JP3418721B2 - 密閉形ニッケル・金属水素化物蓄電池 - Google Patents

密閉形ニッケル・金属水素化物蓄電池

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、水素吸蔵合金を坦持す
る負極板と、水酸化ニッケルを主活物質とする正極板
と、セパレータと、アルカリ電解液とからなる密閉形ニ
ッケル・金属水素化物蓄電池に関するものである。 【0002】 【従来の技術】密閉形ニッケル・金属水素化物アルカリ
蓄電池の負極には、水素吸蔵電極が用いられる。 【0003】この水素吸蔵電極は、水素の可逆的な吸蔵
および放出が可能な水素吸蔵合金を電極に用いるもの
で、その水素の電気化学的な酸化還元反応をアルカリ蓄
電池の負極の起電反応に利用する。水素吸蔵電極に用い
られる水素吸蔵合金には、TiNi、Ti2 Ni、LaNi5 および
TiMn2 などの金属間化合物や、これらの金属間化合物の
構成元素を他の元素で置換したものが用いられている。
これらの水素吸蔵合金は、その組成が異なると、水素吸
蔵量、平衡水素圧力、アルカリ電解液中で充放電を繰り
返す場合の保持容量特性などの性質が変化するので、合
金の組成を変えて、水素吸蔵電極の性能の改良が試みら
れている。 【0004】この水素吸蔵電極は、これらの水素吸蔵合
金の粉末を耐アルカリ性高分子で結合したり、高温で焼
結したり、発泡メタルに充填する方法などで、多孔質の
ものを製作していた。 【0005】密閉形ニッケル・金属水素化物蓄電池で
は、これらの水素吸蔵電極からなる負極と、水酸化ニッ
ケルを主体とする活物質を焼結ニッケル基板やニッケル
の発泡体に充填した正極板とを、不織布等のガス透過性
の耐アルカリ性絶縁体からなるセパレータを介して、積
層したり、あるいは捲回し、これを耐圧性の密閉形の電
池ケースに収納して製作していた。 【0006】そして、この密閉形アルカリ蓄電池では、
正極の充電が負極の充電よりも先に終わるように活物質
の量を調節することによって、過充電時における負極か
らの水素ガスの発生を抑制すると共に、過充電時に正極
から発生する酸素ガスを、負極において電気化学的に還
元することによって、この酸素ガスを吸収し、電池の内
圧の上昇を抑制していた。 【0007】これらの密閉形ニッケル・金属水素化物蓄
電池では、積層した極板群の最外部、捲回した極板群の
最外周や最内周を正極板とするよりも負極板とすること
が多い。その理由は、次のことにある。 【0008】すなわち、上記の最外部、最外周、または
最内周の極板は、片面が相手極と対向していないので、
特に大きい電流で放電する場合に、相手極と対向してい
ない部分の活物質が放電反応に関与しなくなる。あるい
は、相手極と対向していない部分の活物質が放電反応に
関与する場合でも、この部分の活物質と対極との距離が
大きくてオーム損が大きいので、この部分が放電反応す
る際に、電池の分極が大きくなる。 【0009】そして、電池の放電を負極の放電容量で制
限すると、放電末期に負極が貴に分極して水素吸蔵合金
がアノード酸化され、その劣化を招くので好ましくない
のに対して、電池の放電を正極の放電容量で制限する
と、このような不都合がなくなる。 【0010】そこで、容量制限極にしておきたい正極板
の全面を対極に対向させておくと、その活物質は、確実
に放電されて、容量制限極の役目を確実に果たすことに
なり、また放電末期に分極が大きくなることがない。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】上述したように、密閉
形ニッケル・金属水素化物電池でも、密閉形ニッケル・
カドミウム蓄電池と同様に、負極板から水素ガスが発生
するまでに充電できる容量を正極板が充電される電気量
よりも大きくなるように構成すると、次のような問題点
があることがわかった。 【0012】すなわち、対極と対向しない極板群の最外
部、最外周、もしくは最内周に負極板を備える密閉形蓄
電池の構成では、ニッケル・金属水素化物の場合には、
特に、1時間率程度という大きい電流で充電する場合
に、充電末期から過充電領域にかけて負極板から水素ガ
スが発生して電池の内圧が上昇しやすいという問題点が
あることがわかった。 【0013】密閉形ニッケル・金属水素化物蓄電池にお
ける水素ガスの蓄積を防止する手段として、特開平2−
250260号、および特開平2−291665号に開
示された発明がある。これらの発明では、水素吸蔵電極
の表面に撥水性を賦与し、充電末期や過充電時に発生す
る水素ガスを負極の水素吸蔵合金に吸蔵させて、電池内
への水素ガスの蓄積を防止している。 【0014】そこで、これらの発明の作用効果を試験し
た結果、次のような問題点が明らかになった。 【0015】すなわち、これらの発明では、負極板の全
ての表面に撥水性を賦与していて、撥水性を賦与する部
位についての認識が全くない。このような負極板を備え
る場合には、気相の水素ガスは、確かに効果的に負極の
水素吸蔵合金に吸蔵される。しかし、負極板のほぼ全表
面が撥水性を有しているので、正極板と対向している部
分の負極板の表面がアルカリ電解液で充分に濡れ難くな
り、電池の内部抵抗が大きくなり、大電流で放電する際
に、電池の電圧降下が大きくなるという問題点があるこ
とがわかった。 【0016】また、極板群の最外部、最外周、または最
内周を正極板とする場合には、充電末期から過充電領域
にかけて負極板からの水素ガスの発生は起こらなかった
ものの、大電流で放電する際に、負極板と対向していな
い部分の正極活物質は、内部抵抗が大きいために放電反
応にほとんど関与しなくなり、放電容量が著しく低下し
た。 【0017】従って、大電流放電時にも著しい放電容量
の低下を招かないように、水素吸蔵合金を主体とする負
極板と、水酸化ニッケルを主活物質とする正極板とを、
セパレータを介して積層もしくは捲回してなり、該積層
体の最外部の少なくとも一部または該捲回体の最外周も
しくは最内周の少なくとも一部が該負極板からなる密閉
形ニッケル・金属水素化物蓄電池において、電池の内部
抵抗が大きくなることがなく、しかも、充電末期から過
充電領域にかけて発生する水素ガスの蓄積を効果的に防
止する手段が望まれていた。 【0018】 【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決するために、水素吸蔵合金を主体とする負極板と、
水酸化ニッケルを主活物質とする正極板とを、セパレー
タを介して積層もしくは捲回してなり、該積層体の最外
部の少なくとも一部または該捲回体の最外周および最内
周が該負極板からなり、充電末期から過充電領域にかけ
て負極板から水素ガスが発生する密閉形ニッケル・金属
水素化物蓄電池において、該積層体の最外部又は該捲回
体の最外周および最内周の負極板の正極板と対向しない
表面に撥水性の水素ガス透過性の層を塗布により形成し
たことを特徴とする密閉形ニッケル・金属水素化物蓄電
池を提供する。 【0019】 【作用】上述の構成を備えると、充電末期から過充電領
域にかけて正極板と対向する部分の負極板から発生する
水素ガスが、電池内の空間を移動して、正極板と対向し
ていない負極板へ移動する。そして、この部分の表面が
撥水性を有するので、その表面から水素ガスが負極板に
容易に侵入し、その負極板に坦持されている水素吸蔵合
金に吸蔵される。その結果、電池内の水素ガスの蓄積が
防止され、内圧の上昇を効果的に防ぐことができる。 【0020】しかも、本発明では、充放電の電流がほと
んど通じない正極板と対向しない部分の負極板の表面に
撥水性を付与し、充放電の大部分の電流が通じる正極板
と対向している部分の負極板の表面には撥水性を賦与し
ないので、充放電の電流の大部分が通じる部位の負極板
は電解液との接触が阻害されることがなく、従って、大
きい電流で放電する際にも、電池の電圧降下を効果的に
抑制できるという作用がある。 【0021】つまり、本願発明のニッケル・金属水素化
物蓄電池は、大きい電流で充電する際の電池内の水素ガ
スの蓄積を防止して、しかも大電流放電時の電圧降下を
抑制するという作用を兼ね備えている。 【0022】なお、本願発明が解決しようとする問題点
は、負極板にカドミウム電極を用いる場合には起こり難
い。 【0023】このように、対極と対向しない極板群の最
外部、最外周、もしくは最内周に負極板を備えるという
同一の構成であっても、負極板に水素吸蔵電極を用いる
場合とカドミウム電極を用いる場合とを比較して、充電
末期から過充電領域にかけて水素ガスの発生のしやすさ
に差異がある原因を、次に説明して、本発明の作用の特
異性を明らかにする。 【0024】すなわち、大きい電流で密閉電池を充電し
て、正極板と対向する部分の負極板の放電生成物が充電
末期から過充電領域にかけて涸渇し、負極板が卑に分極
する際には、負極が水素吸蔵電極の場合には、正極板と
対向しない部分の水素吸蔵合金が充電反応にほとんど関
与しないので水素ガスの発生が起こるが、負極がカドミ
ウム電極の場合には、正極板と対向していない部分の放
電生成物が充電されるので水素ガスの発生が防止され
る。 【0025】このような差異が起こる原因は、次のよう
に考えられる。 【0026】金属カドミウムは水素過電圧が高いので、
水素過電圧が低い金属ニッケルを備えている焼結式のカ
ドミウム電極でも、1時間率程度の大きい充電電流を通
じた場合に水素ガスが発生する際の分極は、水素ガス発
生反応の可逆電位から約100−200mVに達する。
また、金属ニッケルを備えないペースト式カドミウム電
極では、水素ガス発生の際に約300−400mVも分
極する。 【0027】一方、水素吸蔵合金は水素過電圧が低いの
で、上記のカドミウム電極と同程度の大きさの電流を通
じた場合に水素ガスが発生する際の分極は、水素ガス発
生反応の可逆電位から約30−50mV程度という小さ
い値である。 【0028】そして、正極板と対向している部分の負極
板が分極すると、それまではオーム損が大きいので充電
電流が通じなかった正極板と対向していない部分の活物
質のうちで、オーム損による電圧降下の大きさが、正極
板と対向している部分の負極板の分極の大きさと同程度
の部分に充電電流が流れる。 【0029】この場合に、上述のように、カドミウム電
極は水素過電圧が大きいので、水素ガスが発生するまで
に相当大きく分極するから、オーム損が大きい極板群の
最外部、最外周、もしくは最内周の負極板の正極板と対
向していない部分の活物質の多くは、この際に充電反応
に寄与する。その結果、カドミウム電極を負極に用いる
と、水素ガスの発生が効果的に防止される。 【0030】一方、水素吸蔵電極は水素過電圧が小さい
ので、水素ガスが発生するまでの小さい分極に相当する
小さいオーム損を有している部分の活物質しか充電反応
に寄与しない。従って、正極板と対向していない部分の
負極活物質は、オーム損が大きいので、充電反応に関与
することがない。その結果、水素吸蔵電極を負極に用い
ると、水素ガスの発生を効果的に防止することが困難に
なる。 【0031】そこで、本発明では、上述のように、充電
末期から過充電領域にかけて充電反応にほとんど関与す
ることがなく、従って、水素ガスの発生防止にほとんど
寄与しない正極板に対向しない部分の負極板の水素吸蔵
合金を、電池内で発生した気相の水素ガスの吸蔵に利用
して水素ガスの蓄積を防止するものである。 【0032】このように、本発明は、負極板に水素吸蔵
合金を用いる密閉形ニッケル・金属水素化物電池に特有
の問題点を、この電池系に特有の構成および作用効果を
利用して解決するものである。 【0033】なお、正極板と対向しない部分の負極板の
水素吸蔵合金に吸蔵された水素は、正極板との間のオー
ム損が大きいので、主たる放電反応にはほとんど関与し
ない。しかし、放電末期のように、負極板が著しく貴に
分極して、その分極値が正極板と対向していない部分の
負極板の水素吸蔵合金と正極板とのオーム損による電圧
降下が同程度になると、放電反応に関与して、電池の放
電容量に寄与することになる。 【0034】従って、本発明は、気相から吸蔵された水
素が放電反応に関与するという点で、撥水性と通気性を
有する保護部材で包囲した水素吸蔵材を電池内気相部に
設けた密閉形アルカリ蓄電池(特開昭57−14888
4号)とは、作用が根本的に異なっている。 【0035】 【実施例】本発明を好適な実施例によって図面を用いな
がら説明する。 [本発明の電池(ア)]図1は、外形が矩形で、正極板
と負極板とを、セパレータを介して交互に積層した本発
明の密閉形ニッケル・金属水素化物蓄電池(ア)の横断
面の模式図を示す。 【0036】図1において、Aは、ニッケルメッキを施
した鉄製の電池ケースである。Bは、積層した極板群の
最外部の負極板の表面に施した撥水性の層である。C
は、負極の水素吸蔵電極である。Dは、ナイロン製の不
織布からなるセパレータである。Eは、正極の焼結式の
水酸化ニッケル電極である。 【0037】正極の水酸化ニッケル電極Eの4枚に含ま
れる水酸化ニッケルの合計の重量は、1セル当たり3.
9gである。従って、水酸化ニッケルが1電子反応に従
うことを仮定すると、電池1個の正極の理論容量は約
1.1Ahである。この電極には、水酸化ニッケル1グ
ラム当たり水酸化コバルト0.04グラムを添加してあ
る。 【0038】負極板Cは次のようにして製作した。 【0039】水素吸蔵合金は、その組成が原子比でLmNi
3.8 Co0.7 Al0.5 になるように、その構成元素を金属の
状態で真空にした高周波誘導炉中で溶解し、鋳造してか
ら粉砕した。ここでLmは、Laを約90重量% 含有する稀土
類金属の混合物であるランタンリッチミッシュメタルで
ある。この合金粉末を、増粘剤かつ結着剤の機能を果た
すポリビニルアルコールの水溶液に分散してペースト状
にした。そしてニッケルメッキを施した鉄製のパンチン
グメタルの両面にこのペーストを塗着し、乾燥し、プレ
スし、切断して水素吸蔵電極を製作した。 【0040】この電池1個の負極板5枚に含まれる水素
吸蔵合金の重量は、約5.3gである。 【0041】積層した最外部の負極板の正極板と対向し
ない部分の表面には、撥水性の合成樹脂であるポリ4弗
化エチレンの水性ディスパージョン(ダイキン工業社
製:商品名ポリフロンTFEディスパージョンD−1)
を塗布し、乾燥して、撥水性の層Bを形成した。 [本発明の電池(イ)]図2は、外形が円筒形で、正極
板と負極板とをセパレータを介して捲回した本発明の密
閉形ニッケル・金属水素化物蓄電池(イ)の横断面の模
式図である。 【0042】図2において、Aは、ニッケルメッキを施
した鉄製の電池ケースである。B’は、捲回した極板群
の最外周の負極板の表面に施した撥水性の層である。
B”は、捲回した極板群の最内周の負極板の表面に施し
た撥水性の層である。Cは、負極の水素吸蔵電極であ
る。Dは、ナイロン製の不織布からなるセパレータであ
る。Eは、正極の焼結式の水酸化ニッケル電極である。 【0043】正極の水酸化ニッケル電極Eの4枚に含ま
れる水酸化ニッケルの合計の重量は、1セル当たり3.
9gである。従って、水酸化ニッケルが1電子反応に従
うことを仮定すると、電池1個の正極の理論容量は約
1.1Ahこの電極には、水酸化ニッケル1グラム当た
り水酸化コバルト0.04グラムを添加してある。 【0044】負極板Cは、切断するまでの工程は電池
(ア)と同様にして製作し、極板の切断は、捲回式電池
に適合するように帯状電極の形状に切断して製作した。 【0045】この電池1個の負極板に含まれる水素吸蔵
合金の重量は、約5.3gである。 【0046】捲回した最外周および最内周の負極板の正
極板と対向しない部分の表面には、撥水性の合成樹脂で
ある低分子量ポリ4弗化エチレンの有機溶媒ディスパー
ジョン(ダイキン工業社製:商品名ルブロンLD−1)
を塗布し、乾燥して、撥水性の層Bを形成した。 [従来の電池(ウ)]従来の電池(ウ)は、本発明の電
池(ア)における最外部の負極板の正極板に対向しない
部分の表面に設けた撥水性の層Bを備えることなく、そ
のほかの構成は電池(ア)と同じにして、従来の電池
(ウ)を製作した。 [従来の電池(エ)]従来の電池(エ)は、本発明の電
池(ア)における最外部の負極板の正極板に対向しない
部分の表面に設けた撥水性の層Bを、全ての負極板の表
面に備え、そのほかの構成は電池(ア)と同じにして、
従来の電池(エ)を製作した。 [従来の電池(オ)]従来の電池(オ)は、本発明の電
池(イ)における最外周および最内周の負極板の正極板
に対向しない部分の表面に設けた撥水性の層B’および
B”を備えることなく、そのほかの構成は電池(イ)と
同じにして、従来の電池(オ)を製作した。 [従来の電池(カ)]従来の電池(カ)は、本発明の電
池(イ)における最外周および最内周の負極板の正極板
に対向しない部分の表面に設けた撥水性の層B’および
B”を、全ての負極板の表面に備え、そのほかの構成は
電池(イ)と同じにして、従来の電池(カ)を製作し
た。 [実験]これらの密閉形ニッケル・金属水素化物蓄電池
には、0.4MのZnO と10g/lのLiOHとを溶解した6Mの濃度
のKOH水溶液からなる電解液を同量ずつ注入してある。 【0047】以上の密閉形ニッケル・金属水素化物蓄電
池を、正極の理論容量を基準として10時間率の電流で16
時間充電したあと、5時間率の電流で放電するという化
成を2回おこなった。そして、その後に1時間率の電流
で1.5時間充電して、過充電末期の電池内のガスを分
析して、水素ガスの分圧を測定した。 【0048】そして、これらの電池を20分率の電流で
端子電圧が1Vになるまで放電し、放電時間の中間にお
ける端子電圧を測定した。 【0049】これらの充放電は、25℃の雰囲気でおこ
なった。 【0050】表1に、過充電末期の電池内の水素分圧お
よび20分率で放電した際の放電中間電圧を示す。 【0051】 【表1】 表1から、本発明の電池(ア)および(イ)は、過充電
末期の水素分圧が、負極板の表面に撥水性の層を設けな
い従来の電池(ウ)および(オ)と比較して、著しく低
く、負極板の全面に撥水性の層を設けた従来の電池
(エ)および(カ)と同程度以下の低い値であることが
わかる。 【0052】さらに、本発明の電池(ア)および(イ)
は、大電流である20分率の電流で放電した際の放電中
間電圧は、負極板の全面に撥水性の層を設けた従来の電
池(エ)および(カ)と比較して著しく高く、負極板の
表面に撥水性の層を設けない従来の電池(ウ)および
(オ)と同程度の高い値であることがわかる。 【0053】すなわち、この実験から、本発明の密閉形
ニッケル・金属水素化物蓄電池は、大きい電流で充電す
る際の水素ガスの発生が抑制され、しかも、大電流で放
電する際の電圧降下が抑制されるという2つの作用効果
を兼ね備えていることが明らかである。 【0054】なお、上述した本発明の作用効果は、上述
の実施例の構成のほかに、正極板として、発泡ニッケル
やニッケル繊維の焼結体に水酸化ニッケルを主体とする
活物質粉末を充填したものを用いる場合、負極として、
水素吸蔵合金を発泡ニッケルに充填したり焼結したもの
を用いる場合、セパレータとして、スルフォン化処理や
酸素を含むフッ素ガス処理を施して親水性を賦与したポ
リオレフィン性の不織布を用いる場合、水素吸蔵合金と
して、稀土類の成分や、ニッケル・コバルト・アルミニ
ウムの含有率を変えたり、そのほかの置換元素を用いる
場合、水素吸蔵合金として、稀土類系合金に替えてLave
s 相合金を用いる場合、捲回した極板群において、撥水
処理を施す正極板と対向していない負極板の部分が、最
外周もしくは最内周の一方だけの場合のいずれにおいて
も、上述の実施例と同様の効果が得られた。 【0055】従って、本発明の構成は、上記の実施例の
構成だけに限定されるものではない。 【0056】 【発明の効果】本発明によれば、大きい電流で充電する
際の水素ガスの発生が抑制され、しかも、大電流で放電
する際の電圧降下が抑制されるという2つの作用効果を
兼ね備えた密閉形ニッケル・金属水素化物蓄電池が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】 【図1】外形が矩形で、正極板と負極板とを、セパレー
タを介して交互に積層した本発明の密閉形ニッケル・金
属水素化物蓄電池(ア)の横断面の模式図。 【図2】外形が円筒形で、正極板と負極板とをセパレー
タを介して捲回した本発明の密閉形ニッケル・金属水素
化物蓄電池(イ)の横断面の模式図。 【符号の説明】 B 積層した極板群の最外部の負極板の表面の撥水性
の層 B’ 捲回した極板群の最外周の負極板の表面の撥水性
の層 B” 捲回した極板群の際内周の負極板の表面の撥水性
の層 C 水素吸蔵電極 D セパレータ E 水酸化ニッケル電極

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】水素吸蔵合金を主体とする負極板と、水酸
    化ニッケルを主活物質とする正極板とを、セパレータを
    介して積層もしくは捲回してなり、該積層体の最外部の
    少なくとも一部または該捲回体の最外周および最内周が
    該負極板からなり、充電末期から過充電領域にかけて負
    極板から水素ガスが発生する密閉形ニッケル・金属水素
    化物蓄電池において、該積層体の最外部又は該捲回体の
    最外周および最内周の負極板の正極板と対向しない表
    撥水性の水素ガス透過性の層を塗布により形成した
    とを特徴とする密閉形ニッケル・金属水素化物蓄電池。
JP18370091A 1991-06-27 1991-06-27 密閉形ニッケル・金属水素化物蓄電池 Expired - Lifetime JP3418721B2 (ja)

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