JP3416350B2 - ビニル化合物重合用触媒並びにその使用 - Google Patents

ビニル化合物重合用触媒並びにその使用

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビニル化合物重合
用触媒成分に関する。詳しくは、本発明は、オレフィン
/ジエン共重合体に遷移金属化合物を担持することによ
り得られる触媒に関する。
【0002】本発明は、また、この触媒成分を遷移金属
成分とする、持続性の高い重合を可能にする触媒、並び
にこの触媒を用いるビニル化合物重合体の製造に関する
ものである。さらには、本発明はこの重合により得られ
る、触媒担体ポリマーと重合により得られたビニル化合
物重合体との複合材料に関する。
【0003】本発明でいう「触媒」は、助触媒を組合せ
ることにより実質的に触媒としての機能を有するように
なるもの(その場合は、本発明触媒を特に触媒成分とい
うことがある)、ならびに助触媒を組合せなくてもそれ
自身で触媒としての機能を有するもの、の両方を意味す
るものとする。この差は重合させるべきビニル化合物の
種類によって決まる。すなわち、ビニルエーテル等のカ
チオン重合によって重合するモノマーに対しては助触媒
は不要であるけれども、エチレン等のα‐モノオレフィ
ンに対しては有機アルミニウム化合物を助触媒として所
謂チーグラー型触媒またはカミンスキー型触媒を形成さ
せることによって触媒能が実質的に発現する。従って、
以下において「触媒」というときは、「触媒成分」とし
て使用される場合を包含するものとする。
【0004】また、この発明で重合対象としての用語
「ビニル化合物」は、その最も広い意味を持つものとし
て「エチレン性不飽和化合物」と同義ものとして使用し
ており、エチレン、プロピレン等のα‐モノオレフィン
およびビニルエーテル、スチレン、(メタ)アクリレー
ト等を包含する(詳細後記)。
【0005】
【従来の技術】遷移金属化合物成分、たとえば周期律表
第4族金属のハロゲン含有化合物からなる成分、と有機
金属化合物成分、たとえば周期律表第1〜3族金属性有
機金属化合物、との組合せからなる所謂チーグラー型触
媒および遷移金属化合物成分としてメタロセン化合物を
使用する所謂カミンスキー型触媒は、いずれもビニル化
合物、特にα‐オレフィン、の重合用触媒として有用な
ものである。
【0006】これらの触媒は周知であって、特に前者の
チーグラー型触媒はその誕生が比較的早かったことか
ら、各種の改変が提案されている。
【0007】そのようなチーグラー型触媒の改変の一つ
として、遷移金属成分を担体に担持するというのがあっ
て、担体として無機化合物、たとえばハロゲン化マグネ
シウム、を使用したものは所謂高活性触媒として知られ
ていて、重合後の生成ポリマーから重合触媒残査を除去
する必要が無いというところから、省力化の点からも有
利であることが知られている。
【0008】ハロゲン化マグネシウムを担体とする遷移
金属化合物触媒成分は、可溶化させたハロゲン化マグネ
シウムの析出による担体固体の生成と担持とをin situ
で行なう場合の外に、既に固体となっている担体に遷移
金属化合物を担持させる方法も知られている。また、そ
れ以外の担体として、無機酸化物、たとえばアルミナ、
シリカ、チタニア、マグネシア等、が知られている。
【0009】しかしながら、これらの無機物担体を使用
する場合は、高活性触媒といっても使用担体が生成ポリ
マー中に少量残留するのであるから、高品質ポリマーを
目的とする場合は、当該残存物による問題点が顕在化す
る。すなわち、たとえば、担体として使用した無機塩ま
たは担体として使用した無機酸化物から生成した無機塩
が触媒残査として残ったり、特に無機酸化物を担体とし
た場合は時間と共に重合活性が減少したりして、所望の
ポリマー、たとえば長時間重合によるブロック共重合
体、が得られ難いことがある。
【0010】このような触媒残査残留に基く問題を解消
するものとして、ポリマー担体を用いる技術も知られて
いる。たとえば、特開昭63−289004号および特
開平1−115909号各公報は、スチレン・ジビニル
ベンゼン共重合体に触媒成分化合物(マグネシウム、チ
タンおよび電子供与体各化合物)を担持した触媒を、ま
た、Journal of Polymer Science、Polymer Chemistry
Ed. 、31 1561 頁(1993) は同様にポリスチレンビーズ
(スチレン・ジビニルベンゼン共重合体)に四塩化チタ
ンを担持した触媒成分を開示している。
【0011】しかし、開示されている限りでは、触媒成
分化合物の担持は不十分であるようであって、当初から
あるいは重合中に担持成分の脱落が生じて非担持触媒成
分基因の微粒子ポリマーが発生したり、触媒活性が低下
したりとの不都合があるようである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の担持
触媒成分に認められた上記の問題点の解決、具体的には
就中、ビニル化合物の重合に利用する際の活性持続性お
よび重合生成ポリマーの粒子性状等のポリマー特性の向
上、を目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
〔発明の概要〕本発明は、上記の問題点を解消すること
を目的とし、担体ポリマーとして特定の不飽和ポリマー
の使用ならびにこの特定の不飽和ポリマーの不飽和結合
を利用した遷移金属成分の特定の担持態様の採用によっ
て、この目的を達成とようとするものである。 <要旨>すなわち、この発明によるビニル化合物重合用
触媒は、ビニル化合物重合用触媒を構成すべき遷移金属
化合物成分を担持したものからなり、この担体がα‐モ
ノオレフィンとジエンの実質的に非架橋の共重合体であ
って、その不飽和結合を介して遷移金属化合物を結合さ
せることによってこの遷移金属化合物を担持させたもの
であること、を特徴とするものである。
【0014】また、この発明によるビニル化合物重合用
触媒は、上記ビニル化合物重合用触媒と有機金属化合物
とを組合せたものからなること、を特徴とするものであ
る。
【0015】さらにまた、本発明によるビニル化合物の
重合法は、上記のビニル化合物重合用触媒にビニル化合
物を接触させて重合させること、を特徴とするものであ
る。
【0016】本発明は、また、このポリマー担持触媒成
分を含んでなる触媒の使用の結果としての、担体ポリマ
ーと生成ビニル化合物重合体とのケミカルブレンド組成
物を提供するものである。
【0017】すなわち本発明によるケミカルブレンド組
成物は、α‐モノオレフィンとジエンの共重合体であっ
て使用ジエン由来の不飽和結合が少なくとも部分的に遷
移金属化合物の付加によって飽和されている非架橋重合
体(1)とビニル化合物の重合体(2)との複合体から
なること、を特徴とするものである。 <効果>本発明に従って担体用ポリマーとして不飽和結
合を有するものを使用して、その不飽和結合を利用して
遷移金属化合物成分を担持させたことによって、前記し
た従来の担持触媒成分に認められた問題点が解決され
る。すなわち、遷移金属化合物の担持が強固であるの
で、非担持物による微粒子ポリマーの生成の問題は事実
上存在せず、またこの担持触媒から組成される触媒は活
性の持続時間が長くて、リビング的挙動を示すようであ
るので、ブロック共重合体の製造等に有用である。
【0018】そして、このポリマー担持触媒成分の使用
の結果として得られるビニル化合物の重合体は担体とし
て使用したポリマーとのケミカルブレンド組成物であっ
て、両重合体の単純なブレンド組成物とは異なる力学特
性を有する有用な新規重合体である。 〔発明の具体的説明〕本発明は、基本的には、ビニル化
合物重合用の触媒成分に関する。 <担持触媒成分> (1)担体 本発明で使用する担体は、α‐モノオレフィンとジエン
との共重合体である。ここで、「α‐モノオレフィンと
ジエンとの共重合体」とは、挙示の二単量体のみの共重
合体に限定されるものではなく、複数のα‐モノオレフ
ィン及び/又は複数のジエンを共重合させた三元ないし
多元共重合体を包含するものとする。また、この共重合
体は結晶性のものでも、非晶質のものであってもよい。
【0019】このα‐モノオレフィンとしては、エチレ
ンおよびその同族体であるα‐モノオレフィン(たとえ
ば炭素数10程度までのもの)が典型的である。具体的
には、エチレン、プロピレン、ブテン‐1、4‐メチル
ペンテン‐1、ヘキセン‐1、オクテン‐1、その他を
例示することができる。
【0020】この共重合体を構成する共単量体であるジ
エンとしては、ブタジエンおよびその同族体である共役
または非共役ジエンが典型例の一つである。
【0021】ジエンの他の典型例は、上記の非共役ジエ
ン以外の非共役ジエン、特に環式構造を有するもの、た
とえば、エチリデンノルボルネン、である。
【0022】なお、適当な非共役ジエンは、所謂EPD
Mとして知られているエチレン‐プロピレン系エラスト
マー用の非共役ジエンにその具体例を見出すことができ
る。
【0023】すなわち、本発明で使用することができる
ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、1,3‐ペ
ンタジエン、1,4‐ヘキサジエン、メチル‐1,4‐
ヘキサジエン、1,5‐ヘキサジエン、1,7‐オクタ
ジエン、メチル‐1,6‐オクタジエン、1,9‐デカ
ジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルシクロヘキセ
ン、ビニルノルボルネン、等が例示される。これらのう
ち、1,4‐ヘキサジエン、メチル‐1,4‐ヘキサジ
エン、メチル‐1,6‐オクタジエン、およびエチリデ
ンノルボルネン等が好ましい。
【0024】必要に応じてさらに共重合させることがで
きる共単量体としては、後記したビニル化合物の例示の
中にその具体例を見出すことができる。
【0025】このα‐モノオレフィン/ジエン共重合体
は、適当なものが入手できない場合でも、その合成は容
易であって、所定単量体の共重合によって得ることがで
きる。
【0026】そのようなα‐モノオレフィン/ジエン共
重合体の製造法は、たとえば特公昭64−2128号、
同64−9327号、特公平6−9327号、特開平2
−311507号等各公報に開示されている。エチレ
ン、プロピレン等の単独、あるいは共重合により結晶
性、あるいは非晶性の重合体が得られる。ジエンの導入
の仕方は特に指定はないが、通常はオレフィンと共存で
ランダムに共重合する方法、オレフィンの重合後、ジエ
ンとオレフィンの共重合をする方法等が例示される。
【0027】担体としてのα‐モノオレフィン/ジエン
共重合体のジエンの含量は、遷移金属化合物を担持させ
たときの遷移金属含量およびビニル化合物重合後に形成
されるべきケミカルブレンド中の担体由来ポリマーの含
量を所定の値にすべく定めることができる。一般に、ジ
エンの全体中のモル含量でいえば、0.1〜30モル
%、好ましくは0.3〜15モル%、である。
【0028】なお、この共重合体が非晶性であるか、結
晶性であるかは、オレフィンの種類や組成、立体規則性
により異なる。どちらが好ましいかは、目的とする触媒
特性及び/又はケミカルブレンド/複合材料、などによ
り異なる。
【0029】担体用ポリマーは、ケミカルブレンドの一
成分としての利用を考えれば、非架橋の溶融可能なもの
が好ましい。 <遷移金属化合物>上記の担体ポリマーに担持させるべ
き遷移金属化合物としては、チーグラー型触媒およびカ
ミンスキー型触媒の遷移金属化合物として使用しうる任
意の化合物が本発明で対象となりうる。
【0030】先ず、金属としては、周期律表第4族のも
の、特にTi、Zr、およびHfが挙げられる。そし
て、その化合物としては、典型的にはハロゲン化合物お
よび(または)アルコキシ化合物、等が用いられる。こ
れらの遷移金属の原子価の全部がハロゲン原子および
(または)アルコキシ基で充足されている化合物が典型
的であるが、原子価の一部ないし全部が他の基および
(または)配位子で充足されていてもよい。そのような
基ないし配位子としては、一般には、ヒドリド基、フェ
ニル基、ベンジル基等のアリル基、シクロペンタジエニ
ル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、フ
ルオレニル基等の共役五員環配位子、アミド基、等が例
示される。
【0031】好ましい4族遷移金属化合物は、三塩化チ
タン、四塩化チタン、四塩化ジルコニウム、チタノセン
ジクロリド、ジルコノセンジクロリド、等のハロゲン化
合物である。特に好ましくは、三塩化チタン、四塩化チ
タン、四塩化ジルコニウム、等のハロゲン化合物であ
る。 <遷移金属化合物の担持>本発明による担持触媒成分
は、上記担体不飽和ポリマーに、その不飽和結合を利用
して、遷移金属化合物を担持したものである。
【0032】共有結合の形成は、一方の反応性基として
の担体ポリマーの不飽和結合と他方の反応性基を与える
所与の遷移金属化合物の種類とに応じて合目的的な任意
の方法によって実施することができる。
【0033】両反応性基の直接反応は必ずしも容易では
ないことがふつうであるから、一方または両方を反応性
誘導体に変換してから反応させることが便利であること
が多い。
【0034】そのような間接的な反応方法の一例は、担
体ポリマーの不飽和結合をハロゲン化、たとえば臭素の
付加あるいは臭化水素の付加により臭素化し、アルカリ
金属たとえばリチウムまたはナトリウムと反応させ(脱
ハロゲン化リチウム等)、このようにアルカリ金属化し
たポリマーを遷移金属のハロゲン化物と反応させて(脱
ハロゲン化リウチム等)、炭素−金属結合を形成させる
ことからなる。これらの反応は、関与反応体の少なくと
も一方に対する溶剤中で溶液状態であるいは懸濁状態で
実施することがふつうである。担体ポリマー/遷移金属
化合物の重量比は、100/1〜1/100程度がふつ
うである。非担持遷移金属化合物を除去するために、該
化合物用の溶剤で生成担持触媒を洗浄することもでき
る。
【0035】均一な担持のためには、担体ポリマーが可
溶化されない場合は、微細な粒子(たとえば平均粒径7
00μm以下)であることが好ましい。
【0036】一般に、触媒成分中の遷移金属化合物の量
は、遷移金属原子の重量換算で0.01〜15重量%、
好ましくは0.1〜5重量%、である。 <触媒の形成>本発明触媒成分は、重合対象としてのビ
ニル化合物の種類如何によっては、それ自身が触媒とし
て機能するばかりでなく、チーグラー型触媒またはカミ
ンスキー型触媒に慣用されているところに従って、助触
媒というべき有機アルミニウム化合物と組合せて触媒を
形成する場合もあることは、前記したところである。
【0037】その場合の有機アルミニウム化合物として
は、チーグラー型およびカミンスキー型触媒に使用可能
とされているものが一般に本発明でも使用可能である。
【0038】そのような有機アルミニウム化合物として
は、(イ)トリアルキルアルミニウム、たとえば、トリ
メチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ‐
n‐プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニ
ウム、トリnブチルアルミニウム、トリイソブチルアル
ミニウム等、(ロ)ハロゲン含有有機アルミニウム、た
とえば、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアル
ミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリ
ド、エチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニ
ウムブロミド、ジエチルアルミニウムフルオリド、ジエ
チルアルミニウムイオダイド等、(ハ)有機アルコキシ
アルミニウム化合物、たとえば、ジエチルアルミニウム
エトキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド、エチ
ルアルミニウムジエトキシド等、(ニ)有機アルミニウ
ムヒドリド化合物、たとえば、ジエチルアルミニウムヒ
ドリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド等、(ホ)
有機アルミニウムオキシ化合物、たとえば、メチルアル
モキサン、エチルアルモキサン、イソブチルアルモキサ
ン、メチルイソブチルアルモキサン、ジイソブチルアル
ミノキシブチルボロン酸等、が例示される。これらのう
ち、トリアルキルアルミニウム、ハロゲン含有有機アル
ミニウム、有機アルミニウムオキシ化合物等が好ましく
用いられる。
【0039】有機アルミニウム化合物はα‐モノオレフ
ィンおよび芳香族不飽和化合物等の重合には必要性が高
いが、カチオン重合性モノマーたとえばビニルエーテル
等の重合には使用する必要がないか、あるいは被毒の原
因になるので使用できない。
【0040】本発明で使用する担持触媒および必要に応
じて用いる有機アルミニウム化合物の使用量は任意であ
る。例えば溶媒重合の場合は、前者の使用量は遷移金属
原子として10-7〜103 ミリモル/リットル、好まし
くは10-4〜10ミリモル/リットルである。後者を使
用する場合は、Al/遷移金属のモル比で通常1〜10
0,000、好ましくは5〜10,000の範囲であ
る。
【0041】ビニル化合物の重合には、本発明担持触媒
および必要に応じて使用する有機アルミニウム化合物は
反応槽に別々に導入してもよいし、両者を予め接触させ
たものを反応槽に導入してもよい。両者を予め接触させ
る際に、重合するモノマーの存在下でこれを行ってモノ
マーを一部重合させる(いわゆる予備重合)ことも可能
である。本発明の触媒は、上記両成分以外に、他の成分
を含みうるものである。加えることの可能な第三成分
(任意成分)としては、例えばHO、メタノール、エ
タノール、ブタノール等の活性水素含有化合物、エーテ
ル、エステル、アミン等の電子供与性化合物、ホウ酸フ
ェニル、亜リン酸フェニル、テトラエトキシシラン、ジ
フェニルジメトキシシラン等のアルコキシ含有化合物、
トリフェニルホウ素、トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)ホウ素等のルイス酸、ジメチルアニリニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニ
ルカルビニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート、等のイオン性化合物、等を例示することが可
能である。 <ビニル化合物の重合> <ビニル化合物>本発明では、重合させるべき「ビニル
化合物」は、その用語の最も広い意味において提えてい
ることは前記したところである。。従って、これは「エ
チレン性不飽和化合物」と同義というべきであって、エ
チレンおよびその同族体であるα‐モノオレフィン(た
とえば、炭素数12程度までのもの)ならびにその不飽
和誘導体である共役および非共役ジオレフィンの外に、
スチレンおよびビニルナフタレンならびにその側鎖およ
び(または)核置換体(置換基は低級アルキル(C
程度)、ハロメチル、ハロゲン、その他)、ハロゲ
ン化ビニル、(メタ)アクリル酸およびその誘導体(た
とえばエステル(炭素数10程度までの、アルキルエス
テル)、アミド、その他)、上記と異なる非共役ジエン
化合物(たとえば、エチリデンノルボルネン)、ビニル
エーテル(たとえばC〜Cアルキルビニルエーテ
ル)、ビニルないしアリルシラン(たとえばトリC
アルキルビニルシラン、およびトリC〜Cアル
キルアリルシラン)、(メタ)アクリロニトリル、を包
含するものである。
【0042】具体的には、たとえば、エチレン、プロピ
レン、1‐ブテン、1‐ヘキセン、1‐オクテン、3‐
メチルブテン‐1、4‐メチルペンテン‐1等のα‐オ
レフィン、ブタジエン、イソプレン、1,4‐ヘキサジ
エン、1,5‐ヘキサジエン、メチルヘキサジエン、
1,7‐オクタジエン、メチル‐1,6‐オクタジエン
等のジエン化合物、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニ
ルナフタレン等の芳香族不飽和化合物、トリメチルビニ
ルシラン、トリメチルアリルシラン、イソブチルビニル
エーテル、アクリル酸、アクリル酸エチル、メタクリル
酸メチル、アクリロニトリル、塩化ビニル等の極性ビニ
ル化合物等が例示される。
【0043】これらのうちで代表的なものは、α‐モノ
オレフィン、特に炭素数2〜12程度のものの単独また
は併用である。従って、本発明で代表的なビニル化合物
は、エチレン、プロピレン、ブテン‐1、ヘキセン‐
1、オクテン‐1、およびこれらの二種以上の併用およ
びエチレンとプロピレンと共役ないし非共役ジエン(た
とえばエチリデンノルボルネン)との併用である。
【0044】本発明による担持触媒は、溶媒を用いる溶
媒重合に適用されることはもちろんであるが、実質的に
溶媒を用いない液相無溶媒重合、気相重合、溶融重合に
も適用される。また、連続重合、回分重合にも適用され
る。
【0045】溶媒重合の場合の溶媒としては、ヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等
の飽和脂肪族または芳香族炭化水素の単独あるいは混合
物が用いられる。
【0046】重合温度は、−100〜230℃程度、好
ましくは−20〜100℃、である。反応系の圧力は特
に制限はないが、ガス状のモノマーの場合は、一般に、
常圧〜2000気圧、好ましくは常圧〜100気圧、の
範囲である。
【0047】また、重合に際しては公知の手段、例えば
温度、圧力の選定あるいは水素の導入、により分子量調
節を行うことができる。 <生成重合体>本発明の特色の一つは、本発明触媒を必
要に応じて助触媒と共に使用してビニル化合物を重合さ
せて得られる重合体が、単純な当該ビニル化合物の重合
体ではなくて、触媒担体として使用したα‐モノオレフ
ィン/ジエン共重合体(たゞし、ジエン由来の不飽和結
合の少なくとも一部は、遷移金属化合物と共有結合して
いることによって失われている)とのケミカルブレンド
である。
【0048】このようなケミカルブレンドないし複合体
の組成は、担体として使用したα‐モノオレフィン/ジ
エン共重合体の量と生成ビニル重合体の重合量との比に
対応する。
【0049】α‐モノオレフィン/ジエン共重合体と、
本触媒を用いて得られるビニル化合物重合体との量比は
任意であるが、一般には、前者と後者の重量比で1/9
9から99/1、好ましくは10/90から90/1
0、の範囲である。
【0050】重合対象としてのビニル化合物としてジエ
ンないしポリエン化合物を使用せず、あるいは重合中に
架橋反応が生じなければ、生成重合体すなわちケミカル
ブレンド/複合体は本質的には熱可塑性重合体の範疇に
属するものである。従って、本発明による生成重合体
も、この種の重合体に慣用されているところに従って、
各種の補助資材、たとえば、樹脂質ないしゴム質重合
体、無機ないし有機の充填材、安定剤、滑剤、結晶核
剤、染顔料、その他を配合することができる。
【0051】
【実施例】
〔実施例−1〕 <担体ポリマーの製造>特開平2−311507号公報
の実施例−2に記載の方法で、プロピレン/メチル‐
1,6‐オクタジエン共重合体を製造した。この共重合
体は、1,6‐オクタジエンを2.7モル%、プロピレ
ンを97.3モル%含有していた。13C−NMRの測定
の結果、[mmmm]ペンタッド分率が0.91であっ
た。GPCの測定の結果、数平均分子量は2.9×10
4 であり、重量平均分子量と数平均分子量の比(Q値)
は5.1であった。
【0052】この共重合体10グラムをo‐ジクロロベ
ンゼン200ミリリットルに加えて130℃で溶解さ
せ、ついで窒素気流下で濾過により不溶部分を取り除
き、その後エタノールで析出させ、析出物を、乾燥させ
て以後の検討に用いた。 <担持触媒の製造>この乾燥ポリマー3グラムを四塩化
炭素100ミリリットルに懸濁させ、ついで臭素の四塩
化炭素溶液(0.03モル/リットル)を50ミリリッ
トル滴下して、室温で8時間反応させ、固体成分をろ別
し、四塩化炭素500mlで洗浄した後、45℃で減圧
乾燥した。ついで、該臭素化物をトルエン溶媒100ミ
リリットルに懸濁させ、金属リチウム0.3グラムを加
えて、室温で8時間反応させた。反応終了後、未反応の
金属リチウムを取り除き、ついで四塩化チタンのトルエ
ン溶液(0.06モル/リットル)を50ミリリットル
滴下し、さらに8時間反応させた後、トルエンで洗浄
し、乾燥させて、担持触媒を得た。この触媒中には、チ
タンが0.18重量%担持されていた。 <エチレンの重合>300ミリリットルの3ツ口フラス
コを充分に乾燥させ、窒素置換した後、脱水および脱気
したトルエンを100ミリリットル、上記で合成した担
持触媒を0.40グラム(チタン原子換算で15マイク
ロモル)、ついで助触媒としてトリエチルアルミニウム
を3ミリモル装入し、エチレンを常圧で導入しつつ60
℃で1時間重合を行なった。重合終了後、得られたスラ
リーに塩酸/エタノール約20ミリリットルを加えて5
分間攪拌した後、700ミリリットルのエタノール中に
全量を加え、さらに1時間攪拌した後、ろ別し、乾燥し
た。この結果、0.19グラムのポリエチレンを含むケ
ミカルブレンド/複合材料0.59グラムが得られた。 〔実施例−2〜5〕重合時間を3時間、25時間、50
時間、100時間に変更する以外はすべて実施例−1と
同様の条件で反応を行なった。結果は、表−1に示す通
りであった(実施例1の結果も併記)。
【0053】 表−1 重合時間(h) 生成ケミカルブレンド(g) (ポリエチレン含有量(g)) 実施例−1 1.0 0.59(0.19) −2 3.0 0.92(0.52) −3 25.0 3.20(2.80) −4 50.0 4.55(4.15) −5 100.0 8.26(7.86) 〔実施例−6〕 <スチレンの重合>実施例−1と同様のフラスコを用
い、トルエンを100ミリリットル、トルエチルアルミ
ニウムを1ミリモル、スチレンを10ミリリットルを装
入し、ついで実施例−1で製造した触媒0.45グラム
を装入して、50℃で13.5時間重合を行った。重合
終了後、実施例−1と同様の後処理を行なった結果、
0.11グラムのポリスチレンを含むケミカルブレンド
/複合材料0.56グラムが得られた。 〔実施例−7〕 <イソブチルビニルエーテルの重合>実施例−1と同様
のフラスコを用い、イソブチルビニルエーテルを10ミ
リリットル、実施例−1で製造した触媒成分を0.50
グラム装入して0℃で1時間重合を行なった。重合終了
後、実施例−1と同様の後処理を行なった結果、0.2
1グラムのポリイソブチルビニルエーテルを含むケミカ
ルブレンド/複合材料0.71グラムが得られた。 〔実施例−8〕 <担体ポリマーの製造>エチレン/プロピレン/1,4
‐ヘキサジエン共重合体としてデュポン社製「ノーデル
1145」を使用した。この共重合体は、1,4‐ヘキ
サジエンを1.2モル%、エチレンを80.0モル%、
プロピレンを18.8モル%含有していた。GPC測定
の結果、数平均分子量1.4×105 (ポリスチレン標
準)であり、重量平均分子量と数平均分子量の比(Q
値)は3.3であった。
【0054】上記担体ポリマー10グラムをトルエン2
00ミリリットルに溶解し、エタノールでポリマーを析
出させ、この操作を3度行なった後、乾燥して、以後の
検討に用いた。 <触媒の製造>乾燥したポリマー3グラムをクロロホル
ム100ミリリットルに溶解し、ついで臭化水素(9m
mol/l)を1ml導入して、室温で8時間反応させ
た。ついで、該臭素化物をトルエン100ミリリットル
に溶解し、金属リチウム0.3グラムを加えて、室温下
8時間反応させた。反応終了後、未反応の金属リチウム
を取り除き、ついで四塩化チタンのトルエン溶液(0.
06モル/リットル)を50ミリリットル滴下し、さら
に8時間反応させた後、濃縮し、濃縮物をエチルエーテ
ルで洗浄して、触媒を得た。この触媒には、チタンが
0.23重量%担持されていた。 <エチレンの重合>上記で得た触媒を0.4グラム用い
る以外はすべて実施例−1と同一の条件で重合を行っ
た。その結果、0.13グラムのポリエチレンを含むケ
ミカルブレンド/複合材料0.53グラムが得られた。 〔実施例−9〕 <スチレンの重合>実施例−8で得た触媒0.34グラ
ム用いる以外はすべて実施例−6と同一の条件で重合を
行った。その結果、0.23グラムのポリスチレンを含
むケミカルブレンド/複合材料0.47グラムが得られ
た。 〔実施例−10〕 <イソブチルビニルエーテルの重合>実施例−8で得た
触媒を1.0グラム用いる以外はすべて実施例−7と同
一の条件で重合を行なった。その結果、0.56グラム
のポリイソブチルビニルエーテルを含むケミカルブレン
ド/複合材料1.56グラムが得られた。
【0055】
【発明の効果】遷移金属化合物を触媒とし、しかもこれ
を担体に担持したときに、担体としてα‐モノオレフィ
ン/ジエン共重合体を使用して、その不飽和結合を利用
して遷移金属化合物を担体に共有結合で結合させている
ので、遷移金属化合物の担持が強固でない場合に認られ
る問題が解決され、また生成重合体が担体ポリマーとの
ケミカルブレンドとして得られて新規な複合材料を与え
ること、さらには本発明の触媒は触媒活性が長時間維持
され安定性に優れることは「発明の一般的説明」の項に
おいて前記したところである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 秀 晴 石川県能美郡辰口町大口ノ1−1 大学 宿舎D−54 (72)発明者 大 西 広 喜 石川県能美郡辰口町宮竹カ59−1 アブ ニール205 (56)参考文献 特開 昭60−72905(JP,A) 特公 昭44−1990(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/60 - 4/70 C08F 4/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビニル化合物重合用触媒を構成すべき遷移
    金属化合物成分を担持したものからなり、この担体がα
    ‐モノオレフィンとジエンの実質的に非架橋の共重合体
    であって、その不飽和結合を介して遷移金属化合物を結
    合させることによってこの遷移金属化合物を担持させた
    ものであることを特徴とする、ビニル化合物重合用触
    媒。
  2. 【請求項2】請求項1記載のビニル化合物重合用触媒と
    有機金属化合物成分とを組合せたものからなることを特
    徴とする、ビニル化合物重合用触媒。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のビニル化合物重合
    用触媒にビニル化合物を接触させて重合させることを特
    徴とする、ビニル化合物の重合法。
  4. 【請求項4】α‐モノオレフィンとジエンの実質的に非
    架橋の共重合体であって使用ジエン由来の不飽和結合が
    少なくとも部分的に遷移金属化合物が結合したことによ
    って飽和されている非架橋重合体(1)とビニル化合物
    の重合体(2)との複合体からなる、ケミカルブレンド
    組成物。
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