JP3413326B2 - 車輌用リヤシート - Google Patents

車輌用リヤシート

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、段付きフロアの高
段部に支持されるシートクッションの後部に起伏自在な
シートバックを設けてシートバックを前倒しするとその
裏面を荷床面として利用できる車輌用リヤシートに関す
るものである。
【０００２】
【従来の技術】段付きフロアの高段部に支持されたシー
トクッションの後部に起伏自在なシートバックを設けた
車輌用リヤシートにおいて、シートクッションをその前
部を下側として跳ね上げたうえシートバックを前倒しす
ると、シートバックの裏面が荷床面として利用できるよ
うにしたものは、例えば、特開平３−１８９２４５号公
報に示されるように従来より種々知られている。
【０００３】ところが、従来のこの種の車輌用リヤシー
トにおいては、シートクッションをその前部を下側とし
て跳ね上げたとき、フロアの高段部の前壁面とシートク
ッションとの間に空間が残され、このためにシートクッ
ションは的確な起立状態に保持されないこととなって、
急ブレーキをかけたり車輌の前方側から衝撃を受けたり
して荷床面に載せられた荷物が前側へ移動すると、荷物
が小物であると前記空間に荷物が落下し、大きい荷物で
は起立状態にあるシートクッションを介してフロントシ
ートに大きな荷重がかかって運転の障害になる等の問題
点がある。また、このような問題を解決するためには、
起立状態にあるシートクッションを固定するためのベル
トやリンク等の補強具が必要となり、このために構造が
複雑になるという問題点があった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
するところは上記のような従来の問題点を解決し、シー
トクッションの後部にあるシートバックを前倒ししてそ
の裏面を荷床面として利用したときにおいて、なんらか
の理由で荷床面の荷物が前側へ移動しても、起立した上
部クッションにより的確に受けてフロントシートに大き
な荷重がかかることがないうえに、荷物が小物であって
も荷床面の前方へ落下するおそれもなく、さらに、シー
トクッションを安定した起立状態に保持するための余分
な補強具も必要としないために簡単な構造とすることが
できて安価に提供できる車輌用リヤシートを提供するこ
とにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明の車輌用リヤシートは、段付きフロ
アの高段部に支持されたシートクッションの後部に設け
た起伏自在なシートバックを前倒しするとその裏面が荷
床面となる車輌用リヤシートにおいて、前記シートクッ
ションが高段部に支持された正常状態と、シートクッシ
ョンの前部を下側として跳ね上げられシートクッション
の裏面が前記段付きフロアの高段部の前壁面に当接支持
された起立状態とに切り換え可能であるリンク式連結機
構を有し、該リンク式連結機構が、段付きフロアに一端
が連結された第１リンクと、この第１リンクの他端に一
端が連結され他端はシートフレームに連結された第２リ
ンクとからなり、第１リンクと第２リンクとはシートク
ッションが起立状態とされたときにフロア面に沿い直線
状に収納されるようにしたことを特徴とするものであ
る。そして、前記シートクッションとして、前記高段部
の上面に支持される下部クッションと該下部クッション
の上に重ねられる上部クッションとから構成されてお
り、前記上部クッションが下部クッションに支持された
正常状態と、前記上部クッションの前部を下側として跳
ね上げられ、上部クッションの裏面が前記段付きフロア
の高段部の前壁面に当接支持された起立状態とに切り換
え可能であるリンク式連結機構とを有するものを請求項
２に係る発明とし、また、このような車輌用リヤシート
におけるリンク式連結機構として、シートクッションが
起立状態とされたときにシートクッションの前部に設け
られた切欠内においてフロア面に沿い直線状に収納され
るようにしたものを請求項３に係る発明とするものであ
る。
【０００６】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好ましい実施の
形態を図示したシートバックおよびシートクッションの
幅が６：４に分割された自動車用リヤシートの場合につ
いて詳細に説明する。１は段付きフロア２０の高段部２
１に支持されるシートクッション、２はこのシートクッ
ション１の後部に起伏自在に設けられたシートバックで
あって、これらシートクッション１とシートバック２と
はいずれも図３に示すように、広幅のものとこれより狭
幅のものとを並列させたものとしている。そして、各シ
ートバック２は前倒したときにその裏面が荷床面として
利用できるものとしてあり、これらの基本構成は従来の
ものと殆ど変わることはない。また、前記した各シート
クッション１は、前記したフロア２０の高段部２１の上
面に支持される下部クッション１ａの上に上部クッショ
ン１ｂを重ねた複層構造としてあり、この下部クッショ
ン１ａと上部クッション１ｂの裏面にはフロアと同一の
カーペットが貼着されている。さらに、前記した下部ク
ッション１ａの底部には段付きフロア２０の高段部２１
の前半両側付近に設けられた前後方向の連結機構取付用
***部２３に対応する凹部４、４が設けられて下部クッ
ション１ａのうち各凹部４に対応する部分は薄肉部とさ
れ、この薄肉部には前後方向の連結機構収納用切欠３が
前縁に達するように設けてある。
【０００８】１０は上部クッション１ｂを段付きフロア
２０の高段部２１に連結しているリンク式連結機構であ
って、このリンク式連結機構１０は上部クッション１ｂ
の下面をもって下部クッション１ａの上面に支持された
正常状態と、前部を下側として跳ね上げられて前部裏面
が前記段付きフロア２０の高段部２１の前壁面２２に当
接支持された起立状態の２態様に切換可能にするための
ものである。なお、図示のリンク式連結機構１０は、前
記連結機構取付用***部２３の頂部にスタッドボルト１
３をもって取付けられるブラケット１２と、このブラケ
ット１２に一端を回動自在に連結させた第１リンク１１
ａと、第１リンク１１ａの他端に一端を回動自在に連結
した第２リンク１１ｂとよりなり、この第２リンク１１
ｂの他端を図２に示されるようにシートフレーム５に設
けた取付板１４にブラケット１２ｂを介して回動自在と
したバー１５に連結し、第１リンク１１ａと第２リンク
１１ｂとが上部クッション１ｂを起立状態としたときに
下部クッション１ａの前部に設けられた前記切欠３内に
おいてフロア面に沿い直線状に安定して収納され、上部
クッション１ｂの跳ね上げ時における作業性および安定
性をよりよくしたものとしている。なお、１６は上部ク
ッション１ｂを下部クッション１ａの上面に下面をもっ
て支持させた正常状態とした時に上部クッション１ｂを
所定位置に規制するためのストッパーである。
【０００９】このように構成されたものは、通常は図１
の実線で示したように下部クッション１ａの上面に上部
クッション１ｂがその下面をもって支持された正常状態
として使用し、必要に応じて上部クッション１ｂをその
前部を下側として跳ね上げるとともに、シートバック２
を前倒ししてその裏面を荷床面に変更使用するものであ
るが、本発明では特に上部クッション１ｂを跳ね上げた
とき、図１の破線で示したように、上部クッション１ｂ
の前部裏面が段付きフロア２０の高段部２１の前壁面２
２に当接支持された起立状態に保持されるために上部ク
ッション１ｂの起立状態がしっかりと確保でき、このた
め、仮に荷床面上の荷物が前側へ移動して起立状態にあ
る上部クッション１ｂに衝突しても、上部クッション１
ｂが前側に移動してフロントシートに衝撃を加えること
を確実に防止することとなり、また、起立状態にある上
部クッション１ｂと高段部２１の前壁面２２との間に空
間が形成されないために荷物が小物であってもこの空間
より荷物が落下することもない。しかも、簡単な機構の
リンク式連結機構１０を採用するだけでよいので、省ス
ペースおよび低コスト化を達成できることとなる。
【００１０】
【発明の効果】本発明は以上の説明からも明らかなよう
に、シートクッションの後部にあるシートバックを前倒
ししてその裏面を荷床面として利用したときにおいて、
荷床面の荷物が前側へ移動しても起立した上部クッショ
ンにより的確に受けてフロントシートに大きな荷重がか
かることがないうえに、荷物が小物であっても荷床面の
前方へ落下するおそれもなく、しかも、シートクッショ
ンを安定した起立状態に保持するための余分な補強具も
必要としないために簡単な構造とすることができて安価
に提供できるなど種々の利点がある。よって本発明は従
来の問題点を一掃した車輌用リヤシートとして、産業の
発展に寄与するところは極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態を示す正面図である。
【図２】連結機構を示す分解斜視図である。
【図３】第２シートクッションを前方側に跳ね上げた状
態を示す斜視図である。
【符号の説明】
１ シートクッション 1a 下部クッション 1b 上部クッション ２ シートバック ３ 切欠 10 リンク式連結機構 11a 第１リンク 11b 第２リンク 20 段付きフロア 21 高段部 22 前壁面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 和典 愛知県豊田市トヨタ町１番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 松藤 ▲頼▼右 神奈川県横浜市磯子区磯子６丁目５番地 ９号 (56)参考文献 特開 昭63−141844（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−86245（ＪＰ，Ａ) 実開 平２−115731（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−113138（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B60N 2/36

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 段付きフロアの高段部に支持されたシー
    トクッションの後部に設けた起伏自在なシートバックを
    前倒しするとその裏面が荷床面となる車輌用リヤシート
    において、前記シートクッションが高段部に支持された
    正常状態と、シートクッションの前部を下側として跳ね
    上げられシートクッションの裏面が前記段付きフロアの
    高段部の前壁面に当接支持された起立状態とに切り換え
    可能であるリンク式連結機構を有し、該リンク式連結機
    構が、段付きフロアに一端が連結された第１リンクと、
    この第１リンクの他端に一端が連結され他端はシートフ
    レームに連結された第２リンクとからなり、第１リンク
    と第２リンクとはシートクッションが起立状態とされた
    ときにフロア面に沿い直線状に収納されるようにしたこ
    とを特徴とする車輌用リヤシート。
  2. 【請求項２】 シートクッションは、前記高段部の上面
    に支持される下部クッションと該下部クッションの上に
    重ねられる上部クッションとから構成されており、前記
    上部クッションが下部クッションに支持された正常状態
    と、前記上部クッションの前部を下側として跳ね上げら
    れ、上部クッションの裏面が前記段付きフロアの高段部
    の前壁面に当接支持された起立状態とに切り換え可能で
    あるリンク式連結機構とを有するものである請求項１に
    記載の車輌用リヤシート。
  3. 【請求項３】 リンク式連結機構が、シートクッション
    が起立状態とされたときにシートクッションの前部に設
    けられた切欠内においてフロア面に沿い直線状に収納さ
    れるようにした請求項１または２に記載の車輌用リヤシ
    ート。
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