JP3408220B2 - 物理探査のための代替震源 - Google Patents

物理探査のための代替震源

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JP3408220B2 JP2000018502A JP2000018502A JP3408220B2 JP 3408220 B2 JP3408220 B2 JP 3408220B2 JP 2000018502 A JP2000018502 A JP 2000018502A JP 2000018502 A JP2000018502 A JP 2000018502A JP 3408220 B2 JP3408220 B2 JP 3408220B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車の廃棄解
体時に生じるエアバックのインフレータを、物理探査の
ひとつの手法である地震探査の有用な震源装置として利
用するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、地質、地下、人工構造物の調査に
おける物理探査のひとつの手段として地震探査がある。
震源装置から発生する弾性波を探査対象面(すなわち、
地表面、地下の坑井内壁、人工構造物)より内部に伝播
し、地下地層、構造物から反射あるいは屈折して戻って
くる波を測定し、地下や構造物探査を行うのが地震探査
法である。地震探査は、地下深部までの地質構造情報を
高精度で取得することができるため多く用いられてい
る。
【0003】地震探査でのエネルギー源である震源は、
大まかにはダイナマイトが多く用いられる爆薬震源と爆
薬を用いない非爆薬震源に分けられる。非爆薬震源は機
械的震源、電気放電震源、熱力学的震源、 空気放出震
源、 微量爆薬使用震源などに分類される。機械的震源に
は、一定時間、周期波形を送り対象面を振動させる機械
的振動装置、重錘落下法や板たたき法などのように対象
面に物理的衝撃を与え、震源とするものがある。電気放
電震源には、電気的にスパークを発生し震源とするもの
があり、熱力学的震源にはプロパン、 ブタンなどのガス
と酸素の混合物を爆発させ震源とするものがある。空気
放出震源は、圧縮空気を密閉した装置内に送り、ピスト
ンの作用によって圧縮空気を水中で放出し、この時の空
気バブルの膨張を震源とする。微量爆薬使用震源には、
水中で小型爆薬を爆発させ地震パルスを発生する震源な
どがある。
【0004】ここで、従来の震源装置の具体例について
説明すると次の通りである。 1.ダイナマイト 地表探査において、地表に孔を堀り、この中にダイナマ
イトを設置し、火薬を***することによって震源とな
る。 2.人工振動装置(バイブレータ) 地表に人工的に強制振動を周波数を変えながら与え、発
射した波形と受信器で記録した波形を解析することによ
って、地下から反射した波を抽出できる。陸上での探査
に用いられる。装置が大掛かりであり、これまでは主に
石油探査などの地下深部を対象として陸上探査で用いら
れてきた。 3.圧縮空気(エアガン) エアガンは高圧の空気を開放することで生じるエネルギ
ーを震源とし、海上地震探査で多く用いられている。陸
上においては、水を充満させたプールを用意して実施さ
れる。 4.機械式 錘を自由落下させたり、 人がハンマーを打ち下ろしたり
(錘落下法、板たたき法)して、衝撃エネルギーを発生
させこれを震源とする。また、圧縮空気を密閉装置に貯
え、この空気を開放させ、ピストンを急激に移動させ震
源とするものもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ダイナマイトによる爆
薬震源の長所は、出力エネルギーが高いことである。短
所は安全面への配慮が不可欠で取り扱いが面倒であり、
人家近くでは使用が制限されることである。非爆薬震源
は、出力エネルギーは高くないが、経済性、取り扱いの
安全性など長所を備えている。短所としては、振動装置
が大型になる或いは特別なデータ処理が必要となるなど
がある。圧縮空気を用いたエアガン震源では装置が大型
となり、運搬が面倒となる。機械式板たたき法は、軽便
であるが、発生するエネルギーが小さくまた、一定とな
らないし、 錘落下法では装置の移動などが面倒とな
る。人が打つ場合は、装置は簡便ではあるがエネルギー
が小さく、また、震源として一定しないといった欠点を
持つ。地震探査は、その有効性から多くの現場に実施計
画があるが、人口密集地、僻地などでの探査の必要性が
増えるに従い、安全で効率的な震源の開発が望まれると
ころである。
【0006】新たな震源装置に望まれる要素として挙げ
られるのは次の通りである。 1.低コスト:探査費が安くできること。 2.携帯性:簡単に移動設置ができること。 3.高エネルギー:深部までエネルギーが到達する。 4.再現性:場所、時間が違っても震源のエネルギー値
が安定していること。 5.安全性:危険性が低く、人工密集地、大型機器の搬
入及び使用が難しい山岳地帯のような僻地での作業が可
能となること。 6.環境保全:環境保全に貢献する。
【0007】他方、自動車業界では、搭乗者の命を守る
ために、インフレータを用いたエアバックが開発され、
現在ではすべての車に取り付けが義務化された。エアバ
ック付きの車を廃車にし、解体する場合には、解体作業
中に突発的に、インフレータからガスが発生することを
避けるため、インフレータを予め取り外し解体作業を行
う必要がある。インフレータにはメーカーにより、ガス
発生剤によってガスを発生させるもの、高圧圧縮ガスを
用いるものなど各種あり、またガス発生剤にも種々の種
類がある。ガス発生剤を用いたインフレータは、車の衝
突時に、急激にガスを発生させ、エアバックを膨張させ
る装置で、衝突をセンサで感知すると電気信号によっ
て、インフレータ中の点火剤を反応させ、ペレット状に
配置されているガス発生剤のガスを急激に発生させるも
のである。高圧圧縮ガスを用いるものは、衝突をセンサ
で感知すると信号によってインフレータ中の高圧ガスを
急激に開放する。
【0008】いずれにしても、膨張したガスは50リッ
トルから300リットルの容積のバックを膨張させ、バ
ック内の最大圧は180気圧、バック先端は180から
370km/hの速さで膨らみ、大きな弾性波エネルギ
ーを生成する。すなわち、インフレータはどれも急激に
高圧のガスを発生させる点で共通である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はこの点に注目
し、大量生産されるインフレータ(急激に高圧のガスを
発生させる装置)を従来の探査用の爆薬震源、機械式震
源の代替震源として用いるようにしたものである。しか
も本発明は、現在、自動車の廃棄解体に伴い生じる廃棄
物としてのインフレータの再利用を可能とし、物理探
査、地震探査のための震源として利用することで有効利
用が図れ、環境保全に貢献する技術であるといえる。エ
アバックは、センサー、インフレータ、ガスバックから
構成されているものであるが、本発明ではインフレータ
及びセンサーとの接続ケーブルのみを用い、接続ケーブ
ルから電気を流すようにするものである。
【0010】請求項1の発明は、一方向を開放した耐圧
容器内に自動車用エアバックのインフレータを設置し、
開放面を探査対象面と合致させ、ガスの膨張力を直接探
査対象面に伝播することで縦波(P波)を発生させる代
替震源であり、開放面より衝撃エネルギーを作用させる
もので、探査対象面としての地面が平坦化され接触面で
ガス漏れ防止手段を講じておかないとガスが抜ける可能
性がある。反力により簡単に浮き上がるとエネルギーが
探査対象面(地面)に伝わらないことになるので耐圧容
器の重量が軽い場合支柱やワイヤ等の固定手段を採用す
ることが必要となる。
【0011】請求項2の発明は、密封した耐圧容器内に
自動車用エアバックのインフレータを設置し、探査対象
面に衝撃エネルギーを伝播することで縦波(P波)及び
又は横波(S波)を発生するようにしたものである。請
求項3の発明は、密封した耐圧容器内に自動車用エアバ
ックのインフレータを設置し、探査対象面と垂直方向に
衝撃エネルギーを伝播することで縦波(P波)を発生さ
せるものである。請求項4の発明は、密封した耐圧容器
内に自動車用エアバックのインフレータを設置し、探査
対象面と平行方向に衝撃エネルギーを伝播することで横
波(S波)を発生させるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す本発明の実施の
形態に即して説明する。本発明に係る震源装置は、エア
バックを構成するセンサー、インフレータ、ガスバック
の内、インフレータ及びセンサーとの接続ケーブルのみ
を用いるものである。震源であるインフレータ1、イン
フレータ1の接続ケーブル2に繋ぐインフレータ1の起
動手段(詳細な図示は省略する)を必須の構成要素と
し、必要に応じてインフレータ1で発生したガスをエネ
ルギー源として地表、構造物等の探査対象面に伝播する
ための耐圧容器3と、耐圧容器3の固定手段4等からな
る。
【0013】インフレータ1はガスを急激に発生する装
置であり、通常鉄製の容器中でガスを発生する。自動車
用のエアバッグでは発生した高圧ガスを急速にバック中
に発散させバックを膨張させる。この推進力を、地表な
どの探査対象面に向け発射することで震源とする。イン
フレータ1によって発生するガス量は同じ規格であれ
ば、一定であることから、震源としてのエネルギー値を
一定に保て、繰り返しや位置を移動しての調査におい
て、整合性のあるデータを取得することができる。ま
た、震源のエネルギー量は、インフレータ1の数を増や
すことで対応できるため、対象深度が深い場合にも用い
ることができ、対象面に適した探査用の震源となる。ガ
ス発生は瞬時であることから、パルス状に近い震源とな
り、解析に適した波形を出力するので探査精度が向上す
る。高圧ガスの探査対象面、例えば、地表への入射方向
をかえれば、P波、S波震源となり、応用範囲が広が
る。ガスの発生は、電気信号によるため、複数のインフ
レータを用いても簡単に同期でき受振器と連動させやす
く、解析効率が向上する。インフレータ1の起動手段
は、接続ケーブル2に繋ぎ、インフレータ1の着火剤に
電流を流しショートさせガス発生剤(推薬)に点火する
か、あるいは高圧ガスを用いたインフレータ1ではイン
フレータ1のガスを薬剤にて開放するものである。
【0014】インフレータ1は耐圧容器3内に設置さ
れ、膨張したガスによって、耐圧容器3内の圧力は増加
する。このエネルギーをピストン5などから構成される
伝播装置で急激に移動させ探査対象面に衝突させ弾性波
エネルギーとする。耐圧容器3は一般的には金属製とす
ることが望ましいが、ガス膨張に耐え得ればプラスチッ
ク製、複合材料或いは木製であってもよい。探査対象面
にエネルギーを伝播できれば足りるものといえる。耐圧
容器3の固定手段4は、膨張したガスの反力を押え探査
対象面にエネルギーを集中させるため必要に応じて用い
ることになる。
【0015】弾性波特性の制御に関しては次の通りであ
る。耐圧容器3内のインフレータ1から発射、膨張する
ガスを探査対象面にほぼ直角方向に与えることによって
縦波が発生するので、縦波(P波)震源となる。ガス量
は急激に増大するため、対象面に衝撃的に伝わり、震源
の波形はスパイクに近くなり、良好な波形を対象面に伝
播できる。耐圧容器3内のインフレータ1より発射、膨
張するガスによりエネルギーをピストンなどの伝播手段
を介して探査対象面と平行に弾性を発生させることによ
って横波(S波)を発生させる。これが横波(S波)震
源となる。また、探査対象面に対して傾斜させて伝播装
置を介して衝撃を与えれば、縦波と横波が同時に発生す
ることになる。
【0016】震源エネルギー量を制御するのは、簡単で
ある。すなわち、ひとつのインフレータから発生するガ
ス量は、同一規格であれば同量であり、エネルギー再現
性を有する。複数のインフレータを探査対象面に配置す
ることで発生するガスは線形的に増大する。本格的な探
査前に用いるインフレータの数を変えて試験すること
で、最適なインフレータの数を決定することが簡単にで
きることになる。すなわち、同一耐圧容器内に入れるイ
ンフレータの数を複数にしてエネルギーを増大させるこ
とができる。また、意図的に複数箇所で同時に作動させ
ノイズを取り除く場合が考えられる。同じ場所で複数回
作動させ、同じ記録を複数収録して波形を際立たせるこ
ともできる。
【0017】ここで、図面に示す実施態様に即して説明
する。図1は、発生したガスをエネルギーとして直接伝
達するのでダイナマイトの代替震源といえる。そこで耐
圧容器3は不要である。すなわち、地表に浅い穴Hを掘
削して、その中にインフレータ1を設置し、インフレー
タ1より導出した接続ケーブル2より通電してインフレ
ータ1内のガスを穴H内に瞬時に充満させるものであ
る。接続ケーブル2にて吊り下げるか或いは別途ワイヤ
等で吊り下げるようにする。この実施態様では360度
エネルギーが拡散するが、所定の方向のエネルギーだけ
を取り出し測定することになる。必要に応じて穴Hを埋
め戻してからガスを充満させるようにしてもよい。図示
しないが、浅い穴Hならば底にインフレータ1を設置す
るようにしてもよい。
【0018】図2は、耐圧容器3を用いて直接ガスのエ
ネルギーを探査対象面としての地表面に伝達するもので
ある。耐圧容器3は一方向を開放した開口部31を設
け、この開口部31と反対位置にインフレータ1を設置
し、開口部31を平坦地である探査対象面に押し当てる
と共にワイヤを固定手段4として反力を押え衝撃の探査
対象面に集中させるようにしてある。この例では探査対
象面と直角方向にエネルギーを伝播するので縦波(P
波)を発生させることになる。なお図示しないが、地表
面側の開口部31をエアバッグのバックと同一素材や柔
軟性のあるゴム膜をもって塞ぎ地表の凹凸に影響されず
衝撃を探査対象面に集中させるようにしてもよい。
【0019】図3も地表探査の例を示すもので、頑丈な
密封した耐圧容器3内にインフレータ1を設置し、耐圧
容器3内から下方にT形のピストン5を引き出すように
し、探査対象面である地表におかれた打点盤6上にピス
トン5の先端をあてがうように垂直方向に配置するよう
にしたものである。接続ケーブルからインフレータの起
動手段によりガスを急激に発生させ、探査対象面である
地表面に垂直方向にエネルギーを伝播するので縦波(P
波)震源となる。固定手段4は支柱としてある。ガス量
は急激に増大するため、探査対象面には衝撃的に伝わ
り、震源の波形はスパイクに近い良好な波形を伝播でき
ることになる。
【0020】図4及び図5は従来板たたき法として実施
されていた横波(S波)震源の代替震源といい得るもの
である。密封した耐圧容器3内に、インフレータ1のガ
ス膨張により探査対象面としての地表と平行移動するピ
ストン5を設け、このピストン5に耐圧容器3の外をス
ライドする打点盤6を一体に備えるようにしてなるもの
である。図4では打点盤6が地表に設置した重い平板7
上をスライドし、剪断力を起し震源となる。8は耐圧容
器3の架台である。図5の実施態様では、打点盤6を探
査対象面である直接地表に設置して、地表との間で剪断
力を起して震源とする。これらは接地面に横方向の弾性
波を発生させることによって、横波(S波)を発生させ
るものといえる。
【0021】図6及び図7も横波(S波)震源の代替震
源である。これは、図3に示すものと基本的構成をおな
じくし、図3に示すものを倒したものである。図6は、
地表に置かれた重量のある打点盤6の側面を押圧するよ
うに耐圧容器3から外出するピストン5を配置したもの
である。8は耐圧容器3の架台で、4は固定手段として
のワイヤである。図7は、地表に平板7をおきこの受け
に打点盤6を乗せるようにしたもので、打点盤6が平板
7上をスライドすることになる。
【0022】なお、これまでは探査対象面である地表に
直角方向に(縦波探査震源)、或いは平行方向(横波震
源)にエネルギーを作用させたものとして示したが、詳
細な図示は省略するが、探査対象面である地表に斜めに
エネルギーを伝播させることで縦波震源と横波震源を同
時に発生させることもできる。
【0023】次に地表ではなく坑井S内における震源装
置に関して説明する。図8に示すものは、上下を塞いだ
筒状の耐圧容器3内にインフレータ1を内装設置すると
共に、インフレータ1を囲む縦割筒体10からなる伝播
装置が探査対象面である坑井Sの坑壁S1と垂直方向に
急激に移動するように配置したものである。耐圧容器3
を坑井S内に降下させるにはワイヤを用いてなすか、イ
ンフレータ1からの接続ケーブル2によってなす。坑井
S内で固定してから、地表から接続ケーブル2を介して
電気信号を与えインフレータ1を発火させることによっ
てガスが発生し、伝播装置としての縦割筒体10が分離
して耐圧容器3の坑壁S1側に一斉に衝突することで弾
性波が伝播する。この時は縦波(P波)が発生する(図
9)。
【0024】図10に示すように、縦割筒体10に代え
てゴム筒11にてインフレータ1を囲み、このゴム筒1
1を介して坑壁S1に衝突させるようにしてもよい。ゴ
ム筒11に代えて可撓性を備えたプラスチックや複合部
材を用いても良い。さらには、図11に示すように単純
に耐圧容器3内にインフレータ1を設置し、周縁に衝撃
を伝播するようにすることもできる。
【0025】図12及び図14は、坑井S内で横波(S
波)震源を発生させるものである。この実施態様では、
密封した耐圧容器3内にインフレータ1を設置すると共
に、耐圧容器3内からのピストン5を探査対象面である
坑井Sの坑壁S1と平行方向すなわち下方に急激に移動
するように配置するものである。ピストン5は戻せるよ
うに複数の保持線12で内部に繋がれている。耐圧容器
3は、坑井Sより一回り径を小さくして、降下させ易く
なっており、耐圧容器3の外側には開閉式の固定アーム
13を取り付け所定の箇所で開いて一端部を坑壁S1に
押し付けて固定できるようになっている。(図13)耐
圧容器3内にはピストン5の仮止めピン14を配置して
ある。耐圧容器3を坑井S内に降下させるにはインフレ
ータ1からの接続ケーブル2でなすか或いは別途ケーブ
ルを用いるようにする。或いは耐圧容器3を吊り下げる
ケーブル内の多芯ケーブルにインフレータ1からの接続
ケーブル2を結線し地表で操作できるようにする。地表
から接続ケーブル2を介して電子信号を与え、ガスを発
火させ耐圧容器3内で膨張させると、ピストン5を急激
に下方に推進させ、この時耐圧容器3との接触面で剪断
力を与え横波(S波)が発生することになる。ピストン
5が下方に移動するとき、仮止めピン14は開放される
が、ピストン5は保持線12、12によって耐圧容器3
から飛び出し落下することなく、次の使用時にはピスト
ン5を耐圧容器3内に戻し仮止めピン14を用いてピス
トン5を上部に納めることになる。地表より、電気信号
を与え、坑井S内のインフレータ1を発火させることに
よって、ガスが発生し、ピストン5を坑壁S1と平行方
向に急激に移動させ、坑壁S1に衝撃させることによっ
て、弾性波が伝播される。この時横波(S波)が発生す
る。
【0026】これまでの説明では、地表及び坑井内で用
いる実施態様を説明したが、コンクリート構造物の探査
や、側溝に設置して用いたり、トンネル内に設置して用
いることもできる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、従来の
爆薬震源、機械式震源の代替震源として好適なものとい
える。そしてこの発明の効用として挙げられるのは次の
ことである。 1.新品のインフレータを用いてもよいが、廃車より回
収するインフレータを転用することで安価にインフレー
タを調達でき、社会的には、廃棄物のリサイクル利用と
評価され、資源の有効利用、環境保全に役立つ。 2.インフレータを用いることによって、ガス圧縮用コ
ンプレッサー、振動装置などが不要となり、装置を小型
化できる。 3.板たたき法などの機械式震源にくらべ、より高エネ
ルギーかつエネルギーが安定した震源となる。 4.同時に用いるインフレータの量を増減することによ
って、簡単に震源のエネルギーを制御できる。 資源、土木、環境および関連地表地震探査、坑井内物理
探査における、主にダイナマイト、機械式震源の代替震
源として利用でき、特に、これまで、人間の力によって
震源を得ていた簡易型探査に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をダイナマイトの代替震源とした例を示
す概略図である。
【図2】ガスの膨張力を地表に直接伝播し縦波震源を得
る例を示す概略図である。
【図3】耐圧容器内のピストンを動かし打点盤を地表に
衝突させ縦波震源とする概略図である。
【図4】耐圧容器内のピストンを動かし打点盤を地表の
平板にスライドさせて横波震源とする概略図である。
【図5】耐圧容器内のピストンを動かし打点盤を地表に
直接スライドさせて横波震源とする概略図である。
【図6】耐圧容器内のピストンを地表に置かれた重量の
ある打点盤の側面を押圧して横波震源とする概略図であ
る。
【図7】地表に平板を置きこの上に打点盤を乗せるよう
にし、打点盤を耐圧容器内のT形ピストンで押圧し横波
震源を得る概略図である。
【図8】坑井S内における震源装置で、耐圧容器内の縦
割筒体を伝播装置として縦波震源を得る概略図である。
【図9】図8の使用状態における要部断面図である。
【図10】坑井S内における震源装置で、耐圧容器内の
インフレータをゴム筒にて囲むようにした例の使用状態
の要部断面図である。
【図11】耐圧容器内にインフレータを設置し周縁より
坑壁に衝撃を伝播し縦波震源とした概略図である。
【図12】耐圧容器を坑井内に降ろしピストンを坑壁側
と平行に下方に移動させ横波震源とする降下中の概略図
である。
【図13】図12の耐圧容器を固定した状態を示す概略
図である。
【図14】図13からインフレータを作動させた状態の
概略図である。
【符号の説明】
1 インフレータ 2 接続ケーブル 3 耐圧容器 4 固定手段 5 ピストン 6 打点盤 7 平板 8 架台 10 縦割筒体 11 ゴム筒 12 保持線 13 固定アーム 14 仮止めピン

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方向を開放した耐圧容器内に自動車用
    エアバックのインフレータを設置し、開放面を探査対象
    面と合致させ、ガスの膨張力を直接探査対象に伝播す
    ることで縦波(P波)を発生させることを特徴とする物
    理探査のための代替震源。
  2. 【請求項2】 密封した耐圧容器内に自動車用エアバッ
    クのインフレータを設置し、探査対象面に衝撃エネルギ
    ーを伝播することで縦波(P波)及び又は横波(S波)
    を発生するようにしたことを特徴とする物理探査のため
    の代替震源。
  3. 【請求項3】 密封した耐圧容器内に自動車用エアバッ
    クのインフレータを設置し、探査対象面と垂直方向に衝
    撃エネルギーを伝播することで縦波(P波)を発生させ
    ることを特徴とする物理探査のための代替震源。
  4. 【請求項4】 密封した耐圧容器内に自動車用のエアバ
    ックのインフレータを設置し、探査対象面と平行方向に
    衝撃エネルギーを伝播することで横波(S波)を発生さ
    せることを特徴とする物理探査のための代替震源。
  5. 【請求項5】 耐圧容器内から外出するピストンを伝播
    装置としてガスの膨張力を探査対象面に伝播するように
    したことを特徴とする請求項記載の物理探査のための
    代替震源。
  6. 【請求項6】 伝播装置をピストンに加えて探査対象面
    に置かれた打点盤としたことを特徴とする請求項3記載
    の物理探査のための代替震源。
  7. 【請求項7】 耐圧容器内から外出するピストンを伝播
    装置としてガスの膨張力を探査対象面に伝播するように
    したことを特徴とする請求項記載の物理探査のための
    代替震源。
  8. 【請求項8】 伝播装置を、耐圧容器内から外出するピ
    ストンと探査対象面に置かれた打点盤としてガスの膨張
    力を探査対象面に伝播するようにしたことを特徴とする
    請求項記載の物理探査のための代替震源。
  9. 【請求項9】 伝播装置を、耐圧容器内から外出するピ
    ストンと探査対象面に置かれる平板及び平板上におかれ
    ピストンにより押圧される打点盤としたことを特徴とす
    る請求項記載の物理探査のための代替震源。
  10. 【請求項10】 伝播装置をインフレータを囲む縦割筒
    体とし、耐圧容器の周側に縦割筒体が衝突することで、
    坑井内で垂直方向に衝撃エネルギーを伝播するようにし
    たことを特徴とする請求項記載の物理探査のための代
    替震源。
  11. 【請求項11】 伝播装置を耐圧容器内に配置したピス
    トンとし、ピストンが急激に押し下げられ耐圧容器内壁
    で剪断力を起こすことで、坑井内で水平方向にエネルギ
    ーを伝播するようにしたことを特徴とする請求項記載
    の物理探査のための代替震源。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至請求項11記載の物理探
    査のための代替震源であって、複数のインフレータを用
    いるようにしたもの。
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