JP3419042B2 - 伝送システムにおける誤りマスキング方法 - Google Patents

伝送システムにおける誤りマスキング方法

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JP3419042B2 JP24973293A JP24973293A JP3419042B2 JP 3419042 B2 JP3419042 B2 JP 3419042B2 JP 24973293 A JP24973293 A JP 24973293A JP 24973293 A JP24973293 A JP 24973293A JP 3419042 B2 JP3419042 B2 JP 3419042B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、符号化、伝送、及びデ
ジタル符号化されたビデオ画像の復号に関しており、特
に、画面シーケンスが、内部で符号化した画面（ｉｎｔ
ｒａ画面、フレーム内符号化画面）と前及び／又は後の
画面の関数として差分符号化した画面（ｉｎｔｅｒ画
面、フレーム間符号化画面）とを交番的に含んでいるテ
レビジョン画面シーケンスの伝送誤りマスキング方法に
関する。
【０００２】
【従来の技術】ＭＰＥＧ符合化に対応する交番画面を用
いる伝送技術が、「ＭＰＥＧ・マルチメディア用ビデオ
圧縮規格」、Ｄｉｄｉｅｒ Ｌｅ Ｇａｌｌ、Ｃｏｍｍ
ｕｎｉｃａｔｉｏｎｓ ｏｆ ｔｈｅ ＡＣＭ、１９９
１年４月、ｖｏｌ．３４、ＮＯ．４に記載されている。
【０００３】本明細書に添付した図１は、画像伝送シス
テムを概略的に表している。このシステムは、撮像装置
１を含んでおり、この撮像装置には画像（信号）を圧縮
及び符号化する符号器２が接続されている。圧縮及び符
号化された画像は、論理回路を伴った（ケーブルリン
ク、無線リンク、光学リンク等であり得る）伝送装置３
によって、（符号器２と相補の）復号及び伸張器４を含
んでおりスクリーン５（表示器）に表示されるべき画面
シーケンスを供給する受信機へ伝送される。
【０００４】上述したＭＰＥＧ規格は、伝送されるべき
画面シーケンスが画面グループに分割されるということ
によって特に特徴づけられる。１つのグループは最初の
１つの画面がいわゆる「ｉｎｔｒａ」画面でありこれに
続く複数の画面がいわゆる「ｉｎｔｅｒ」画面である画
面シーケンスを含んでいる。図２は、最初のｉｎｔｒａ
画面１０及びこれに続くｉｎｔｅｒ画面１１、１２、１
３…を含む第１のグループと最初のｉｎｔｒａ画面２０
及びこれに続く幾つかのｉｎｔｅｒ画面２１、２２…を
含む第２のグループとを備えたこの種のシーケンスを表
している。
【０００５】グループの最初の画面は、フレーム内符号
化モード、即ち離散コサイン変換（ＤＣＴ）に基づく固
定画像圧縮技術によって符号化される。これにより画面
１０又は画面２０のごとき画面は、画面のブロックへの
分割、各ブロックのコサイン変換、コサイン変換係数の
量子化、及び量子化された係数のエントロピー符号化を
経て内部で符号化される。このような典型的な符号化モ
ード及びそれを実施する装置は、文献「電子設計」、Ｍ
ｉｌｔ Ｌｅｏｎａｒｄ、１９９１年５月２３日、ｐ
ｐ．４９〜５３に見ることができる。
【０００６】これに続く画面（１１、１２、１３… ２
１、２２…）は、ｉｎｔｅｒ画面として、即ち前及び／
又は後の画面の関数として差分符号化される。もちろ
ん、ＴＶカメラによって撮影された通常の映像におい
て、ある画面とその直前又は直後の画面との間に僅かな
過渡的な動作を除いて差がほとんど存在しない。例え
ば、背景（景色）は、カメラの移動に基づく過渡的な動
作によって動くことができ、画面のいくつかの要素（人
又は車等）は背景に対する過渡的な動作によってそれ自
体動くことができる。
【０００７】図３Ａ及び図３Ｂは、このような状況の例
を示している。図３ＡはブロックＢijに分割されたフレ
ーム部分を表しており、図３ＢはブロックＢ'ij に分割
された基準フレーム部分を表している。両画面を比較し
た場合に、図３ＡのブロックＢ13は、例えばブロック
Ｂ'12 に類似しておりかつブロックＢ'12 及びＢ13間の
僅かな差を特徴付けるデータと動きベクトルＶ13とを定
めることによってブロックＢ'12 から演繹できることが
分かる。同様に、ブロックＢ26は各ブロックＢ'23 、
Ｂ'24 、Ｂ'33 及びＢ'34 の一部からなる画像部分に対
応しておりかつ差分データと動きベクトルＶ26とから演
繹できる。さらに一般に、すぐ隣のブロックはほぼ同じ
動きベクトルを伴うことが非常に多いことが分かるであ
ろう。ｉｎｔｅｒモードにおける画面の符号化は、ブロ
ックに分割するステップと、隣接する画面の各々に関し
て１個又は数個の動きベクトルを提供すべく、隣接する
画面と比較して動きを評価するステップと、１個又は数
個の隣接する画面から予測ブロックを抽出するステップ
と、各ブロック及びその予測ブロック間の差分のコサイ
ン変換を実行するステップと、変換係数を量子化するス
テップと、そのブロックに関する予測ブロックの変位及
び量子化された係数をエントロピー符号化するステップ
とを含んでいる。
【０００８】このようなｉｎｔｅｒ符号化モード及びそ
れを実施する装置についての記載は、文献「電子設
計」、Ｍｉｌｔ Ｌｅｏｎａｒｄ、１９９２年４月２
日、ｐｐ．４５〜５４に見ることができる。
【０００９】伝送装置３は、符号器２によって提供され
データパケットに分割されたビット列を受け取る。図４
に示すごとく、伝送装置３は、各データパケットＰ1 、
Ｐ2、Ｐ3 …に識別符号及び誤り検出／訂正符号を付加
する。次いでデータパケットは伝送され、受信側におい
て、データパケットの復調が行われ、それらの誤り検出
／訂正符号が解析され、データパケットの内容が復号器
４に提供される。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】データパケットを受信
した際に伝送装置３が１個又は数個の伝送誤りをデータ
パケット内で検出した場合、伝送装置３がこれら誤りを
訂正できるか（この訂正は復号器の介在なしに自動的に
行われる）、又はその誤り訂正能力を越えたかのどちら
かである。後者の場合、伝送装置はデータパケットが失
われたことを復号器に通知する。この場合、誤りはもは
や訂正できないが、その結果をマスキングするよう試み
ることは可能である（伝送されたデータパケットが、前
述したブロックへの分割によって数個のブロックに通常
は対応していることに注目すべきである）。
【００１１】ｉｎｔｒａ画面の場合、１つの解決法とし
て、失われたブロックを前の画面の同じ位置にあるブロ
ックに置き換える方法がある。しかしながら、このマス
キングステップは、誤りのある画面が前の画面に対して
急激に動く画面である場合に不適当となるであろう。
【００１２】ｉｎｔｅｒ画面の場合、失われたブロック
に隣接する動きベクトルが得られるので、例えば、隣接
するブロックの動きベクトル及び差分係数を平均化する
ことにより失われたブロックの動きベクトル及び差分係
数を評価することが可能であり、これにより失われたブ
ロックを、評価された動きベクトル及び差分係数を伴う
前の画面からのブロックによって置き換えることが可能
である。
【００１３】このように、失われたブロックのマスキン
グは、ｉｎｔｒａ画面の場合にはｉｎｔｅｒ画面の場合
に比してあまり好ましくない。ｉｎｔｒａ画面から符号
化が行われる次の複数のｉｎｔｅｒ画面にステップ毎に
相互作用がなされるので、ｉｎｔｒａ画面における誤り
は、ｉｎｔｅｒ画面における誤りに比してより好ましく
ないのでこれは特に問題となる。
【００１４】従来技術において、誤り訂正システムはｉ
ｎｔｒａ画面に対して強化されてきたがそれには限度が
あった。これは、伝送装置における各データパケットの
誤り検出及び訂正に割り当てられるビット数を増大させ
ること、及び誤りを処理するに割り当てられるハードウ
エアの複雑性をさらに高めることが必要となるためであ
る。
【００１５】従って本発明の目的は、ｉｎｔｒａ画面及
びｉｎｔｅｒ画面を交番的に含む画像伝送システムにお
けるｉｎｔｒａ画面の誤りをマスキングする方法を提供
することにある。
【００１６】本発明の他の目的は、伝送されるべきデー
タの数を実質的に増大させる必要のないこの種の誤りマ
スキング方法を提供することにある。
【００１７】本発明のさらに他の目的は、より複雑な符
号化及び復号要素を必要としないこの種の誤りマスキン
グ方法を提供することにある。
【００１８】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明は、符号化された画面のシーケンスの伝送誤
りをマスキングする方法であって、上述のシーケンス
を、画素ブロックによって自律的に符号化される第１の
一連の画面（ｉｎｔｒａ画面）と、第１の一連の画面の
少なくとも１つの参照画面に関してブロックによって差
分符号化されてなり、数個の画面が第１の一連の画面の
各々に続いており、かつ各ブロックの符号が少なくとも
動きベクトルの表示を含んでいる第２の一連の画面（ｉ
ｎｔｅｒ画面）とに分割する符号化ステップと、誤りが
検出された場合に、誤りブロックを前の画面のブロック
に置き換えることによって誤りのマスキングを行い、ｉ
ｎｔｅｒ画面のブロックをｉｎｔｅｒ画面のブロックの
動きベクトルによって修正した前の画面のブロックに置
き換える復号化ステップとを備えている。符号化ステッ
プにおいて、ｉｎｔｒａ画面の各ブロックに対応するデ
ータへ、少なくとも他の画面に関するこのブロックの動
きベクトルを表すデータを付加し、復号化ステップにお
いて、伝送誤りが検出された場合に、ｉｎｔｒａ画面の
誤りブロックを、ｉｎｔｅｒ画面の誤りブロックのごと
く処理する。
【００１９】本発明の一実施態様によれば、ｉｎｔｒａ
画面の動きベクトルを表す前記データが、ｉｎｔｒａモ
ードで符号化されたこのブロックのデータに関して所定
の遅延を伴って伝送される。
【００２０】
【実施例】本発明による上述した及び他の目的、構成、
実施態様及び効果は、添付の図面を参照した本発明の以
下の詳細な説明によって明らかとなるであろう。
【００２１】本発明は、ｉｎｔｒａ画面の伝送に関連し
た誤り検出及び訂正システムの複雑さを増大させること
なく、ｉｎｔｅｒ画面で得られるごとき動きベクトルの
表示をｉｎｔｒａ画面の各ブロックのｉｎｔｒａ符号化
に付加することを行う。この付加的な動きベクトルは、
失われた各ブロックをそれから動きベクトルが得られて
いる画像部分に置き換えるべく、データパケットが失わ
れた際に用いられる。本発明が、画面を符号化するため
に、ｉｎｔｒａ符号化及びｉｎｔｅｒ符号化を全てで重
複させる必要がないことに注目すべきである。各ブロッ
クのｉｎｔｒａ符号化情報に、最初のブロックと最後の
ブロックとの差分の情報ではなくこのブロックの動きベ
クトル情報のみか、又はこの情報の非常に僅かな部分の
みを付加するものである。
【００２２】ｉｎｔｒａ画面及びｉｎｔｅｒ画面を連続
的に伝送するシステムにおいて、符号化システムのハー
ドウエアの複雑さを増大させることなくこの動きベクト
ルを供給するために、ｉｎｔｅｒ符号化システムが使用
可能である。
【００２３】ｉｎｔｒａ符号化画面ブロックへ動きベク
トルを付加することにより伝送すべき情報の増加は無視
できることも例示されるであろう。
【００２４】例えば、７２０×５７６画素を含み１６×
１６画素のブロックに分割された（即ち、１画面が１６
２０ブロックを含んでいる）ＴＶ画面について考えてみ
る。通常のシステムにおいては、１つの動きベクトルを
符号化するために１６未満のビットを用いねばならなか
った。従って、画面全体では１６２０×１６の付加的な
ビットが、即ち付加的な動きベクトルを用意するために
は約２６０００ビットが、必要となる。１６画面のグル
ープの各々に１つのｉｎｔｒａ画面が存在しており残り
の画面がｉｎｔｅｒ画面である例において、１つの画面
グループを符号化するに要するビット数は、約３．６メ
ガビットに等しい。従って、付加的な動きベクトルの符
号化のビット数は、伝送されるビットの総数の０．７％
未満を典型的には表すこととなる。この値は、８つの連
続する画面からなる各グループにつき１つのｉｎｔｒａ
画面が存在する場合に、１．４％に増加する。
【００２５】各ブロックのデータに付加的なベクトルを
伴うことによってｉｎｔｒａ画面が符号化された場合、
情報の伝送には数通りの方法がありもしも誤りが生じた
際にこのようにして伝送された情報を使用する数通りの
方法がある。
【００２６】第１の実施例において、各ブロックのデー
タ及びシーケンスに対応する付加的なベクトルのビット
は連続的に送られる。この場合、もしデータパケットが
失われたとすると、ブロックの情報及びこれに関連する
付加的な動きベクトルはほとんどの場合に同時に失われ
る。そこで、ｉｎｔｅｒ画面の場合に通常に使用される
誤りマスキングシステムを用いることが可能となるので
ある。このシステムは、失われたブロックの動きベクト
ルを隣接するブロックの動きベクトルから評価された動
きベクトルで置き換えるものである。もちろん、伝送シ
ステムによって送られた１つのデータパケットは、通常
は、数個のブロックのデータに対応する。
【００２７】本発明の好ましい他の実施例は、符号化し
かつデータパケットに組み込む間に、データパケットに
含まれている最大ブロック数より大きくなるように選ば
れている所定数のブロックによってシフトされた各ブロ
ックに前又は後のブロックの動きベクトルを関連させる
ことにある。これにより、データパケットが失われた際
に、失われたブロックの動きベクトルに関連する情報が
その前又は後のパケットの１つ内で見いだされる。従っ
て、その正確な動きベクトルを、失われたブロックの各
々に、評価ステップの助けを借りることなく割り当てる
ことが可能となる。
【００２８】図５は、本発明に適用可能なシステムを説
明するブロック図である。このシステムは、本発明によ
るｉｎｔｒａ誤りのマスキングを提供すると共に、ｉｎ
ｔｅｒ誤りの通常のマスキングを提供する。
【００２９】全ての通常の復号器は、伝送されたデータ
パケットからのビットを第１の入力３１で受信しかつデ
ータパケットの起こり得る喪失についての情報を第２の
入力３２で受信するエントロピー復号モジュール３０を
備えた誤りマスキングシステムを含んでいる。復号器３
０は、受信したデータがｉｎｔｅｒ画面に対応するか又
はｉｎｔｒａ画面に対応するかを示す情報を第１の出力
３３から供給し、かつＤＣＴ係数に対応する情報を第２
の出力３４から供給し、さらに動きベクトルに対応する
情報を第３の出力３５から供給する。
【００３０】通常、ｉｎｔｅｒ画面を受信した場合に出
力３４及び３５が使用され、ｉｎｔｒａ画面を受信した
場合に出力３４のみが使用される。本発明では、連続す
るベクトルに対応するデータが格納されるファーストイ
ン／ファーストアウト（ＦＩＦＯ）メモリ３６が出力３
５に付加されている。ｉｎｔｒａ画面が生じている間
に、データパケットの喪失を表す信号が入力３２に印加
された場合、復号器３０はｉｎｔｅｒモードに切り換え
を行いかつ出力３５から直接のベクトル情報の代わりに
ＦＩＦＯ３６の出力を供給するようにスイッチ４０を作
動させるための信号３９を供給する。その結果、ｉｎｔ
ｒａ画面内の失われたブロックについて、入手可能であ
るが誤りの多いＤＣＴ係数を使用する代わりにベクトル
情報を前のブロックから画面を復元するために用いるこ
とができる。前の（又は後の）データパケットと共に伝
送されたｉｎｔｒａブロックの動きベクトルを再現する
ために、上述したようにバッファ３６が使用される。
【００３１】従って本発明の効果は、ｉｎｔｅｒ画面の
ための既存の誤りマスキングシステムを使用可能であり
これをｉｎｔｒａ画面に適用したことにある。さらに、
上述したように、この種の動きベクトル評価装置がとに
かく入手可能でありｉｎｔｒａ画面の通常の符号化の間
は使用されないため、付加的なベクトルを符号化するた
めのシステムをより複雑にするようなことは要求されな
い。
【００３２】本発明を特定の実施例で説明したが、当業
者によれば以上記載の実施例について種々の変更、修正
及び改善を容易に行えることは明らかであり、このよう
な変更、修正及び改善態様は、本発明の特許請求の範囲
を逸脱しない限度において上述の記載の一部に含まれる
ものである。従って、以上の記載は単なる一例であり、
本発明を限定するものではない。本発明は、特許請求の
範囲及びその均等となるものによってのみ限定されるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図１】画像伝送システムのブロック図である。
【図２】一連の画面のＭＰＥＧ符号化を概略的に表す図
である。
【図３Ａ】ｉｎｔｅｒ符号化を行う方法及び動きベクト
ルを概略的に説明する図である。
【図３Ｂ】ｉｎｔｅｒ符号化を行う方法及び動きベクト
ルを概略的に説明する図である。
【図４】伝送システムによって伝送されるデータパケッ
トを概略的に説明する図である。
【図５】本発明を実施する誤りマスキングシステムの概
略的なブロック図である。
【符号の説明】
３０ 復号器 ３１、３２ 入力 ３３、３４、３５ 出力 ３６ ＦＩＦＯメモリ ４０ スイッチ
フロントページの続き (56)参考文献 米国特許5146325（ＵＳ，Ａ) Ｍ．ＷＡＤＡ，”Ｓｅｌｅｃｔｉｖｅ Ｒｅｃｏｖｅｒｙ ｏｆ Ｖｉｄｅｏ Ｐａｃｋｅｔ Ｌｏｓｓ Ｕｓｉｎｇ Ｅｒｒｏｒ Ｃｏｎｃｅａｌｍｅｎ ｔ”，ＩＥＥＥ Ｊｏｕｒｎａｌ ｏｎ Ｓｅｌｅｃｔｅｄ Ａｒｅａｓ ｉｎ Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎ，米国, ＩＥＥＥ，1989年 ６月，Ｖｏｌ．７, ＮＯ．５，ｐｐ．807−814 Ｆ．Ｃ．ＪＥＮＧ ｅｔ ａｌ，”Ｃ ｏｎｃｅａｌｍｅｎｔ ｏｆ Ｂｉｔ Ｅｒｒｏｒ ａｎｄ Ｃｅｌｌ Ｌｏｓ ｓ ｉｎ Ｉｎｔｅｒ−ｆｒａｍｅ Ｃ ｏｄｅｄ Ｖｉｄｅｏ Ｔｒａｎｓｍｉ ｓｓｉｏｎ”，Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎ ａｌ Ｃｏｎｆｅｒｅｎｃｅ ｏｎ Ｃ ｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎ ＩＣＣ’ 91，米国，ＩＥＥＥ，1991年 ６月23 日，Ｖｏｌ．１／３，ｐｐ496−500 Ｄ．ＬＥＧＡＬＬ，”ＭＰＥＧ： ａ ｖｉｄｅｏ ｃｏｍｐｒｅｓｓｉｏｎ ｓｔａｎｄａｒｄ ｆｏｒ ｍｕｌｔ ｉｍｅｄｉａ ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ ｓ”，Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎｓ ｏｆ ｔｈｅ Ａｓｓｏｃｉａｔｉｏｎ ｆｏｒ Ｃｏｍｐｕｔｉｎｇ Ｍａｃ ｈｉｎａｒｙ，米国，1991年 ４月，Ｖ ｏｌ．34，Ｎｏ．４，ｐｐ．46−58 (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) H04N 7/24 - 7/68

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 符号化された画面のシーケンスの伝送誤
    りをマスキングする方法であって、 前記シーケンスを、画素ブロックによって自律的に符号
    化されるｉｎｔｒａ画面と称される第１の一連の画面
    と、前記第１の一連の画面の少なくとも１つの参照画面
    に関してブロックによって差分符号化されてなり、数個
    の画面が前記第１の一連の画面の各々に続いており、か
    つ各ブロックの符号が少なくとも動きベクトルの表示を
    含んでいるｉｎｔｅｒ画面と称される第２の一連の画面
    とに分割する符号化ステップと、 誤りが検出された場合に、誤りブロックを前の画面のブ
    ロックに置き換えることによって前記誤りのマスキング
    を行い、ｉｎｔｅｒ画面のブロックを該ｉｎｔｅｒ画面
    のブロックの動きベクトルによって修正した前の画面の
    ブロックに置き換える復号化ステップとを備えており、 前記符号化ステップにおいて、ｉｎｔｒａ画面の各ブロ
    ックに対応するデータへ、少なくとも他の画面に関する
    このブロックの動きベクトルを表すデータを付加し、 前記復号化ステップにおいて、伝送誤りが検出された場
    合に、ｉｎｔｒａ画面の誤りブロックを、ｉｎｔｅｒ画
    面の誤りブロックのごとく処理することを特徴とする誤
    りマスキング方法。
  2. 【請求項２】 ｉｎｔｒａ画面の動きベクトルを表す前
    記データが、ｉｎｔｒａモードで符号化されたこのブロ
    ックのデータに関して所定の遅延を伴って伝送されるこ
    とを特徴とする請求項１に記載の誤りマスキング方法。
JP24973293A 1992-09-18 1993-09-13 伝送システムにおける誤りマスキング方法 Expired - Lifetime JP3419042B2 (ja)

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