JP3419402B2 - 弾性表面波装置、通信装置 - Google Patents
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Description
するくし型電極部(インターディジタルトランスデュー
サ、以下、IDTと記す)を、複数、弾性表面波の伝搬
方向に沿って形成した縦結合共振子型弾性表面波フィル
タといった弾性表面波装置およびそれを用いた通信装置
に関するものである。
タとして、弾性表面波フィルタ(弾性表面波装置)が広
く用いられている。バンドパスフィルタに求められる各
性能としては低損失、高減衰量、広帯域などが挙げられ
る。弾性表面波フィルタでも、上記各性能に関する多く
の発明がなされている。
ィルタの広帯域化の方法として、例えば特開平5−26
7990号公報などのように、隣り合う2つのIDT間
を通して電極指が周期的に並ぶ条件、具体的には、隣り
合う2つのIDTの隣接する電極指の中心間距離を、電
極指のピッチで決まる波長の0.5倍から外すことで、
共振モードの配置を最適化するという方法が広く用いら
れている。
来の場合には、広帯域化することはできても、挿入損失
は悪化してしまうという問題があった。
間の距離を電極指のピッチで決まる波長の0.5倍から
外すと、その部分で弾性表面波の伝搬路の周期的な連続
性が悪くなる。特に漏洩弾性表面波(リーキー波)を用
いる36°YcutX伝搬LiTaO3 や64°Ycu
tX伝搬LiNbO3 などの圧電基板を用いた弾性表面
波フィルタにおいては、バルク波放射による損失が増大
してしまい、結果、広帯域化することはできても、挿入
損失(伝搬損失)は悪化してしまうという問題があっ
た。
は、上記の問題を解決するために、圧電基板上に、複数
の電極指を有するIDTが、弾性表面波の伝搬方向に沿
って、複数、形成されている縦結合共振子型の弾性表面
波装置であって、少なくとも一つのIDTについて、他
のIDTに隣り合う端からの一部分の電極指のピッチ
は、他の部分のピッチより小さく設定され、前記ピッチ
を小さくした電極指のデューティー(以下、dutyと
記し、また、メタライゼーションレシオともいう)は他
の部分の電極指のdutyより小さく設定されているこ
とを特徴としている。
縦結合共振子型の弾性表面波フィルタにおいて、2つの
IDTが隣り合う端から一部分の電極指のピッチを、そ
のIDTの他の部分のピッチよりも狭くし、さらにこの
ピッチを狭くした電極指(以後、狭ピッチ電極指)のd
utyを他の部分の電極指のdutyよりも小さく設定
することで、従来技術と同等以上の帯域幅を有し、か
つ、挿入損失が小さく、かつ、耐圧劣化を引き起こし難
く、かつ、電極形成を容易化できる。
互いに隣り合う両方のIDTに対し、ピッチを異ならせ
た電極指がそれぞれ設けられ、前記ピッチを異ならせた
電極指のピッチで決まる波長をλI2 、その他の電極指
のピッチで決まる波長をλI 1 としたとき、2つのID
Tが隣り合う電極指中心間距離を0.5λI2 に略一致
させたことが好ましい。
IDTに対し、ピッチを異ならせた電極指がそれぞれ設
けられた場合に、2つのIDTが隣り合う電極指中心間
距離を0.5λI2 に略一致させたことにより、上記各
IDT間を伝搬する弾性表面波の連続性を確保できるの
で、挿入損失の劣化を抑制できる。
隣り合う各IDTの何れか一方にピッチを異ならせた電
極指が設けられ、前記ピッチを異ならせた電極指のピッ
チで決まる波長をλI2 、その他の電極指のピッチで決
まる波長をλI1 としたとき、2つのIDTが隣り合う
電極指中心間距離を0.25λI1 +0.25λI2に
略一致させたことが好ましい。
Tの何れか一方にピッチを異ならせた電極指が設けられ
た場合に、2つのIDTが隣り合う電極指中心間距離を
0.25λI1 +0.25λI2 に略一致させたことに
より、上記各IDT間を伝搬する弾性表面波の連続性を
確保できるので、挿入損失の劣化を抑制できる。
DTが隣接している端からの一部分の電極指のピッチを
そのIDTの他の電極指のピッチと異ならせた、IDT
において、前記ピッチを異ならせた電極指と異ならせて
いない電極指が隣り合う箇所の電極指中心間距離を0.
25λI1 +0.25λI2 に略一致させたことが好ま
しい。
た電極指と異ならせていない電極指が隣り合う箇所の電
極指中心間距離を0.25λI1 +0.25λI2 に略
一致させたことにより、隣り合う前記ピッチを異ならせ
た電極指と異ならせていない電極指との間での弾性表面
波の連続性をより確保できて、挿入損失の劣化を抑制で
きる。
チを小さくした電極指のdutyを、そのIDTの他の
部分の電極指のdutyより小さく、かつ0.45以上
としてもよい。上記構成によれば、ピッチを小さくした
電極指のdutyを、そのIDTの他の部分の電極指の
dutyより小さく、かつ0.45以上としたことによ
り、挿入損失の劣化抑制をより確実化できる。
題を解決するために、圧電基板上に、複数の電極指を有
するIDTが、弾性表面波の伝搬方向に沿って、複数、
形成されている縦結合共振子型の弾性表面波装置であっ
て、少なくとも何れかの2つのIDT間にて隣り合う電
極指のdutyを他の部分の電極指のdutyより小さ
く設定し、2つのIDT間にて隣り合う電極指中心間隔
を、他の部分の電極指中心間隔(電極指ピッチ)よりも
小さく設定したことを特徴としている。
つのIDT間にて隣り合う電極指のdutyを他の部分
の電極指のdutyより小さく設定したことにより、通
過帯域が広く、静電破壊の発生を抑制でき、かつ、製造
上の加工を容易化できる。
不平衡入出力を有していてもよい。
ために、上記の何れかに記載の弾性表面波装置を用いた
ことを特徴としている。
不平衡変換の機能を有する弾性表面波装置は、特に10
0MHz以上のGHz帯域において、小型化を図れるの
で上記弾性表面波装置を用いた通信装置も小型化でき、
また、用いた弾性表面波装置を前述したように低損失に
できるので、回路構成を簡素化できて、この点からも小
型化が図れる。
1ないし図14に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。
の第一形態に関わる弾性表面波フィルタ(弾性表面波装
置)の電極の略図である。以後の実施の第一形態では、
EGSM(Extended Global System for Mobile Commun
ications)−Rx(発信部)用の弾性表面波フィルタを
例に挙げて説明する。
示すように、40±5°YcutX伝搬LiTaO3 か
らなる基板30上に弾性表面波フィルタがAl電極によ
り形成されている。弾性表面波フィルタは、フィルタ部
1、フィルタ部2を2段縦続接続した構成となってい
る。
の縦結合共振子型フィルタであり、電極設計の詳細も同
じである。各フィルタ部1、2は、それらの弾性表面波
の伝搬方向が互いにほぼ平行となり、かつ、各フィルタ
部1、2の上記伝搬方向と平行な中間線(仮想線)に対
し各IDTが互いに対称となるようにそれぞれ配置され
ている。
性表面波の伝搬方向に沿った両側)にIDT4、5を配
置し、これらのIDT3、4、5を左右から挟み込むよ
うに各リフレクタ6、7が形成されている。フィルタ部
2では、IDT15の左右(弾性表面波の伝搬方向に沿
った両側)にIDT16、17を配置し、これらのID
T15、16、17を左右から挟み込むように各リフレ
クタ18、19が形成されている。IDT3に接続され
た端子8は入力信号端子、IDT15に接続された端子
9は出力信号端子である。
T4の間、およびIDT3とIDT5の間にて、隣り合
って対面する部分およびそれに隣り合う数本の電極指の
ピッチを、IDT3、4、5の他の部分電極指より狭く
している(図1の電極指10と電極指11の箇所)。ち
なみに、図1では図を簡潔にするために電極指の本数を
少なく示している。
の電極指のdutyはIDT3、4、5の他の部分の電
極指のdutyより小さくなるように設定している。
細な設計は、IDT−IDT間のピッチを狭くした電極
指(例えば電極10)のピッチで決まる波長をλI2 、
その他の狭くしていない電極指のピッチで決まる波長を
λI1 としたとき、 交叉幅:35.8λI1 IDT本数(IDT4、IDT3、IDT5の順):2
5(4)/(4)27(4)/(4)25本(カッコ内
はピッチを小さくした電極指の本数) IDT波長λI1 :4.19μm、λI2 :3.90μ
m リフレクタ波長λR:4.29μm リフレクタ本数:100本 IDT−IDT間隔: 隣り合う、波長λI1 とλI2 の各電極指に挟まれた箇
所の間隔(図1の間隔12):0.25λI1 +0.2
5λI2 隣り合う、波長λI2 の各電極指に挟まれた箇所の間隔
(図1の間隔13):0.50λI2 IDT−リフレクタ間隔:0.50λR IDTduty: 波長がλI1 のピッチの箇所(図1の電極指14):
0.73 波長がλI2 のピッチの箇所(図1の電極指10と電極
指11):0.60 リフレクタduty:0.55 電極膜厚:0.08λI1 である。
波フィルタの構造を図2に第一従来例として示す。第一
従来例は本実施の第一形態と同じく、40±5°Ycu
tX伝搬LiTaO3 からなる基板30上に弾性表面波
フィルタがAl電極により形成されている。
1、22を2段縦続した構成となっている。各フィルタ
部21、22は本実施の第一形態と同じく3IDTタイ
プの縦結合共振子型の弾性表面波フィルタであり、2つ
のフィルタ部21、22の電極設計の詳細は互いに同じ
である。各フィルタ部21、22の詳細な設計は、互い
に等しい電極指のピッチで決まる波長をλIとしたと
き、 交叉幅:56.7λI IDT本数(IDT23、IDT24、IDT25の
順):23/33/23本 IDT波長λI:4.20μm リフレクタ波長λR:4.28μm リフレクタ本数:110本 IDT−IDT間隔:0.31λI IDT−リフレクタ間隔:0.50λR IDTduty:0.73 リフレクタduty:0.61 電極膜厚:0.08λIである。
性を図3に示す。本実施の第一形態の周波数特性は、第
一従来例と比較して通過帯域内の挿入損失が大幅に改善
されていることが分かる。最小挿入損失で見ると第一従
来例では約2.2dBであるのに対し、本実施の第一形
態では約1.8dBと、およそ0.4dB改善してい
る。
4.0dBの通過帯域幅は約40MHzであるが、本実
施の第一形態ではスルーレベルから3.4dBで同じ帯
域幅が得られている。つまり、通過帯域内全体で、約
0.6dBの挿入損失が改善したことになる。
ついて以下に説明する。第一従来例の狭ピッチ電極指を
用いない3IDTタイプの縦結合共振子型の弾性表面波
フィルタの設計では、通過帯域を広げる場合に、IDT
−IDT間隔を0.25λI前後とすることで、図4に
示す0次モード、2次モードの他に、IDT−IDT間
隔部に弾性表面波の強度分布のピークを持つ共振モード
の3つを使って通過帯域を形成していた。
DT間隔を0.25λI前後とすることで弾性表面波の
伝搬路中に不連続な部分が発生する事になる。この不連
続な部分ではバルク波として放出する成分が多くなって
しまうため、伝搬損失が大きくなるという問題が生じて
いた。
を小さくするために、IDT−IDT間隔を0.50λ
I前後として不連続な部分を無くした場合には、IDT
−IDT間隔を0.25λI前後とした時のように3つ
のモードが使えなくなり、広帯域化できないという問題
があった。
決するために、3つの共振モードを使って通過帯域を形
成できるように設定されていると共に、第一従来例のよ
うなバルク波として放出する成分による損失を低減した
ものである。
と各IDT4、5が隣接する箇所の電極指(例えば電極
指10や電極指11)のピッチを他の部分の電極指(例
えば電極指14)のピッチよりも部分的に小さくするこ
とで3つの共振モードを使って通過帯域を形成できるよ
うになっている。さらに、本実施の第一形態において
は、IDT3と各IDT4、5との間隔(例えば間隔1
3)をその周りのIDTの電極指のピッチで決まる波長
の約0.5倍に設定することで、第一従来例のようなバ
ルク波として放出する成分による損失が低減される。
性表面波の波長に対し電極指の周期が小さい場合、弾性
表面波そのものの伝搬損失が小さくなるので、狭ピッチ
電極指部分では弾性表面波の損失が低減されるという効
果もある。
示したように、第一従来例の設計よりも広い帯域幅を有
し、かつ挿入損失の小さな弾性表面波フィルタが得られ
ることが分かる。
ッチ電極指のdutyを他の電極指のdutyよりも狭
くしているため、電極指間のギャップは狭ピッチ電極指
間で0.78μm、他の電極指間で0.57μmとなっ
ており、電極指間の最小ギャップは狭ピッチ電極指以外
の他の電極指間のギャップとなっている。
圧劣化は電極指間の最小ギャップによって決まり、この
値が小さいほど、耐圧劣化を引き起こしやすい。そのた
め、本実施の第一形態においては、狭ピッチ電極指を用
いているが、最小電極指間ギャップは狭ピッチ電極指以
外の電極指間ギャップとなり、狭ピッチ電極指を用いな
い場合と同等に耐圧劣化を引き起こし難い弾性表面波フ
ィルタが得られる。
が他の電極指の電極指間ギャップよりも大きくなってい
るため、製造工程においてこの部分での抜け不良が発生
し難く、電極形成を容易に、かつ確実に行なえる。
った場合、LT基板等の圧電性を有する基板30上を伝
搬する弾性表面波は、バルク波として放出される成分が
増加する。その結果、伝搬損失が大きくなり、挿入損失
が増大する。
yのみを小さくした場合にも、この狭ピッチ電極指の部
分でバルク波として放出される成分が増加するため、伝
搬損失が大きくなることが予想された。
どの程度まで小さくすることができるかを調査した。調
査の方法は、図1の構成で狭ピッチ電極指のdutyを
他の部分の電極指のdutyよりも小さくしていき、そ
れに伴う伝搬損失の変化を調べていった。実際には、d
utyを変化させたときにインピーダンスが変化する分
を、狭ピッチ電極指のピッチを変化させて調整してい
る。
伝搬損失の値を示す。ここで伝搬損失とは、通過帯域内
の挿入損失からインピーダンスの不整合による損失、電
極指の抵抗分によるオーミック損失を差し引いた値であ
る。
ると、伝搬損失は1.7dBまで増大する。第一従来例
で同じように伝搬損失を求めると、1.65dBであっ
た。よって、図5より、dutyを略0.45以上とし
ておけば、第一従来例に対して伝搬損失を同等もしくは
それ以下に抑えることができると言える。
によらずほぼ一定の値を取る。そのため、dutyを略
0.45以上としておけば、通過帯域内において、伝搬
損失を従来設計と同等以下に小さくでき、その結果、通
過帯域内において挿入損失を小さくできる。
(本実施の第一形態のように、ピッチを小さくした部分
のdutyを他の部分の電極指のdutyより小さくせ
ずに等しくした場合)での各特性を、図6及び図7に示
す。図6は、振幅(挿入損失)の周波数特性である。図
7は、VSWR(Voltage Standing Wave Ratio 、電圧
定在波比)の周波数特性である。本実施の第一形態で
は、第一従来例に対し、ピッチを小さくした部分のdu
ty、ピッチ、交叉幅を以下のように変えている。 ・波長がλI2 のピッチの箇所(図1の電極指10と電
極指11):第一従来例より0.13小 ・ピッチを小さくした部分のピッチ IDT波長λI2 :第一従来例より0.01μm大 ・交叉幅 交叉幅:第一従来例より4.7λI1 小 dutyの他にピッチを小さくした部分のピッチ、交叉
幅も変更したのは、インピーダンスの整合を取るためで
ある。
帯域内(925MHz〜960MHz)における第一従
来例のVSWRは1.73であるのに対して、本実施の
第一形態では1.62と約0.11改善され、さらに図
6に示すように、最小挿入損失は大きくなっているた
め、通過帯域での挿入損失の周波数特性が平坦化され、
通過帯域内での偏差が小さくなっている。このとき、ス
ルーレベルから4dBでの通過帯域幅は、本実施の第一
形態と第一従来例とでほぼ同じであるため、重要特性で
ある通過帯域内での最大挿入損失、及びそれを実現する
製造公差は悪化していない。
Tを有する縦結合共振子型の弾性表面波フィルタにおい
て、2つのIDTが隣接している端からの一部分の電極
指のピッチを、そのIDTの他の部分の電極指のピッチ
よりも狭くして、さらにピッチを狭くした電極指のdu
tyを他のピッチの電極指のdutyよりも小さくする
ことで、通過帯域幅が広く、かつ、挿入損失及びVSW
Rが小さく、かつ、電極形成が容易で、かつ、耐圧劣化
を引き起こしにくい縦結合共振子型弾性表面波フィルタ
が得られる。
態に係る弾性表面波フィルタについて、図8、図9に基
づいて以下に説明する。図8、図9は、上記の各IDT
の概略構成図であり、図8は弾性表面波フィルタ全体の
概略構成図、図9は各IDTが隣り合う部分の拡大図で
ある。
表面波フィルタがAl電極により形成されている。図8
において、IDT41の左右(弾性表面波の伝搬方向に
沿うように)に各IDT42、43を配置し、これらの
IDT41、42、43を挟み込むように各リフレクタ
44、45が形成されている。各IDT42、43に接
続された端子46は不平衡入力信号端子である。IDT
41の互いに交叉している各電極指部にそれぞれ接続さ
れた、各端子47、48は平衡出力信号端子である。
IDT41とIDT43のそれぞれの隣接する最外の電
極指49、電極指50、電極指51、電極指52のそれ
ぞれの中心間隔は、広帯域化のためIDTの電極指のピ
ッチで決まる波長の0.5倍よりも小さくなっている
が、最外の電極指はいずれもその中心座標は変えない
(維持した)まま電極指幅のみが小さくなっている。
DT41、43が隣り合う部分の電極指51と電極指5
2の電極指間ギャップ53は他の電極指間ギャップ60
と同程度もしくはそれ以上に大きく、電極指51と電極
指54の電極指間ギャップ55、電極指52と電極指5
4の電極指間ギャップ56は他の電極指間ギャップ60
よりも大きくなっている。
の弾性表面波フィルタのIDTが隣り合う部分の拡大図
を示す。IDT−IDT間以外の構成は本実施の第二形
態と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
図10において、IDTが隣り合う部分の最外の各電極
指61のdutyは他の電極指62のdutyと同じに
なっており、そのため、最外の電極指間ギャップ63は
その他の電極指間ギャップ64と比較して小さくなって
いる。
異なる方向からの電極指(フィンガー)61が対向する
場合を比較のための第二従来例として挙げたが、図11
のように、同じ方向からの電極指が対向する場合におい
ても、同様である。
−IDT間にて隣り合う最外の電極指間ギャップが他の
電極指間ギャップと同程度もしくはそれ以上に広くなる
ので、製造工程のエッチング工程において、この部分で
Alエッチング不良の発生することが第二従来例と比較
して防止される。
T−IDT間にて隣り合う最外の電極指間ギャップの部
分で表面波の音響的不連続部分が発生せず、損失増加な
どによる特性劣化が回避され、また、信号端子間、もし
くは信号端子−アース端子間の短絡による動作不良の発
生が防止され、かつ製造工程における電極形成を容易に
確実に行うことができる。また、IDT−IDT間にて
隣り合う最外の電極指間ギャップの部分での静電破壊が
発生し難い。
DTギャップが電極指のピッチで決まる波長の0.5倍
以下としているが、0.5倍以上の場合にも、IDT−
IDT間にて隣り合う最外の電極指間ギャップがその他
の電極指のギャップより大きくなる。
電極指の中心間距離IDT−IDTギャップが電極指の
ピッチで決まる波長の0.5倍以上の場合においても、
この部分で表面波の音響的不連続部分が発生せず、損失
増加などによる特性劣化が起こらず、また、信号端子間
の短絡による動作不良が発生せず、かつ製造工程におけ
る電極形成を容易に行うことができる。また、この部分
での静電破壊が発生し難い。
Tを有する縦結合共振子型の弾性表面波フィルタにおい
て、2つのIDT間に隣接する電極指のdutyを他の
電極指のdutyよりも小さくすることにより、通過帯
域幅が広く、かつ、製造工程において電極形成が容易
で、かつ静電破壊が起こり難い縦結合共振子型の弾性表
面波フィルタが得られる。
ィルタの広帯域化の方法として、例えば特開平5−26
7990号公報に開示されているように、隣り合う2つ
のIDT間を通して電極指が周期的に並ぶ条件、具体的
には、隣り合う2つのIDTの隣接する電極指の中心間
距離(IDT−IDT間隔)を、IDTの電極指のピッ
チで決まる波長(λI)の0.5倍から外すことで、図
4に示す共振モードの配置を最適化するという方法が広
く用いられており、特に0.5倍よりも小さくすること
で広帯域な弾性表面波フィルタとなることが知られてい
る。
PCS−Rx用縦結合共振子型弾性表面波フィルタにお
いて、IDT−IDT間隔を0.5λIよりも小さくし
ていった時の図4に示すBとCのモードの周波数間隔を
実験により求めた値を示す。
さくすることで、図4に示すBとCの表面波の共振モー
ドの間隔が広がり、その結果、より広い通過帯域幅を得
ることができる。
5λIよりも小さくしたときのIDT−IDT間の周辺
の電極構成を示す。2つのIDT34、35間に隣り合
う電極指34a、35a間の中心間隔31が0.5λI
よりも小さくなっているため、この部分での電極指間ギ
ャップ32のみが他の部分での電極指間ギャップ33に
比べて狭くなっている。
5間にて隣り合う電極指の間隔を電極指のピッチで決ま
る波長の0.5倍より小さくした場合には、この部分の
電極指間ギャップのみが他の部分の電極指間ギャップよ
りも小さくなり、この部分において製造工程においてA
lエッチング不良が発生しやすいという問題を有してい
た。
弾性表面波の音響的不連続部分が発生することによる損
失増加等によりフィルタの特性劣化につながるという問
題があった。
aの一方がシグナル電極で、もう一方がアース電極の場
合、もしくは一方がシグナル電極でもう一方もシグナル
電極の場合には、Alエッチング不良によって信号端子
間が短絡され、弾性表面波フィルタが動作しないという
問題、また、ギャップが小さいために、この部分で静電
破壊を引き起こしやすいという問題があった。
つ以上のIDTを備えた縦結合共振子型の弾性表面波フ
ィルタにおいて、IDTが隣接する部分の最外の電極指
のdutyを他の電極指のdutyよりも小さくするこ
とで、通過帯域が広く、静電破壊を引き起こし難く、か
つ、製造上の加工を容易化できる。
第一および第二形態に記載の弾性表面波装置を搭載した
通信装置100について説明する。
バ側(Rx側)として、アンテナ101、アンテナ共用
部/RFTopフィルタ102、アンプ103、Rx段
間フィルタ104、ミキサ105、1stIFフィルタ
106、ミキサ107、2ndIFフィルタ108、1
st+2ndローカルシンセサイザ111、TCXO
(temperature compensated crystal oscillator(温度
補償型水晶発振器))112、デバイダ113、ローカ
ルフィルタ114を備えて構成されている。Rx段間フ
ィルタ104からミキサ105へは、図14に二本線で
示したように、バランス性を確保するために各平衡信号
にて送信することが好ましい。
トランシーバ側(Tx側)として、上記アンテナ101
および上記アンテナ共用部/RFTopフィルタ102
を共用するとともに、TxIFフィルタ121、ミキサ
122、Tx段間フィルタ123、アンプ124、カプ
ラ125、アイソレータ126、APC(automaticpow
er control (自動出力制御))127を備えて構成さ
れている。
1stIFフィルタ106、TxIFフィルタ121、
Tx段間フィルタ123には、上述した本実施の第一お
よび第二形態に記載の弾性表面波装置が好適に利用でき
る。
波装置が、従来と同等以上の帯域幅を有し、挿入損失及
びVSWRが小さく、耐圧劣化を引き起こし難く、か
つ、電極形成を容易化できるものであるので、小型化や
高性能化や低コスト化、特にGHz帯域以上の通過帯域
を備えた通信装置において小型化、高性能化および低コ
スト化を図れるものとなっている。
に、圧電基板上に形成されたIDTの少なくとも一つの
IDTについて、他のIDTに隣り合う端からの一部分
の電極指のピッチは、他の部分のピッチより小さく設定
され、前記ピッチを小さくした電極指のdutyは他の
部分の電極指のdutyより小さく設定されている構成
である。
上の帯域幅を有し、かつ、挿入損失及びVSWRが小さ
く、かつ、耐圧劣化を引き起こし難く、かつ、電極形成
を容易化できるという効果を奏する。
うに、圧電基板上に、複数の電極指を有するIDTが、
弾性表面波の伝搬方向に沿って、複数、形成されている
縦結合共振子型の弾性表面波装置であって、少なくとも
何れかの2つのIDT間にて隣り合う電極指のduty
を他の部分の電極指のdutyより小さく設定し、2つ
のIDT間にて隣り合う電極指中心間隔を、他の部分の
電極指中心間隔(電極指ピッチ)よりも小さく設定した
構成である。
の2つのIDT間にて隣り合う電極指のdutyを他の
部分の電極指のdutyより小さく設定したことによ
り、通過帯域が広く、静電破壊の発生を抑制でき、か
つ、製造上の加工を容易化できるという効果を奏する。
弾性表面波装置を用いた構成である。それゆえ、上記構
成は、従来と同等以上の帯域幅を有し、挿入損失及びV
SWRが小さく、耐圧劣化を引き起こし難く、かつ、電
極形成を容易化できる弾性表面波装置を用いたので、高
性能化や低コスト化を図れるという効果を奏する。
ルタの概略構成図である。
ルタの概略構成図である。
表面波フィルタの挿入損失および通過帯域をそれぞれ示
すグラフである。
ドの周波数関係を示す説明図であって、(a)は3つの
各共振モードによる広帯域化を示すグラフであり、
(b)はそれら各共振モードを生じるための弾性表面波
フィルタの概略構成図であり、(c)は上記3つの各共
振モードをそれぞれ示すための有効電流分布を示す説明
図である。
dutyを変化させたときの伝搬損失を示すグラフであ
る。
振幅(挿入損失)の周波数特性をそれぞれ示すグラフで
ある。
VSWRの周波数特性をそれぞれ示すグラフである。
ルタの概略構成図である。
タの概略構成図である。
例を示す概略構成図である。
DT−IDT間隔との関係を示すグラフである。
決まる波長の0.5倍以下としたときの上記IDT−I
DTの要部拡大図である。
Claims (8)
- 【請求項1】圧電基板上に、複数の電極指を有するくし
型電極部が、弾性表面波の伝搬方向に沿って、複数、形
成されている縦結合共振子型の弾性表面波装置であっ
て、 少なくとも一つのくし型電極部について、他のくし型電
極部に隣り合う端からの一部分の電極指のピッチは、他
の部分のピッチより小さく設定され、 前記ピッチを小さくした電極指のデューティーは他の部
分の電極指のデューティーより小さく設定されているこ
とを特徴とする弾性表面波装置。 - 【請求項2】請求項1記載の弾性表面波装置において、 互いに隣り合う両方のくし型電極部に対し、ピッチを異
ならせた電極指がそれぞれ設けられ、 前記ピッチを異ならせた電極指のピッチで決まる波長を
λI2 、その他の電極指のピッチで決まる波長をλI1
としたとき、2つのくし型電極部が隣り合う電極指中心
間距離を0.5λI2 に略一致させたことを特徴とする
弾性表面波装置。 - 【請求項3】請求項1記載の弾性表面波装置において、 互いに隣り合う各くし型電極部の何れか一方にピッチを
異ならせた電極指が設けられ、 前記ピッチを異ならせた電極指のピッチで決まる波長を
λI2 、その他の電極指のピッチで決まる波長をλI1
としたとき、2つのくし型電極部が隣り合う電極指中心
間距離を0.25λI1 +0.25λI2 に略一致させ
たことを特徴とする弾性表面波装置。 - 【請求項4】請求項2または3記載の弾性表面波装置に
おいて、 前記くし型電極部が隣接している端からの一部分の電極
指のピッチをそのくし型電極部の他の電極指のピッチと
異ならせた、くし型電極部において、前記ピッチを異な
らせた電極指と異ならせていない電極指が隣り合う箇所
の電極指中心間距離を0.25λI1 +0.25λI2
に略一致させたことを特徴とする弾性表面波装置。 - 【請求項5】請求項1ないし4の何れかに記載の弾性表
面波装置において、 前記ピッチを小さくした電極指のデューティーを、その
くし型電極部の他の部分の電極指のデューティーより小
さく、かつ0.45以上としたことを特徴とする弾性表
面波装置。 - 【請求項6】圧電基板上に、複数の電極指を有するくし
型電極部が、弾性表面波の伝搬方向に沿って、複数、形
成されている縦結合共振子型の弾性表面波装置であっ
て、 少なくとも何れかの2つのくし型電極部間にて隣り合う
電極指のデューティーを他の部分の電極指のデューティ
ーより小さく設定し、 2つのくし型電極部間にて隣り合う電極指中心間隔を、
他の部分の電極指中心間隔(電極指ピッチ)よりも小さ
く設定し たことを特徴とする弾性表面波装置。 - 【請求項7】請求項1ないし6の何れかに記載の弾性表
面波装置において、平衡−不平衡入出力を有しているこ
とを特徴とする弾性表面波装置。 - 【請求項8】請求項1ないし7の何れかに記載の弾性表
面波装置を用いたことを特徴とする通信装置。
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