JP3419753B2 - 誘導マルトオリゴ糖類、夾雑物捕捉剤としての使用およびペーパーウェブの製造方法 - Google Patents

誘導マルトオリゴ糖類、夾雑物捕捉剤としての使用およびペーパーウェブの製造方法

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JP3419753B2 JP2000325417A JP2000325417A JP3419753B2 JP 3419753 B2 JP3419753 B2 JP 3419753B2 JP 2000325417 A JP2000325417 A JP 2000325417A JP 2000325417 A JP2000325417 A JP 2000325417A JP 3419753 B2 JP3419753 B2 JP 3419753B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デンプン誘導体の
分野に関し、特に誘導されたマルトオリゴ糖類の分野に
関する。本発明の誘導マルトオリゴ糖類は、パルプおよ
び紙産業において、夾雑物捕捉剤(trash scavenger)
として特に有用性があると考える。
【0002】
【従来の技術】製紙用完成紙料(papermaking furnis
h)中に、アニオン性夾雑物(anionic trash)、例えば
リグニン、ヘミセルロース及び脂肪酸などがよく発生す
る。このような夾雑物質は他の添加剤、例えばカチオン
性歩留まり向上剤、デンプン、及びサイズ剤等の性能を
阻害し、そして機械性能とシートの物理的特性の減少を
しばしば引き起こす。完成紙料中のアニオン性夾雑物の
量を減じるために、従来技術では製紙用完成紙料に抄紙
機の圧搾部(wet end of the papermaking machine)で
凝集剤(普通は「夾雑物捕捉剤」として知られる)を添
加することを教示していた。凝集剤は溶液中でカチオン
性の電荷を有し、アニオン性夾雑物質を中和する傾向に
あり、他のプロセス補助剤の性能の阻害を防ぎ、そして
シートが形成されるときに繊維と共に系から除去され
る。通常使用される凝集剤はミョウバン、ポリアルミニ
ウムクロリド(PAC)、ポリエチレンイミン、ポリア
ミン類及びポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド
(ポリDADMC)である。
【0003】パルプ及び紙製造水の処理に関連して、荷
電デンプンが夾雑物捕捉剤として使用できる。このよう
な多くの用途において、デンプン骨格に電荷を付与する
ために誘導デンプンまたはデンプン誘導体(例えばマル
トデキストリン類など)が所望されている。デンプンを
誘導する方法およびデンプン誘導体が多く知られてい
る。例えば、米国特許第5,795,397号(Shi
ら、National Starch andChemical Investment Holding
Corporation、デラウェア州、ウィルミントンに譲渡)
は、デンプン誘導体の酵素的処理と修飾デンプン誘導体
の形成の開示を主張する。修飾デンプン誘導体は、再湿
化(remoistenable)接着剤組成物の成分として有効で
あるとされている。この特許で教示されるデンプン誘導
体は、概して約0.5未満の置換度(DS)を有し、そ
して概してより高いDSのデンプンが所望される用途へ
の使用には適さない。他の文献(国際特許WO95/1
8157号、Vihervaaraら、Raisio Chemicals Oy、フ
ィンランド、ライシオに譲渡)は、米国特許第5,97
5,397号に教示されるものよりも高い置換度を有す
るデンプン誘導体を開示する。しかし、この特許の教示
を再現することは困難であることがわかり、さらに、こ
こに記載される凝集剤には改良の余地が残っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】マルトオリゴ糖類を水
性媒質中でカチオン性誘導剤で誘導して誘導マルトオリ
ゴ糖類を形成することが今発見された。さらに、かかる
誘導マルトオリゴ糖類はパルプおよび紙産業における夾
雑物捕捉剤として有用であることがわかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の1の態様におい
て、マルトオリゴ糖類の誘導法を提供する。本発明は、
マルトオリゴ糖類を水性媒質中でカチオン性誘導剤で誘
導して、約0.5より大きいDSを有する誘導マルトオ
リゴ糖類、あるいは、凝集剤として使用されたときに夾
雑物捕捉剤としての使用に好適な誘導マルトオリゴ糖類
になるのに充分なDSまで誘導された誘導マルトオリゴ
糖類を形成することを目論んでいる。さらに本発明は夾
雑物捕捉法も包含する。夾雑物捕捉法は、アニオン性物
質を含む液体を用意し、そしてその液体に誘導マルトオ
リゴ糖類をアニオン性物質の少なくとも一部を中和する
のに充分な量添加する工程からなる。この方法は好まし
くは紙製造に関連して使用される。本発明はペーパーウ
ェブの製造法および本発明の方法で製造されたペーパー
ウェブをも包含する。これらの態様において、アニオン
性物質を含む完成紙料を提供する。アニオン性物質は、
カチオン性に誘導されたマルトオリゴ糖類を用いて中和
する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の1の態様にしたがって、
マルトオリゴ糖を誘導する。誘導すべきマルトオリゴ糖
は、商業的に製造または購入するか、あるいは任意の好
適な方法で製造することができる。「マルトオリゴ糖」
という語は、α14のグルコシド結合を介して支配的に
結合された2以上の糖類(D−グルコース)単位を含む
いかなる種をも意味し、そしてマルトデキストリン類お
よびシロップ固体を含む。好ましくは、マルトオリゴ糖
はマルトデキストリン、すなわちα14のグルコシド結
合を介して本質的に結合されたD−グルコース単位から
なり、20未満のデキストロース等量(DE)を有する
糖ポリマーである。
【0007】本発明の好適な態様において、マルトデキ
ストリンはマルトオリゴ糖類のMALTRINシリーズ(登録
商標、Grain Processing Corporation、アイオワ州、マ
スカティーン)の中から選択される。本発明に関連する
使用に好適なMALTRIN(登録商標)マルトデキストリン
類としては、例えば、MALTRIN M180、MALTRIN M150、MA
LTRIN M100、MALTRIN M050、およびMALTRIN M040(いず
れも登録商標)が挙げられる。これらのマルトオリゴ糖
類は以下の表に示すようなおよそのDPプロフィールを
持つ:
【0008】
【表1】
【0009】本発明に関連する使用に好適な他のマルト
デキストリン類として、MALTRIN M440、MALTRIN M510、
MALTRIN 550、MALTRIN M580、およびMALTRIN M700(い
ずれも登録商標)が挙げられる。好適であると知られう
るかあるいは発見されうるシロップ固体または他のマル
トオリゴ糖類は、本発明に関連する使用に好適であると
みなされる。本発明に関連する使用に好適な、商業的に
入手可能なシロップ固体としては、MALTRIN M200および
MALTRIN M250(いずれも登録商標、これらもGrain Proc
essing Corporation、アイオワ州、マスカティーンによ
り販売)が挙げられる。
【0010】本発明の態様にしたがって、マルトオリゴ
糖類をカチオン性誘導剤で誘導する。カチオン性誘導剤
はマルトオリゴ糖類の骨格にカチオン電荷を付与するの
に好適ないかなる薬剤であってもよい。このような薬剤
は、既知のカチオン性誘導剤、例えば3−クロロ−2−
ヒドロキシプロピレントリメチルアンモニウムクロリ
ド、または2,3−エポキシ−プロピレントリメチルア
ンモニウムクロリド(後者は、DeGussaからQUAB 151の
名で販売されている)から選択することができ、または
本発明に関連する使用に好適であると知られうるかある
いは発見されうるいかなる他のカチオン性誘導剤であっ
てもよい。好ましくは、誘導剤はQUAB 151である。もう
一つの好適な誘導剤は、クロロヒドロキシプロピルトリ
メチルアンモニウムクロリド(QUAT 188の名で、Dow Ch
emicalから販売されている)である。
【0011】マルトオリゴ糖類は、カチオン性誘導剤で
好適な反応条件下、最も好ましくは水性媒質中で誘導さ
れる。マルトオリゴ糖は、好ましくは水性媒質中、約4
0重量%〜約70重量%の範囲の量で提供される。カチ
オン性誘導剤は溶液中のマルトオリゴ糖を基準として、
好ましくは約25重量%〜約150重量%の範囲の量、
より好ましくは約50重量%〜約75重量%の範囲の量
で添加される。好ましくは、初期反応温度は約35℃〜
約100℃の範囲である。水性反応溶液の初期のpH
は、好ましくは約pH10〜約pH13であるが、温度
またはpHのいずれか、あるいは双方は反応が進行する
につれて変わりうることが予想される。好適と判断され
うる他の反応条件も、あるいは代わりに本発明に関連し
て使用することができる。例えば、温度および/または
pHは、所望であれば、初期反応温度および/またはp
Hのままかあるいはその近傍にとどまるように制御する
ことができ;他の溶媒を選択可能であり、そしてより一
般的には、好適であると判断されうる他の反応条件を選
択することが可能である。
【0012】マルトオリゴ糖とカチオン性誘導剤との間
の反応生成物は、カチオン性誘導剤で誘導されたマルト
オリゴ糖を包含する液体混合物であろう。反応は、好適
には少なくともDS約0.5まで、より好ましくは少な
くともDS約0.7まで置換されたマルトオリゴ糖を提
供するまで進行させる。このような置換度を達成するた
めに要求される反応時間は、典型的には約5時間まで、
より典型的には約3時間〜約4時間までである。好適な
態様において、反応溶液の固体含率は、約50%〜約7
0%の範囲にわたる。
【0013】所望であれば、誘導マルトオリゴ糖を反応
溶液から分離し、場合により単離してあるいは反応溶液
を「そのまま」所望の用途に使用することができる。一
般に誘導マルトオリゴ糖類が夾雑物捕捉剤としての使用
に向けられる場合には、単離は必要なく、溶液を「その
まま」使用することができる。
【0014】本発明はさらに夾雑物捕捉法を包含する。
この方法は、アニオン性物質を含む液体、例えば地方自
治体のあるいは産業排水またはパルプ完成紙料などを用
意し、そしてこの液体に誘導マルトオリゴ糖を、アニオ
ン性物質の少なくとも一部を中和するのに充分な量で添
加する工程を含む。
【0015】マルトオリゴ糖を製紙用完成紙料に夾雑物
捕捉剤として添加する場合には、ペーパーウェブの製造
法に関連してマルトオリゴ糖を使用することができる。
ペーパーウェブは、手漉紙または完成したシートであっ
てよい。図1は製紙法の代表的な形態を図示したもので
ある。繊維(典型的には木質パルプ繊維)を包含する繊
維質パルプスラリー10および、リグニン、ヘミセルロ
ースのような、少なくとも1のアニオン性夾雑物種を含
むアニオン性夾雑物を提供する。スラリーにカチオン性
マルトオリゴ糖を工程12および/または14で一部ま
たは全て添加する(これらの工程は典型的には混合チェ
ストポンプ(blend chest pump)(図示せず)の吸引
側、および主ファンポンプ(primary fan pump)(図示
せず)の吸引側で起こる)。現実には、添加ポイント
は、凝集剤の使用される製紙システムによって変わるだ
ろう。カチオン性マルトオリゴ糖は繊維質スラリーに添
加されるとすぐにアニオン性夾雑物を中和するだろう。
抄紙機のヘッドボックス(headbox)15で、パルプ繊
維および完成紙料に残った化合物を含むペーパーウェブ
が、完成紙料から形成され、工程17で除去される白液
を残す。中和されたアニオン性夾雑物はマルトオリゴ糖
と凝塊を形成し、そしてこのように形成された凝塊はペ
ーパーウェブと共に系から除去されるだろう。続く工程
で(図示せず)、ウェブを乾燥し、場合により巻き、そ
してシートに切断する。
【0016】誘導マルトオリゴ糖はいかなる量で使用さ
れ、製紙業社に好適とみなされた製紙プロセスのいかな
る工程で添加されてもよい。一般にマルトオリゴ糖は、
完成紙料に対して「過電荷(over-charging)」になる
ことなく(すなわち、完成紙料にさらに必要以上にカチ
オン性電荷を添加することなく)完成紙料中のアニオン
性夾雑物質を中和するのに充分な量で添加するべきであ
る。典型的な使用では、マルトオリゴ糖は製紙用完成紙
料に対して約0.10〜20lbs./トンの範囲、よ
り好ましくは約1〜約10lbs/トンの範囲で添加さ
れるであろうことが予想される。全ての他の側面で、製
紙プロセスは従来の、あるいは他の好適であると判明し
うるものであってよい。
【0017】本発明にしたがう誘導マルトオリゴ糖類
は、前記の用途への使用に限定されない。例えば、誘導
マルトオリゴ糖類は、ポリエステルに対して優れた接着
性を示し、よってポリエステルのワープサイジング(wa
rp sizing)に関連して有用である。当業者に既知であ
り得るあるいは発見されうる他の用途も、本発明によっ
て予測されるものとみなされる。
【0018】以下の実施例は、本発明を説明するために
提供されるものであるが、範囲を限定するものと解釈す
べきではない。
【0019】
【実施例】(実施例1)誘導マルトオリゴ糖の製造 本実施例は誘導マルトオリゴ糖類の製造を示すものであ
る。
【0020】200gのMALTRIN M100(乾燥固体基準)
を280mlの水に溶解した。水酸化ナトリウムの50
%溶液24.0g(0.24当量)を10分間にわたっ
て反応容器に添加した。QUAB 151(2,3−エポキシプ
ロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリ
ド、DeGussa Corp.)の70%溶液214.1g(0.
80当量)を反応液に添加し、そして温度を60℃に3
時間維持するように制御した。3時間後、反応混合物は
黒色の粘稠質な溶液であった。HClで溶液のpHを
6.0に調整した。次いで物質を凍結乾燥して361g
の暗橙茶色の非晶質固体を得た。湿潤および灰分回収
(ash correcting)の後の、精製していないものの収率
は92%であった。MALDI分子量分析は、最大分子量が
約1330単位を示した。窒素燃焼分析では、粗物質は
3.73%の窒素からなることを示した。試料の一部を
3000MWCO膜(Millipore Corp.、Bedford Mass)を
通して限外濾過し、窒素価3.07%を有する残存物
(retentate)を得た。この値から反応効率82%を決
定した。この反応効率は置換度(DS)0.66と相関
していた。
【0021】計算値:DS=(反応効率)(QUAB 151の
モル数)/(アンヒドログルコース単位のモル数) (実施例2〜10)誘導マルトオリゴ糖類の調製 以下の各実施例では、誘導マルトオリゴ糖を提供する。
【0022】振とう機、サーモカップル、加熱器、およ
び還留器を備えた樹脂製ケトルに420gのH2Oおよ
び450g(そのままでは643g)のQUAB 151を入れ
た。加熱制御により35℃にしてマルトオリゴ糖(以下
の表に示したタイプおよび量のもの)を加えた(各マル
トオリゴ糖を別々の実施例で加えた)。温度が35℃に
達したときに50%NaOH溶液を72g加えた。加熱
を60℃まで続け、その温度に3時間保持した。
【0023】誘導反応は発熱反応であり、各場合におい
て反応温度はおよそ90〜100℃に達した。3時間の
保持の後、ヒーターを切り、そして混合物を冷却させ
た。混合物の温度が46℃に達したとき、溶液のpHを
濃縮HClでpH6.0に調整した。この操作を以下の
実施例において繰り返した:
【0024】
【表2】
【0025】各実施例のマルトオリゴ糖類のDSは、
0.56を超えていた。評価 実施例2〜10にしたがって製造した誘導マルトオリゴ
糖類を評価して、製紙プロセスにおける夾雑物捕捉剤と
しての使用に関する適合性を測った。
【0026】商業用の製紙工場は、通常の運転では完成
紙料1トン当たり3.8lbs.の市販の凝集剤を使用
することがわかった(使用する凝集剤はNALCO 7607、ポ
リアミン凝集剤である)。この量に基づいて、実施例2
〜10にしたがって準備された各凝集剤の電荷をコロイ
ド滴定で測定し、そして従来の凝集剤の量である完成紙
料1トン当たり3.8lbs.に相当するマルトオリゴ
糖凝集剤の必要量を測定した。
【0027】以下の結果が得られた:
【0028】
【表3】
【0029】各添加のレベルは湿潤重量基準である。実
施例2〜10のマルトオリゴ糖類の添加のレベルの相違
は、固体割合の違いと、マルトオリゴ糖骨格に存在する
第4級アンモニウムの量の違いに起因した。
【0030】各凝集剤が動的歩留まり特性(dynamic re
tention property)に及ぼす影響を分析した。歩留まり
特性を測定するために、Britt Jar装置(Paper Researc
h Materials, Inc.,ニューヨーク州、シラキュース)を
用いた。商業用製紙工場の条件をシミュレートするため
に、白液とシック紙料(thick stock)からなる完成紙
料500mlを工場から得て、Britt Jarに入れて操作
した。Britt Jarの中の完成紙料に以下に示す成分を順
々に加えた:
【0031】
【表4】
【0032】対照として、テスト手順の最初と最後でい
かなる凝集剤も使用せずに歩留まり値を求めた。比較の
ために、ポリアルミニウムクロリドとNALCO 7607凝集剤
についても評価した。
【0033】各シーケンスに次いで、30ml分取分を
Britt Jarからとってこれを廃棄し、汚染されていない
テスト試料の採取を確実に行った。次いで、試料100
mlをとり、濾過して灰にし、そして填料(フィラー)
と繊維(ファイバー)の総歩留まり量を標準法にしたが
って計算した。テストは2日間にわたって行った。以下
の結果が得られた:
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】各値は2つのデータ点の平均値である。テ
スト手順の最初と最後に用いた対照(「ブックエン
ド」)試料から明らかなように、テストの進行の間、歩
留まり値はかなり増加した。これは温度の変化および/
または完成紙料中の繊維含率の変化によるものと考えら
れ、歩留まり値の検討においては典型的なことである。
これらブックエンドの結果を歩留まり特性の評価の際に
考慮に入れることができる。
【0037】時間につれて起こる完成紙料の変化を考慮
に入れても、カチオン性マルトデキストリン類はポリア
ルミニウムクロリドまたはNALCO 7607凝集剤と比べて同
等のあるいは優れた歩留まり特性を提供した。テストし
た全ての凝集剤のうち、実施例5(誘導MALTRIN M100)
と実施例10(誘導MALTRIN M180)が総合的に最も良い
歩留まり特性を提供した。
【0038】実施例3の凝集剤、NALCO 7607およびポリ
アルミニウムクロリドで処理した完成紙料から手漉き紙
を調製した。対照として、凝集剤を使用しないで手漉き
紙を調製した。上記のBritt Jarシーケンスを繰り返
し、40lb./3000ft2の目標重量基準からな
る手漉き紙を作るのに充分な完成紙料を使用して、手漉
き紙を作った。Britt Jarで処理して完成紙料を変化さ
せた後、完成紙料を手漉き型に移し、手漉き紙を形成し
た。各シートを5分および2分の2回プレスして100
°Fのドラム乾燥機でおよそ20分間乾燥し、そしてテ
スト前に常湿の部屋で一晩硬化させた。この時間が過ぎ
た後、手漉き紙を重量、ミューレン強度、引張強度、ス
コットボンド強度(Scot Bond strength)、厚さ(cali
per)、白色度(GEスケール)、有孔度、および灰分含
率を基準に評価した。テストは従来のテスト方法を用い
て実行した(有孔度はGurley Densimeterを用いてテス
トした)。以下の結果が得られた:
【0039】
【表7】
【0040】全ての凝集剤が、対照に比べてスコットボ
ンド強度の著しい増加を示した。さらにカチオン性マル
トデキストリンの使用はミューレン強度の増加だけでな
く、有孔度の増加も示し、これはより有孔性の低いシー
トであることを意味する。有孔度の増加はピンホールの
減少と相関しており、これによりコピー用紙製造に利益
をもたらし、そして優れた印刷特性とも相関しうる。
【0041】歩留まり特性の評価を、純水、白液、およ
びシック紙料からなる「洗浄した」完成紙料を用いて、
実施例2,4および8の誘導マルトオリゴ糖類について
行った。凝集剤の添加のレベルは完成紙料の電荷の必要
量に対応するように調整した(調整は63%の減少であ
った)。デンプン、歩留まり向上剤、およびコロイダル
シリカの添加レベルも減少した。以下の結果が得られ
た:
【0042】
【表8】
【0043】各値は5つのデータ点の平均値である。テ
スト手順の最初と最後から得られた対照試料の歩留まり
値は、時間がたつにつれて加工完成紙料の変化を再度示
した。この変化を考慮に入れると、実験のマルトオリゴ
糖類はポリアルミニウムクロリドとNalco 7607凝集剤双
方よりも良く機能した。
【0044】完成紙料から手漉き紙を製造し、そして重
量、ミューレン強度、引張強度、スコットボンド強度、
厚さ、白色度、有孔度および灰分含率を基準にテストし
た。以下の結果が得られた:
【0045】
【表9】
【0046】各値は5つのデータ点の平均値である。こ
の一連のテスト手順で、実験のマルトオリゴ糖類は商業
的に入手可能な凝集剤と比較して非常に優れた強度を示
した。 (実施例11)本実施例は、歩留まり向上剤系を有する
市販の夾雑物捕捉剤に対して、2つのカチオン性マルト
オリゴ糖類を比較して評価したものである。
【0047】マルトオリゴ糖類はQUAB 151およびQUAT 1
88を用いてカチオン性に誘導したものであった。QUAT 1
88の誘導に際しては、振とう機、サーモカップル、加熱
器および還留器を備えた樹脂製ケトルに263gの水、
373.6g(そのままで575g)のQUAT 188および
MALTRIN M040(乾燥固体基準で400g、そのままで4
26g)を入れた。混合物を75℃まで加熱する間に5
0%水酸化ナトリウム溶液(208g)を加えた。反応
を3時間の持続時間で撹拌して行い、発熱反応は99℃
でピークになった。3時間の75℃以上での反応の後、
混合物を30℃まで空冷し、そして30mlの濃縮塩酸
を加えてpH5.2まで中和した。
【0048】誘導マルトオリゴ糖類を評価するために、
75%クラフトハードウッドパルプと25%クラフトソ
フトウッドをブレンドしてパルプ完成紙料を製造した。
完成紙料を、Valley Beaterを用いてカナダ標準濾水度
300mlまでリファイニングした。完成紙料の濃度は
0.5072%であった。別の実験で、カチオン性に誘
導されたマルトオリゴ糖類をそれぞれBritt Jar内の完
成紙料に加え、そしてBritt Jarワイヤーを通してドロ
ーした完成紙料の歩留まり特性を評価した。Britt Jar
の添加シーケンスは以下の通りである:
【0049】
【表10】
【0050】対照として、同じようにしてNalco 7607も
評価した。各実験における夾雑物捕捉剤の添加のレベル
は以下の通りであった:
【0051】
【表11】
【0052】以下の結果が得られた:
【0053】
【表12】
【0054】これらの結果は、カチオン性に誘導された
マルトオリゴ糖類がそれぞれ対照であるNalco 7607と同
等のあるいはよりよい歩留まり特性を提供することを示
している。さらに、QUAT 188は、夾雑物捕捉剤としての
使用を目的としたマルトオリゴ糖に関連する使用のため
の誘導剤として、好適であることがわかった。
【0055】したがって、本発明は誘導マルトオリゴ糖
とともに製紙用完成紙料の凝集剤、ペーパーウェブの製
造方法およびペーパーウェブを提供する。本発明の特定
の態様が示されたが、本発明はこれに限定されず、当業
者による変更、特に前述の教示の観点からの変更が可能
である。例えば、ある用途においてマルトオリゴ糖をア
ニオン性誘導剤で誘導しうることが予想される。アニオ
ン性誘導マルトデキストリンは、再循環歩留まり向上
剤、デンプン類、ミョウバン、などのカチオン性成分を
過剰量含んだ系に使用することが可能であろう。このよ
うな過剰の物質を中和することにより歩留まり、濾水
度、地合いおよび他の物理的シート特性および機械性能
を改良することが期待される。したがって、付加された
請求項によって、上記のような改良に重要となる態様を
構成する態様を本発明の真の精神および範囲内に導入す
る、所定の変更をカバーすると考えることができる。こ
こに引用した文献は全て参考文献としてここに組み込
む。
【図面の簡単な説明】
【図1】ペーパーウェブを製造する方法の説明図であ
る。
【符号の説明】
10:繊維質パルプスラリー 15:ヘッドボックス
フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭47−26863(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 17/00 - 27/42 B01D 21/01 C02F 1/52 C08B 33/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アニオン性夾雑物を捕捉する方法であっ
    て、以下の工程: 凝集可能な物質を含有する液体を用意し、 前記液体に、以下の工程: マルトオリゴ糖を用意し、 前記マルトオリゴ糖をカチオン性誘導剤で誘導して誘導
    マルトオリゴ糖を 形成する(前記マルトオリゴ糖が、夾
    雑物捕捉剤として好適な前記誘導マル トオリゴ糖になる
    のに充分なDSを有する)、 を含む方法 で製造した誘導マルトオリゴ糖を、前記物質
    の少なくとも一部を中和するのに効果的な量添加する、 を含む、前記方法。
  2. 【請求項2】 前記液体が、製紙用完成紙料である、請
    求項に記載の方法。
  3. 【請求項3】 ペーパーウェブを製造する方法であっ
    て、以下の工程: 製紙用完成紙料を用意し、ここで前記製紙用完成紙料
    は、繊維質物質と、少なくとも1のアニオン性夾雑物種
    を含むアニオン性夾雑物とを含有し、 前記製紙用完成紙料に、以下の工程: マルトオリゴ糖を用意し、 前記マルトオリゴ糖をカチオン性誘導剤で誘導して誘導
    マルトオリゴ糖を 形成する(前記マルトオリゴ糖が、夾
    雑物捕捉剤として好適な前記誘導マル トオリゴ糖になる
    のに充分なDSを有する)、 を含む方法 で製造した誘導マルトオリゴ糖を、前記完成
    紙料中の前記アニオン性夾雑物の少なくとも一部を中和
    するのに効果的な量添加し、そして前記完成紙料からペ
    ーパーウェブを引き揚げ、ここで前記中和されたアニオ
    ン性夾雑物の少なくとも一部が、前記ウェブに引き揚げ
    られる、 を含む、前記方法。
  4. 【請求項4】 請求項に記載の方法で製造される、ペ
    ーパーウェブ。
  5. 【請求項5】 ペーパーウェブの製造方法であって、以
    下の工程: 製紙用完成紙料を用意し、ここで前記完成紙料は、繊維
    質物質と、少なくとも1のアニオン性夾雑物種を含むア
    ニオン性夾雑物とを含有し、 前記製紙用完成紙料に、夾雑物捕捉剤を、前記完成紙料
    中の前記アニオン性夾雑物の少なくとも一部を中和する
    のに効果的な量添加し、ここで前記夾雑物捕捉剤は、カ
    チオン性に荷電したマルトオリゴ糖を含み、そして前記
    完成紙料からペーパーウェブを引き揚げ、ここで前記中
    和されたアニオン性夾雑物の少なくとも一部が、前記ウ
    ェブに引き揚げられる、 を含む、前記方法。
  6. 【請求項6】 請求項に記載の方法で製造される、ペ
    ーパーウェブ。
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