JP3407457B2 - 自動変速機 - Google Patents

自動変速機

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JP3407457B2
JP3407457B2 JP05040995A JP5040995A JP3407457B2 JP 3407457 B2 JP3407457 B2 JP 3407457B2 JP 05040995 A JP05040995 A JP 05040995A JP 5040995 A JP5040995 A JP 5040995A JP 3407457 B2 JP3407457 B2 JP 3407457B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、車両用の自動変速機
に関し、特にトルクコンバータなどの流体伝動装置を介
して歯車変速装置に動力を伝達して複数の変速段に設定
する自動変速機に関するものである。 【0002】 【従来の技術】車両用の自動変速機は、補助変速装置と
してトルクコンバータを備えている。トルクコンバータ
は、エンジンのクランクシャフトに連結されたフロント
カバーと一体のポンプインペラによってオイルの螺旋流
を生じさせ、その螺旋流をタービンランナに与えてこれ
を回転させ、またタービンランナからポンプインペラへ
のオイルの流れをステータによって変更するように構成
されている。したがって流体を介してトルクを伝達する
ために、たとえ車両が停止している状態であってもエン
ジンと歯車変速装置との連結状態を解除する必要がな
く、またタービンランナとポンプインペラとの速度比が
“0.8”程度以下のコンバータレンジではトルクの増
幅作用により駆動力を増大させることができる。 【0003】しかしながらトルクコンバータは流体を介
してトルクを伝達するものであるために、エンジンから
の振動を吸収あるいは遮断できる反面、ポンプインペラ
とタービンランナとの相対的な回転数差(滑り)を避け
ることができない。そのために動力の伝達効率が低く、
燃費の悪化要因となっている。またエンジンブレーキの
効きも悪くなる。 【0004】このような不都合を解消することのできる
自動変速機が特表昭61−502274号によって提案
されている。これは、トルクコンバータからラビニョ型
遊星歯車機構にトルクを伝達するとともに、このラビニ
ョ型遊星歯車機構とシングルピニオン型遊星歯車機構と
で複数の変速段を設定するように構成されている。より
具体的には、トルクコンバータのタービンランナとラビ
ニョ型遊星歯車機構の第1のサンギヤとの間、およびタ
ービンランナとラビニョ型遊星歯車機構の第2のサンギ
ヤとの間のそれぞれにクラッチが配置され、またトルク
コンバータのポンプインペラに一体のフロントカバーと
ラビニョ型遊星歯車機構におけるキャリヤとの間には、
ダンパー機構と更に他のクラッチとが直列に配置されて
いる。 【0005】この自動変速機においては、歯車変速装置
の全体を一体回転させる直結段より低速側の変速段は、
第1サンギヤあるいは第2サンギヤのいずれかにトルク
コンバータから入力して設定し、また直結段は、いずれ
かのサンギヤにタービンランナからトルクを伝達する一
方、フロントカバーからキャリヤにトルクを伝達して設
定し、さらにオーバードライブ段は、フロントカバーか
らキャリヤにトルクを伝達することによって設定するよ
う構成されている。 【0006】したがって直結段あるいはオーバードライ
ブ段においては、歯車変速装置に入力されるトルクの一
部あるいは全部が流体を介さずにエンジンから伝達され
るため、トルクコンバータによる動力伝達効率の低下の
影響を少なくし、燃費を改善することができる。またこ
れらの直結段あるいはオーバードライブ段でのエンジン
ブレーキの効きを良くすることも可能である。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】自動変速機を搭載した
車両においては、エンジン回転数が低い低車速時にはエ
ンジンの振動が大きくて乗り心地を悪化させ、これとは
反対にエンジン回転数が高い高車速時には、エンジンの
振動による乗り心地への影響が少ない。そのため上述し
た従来の自動変速機においては、低速段においてトルク
コンバータのタービンランナから歯車変速装置にトルク
を入力し、これとは反対にオーバードライブ段において
は、トルクコンバータを介さずに歯車変速装置に直接ト
ルクを入力するよう構成し、さらにその中間の状態であ
る直結段においては、トルクコンバータのタービンラン
ナとフロントカバーとの両方から歯車変速装置にトルク
を入力するよう構成している。 【0008】ところでオーバードライブ段(あるいは最
高速段)は、高速走行時にエンジン回転数を下げて燃費
を改善するとともに、騒音を低下させることを主な目的
として設定されている変速段であるが、その燃費改善効
果をより顕著なものとするためには、オーバードライブ
段(あるいは最高速段)の変速段領域を低車速側に拡大
することが望ましい。 【0009】しかしながらトルクコンバータを介さずに
歯車変速装置に直接、トルクを入力するいわゆる直結状
態でエンジン回転数を下げたとすると、エンジンの振動
に起因するこもり音が大きくなって乗り心地が損なわれ
ることになる。したがって上述した従来の自動変速機に
おいては、こもり音による乗り心地の悪化を避けるため
にオーバードライブ段(あるいは最高速段)をある程
度、高車速側に設定せざるを得ず、そのため燃費の改善
効果や静粛性の向上効果が制限されたものとなる不都合
がある。 【0010】またオーバードライブ段(あるいは最高速
段)では、エンジンと歯車変速装置とがいわゆる直結状
態であるから、オーバードライブ段(あるいは最高速
段)において急制動を行った場合に、エンジン回転数が
急激に低下させられ、したがって直結状態でのオーバー
ドライブ段(あるいは最高速段)から直結段あるいはそ
れより低速側の変速段へのダウンシフトに遅れが生じる
と、エンジンストールに至る可能性が多分にあり、変速
応答性に対する要求が厳しくなる不都合もある。 【0011】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たものであって、流体を介さない動力の伝達を最高速段
を含むより多くの変速段で実行することのできる自動変
速機を提供することを目的とするものである。 【0012】 【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、入力要素と共に回転して流体の螺旋
流を生じさせるとともに、その螺旋流によって従動部材
を回転させる流体伝動装置と、第1サンギヤと第1リン
グギヤとの間に互いに噛合しかつ第1キャリヤに回転自
在に保持されて公転する少なくとも一対のピニオンを配
置したダブルピニオン型の第1遊星歯車機構と、第2サ
ンギヤと前記第1リングギヤに連結された第2リングギ
ヤとの間に第2キャリヤによって回転自在に保持されて
公転するピニオンを配置したシングルピニオン型の第2
遊星歯車機構と、第3サンギヤと前記第2キャリヤに連
結された第3リングギヤとの間に第3キャリヤによって
回転自在に保持されて公転するピニオンを配置してシン
グルピニオン型の第3遊星歯車機構とを備えた自動変速
機において、前記従動部材と前記第1キャリヤとを連結
する第1入力部材と、前記入力要素と一体となって回転
する第2入力部材と、第2入力部材と前記第1サンギヤ
とを選択的に連結する第1クラッチ手段と、前記第1サ
ンギヤと第2サンギヤとを選択的に連結する第2クラッ
チ手段と、前記第2サンギヤと第3サンギヤとを選択的
に連結する第3クラッチ手段と、前記第3サンギヤとを
選択的に固定するブレーキ手段と、前記第3キャリヤに
連結された出力部材とを備えていることを特徴とするも
のである。 【0013】 【作用】この発明の自動変速機では、少なくとも前進4
段の変速段を設定することが可能であり、例えば第2お
よび第3のクラッチ手段とブレーキ手段とを係合させる
ことにより、前進第1速が設定される。その場合、3組
の遊星歯車機構からなる歯車列に対しては、第1入力部
材を介して第1キャリヤにトルクが伝達されるので、入
力要素からのトルクは、全て前記駆動部材と従動部材と
の間に介在する流体を介して伝達される。 【0014】また前進第2速は、第1および第3のクラ
ッチ手段とブレーキ手段とを係合させて設定される。さ
らに第3速は、第1および第2のクラッチ手段とブレー
キ手段とを係合させることにより設定される。そして第
4速は、第1ないし第3のクラッチ手段を係合させるこ
とにより設定される。したがって第2速では、第1入力
部材から第1キャリヤにトルクが伝達されることに加
え、第2入力部材から第1サンギヤにトルクが伝達さ
れ、したがって歯車列の全体としては、入力要素から、
流体を介した第1キャリヤへの入力と流体を介さない第
1サンギヤへの直接的な入力とが生じることになる。そ
のため流体伝動装置を介したいわゆる流体駆動と流体伝
動装置を介さないいわゆる機械駆動との併用状態とな
る。 【0015】これに対して前進第3速では、第2クラッ
チ手段によって第1サンギヤと第2サンギヤとが連結さ
れていることにより、これらのサンギヤがいわゆる機械
駆動される。その結果、歯車列に入力されるトルクのう
ち機械駆動による割合が第2速の場合より多くなる。さ
らに第4速では、第2クラッチ手段および第3クラッチ
手段が係合することにより第1ないし第3のサンギヤが
連結されるため、これらのサンギヤがいわゆる機械駆動
される。その結果、歯車列に入力されるトルクのうち機
械駆動による割合が第3速の場合より多くなる。 【0016】このように第2速ないし第4速で流体駆動
による入力と機械駆動による入力とを併用した駆動状態
となるので、走行時の駆動力の伝達効率が向上して燃費
を改善することができ、また特に走行中に使用する頻度
の高い高速段で、機械駆動によるトルクの入力割合が多
くなるので、燃費の改善効果が優れる。 【0017】 【実施例】つぎにこの発明を実施例に基づいて説明す
る。図1に示す自動変速機は流体伝動装置としてロック
アップクラッチ付きトルクコンバータ1を備えており、
このトルクコンバータ1から歯車変速装置2に動力を入
力するよう構成されている。そのトルクコンバータ1
は、駆動部材であるポンプインペラ3が、入力要素であ
るフロントカバー4に一体化されており、またそのポン
プインペラ3と対向して従動部材であるタービンランナ
5が配置されている。さらにこのポンプインペラ3とタ
ービンランナ5との内周側の部分にはステータ6が配置
されており、このステータ6は、一方向クラッチ7を介
して所定の固定部8に連結されている。 【0018】すなわちトルクコンバータ1は、ポンプイ
ンペラ3が回転することにより生じたオイルの螺旋流を
タービンランナ5に与えてタービンランナを回転させる
ように構成されている。またタービンランナ5からポン
プインペラ3に対して流れるオイルの流れ方向をステー
タ6によって変えることにより、トルクの増幅作用を生
じるようになっている。 【0019】さらにトルクコンバータ1は、歯車変速装
置2に対する入力部材である第1入力軸9と第2入力軸
10とを備えている。第1入力軸9は中空軸であって、
その内部に第2入力軸10が回転自在に挿入されてい
る。その第1入力軸9はタービンランナ5に連結され、
また第1入力軸9もしくはタービンランナ5をフロント
カバー4に選択的に連結するロックアップクラッチ11
が設けられている。一方、第2入力軸10は、フロント
カバー4に直接連結されている。なお、ロックアップク
ラッチ11にダンパー機構を組み込むこと、あるいはフ
ロントカバー4と第2入力軸10との間にダンパー機構
を介装することは任意である。 【0020】歯車変速装置2は、一組のダブルピニオン
型遊星歯車機構12と二組のシングルピニオン型遊星歯
車機構13,14ならびに複数の摩擦係合要素とを主体
として構成されている。これらの三組の遊星歯車機構1
2,13,14は、トルクコンバータ1と同一軸線上に
配列されており、そのダブルピニオン型遊星歯車機構1
2は、従来知られているものと同様であって、互いに同
心円状に配置したサンギヤ15とリングギヤ16との間
に、キャリヤ17によって自転および公転自在に保持し
かつ互いに噛合した少なくとも一対のピニオン18,1
8を配置したものである。そしてそのキャリヤ17が第
1入力軸9に連結されており、またサンギヤ15と第2
入力軸10との間には、これらを選択的に連結する多板
クラッチなどからなる第1クラッチC1 が設けられてい
る。 【0021】第2の遊星歯車機構13は、互いに同心円
状に配置したサンギヤ19とリングギヤ20との間に、
これらに噛合したピニオン21を配置するとともに、そ
のピニオン21をキャリヤ22によって自転および公転
自在に保持したものである。そしてそのリングギヤ20
が、ダブルピニオン型の前記第1の遊星歯車機構12の
リングギヤ16に連結されている。またサンギヤ19と
第2の遊星歯車機構12のサンギヤ15との間にこれら
を選択的に連結する多板クラッチなどからなる第2クラ
ッチC2 が設けられている。さらに互いに連結されたリ
ングギヤ16,20とケーシングなどの所定の固定部8
との間には、これらのリングギヤ16,20を選択的に
固定する第2ブレーキB2 が設けられている。なお、第
2ブレーキB2 は多板構造のものあるいはバンドブレー
キを採用することができる。 【0022】第3の遊星歯車機構14は、第2遊星歯車
機構13と同様に、互いに同心円状に配置したサンギヤ
23とリングギヤ24との間に、これらに噛合したピニ
オン25をキャリヤ26によって自転および公転自在に
保持したものである。そしてそのリングギヤ24が、第
2の遊星歯車機構13におけるキャリヤ22に連結され
ている。またサンギヤ23と第2の遊星歯車機構13に
おけるサンギヤ19との間には、これらを選択的に連結
する多板クラッチなどからなる第3クラッチC3 が設け
られている。 【0023】さらにこのサンギヤ23とケーシングなど
の所定の固定部8との間には、サンギヤ23を選択的に
固定する第1ブレーキB1 が設けられている。この第1
ブレーキB1 も前記第2ブレーキB2 と同様には、多板
構造のものあるいはバンドブレーキなどを採用すること
ができる。そしてキャリヤ26に出力部材であるカウン
タギヤ27が一体的に連結されている。 【0024】上述した自動変速機は、前進4段・後進1
段の変速段を設定することができ、そのための係合作動
表を図2に示してある。なお、図2において○印は係合
状態、×印は解放状態をそれぞれ示す。以下、各変速段
について説明する。 【0025】前進第1速は、第2クラッチC2 および第
3クラッチC3 ならびに第1ブレーキB1 を係合して設
定される。したがって各サンギヤ15,19,23が、
第2および第3のクラッチC2 ,C3 によって互いに連
結された状態で第1ブレーキB1 によって固定される。
そのため、第1遊星歯車機構12では、そのキャリヤ1
7が第1入力軸9に連結されていることにより、サンギ
ヤ15を固定した状態でキャリヤ17が正回転(入力要
素であるフロントカバー4と同方向の回転)することに
なり、そのためリングギヤ16がキャリヤ17よりも低
速で正回転する。 【0026】また第2の遊星歯車機構13では、リング
ギヤ20が第1の遊星歯車機構13のリングギヤ16と
一体となって回転するから、サンギヤ19を固定した状
態でリングギヤ20を正回転させることになり、したが
ってキャリヤ22がリングギギヤ20よりも低速で正回
転する。 【0027】さらに第3の遊星歯車機構14において
は、そのリングギヤ24が前記第2の遊星歯車機構13
におけるキャリヤ22に一体的に連結されているから、
サンギヤ23を固定した状態でリングギヤ24を正回転
させることになり、その結果、キャリヤ26がリングギ
ヤ24よりも低速で正回転する。したがって出力要素で
あるカウンタギヤ27は、入力回転数に対して各遊星歯
車機構12,13,14のギヤ比(サンギヤの歯数とリ
ングギヤの歯数との比)に応じて減速した回転数で正回
転し、前進第1速となる。 【0028】この前進第1速では、三組の遊星歯車機構
12,13,14からなる歯車列に対する入力は、トル
クコンバータ1および第1入力軸9を介してキャリヤ1
7に対して行われるから、歯車列に対する入力の全ては
ポンプインペラ3とタービンランナ5との間に介在する
流体(オイル)を介して行われる。すなわちいわゆる流
体駆動の状態となる。 【0029】前進第2速は、第1クラッチC1 および第
3クラッチC3 ならびに第1ブレーキB1 を係合させて
設定される。したがって第3クラッチC3 によって第2
の遊星歯車機構13におけるサンギヤ19と第3の遊星
歯車機構14におけるサンギヤ23とが連結されるとと
もに、これらのサンギヤ19,23が第1ブレーキB1
によって固定される。また第1の遊星歯車機構12にお
いては、第1入力軸9からキャリヤ17にトルクが伝達
される一方、第1クラッチC1 が係合することにより、
サンギヤ15に対して第2入力軸10からトルクが伝達
される。 【0030】そのため、第1の遊星歯車機構12におい
ては、サンギヤ15とキャリヤ17とが共に入力要素で
あるフロントカバー4と同一回転するために、この遊星
歯車機構12の全体が一体となって回転する。これに対
して第2の遊星歯車機構13においては、リングギヤ2
0が第1の遊星歯車機構12のリングギヤ16に連結さ
れていることにより、このリングギヤ20がフロントカ
バー4と同一回転し、かつサンギヤ19が固定された状
態となる。そのためキャリヤ22がリングギヤ20より
も低速で正回転し、このキャリヤ22から第3の遊星歯
車機構14におけるリングギヤ24にトルクが伝達され
る。 【0031】したがって第3の遊星歯車機構14におい
ては、サンギヤ23を固定した状態でリングギヤ24が
正回転するために、キャリヤ26およびこれと一体のカ
ウンタギヤ27がリングギヤ24よりも低速で正回転す
る。この場合、第1の遊星歯車機構12は、その全体が
一体となって回転するために、カウンタギヤ27の回転
数は、上述した第1速の場合よりも速くなり、したがっ
て前進第2速が設定される。 【0032】この前進第2速においては、第1の遊星歯
車機構12のサンギヤ15とキャリヤ17とに動力が入
力されるが、そのサンギヤ15には第2入力軸10およ
び第1クラッチC1 を介してフロントカバー4から直接
トルクが伝達される。したがってトルクコンバータ1を
介したいわゆる流体駆動の状態とトルクコンバータ1を
介さない機械駆動の状態とを併用したいわゆるスプリッ
ト駆動状態となる。そしてその流体駆動と機械駆動との
割合は、第1の遊星歯車機構12におけるギヤ比によっ
て決まる値となる。 【0033】前進第3速は、第1クラッチC1 および第
2クラッチC2 ならびに第1ブレーキB1 を係合させて
設定される。したがって第1の遊星歯車機構12におけ
るサンギヤ15と第2の遊星歯車機構13におけるサン
ギヤ19とが、第2クラッチC2 によって一体的に連結
されるとともに、これらのサンギヤ15,19が第1ク
ラッチC1 を介して第2入力軸10に連結される。その
ため、第1の遊星歯車機構12においては、サンギヤ1
5とキャリヤ17とにフロントカバー4から入力される
ために、その全体が一体となって回転する。また第2の
遊星歯車機構13においては、サンギヤ19とリングギ
ヤ20とに入力されてこれらが同速度で回転するため
に、その全体が一体となって回転する。そして第3の遊
星歯車機構14においては、サンギヤ23を第1ブレー
キB1 によって固定した状態でリングギヤ24が、フロ
ントカバー4と同一回転するために、キャリヤ26およ
びこれに連結してあるカウンタギヤ27が、この第3の
遊星歯車機構14のギヤ比に応じて減速されて正回転す
る。すなわち変速比は、この第3の遊星歯車機構14の
ギヤ比によって決まる値となり、前進第3速となる。 【0034】したがってこの前進第3速においては、第
1の遊星歯車機構12におけるサンギヤ15と第2の遊
星歯車機構13におけるサンギヤ19とを第1クラッチ
C1および第2入力軸10を介していわゆる機械駆動す
ることになり、そのため前進第3速においてもいわゆる
スプリット駆動状態となり、またその機械駆動の割合
は、第2速の場合よりも大きくなる。 【0035】前進第4速は、第1ないし第3のクラッチ
C1 ,C2 ,C3 を係合させて設定する。したがって各
サンギヤ15,19,23が第2クラッチC2 および第
3クラッチC3 によって一体的に連結されるとともに、
これらのサンギヤ15,1923が、第1クラッチC1
によって第2入力軸10に連結される。そのため第1の
遊星歯車機構12においては、サンギヤ15とキャリヤ
17とにフロントカバー4から入力されるために、その
全体が一体となって回転する。また第2の遊星歯車機構
13においては、サンギヤ19とリングギヤ20とが同
一回転するために、その全体が一体となって回転する。
また第3の遊星歯車機構14においてもサンギヤ23と
リングギヤ24とが同一の回転をするために、その全体
が一体となって回転する。すなわち歯車列の全体が一体
回転するために、特に変速が行われず、カウンタギヤ2
7がフロントカバー4と同一速度で回転する。したがっ
て変速比が“1”の第4速となる。 【0036】この第4速においては、第3の遊星歯車機
構14におけるサンギヤ23に対しても第2入力軸10
からトルクを伝達することになり、したがっていわゆる
スプリット駆動状態であるうえに、その機械駆動による
トルクの伝達割合は、第3速の場合よりも大きくなる。 【0037】さらに後進段は、第2クラッチC2 を係合
させて第1の遊星歯車機構12のサンギヤ15と第2の
遊星歯車機構13におけるサンギヤ19とを連結し、ま
た第1ブレーキB1 によって第3の遊星歯車機構14に
おけるサンギヤ23を固定するとともに、第2ブレーキ
B2 によって第1および第2の遊星歯車機構12,13
におけるリングギヤ16,20を固定することによって
設定される。したがって第1の遊星歯車機構12におい
ては、リングギヤ16を固定した状態でキャリヤ17を
正回転させるから、サンギヤ15が逆回転(フロントカ
バー4とは反対方向の回転)する。また第2の遊星歯車
機構13においては、リングギヤ20を固定した状態で
サンギヤ19が第1の遊星歯車機構12におけるサンギ
ヤ15と共に逆回転するから、そのキャリヤ22がサン
ギヤ19よりも低速で逆回転する。さらに第3の遊星歯
車機構14においては、サンギヤ23を固定した状態で
リングギヤ24が第2の遊星歯車機構13のキャリヤ2
2と共に逆回転するので、キャリヤ26がそのリングギ
ヤ24よりも更に低速で逆回転する。その結果、カウン
タギヤ27は入力回転数を各遊星歯車機構12,13,
14のギヤ比に応じて減速した回転数で逆回転し、後進
段となる。この場合、歯車列に対する入力は、第1入力
軸9を介してキャリヤ17に対してのみ行われるので、
いわゆる流体駆動の状態となる。 【0038】したがって上述した自動変速機では、前進
第2速ないし第4速でトルクコンバータ1を介した入力
とトルクコンバータ1を介さない入力とを併用したスプ
リット駆動状態とすることができるので、トルクコンバ
ータ1におけるスリップに起因する動力の伝達効率の悪
化を減少させ、それに伴って燃費を向上させることがで
きる。またスプリット駆動状態における機械駆動の割合
は、高速段ほど多くなるので、通常の走行では高速段の
使用頻度が高いことを考慮すると、車両全体としての燃
費の向上効果が、より顕著になる。さらに上記の自動変
速機では、前進第1速や後進段などの大きいトルクを必
要とする変速段においては、トルクコンバータ1を介し
た流体駆動状態となるので、トルクコンバータ1による
トルクの増大作用を充分有効に利用できるうえに、トル
クコンバータ1における振動の吸収もしくは遮断の作用
を生かして乗り心地を向上させることができる。 【0039】なお、上記の自動変速機では、トルクコン
バータ1にロックアップクラッチ11を内蔵してあるか
ら、これを係合させることにより完全な機械駆動の状態
とすることができる。またロックアップクラッチ11を
いわゆるスリップ制御すれば、機械駆動の割合を多くし
たスプリット駆動状態とすることができる。そして図1
に示す自動変速機では、最高速段でスプリット駆動状態
とすることができるので、その変速段の領域を低速側に
拡大して広くしても、こもり音などによる乗り心地の悪
化を防止することができ、このようにすることにより車
両全体としての燃費を、より向上させることができる。 【0040】つぎにこの発明の他の実施例を説明する。
図3は、この発明の他の実施例を模式的に示すスケルト
ン図であって、ここに示す自動変速機は、前述したロッ
クアップクラッチ11を廃止するとともに、第1の遊星
歯車機構12におけるサンギヤ15とキャリヤ17との
間に、これらを選択的に連結するクラッチC0 を追加設
置したものである。他の構成は、図1に示す構成と同一
なので、図3に図1と同一の符号を付してその説明を省
略する。 【0041】すなわち図1に示す自動変速機の各変速段
について説明したように、第1の遊星歯車機構12は第
2速ないし第4速においてその全体が一体となって回転
するので、図3に示す自動変速機では、クラッチC0 を
設けることにより、第1の遊星歯車機構12を選択的に
一体回転させるようにしてある。 【0042】図4は、この図3に示す自動変速機につい
ての係合作動表である。この図4から知られるように、
図3に示す自動変速機においても、前進4段・後進1段
の変速段を設定することができ、また前進第2速ないし
第4速の3つの変速段においては、流体駆動の状態とス
プリット駆動の状態と機械駆動の状態との3つの駆動状
態を選択することができる。 【0043】すなわち前進第2速ないし第4速では、第
1の遊星歯車機構12を一体回転させるように設定され
るのであるから、追加設置したクラッチC0 を係合させ
るとともに第1クラッチC1 を解放させれば、第1の遊
星歯車機構12におけるサンギヤ15とキャリヤ17と
が連結されてその全体が一体回転させられ、この遊星歯
車機構12に対して第1入力軸9からトルクを伝達する
ことになる。したがって歯車列に対してトルクコンバー
タ1および第1入力軸9を介してトルクを伝達するため
に、いわゆる流体駆動状態となる。 【0044】これに対して、追加設置したクラッチC0
を解放するとともに第1クラッチC1 を係合させれば、
図1に示す自動変速機について説明したように、流体駆
動の状態と機械駆動の状態とを併用するスプリット駆動
の状態となる。 【0045】そして追加設置したクラッチC0 と第1ク
ラッチC1 とを共に係合させれば、クラッチC0 が係合
することにより第1の遊星歯車機構12はその全体が一
体回転する状態となり、この遊星歯車機構12に対して
第2入力軸10および第1クラッチC1 を介してトルク
を伝達することになる。すなわち歯車列の全体に対して
フロントカバー4から第2入力軸10および第1クラッ
チC1 を介してトルクを伝達することになるため、その
伝達経路に流体が介在しないいわゆる機械駆動状態とな
る。 【0046】上述のように図3に示す自動変速機におい
ては、前進第2速ないし第4速において、流体駆動状態
とスプリット駆動状態と機械駆動状態との3つのモード
を選択することができるから、走行状態に応じた駆動状
態の選択の幅が広くなり、したがって燃費の向上のみな
らず、乗り心地や走行性能を従来になく向上させること
が可能になる。 【0047】なお、上述した実施例では、流体伝動装置
としてトルクコンバータを採用した例を示したが、この
発明は、上記の実施例に限定されないのであって、流体
伝動装置は、トルクの増幅作用のない流体継手であって
もよい。またクラッチやブレーキなどの摩擦係合装置
は、上述した実施例で示した多板構造のものに限定され
ないのであり、またクラッチ手段やブレーキ手段は、多
板構造のものと一方向クラッチとを併用した構成であっ
てもよい。すなわち各クラッチや各ブレーキに一方向ク
ラッチを並列あるいは直列に配置してもよい。さらに一
方向クラッチを直列に配置することに加え、他の一方向
クラッチを更に並列に配列することとしてもよい。 【0048】 【発明の効果】以上説明したようにこの発明の自動変速
機によれば、最高速段を含む複数の変速段においてにス
プリット駆動状態とすることができ、したがって流体伝
動装置におけるスリップに起因する動力伝達率が低いこ
とによる燃費の悪化を是正して燃費の向上を図ることが
できる。また最高速段においてスプリット駆動状態を設
定することができるから、その変速段の領域を低速側に
拡大しても、こもり音などの発生を防いで乗り心地の悪
化を防止することができ、ひいては最高速段の変速段領
域の拡大による燃費の向上効果を得ることができる。さ
らにこの発明の自動変速機においては、高速段側ほど機
械駆動による動力の伝達割合が多くなるのから、使用頻
度の高い変速段での動力損失を防止し、車両全体として
の燃費の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の一実施例を示すスケルトン図であ
る。 【図2】図1に示す自動変速機についての係合作動表を
示す図表である。 【図3】この発明の他の実施例を示すスケルトン図であ
る。 【図4】図3に示す自動変速機についての係合作動表を
示す図表である。 【符号の説明】 1 トルクコンバータ 2 歯車変速装置 3 ポンプインペラ 4 フロントカバー 5 タービンランナ 9 第1入力軸 10 第2入力軸 12,13,14 遊星歯車機構 15,19,23 サンギヤ 17,22,26 キャリヤ 16,20,24 リングギヤ 18,21,25 ピニオン 27 カウンタギヤ C1 ,C2 ,C3 クラッチ B1 ブレーキ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−26353(JP,A) 特開 平3−149457(JP,A) 特開 平3−74661(JP,A) 特開 昭46−33082(JP,A) 特開 昭46−20409(JP,A) 特開 平2−129446(JP,A) 特開 平2−26351(JP,A) 特表 昭61−502274(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 3/62

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 入力要素と共に回転して流体の螺旋流を
    生じさせるとともに、その螺旋流によって従動部材を回
    転させる流体伝動装置と、 第1サンギヤと第1リングギヤとの間に互いに噛合しか
    つ第1キャリヤに回転自在に保持されて公転する少なく
    とも一対のピニオンを配置したダブルピニオン型の第1
    遊星歯車機構と、 第2サンギヤと前記第1リングギヤに連結された第2リ
    ングギヤとの間に第2キャリヤによって回転自在に保持
    されて公転するピニオンを配置したシングルピニオン型
    の第2遊星歯車機構と、 第3サンギヤと前記第2キャリヤに連結された第3リン
    グギヤとの間に第3キャリヤによって回転自在に保持さ
    れて公転するピニオンを配置してシングルピニオン型の
    第3遊星歯車機構とを備えた自動変速機において、 前記従動部材と前記第1キャリヤとを連結する第1入力
    部材と、 前記入力要素と一体となって回転する第2入力部材と、 第2入力部材と前記第1サンギヤとを選択的に連結する
    第1クラッチ手段と、 前記第1サンギヤと第2サンギヤとを選択的に連結する
    第2クラッチ手段と、 前記第2サンギヤと第3サンギヤとを選択的に連結する
    第3クラッチ手段と、 前記第3サンギヤを選択的に固定するブレーキ手段と、 前記第3キャリヤに連結された出力部材とを備えている
    ことを特徴とする自動変速機。
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