この正転指令が図4のORゲート37を介し
てタイマ38に入力し、タイマ38は図9のt1 〜t2
期間(Ta )を示すパルスを発生する。タイマ38から
t〜t2 期間を示すパルスが発生すると、これがライン
12dを介して図2のフリーランニング制御回路14に
送られる。フリーランニング制御回路14は、フリーラ
ンニング検出回路13の出力がフリーランニング期間中
であることを示していると同時にライン12dが図9の
t1 〜t2 期間を示していることに応答して図6に示す
ようにスイッチQ2 、Q4 、Q6 を同時にオンに制御す
る。これにより、すでに説明したようにインバータ出力
ライン3a、3b、3cに電流が流れ、図1の周波数検
出回路8で惰性回転速度を示す周波数fmが検出され、
また、図2の回転方向検出回路15で回転方向が検出さ
れる。なお、回転方向検出信号は再起動が完了するまで
ホールド回路(図示せず)で保持されている。
【0025】タイマ38の出力パルスが図9のt2 時点
で高レベルから立下がると、フリーランニング制御回路
14によるスイッチQ2 、Q4 、Q6 のオン制御が終了
し、同時に図4のトリガ回路39からトリガ信号が発生
し、フリップフロップ40がトリガされる。フリップフ
ロップ40は図9のt2 〜t3 期間にセット状態とな
り、t2 〜t3 期間にスイッチ31、32をオンにす
る。また、フリップフロップ40の出力はライン12b
によって図3のスイッチ22の制御端子に送られ、スイ
ッチ22は接点bを介してライン12cの傾斜電圧Vs
を正弦波発生器23に送る。図4の傾斜電圧発生器41
はフリップフロップ40の出力に応答して図9(D)の
t2 〜t3 期間に傾斜電圧Vs を発生する。この傾斜電
圧発生器41の出力はスイッチ31を介してライン12
cに送出される。起動周波数発生器36は、ライン9b
の正転指令とフリップフロップ40の出力に応答し、ラ
イン8aの検出周波数fmに基づいて図9(C)のt2
〜t3 期間に示す最適起動周波数fs を決定し、これを
出力する。なお、最適起動周波数fs をラッチ回路42
と同様に検出周波数fmとすることもできる。この最適
起動周波数fs はスイッチ32を介してライン12aに
送出され、周波数指令値Fn となる。図9のt2〜t3
期間Tb においては、インバータは図9(D)に示す起
動電圧Vs に対応する出力電圧を発生するように駆動さ
れる。このt2 〜t3 期間のインバータ出力周波数は図
9(C)に示すように一定の起動周波数fs に保たれ、
回転速度も図9(A)に示すようにほぼ一定に保たれ
る。
【0026】図9のt3 時点は比較器46によって決定
する。この比較器46の一方の入力端子は傾斜電圧発生
器41に接続され、他方の入力端子はf/V(周波数・
電圧)変換器43に接続されている。f/V変換器43
は、正転再起動時と起動周波数発生器36の出力周波数
fs をこれに比例した電圧に変換し、また逆転再起動時
にラッチ回路42の出力周波数f1 をこれに比例した電
圧に変換する。f/V変換器43の出力電圧と傾斜電圧
Vs とが図9のt3 時点で等しくなると、比較器46の
出力が転換し、これに応答してフリップフロップ40が
リセットされる。フリップフロップ40がリセットされ
ると、スイッチ31、32がオフになり、傾斜電圧Vs
の供給及び起動周波数fs の供給が停止される。また、
t3 時点でライン12bによる図3のスイッチ22の制
御が解除され、電圧指令発生器21がスイッチ22の接
点aを介して正弦波発生器23に接続される。
【0027】正転加速周波数発生器44aは、ライン9
bの正転指令とフリップフロップ40の出力と起動周波
数発生器36の起動周波数fs とを入力として、図9
(C)のt3 〜t4 期間Tc に示す起動加速周波数fa
を発生し、これをスイッチ33を介してライン12aに
送出する。即ち、正転加速周波数発生器44aは、正転
指令が発生している状態において傾斜電圧Vs が起動周
波数fs に対応する値即ちV/f一定制御におけるfs
に対応する電圧値になったことに応答して起動周波数f
s を初期値として所定の傾きで徐々に増加する正転加速
周波数fa を発生する。この正転加速周波数fa はライ
ン12aを介して周波数指令として図3の電圧指令発生
器21及び正弦波発生器23に送られる。これにより、
電動機4の回転速度Nは図9(A)に示すように目標周
波数f0 に向かって円滑に上昇する。正転加速周波数f
a の送出の終了時点t4 は比較器47で決定される。こ
の比較器47は正転加速周波数fa とライン9aの目標
周波数f0 とを比較し、両者が一致した時点でスイッチ
33をオフに制御し、代りにスイッチ35をオンに制御
する。この結果、図9のt4 時点からはライン9aの目
標周波数f0 がライン12aに周波数指令値Fn として
出力され、電動機4は図9(A)に示すように目標回転
速度で回転する。
【0028】
【逆転再起動方法】次に、図10の逆転再起動を説明す
る。図10のt0 時点で電動機4の正転駆動が停止され
ると、図9の場合と同様にフリーランニング状態に移行
する。図10(B)に示すようにt1 時点でライン9c
に逆転指令が発生すると、図10のt1 〜t2 期間Ta
においては、図9のt1 〜t2 期間と同様に図4のOR
ゲート37、タイマ38及び図2のフリーランニング制
御回路14が動作し、電動機4の回転速度を示す周波数
fmの検出及び回転方向検出回路15による回転方向検
出が行われる。
【0029】図10のt2 〜t3 期間には図9のt2 〜
t3 期間と同様に、トリガ回路39、フリップフロップ
40、スイッチ31、32、傾斜電圧発生回路41、及
び図3のスイッチ22が動作する。図10のt2 〜t3
期間で図9のt2 〜t3 期間と異なる点は、起動周波数
発生器36は非動作となり、ラッチ回路42が動作状態
になる点である。ラッチ回路42は、フリップフロップ
40の図10のt2 〜t3 期間のセット信号とライン9
cの逆転指令とライン8aの検出周波数fmとに基づい
てt2 時点の検出周波数fmを保持してfmと同一の制
御周波数f1 を出力する。この制御周波数f1 はスイッ
チ32を介してライン12aにt2 〜t3 期間の周波数
指令として出力される。この結果、図10(A)に示す
電動機4の回転速度Nの低下が停止し、t2 〜t3 期間
はほぼ一定の回転速度に保たれる。図10(D)のt2
〜t3 期間に示すように傾斜電圧発生器41の傾斜電圧
Vs が図9のt2 〜t3 期間と同様に零ボルトから電圧
V1 に向かって徐々に立上がる。なお、この実施例で
は、図9の正転再起動時と図10の逆転再起動時とで傾
斜電圧Vs の傾きを同一にしているが、図9と図10と
で異なる傾きの傾斜電圧Vs を発生させることもでき
る。図10のt3 時点の決定は図9のt3 時点の決定と
同一である。但し図10の場合には、f/V変換器43
にラッチ回路42の出力周波数f1 を入力させる。
【0030】図10で比較器46からt3 時点を示す信
号が発生すると、フリップフロップ40がリセットさ
れ、スイッチ31、32がオフになり、また傾斜電圧発
生器41とラッチ回路42がオフになり、また図3のス
イッチ22の接点bから接点aへの切換が実行される。
この図10のt3 時点ではフリップフロップ40のリセ
ットに同期して減速周波数発生器45が動作する。減速
周波数発生器45は、ライン9cの逆転指令とライン1
8aの図10のt1 〜t2 期間の正転を示す信号とが発
生している時にフリップフロップ40からt3 を示す信
号が発生したことに応答して、ラッチ回路42の出力周
波数f1 =fmを初期値として所定の傾きで徐々に低下
する減速周波数f2 を図10(C)に示すように発生す
る。t3 〜t4 期間Tc1で減速周波数発生器45から発
生した減速周波数f2 はスイッチ34を介してライン1
2aに周波数指令値Fn として出力される。この結果、
電動機4はf/V一定制御によって円滑に減速し、t4
時点で回転速度が零になる。t4 時点は比較器48で決
定される。この比較器48は減速周波数f2 が零になっ
たことを示す出力をt4 時点で発生し、スイッチ34を
オフに制御し、逆転加速周波数発生器44bをオンに制
御する。
【0031】逆転加速周波数発生器44bは、図10
(C)のt4 〜t5 期間Tc2の加速周波数f3 を発生す
るものであって、ライン9cに図10(B)に示す逆転
指令が発生している状態で比較器48から図10のt4
時点を示す出力が発生した時に、図10(C)に示す加
速周波数f3 を発生し、これをスイッチ33を介してラ
イン12aに送出するものである。インバータの出力電
圧指令V0 は図10(D)に示すようにf/V一定制御
に従って加速周波数f3 に応答して変化する。なお、図
10(C)(D)では、t4 以後の逆転時の周波数及び
電圧が正転時と反対側に示されている。比較器48のt
4 時点を示す信号即ち回転方向切換制御信号はライン1
2eを介して図3の正弦波発生器23に供給される。正
弦波発生器23はライン12cに逆転指令が発生してい
る期間に図10のt4 時点で比較器48の出力が発生し
たことに応答して電動機4を逆転させるように三相正弦
波電圧を発生する。これにより、電動機4は図10
(A)に示すようにt4 時点から逆方向に回転し、t5
時点で目標周波数f0 に至る。図10のt5 時点の検出
は、図9のt4 時点の検出と同様に比較器47によって
逆転加速周波数f3 と目標周波数f0 との一致判定によ
って行う。図10のt5 時点の比較器47の出力でスイ
ッチ33がオフ制御され、スイッチ35がオン制御さ
れ、ライン9aの目標周波数f0 がスイッチ35を介し
てライン12aに送出され、電動機4は目標周波数f0
で駆動される。なお、図9及び図10で、目標周波数f
0 によって目標回転速度が得られた後に、インバータの
出力周波数は目標周波数に保ち、インバータの出力電圧
を下げて高効率運転を行うこともできる。
【0032】図10では正転から逆転への切換えについ
て述べたが、逆転から正転への切換えも正転から逆転へ
の切換えと同様な方法で行う。
【0033】上述から明らかなように本実施例によれば
次の効果が得られる。 (1) 回転方向の検出を容易に行うことができる。 (2) 回転速度の検出を容易に行うことができる。 (3) 正転再起動及び逆転再起動を容易且つ円滑に行
うことができる。
【0034】
【変形例】本発明は上述の実施例に限定されるものでな
く、例えば次の変形が可能なものである。 (1) インバータ制御回路5を、全てアナログ回路で
構成することができる。 (2) 周波数検出回路8を、図2のピーク検出回路1
6、17の一方又は両方の出力パルスを計数するように
構成することができる。 (3) 3相出力ライン3a、3b、3cの全てに電流
検出器を設け、3相電流内の2つの組合わせで回転方向
を検出することができる。 (4) フリーランニング検出回路13を、電源オフ検
出回路又は電動機停止指令回路によって置き換えること
ができる。 (5) インバータ回路3の上側のスイッチQ1 、Q3
、Q5 を同時にオンにしてフリーランニング中の回転
速度及び方向の検出を行うことができる。 (6) 逆転制御をゲートドライブ回路28からスイッ
チQ1 〜Q6 に与える制御信号の発生順番の切換によっ
て行うこともできる。 (7) 回転速度を回転検出器等の別の手段で検出する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる誘導電動機の制御及び
駆動装置を示す回路図である。
【図2】図1のインバータ制御回路を原理的に詳しく示
すブロック図である。
【図3】図2のPWM制御回路を詳しく示すブロック図
である。
【図4】図3の周波数指令値発生及び起動制御器を等価
的に詳しく示すブロック図である。
【図5】図3の各部の状態を示す波形図である。
【図6】フリーランニング中の回転速度及び方向検出時
の回路を示す回路図である。
【図7】正転状態における図2の回転方向検出回路の各
部の状態を示す波形図である。
【図8】逆転状態における図2の回転方向検出回路の各
部の状態を示す波形図である。
【図9】正転再起動時の図1の各部の状態を示す波形図
である。
【図10】逆転再起動時の図1の各部の状態を示す波形
図である。
【符号の説明】
3 インバータ回路 4 誘導電動機 15 回転方向検出回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 5/408 - 5/412 H02P 7/628 - 7/632 H02P 21/00 H02P 6/00 - 6/24 H02P 5/00 H02P 7/00 - 7/01 H02P 1/00 - 1/58

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の直流電源端子間に第1及び第2の
    スイッチの直列回路が複数個接続された構成の多相イン
    バータによる多相交流電動機の駆動を停止している期間
    における前記交流電動機の惰性回転情報を検出する方法
    であって、 前記多相インバータの前記複数の直列回路の前記第1及
    び第2のスイッチのいずれか一方を同時にオンに制御
    し、この時の前記交流電動機の少なくとも第1及び第2
    の相の入力電流を検出し、前記第1及び第2の相の入力
    電流の正ピークから負ピークまでの期間を第1の電圧レ
    ベルとし、負ピークから正ピークまでの期間を第2の電
    圧レベルとした2値信号をそれぞれ形成し、前記第1及
    び第2の相の入力電流の2値信号の比較に基づいて前記
    第1の相の入力電流に対して前記第2の相の入力電流
    が、進み位置か又は遅れ位置かを判定し、進み位相の時
    には第1の回転方向の情報を出力し、遅れ位相の時には
    第1の回転方向と反対の第2の回転方向の情報を出力し
    て前記交流電動機の惰性回転の方向を示す情報を得るこ
    とを特徴とする交流電動機の惰性回転情報検出方法。
  2. 【請求項2】 一対の直流電源端子間に第1及び第2の
    スイッチの直列回路が複数個接続された構成の多相イン
    バータによって多相交流電動機を駆動する方法であっ
    て、 前記交流電動機を第1の回転方向に駆動した後の駆動停
    止期間中に第1の回転方向と逆の第2の回転方向の駆動
    指令が発生した時に、前記多相インバータの前記複数の
    直列回路の前記第1及び第2のスイッチのいずれか一方
    を同時にオンに制御し、前記交流電動機の惰性回転にお
    ける回転速度を検出するために前記交流電動機の入力電
    流を検出し、検出された入力電流の周期又は周波数を計
    測し、この周期又は周波数を前記交流電動機の惰性回転
    の回転速度として検出し、且つ前記交流電動機の惰性回
    転における回転方向を検出するために前記交流電動機の
    少なくとも第1及び第2の相の入力電流を検出し、前記
    第1及び第2の相の入力電流の正ピークから負ピークま
    での期間を第1の電圧レベルとし、負ピークから正ピー
    クまでの期間を第2の電圧レベルとした2値信号をそれ
    ぞれ形成し、前記第1及び第2の相の入力電流の2値信
    号の比較に基づいて前記第1の相の入力電流に対して前
    記第2の相の入力電流が、進み位置か又は遅れ位置かを
    判定し、進み 位相の時には第1の回転方向の情報を出力
    し、遅れ位相の時には第1の回転方向と反対の第2の回
    転方向の情報を出力する第1のステップと、 前記第1のステップの後に、前記第1のステップで検出
    された回転速度と実質的に同一の回転速度を得ることが
    できる前記インバータの出力周波数に相当する第1の周
    波数指令値(f1 )を用意し、この第1の周波数指令値
    (f1 )に対応する出力周波数が得られるように前記イ
    ンバータを駆動し、且つ前記インバータの出力周波数f
    と出力電圧Vとの比V/fが一定となるように前記イン
    バータの出力周波数と出力電圧とを制御して前記交流
    動機を駆動するための出力周波数と出力電圧との関係を
    示す特性図における前記第1の周波数指令値(f1 )に
    対応する第1の出力電圧値(V1 )を得ることができる
    ように前記インバータの出力電圧を零から前記第1の出
    力電圧値(V1 )に向かって徐々に上げる第2のステッ
    プと、 前記インバータの出力周波数が前記第1の周波数指令値
    (f1 )に対応する値であると共に前記インバータの出
    力電圧が前記第1の出力電圧値(V1 )になった後に、
    前記インバータの出力周波数指令値を前記第1の周波数
    指令値(f1 )から零に向かって徐々に下げ、且つ前記
    V/f一定の制御に従って前記インバータの出力電圧指
    令値も前記第1の出力電圧指令値から零に向かって徐々
    に下げる第3のステップと、 前記第3のステップの後に前記交流電動機を前記第2の
    回転方向に回転させる方向性を有して前記インバータの
    出力周波数指令値を目標出力周波数指令値に向かって徐
    々に変化させ且つインバータの出力電圧指令値を前記V
    /f一定の制御に従って変化させる第4のステップとを
    備えていることを特徴とするインバータによる交流電動
    機の駆動方法。
  3. 【請求項3】 一対の直流電源端子間に第1及び第2の
    スイッチの直列回路が複数個接続された構成の多相イン
    バータによる多相交流電動機の駆動を停止している期間
    における前記交流電動機の惰性回転情報を検出する装置
    であって、前記交流電動機の少なくとも第1及び第2の
    相の入力電流を検出するための第1及び第2の電流検出
    器と、 前記交流電動機の駆動を停止している期間において、前
    記多相インバータの前記複数の直列回路の前記第1及び
    第2のスイッチのいずれか一方を同時にオンに制御する
    制御手段と、 前記交流電動機の駆動を停止している期間において前記
    第1及び第2の電流検出器から得られた前記交流電動機
    の第1及び第2の相の入力電流の正ピークから負ピーク
    までの期間を第1の電圧レベルとし、負ピークから正ピ
    ークまでの期間を第2の電圧レベルとした2値信号をそ
    れぞれ形成し、前記第1及び第2の相の入力電流の2値
    信号の比較に基づいて前記第1の相の入力電流に対して
    前記第2の相の入力電流が、進み位置か又は遅れ位置か
    を判定し、進み位相の時には第1の回転方向の情報を出
    力し、遅れ位相の時には第1の回転方向と反対の第2の
    回転方向の情報を出力する位相比較手段とを備えている
    ことを特徴とする交流電動機の惰性回転情報検出装置。
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