JP3421234B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JP3421234B2
JP3421234B2 JP00213998A JP213998A JP3421234B2 JP 3421234 B2 JP3421234 B2 JP 3421234B2 JP 00213998 A JP00213998 A JP 00213998A JP 213998 A JP213998 A JP 213998A JP 3421234 B2 JP3421234 B2 JP 3421234B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、結晶成長技術に
よるIII−V族化合物半導体の薄膜の形成により製造
されるインジウムリン(InP)を基板として用いた半
導体装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、III−V族化合物半導体か
らなる高移動度トランジスター(HEMT)や電界効果
トランジスターは、III−V族化合物半導体の基板上
にIII−V族化合物半導体の結晶を成長することによ
って作製される。最近では、高速動作のために、基板に
InPを用い、その上にインジウムアルミニウムヒ素
(InAlAs),インジウムガリウムヒ素(InGa
As),InPの積層構造を成長したデバイスが提案さ
れている。以下、基板にInPを用いたHEMTを例に
取り説明する。図5に示すように、そのHEMTでは、
InPからなる基板501上にInAlAsからなるバ
ッファ層502が形成され、その上にInGaAsから
なるチャネル層503が形成されている。
【0003】また、チャネル層503上にはInAlA
sからなるスペーサ層504を介してn−InAlAs
からなるキャリア供給層505が形成され、その上にI
nAlAsからなるバリア層506が形成されている。
そして、バリア層506上に、ショットキー接合して形
成されたゲート電極508が配置されている。また、ゲ
ート電極508より所定の間隔を開けて、ソース電極5
10とドレイン電極511が、n−InGaAsからな
るコンタクト層507を介してオーミック接合して形成
されている。
【0004】このHEMTにおいては、キャリア供給層
505より供給された電子により、チャネル層503の
スペーサ層504側界面に2次元電子ガスが形成され
る。そして、ソース電極510下の領域とドレイン電極
511下の領域との間で、その2次元電子ガス中を移動
する電子の流れを、ゲート電極508に印加する電圧で
制御するようにしている。そして、キャリアである電子
は、2次元電子ガス中を移動するので、ドナー不純物に
よって散乱されるのが抑制され、高速に移動することが
可能となっている。
【0005】それらデバイス製造に必要な化合物半導体
の結晶成長には、通常、有機金属気相成長法(MOVP
E)や分子線エピタキシャル成長法(MBE)が用いら
れる。そのなかでも、Pを含む結晶材料の成長が必要な
場合は、MOVPE法が用いられることが一般的に多
い。例えば、前述したバッファ層502の形成では、I
nPからなる基板501上に、これに格子整合するIn
AlAsを、例えばMOVPEにより結晶を成長するこ
とになる。このInP上へのInAlAsの結晶成長で
は、例えば600℃程度とした基板上に、トリメチルイ
ンジウム(TMI)などのIn原料と、トリメチルアル
ミニウム(TMA)などのAl原料と、アルシン(As
3 )などのAs原料とを供給することでなされる。
【0006】しかし、InPからなる基板を加熱する
と、基板を構成するPは蒸発しやすい特性を持っている
ため、基板よりPが抜けていってしまうことになる。し
たがって、基板が所定の温度となり結晶成長させる膜の
原料を供給する段階までは、基板上にフォスフイン(P
3 )などのP原料を供給しておく必要がある。ここ
で、InAlAsの結晶成長を始めるためにインジウム
(In)原料とアルミニウム(Al)原料とヒ素(A
s)原料とを供給する段階で、リン(P)原料が残って
いるとInAlAsと基板のInPとの界面を急峻に形
成することができない。このため、一度、P原料の供給
を所定時間Aだけ中断し、ついで、所定時間Bの間As
原料ガスのみを供給してからIn原料とAl原料とを供
給するようにし、基板上にP原料が無い状態としてから
InAlAsの結晶成長を始めるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、InP
のPは蒸発しやすい特性を持っているため、上記のp原
料の供給中断時間を長く設定した場合、InP基板から
Pが脱離し、表面にIn層の部分が形成される。この状
態で、次にAs原料ガスの供給を行うと、InP基板の
表面のIn層の部分に非晶質(または多結晶)のInA
sが生成する。そして、このInP基板上のInAs
は、その特性のため三次元的に島状に凝集する。すなわ
ち、InAlAsの結晶成長過程の初期段階で、InP
基板上に微小なInAsからなる突起が多数形成される
ことになる。この表面にInAlAsまたはInGaA
sを成長すると、島状に凝集したInAsの突起が欠陥
の発生源となって、成長した層に表面欠陥が発生する。
【0008】前述の図5に示したHEMTにおいては、
その表面欠陥が基板501上に発生することになる。そ
して、この表面欠陥は、最上層のコンタクト層507に
まで影響を及ぼし、キャリアが移動するチャネル層50
3においても欠陥が存在する状態となる。このように、
キャリアが移動する領域に欠陥がある状態のトランジス
ターでは、所望の特性が得られない。欠陥発生の原因と
なる、その非晶質(または多結晶)のInAsの発生を
抑制するためには、前述したA,Bの時間を短くする手
法が有効と考えられるが、MOVPE法では成長温度が
600℃以上と高温のため、仮にA=B=0としても、
InAlAsの成長初期に、InPからのPの脱離が起
きてInAsが形成されるため、表面欠陥を無くすこと
が難しいのが現状である。
【0009】本発明はそれら問題を解決するために提案
されたものであり、InPからなる基板を用いた化合物
半導体よりなるHEMTなどの半導体装置において、特
性劣化の原因となる欠陥の発生を抑制することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の半導体装置
は、インジウムリン(InP)からなる基板と、この上
に配置されたインジウムアルミニウムヒ素もしくはイン
ジウムガリウムヒ素からなる結晶層とを少なくとも含む
半導体装置であって、その基板上に、少なくともインジ
ウム(In)とリン(P)を含み、Pの脱離速度がIn
Pより遅い化合物半導体であるインジウムアルミニウム
リン(InAlP)またはインジウムガリウムリン(I
nGaP)からなり、格子不整合によってミスフイット
転位が発生する臨界膜厚未満の、例えば0.3nmより
厚く10nm以下である膜厚の保護層が形成されている
ようにした。したがって、この半導体装置は、基板表面
よりPが抜け出すことが抑制された状態で、インジウム
アルミニウムヒ素もしくはインジウムガリウムヒ素から
なる結晶層が形成されている。また、InPからなる基
板と、その基板上に形成されたInPからなるバッファ
層と、この上に配置されたインジウムアルミニウムヒ素
もしくはインジウムガリウムヒ素からなる結晶層とを少
なくとも含む半導体装置であって、そのバッファ層上
に、少なくともInとPを含み、Pの脱離速度がInP
より遅い化合物半導体であるInAlPまたはInGa
Pからなり、格子不整合によってミスフイット転位が発
生する臨界膜厚未満の、例えば0.3nmより厚く10
nm以下である膜厚の保護層が形成されているようにし
た。したがって、この半導体装置は、バッファ層表面よ
りPが抜け出すことが抑制された状態で、インジウムア
ルミニウムヒ素もしくはインジウムガリウムヒ素からな
る結晶層が形成されている。また、この発明の半導体装
置の製造方法は、InPからなる基板上に、少なくとも
InとPを含み、Pの脱離速度がInPより遅い化合物
半導体であるInAlPまたはInGaPからなる保護
層を、格子不整合によってミスフイット転位が発生する
臨界膜厚未満の、例えば0.3nmより厚く10nm以
下である膜厚に形成した後、インジウムアルミニウムヒ
素もしくはインジウムガリウムヒ素からなる結晶層を形
成するようにした。したがって、この半導体装置の製造
方法では、インジウムアルミニウムヒ素もしくはインジ
ウムガリウムヒ素からなる結晶層を形成しているとき、
基板表面よりPが抜け出すことが抑制される。そして、
この発明の半導体装置の製造方法は、基板上にバッファ
層を形成し、引き続き、この上に、少なくともInとP
を含み、Pの脱離速度がInPより遅い化合物半導体で
あるInAlPまたはInGaPからなる保護層を、格
子不整合によってミスフイット転位が発生する臨界膜厚
未満の、例えば0.3nmより厚く10nm以下である
膜厚に形成した後、インジウムアルミニウムヒ素もしく
はインジウムガリウムヒ素からなる結晶層を形成するよ
うにした。したがって、この半導体装置の製造方法で
は、インジウムアルミニウムヒ素もしくはインジウムガ
リウムヒ素からなる結晶層を形成しているとき、バッフ
ァ層表面よりPが抜け出すことが抑制される。
【0011】
【発明の実施の形態】はじめに、この発明の概要につい
て説明すると、本発明はInP基板またはInP成長結
晶上に、臨界膜厚(格子不整合によってミスフイット転
位が発生する膜厚)以下の厚さで、Pの脱離速度がIn
Pよりも遅いIII族とPとの化合物半導体を保護層と
して成長し、InAsの形成が原因で発生していた表面
欠陥を低減するようにしたものである。
【0012】前述したように、表面欠陥の発生は、結晶
成長の基体であるInPからのPの蒸発によって起き
る、基体表面におけるInAsの生成が原因で起きてい
る。また、この時の脱離速度は、化合物半導体を構成す
るIII族原子とV族原子の結合力に依存する。一方、
InPと比較して、Pとの結合が強いAlあるいはGa
を有するAlP,GaPからのPの脱離速度は小さいこ
とが知られている(N.Kobayashi et al.,Jpn.J.Appl.Ph
ys.,30(1991)L1699)。よって、結晶成長を行う基体で
あるInP上に、アルミニウムリン(AlP)やガリウ
ムリン(GaP)、または、これらの混晶であるインジ
ウムアルミニウムリン(InAlP),インジウムガリ
ウムリン(InGaP),インジウムアルミニウムガリ
ウムリン(InAlGaP)等の材料を保護層として成
長した場合には、成長表面でのPの脱離速度を低下させ
ることが可能である。
【0013】例えば、InP上にInAlAs結晶を成
長する場合は、III族であるInとAlの原料ガスが
用いられるこのため、保護層としてはInAlP,また
はAlPの結晶を成長することが、供給のシーケンスが
簡単になり、かつ、新たな原料の消費を必要としないの
で好ましい。また、InP基板の格子定数を考えた場
合、InAlPの方がAlPと比較して臨界膜厚が大き
い。よって、InAlPを用いた方が、保護層形成の制
御は容易になる。同様の理由で、InP上にInGaA
sを成長する場合には、InGaP結晶を保護層として
挿入する方法が簡便で、制御性が良い。しかし、前記の
GaP,AlP,InAlGaP等の材料を保護層とし
て形成した状態でも欠陥の低減は可能である。
【0014】以下この発明の実施の形態を図を参照して
説明する。 実施の形態1 図1は、この発明の第1の実施の形態における半導体装
置の構成を示す断面図である。その構成に関して説明す
ると、この実施の形態1ではInPからなる基板101
上に、InAlPからなる保護層101aを新たに備
え、その上にInAlAsからなるバッファ層102が
形成されているようにした。そして、その後は、前述し
た従来の構成と同様であり、まず、バッファ層102上
にInGaAsからなるチャネル層103が形成されて
いる。
【0015】また、チャネル層103上にはInAlA
sからなるスペーサ層104を介してSiがドーピング
されたn−InAlAsからなるキャリア供給層105
が形成され、その上にInAlAsからなるバリア層1
06が形成されている。そして、バリア層106上にシ
ョットキー接合してゲート電極108が形成されてい
る。また、そのゲート電極108より所定の間隔を開け
て、Siがドーピングされたn−InGaAsからなる
コンタクト層107を介し、ソース電極110とドレイ
ン電極111がオーミック接合して形成されている。
【0016】図2は、図1に示した基板101上に、保
護層101aを介してバッファ層102を結晶成長させ
るときの、原料ガス供給シーケンスを示している。
(a)はP原料ガス(PH3 )の供給状態を示し、
(b)はAs原料ガス(AsH3 )の供給状態を示して
いる。また、(c)にIn原料ガス(TMI)の供給状
態を示し、(d)にAlの原料ガス(TMA)の供給状
態を示している。そして、挿入したInAlP結晶から
なる保護層101aの厚さは、P原料ガスとともに、I
n原料ガスとAl原料ガスを供給する時間Tを変化させ
ることで調整できる。以上示したように、この実施の形
態1によれば、保護層101aを設けてバッファ層10
2を形成するようにしたので、バッファ層102が形成
される下地に島状に凝集したInAsの突起の発生が抑
制される。この結果、この実施の形態1によれば、その
InAsの突起による表面欠陥の発生が抑制されるよう
になる。
【0017】なお、MOVPE法による化合物半導体結
晶成長の場合、III族の原料ガスには、トリメチルイ
ンジウム(TMI),トリエチルインジウム(TE
I),トリメチルアルミニウム(TMA),トリエチル
アルミニウム(TEA),トリメチルガリウム(TM
G),トリエチルガリウム(TEG)の有機金属化合物
が用いられる。一方、V族原料ガスとしてはアルシン
(AsH3 ),フォスフイン(PH3 )の水素化物や、
ターシャリブチルアルシン(TBA),ターシャリブチ
ルホスフィン(TBP)などの有機金属化合物が用いら
れる場合もある。
【0018】実施の形態2 次に本発明の第2の実施の形態として、InP基板上
に、同一材料のInPバッファー層の成長を行い、その
後、図1で示した高電子移動度トランジスター構造(2
〜7の層)を形成した場合について説明する。この実施
の形態2の場合、まず、InP基板の温度をP原料ガス
を供給しながら600℃まで上昇させた後、図3
(a),(c)に示すように、P原料ガスとともにIn
原料ガスを供給して、膜厚100nmのInPバッファ
ー層の成長を行う。次に、図3(c)に示すように、時
点t1から時点t2の間、一時的にIn原料ガスの供給
を停止した後、図3(a),(c)および(d)に示す
ように、時点t2から時点t3にかけてP原料ガスとI
n原料ガスとAl原料ガスとを短時間供給して保護層を
形成する。挿入するInAlP結晶からなる保護層の厚
さは、前述の実施の形態1と同様に、P原料ガスととも
にIn原料ガスとAl原料ガスを供給する時点t2から
時点t3の間の時間Tを変化させることで調整できる。
【0019】その後、図3(a),(b)に示すよう
に、時点t3でP原料ガスの供給を停止してAs原料ガ
スの供給を開始することで、InAlAsからなるバッ
ファー層の成長を行う。このとき、この実施の形態2に
おいても、保護層を形成するようにしたのでInAlA
sからなるバッファ層が形成される下地に島状に凝集し
たInAsの突起の発生が抑制される。この結果、この
実施の形態2においても、そのInAsの突起による表
面欠陥の発生が抑制されるようになり、前述した実施の
形態1と同様に各層を形成することで、前述した実施の
形態1とほぼ同様のHEMTが得られる。
【0020】以下、保護層の厚さに関して説明する。図
4に、挿入する保護層(InAlP)の膜厚を変化させ
た時の表面欠陥密度の変化を示している。表面欠陥密度
の評価には、ノルマルスキー型顕微鏡を用いて1μm以
上の欠陥について評価した。図4において、白丸は実施
の形態1の場合であり、InPからなる基板上に保護層
を形成し、その上にInAlAsからなるバッファ層を
形成した場合を示している。また、白四角は実施の形態
2の場合であり、InPからなる基板上にInPからな
るバッファ層を形成してからその上に保護層を形成し、
その上にInAlAsからなるバッファ層を形成した場
合を示している。
【0021】図4から、どちらの場合においても、保護
層であるInAlPの挿入が無い場合には、8x104
cm-2の密度であった表面欠陥が、1分子層のInAl
Pからなる保護層の挿入によって、2桁以上も急激に、
しかも実用上問題のない103 cm-2以下まで減少して
いることが分かる。さらに、4分子層の保護層を挿入す
ることで、その表面欠陥密度は約10cm-2まで低減し
ていることが確認できた。
【0022】上述したように、InP基板、または、I
nP成長結晶上にInAlAs結晶を成長する場合、I
nAlP結晶(保護層)の挿入は表面欠陥を低減する効
果がある。しかしながら、ここで挿入するInAlP結
晶の格子定数(約0.565nm)はInP結晶の格子
定数(約0.587nm)と大きく異なる。このため、
その保護層の層厚を暑くすると、格子不整合緩和のため
にミスフイット転位が発生する。この転位が発生した表
面には、クロスハッチと呼ばれる転位パターンが発生
し、この様な成長表面にInAlAs結晶を成長して
も、転位パターンを消すことは容易でない。よって、I
nAlAs/InP界面に挿入されるInAlPの膜厚
は、ミスフイット転位が発生する厚さ(臨界膜厚)以下
に設定することが望ましい。
【0023】その臨界膜厚を見積もるためには、「Ma
tthews」の式(例えば、J.W.Matthews et a1.、J.
Crystal.Growth、27(1974)118に記載)が用いられること
が一般的に多い。この式を用いて前述した格子定数を持
つInAlP結晶の臨界膜厚を算出すると約10nmに
なる。よって、InAlPの層厚は0.3nm(1層)
から10nmの範囲で設計が可能である。
【0024】なお、上述では、InP基板上にInAl
As結晶を成長する場合について示したが、InP基板
上にInGaAs結晶を成長する場合にも応用が可能で
ある。また、挿入する結晶にはInAlPの他に、Al
P,GaP,InAlGaPが考えられる。さらに、実
施の形態2のように、基板と同材料のバッファ層を基板
上に形成する場合、InPバッファー層を成長した後、
InP成長後にPH3 のみを供給する時間(PH3 パー
ジ)を設けた後でInAlPを成長した場合について示
したが、PH3 パージを設けなくても同様の効果が期待
できる。
【0025】なお、上述では、結晶成長にはMOVPE
法を用いて、原料ガスにTMI,TMA,AsH3 ,P
3 を用いた場合についてに示したが、他のTEI,T
EA,TMG,TEG,TBP,TBAsを用いた成長
にも応用が可能である。また、結晶成長には、MOVP
E法の他に、MBE法を用いるようにしてもよい。最
近、MBE法でも、Pのクラッキングセルを用いてP系
材料の結晶成長が可能となってきている。このMBE法
では、In,Al,Ga,P,Asの金属原料を加熱・
蒸発し、それを基板に照射することで結晶の成長を行
う。したがって、MBE法による結晶成長においても、
上記実施の形態1,2と同様に、保護層を形成すること
で、形成するデバイスの欠陥を抑制することができる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、この発明では、I
nPからなる基板上に、少なくともInとPを含み、P
の脱離速度がInPより遅い化合物半導体であるInA
lPまたはInGaPからなる保護層を、格子不整合に
よってミスフイット転位が発生する臨界膜厚未満の、例
えば0.3nmより厚く10nm以下である膜厚に形成
した後、インジウムアルミニウムヒ素もしくはインジウ
ムガリウムヒ素からなる結晶層を形成するようにした。
したがって、InPが露出することなく保護層で覆われ
ているので、この上にインジウムアルミニウムヒ素もし
くはインジウムガリウムヒ素からなる結晶層を結晶成長
させるときに、Pが抜け出すことが抑制される。この結
果、インジウムアルミニウムヒ素もしくはインジウムガ
リウムヒ素からなる結晶層を結晶成長させるときに、P
が脱離してしまうことにより発生する表面欠陥を抑制で
きるようになる。したがって、この発明は、InPから
なる基板を用いた化合物半導体よりなる、例えばHEM
Tなどの半導体装置において、特性劣化の原因となる表
面欠陥の発生を抑制できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施の形態における半導体
装置の構成を示す断面図である。
【図2】 実施の形態1における保護層101aを介し
てバッファ層102を結晶成長させるときの、原料ガス
供給シーケンスを示すタイミングチャートである。
【図3】 実施の形態2における保護層101aを介し
てバッファ層102を結晶成長させるときの、原料ガス
供給シーケンスを示すタイミングチャートである。
【図4】 保護層の膜厚を変化させた時の表面欠陥密度
の変化を示す相関図である。
【図5】 一般的なHEMTの構造を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
101…基板、101a…保護層、102…バッファ、
103…チャネル層、104…スペーサ層、105…キ
ャリア供給層、106…バリア層、107…コンタクト
層、108…ゲート電極、110…ソース電極、111
…ドレイン電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−321387(JP,A) 特開 平7−249759(JP,A) 特開 平8−298317(JP,A) 特開 平5−160161(JP,A) 特開 平9−36494(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/203,21/205

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インジウムリンからなる基板と、この上
    に配置されたインジウムアルミニウムヒ素もしくはイン
    ジウムガリウムヒ素からなる結晶層とを少なくとも含む
    半導体装置であって、 少なくともインジウムとリンを含み、リンの脱離速度が
    インジウムリンより遅い化合物半導体であるインジウム
    アルミニウムリンまたはインジウムガリウムリンからな
    り、格子不整合によってミスフイット転位が発生する臨
    界膜厚未満の膜厚の保護層が前記基板表面に形成されて
    いることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 インジウムリンからなる基板と、前記基
    板上に形成されたインジウムリンからなるバッファ層
    と、この上に配置されたインジウムアルミニウムヒ素も
    しくはインジウムガリウムヒ素からなる結晶層とを少な
    くとも含む半導体装置であって、 少なくともインジウムとリンを含み、リンの脱離速度が
    インジウムリンより遅い化合物半導体であるインジウム
    アルミニウムリンまたはインジウムガリウムリンからな
    り、格子不整合によってミスフイット転位が発生する臨
    界膜厚未満の膜厚の保護層が前記バッファ層上に形成さ
    れていることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 インジウムリンからなる基板と、この上
    に配置されたインジウムアルミニウムヒ素もしくはイン
    ジウムガリウムヒ素からなる結晶層とから構成された半
    導体装置の製造方法であって、 前記インジウムリンからなる基板上に、少なくともイン
    ジウムとリンを含み、リンの脱離速度がインジウムリン
    より遅い化合物半導体であるインジウムアルミニウムリ
    ンまたはインジウムガリウムリンからなる保護層を、格
    子不整合によってミスフイット転位が発生する臨界膜厚
    未満の膜厚に形成した後、前記インジウムアルミニウム
    ヒ素もしくはインジウムガリウムヒ素からなる結晶層
    形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 インジウムリンからなる基板と、前記基
    板上に形成されたインジウムリンからなるバッファ層
    と、この上に配置されたインジウムアルミニウムヒ素も
    しくはインジウムガリウムヒ素からなる結晶層とから構
    成された半導体装置の製造方法であって、 前記基板上に前記バッファ層を形成し、引き続き、この
    上に、少なくともインジウムとリンを含み、リンの脱離
    速度がインジウムリンより遅い化合物半導体であるイン
    ジウムアルミニウムリンまたはインジウムガリウムリン
    からなる保護層を、格子不整合によってミスフイット転
    位が発生する臨界膜厚未満の膜厚に形成した後、前記
    ンジウムアルミニウムヒ素もしくはインジウムガリウム
    ヒ素からなる結晶層を形成することを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の半導体装置にお
    いて、 前記保護層の膜厚は、0.3nmより厚く10nm以下
    であることを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】 請求項3または4記載の半導体装置の製
    造方法において、 前記保護層の膜厚は、0.3nmより厚く10nm以下
    であることを特徴とする半導体装置の製造方法
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