JP3406855B2 - 液晶表示装置及びその製造方法 - Google Patents

液晶表示装置及びその製造方法

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JP3406855B2
JP3406855B2 JP36720798A JP36720798A JP3406855B2 JP 3406855 B2 JP3406855 B2 JP 3406855B2 JP 36720798 A JP36720798 A JP 36720798A JP 36720798 A JP36720798 A JP 36720798A JP 3406855 B2 JP3406855 B2 JP 3406855B2
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あいら 堀田
裕子 岐津
寛規 岩永
雅男 田中
征三郎 清水
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】情報機器に用いられる表示装置として、
これまでに多くの液晶表示装置が提案されている。これ
ら液晶表示装置の中で、現在は、特開昭47−1173
7号で開示されるTNモード(Twisted Nematic mode)
や特開昭60−107020号で開示されるSTNモー
ド(Super Twisted Nematic mode)を代表とする、ネマ
チック液晶を用いるタイプの液晶表示装置が多用されて
いる。
【0003】TNモード及びSTNモードの液晶表示装
置においては、液晶分子の配列は、初期状態において、
それぞれ90°前後及び260°前後捩じれた構造をと
る。したがって、液晶層に入射した光は、液晶分子配列
の捩れ構造と複屈折とにより、偏光状態の変化を受けて
出射する。
【0004】液晶層に電圧を印加すると、液晶分子は電
界方向に再配列し、上述の捩れ構造が消滅する。その結
果、複屈折が失われ、入射光は偏光状態に変化を生ずる
ことなく出射する。このように電圧の印加/非印加に応
じて液晶層の光学的性質が変化するので、液晶表示装置
を2枚の直線偏光子で挟んだ構造とすることにより、出
射光の強度変化が観察されるのである。TNモード及び
STNモードは、この動作原理に基づいて明暗のコント
ラストを得る表示方式である。
【0005】これら表示方式の液晶表示装置は、CRT
(Cathode Ray Tube)ディスプレイに比べて消費電力が
著しく少なく、薄型化が可能であるという利点を有して
いる。そのため、これら液晶表示装置は、パーソナルコ
ンピュータやワードプロセッサ等のオフィス用情報機器
に広く用いられている。
【0006】しかしながら、上記表示方式の液晶表示装
置は、偏光子を用いているため、入射光を有効に利用し
ているとは言い難い。そのため、上記液晶表示装置の多
くにおいては、出射光の強度を確保するために、液晶表
示装置の後方に光源(バックライト)が付設されてい
る。また、カラーフィルタが設けられた液晶表示装置に
おいては、光の透過率がさらに減少するため、より強力
な光源が必要となる。
【0007】ところが、この光源の電力は、駆動回路を
含む液晶表示装置の消費電力に匹敵する。そのため、上
記表示方式の液晶表示装置は、電池で電力を供給される
携帯用情報機器のディスプレイには適していない。
【0008】すなわち、従来の表示方式の液晶表示装置
においては、カラーディスプレイであるか白黒ディスプ
レイであるかに関わらず、明るさの向上と低消費電力化
とが二律背反の関係にあった。
【0009】また、このような液晶表示装置では、通常
バックライトとして蛍光灯が用いられている。そのた
め、長時間ディスプレイを見続けた場合に目に与える疲
労が大きく、望ましくない。したがって、バックライト
を必要としない反射型液晶表示装置に適用可能な、光の
利用効率の高い表示方式の開発が望まれている。
【0010】また、液晶表示装置を投射型ディスプレイ
として使用する場合においても、光透過率を高めること
により、装置の小型化、長寿命化、及び機器全体の節電
等を図ることが可能である。したがって、投射型液晶表
示装置においても、光の利用効率の高い表示方式の開発
が望まれている。
【0011】このような要望に対し、偏光子を用いない
様々な表示方式が提案されている。例えば、偏光子を用
いない表示方式として、NCAP(Nematic Curvilinea
r Aligned Phase)或いはPDLC(Polymer Dispersed
Liquid Crystal)と呼ばれる方式が知られている。こ
の表示方式において、液晶層は、高分子マトリクス中
に、正の誘電異方性を有するネマチック液晶材料を直径
数μm程度の粒子状に分散されることにより形成され
る。また、この液晶材料は、常光についての屈折率が高
分子マトリクスそれとほぼ同じとなり、異常光について
の屈折率が高分子マトリクスのそれと異なるように選ば
れる。
【0012】この表示方式によると、初期状態において
は、それぞれの液晶粒子中の液晶分子は歪んだ配列構造
をとり、しかも、各液晶粒子間で配列方向が異なる。そ
のため、大部分の液晶粒子と高分子マトリクスとの間で
屈折率の差が生じ、その結果、すりガラスのように光散
乱を生ずる。
【0013】この液晶層に十分な電圧を印加すると、そ
れぞれの液晶粒子中で液晶分子の再配列が生じ、液晶粒
子と高分子マトリクスとの間で、液晶層に垂直に入射す
る光に対する屈折率が等しくなる。その結果、液晶粒子
と高分子マトリクスとの間の界面での屈折及び反射がな
くなり、透過状態となる。なお、入射光は直線光である
必要はない。
【0014】上述の表示方式は、後述する液晶マイクロ
カプセルを用いた表示方式とは異なり、媒体中に液晶材
料を分散させるものである。この表示方式の液晶表示装
置は、上記液晶材料が粒子状に分散された高分子マトリ
クスを、一般的な液晶表示装置に用いられるガラスセル
に封入すること、或いは基板に塗布することにより、容
易に形成することができる。
【0015】しかしながら、コントラストを高めるため
に、液晶分子の配向方向を延伸等の後処理で揃える場
合、或いは導電性ポリマーフィルムでラミネートする場
合、この液晶層は強度が十分であるとはいえない。ま
た、透明−白濁変化、もしくは黒色の二色性色素を添加
することにより白−黒変化を生じさせて表示を行う場合
は問題とはならないが、カラー表示を行う場合はカラー
フィルタが必要であるため、光の利用効率を高めること
ができない。
【0016】偏光子を用いない他の表示方式としては、
ホスト液晶材料中にゲスト二色性色素が添加されたゲス
ト・ホスト液晶を用いた表示方式が知られている。この
表示方式によると、二色性色素分子の配向方向を変える
ことにより光透過率が制御される。すなわち、液晶層に
電圧を印加することにより、初期状態において基板面に
平行に配列した液晶分子を基板面に垂直に配列させ、そ
れに伴って二色性色素分子の向きを変化させることによ
り、光の透過率が制御されるのである。
【0017】上記表示方式によると、偏光板を用いるこ
となく透明−着色変化を行うことが可能である。また、
この表示方式によると、例えば、シアン、マゼンタ、及
びイエローの液晶層を中間基板を隔てて積層することに
より、カラーフィルタを用いることなくカラー表示を行
うことができる。
【0018】しかしながら、二色性色素は吸光軸が一軸
であるため、吸光軸に垂直な偏光成分を吸収することは
できない。また、二色性色素は、ホスト液晶材料に対す
る溶解度が低く、モル吸光係数が低い。したがって、上
記表示方式においては、高いコントラストで表示するこ
とができない。
【0019】ゲスト・ホスト液晶を用いてより高いコン
トラストで表示可能な液晶表示装置を実現するために、
様々な試みが為されている。例えば、ジャーナル・オブ
・アプライド・フィジックス(J. Appl. Phys.)、45
巻、4718〜4723頁(1974年)には、Whi
te−Taylor型ゲスト・ホスト液晶表示装置が開
示されている。この液晶表示装置においては、カイラル
ネマチック相を示す液晶化合物と二色性色素との混合物
が液晶材料として用いられる。この素子においては、カ
イラルネマチック相に起因する捩れ構造のために、色素
による光吸収が効率よく起こるので、原理的には偏光子
なしでも高い表示コントラストを得ることができる。
【0020】しかしながら、この液晶表示装置において
高いコントラストを達成するためには、カイラルネマチ
ック相を呈する液晶分子配列の螺旋ピッチを光の波長オ
ーダーとすることが必要である。このように螺旋ピッチ
を短くした場合、ディスクリミネーションラインが数多
く発生するため表示品質が損なわれ、同時に、ヒステリ
シス現象が発生するため電圧印加に対する応答速度が極
端に遅くなる。したがって、この表示方式の液晶表示装
置は、上述のTNモード及びSTNモードの液晶表示装
置に比べて、いまひとつ実用性に乏しい。
【0021】ゲスト・ホスト液晶を用いた他の表示装置
として、液晶マイクロカプセルを用いた液晶表示装置が
知られている。このゲスト・ホスト液晶マイクロカプセ
ルを用いることにより、高い光の利用効率を有するカラ
ー液晶表示装置を得る試みがなされている。例えば、そ
れぞれ吸収波長の異なるゲスト・ホスト液晶マイクロカ
プセルを作製し、それらを混合して液晶層を形成するこ
と(特開昭58−144885号)や、ゲスト・ホスト
液晶マイクロカプセルを用いて、それぞれ吸収波長の異
なる3層の液晶層をガラスやプラスチック等の中間基板
を用いることなく積層すること(特願平7−56086
号)が知られている。
【0022】このように、液晶マイクロカプセルを用い
た液晶表示装置においては、偏光子等を用いる必要がな
い。そのため、光の利用効率が高くなり、高い表示コン
トラストが期待される。しかしながら、現在のところ、
液晶マイクロカプセルを用いた液晶表示装置において、
高い表示コントラストが得られるには至っていない。
【0023】その理由の1つは、液晶マイクロカプセル
を用いた場合、電圧非印加時に、全ての液晶分子を所望
の方向に配向制御できないことにある。すなわち、電圧
非印加時には、液晶マイクロカプセル中の液晶分子は、
曲面で構成されるカプセル壁に平行に或いは垂直に配向
する。そのため、液晶マイクロカプセル中の液晶分子の
配向方向は不均一となる。このように液晶分子の配向方
向が不均一であると、全ての液晶分子を一方向に配向さ
せた場合に比べて、光吸収性或いは光透過性が低下す
る。したがって、液晶マイクロカプセルを用いた液晶表
示装置においては、高い表示コントラストが得られてい
ないのである。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、液晶
マイクロカプセルを用いた液晶表示装置においては、高
い表示コントラストが得られていない。
【0025】本発明は、高いコントラストでの表示が可
能な液晶表示装置及びその製造方法を提供することを目
的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明の一側面による
と、一方の主面に画素電極を有する基板、この基板の画
素電極上に順次積層された第1の液晶マイクロカプセル
層と第2の液晶マイクロカプセル層とを含む液晶層、及
びこの液晶層上に形成された対向電極を有し、第1及び
第2の液晶マイクロカプセル層は液晶化合物を含有する
液晶材料を透明被膜で包含してなる複数の非球状液晶マ
イクロカプセルをそれぞれ含み、第1の液晶マイクロカ
プセル層中で、上記複数の非球状液晶マイクロカプセル
の長軸はそれぞれ第1の方向に配向し、第2の液晶マイ
クロカプセル層中で、上記複数の非球状液晶マイクロカ
プセルの長軸はそれぞれ第2の方向に配向した液晶表示
装置が提供される。
【0027】本発明の他の側面によると、それぞれが第
1の方向に伸びた形状を有する複数の液晶マイクロカプ
セルを含む第1の液晶マイクロカプセル層を形成する工
程、それぞれが第2の方向に伸びた形状を有する複数の
液晶マイクロカプセルを含む第2の液晶マイクロカプセ
ル層を形成する工程、及び基板の一方の主面に設けられ
た画素電極上に、前記第1の液晶マイクロカプセル層、
第2の液晶マイクロカプセル層、及び対向電極が順次積
層された構造を形成する工程を有し、第1及び第2の液
晶マイクロカプセル層に含まれる前記複数の液晶マイク
ロカプセルは、それぞれ、液晶化合物を含有する液晶材
料を透明被膜で包含することにより形成された液晶表示
装置の製造方法が提供される。
【0028】本発明において、液晶材料は二色性色素を
含有することができる。この場合、第1の方向と第2の
方向とを異ならしめることにより、第1の液晶マイクロ
カプセル層と第2の液晶マイクロカプセル層とに、偏光
方向(偏光面)の異なる光成分(偏光光線)をそれぞれ
高い効率で吸収させることができる。すなわち、高いコ
ントラストでの表示が可能となる。
【0029】それぞれの液晶マイクロカプセル層におけ
る光吸収効率は、第1或いは第2の方向が基板面に実質
的に平行である場合に最大となる。また、第1の方向と
第2の方向とが実質的に垂直である場合、第1及び第2
の液晶マイクロカプセル層の一方を透過した光成分を他
方において高い効率で吸収させることができる。
【0030】本発明においては、第1の方向と第2の方
向とを実質的に平行とし、第1の液晶マイクロカプセル
層と第2の液晶マイクロカプセル層との間に1/2波長
板を介在させてもよい。1/2波長板は、その面内の互
いに垂直な第3の方向と第4の方向とに関してそれぞれ
異なる2つの主屈折率を有している。すなわち、1/2
波長板は、その面内に互いに垂直な2つの光軸を有して
いる。1/2波長板を、第1及び第2の方向と第3或い
は第4の方向とが実質的に45°の角度をなすように配
置した場合、第1の液晶マイクロカプセル層を透過した
光成分は、1/2波長板により偏光方向を90°回転さ
れた後に、第2の液晶マイクロカプセル層に入射する。
したがって、第1の液晶マイクロカプセル層と第2の液
晶マイクロカプセル層とに、偏光方向の異なる光成分を
それぞれ高い効率で吸収させることができる。
【0031】本発明においては、上記複数の非球状液晶
マイクロカプセルの長軸は、それぞれ、この長軸に垂直
な径の最大値に対して2倍以上の長さを有していること
が好ましく、3倍以上の長さを有することがより好まし
い。また、第1の液晶マイクロカプセル層中で、液晶マ
イクロカプセルの長軸の第1の方向に対するばらつきは
10°以内であり、第2の液晶マイクロカプセル層中
で、液晶マイクロカプセルの長軸の第2の方向に対する
ばらつきは10°以内であることが好ましい。この場
合、第1及び第2の液晶マイクロカプセル層のそれぞれ
に、特定の偏光光線を極めて高い効率で吸収させること
が可能となる。
【0032】本発明において、非球状液晶マイクロカプ
セルは様々な形状を有し得る。非球状液晶マイクロカプ
セルは、例えば、回転楕円体状の形状を有することがで
きる。また、非球状液晶マイクロカプセルは、テーパー
状の形状或いは繊維状等の形状を有することができる。
【0033】第1及び第2の液晶マイクロカプセル層
は、非球状の液晶マイクロカプセルを用いて形成するこ
とができる。この場合、基板の画素電極が設けられた面
に、周期的に配列された複数の凹部を形成することが好
ましい。これにより、複数の非球状液晶マイクロカプセ
ルの長軸を、それぞれ所望の方向に配向させることがで
きる。この凹部は、例えば、非球状液晶マイクロカプセ
ルが嵌合する形状、或いは溝状に形成することができ
る。
【0034】また、基板の画素電極上に複数の非球状液
晶マイクロカプセルを配置し、基板を振動させることに
より、複数の非球状液晶マイクロカプセルの長軸をそれ
ぞれ所望の方向に配向させてもよい。また、複数の非球
状液晶マイクロカプセルをその長軸が所定の方向に配向
するようにそれぞれ吸引保持するピックアップヘッド等
を用いることもできる。
【0035】第1及び第2の液晶マイクロカプセル層
は、球状の液晶マイクロカプセルを用いて形成してもよ
い。例えば、球状の液晶マイクロカプセルを用いて液晶
マイクロカプセル層を形成した後、この液晶マイクロカ
プセル層に延伸等の処理を施すことにより、第1或いは
第2の液晶マイクロカプセル層を形成することができ
る。
【0036】また、平板上に、複数の球状液晶マイクロ
カプセルを列をなすように配置し、平板に向けて押圧し
てもよい。列内で隣り合う液晶マイクロカプセル同士が
接し、及び列間で隣り合う液晶マイクロカプセルが所定
の間隙を隔てて配置された場合、液晶マイクロカプセル
は列に垂直な方向に引き伸ばされた形状となる。すなわ
ち、第1或いは第2の液晶マイクロカプセル層を形成す
ることができる。
【0037】また、平板上に、複数の球状液晶マイクロ
カプセルと液体とを含有する液晶マイクロカプセル塗布
液を塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を平板と平行
な方向に順次乾燥することにより、第1或いは第2の液
晶マイクロカプセル層を形成することができる。この場
合、液晶マイクロカプセル塗布液中に、硬化されること
により収縮する光硬化性或いは熱硬化性樹脂を含有させ
ることができる。また、この平板の表面に、溝状の凹部
や帯状の凸部を形成してもよい。なお、このような方法
により第1の液晶マイクロカプセル層を形成する場合、
平板として上記基板を用いることができる。また、この
ような方法により第2の液晶マイクロカプセル層を形成
する場合、第1の液晶マイクロカプセル層上に透明樹脂
からなる薄膜を形成し、これを上記平板の代わりに用い
てもよい。
【0038】本発明において、液晶層は、第1及び第2
の液晶マイクロカプセル層を別々に作製した後に貼り合
せることにより形成することができる。また、第1及び
第2の液晶マイクロカプセル層の一方の上で他方を形成
することも可能である。
【0039】第1或いは第2の液晶マイクロカプセル層
は、画素電極を有する基板上で形成することができる。
また、第1或いは第2の液晶マイクロカプセル層は、こ
の基板とは異なる平板上で形成した後に、平板から基板
上に転写してもよい。
【0040】本発明において、液晶表示装置は、それぞ
れ吸収波長の異なる3層の液晶層を順次積層した構造を
有することが好ましい。この場合、3層の液晶層のそれ
ぞれの間に中間電極を設けることにより、フルカラー表
示が可能となる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、図面を参
照しながらより詳細に説明する。
【0042】まず、本発明の第1の態様について説明す
る。第1の態様においては、液晶マイクロカプセルは非
球状の粒状体として形成される。
【0043】図1に、本発明の第1の態様に係る液晶表
示装置の断面図を示す。図1において、液晶表示装置1
-1は、一方の主面に電極4が形成された基板2と、基板
2の電極4が形成された面に対向して配置され、その対
向面に電極5が形成された基板3と、基板2,3間に挟
持された液晶層7とで構成されている。
【0044】上記液晶表示装置1-1において、基板2と
しては、ガラスやプラスチック等の透明基板等が用いら
れ、電極4としては、ITO等の透明導電膜やアルミニ
ウム等の金属膜等が用いられる。基板3は必ずしも設け
る必要はなく、代わりに透明樹脂等の保護膜を設けても
よい。対向電極5としては、ITO等の透明導電膜が用
いられる。
【0045】上記液晶表示装置1-1において、液晶層7
は、液晶材料10を透明被膜11で包含してなる液晶マ
イクロカプセル6で構成されている。液晶マイクロカプ
セル6は、液晶層7中で、液晶マイクロカプセル層8,
9を形成している。すなわち、液晶層7は、液晶マイク
ロカプセル層8,9を積層してなる層状構造を呈してい
る。
【0046】液晶マイクロカプセル6は、異方性形状、
すなわち、非球状の形状を有している。液晶マイクロカ
プセル層8を構成する液晶マイクロカプセル6は、それ
ぞれ等しい或いは相似した形状を有しており、液晶マイ
クロカプセル層8中でそれらの長軸の配向方向がほぼ一
致するように配置されている。また、液晶マイクロカプ
セル層9を構成する液晶マイクロカプセル6も等しい或
いは相似した形状を有しており、液晶マイクロカプセル
層9中でそれらの長軸の配向方向がほぼ一致するように
配置されている。なお、液晶マイクロカプセル層8,9
間では、液晶マイクロカプセル6の配向方向は異なって
いる。
【0047】上記液晶マイクロカプセル6において、液
晶材料10には、例えば、下記一般式(1)〜(10)
に示す液晶化合物を用いることができる。
【0048】
【化1】
【0049】なお、上記一般式(1)〜(10)におい
て、置換基R及びXは、それぞれアルキル基、アルコキ
シ基、アルキルフェニル基、アルコキシアルキルフェニ
ル基、アルコキシフェニル基、アルキルシクロヘキシル
基、アルコキシアルキルシクロヘキシル基、アルキルシ
クロヘキシルフェニル基、シアノフェニル基、シアノ
基、ハロゲン原子、フルオロメチル基、フルオロメトキ
シ基、アルキルフェニルアルキル基、アルコキシアルキ
ルフェニルアルキル基、アルコキシアルキルシクロヘキ
シルアルキル基、アルキルシクロヘキシルアルキル基、
アルコキシアルコキシシクロヘキシルアルキル基、アル
コキシフェニルアルキル基、及びアルキルシクロヘキシ
ルフェニルアルキル基を示し、置換基Yは水素原子及び
ハロゲン原子を示す。
【0050】上記置換基R及びXは、アルキル鎖及びア
ルコキシ鎖が光学活性を有するものであってもよく、フ
ェニル基またはフェノキシ基を、フッ素原子や塩素原子
等のハロゲン原子で置換されたものでもよい。また、上
記置換基R及びXは、フェニル基が、水素原子を1個ま
たは2個のフッ素原子や塩素原子等のハロゲン原子で置
換されたものであってもよい。
【0051】本発明においては、上記一般式(1)〜
(10)に示す液晶化合物を混合した液晶組成物を液晶
材料として用いることもできる。また、上記一般式
(1)〜(10)に示す液晶化合物は、いずれも誘電異
方性が正であるが、誘電異方性が負の液晶化合物も用い
ることができる。例えば、液晶材料として、誘電異方性
が負の液晶化合物と誘電異方性が正の液晶化合物とを誘
電異方性が正となるように混合した液晶組成物を用いる
ことができる。また、適当な素子構成及び駆動方式を用
いた場合、液晶材料として、誘電異方性が負の液晶化合
物或いは液晶組成物も用いることができる。
【0052】上記液晶材料は、二色性色素を含有するこ
とが好ましい。二色性色素を用いた液晶表示装置におい
ては、電圧非印加時に光吸収が生じた場合、表示色が白
っぽくなるため、光散乱の低減が特に望まれている。し
たがって、液晶材料が二色性色素を含有する場合、本発
明の効果が特に顕著となる。
【0053】この二色性色素としては、下記化学式(1
1)〜(19)に示すイエロー色素、下記化学式(2
0)〜(27)に示すマゼンタ色素、及び下記化学式
(28)〜(31)に示すシアン色素等を挙げることが
できる。
【0054】
【化2】
【0055】
【化3】
【0056】
【化4】
【0057】
【化5】
【0058】
【化6】
【0059】液晶材料中に二色性色素を含有させる場
合、液晶化合物或いは液晶組成物に対する二色性色素の
混合比は0.01〜10重量%であることが好ましく、
0.1〜5重量%であることがより好ましい。二色性色
素の混合比が下限値未満の場合、十分なコントラストを
得ることができず、上限値を超える場合、電圧印加時に
おいても着色が残るためコントラストが低下するおそれ
がある。
【0060】上記液晶材料10を包含する透明被膜11
には、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェノ
ール樹脂、フラン樹脂等の縮合系ポリマーや、スチレン
−ジビニルベンゼン共重合体、メチルメタクリレート−
ビニルアクリレート共重合体等の三次元架橋ビニルポリ
マー等の熱硬化性樹脂を用いることができる。
【0061】また、透明被膜11には、ポリエチレン
類;塩素化ポリエチレン類;エチレン・酢酸ビニル共重
合体、エチレン・アクリル酸・無水マレイン酸共重合体
等のエチレン共重合体;ポリブタジエン類;ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート等のポリエステル類;ポリプロピ
レン類;ポリイソブチレン類;ポリ塩化ビニル類;ポリ
塩化ビニリデン類;ポリ酢酸ビニル類;ポリビニルアル
コール類;ポリビニルアセタール類;ポリビニルブチラ
ール類;四フッ化エチレン樹脂類;三フッ化塩化エチレ
ン樹脂類;フッ化エチレン・プロピレン樹脂類;フッ化
ビニリデン樹脂類;フッ化ビニル樹脂類;四フッ化エチ
レン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、四フ
ッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合
体、四フッ化エチレン・エチレン共重合体等の四フッ化
エチレン共重合体;含フッ素ポリベンゾオキサゾール等
のフッ素樹脂類;アクリル樹脂類;ポリメタクリル酸メ
チル等のメタクリル樹脂類;ポリアクリロニトリル類;
アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体等の
アクリロニトリル共重合体;ポリスチレン類;ハロゲン
化ポリスチレン類;スチレン・メタクリル酸共重合体、
スチレン・アクリロニトリル共重合体等のスチレン共重
合体;ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリアクリ
ル酸ナトリウム等のイオン性ポリマー;アセタール樹脂
類;ナイロン66等のポリアミド類;ゼラチン;アラビ
アゴム;ポリカーボネート類;ポリエステルカーボネー
ト類;セルロース系樹脂類;フェノール系樹脂類;ユリ
ア樹脂類;エポキシ樹脂類;不飽和ポリエステル樹脂
類;アルキド樹脂類;メラミン樹脂類;ポリウレタン
類;ジアリールフタレート樹脂類;ポリフェニレンオキ
サイド類;ポリフェニレンスルフィド類;ポリスルフォ
ン類;ポリフェニルスルフォン類;シリコーン樹脂類;
ポリイミド類;ビスマレイミドトリアジン樹脂類;ポリ
イミドアミド類;ポリエーテルスルフォン類;ポリメチ
ルペンテン類;ポリエーテルエーテルケトン類;ポリエ
ーテルイミド類;ポリビニルカルバゾール類;ノルボル
ネン系非晶質ポリオレフィン類;ポリフマル酸エステル
類等の熱可塑性樹脂も用いることができる。
【0062】液晶マイクロカプセル6の透明被膜11
は、上記熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂から選ばれる2
種以上の樹脂を用いて多層膜として形成されてもよい。
この場合、液晶マイクロカプセル6の熱安定性を向上さ
せるために、透明被膜11の最外殻には熱硬化性樹脂を
用いることが好ましい。
【0063】以上のように構成される液晶マイクロカプ
セル6は、界面重合法、in situ重合法、液中硬
化被覆法、水溶液系からの相分離法、有機溶液系からの
相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁法、及びスプレー
ドライング法等を用いることができる。また、液晶マイ
クロカプセル6は、通常、平均粒径が3μm〜15μm
程度となるように形成される。
【0064】ところで、PDLCにおいて、液晶層は、
液晶材料を透明樹脂からなる薄膜状のマトリクス中に液
滴状に分散させた構造を有している。PDLCにおいて
は、その構造上、マトリクスに対する液晶材料の体積比
を高めることは困難である。また、この液晶層の機械的
強度は低い。
【0065】それに対し、上記液晶表示装置1-1のよう
に液晶マイクロカプセル6を用いた場合、PDLCに比
べ、マトリクスである透明被膜11に対する液晶材料1
0の体積比を大幅に高めることができる。すなわち、液
晶マイクロカプセル6においては、透明被膜11と液晶
材料12との和に対する液晶材料の体積分率を約70体
積%以上とすることができる。このように液晶材料の体
積分率を70体積%以上とした場合、十分な表示コント
ラストを得ることができる。また、液晶材料の体積分率
が96体積%以下であれば、十分な機械的強度を得るこ
とができる。
【0066】図2(a)は、本発明の第1の態様に係る
液晶表示装置で用いられる液晶マイクロカプセルの一例
を示す断面図である。図2(a)に示す液晶マイクロカ
プセル6において、参照番号12は液晶分子を示してい
る。また、透明被膜11中には、液晶分子12の他に二
色性色素(図示せず)が包含されている。この図におい
て、液晶マイクロカプセル6は、非球状の形状、より具
体的には回転楕円体状の形状を有している。また、殆ど
の液晶分子12は、液晶マイクロカプセル6の長軸に相
当する軸13と平行な方向に配向している。
【0067】上記液晶表示装置1-1において、図2
(a)に示すように液晶マイクロカプセル6が非球状の
形状を有し、液晶マイクロカプセル層8,9間で液晶マ
イクロカプセル6の長軸の方向が異なる場合、高い表示
コントラストを得ることができる。以下に、その理由を
説明する。
【0068】図2(b)〜(d)に、従来の液晶表示装
置に用いられる液晶マイクロカプセルの断面図をそれぞ
れ示す。図2(b)〜(d)に示す従来の液晶マイクロ
カプセル106-1、106-2及び106-3は、液晶材料
が透明被膜11で包含された構造を有している。また、
従来の製造方法によると、図2(b)〜(d)に示すよ
うに、液晶マイクロカプセル106-1、106-2及び1
06-3は球状に形成される。
【0069】図2(b)〜(d)に示す液晶マイクロカ
プセル106-1〜106-3においては、液晶分子12の
配向状態が異なっている。この配向状態の違いは、透明
被膜11と液晶分子12との相互作用の程度、及び液晶
マイクロカプセル106-nの粒径の違いに起因してい
る。すなわち、透明被膜11と液晶分子12との間に適
度な相互作用が存在する場合、バイポーラ配向を呈し、
相互作用が弱い場合、ラジアル配向或いはアキシャル配
向を呈する。また、相互作用が弱く粒径が十分に大きい
場合は、ラジアル配向を呈し、相互作用が弱く粒径が小
さい場合にはアキシャル配向を呈する。
【0070】図2(b)に示す液晶マイクロカプセル1
06-1において、液晶分子12は、透明被膜11に対し
て垂直に及び液晶マイクロカプセルの中心から放射状に
配列したラジアル配向を呈している。このように液晶分
子12がラジアル配向を呈する液晶マイクロカプセル1
06-1は、いずれの方向からの入射光に対しても等しい
光透過性を示す。すなわち、液晶マイクロカプセル10
6-1は、光学的に等方性である。そのため、液晶マイク
ロカプセル106-1を用いた場合、入射光の光軸と液晶
分子12の配向方向との関係を最適化して光吸収性を向
上させることはできない。
【0071】図2(c)に示す液晶マイクロカプセル1
06-2において、液晶分子12は、透明被膜11に対し
てほぼ垂直に配向しているが、ラジアル配向を呈してい
る訳ではない。液晶マイクロカプセル106-2におい
て、液晶分子12はアキシャル配向を呈しており、液晶
マイクロカプセル106-2は光学的に異方性を有してい
る。
【0072】図2(d)に示す液晶マイクロカプセル1
06-3において、液晶分子12は透明被膜11に対して
平行に、及び液晶マイクロカプセル106-3の一方の極
から他方の極へと配列している。すなわち、液晶マイク
ロカプセル106-3において、液晶分子12はバイポー
ラ配向を呈している。そのため、液晶マイクロカプセル
106-3は光学的に異方性を有している。
【0073】このように液晶分子12がアキシャル配向
或いはバイポーラ配向を呈する液晶マイクロカプセル1
06-2,106-3においては、液晶配向は異方性を有す
るため、入射光の方向を両極を結ぶ軸13に垂直とする
ことにより、最も高い光吸収性を得ることができる。
【0074】しかしながら、液晶マイクロカプセル10
6-2においては軸13からの距離が遠い領域の液晶分子
12が、液晶マイクロカプセル106-3においては両極
近傍の液晶分子12が軸13と平行に配列しておらず、
一部の液晶分子12のみが軸13と平行に配列している
に過ぎない。そのため、全ての液晶分子が一方向に配列
した場合ほど、高い光吸収性を得ることはできない。
【0075】また、上述した光吸収性の向上は、軸13
と入射光の方向とを垂直とした場合に実現されるもので
ある。しかしながら、球状の液晶マイクロカプセル10
6-2,106-3を、その軸13が入射光の光軸に垂直と
なるように配置することは非常に困難である。
【0076】それに対し、上記液晶表示装置1-1におい
て、液晶マイクロカプセル6は、例えば図2(a)に示
すように長軸を有するように形成される。液晶マイクロ
カプセル6をこのような形状とし、液晶配向をバイポー
ラ配向とすると、図2(a)に示すように、液晶分子1
2の配向方向が軸13の方向と一致した場合に最も安定
化される。図2(a)に示す液晶マイクロカプセルは軸
13の方向に引き伸ばされた形状を有している。したが
って、図2(a)に示す液晶マイクロカプセル6におい
ては、図2(c),(d)に示す液晶マイクロカプセル
106-2,106-3に比べて、軸13と平行に配向する
液晶分子12の比率が高くなる。すなわち、液晶分子1
2の配向方向は軸13に平行な方向により均一化され
る。
【0077】したがって、本発明によると、液晶マイク
ロカプセル6内で液晶分子12の配向方向が均一化され
るため、液晶分子12の配向方向と入射光の光軸とがな
す角度を最適化することができ、それにより、高いコン
トラストでの表示が可能な液晶表示装置を得ることがで
きる。
【0078】しかしながら、二色性色素は、所定の波長
領域の全ての光成分を吸収することができる訳ではな
い。すなわち、二色性色素は、分子の長軸に平行な方向
の偏光成分のみを吸収することができ、分子の長軸に垂
直な方向の偏光成分は吸収することができないのであ
る。そのため、1層の液晶マイクロカプセル層では、入
射光を十分に吸収させることができない。
【0079】これに対し、上記液晶表示装置1-1におい
ては、液晶マイクロカプセル層8,9が積層されて液晶
層7が構成される。また、液晶マイクロカプセル層8,
9間では、液晶マイクロカプセル6の長軸の方向は異な
り、したがって、二色性色素の配向方向も異なってい
る。
【0080】そのため、例えば基板3側から液晶層7に
光を入射させた場合、入射光の一部は液晶マイクロカプ
セル層9で吸収され、液晶マイクロカプセル層9を透過
する残りの光成分は液晶マイクロカプセル層8で吸収さ
れる。したがって、上記液晶表示装置1-1によると、よ
り高い表示コントラストを得ることができるのである。
【0081】液晶マイクロカプセル層8,9中の液晶分
子12の平均的な配向方向は、基板面に対して、0°〜
6°の角度をなすことが好ましく、これら配向方向が基
板面に対して平行であることがより好ましい。また、液
晶マイクロカプセル層8中の液晶分子12の平均的な配
向方向は、液晶マイクロカプセル層9中の液晶分子12
の平均的な配向方向に対して、80°〜90°の角度を
なすことが好ましく、これら配向方向が90°の角度を
なすことがより好ましい。液晶分子12の配向方向をこ
のように制御することにより、より高い表示コントラス
トを得ることができる。
【0082】上記液晶マイクロカプセル6の長軸が、こ
の長軸に垂直な径の最大値に対して2倍以上の長さを有
している場合、上述した効果が顕著となる。すなわち、
液晶分子12の平均的な配向方向を、液晶マイクロカプ
セル6の長軸とほぼ一致させることができる。特に、液
晶マイクロカプセル6の長軸が、この長軸に垂直な径の
最大値に対して3倍以上の長さを有する場合、電圧非印
加時において、液晶分子12の配向方向をより均一とす
ることができる。すなわち、電圧非印加時における液晶
分子12のオーダーパラメータをより高めることができ
る。
【0083】また、上記液晶マイクロカプセル6の基板
2への投影は、電圧非印加時における液晶分子12の平
均的な配向方向が一義的に決定されるような形状である
ことが好ましい。例えば、液晶マイクロカプセル6の基
板2への投影が正六角形状である場合、電圧非印加時に
おける配向方向は、対角線と平行となる。しかしなが
ら、正六角形は3回回転軸を有する。すなわち、正六角
形においては、等価な3つの対角線が存在する。そのた
め、このような場合、電圧非印加時における液晶分子1
2の平均的な配向方向を、各液晶マクロカプセル6間で
一致させることが不可能となる。
【0084】それに対し、液晶マイクロカプセル6の基
板2への投影が回転軸を有していない場合、或いは2回
回転軸を有している場合、電圧非印加時における液晶分
子12の平均的な配向方向は一義的に決定される。した
がって、電圧非印加時における液晶分子12の平均的な
配向方向を、各液晶マクロカプセル6間で一致させるこ
とが可能となる。
【0085】上記液晶マイクロカプセル層8,9のそれ
ぞれにおいて、液晶マイクロカプセル6の平均的な配向
方向からの、個々の液晶マイクロカプセル6の配向方向
のばらつきの範囲は、10°以内であることが好まし
い。その理由を、図3を参照しながら説明する。
【0086】図3は、液晶マイクロカプセル6の配向方
向のばらつきと、光利用効率との関係を示すグラフであ
る。図3において、横軸は液晶マイクロカプセルの配向
方向のばらつきの範囲θを示し、縦軸は光利用効率Rを
示している。また、曲線15-1〜15-4は、液晶マイク
ロカプセル6中の液晶分子12のオーダーパラメータS
をそれぞれ0.4、0.45、0.5、及び0.55と
した場合に、下記等式から得られるデータを示してい
る。
【0087】R=(S×cosθ)2 図3に示すように、いずれの値の場合においても、液晶
マイクロカプセル6の配向方向のばらつきを±10°以
内とすることにより、高い光利用効率Rを得ることがで
きる。
【0088】液晶マイクロカプセル層8中の液晶マイク
ロカプセル6の長軸の方向である第1の方向と、液晶マ
イクロカプセル層9中の液晶マイクロカプセル6の長軸
の方向である第2の方向とは、それぞれ、基板面に対し
て、0°〜6°の角度をなすことが好ましく、基板面に
対して平行であることがより好ましい。また、第1の方
向と第2の方向とは80°〜90°の角度をなすことが
好ましく、90°の角度をなすことがより好ましい。第
1及び第2の方向をこのように制御することにより、よ
り高い表示コントラストを得ることができる。
【0089】以上説明した液晶表示装置1-1は、例え
ば、以下に示す方法により製造することができる。図4
(a)〜(c)を参照しながら説明する。
【0090】図4(a)〜(c)は、それぞれ、本発明
の第1の態様に係る液晶表示装置の製造方法を概略的に
示す斜視図である。
【0091】液晶表示装置1-1を製造するに当り、ま
ず、図4(a)に示すように、基板2の電極4が形成さ
れた面に、球状の液晶マイクロカプセル6を列をなすよ
うに配置する。このとき、列内で隣り合う液晶マイクロ
カプセル6が接するように配置する。複数の列を所定の
間隔を隔てて並ぶように形成した後、基板2上に配列さ
せた液晶マイクロカプセル6に、基板面に垂直な方向か
ら圧力を印加する。これにより、図4(b)に示すよう
に、液晶マイクロカプセル6は、列に垂直な方向に引き
伸ばされる。その結果、液晶マイクロカプセル6中の液
晶分子12は、液晶マイクロカプセル6の長軸方向に配
向する。以上のようにして、液晶マイクロカプセル層8
を形成する。
【0092】次に、テフロン等からなる転写板上に、上
述の方法と同様にして、液晶マイクロカプセル6を配置
し、圧力を印加することにより配向処理を行う。このよ
うにして液晶マイクロカプセル層9を形成した後、この
液晶マイクロカプセル層9を転写板から液晶マイクロカ
プセル層8上に転写する。これにより、図4(c)に示
すように液晶層7が形成される。なお、上記転写は、図
4(c)に示すように、液晶マイクロカプセル層8,9
間で、液晶マイクロカプセル6の長軸の方向が異なるよ
うに、すなわち、液晶分子12の配向方向が異なるよう
に行う。
【0093】さらに、液晶層7上に電極5が形成された
基板3を配置することにより、液晶表示装置1-1を得る
ことができる。
【0094】上述の製造方法では、隣り合う液晶マイク
ロカプセル6間の間隔を利用して、液晶マイクロカプセ
ル6の変形が行われる。しかしながら、他の方法を用い
て液晶マイクロカプセル6を変形することも可能であ
る。例えば、まず、液晶マイクロカプセル6を水のよう
な液体中に分散させて液晶マイクロカプセル塗布液を調
製する。次に、液晶マイクロカプセル塗布液を基板2上
に塗布して塗布膜を形成し、さらにこの塗布膜を乾燥す
る。その後、乾燥された塗布膜を基板面に平行な所定の
方向に延伸する。これにより、液晶マイクロカプセル6
は引き伸ばされ、液晶マイクロカプセル6中の液晶分子
12は延伸方向に配向する。
【0095】上記方法においては、液晶マイクロカプセ
ル塗布液中に、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニ
ル、未加硫ゴム類、及び各種オリゴマーのように、成膜
時に延伸することが可能な熱可塑性樹脂を含有させるこ
とができる。この場合、液晶マイクロカプセル層8,9
のそれぞれにおいて、隣接する液晶マイクロカプセル6
間の空隙は透明樹脂で充填される。したがって、空隙が
残留することによる光散乱の増大を防止することができ
るのとともに、液晶マイクロカプセルをより良好に変形
させることが可能となる。
【0096】液晶マイクロカプセル塗布液中に熱可塑性
樹脂を含有させる場合、例えば、以下に示す方法により
液晶マイクロカプセル層8,9を形成することができ
る。まず、水、有機溶媒、或いはそれらの混合液中に、
球状の液晶マイクロカプセル及び熱可塑性樹脂からなる
微粒子等を分散させて液晶マイクロカプセル塗布液を調
製する。液晶マイクロカプセル塗布液の組成は、使用す
る塗布装置や被塗布面に応じて適宜変更する。
【0097】なお、有機溶媒を用いる場合、液晶マイク
ロカプセルの破壊や透明被膜からの液晶材料の溶出を生
じないものを選択する。また、十分な表示コントラスト
を実現するために、液晶マイクロカプセルと熱可塑性樹
脂からなる微粒子との体積の総和に対する液晶材料の比
が60体積%以上となるように、上記微粒子の添加量を
制御する。
【0098】次に、フィルム或いは平板上に、上記液晶
マイクロカプセル塗布液を塗布して塗布膜を形成する。
このフィルムや平板としては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、フッ素樹脂、シリコーン系離型剤、及びフッ素
系離型剤を塗布し、さらに表面に親水性を付与したフィ
ルム或いは平板や、離型性を有するフィルム或いは平板
に親水性を付与したもの等を用いる。すなわち、上記フ
ィルムや平板には、離型性及び親水性が必要である。
【0099】上記塗布膜を乾燥した後、上記フィルム或
いは平板から乾燥した塗布膜を剥離し、さらに延伸を施
す、或いは、特定の方向に引張る。以上のようにして液
晶マイクロカプセル層8,9を形成することができる。
【0100】上述した方法によると、液晶分子12の配
向処理の際に、液晶マイクロカプセル6に圧力が印加さ
れる。液晶マイクロカプセル6に過剰な圧力が印加され
た場合、その透明被膜11が破壊されるおそれがある。
特に、透明被膜11が基板2上で破壊された場合には、
液晶表示装置1-1の表示特性の低下を生ずる場合があ
る。
【0101】このような液晶表示装置1-1の表示特性の
低下を防止するために、延伸を行う代わりに、上記塗布
膜をその端部から順次乾燥させることにより液晶分子1
2の配向処理を行ってもよい。塗布膜を均一に乾燥させ
ると、隣接する液晶マイクロカプセル6は相互に接触面
積を増加させる。そのため、液晶マイクロカプセル6に
は基板面に平行な複数の方向から大きな張力が加えら
れ、その結果、液晶マイクロカプセル6の基板面に垂直
な方向から見た形状は、通常、正六角形状となる。
【0102】それに対し、上記塗布膜に温度勾配を形成
しつつ乾燥した場合、上述した接触面積の増加は均一に
は生じない。そのため、上記塗布膜をその一端から他端
に向けて順次乾燥させた場合、液晶マイクロカプセル6
に加えられる張力の方向に偏りが生ずる。したがって、
ほぼ全ての液晶マイクロカプセル6を乾燥方向に垂直な
方向に引き伸ばすことができる。
【0103】このような方法により引き伸ばされた液晶
マイクロカプセル6をさらに変形させるために、乾燥し
た塗布膜上に、布や板やロール等を2kg/cm2以下
の圧力を印加しつつ摺動或いは転動させてもよい。印加
する圧力が2kg/cm2以下であれば、液晶マイクロ
カプセル6の破損を生ずることはない。なお、上記ロー
ル等の表面は、フッ素樹脂加工されていることが好まし
い。この場合、塗布膜との間の摩擦が低減され、液晶マ
イクロカプセル6の破損を良好に防止することができ
る。
【0104】また、上述した光硬化性或いは熱硬化性樹
脂を液晶マイクロカプセル塗布液中に混合して用いても
よい。すなわち、光硬化性或いは熱硬化性樹脂を混合し
た液晶マイクロカプセル塗布液を用いて塗布膜を形成
し、この塗布膜をその一端から他端に向けて順次乾燥さ
せる。光硬化性或いは熱硬化性樹脂が硬化時に収縮する
場合、液晶マイクロカプセル6をより大きく変形させる
ことができる。
【0105】上記塗布膜の乾燥は、例えば、帯状の領域
を同時に加熱することが可能な遠赤外線ヒータを用いる
ことにより行うことができる。すなわち、基板2と遠赤
外線ヒータとを、その加熱領域の長手方向に垂直な方向
に相対的に平行移動させればよい。これにより、上記塗
布膜をその一端から他端に向けて順次乾燥させることが
できる。また、連続炉のように、トンネル状の乾燥機中
に、上記塗布膜を形成した基板2を一定の速度で送るこ
とにより、上記塗布膜をその一端から他端に向けて順次
乾燥させることも可能である。
【0106】このように、塗布膜をその端部から順次乾
燥させることにより液晶分子12の配向処理を行う場
合、図1に示す液晶層7を容易に形成することができ
る。例えば、上述した方法により基板2上に液晶マイク
ロカプセル層8を形成した後、さらに上述した方法によ
り液晶マイクロカプセル層9を順次形成することによ
り、液晶層7を得ることができる。
【0107】また、上述した方法によると、以下に示す
方法により液晶マイクロカプセル層8,9を形成するこ
とも可能である。すなわち、まず、基板2上に、熱硬化
或いは光硬化性樹脂を含有する液晶マイクロカプセル塗
布液を用いて、上記塗布膜をより厚く形成する。次に、
基板2上に形成した塗布膜の表面領域のみが乾燥するよ
うな条件下で塗布膜をその端部から順次乾燥させる。こ
の乾燥した表面領域は液晶マイクロカプセル層9を形成
する。次に、液晶マイクロカプセル層9と基板2との間
の未乾燥の塗布膜を、その端部から順次乾燥させること
により、液晶マイクロカプセル層8を形成する。このと
き、それぞれの乾燥方向を垂直とすることにより、液晶
分子12の配向方向を液晶マイクロカプセル層8と液晶
マイクロカプセル層9との間で垂直とすることができ
る。
【0108】塗布膜をその端部から順次乾燥させること
により配向方向の制御を行う場合、基板2の表面にラビ
ング処理を施してもよい。ラビング方向を乾燥方向と垂
直とした場合、液晶マイクロカプセル6をより容易に変
形させることができる。なお、基板2にラビング処理を
施さずに、基板2上に透明樹脂からなる薄膜を形成し、
この薄膜の表面にラビング処理を施してもよい。この場
合においても、上述したのと同様の効果を得ることがで
きる。
【0109】また、塗布膜をその端部から順次乾燥させ
ることにより配向方向の制御を行う場合、基板2の表面
に帯状の凸部を形成してもよい。帯状の凸部を、その長
手方向が液晶マイクロカプセル6の長軸方向と垂直とな
るように設けることにより、液晶マイクロカプセル6を
より容易に変形させることができる。なお、帯状の凸部
の代わりに、柱状体を形成してもよい。基板2上に柱状
体を適切に配置した場合、上述したのと同様の効果を得
ることができる。また、これら帯状の凸部及び柱状体を
構成する材料は、導電性材料であってもよく絶縁性材料
であってもよい。帯状の凸部及び柱状体を導電性材料で
構成した場合、これらを配線の一部等として利用するこ
とができる。
【0110】以上、球状の液晶マイクロカプセルを用い
て液晶マイクロカプセル層8,9を形成することについ
て説明したが、非球状の液晶マイクロカプセルを用いる
ことも可能である。液晶マイクロカプセル6を予め非球
状の形状に変形させておいた場合、液晶マイクロカプセ
ル6の破損による液晶表示装置1-1の表示特性の低下を
防止することができる。非球状の液晶マイクロカプセル
6は、例えば、球状の液晶マイクロカプセルを型に入
れ、圧力、熱、或いはその両方を印加することにより得
ることができる。
【0111】上述のように液晶マイクロカプセル6を予
め非球状に形成した場合、それぞれの液晶マイクロカプ
セル6中の液晶分子12の配向方向が一致するように、
液晶マイクロカプセル6を基板2上に配置する必要があ
る。これは、例えば、以下に示す方法により行うことが
できる。
【0112】図5に、本発明の第1の態様に係る液晶表
示装置の製造に用いられる液晶マイクロカプセル配列装
置の斜視図を概略的に示す。図5において、液晶マイク
ロカプセル配列装置20-1は、基板2を支持する基板支
持台21と、基板支持台21に取り付けられたソレノイ
ド型振動子22とで構成されている。
【0113】この液晶マイクロカプセル配列装置20-1
を用いて液晶マイクロカプセル6を基板2上に配列させ
るに当り、まず、基板支持台21上に基板2を載置す
る。次に、基板2上に液晶マイクロカプセル6を配置す
る。このとき、液晶マイクロカプセル6は必ずしも規則
正しく配列される必要はない。さらに、ソレノイド型振
動子22を駆動する。これにより、基板2は一方向に振
動され、液晶マイクロカプセル6は、その長軸が振動方
向と平行となるように整列する。
【0114】上記配列処理の際の振動数は、10〜10
0Hzであることが好ましく、30〜70Hzであるこ
とがより好ましい。振動数が10Hz未満の場合、液晶
マイクロカプセル6を整列させることができず、振動数
が100Hzを超えると、液晶マイクロカプセル6が破
壊されるおそれがある。
【0115】また、上記配列処理の際に、基板2を水平
に対して傾斜させることにより、液晶マイクロカプセル
6を緻密に整列させることができる。基板2が水平に対
してなす角度は、1〜10°であることが好ましい。角
度が1°未満の場合、基板2を傾斜させる効果を得るこ
とができず、角度が10°を超える場合、液晶マイクロ
カプセル6の配列が破壊されるおそれがある。
【0116】上述の方法では、液晶マイクロカプセル6
を基板2上に無秩序に配置して配列処理を行ったが、液
晶マイクロカプセル6を基板2上に規則正しく配置した
後に上記配列処理を行うことも可能である。
【0117】図6に、本発明の第1の態様に係る液晶表
示装置の製造に用いられる液晶マイクロカプセル配列装
置の斜視図を概略的に示す。図6において、液晶マイク
ロカプセル配列装置20-2は、基板2を支持する基板支
持台21と、基板2上に液晶マイクロカプセル6を配置
するホッパ25とで構成されている。ホッパ25は、液
晶マイクロカプセル6を吐出するノズル26と、ノズル
26を振動させるソレノイド型振動子27と、液晶マイ
クロカプセル6を収容しノズル26に液晶マイクロカプ
セルを供給する容器28とで構成されている。また、基
板支持台21にはソレノイド型振動子22が設置されて
いる。なお、基板支持台21とホッパ25とは、相対的
に平行移動可能である。
【0118】この液晶マイクロカプセル配列装置20-2
を用いて液晶マイクロカプセル6を基板2上に配列させ
るに当り、まず、基板支持台21上に基板2を載置す
る。次に、ソレノイド型振動子27を駆動して、容器2
8内に収容された液晶マイクロカプセル6をノズル26
から基板2上に吐出する。このとき、同時に、ホッパ2
5を基板支持台21に対して相対的に平行移動させる。
以上のようにして、液晶マイクロカプセル6を基板2上
にほぼ規則正しく配列させることができる。
【0119】次に、必要に応じて、図5に関して説明し
たのと同様の方法により、すなわち、ソレノイド型振動
子22を駆動することにより、液晶マイクロカプセル6
をさらに規則正しく配列させる。
【0120】上記ホッパ25を用いた方法においては、
ノズル26の先端の開口部の幅は、液晶マイクロカプセ
ル6の長軸に垂直な径の最大値の1.2〜1.5倍であ
ることが好ましく、ノズル26の先端の長さは、液晶マ
イクロカプセル6の長軸の長さの2〜3倍であることが
好ましい。ノズル26の開口部の大きさ及び先端の長さ
を上記範囲内とすることにより、ノズル26からの液晶
マイクロカプセル6の吐出量を容易に制御することがで
きる。
【0121】また、ソレノイド型振動子22による基板
支持台21の振動は、液晶マイクロカプセル6の長軸方
向に行われることが好ましく、その振動数は、10〜1
00Hzの範囲内であることが好ましい。振動数が10
Hz未満の場合、振動による効果が得られず、振動数が
100Hzを超える場合、液晶マイクロカプセル6が破
壊されるおそれがある。
【0122】また、図5に関して説明したのと同様に、
基板2を水平に対して傾斜させることにより、液晶マイ
クロカプセル6を緻密に整列させることができる。基板
2が水平に対してなす角度は、1〜10°であることが
好ましい。角度が1°未満の場合、基板2を傾斜させる
効果を得ることができず、角度が10°を超える場合、
液晶マイクロカプセル6の配列が破壊されるおそれがあ
る。
【0123】以上、回転楕円体状の液晶マイクロカプセ
ル6を基板2上に配列する場合について説明したが、同
様の方法により、円柱状の液晶マイクロカプセル6を基
板2上に配列することも可能である。
【0124】図7に、本発明の第1の態様に係る液晶表
示装置の製造に用いられる液晶マイクロカプセル配列装
置の断面図を概略的に示す。図7に示す液晶マイクロカ
プセル配列装置20-3は、図6に示す液晶マイクロカプ
セル配列装置20-2と、ノズルの形状が異なる以外は同
様にして構成される。また、上記液晶マイクロカプセル
配列装置20-3による液晶マイクロカプセル6の整列
は、液晶マイクロカプセルの長軸に垂直な方向に、ホッ
パ25と基板支持台21とを相対的に平行移動させる点
でのみ、図6に示す液晶マイクロカプセル配列装置20
-2に関して説明した方法と異なる。
【0125】図7に示す液晶マイクロカプセル配列装置
20-3において、ノズル26に設けられたスリット状の
開口部の幅は、円柱状の液晶マイクロカプセル6の径の
1.2〜1.5倍であることが好ましく、ノズル26の
先端の長さは、液晶マイクロカプセル6の長軸の長さの
2〜3倍であることが好ましい。ノズル26の開口部の
幅及び先端の長さ上記範囲内とすることにより、ノズル
26から液晶マイクロカプセル6の吐出量を容易に制御
することができる。
【0126】また、ソレノイド型振動子22による基板
支持台21の振動は、液晶マイクロカプセル6の長軸に
垂直な方向に行われることが好ましく、その振動数は、
10〜100Hzの範囲内であることが好ましい。振動
数が10Hz未満の場合、振動させることによる効果を
得ることができず、振動数が100Hzを超える場合、
液晶マイクロカプセル6が破壊されるおそれがある。
【0127】また、図5に関して説明したのと同様に、
基板2を水平に対して傾斜させることにより、液晶マイ
クロカプセル6を緻密に整列させることができる。基板
2が水平に対してなす角度は、1〜10°であることが
好ましい。角度が1°未満の場合、基板2を傾斜させる
効果を得ることができず、角度が10°を超える場合、
液晶マイクロカプセル6の配列が破壊されるおそれがあ
る。
【0128】上述した液晶マイクロカプセル6の整列
は、基板2の表面に凹部を設けることにより、より高い
精度で行うことができる。
【0129】図8に、本発明の第1の態様に係る液晶表
示装置において用いられる基板の断面図を示す。図8に
おいて、基板2の表面には、樹脂からなる突起部30に
より溝状の凹部が形成されている。この凹部を形成する
突起部30は、例えば、基板2の表面に厚さの均一な樹
脂膜を形成した後、これを型押しすること等により形成
することができる。また、突起部30の表面には、電極
4が設けられている。
【0130】このように基板2の表面に溝状の凹部を設
けた場合、液晶マイクロカプセル6は溝内に位置する場
合に安定化される。このとき、液晶マイクロカプセル6
の長軸の配向方向は、基板2の振動方向等により制御可
能である。すなわち、基板2の振動方向を適宜選択する
ことにより、液晶マイクロカプセル6を、その長軸が溝
に対して垂直となるように、或いはその長軸が溝に対し
て平行となるように配向させることができるのである。
したがって、基板2の表面に溝状の凹部を設け、図5及
び6に関して説明した方法等を適用することにより、よ
り高い精度で液晶マイクロカプセル6を整列させること
ができる。
【0131】基板2の表面に設ける凹部は、必ずしも溝
状である必要はない。例えば、基板2の表面に、液晶マ
イクロカプセル6の形状に対応した井戸状の凹部を設け
てもよい。この場合、凹部を液晶マイクロカプセル6が
勘合するような形状に形成することにより、液晶マイク
ロカプセル6を所望の配向で整列させることが可能とな
る。
【0132】このように、基板2上に凹部を設けて液晶
マイクロカプセル層8を形成すると、液晶マイクロカプ
セル層8の表面には規則正しく凹凸が形成される。この
凹凸を利用して、液晶マイクロカプセル層8上に液晶マ
イクロカプセル6を所望の配向で積層することが可能で
ある。すなわち、基板2上に液晶マイクロカプセル層8
を形成した後、液晶マイクロカプセル層8の形成方法と
同様の方法を用いて液晶マイクロカプセル層9を形成す
ることができるのである。なお、液晶マイクロカプセル
層9を構成する液晶マイクロカプセル6の配向方向は、
振動方向等により制御可能である。
【0133】また、基板2の表面に井戸状の凹部を形成
し、液晶マイクロカプセル6の形状を長軸方向にテーパ
ーした形状とした場合、液晶マイクロカプセル層9中の
液晶マイクロカプセル6の配向の秩序度をより高めるこ
とができる。
【0134】図9(a)〜(e)は、本発明の第1の態
様に係る液晶表示装置において用いられる液晶マイクロ
カプセルの例を概略的に示す斜視図である。図9(a)
〜(e)に示す液晶マイクロカプセル6は、いずれもそ
の少なくとも一部が長軸方向にテーパーした形状を有し
ている。これら液晶マイクロカプセル6を用いることに
より、液晶マイクロカプセル層8中の液晶材料10の配
向方向と、液晶マイクロカプセル層9中の液晶材料10
の配向方向とを容易に垂直とすることができる。図9
(b)に示す液晶マイクロカプセル6を用いた場合を例
として、以下に詳細に説明する。
【0135】図10(a)〜(c)に、本発明の第1の
態様に係る液晶マイクロカプセル6の基板2上への配置
例を概略的に示す。なお、図中、基板2等は省略されて
いる。図10(a)〜(c)に示す液晶マイクロカプセ
ル6は、いずれも基板2上に配置され、液晶マイクロカ
プセル層8を形成している。これら液晶マイクロカプセ
ル6の配向方向及び位置は、基板2の表面に所定の形状
の窪みを設けることにより、高い精度で制御されてい
る。
【0136】図10(a)においては、円錐状の液晶マ
イクロカプセル6は、それらの頂点の向きが等しくなる
ように、及びそれらの重心が格子状に配置されるよう
に、規則正しく配列されている。図10(b)におい
て、円錐状の液晶マイクロカプセル6は、図10(a)
と同様に、それらの頂点の向きが等しくなるように配置
されている。しかしながら、図10(b)において、液
晶マイクロカプセル6の位置は、長軸方向に垂直な方向
に隣接する液晶マイクロカプセル6間で、長軸方向にお
よそ1/2周期ずれている。また、図10(c)に示す
配列は、図10(b)に示す配列を、長軸に垂直な方向
に隣接する液晶マイクロカプセル6間で、それらの頂点
の向きが逆向きとなるように変えた構造を有している。
【0137】図10(a)〜(c)に示すように液晶マ
イクロカプセル6を配列させて第1の液晶マイクロカプ
セル層8を形成した場合、液晶マイクロカプセル6間に
は、凹部が規則正しく形成される。この凹部を利用する
ことにより、第2の液晶マイクロカプセル層9を形成す
ることができる。
【0138】例えば、図10(a)に示すように配列さ
れた第1の液晶マイクロカプセル層8には、円錐状の液
晶マイクロカプセル6が嵌合する凹部が形成される。そ
のため、第1の液晶マイクロカプセル層8を構成するの
と同様の形状を有する液晶マイクロカプセル6を積層し
た場合、第1及び第2の液晶マイクロカプセル層8,9
間では、それぞれの液晶マイクロカプセル6の頂点の方
向が逆向きになるだけである。すなわち、それぞれの液
晶マイクロカプセル6をそれらの長軸が直交するように
配置させることはできない。
【0139】このような場合、図10(a)に示すよう
に配列された第1の液晶マイクロカプセル層8上には、
第1の液晶マイクロカプセル層8を構成する液晶マイク
ロカプセル6の長軸よりも長い長軸を有する液晶マイク
ロカプセル6を積層する。これにより、第1及び第2の
液晶マイクロカプセル層8,9間で、液晶マイクロカプ
セル6の長軸の方向が一致することなく液晶層7を形成
することができる。すなわち、第1及び第2の液晶マイ
クロカプセル層8,9間で、液晶材料10の配向方向を
垂直とすることができる。
【0140】一方、図10(b),(c)に示すように
配列された第1の液晶マイクロカプセル層8の表面に
は、円錐状の液晶マイクロカプセル6と嵌合する形状の
凹部は形成されない。したがって、第1の液晶マイクロ
カプセル層8を構成するのと同様の円錐状の液晶マイク
ロカプセル6を用いた場合においても、第1及び第2の
液晶マイクロカプセル層8,9間で、液晶マイクロカプ
セル6の長軸の方向が一致することなく液晶層7を形成
することができるのである。
【0141】以上、液晶マイクロカプセル8表面の凹凸
を利用して液晶マイクロカプセル層9を形成することに
ついて説明したが、この場合、第1の液晶マイクロカプ
セル層8表面の形状が、第2の液晶マイクロカプセル層
9中の液晶マイクロカプセル6の配列の秩序に大きな影
響を及ぼす。本発明者らは、第1の液晶マイクロカプセ
ル層8の表面が、下記不等式を満たす場合に、第2の液
晶マイクロカプセル層9を高い秩序度で形成することが
できることを見出した。
【0142】Hx 2/Lx 3<Hy 2/Ly 3 なお、上記不等式中、Hx、Lx、Hy、Lyは、以下のよ
うにして得られる値である。すなわち、液晶マイクロカ
プセル層8を、液晶マイクロカプセル6の長軸に平行な
方向から観察した場合に観測される溝の形状を正弦曲線
で近似することにより得られる周期をLxとし、高低差
をHxとした。また、液晶マイクロカプセル層8を、液
晶マイクロカプセル6の長軸に垂直かつ短軸に平行な方
向から観察した場合に観測される溝の形状を正弦曲線で
近似することにより得られる周期をLyとし、高低差を
yとした。
【0143】液晶マイクロカプセル層8の表面形状が上
記不等式を満たす場合、液晶マイクロカプセル層9を構
成する液晶マイクロカプセル6は、それらの長軸が、液
晶マイクロカプセル層8を構成する液晶マイクロカプセ
ル6の長軸に対して垂直となるように配置された場合に
最も安定化される。したがって、液晶マイクロカプセル
層8,9間で、より高い精度で液晶分子の配向方向を垂
直とすることが可能となる。
【0144】また、上記不等式を用いることにより、液
晶マイクロカプセル6の長径とそれに垂直な径の最大値
との比と、基板面に対して長軸がなす角度との関係を求
めることができる。円柱状の液晶マイクロカプセル6
を、図8に示す溝状の凹部が設けられた基板上に配列さ
せた場合を例として説明する。円柱状の液晶マイクロカ
プセル6の短軸の長さをa、短軸の長さaに対する長軸
の長さの比をrとし、円柱状の液晶マイクロカプセル6
の長軸が基板面に対してなす角度をθとすると、Hx
x、Hy、及びLyの、短軸の長さaに対する比は以下
の式で見積もることができる。
【0145】Hx/a=1−31/2/2 Lx/a=1 Hy/a=r×sinθ+1/2 −sin(45°+θ)/sin(45°−
θ/2) Ly/a=r×cosθ これらを上記不等式に代入することにより、最適なrと
θとを求めることができる。
【0146】また、液晶マイクロカプセル層8が図10
(a)に示すように構成され、液晶マイクロカプセル層
9を円柱状の液晶マイクロカプセル6で構成する場合を
例として説明する。なお、ここでは、図10(a)に示
す液晶マイクロカプセル6は、その長軸が基板面に平行
になるように、かつその半分が基板2中に埋め込まれる
ように配置されているものとする。
【0147】図10(a)に示す液晶マイクロカプセル
6の長軸に垂直な径の最大値をa1、その長軸方向の長
さをb1、液晶マイクロカプセル層9を構成する円柱状
の液晶マイクロカプセル6の長軸方向の長さをb2とす
る。r1=b1/a1、r=b2/a1とし、円錐状の液晶
マイクロカプセル6の頂点と側面部がなす角度の最大値
をθとすると、Hx、Lx、Hy、及びLyの、a1に対す
る比は以下の式で見積もることができる。
【0148】 Hx/a1=(1+r2)/2−[(1+r2)×(1+r2)-1]
1/2/2 Lx/a1=1 Hy/a1=1/2+r2×[1−arcsin(45°−θ/2)×si
n(45°+θ/2)]/2 Ly/a1=r1 ここで、θ=arctan(2×r1)である。これを上記不等式
に代入することにより、最適なr1とr2とを求めること
ができる。
【0149】以上説明した第1の態様においては、上述
したように、液晶マイクロカプセル層8,9を転写を用
いて基板2上に配置することができる。この転写は、例
えば、以下の方法を用いることにより高精度かつ容易に
行うことができる。
【0150】図11に、本発明の第1の態様に係る液晶
表示装置の製造方法の例を概略的に示す。なお、図11
は断面図である。
【0151】液晶マイクロカプセル層8或いは9を形成
するに当り、まず、容器17内に収容された所定の液体
18中に、液晶マイクロカプセル6を投入する。このと
き、液体18としては、液晶マイクロカプセル6を浮遊
させ得るものを用いる。液体18の表面に液晶マイクロ
カプセル6の単層膜を形成した後、図11に示すよう
に、多孔質膜19で液晶マイクロカプセル6の単層膜を
掬い取る。このようにして、規則正しく配列された液晶
マイクロカプセル6の単層膜を得ることができる。
【0152】また、他の方法としては、真空吸引を用い
た方法を挙げることができる。すなわち、まず、液晶マ
イクロカプセル6を所定の液体に分散させた液晶マイク
ロカプセル塗布液を、液晶マイクロカプセル6よりも小
さな孔が設けられたプレート上に塗布する。次に、この
プレートに設けられた孔から真空吸引することにより、
上記液体をプレート表面から除去するとともに、液晶マ
イクロカプセル6を孔の位置に固定する。これにより、
規則正しく配列された液晶マイクロカプセル6の単層膜
を得ることができる。
【0153】この場合、上記プレートに設けられる孔を
適切な位置に設けることにより、液晶マイクロカプセル
の配列を制御することができる。また、この場合、液晶
マイクロカプセルの配向方向の制御は、上記プレートの
表面に液晶マイクロカプセル6の形状に対応した凹部を
設け、この凹部の位置に真空吸引に用いられる孔を形成
することにより、より高い精度で行うことができる。
【0154】さらに、他の方法としては、乾燥した液晶
マイクロカプセル6を用いる方法を挙げることができ
る。すなわち、まず、液晶マイクロカプセル6に、凝集
を生じないように表面処理を施し、さらに乾燥する。次
に、凹部が規則的に形成された基板上に乾燥した液晶マ
イクロカプセル6を分散させる。このとき、振動等を適
用してもよい。これにより、規則正しく配列された液晶
マイクロカプセル6の単層膜を得ることができる。
【0155】以上説明した方法においては、球状の液晶
マイクロカプセル6を規則正しく配列させた後に、延伸
等により液晶マイクロカプセル6を変形させることがで
きる。また、予め非球状に形成された液晶マイクロカプ
セル6を用いる場合は、基板上に設ける凹部を、液晶マ
イクロカプセル6が嵌合する形状に形成することによ
り、それぞれの液晶マイクロカプセル6の長軸の方向が
同方向を向くように規則正しく配列させることができ
る。
【0156】さらに、予め非球状に形成された液晶マイ
クロカプセル6を規則正しく配列させる方法としては、
スキージ等で一方向に寄せる、超音波の音圧印加により
一方向に寄せる、或いは、重力作用により下方に寄せる
等の方法を挙げることができる。
【0157】また、基板2の表面に、複数の液晶マイク
ロカプセル6をその長軸方向が基板面に対して垂直とな
るように配置した後、これら液晶マイクロカプセル6を
スキージ等により一方向に倒してもよい。このような方
法によっても、液晶マイクロカプセル6をそれぞれ長軸
が同方向を向くように規則正しく配列させることができ
る。この場合、例えば、レーザー加工等により、液晶マ
イクロカプセル6の長軸方向の長さよりも短い孔径で、
複数の孔を基板2の表面に格子状に形成することによ
り、複数の液晶マイクロカプセル6をその長軸方向が基
板面に対して垂直となるように配置させることができ
る。
【0158】以上、第1の態様においては、粒子状に形
成した液晶マイクロカプセル6を用いて液晶表示装置1
-1を作製する場合について説明したが、繊維状に形成し
た液晶マイクロカプセル6を用いた場合においても、高
い表示コントラストで表示可能な液晶表示装置を得るこ
とができる。以下に、繊維状の液晶マイクロカプセルを
用いた第2の態様について説明する。
【0159】図12に、本発明の第2の態様に係る液晶
表示装置の斜視図を概略的に示す。図12において、液
晶表示装置1-2は、一方の主面に電極4が形成された基
板2と、基板2上に設けられた液晶層7と、液晶層7上
に設けられた電極(図示せず)とで構成されている。液
晶層7は、それぞれの長軸が平行となるように液晶マイ
クロカプセル6を並置してなる液晶マイクロカプセル層
8と、液晶マイクロカプセル層8上に積層され、それぞ
れの長軸が平行となるように液晶マイクロカプセル6を
並置してなる液晶マイクロカプセル層9とで構成されて
いる。なお、液晶マイクロカプセル層8,9間では、液
晶マイクロカプセル6の長軸の方向は異なっている。
【0160】図13に、上記液晶表示装置1-2において
用いられる液晶マイクロカプセル6の斜視図を概略的に
示す。図13において、繊維状の液晶マイクロカプセル
6は、透明被膜11、透明被膜11内に包含された液晶
分子12及び二色性色素分子31とで構成されている。
ここで、繊維状の液晶マイクロカプセルとは、長軸方向
のどの位置においてもほぼ一定の径を有し、且つ長軸方
向の長さが径の100倍以上である液晶マイクロカプセ
ルをいう。なお、繊維状の液晶マイクロカプセル6の長
軸方向に垂直な断面は、円形、楕円形、及び四角形のよ
うに、どのような形状であってもよい。
【0161】第1の態様において説明したように、液晶
マイクロカプセルを非球状とすることにより、液晶分子
12の配向方向を、液晶マイクロカプセルの長軸に平行
な方向により均一化させることができる。図13に示す
繊維状の液晶マイクロカプセル6は、短軸方向の長さに
対する長軸方向の長さの比が極端に大きいため、液晶分
子12の殆どが長軸方向に平行に配向する。したがっ
て、この繊維状の液晶マイクロカプセル6を用いること
により、電圧非印加時の光吸収性を高めることができ、
高い表示コントラストで表示可能な液晶表示装置を得る
ことができる。
【0162】さらに、図12に示す液晶表示装置1-2に
おいては、液晶層7は、液晶マイクロカプセル層8,9
が積層された構造を有している。また、これら液晶マイ
クロカプセル層8,9は、それぞれの液晶マイクロカプ
セル6の長軸の方向が異なるように配置されている。し
たがって、上記液晶表示装置1-2によると、より高い表
示コントラストで表示を行うことが可能である。
【0163】繊維状の液晶マイクロカプセル6の断面
は、楕円形或いは長方形等のように長軸及び短軸或いは
長辺及び短辺を有する形状であることが好ましい。断面
をそのような形状とし、液晶マイクロカプセル6を、断
面の長軸が基板面に対して平行となるように配置するこ
とにより、より高い表示コントラストで表示することが
可能となる。
【0164】上記繊維状の液晶マイクロカプセル6は、
その体積の75%以上が液晶材料で構成されることが好
ましい。また、液晶マイクロカプセル6は、断面の短軸
或いは短辺の長さが2〜30μm、断面の長軸或いは長
辺の長さが2μm以上となるように形成されることが好
ましい。液晶マイクロカプセル6をこのような構成とす
ることにより、液晶材料の体積に対して界面が減少され
るため、光散乱及び駆動電圧の低減を図ることができ
る。
【0165】上述した繊維状の液晶マイクロカプセル6
は、例えば、ポリマー繊維からなるチューブを作製し、
空洞部分に液晶材料を注入することにより形成すること
ができる。
【0166】また、上述した繊維状の液晶マイクロカプ
セル6は、例えば、液体或いは気体等の凝固浴中に向け
て、液晶化合物、二色性色素、ポリマー前駆体、及びラ
ジカル発生剤等の混合液をノズル或いは多孔質膜から連
続的に押出すことによっても形成することができる。こ
の方法によると、繊維状の液晶マイクロカプセル6を、
高い再現性で連続的に製造することが可能となる。ただ
し、この場合、液晶マイクロカプセル6を連続的な繊維
状の形状とするためには、透明被膜11は、上記混合物
がノズルから吐出された直後に形成される必要がある。
したがって、液体或いは気体等の凝固浴は、ポリマー前
駆体の重合反応を促進するよう、60℃以上の温度であ
ることが好ましい。
【0167】上記凝固浴に用いられる液体としては、水
等を挙げることができ、気体としては、窒素やアルゴン
等の不活性ガスを挙げることができる。
【0168】また、上記混合液の多孔質膜に対する表面
張力は、100dyn・cm-1以下であることが好まし
い。表面張力が上記範囲内にある場合、多孔質膜の孔か
ら押出された混合物は多孔質膜表面に付着することなく
凝固浴中に供給される。これを、図14(a)及び
(b)を参照しながら説明する。
【0169】図14(a)は、本発明の第2の態様に係
る液晶マイクロカプセルの製造方法の例を概略的に示す
断面図であり、図14(b)は、この製造に用いる多孔
質膜の平面図である。
【0170】繊維状の液晶マイクロカプセル6を形成す
るに当り、例えば、図14(a)に示すように、容器3
6に収容された上記混合液35を多孔質膜37に設けら
れた孔から、容器17に収容された温水18中へと押出
す。なお、この多孔質膜37には、図14(b)に示す
ように、等しいサイズの孔が規則的に設けられている。
温水18中へと押出された混合液35の液流は、その表
面に透明被膜を形成する。すなわち、液晶材料10が透
明被膜11に包含された繊維状の液晶マイクロカプセル
6が形成される。
【0171】しかしながら、多孔質膜37から押出され
た直後の混合液35には、透明被膜は形成されていない
ため、多孔質膜37の温水18と接する面に付着するお
それがある。このような場合、多孔質膜37の表面に透
明被膜が形成されるため、液晶マイクロカプセル6を所
望の形状に及び所望の組成で形成することができないこ
とがある。
【0172】それに対し、混合液35の多孔質膜37に
対する表面張力を上記範囲内とすることにより、多孔質
膜37の温水18と接する面への混合液35の付着が防
止される。したがって、液晶マイクロカプセル6を、所
望の形状に及び所望の組成で形成することができる。
【0173】また、上記凝固浴中に液流或いは気流を形
成してもよい。例えば、凝固浴中の多孔質膜近傍に、多
孔質膜の膜面に平行な液流或いは気流を形成する。これ
により、繊維状の液晶マイクロカプセル6の回収を容易
に行うことができる。また、多孔質膜から上記混合物を
押出す速度に対し、上記液流或いは気流の速度を十分に
高くすることにより、繊維状の液晶マイクロカプセル6
の長さを所望値に制御することができる。
【0174】上記液晶表示装置1-2において、液晶マイ
クロカプセル層8,9は、例えば、繊維状の液晶マイク
ロカプセル6を、縦糸を用いずに1本づつ基板上に配置
・固定することにより形成することができる。また、繊
維状の液晶マイクロカプセル6を十分に長く形成した場
合、以下に説明する装置を用いて形成することができ
る。
【0175】図15に、本発明の第2の態様に係る液晶
表示装置の製造に用いられる液晶マイクロカプセル配列
装置の斜視図を概略的に示す。図15において、液晶マ
イクロカプセル配列装置20-4は、基板2を支持する基
板支持台21と、基板2上に液晶マイクロカプセル6を
配置するホッパ25とで構成されている。ホッパ25
は、液晶マイクロカプセル6を吐出するノズル26と、
液晶マイクロカプセル6を収容し、ノズル26に液晶マ
イクロカプセルを供給する容器28とで構成されてい
る。また、基板支持台21には、ソレノイド型振動子2
2が設置されている。なお、基板支持台21とホッパ2
5とは、相対的に平行移動可能である。
【0176】この液晶マイクロカプセル配列装置20-4
を用いて繊維状の液晶マイクロカプセル6を基板2上に
配列させるに当り、まず、基板支持台21上に基板2を
載置する。次に、容器28内に圧力を印加して、容器2
8内に収容された液晶マイクロカプセル6をノズル26
から基板2上に吐出する。このとき、同時に、ホッパ2
5を基板支持台21に対して相対的に平行移動させる。
以上のようにして、液晶マイクロカプセル6を基板2上
に配置する。このようにして繊維状の液晶マイクロカプ
セル6を基板2上に配置した後、ソレノイド型振動子2
2を駆動してもよい。これにより、液晶マイクロカプセ
ル6をより高精度に配列させることが可能となる。
【0177】上記ノズル26の先端の開口部の幅は、繊
維状の液晶マイクロカプセル6の直径の1.2〜1.5
倍であることが好ましく、ノズル26の先端の長さは、
繊維状の液晶マイクロカプセル6の直径の2〜3倍であ
ることが好ましい。ノズル26の開口部の幅及び先端の
長さ上記範囲内とすることにより、ノズル26からの液
晶マイクロカプセル6の吐出量を容易に制御することが
できる。
【0178】また、ソレノイド型振動子22による基板
支持台21の振動は、液晶マイクロカプセル6の長軸方
向に行われることが好ましく、その振動数は、10〜1
00Hzの範囲内であることが好ましい。振動数が10
Hz未満の場合、ノズル26からの液晶マイクロカプセ
ル6を十分に整列させることができず、振動数が100
Hzを超える場合、液晶マイクロカプセル6が破壊され
るおそれがある。
【0179】また、基板2を水平に対して傾斜させるこ
とにより、液晶マイクロカプセル6を緻密に整列させる
ことができる。基板2が水平に対してなす角度は、1〜
10°であることが好ましい。角度が1°未満の場合、
基板2を傾斜させる効果を得ることができず、角度が1
0°を超える場合、液晶マイクロカプセル6の配列が破
壊されるおそれがある。
【0180】また、繊維状の液晶マイクロカプセル6の
吐出圧は0.5〜3kg/cm2であることが好まし
い。吐出圧が0.5kg/cm2未満の場合、液晶マイ
クロカプセル6を吐出させることができず、吐出圧が3
kg/cm2を超えると液晶マイクロカプセル6が破壊
されるおそれがある。
【0181】以上説明した本発明の第1及び第2の態様
において、図6,7及び15に示した液晶マイクロカプ
セル配列装置のノズル26の形状は、用いる液晶マイク
ロカプセルの形状に応じて適宜選択される。
【0182】図16(a)〜(e)に、本発明の第1及
び第2の態様に係る液晶マイクロカプセル配列装置に用
いられるノズルの断面図を概略的に示す。図16(a)
〜(e)に示すノズル26の材料としては、通常、テフ
ロン等の樹脂や、表面を研磨したステンレス鋼やアルミ
ニウム等が用いられる。
【0183】上記第1及び第2の態様においては、2つ
の液晶マイクロカプセル層8,9は、第1の配向方向と
第2の配向方向とが垂直となるように積層された。しか
しながら、液晶マイクロカプセル層8,9を、第1の配
向方向と第2の配向方向とが平行となるように積層する
ことも可能である。以下に、第1の配向方向と第2の配
向方向とが平行である第3の態様について説明する。
【0184】図17に、本発明の第3の実施形態に係る
液晶表示装置の断面図を概略的に示す。図17におい
て、液晶表示装置1-3は、一方の主面に電極4が形成さ
れた基板2と、基板2の電極4が形成された面に対向し
て配置され、その対向面に電極5が形成された基板3
と、基板2,3間に挟持された液晶層7とで構成されて
いる。液晶層7は、液晶マイクロカプセル層8、1/2
波長板14、及び液晶マイクロカプセル層9を順次積層
した構造を有している。なお、液晶マイクロカプセル層
8,9のそれぞれにおいて、液晶マイクロカプセル6は
それぞれの長軸が平行となるように並置されている。ま
た、液晶マイクロカプセル層8,9間では、液晶マイク
ロカプセル6の長軸の方向は等しい。
【0185】1/2波長板14は、その面内の互いに垂
直な第3の方向と第4の方向とに関してそれぞれ異なる
2つの主屈折率nA,nBを有している。光の速度は、そ
れが透過する媒体の屈折率に応じて異なる。したがっ
て、それぞれ異なる2つの主屈折率nA,nBを有する1
/2波長板14に直線偏光光線を入射させると、その第
3の方向に平行な光成分と第4の方向に平行な光成分と
の間には速度の差が生ずる。その結果、上記1/2波長
板14に入射した直線偏光光線は、円偏光光線、楕円偏
光光線、或いは直線偏光光線として出射する。
【0186】出射光がどのような偏光状態となるかは、
入射光の波長λ、上記主屈折率nA,nB、及び1/2波
長板14の厚さdに依存する。例えば、1/2波長板1
4として、波長λの直線偏光光線を入射させた場合に、
出射光の第3の方向の偏光成分と第4の偏光成分との間
に位相差(2n−1)πが形成されるような主屈折率n
A,nB及び厚さdを有するものを用いる。この場合、1
/2波長板14に入射した直線偏光光線を、偏光方向を
回転された直線偏光光線として出射させることができ
る。なお、nは正の整数を示す。
【0187】波長λの入射光線に対し、1/2波長板1
4の主屈折率nA,nB及び厚さdが上述した関係を満た
す場合、入射光線の偏光方向と、出射光線の偏光方向と
がなす角度は、第3或いは第4の方向と入射光線の偏光
方向とがなす角度に依存する。出射光線の偏光方向を入
射光線の偏光方向に対して垂直とするためには、第3或
いは第4の方向と入射光線の偏光方向とがなす角度を4
5°とすればよい。
【0188】ここで、第2の液晶マイクロカプセル層9
が第2の方向に平行な偏光方向の光成分を全て吸収する
と仮定すると、1/2波長板14には上記光成分とは偏
光方向が垂直な光成分のみが入射する。したがって、第
1或いは第2の方向と第3或いは第4の方向とがなす角
度を45°とすることにより、第2の液晶マイクロカプ
セル層9を透過する光成分の偏光方向を90°回転させ
て第1の液晶マイクロカプセル8に入射させることがで
きる。すなわち、第1の液晶マイクロカプセル層8と第
2の液晶マイクロカプセル層9とに、偏光方向の異なる
光成分をそれぞれ高い効率で吸収させることが可能とな
る。
【0189】このように、第3の態様においては、液晶
マイクロカプセル6の長軸の方向は、第1の液晶マイク
ロカプセル層8と第2の液晶マイクロカプセル層9とで
等しい。したがって、第3の態様によると、第1及び第
2の液晶マイクロカプセル層8,9を容易に形成するこ
とができる。
【0190】例えば、まず、球状の液晶マイクロカプセ
ルを水等に分散させた液晶マイクロカプセル塗布液を用
いて、基板2上に塗布膜を形成する。この塗布膜を乾燥
した後、乾燥した塗布膜上に1/2波長板14を配置す
る。さらに、1/2波長板14上に、上記液晶マイクロ
カプセル塗布液を用いて塗布膜を形成する。この塗布膜
を乾燥し、さらに乾燥した塗布膜上に平板を配置する。
この平板を基板2に対して押圧しつつ、この平板を基板
2に対して僅かに平行移動させる。これにより、1/2
波長板14の上下の液晶マイクロカプセルは、いずれも
平板の移動方向に引き伸ばされ、第1及び第2の液晶マ
イクロカプセル層8,9が形成される。
【0191】上述したように、1/2波長板14による
偏光状態の変化は、入射光の波長λ、上記主屈折率
A,nB、及び1/2波長板14の厚さdに依存する。
すなわち、偏光方向を回転される光成分の波長、すなわ
ち規定波長に応じて、用いる1/2波長板14を適宜選
択する必要がある。この規定波長は、液晶マイクロカプ
セル6に包含される二色性色素の吸収波長域に含まれて
いれば十分である。しかしながら、規定波長は、二色性
色素の最大吸収波長と等しいことが好ましい。この場
合、特に優れた表示コントラストを実現することができ
る。
【0192】上述した第1〜第3の態様において、液晶
層7は、2つの液晶マイクロカプセル層8,9を積層し
た構造を有しているが、3つ以上の液晶マイクロカプセ
ル層を積層した構造を有していてもよい。液晶マイクロ
カプセル層の積層数が2層以上であれば、上述した効果
を得ることができる。
【0193】また、第1〜第3の態様において、液晶表
示装置1-1〜1-3は、3層の液晶層を順次積層した構造
を有することが好ましい。3層の液晶層のそれぞれの吸
収波長が異なり、3層の液晶層のそれぞれの間に中間電
極を設けた場合、フルカラー表示を行うことが可能とな
る。
【0194】なお、以上説明した本発明の第1〜第3の
態様において、特に記載が無い限り、同一符号が付され
た部材には同じ材料を用いることができる。
【0195】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0196】(例1)以下に示す方法により、図1に示
す液晶表示装置1-1を作製した。
【0197】液晶材料としては、正の誘電異方性を有す
るチッソ社製Lixon−4033xxに対し、三井東
圧社製の黒色二色性色素S−435を1重量%添加した
ものを用いた。この液晶材料80重量部、モノマーであ
るメチルメタクリレート14重量部、架橋剤であるジビ
ニルベンゼン1重量部及びベンゾイルパーオキサイド
0.2重量部を混合・溶解した。このようにして調製し
た混合液を、親水性多孔質ガラス管の平均孔径1μmの
孔から、0.3重量%のポリビニルアルコール水溶液中
に、周期10Hz、最大圧力1.5気圧、最小圧力1.
2気圧の条件下で押出すことにより、エマルジョンを得
た。
【0198】このエマルジョンを85℃の温度、50r
pmの攪拌速度で1時間攪拌して、上記モノマー成分を
重合させた。1時間経過後、生成物を純水と共にイオン
交換樹脂製の多孔質チューブ中に流し込むことにより精
製し、液晶マイクロカプセル6を得た。なお、この液晶
マイクロカプセル6を顕微鏡で観察したところ、平均粒
径が6μmであり、球状の形状を有していた。
【0199】次に、厚さ0.7mmの2枚のガラス基板
2,3上に、蒸着法により厚さ1000オングストロー
ムのITO膜4,5をそれぞれ成膜した。その後、これ
らITO膜4,5を所定の形状にパターニングした。こ
のITO膜4が形成された基板2上に、上記液晶マイク
ロカプセル6を所定の液体中に分散させてなる液晶マイ
クロカプセル塗布液を塗布した。このようにして形成し
た塗布膜を乾燥させた後、さらに、この塗布膜に延伸処
理を施すことにより液晶マイクロカプセル層8を得た。
【0200】次に、平均孔径0.2μmの孔が設けられ
た多孔質ガラス基板上に、上記液晶マイクロカプセル塗
布液を塗布して塗布膜を形成した。この塗布膜を、多孔
質ガラス基板に設けられた孔から真空吸引することによ
り乾燥させた。さらに、乾燥させた塗布膜に延伸処理を
施すことにより、液晶マイクロカプセル層9を得た。こ
の液晶マイクロカプセル層9を、多孔質ガラス基板から
上記液晶マイクロカプセル8上に転写することにより、
液晶層7を形成した。なお、液晶マイクロカプセル層
8,9は、それぞれの延伸方向が垂直となるように積層
した。また、延伸処理の結果、液晶マイクロカプセル層
8,9の双方において、液晶マイクロカプセル6は延伸
方向に引き伸ばされ、その長軸が、長軸に垂直な径の最
大値に対して約2.5倍の長さを有するように変形され
た。
【0201】さらに、真空下で、透明電極5を有するガ
ラス基板3を液晶層7上に圧着し、周縁部をシール剤を
用いてシールすることにより、液晶表示装置1-1を得
た。
【0202】以上のようにして作製した液晶表示装置1
-1の電極4,5間に50Hz、9Vの交流電圧を印加し
たところ、表示状態は非印加時の黒色から透明へと変化
した。また、反射濃度計から求めたコントラスト比は
5:1であった。
【0203】(例2)以下に示す方法により、図1に示
す液晶表示装置1-1を作製した。なお、本例において
は、基板2上に図8に示す突起部30が設けられる。
【0204】例1に示した方法により形成した球状の液
晶マイクロカプセル6を、ポリビニルアルコールからな
るベースフィルム上に塗布して塗布膜を形成した。この
塗布膜に100℃にて延伸処理を施すことにより、ベー
スフィルム上に液晶マイクロカプセル層8を形成した。
また、液晶マイクロカプセル層8と同様にして、他のベ
ースフィルム上に液晶マイクロカプセル層9を形成し
た。
【0205】次に、厚さ0.7mmのガラス基板2上に
アクリル樹脂からなる下地膜を2μmの厚さで形成し
た。さらに、この下地膜に型押し加工を施すことによ
り、図8に示す突起部30を形成した。なお、突起部3
0は、三角柱を横倒しした形状を有している。また、こ
の三角柱の底面を構成する直角三角形の斜辺の長さは5
μmであり、他の辺の1つの長さは2μmである。この
ようにして形成した突起部30上に、アルミニウム膜を
1000オングストロームの厚さで成膜し、これをパタ
ーニングすることにより、反射電極4を形成した。
【0206】次に、反射電極4上に、液晶マイクロカプ
セル層8とベースフィルムとの複合膜を、液晶マイクロ
カプセル層8が反射電極4と接するように、及び液晶マ
イクロカプセル層8の延伸方向が突起部30が形成する
溝の長手方向と垂直となるように配置した。さらに、液
晶マイクロカプセル6の透明被膜11のガラス転移点以
下の温度で基板2を加熱しながら、突起部30の型押し
と同様にして、ベースフィルム及び液晶マイクロカプセ
ル層8を型押しした。型押し後、ベースフィルムを水洗
することにより除去した。このようにして、反射電極4
上に、液晶マイクロカプセル層8を配置した。
【0207】次に、液晶マイクロカプセル層8上に液晶
マイクロカプセル層9とベースフィルムとの複合膜を、
液晶マイクロカプセル層9が液晶マイクロカプセル層8
と接するように、及びそれらの延伸方向が垂直となるよ
うに配置した。液晶マイクロカプセル6の透明被膜11
のガラス転移点以下の温度で基板2を加熱しながら、ベ
ースフィルム及び液晶マイクロカプセル層8を平板を用
いて押圧した。押圧後、ベースフィルムを水洗すること
により除去した。以上のようにして、基板2上に液晶マ
イクロカプセル層8,9を積層し、液晶層7を形成し
た。
【0208】次に、液晶層7上に、透明電極5を有する
ガラス基板3を配置した。このようにして得られた積層
体をポリアミド製の袋に入れ、その内部を減圧しつつ1
20℃の温度に加熱することにより、ポリアミド製の袋
と各部材とを密着させた。以上のようにして、図1に示
す液晶表示装置1-1を作製した。
【0209】以上のようにして作製した液晶表示装置1
-1を、顕微鏡で観察したところ、液晶マイクロカプセル
6は延伸方向に引き伸ばされていたが、透明被膜の破壊
は確認されなかった。また、液晶マイクロカプセル層
8,9の双方において、液晶マイクロカプセル6の長軸
は、この長軸に垂直な径の最大値に対して約2.8倍の
長さを有していた。また、液晶層の厚さは10μmであ
り、液晶層7が液晶マイクロカプセル層8,9で構成さ
れていることが観察された。また、液晶分子の配向方向
は基板面に対してほぼ平行であり、液晶マイクロカプセ
ル層8,9間では液晶分子の配向方向は垂直であること
が確認された。
【0210】また、この液晶表示装置1-1の電極4,5
間に50Hz、9Vの交流電圧を印加したところ、表示
状態は非印加時の黒色から白色へと変化した。反射濃度
計により求めたコントラスト比は7:1であった。
【0211】(例3)以下に示す方法により、図1に示
す液晶表示装置1-1を作製した。なお、本例において
は、液晶マイクロカプセル6は図9(a)に示す形状に
形成される。また、液晶マイクロカプセル層8におい
て、液晶マイクロカプセル6は図10(b)に示す配列
で配置される。
【0212】まず、例1と同様にして作製した球状の液
晶マイクロカプセル6を所定の液体中に分散させてサス
ペンションを調製した。次に、このサスペンションを、
95℃に加熱され、1000rpmの回転数で回転する
直径1mの円盤上に滴下した。これにより、液晶マイク
ロカプセル6を乾燥するとともに変形させた。以上のよ
うにして変形させた液晶マイクロカプセル6を、円盤の
周囲に設けた容器内に回収し、これを顕微鏡にて観察し
た。その結果、液晶マイクロカプセル6は、図9(a)
に示す形状を呈しており、長軸方向の平均径が6.5μ
m、長軸に垂直な方向の最大径の平均が5μmであるこ
とが分かった。
【0213】次に、厚さ0.7mmのガラス基板2上に
アクリル樹脂からなる下地膜を2μmの厚さで形成し
た。この下地膜に型押し加工を施すことにより、窪み状
の凹部を形成した。なお、窪み状の凹部は、液晶マイク
ロカプセル6を図10(b)に示す配列で配置すること
を可能とするものである。さらに、型押しした下地膜上
に、アルミニウム膜を1000オングストロームの厚さ
で成膜し、これをパターニングすることにより、反射電
極4を形成した。
【0214】次に、上記液晶マイクロカプセル6を所定
の液体に分散させた液晶マイクロカプセル塗布液を反射
電極4上に塗布して塗布膜を形成した。さらに、基板2
に超音波を印加しながら、この塗布膜を加熱することに
より乾燥させ、液晶マイクロカプセル層8を形成した。
このようにして形成した液晶マイクロカプセル層8上
に、液晶マイクロカプセル層8と同様にして液晶マイク
ロカプセル層9を積層することにより、液晶層7を形成
した。
【0215】次に、液晶層7上に、透明電極5を有する
ガラス基板3を配置した。このようにして得られた積層
体をポリアミド製の袋に入れ、その内部を減圧しつつ1
20℃の温度に加熱することにより、ポリアミド製の袋
と各部材とを密着させた。以上のようにして、図1に示
す液晶表示装置1-1を作製した。
【0216】以上のようにして作製した液晶表示装置1
-1を、顕微鏡で観察したところ、液晶マイクロカプセル
6の透明被膜の破壊は確認されなかった。また、液晶層
の厚さは10μmであり、液晶層7が液晶マイクロカプ
セル層8,9で構成されていることが観察された。ま
た、液晶マイクロカプセル層8,9の双方において、液
晶マイクロカプセル6の長軸は、この長軸に垂直な径の
最大値に対して約2.2倍の長さを有していた。また、
液晶分子の配向方向は基板面に対してほぼ平行であり、
液晶マイクロカプセル層8,9間では液晶分子の配向方
向は垂直であることが確認された。
【0217】この液晶表示装置1-1の電極4,5間に5
0Hz、9Vの交流電圧を印加したところ、表示状態は
非印加時の黒色から白色へと変化した。また、反射濃度
計により求めたコントラスト比は6:1であった。
【0218】(比較例1)液晶マイクロカプセルを非球
状とすることなく液晶表示装置を作製した。すなわち、
例1に示したのと同様の方法により作製した球状の液晶
マイクロカプセル6を所定の液体中に分散させて液晶マ
イクロカプセル塗布液を調製した。この液晶マイクロカ
プセル塗布液を反射電極4上に塗布・乾燥して液晶層7
を形成したこと以外は、例2に示したのと同様の方法に
より液晶表示装置を作製した。
【0219】以上のようにして作製した液晶表示装置を
顕微鏡で観察したところ、液晶層の厚さは10μmであ
ることが確認された。また、液晶層は2層の液晶マイク
ロカプセル層を積層した構造を有していたが、それぞれ
の層では、液晶マイクロカプセルの中心位置がずれてい
ることが分かった。すなわち、液晶マイクロカプセル6
の基板面に平行な面内での位置は、2層の液晶マイクロ
カプセル層の一方と他方とで異なっていた。
【0220】また、これら液晶マイクロカプセル層の双
方において、液晶マイクロカプセルの長軸の長さは、こ
の長軸に垂直な径の最大値に対して約2倍であった。ま
た、各液晶マイクロカプセル層において、液晶分子の配
向方向は基板面に対してほぼ平行であったが、基板面に
平行な面内ではランダムであることが確認された。
【0221】この液晶表示装置1-1の電極間に50H
z、9Vの交流電圧を印加したところ、表示状態は非印
加時の黒色から白色へと変化した。また、反射濃度計に
より求めたコントラスト比は5:1であった。
【0222】(例4)以下に示す方法により、図18に
示す液晶表示装置を作製した。なお、図18は、本発明
の例4に係る液晶表示装置を概略的に示す断面図であ
る。
【0223】まず、正の誘電異方性を有するフッ素系液
晶混合物であるチッソ社製Lixon−5035xx
に、上記化学式(11)に示すイエロー色のアントラキ
ノン系二色性色素を1重量%添加して液晶材料を調製し
た。この液晶材料80重量部、イソプレンゴム15重量
部、架橋剤である過酸化ベンゾイル0.2重量部を30
0重量部のトルエン中に混合・溶解した。この混合液
を、80℃に加熱され、1000rpmの回転数で回転
する直径1mの円盤上に滴下し、円盤の周囲に設けた容
器内に回収した。上記混合液の液滴は、円盤と接触する
ことにより、その表面に透明被膜11を形成した。すな
わち、イエロー色の液晶マイクロカプセル6-1が形成さ
れた。以上のようにして形成した液晶マイクロカプセル
6-1を顕微鏡で観察した。その結果、上記液晶マイクロ
カプセル6-1は、図9(e)に示す形状を呈しており、
長軸方向の平均径が6.5μm、長軸に垂直な方向の最
大径の平均が5μmであることが分かった。
【0224】次に、二色性色素として、上記化学式(2
9)に示すシアン色のアントラキノン系二色性色素を用
いたこと以外は同様にして、シアン色の液晶マイクロカ
プセル6-2を得た。また、二色性色素として、上記化学
式(20)に示すマゼンタ色のアントラキノン系二色性
色素を用いたこと以外は同様にして、マゼンタ色の液晶
マイクロカプセル6-3を得た。
【0225】次に、ガラス基板2上に、一画素について
3系統のTFT及びゲート・信号配線40を設け、さら
にポリイミドからなる厚さ2μmの下地膜30を形成し
た。この下地膜30に型押し加工を施すことにより、下
地膜30表面に井戸状の凹部を形成した。なお、井戸状
の凹部は、液晶マイクロカプセル6-1を図10(a)に
示す配列で配置することを可能と形状を有している。こ
のようにして型押しした下地膜30上に、アルミニウム
膜を1000オングストロームの厚さで成膜し、これを
パターニングすることにより、反射電極4を形成した。
【0226】以上のようにして形成した反射電極4と、
3系統のTFTの内の1つのソース電極とを接続し、他
の2系統のTFTのソース電極上には、疎水性導電ペー
ストを用いて、それぞれ高さ10μmの電極柱41-1及
び高さ22μmの電極柱41-2を形成した。
【0227】次に、ポリビニルアルコール(分子量60
00)水溶液中に上記イエローの液晶マイクロカプセル
6-1を分散させた液晶マイクロカプセル塗布液を、上記
反射電極4上にスリットコートにより塗布した。基板2
を加熱しながら超音波を印加することにより、塗布膜を
乾燥しつつ液晶マイクロカプセル6-1を整列させて、液
晶マイクロカプセル層8-1を形成した。この液晶マイク
ロカプセル層8-1上に、液晶マイクロカプセル層8-1に
関して説明したのと同様の方法により、液晶マイクロカ
プセル層8-2を積層し、液晶層7-1を形成した。
【0228】この液晶層7-1上に、ヒドロキシメチルセ
ルロース水溶液をスリットコートし、液晶マイクロカプ
セル6-1の透明被膜11のガラス転移温度以下の温度で
ある120℃にて乾燥して保護膜42-1を形成した。な
お、上記ヒドロキシメチルセルロース水溶液は、透明被
膜11に対しては親和性を示し(接触角が5°未満)、
電極柱41-1,41-2に対しては親和性を示さない(接
触角が50°を超える)。保護膜42-1を乾燥した後、
さらに空気雰囲気中でアニールすることにより、保護膜
42-1の表面を疎水化した。
【0229】さらに、保護膜42-1上に、ITOフィラ
ー塗布液(ポリエステル粒子のトルエン溶液)を所定の
形状に選択的に塗布し、これを、下地膜30の形成と同
様にして型押しし、常温・窒素雰囲気下で乾燥させた。
なお、このITOフィラー塗布液は疎水性であり、保護
膜42-1及び電極柱41-1,41-2に対して親和性を示
すものである。ITOフィラーを乾燥した後、中心波長
が147nmの紫外光を照射することにより、硬化と導
電性の付与とを行い、中間電極43-1を形成した。以上
のようにして形成した中間電極43-1の表面には、下地
膜30に形成したのと同様の溝状の凹部が形成されてい
る。また、中間電極43-1は、電極柱41-1に電気的に
接続されており、電極柱41-2とは電気的に絶縁されて
いる。
【0230】次に、イエロー色の液晶層7-1の形成法と
同様にして、シアン色の液晶マイクロカプセル6-2を用
いて、中間電極43-1上に液晶マイクロカプセル層8-
2、9-2を順次積層し、シアン色の液晶層7-2を形成し
た。この液晶マイクロカプセル層7-2上にも、上述した
方法により保護膜42-2及び中間電極43-2を形成し
た。なお、中間電極43-2は電極柱41-2に電気的に接
続されている。また、中間電極43-2の表面には、下地
膜30に形成したのと同様の溝状の凹部が形成されてい
る。
【0231】次に、イエロー色の液晶層7-1の形成法と
同様にして、マゼンタ色の液晶マイクロカプセル6-3を
用いて、中間電極43-2上に液晶マイクロカプセル層8
-3、9-3を順次積層し、マゼンタ色の液晶層7-3を形成
した。この液晶層7-3上にも、ヒドロキシメチルセルロ
ース水溶液を塗布・乾燥することにより、保護膜42-3
を形成した。
【0232】さらに、この保護膜42-3上に、透明電極
5が形成されたガラス基板3を加熱・圧着することによ
り、液晶表示装置1-4を作製した。
【0233】以上のようにして作製した液晶表示装置1
-4を、顕微鏡で観察したところ、液晶マイクロカプセル
6-1〜6-3の透明被膜の破壊は確認されなかった。ま
た、液晶マイクロカプセル層8-n及び9-nのいずれにお
いても液晶マイクロカプセル6-1〜6-3の長軸は、この
長軸に垂直な径の最大値に対して約2.1倍の長さを有
していた。また、液晶層7-1〜7-3の全てにおいて、液
晶分子の配向方向は基板面に対してほぼ平行であり、液
晶マイクロカプセル層8-n,9-n間では液晶分子の配向
方向は垂直であることが確認された。さらに、この液晶
表示装置1-4は、中間基板を有していないため、通常、
積層構造とした場合に生ずる視差や液晶分子の配向不良
も見られなかった。
【0234】また、この液晶表示装置1-4にTABによ
りドライバICを実装し、それぞれの電極間に最大信号
振幅5Vの交流電圧を独立に印加したところ、表示状態
は非印加時の黒色から白色へと変化し、反射濃度計によ
り求めたコントラスト比は5:1であった。また、色調
の良好なカラー表示が可能であった。
【0235】(比較例2)円盤の回転数を50rpmと
したこと以外は例4に示したのと同様の方法により、イ
エロー、シアン、マゼンタ色の液晶マイクロカプセルを
それぞれ作製した。このようにして得られた液晶マイク
ロカプセルを顕微鏡で観察したところ、球状の形状を有
しており、平均粒径が6μmであることが分かった。
【0236】以上のようにして作製した球状の液晶マイ
クロカプセルを用いたこと以外は例4に示したのと同様
の方法により、イエロー、シアン、マゼンタ色の液晶層
が順次積層された液晶表示装置を作製した。
【0237】この液晶表示装置を顕微鏡で観察したとこ
ろ、液晶マイクロカプセルの透明被膜の破壊は確認され
なかった。また、各液晶層は2層の液晶マイクロカプセ
ル層で構成され、それぞれの層において、液晶マイクロ
カプセルの長軸の長さは、この長軸に垂直な径の最大値
に対して約1.2倍であった。また、それぞれの液晶マ
イクロカプセル層において、液晶分子の配向方向は基板
面に対してほぼ平行であったが、基板面に平行な面内で
はランダムであることが確認された。
【0238】この液晶表示装置にTABによりドライバ
ICを実装し、それぞれの電極間に最大信号振幅5Vの
交流電圧を独立に印加したところ、表示状態は非印加時
の黒色から白色へと変化し、反射濃度計により求めたコ
ントラスト比は3:1であった。また、電圧非印加時の
黒色が薄く、光吸収が不十分であった。
【0239】(例5)図19に示す液晶表示装置を以下
に示す方法により作製した。なお、図19は、本発明の
例5に係る液晶表示装置を示す断面図である。
【0240】図19に示す液晶表示装置1-5を作製する
に当り、まず、厚さ1.1mmのガラス基板2上に、酸
化チタン膜(図示せず)を1000オングストロームの
厚さで蒸着し、さらにその上にITO膜4を1000オ
ングストロームの厚さで蒸着した。次に、ITO膜4上
に、レジスト膜を2μmの厚さで形成し、所定の形状に
パターニングした。このようにして得られたレジストパ
ターンをマスクとして用いて、ITO膜4をストライプ
状にパターニングした。
【0241】次に、厚さ1.1mmのガラス基板3上
に、ITO膜5を200オングストロームの厚さで蒸着
し、上述したのと同様の方法により、ITO膜5をスト
ライプ状にパターニングした。
【0242】次に、通常の方法により、平均粒径が10
μmの球状の液晶マイクロカプセル6を作製した。な
お、この液晶マイクロカプセル6は、ネマチック液晶で
あるメルクジャパン社製ZLI5065に対し、日本感
光色素社製の二色性色素G232を1重量%添加した液
晶材料を、ポリメチルメタクリレート(PMMA)で包
含したものである。
【0243】次に、液晶マイクロカプセル6を所定の液
体中に分散させた液晶マイクロカプセル塗布液を、多孔
質ガラス板上に均一な厚さで塗布した。液晶マイクロカ
プセル6を、多孔質ガラス板表面に沈降させた後、多孔
質ガラス板の下面から真空吸引した。これにより、液晶
マイクロカプセル6の分散に用いた液体は、多孔質ガラ
ス板に設けられた孔を通って除去され、多孔質ガラス板
表面に液晶マイクロカプセル層が形成された。
【0244】この液晶マイクロカプセル層を、多孔質ガ
ラス板から、上記ガラス基板2のITO膜4が形成され
た面に転写して、ガラス基板2上に液晶層7を形成し
た。さらに、液晶層7上に、ガラス基板3を、そのIT
O膜5が形成された面が液晶層7と接するように配置
し、真空中で加熱しながらガラス基板2に圧着すること
により、液晶表示装置1-5を得た。
【0245】以上のようにして得られた液晶表示装置1
-5の電極4,5間に50Hz、12Vの交流電圧を印加
したところ、透過コントラスト比は2:1であった。
【0246】なお、本例においては、多孔質基板として
多孔質ガラス板が用いられたが、ろ紙、メンブレンフィ
ルタ、穴開きフィルム等を用いた場合にも、上記液晶マ
イクロカプセル層を形成することができた。また、この
液晶マイクロカプセル層の厚さは、多孔質基板上に分散
させる液晶マイクロカプセル6の量を調節することによ
り制御することができた。
【0247】また、多孔質基板の表面に、液晶マイクロ
カプセル6の粒径とほぼ等しい溝を形成し、この多孔質
基板を用いて液晶マイクロカプセル層を形成することに
より、液晶マイクロカプセル6を一方向に配列させるこ
とができた。さらに、液晶マイクロカプセル6の形状を
非球状、例えば回転楕円体状とし、上記溝の幅を液晶マ
イクロカプセル6の長軸方向の長さよりも細くすること
により、全ての液晶マイクロカプセル6を、それらの長
軸方向が一致するように配列させることができた。
【0248】また、上述した方法を用いることにより、
図1に示すのと同様の構造を有する液晶表示装置を製造
することができ、コントラスト比を向上させることがで
きた。
【0249】(例6)以下に示す方法により、図19に
示す液晶表示装置1-5を作製した。
【0250】まず、例5に示したのと同様の方法によ
り、平均粒径が10μmの球状の液晶マイクロカプセル
6を作製した。この液晶マイクロカプセル6を、図11
に示すように、所定の容器17に収容された水18に投
入し、水18の表面に浮遊させた。次に、水18の表面
に浮遊する液晶マイクロカプセル6が最密配列するよう
に、及び液晶マイクロカプセル6が水18の表面で単層
膜を形成するように、液晶マイクロカプセル6を寄せ集
めた。
【0251】以上のようにして水18の表面に形成され
た単層膜上にシート19を配置し、シート19を水面か
ら引き上げることにより、液晶マイクロカプセル6から
なる単層膜、すなわち、単層の液晶マイクロカプセル層
を、その配列を維持したままシート19表面に写し取っ
た。なお、図11に示すように、液晶マイクロカプセル
6からなる単層膜の下方にシート19を配置し、上記単
層膜をシート19表面に写し取ることも可能であること
が確認されている。
【0252】上記シート19上に写し取られた液晶マイ
クロカプセル層を基板2上に転写したこと以外は例5と
同様にして、液晶表示装置1-5を作製した。以上のよう
にして得られた液晶表示装置1-5の電極4,5間に、5
0Hz、12Vの交流電圧を印加したところ、透過コン
トラスト比は2:1であった。
【0253】(例7)以下に示す方法により、図19に
示す液晶表示装置1-5を作製した。
【0254】まず、通常の方法により、平均粒径が20
μmの球状の液晶マイクロカプセル6を作製した。な
お、この液晶マイクロカプセル6は、ネマチック液晶で
あるメルクジャパン社製ZLI5065に対し、日本感
光色素社製の二色性色素G232を1重量%添加した液
晶材料を、ポリメチルメタクリレート(PMMA)で包
含したものである。この液晶マイクロカプセル6を乾燥
した後、凝集を防止する表面処理を施し、さらにカプセ
ル表面を乾燥させた。
【0255】次に、液晶マイクロカプセル6の粒径より
も小さな径の孔が設けられた多孔質フィルム上に、上記
液晶マイクロカプセル6を分散させ、多孔質フィルムの
下面から液晶マイクロカプセル6を真空吸引した。これ
により、液晶マイクロカプセル6は多孔質フィルム表面
に吸引保持された。なお、多孔質フィルム表面に吸引保
持された液晶マイクロカプセル6は単層膜を形成した。
すなわち、多孔質フィルムの表面に液晶マイクロカプセ
ル層が形成された。
【0256】上記多孔質フィルム表面に保持された液晶
マイクロカプセル層を基板2上に転写したこと以外は例
5と同様にして、液晶表示装置1-5を作製した。以上の
ようにして得られた液晶表示装置1-5の電極4,5間に
50Hz、25Vの交流電圧を印加したところ、透過コ
ントラスト比は3:1であった。
【0257】(例8)図20に示す液晶表示装置を、以
下に示す方法により作製した。なお、図20は、本発明
の例8に係る液晶表示装置を示す断面図である。
【0258】まず、通常の方法により、平均粒径が15
μmの球状の液晶マイクロカプセル6を作製した。な
お、液晶マイクロカプセル6は、ネマチック液晶である
メルクジャパン社製ZLI5065に対し、二色性色素
を1重量%添加した液晶材料を、ポリメチルメタクリレ
ート(PMMA)で包含したものである。また、含有さ
せる二色性色素の種類を変えることにより、シアン、マ
ゼンタ、イエローの3色の液晶マイクロカプセル6を作
製した。なお、それぞれ液晶マイクロカプセル6には、
例7において行ったのと同様に、凝集を防止する表面処
理を施した。
【0259】次に、以下に示すようにして、図21に示
すイエロー色の液晶マイクロカプセル層8-1を形成し
た。なお、図21は、本発明の例8に係る液晶表示装置
に用いられる液晶マイクロカプセル層を示す側面図であ
る。
【0260】まず、AFC(異方性導電フィルム)から
なる粒径20μmの球状体45を、この球状体45がほ
ぼ嵌合する大きさの凹部が所定の間隙を隔てて規則正し
く形成された多孔質基板上に分散させた。この多孔質基
板を振動させることにより、球状体45を多孔質基板表
面に設けられた凹部に勘合させ、余分な球状体45を多
孔質基板表面から除去した。以上のようにして、多孔質
基板表面に球状体45を規則正しく配置した後、この多
孔質基板上に、例7において行ったのと同様にして、イ
エロー色の液晶マイクロカプセル6を分散・真空吸引し
た。これにより、イエロー色の液晶マイクロカプセル6
と球状体45とを含むイエロー色の液晶マイクロカプセ
ル層8-1が形成された。
【0261】また、イエロー色の液晶マイクロカプセル
層8-1と同様にして、シアン及びマゼンタ色の液晶マイ
クロカプセル層8-2及び8-3をそれぞれ形成した。
【0262】次に、ガラス基板2の一方の主面上に、I
TOからなる画素電極4、及びNiからなり画素電極4
と電気的に絶縁された電極部46を形成した。このガラ
ス基板2の画素電極4が形成された面に、それぞれの球
状体45が電極部46と電気的に接続されるように、上
記液晶マイクロカプセル層8-1〜8-3を順次転写した。
これにより、ガラス基板2上に液晶層7を形成した。
【0263】さらに、液晶層7上に、ガラス基板3を、
そのITO膜5が形成された面が液晶層7と接するよう
に配置し、真空中で加熱しながら圧着することにより、
液晶表示装置1-6を得た。
【0264】以上のようにして得られた液晶表示装置1
-6の電極4,5間に50Hz、18Vの交流電圧を印加
したところ、透過コントラスト比は5:1であった。
【0265】なお、本例においては、上記液晶表示装置
1-6は単色表示仕様として形成されたが、カラー表示仕
様とすることも可能である。例えば、液晶マイクロカプ
セル層8-1〜8-3のそれぞれの間に中間電極を設け、対
向電極5を駆動する代わりに、画素電極4及び中間電極
を単純マトリクス或いはアクティブマトリクス駆動する
ことにより、カラー表示仕様とすることができる。
【0266】(例9)以下に示す方法により、図13に
示す液晶マイクロカプセル6を作製し、これを用いて液
晶表示装置を作製した。
【0267】液晶材料としては、フッ素系液晶であるチ
ッソ社製Lixon−5052xxに対し、三井東圧社
製の黒色二色性色素S−435を1.5重量%添加した
ものを用いた。この液晶材料80重量部、ポリビニルア
ルコール14重量部、架橋剤であるTMPTA1重量部
及びベンゾイルパーオキサイド0.2重量部を混合・溶
解した。次に、図14に示すのと類似の伊勢化学社製の
膜乳化装置を用いて、この混合液を、平均孔径1μmの
親水性多孔質ガラス管から、70℃の温水中に静圧力
1.5気圧の条件下で押出し、繊維状の液晶マイクロカ
プセル6を得た。
【0268】以上のようにして得られた繊維状の液晶マ
イクロカプセル6から、内包された液晶材料をトルエン
を用いて除去し、さらに乾燥することにより、空の液晶
マイクロカプセル6を得た。この空の液晶マイクロカプ
セル6、すなわち、透明被膜11についてSEM観察を
行った。その結果、上記繊維状の液晶マイクロカプセル
6は、外径が6μmであり、内径が5.8μmであるこ
とが分かった。また、透明被膜11内には高分子材料か
らなるネットワークは形成されておらず、内壁は平滑で
あった。すなわち、透明被膜11と液晶材料とは良好に
相分離していることが確認された。
【0269】次に、一方の主面にアルミニウム反射電極
が形成されたガラス基板上に、上記繊維状の液晶マイク
ロカプセル6を塗布・乾燥して、液晶層を形成した。な
お、上記繊維状の液晶マイクロカプセル6は、液晶層中
で、それぞれの長軸が同じ方向を向くように並置されて
いる。
【0270】次に、液晶層上に、一方の主面に透明電極
が形成されたガラス基板を配置し、さらに全体をポリア
ミド製の袋に入れた。このポリアミド製の袋の内部を減
圧し、120℃の温度に加熱・密着することにより、液
晶表示装置を作製した。
【0271】以上のようにして作製した液晶表示装置
を、顕微鏡で観察したところ、液晶マイクロカプセル6
の透明被膜の破壊は確認されなかった。また、液晶層の
厚さは5μmであることが観察された。液晶分子の配向
方向は基板面に対してほぼ平行であり、かつ液晶マイク
ロカプセル6の長軸方向に平行であった。
【0272】この液晶表示装置の電極間に50Hz、1
0Vの交流電圧を印加したところ、表示状態は非印加時
の黒色から白色へと変化した。また、反射濃度計により
求めたコントラスト比は7:1であった。
【0273】(例10)以下に示す方法により、図12
に示す液晶表示装置1-2を作製した。
【0274】液晶材料としては、フッ素系液晶であるチ
ッソ社製Lixon−5052xxに対し、三井東圧社
製の黒色二色性色素S−435を1重量%添加したもの
を用いた。この液晶材料80重量部、ジイソブチルフマ
レート14重量部、架橋剤であるジビニルベンゼン1重
量部、及び開始剤であるAIBN1重量部を混合・溶解
した。次に、伊勢化学社製の膜乳化装置を用いて、この
混合液を、平均孔径1μmの親水性多孔質ガラス管か
ら、100℃のアルゴン雰囲気中に静圧力5気圧の条件
下で押出し、繊維状の液晶マイクロカプセル6を得た。
【0275】以上のようにして得られた繊維状の液晶マ
イクロカプセル6から、内包された液晶材料をトルエン
を用いて除去し、乾燥した後、空の液晶マイクロカプセ
ル6、すなわち、透明被膜11についてSEM観察を行
った。その結果、上記繊維状の液晶マイクロカプセル6
は、外径が6μmであり、内径が5.7μmであること
が分かった。また、透明被膜11内には高分子材料から
なるネットワークは形成されておらず、内壁は平滑であ
った。すなわち、透明被膜11と液晶材料とは良好に相
分離していることが確認された。
【0276】次に、一方の主面にアルミニウム反射電極
4が形成されたガラス基板2上に、上記繊維状の液晶マ
イクロカプセル6を塗布・乾燥して、液晶マイクロカプ
セル層8を形成した。なお、液晶マイクロカプセル層8
は、それぞれの液晶マイクロカプセル6の長軸が同じ方
向を向くように並置することにより形成した。
【0277】この液晶マイクロカプセル層8上に、さら
に、上記繊維状の液晶マイクロカプセル6を塗布・乾燥
して、液晶マイクロカプセル層9を積層し、液晶層7を
形成した。なお、液晶マイクロカプセル層9は、それぞ
れの液晶マイクロカプセル6の長軸が同じ方向を向くよ
うに並置することにより形成した。また、液晶マイクロ
カプセル層8,9間では、それぞれの液晶マイクロカプ
セル6の長軸方向は垂直である。
【0278】次に、液晶層7上に、一方の主面に透明電
極が形成されたガラス基板を配置し、さらに全体をポリ
アミド製の袋に入れた。このポリアミド製の袋の内部を
減圧し、100℃の温度に加熱・密着することにより、
液晶表示装置を作製した。
【0279】以上のようにして作製した液晶表示装置1
-2を、顕微鏡で観察したところ、液晶マイクロカプセル
6の透明被膜の破壊は確認されなかった。また、それぞ
れの液晶マイクロカプセル層8,9の厚さは5μmであ
ることが観察された。また、液晶分子の配向方向は基板
面に対してほぼ平行であり、液晶マイクロカプセル6の
長軸方向に平行であった。
【0280】この液晶表示装置の電極4,5間に50H
z、11Vの交流電圧を印加したところ、表示状態は非
印加時の黒色から白色へと変化した。反射濃度計により
求めたコントラスト比は8:1であった。
【0281】(例11)以下に示す方法により、図12
に示す液晶表示装置1-2を作製した。
【0282】液晶材料としては、フッ素系液晶であるチ
ッソ石油工業社製Lixon5052に対し、下記化学
式(32)〜(34)に示す二色性色素の混合物を添加
したものを用いた。この液晶材料に、重合性モノマーと
してメチルメタクリレート、及びチバ・ガイギー社製光
重合開始剤イルガキュアー907を混合・溶解した。次
に、この混合液を、長辺が20μm、短辺が5μmの長
方形状の開口部を有するノズルからゆっくりと押出し、
押出された混合液にノズル先端近傍で紫外光を照射しな
がら、これを巻き取った。以上のようにして、繊維状の
液晶マイクロカプセル6を得た。
【0283】
【化7】
【0284】次に、一方の主面に透明電極4が形成され
たガラス基板2上に、上記繊維状の液晶マイクロカプセ
ル6を織機を用いて配列・圧着することにより、液晶マ
イクロカプセル層8を形成した。なお、液晶マイクロカ
プセル層8は、それぞれの液晶マイクロカプセル6の長
軸が同じ方向を向くように並置した。
【0285】この液晶マイクロカプセル層8上に、さら
に、上記繊維状の液晶マイクロカプセル6を織機を用い
て配列・圧着して、液晶マイクロカプセル層9を積層
し、液晶層7を形成した。なお、液晶マイクロカプセル
層9は、それぞれの液晶マイクロカプセル6の長軸が同
じ方向を向くように並置することにより形成した。ま
た、液晶マイクロカプセル6の長軸方向は、液晶マイク
ロカプセル層8,9間で垂直である。
【0286】次に、液晶層7上に、一方の主面に透明電
極が形成されたガラス基板を配置し、これを圧着するこ
とにより、液晶表示装置1-2を作製した。
【0287】以上のようにして作製した液晶表示装置1
-2において、液晶マイクロカプセル6中の液晶材料は2
重量%の二色性色素を含有していた。また、液晶層7の
厚さは20μmであった。
【0288】この液晶表示装置1-2の電極4,5間に5
0Hz、24Vの交流電圧を印加したところ、表示状態
は非印加時の黒色から白色へと変化した。また、反射濃
度計により求めたコントラスト比は10:1であった。
これは、繊維状の液晶マイクロカプセル6の代わりに、
球状の液晶マイクロカプセルを用いた場合に得られるコ
ントラストのおよそ2倍である。このようなコントラス
トの向上は、電圧非印加時における、二色性色素の光吸
収効率が向上したことによると考えられる。
【0289】(例12)以下に示す方法により、図12
に示す液晶表示装置1-2を作製した。
【0290】液晶材料としては、フッ素系液晶であるチ
ッソ石油工業社製Lixon5052に対し、上記化学
式(32)〜(34)に示す二色性色素の混合物を2重
量%添加したものを用いた。この液晶材料に真空中で脱
泡処理を施し、さらに、この液晶材料を内径8μm、外
径10μmの高分子チューブ中に真空注入した。このチ
ューブの開口部を封止することにより、繊維状の液晶マ
イクロカプセル6を得た。
【0291】この液晶マイクロカプセル6を用いたこと
以外は例11と同様にして、液晶表示装置1-2を作製し
た。
【0292】この液晶表示装置1-2の電極4,5間に5
0Hz、10Vの交流電圧を印加したところ、表示状態
は非印加時の黒色から白色へと変化した。また、反射濃
度計により求めたコントラスト比は8:1であった。
【0293】(例13)図22に示す液晶表示装置1-7
を、以下に示す方法により作製した。なお、図22は、
本発明の例13に係る液晶表示装置を示す断面図であ
る。
【0294】まず、液晶材料の組成を以下に示すように
変えたこと以外は例11と同様にして、イエロー、マゼ
ンタ、シアン色の繊維状液晶マイクロカプセル6-1〜6
-3を作製した。すなわち、イエロー色の繊維状液晶マイ
クロカプセル6-1に用いる液晶材料としては、フッ素系
液晶であるチッソ石油工業社製Lixon5052に対
し、上記化学式(32)に示す二色性色素の混合物を
1.5重量%添加したものを用いた。また、マゼンタ色
の繊維状液晶マイクロカプセル6-2に用いる液晶材料と
しては、フッ素系液晶であるチッソ石油工業社製Lix
on5052に対し、上記化学式(33)に示す二色性
色素の混合物を1.2重量%添加したものを用いた。ま
た、シアン色の繊維状液晶マイクロカプセル6-3に用い
る液晶材料としては、フッ素系液晶であるチッソ石油工
業社製Lixon5052に対し、上記化学式(34)
に示す二色性色素の混合物を1.0重量%添加したもの
を用いた。
【0295】次に、一方の主面に3系統のスイッチング
素子(図示せず)及びアルミニウム反射電極4が形成さ
れたガラス基板2上に、例11で用いたのと同様の方法
により、イエロー色の液晶マイクロカプセル層8-1及び
9-1を積層して、液晶層7-1を形成した。
【0296】この液晶層7-1上に、塗布法によりITO
膜43-1を成膜した後、上述したのと同様の方法によ
り、マゼンタ色の液晶マイクロカプセル層8-2及び9-2
を積層して、液晶層7-2を形成した。さらに、液晶層7
-2上に、塗布法によりITO膜43-2を成膜した後、上
述したのと同様の方法により、シアン色の液晶マイクロ
カプセル層8-3及び9-3を積層して、液晶層7-3を形成
した。
【0297】さらに、液晶層7-3上に、一方の主面に透
明電極5が形成されたガラス基板3を配置し、これを圧
着することにより、液晶表示装置1-7を作製した。
【0298】なお、上記液晶表示装置1-7において、反
射電極4は3系統のスイッチング素子の1つのソース電
極に接続されており、ITO膜43-1,43-2は、電極
柱41-1,41-2を介して、他の系統のソース電極にそ
れぞれ接続されている。
【0299】以上のようにして作製した液晶表示装置1
-7において、それぞれの液晶層7-nの厚さは20μmで
あった。また、この液晶表示装置1-7の全ての液晶層に
50Hz、20Vの交流電圧を印加したところ、表示状
態は非印加時の黒色から白色へと変化した。反射濃度計
により求めたコントラスト比は10:1であった。ま
た、上記液晶表示装置1-7によると、鮮明なカラー表示
が可能であることが確認された。
【0300】(例14)図12に示す液晶表示装置1-2
を、以下に示す方法により作製した。
【0301】例11に示したのと同様の方法により作製
した繊維状の液晶マイクロカプセル6を用いて、図23
に示す液晶マイクロカプセル6と電極50との複合体5
1を作製した。
【0302】図23は、本発明の例14に係る液晶表示
装置に用いられる液晶マイクロカプセルと電極との複合
体の断面図である。図23において、複合体51は、上
記液晶マイクロカプセル6と、その表面の一部に形成さ
れたITO膜50とで構成されている。
【0303】この繊維状の複合体51を、そのITO膜
50が形成された面が上方となるように、ガラス基板2
の透明電極4上に、織機を用いて配列・圧着することに
より、液晶マイクロカプセル層8を形成した。なお、液
晶マイクロカプセル層8において、複合体51は、それ
ぞれの長軸が同じ方向を向くように並置した。
【0304】この液晶マイクロカプセル層8上に、さら
に、上記繊維状の液晶マイクロカプセル6を織機を用い
て配列・圧着して、液晶マイクロカプセル層9を積層
し、それにより液晶層7を形成した。なお、液晶マイク
ロカプセル層9は、液晶マイクロカプセル6をそれぞれ
の長軸が同じ方向を向くように並置することにより形成
した。また、液晶マイクロカプセル6の長軸方向は、液
晶マイクロカプセル層8,9間で垂直である。
【0305】次に、液晶層7上に、一方の主面に透明電
極が形成されたガラス基板を配置し、これを圧着するこ
とにより、液晶表示装置1-2を作製した。
【0306】以上のようにして作製した液晶表示装置1
-2の電極4,5間に50Hz、20Vの交流電圧を印加
したところ、表示状態は非印加時の黒色から白色へと変
化した。また、反射濃度計により求めたコントラスト比
は11:1であった。なお、この液晶表示装置1-2は、
液晶マイクロカプセル層8,9間にITO膜を有してい
るため、それぞれの層を独立に駆動することにより階調
表示が可能である。また、本例によると、ITO膜のパ
ターニング工程が不要となるため、液晶材料の劣化が少
なかった。
【0307】以上説明した例11〜14においては、チ
ッソ石油工業社製液晶LIXON5052が用いられた
が、チッソ石油工業社製液晶LIXON5600や、メ
ルク社製液晶ZLI1132,1221,1557,1
565,1636,1694,1695,1701,1
738,1780−000,1840,及び2116等
も用いることができる。
【0308】また、上記例11〜14においては、上記
化学式(32)〜(34)に示す二色性色素が用いられ
たが、下記一般式(35)〜(38)に示す二色性色素
を用いてもよい。
【0309】
【化8】
【0310】なお、上記一般式(35)はイエロー色の
二色性色素を示し、上記一般式(36),(37)はマ
ゼンタ色の二色性色素を示し、上記一般式(38)はシ
アン色の二色性色素を示している。また、上記一般式
(35)〜(38)において、R1〜R4は、それぞれ水
素原子や、メチル基、エチル基、n−ブチル基、及びt
−ブチル基等のアルキル基を示す。
【0311】さらに、上記例11〜14においては、重
合性モノマーとしてメチルメタクリレートが用いられる
が、イソブチルメタクリレート等も用いることができ
る。また、光重合開始剤としては、ベンゾインエーテル
類、ジアルコキシアセトフェノン類、ヒドロキシアセト
フェノン類、モルフォリノアセトフェノン類、ベンゾフ
ェノン類、環状ベンゾフェノン類、及びベンジル等も用
いることができる。
【0312】(比較例3)例11で用いた液晶材料を用
いて平均粒径が10μmの球状の液晶マイクロカプセル
を作製した。この液晶マイクロカプセルを所定の液体中
に分散させて液晶マイクロカプセル塗布液を調製した
後、これを一方の主面にITO膜が形成されたガラス基
板上に塗布・乾燥して、液晶層を形成した。次に、真空
中で、この液晶層上に、一方の主面にITO膜が形成さ
れたガラス基板を圧着・加熱することにより、液晶表示
装置を作製した。
【0313】以上のようにして作製した液晶表示装置
を、顕微鏡で観察したところ、液晶マイクロカプセル層
8,9の双方において、液晶マイクロカプセル6の長軸
の長さは、この長軸に垂直な径の最大値に対して約1.
3倍であった。また、各液晶マイクロカプセル層8,9
において、液晶分子の配向方向はランダムであることが
確認された。
【0314】上記液晶表示装置について、例11に示し
たのと同条件下でコントラスト比を測定したところ、
6:1であった。この液晶表示装置のコントラスト比が
例11の液晶表示装置に比べて低い理由の1つは、球状
の液晶マイクロカプセルを用いた場合、電圧非印加時に
おいても、多くの二色性色素が基板面に垂直或いはある
角度をなしているためである。すなわち、電圧非印加時
において、基板面に平行に配列する二色性色素の比率が
低いため、光吸収効率が低下したものと考えられる。
【0315】(例15)図19に示す液晶表示装置を以
下に示す方法により作製した。
【0316】図19に示す液晶表示装置1-5を作製する
に当り、まず、厚さ1.1mmのガラス基板2上に、I
TO膜4を2000オングストロームの厚さで蒸着し
た。次に、ITO膜4上に、レジスト膜を2μmの厚さ
で形成し、所定の形状にパターニングした。このように
して得られたレジストパターンをマスクとして用いて、
ITO膜4をストライプ状にパターニングした。
【0317】次に、厚さ1.1mmのガラス基板3上
に、ITO膜5を2000オングストロームの厚さで蒸
着し、上述したのと同様の方法により、ITO膜5をス
トライプ状にパターニングした。
【0318】次に、平均孔径3.2μmの親水性多孔質
ガラス管を用いたこと以外は例1と同様にして、短軸方
向の長さが10μm、長軸方向の長さが20μmの回転
楕円体状の液晶マイクロカプセル6を作製した。但し、
この液晶マイクロカプセル6は水中では球状の形状を有
する。
【0319】次に、この液晶マイクロカプセル6を、ス
リットコータを用いてガラス基板2のITO膜4が形成
された面に塗布した。このガラス基板2を、図5に示す
ように、液晶マイクロカプセル配列装置20-1の基板支
持台21上に載置し、ソレノイド型振動子22により、
ガラス基板2に対し、基板面に平行に一方向の振動を与
えた。以上のようにして、液晶マイクロカプセル6を、
それぞれの長軸が一方向を向くように整列させて、液晶
層7を形成した。
【0320】さらに、液晶層7上に、ガラス基板3を、
そのITO膜5が形成された面が液晶層7と接するよう
に、及びITO膜4,5のストライプ状のパターンが垂
直となるように配置した。この積層体を真空中で加熱し
ながら圧着し、周縁部をシール剤で封止することによ
り、液晶表示装置1-5を得た。
【0321】以上のようにして得られた液晶表示装置1
-5の電極4,5間に50Hz、8Vの交流電圧を印加し
たところ、透過コントラスト比は5:1であった。
【0322】(例16)基板2上への液晶マイクロカプ
セル6の配置方法が異なること以外は例15と同様にし
て、図19に示す液晶表示装置を作製した。
【0323】すなわち、ITO膜4が形成されたガラス
基板2を、図6に示す液晶マイクロカプセル配列装置2
0-2の基板支持台21上に載置した。次に、ソレノイド
型振動子27を駆動してノズル26を振動させることに
より、例15で用いた回転楕円体状の液晶マイクロカプ
セル6をノズル26から基板2上に吐出させた。この液
晶マイクロカプセル6の吐出を、ホッパ25と基板支持
台21とを相対的に平行移動させつつ行うことにより、
基板2上に液晶マイクロカプセル6を規則正しく配置し
た。
【0324】基板2上への液晶マイクロカプセル6の配
置を完了した後、ソレノイド型振動子22を駆動するこ
とにより、ガラス基板2に対し、基板面に平行に一方向
の振動を与えた。以上のようにして、液晶マイクロカプ
セル6を、さらに高精度に整列させて、液晶層7を形成
した。
【0325】さらに、液晶層7上に、例15で用いたの
と同様のガラス基板3を、そのITO膜5が形成された
面が液晶層7と接するように、及びITO膜4,5のス
トライプ状のパターンが垂直となるように配置した。こ
の積層体を真空中で加熱しながら圧着し、その周縁部を
シール剤で封止することにより、液晶表示装置1-5を得
た。
【0326】以上のようにして得られた液晶表示装置1
-5の電極4,5間に50Hz、8Vの交流電圧を印加し
たところ、透過コントラスト比は5:1であった。
【0327】(例17)液晶マイクロカプセル6の形状
が異なり、図7に示す液晶マイクロカプセル配列装置2
0-3を用いたこと以外は例16と同様にして、図19に
示す液晶表示装置を作製した。
【0328】すなわち、まず、図14に示す装置を用
い、例9で用いたのと同様の組成の液晶材料を含有する
混合液35を、平均孔径10μmの親水性多孔質ガラス
膜47から、80℃の温水18中に10気圧の静圧力で
押出した。このようにして、直径が10μm、長軸方向
の長さが100mmの円筒状の液晶マイクロカプセル6
を作製した。
【0329】次に、ITO膜4が形成されたガラス基板
2を、図7に示す液晶マイクロカプセル配列装置20-3
の基板支持台21上に載置した。ソレノイド型振動子2
7を駆動してノズル26を振動させることにより、上記
円筒状の液晶マイクロカプセル6をノズル26から基板
2上に吐出させた。この液晶マイクロカプセル6の吐出
を、ホッパ25と基板支持台21とを相対的に平行移動
させつつ行うことにより、基板2上に液晶マイクロカプ
セル6を規則正しく配置した。
【0330】基板2上への液晶マイクロカプセル6の配
置を完了した後、ソレノイド型振動子22を駆動するこ
とにより、ガラス基板2に対し、基板面に平行に一方向
の振動を与えた。以上のようにして、液晶マイクロカプ
セル6を、さらに高精度に整列させて、液晶層7を形成
した。
【0331】さらに、液晶層7上に、例16で用いたの
と同様のガラス基板3を、そのITO膜5が形成された
面が液晶層7と接するように、及びITO膜4,5のス
トライプ状のパターンが垂直となるように配置した。こ
の積層体を真空中で加熱しながら圧着し、その周縁部を
シール剤で封止することにより、液晶表示装置1-5を得
た。
【0332】以上のようにして得られた液晶表示装置1
-5の電極4,5間に50Hz、10Vの交流電圧を印加
したところ、透過コントラスト比は5:1であった。
【0333】(例18)以下に示す方法により、図19
に示す液晶表示装置1-5を作製した。
【0334】すなわち、まず、ITO膜4が形成された
ガラス基板2を、図15に示す液晶マイクロカプセル配
列装置20-4の基板支持台21上に載置した。次に、例
9で用いたのと同様の組成の液晶材料を含有する混合液
を、液晶マイクロカプセル配列装置20-4のノズル26
から基板2上に吐出させた。なお、ノズル26の開口部
は10μmの径を有しており、ノズル26からの混合液
の吐出は、5気圧の静圧力を印加しつつ、空気雰囲気下
で行った。
【0335】ノズル26から吐出された混合液は、吐出
とほぼ同時に繊維状の液晶マイクロカプセル6を形成し
た。したがって、ホッパ25と基板支持台21とを相対
的に平行移動させつつ行うことにより、基板2上に液晶
マイクロカプセル6を規則正しく配置することができ
た。
【0336】基板2上への液晶マイクロカプセル6の配
置を完了した後、ソレノイド型振動子22を駆動するこ
とにより、ガラス基板2に対し、基板面に平行に一方向
の振動を与えた。以上のようにして、液晶マイクロカプ
セル6を、さらに高精度に整列させて、液晶層7を形成
した。
【0337】さらに、液晶層7上に、例16で用いたの
と同様のガラス基板3を、そのITO膜5が形成された
面が液晶層7と接するように、及びITO膜4,5のス
トライプ状のパターンが垂直となるように配置した。こ
の積層体を真空中で加熱しながら圧着し、その周縁部を
シール剤で封止することにより、液晶表示装置1-5を得
た。
【0338】以上のようにして得られた液晶表示装置1
-5の電極4,5間に50Hz、8Vの交流電圧を印加し
たところ、透過コントラスト比は5:1であった。な
お、基板2上に薄膜トランジスタを形成したこと以外
は、上記例15〜18と同様にして液晶表示装置を作製
した。これら液晶表示装置の電極4,5間に50Hz、
8Vの交流電圧を印加したところ、いずれの液晶表示装
置においても透過コントラスト比は5:1であった。
【0339】(例19)以下に示す方法により、図1に
示す液晶表示装置1-1を作製した。図24(a)〜
(c)及び図25(a)〜(c)を参照しながら説明す
る。なお、図24(a)〜(c)及び図25(a)〜
(c)は、それぞれ、本発明の例19に係る液晶マイク
ロカプセル層の形成方法を概略的に示す側面図及び平面
図である。
【0340】液晶材料としては、チッソ社製Lixon
−5065xxに対し、三井東圧社製の黒色二色性色素
S−435を1重量%添加したものを用いた。この液晶
材料80重量部、親水性基を有するモノマーであるメチ
ルメタクリレート14重量部、架橋剤であるジビニルベ
ンゼン1重量部、及びベンゾイルパーオキサイド0.2
重量部を混合・溶解した。このようにして調製した混合
液を、伊勢化学社製の膜乳化装置を用いて、親水性多孔
質ガラス管の平均孔径1μmの孔から、0.3重量%の
ポリビニルアルコール水溶液中に、静圧力1.5気圧の
条件下で押出すことにより、エマルジョンを得た。
【0341】このエマルジョンを85℃の温度、50r
pmの攪拌速度で1時間攪拌して、上記モノマー成分を
重合させた。1時間経過後、生成物を純水と共にイオン
交換樹脂製の多孔質チューブ中に流し込むことにより精
製し、液晶マイクロカプセル6を得た。なお、これら液
晶マイクロカプセル6は水等に対する分散性が良好であ
った。液晶マイクロカプセル6を水等に分散させた分散
液を1日放置しても、凝集を生ずることはなかった。
【0342】上記液晶マイクロカプセル6の粒度分布測
定をレーザー散乱法により行ったところ、平均粒径は5
μmであり、分布幅は狭いことが分かった。また、これ
ら液晶マイクロカプセル6を顕微鏡で観察したところ、
いずれも球状の形状を有していた。
【0343】次に、水中に、上記液晶マイクロカプセル
6を55重量%、ポリビニルアルコールを5重量%の濃
度で含有する液晶マイクロカプセル塗布液を調製した。
この液晶マイクロカプセル塗布液を、図24(a)に示
すように、ポリエチレンフィルム53上に塗布し、乾燥
することにより、塗布膜54を形成した。なお、この塗
布膜54の厚さは7μmであった。次に、図24(b)
に示すように、この塗布膜54をポリエチレンフィルム
53から剥離した。さらに、塗布膜54の両端部を保持
し、図24(c)に示すように、厚さが5μmになるま
で引張った。以上のようにして、液晶マイクロカプセル
層8を形成した。
【0344】上述したプロセスにおいて、液晶マイクロ
カプセル6は図25(a)〜(c)に示すように変形す
る。液晶マイクロカプセル塗布液をポリエチレンフィル
ム53上に塗布した直後において、塗布膜54中の液晶
マイクロカプセル6は図25(a)に示すように球状の
形状を有している。その後、塗布膜54が乾燥するのに
伴い、隣り合う液晶マイクロカプセル6間の接触面積が
増加し、液晶マイクロカプセル6は図25(b)に示す
ように正六角形状となる。この形状は、塗布膜54をポ
リエチレンフィルム53から剥離した後においても維持
される。しかしながら、上述したように、塗布膜54を
引張った場合、図25(c)に示すように、液晶マイク
ロカプセル6はその引張方向に引き伸ばされた形状とな
る。すなわち、液晶マイクロカプセル層8において、液
晶マイクロカプセル6は図25(c)に示す形状とな
る。
【0345】以上のようにして液晶マイクロカプセル層
8を形成した後、同様の方法により液晶マイクロカプセ
ル層9を形成した。次に、アルミニウムからなる反射電
極4を有するガラス基板2とITOからなる透明電極5
を有する基板3との間に、液晶マイクロカプセル層8,
9を配置した。なお、液晶マイクロカプセル層8,9
は、図26に示すように、それらの引張方向55-1,5
5-2が垂直となるように配置した。さらに、120℃、
5Torrの条件下で、基板2に向けて基板3に加圧す
ることにより、図1に示す液晶表示装置1-1を作製し
た。
【0346】以上のようにして作製した液晶表示装置1
-1を、顕微鏡で観察したところ、液晶マイクロカプセル
6の透明被膜の破壊は確認されなかった。また、液晶層
7の厚さは10μmであり、液晶マイクロカプセル層
8,9の双方において、液晶マイクロカプセル6の長軸
は、この長軸に垂直な径の最大値に対して約2.5倍の
長さを有していた。また、液晶分子の配向方向は基板面
に対して平行であり、液晶マイクロカプセル層8,9間
では液晶分子の配向方向は垂直であることが確認され
た。
【0347】この液晶表示装置1-1の電極4,5間に5
0Hz、10Vの交流電圧を印加したところ、表示状態
は非印加時の黒色から白色へと変化した。また、反射濃
度計により求めたコントラスト比は6.2:1であっ
た。
【0348】(例20)図1に示す液晶表示装置1-1を
以下に示す方法により作製した。図27(a)及び
(b)を参照しながら説明する。なお、図27(a)及
び(b)は、それぞれ本発明の例20に係る液晶層の形
成方法を概略的に示す平面図である。
【0349】まず、例19において調製したのと同様の
液晶マイクロカプセル塗布液を、ガラス基板2上に設け
られたアルミニウム反射電極4上に塗布して、図27
(a)に示すように塗布膜54を形成した。この塗布膜
54を、その端部から反対側の端部に向けて2cm/分
の速度で90℃に順次加熱して乾燥させ、それにより液
晶層7を形成した。すなわち、図27(a)に示すよう
に、加熱領域56を参照番号55-3に示す方向に移動さ
せることにより、液晶層7を形成した。
【0350】この液晶層7を顕微鏡で観察したところ、
液晶マイクロカプセル6は加熱方向55-3とは垂直な方
向55-1に引き伸ばされた形状を有していた。また、液
晶層7の厚さは10μmであり、液晶層7は3層の液晶
マイクロカプセル層を積層した構造を有していた。
【0351】次に、図27(b)に示す円盤57を90
℃に加熱した。基板2の液晶層7が形成された面を円盤
57の表面に接触させ、基板2を円盤57に向けて1k
g/cm2の圧力で加圧しつつ、円盤57を回転軸58
の周りにゆっくりと1/4回転させた。なお、円盤57
の表面にはフッ素樹脂加工が施されている。また、基板
2は、その中心と回転軸58とを結ぶ直線と、液晶マイ
クロカプセル6の長軸の配向方向55-1とが平行となる
ように配置され、回転軸58から基板2までの最短距離
は2cmとした。
【0352】このように円盤57を回転させた場合、円
盤57と接触する液晶マイクロカプセル6は、円盤57
の回転方向55-2に引き伸ばされる。ここで、基板2の
サイズに対し、回転軸58から基板2までの最短距離が
十分に長ければ、円盤57と接触する液晶マイクロカプ
セル6は、ほぼ同一方向に引き伸ばされるものと考えら
れる。一方、円盤57と接触しない液晶マイクロカプセ
ル6は、基板2に加える圧力が十分に低ければ変形する
ことはない。
【0353】したがって、上述した方法によると、反射
電極4と接する液晶マイクロカプセル層8と、最上層の
液晶マイクロカプセル層9との間で、液晶マイクロカプ
セル6の長軸の方向をほぼ垂直とすることができる。
【0354】円盤57を回転させた後、速やかに円盤5
7から基板2を離し、基板2の液晶層7が形成された面
に室温の平板を接触させて、液晶層7を急冷した。その
一方で、ガラス基板3の透明電極5上にエポキシ樹脂を
塗布して、厚さ1μmの塗膜(図示せず)を形成した。
液晶層7から平板を剥離した後、液晶層7と透明電極5
上に形成した塗膜とが接するように、基板2と基板3と
を重ね合せた。さらに、それらを加圧しつつ80℃の温
度に加熱することにより、図1に示す液晶表示装置1-1
を作製した。
【0355】以上のようにして作製した液晶表示装置1
-1を、顕微鏡で観察したところ、液晶マイクロカプセル
6の透明被膜の破壊は確認されなかった。また、液晶層
7の厚さは10μmであり、液晶マイクロカプセル層
8,9の双方において、液晶マイクロカプセル6の長軸
は、この長軸に垂直な径の最大値に対して約2.4倍の
長さを有していた。また、液晶分子の配向方向は基板面
に対して平行であり、液晶マイクロカプセル層8,9間
では液晶分子の配向方向はほぼ垂直であることが確認さ
れた。
【0356】この液晶表示装置1-1の電極4,5間に5
0Hz、10Vの交流電圧を印加したところ、表示状態
は非印加時の黒色から白色へと変化した。反射濃度計に
より求めたコントラスト比は6.2:1であった。
【0357】(例21)図1に示す液晶表示装置1-1を
以下に示す方法により作製した。
【0358】まず、例19において調製したのと同様の
液晶マイクロカプセル塗布液を、ガラス基板2上に設け
られたアルミニウム反射電極4上に塗布して、塗布膜を
形成した。この塗布膜を、例20において説明したのと
同様に、その端部から反対側の端部に向けて2cm/分
の速度で90℃に順次加熱して乾燥させ、それにより厚
さ5μmの液晶マイクロカプセル層8を形成した。
【0359】次に、液晶マイクロカプセル層8上に、上
記液晶マイクロカプセル塗布液を塗布して塗布膜を形成
した。この塗布膜を、乾燥方向が90°異なること以外
は上述したのと同様の方法により乾燥させて、厚さ5μ
mの液晶マイクロカプセル層9を形成した。以上のよう
にして、液晶マイクロカプセル層8,9を有する液晶層
7を形成した。
【0360】次に、ガラス基板3の透明電極5上にエポ
キシ樹脂を塗布して、厚さ1μmの塗膜(図示せず)を
形成した。その後、液晶層7と透明電極5上に形成した
塗膜とが接するように、5Torr以下の減圧下で、基
板2と基板3とを重ね合せ、さらに、それらを加圧しつ
つ120℃の温度に加熱した。以上のようにして基板2
と基板3とを貼り合せ、図1に示す液晶表示装置1-1を
作製した。
【0361】以上のようにして作製した液晶表示装置1
-1を、顕微鏡で観察したところ、液晶マイクロカプセル
6の透明被膜の破壊は確認されなかった。また、液晶層
7の厚さは10μmであり、液晶マイクロカプセル層
8,9の双方において、液晶マイクロカプセル6の長軸
は、この長軸に垂直な径の最大値に対して約2.3倍の
長さを有していた。また、液晶分子の配向方向は基板面
に対して平行であり、液晶マイクロカプセル層8,9間
では液晶分子の配向方向は垂直であることが確認され
た。
【0362】この液晶表示装置1-1の電極4,5間に5
0Hz、10Vの交流電圧を印加したところ、表示状態
は非印加時の黒色から白色へと変化した。また、反射濃
度計により求めたコントラスト比は5.8:1であっ
た。
【0363】(例22)図1に示す液晶表示装置1-1を
以下に示す方法により作製した。
【0364】まず、例19において調製したのと同様の
液晶マイクロカプセル塗布液を、ガラス基板2上に設け
られたアルミニウム反射電極4上に塗布して、塗布膜を
形成した。この塗布膜を、例20において説明したのと
同様に、遠赤外線ヒータを用いてその端部から反対側の
端部に向けて順次加熱して乾燥させ、それにより液晶マ
イクロカプセル層8を形成した。
【0365】次に、ガラス基板3の透明電極5上に、上
記液晶マイクロカプセル塗布液を塗布して塗布膜を形成
した。この塗布膜を、上述したのと同様の方法により乾
燥させて、厚さ5μmの液晶マイクロカプセル層9を形
成した。
【0366】次に、基板2と基板3とを、液晶マイクロ
カプセル層8及び液晶マイクロカプセル層9が接するよ
うに、及びそれらの乾燥方向が垂直となるように重ね合
せた。このようにして得られた積層体をポリアミド製の
袋に入れ、その内部を減圧しつつ120℃の温度に加熱
することにより、ポリアミド製の袋と各部材とを密着さ
せた。以上のようにして、図1に示す液晶表示装置1-1
を作製した。
【0367】以上のようにして作製した液晶表示装置1
-1を、顕微鏡で観察したところ、液晶マイクロカプセル
6の透明被膜の破壊は確認されなかった。また、液晶層
7の厚さは18μmであり、液晶マイクロカプセル層
8,9の双方において、液晶マイクロカプセル6の長軸
は、この長軸に垂直な径の最大値に対して約3.2倍の
長さを有していた。また、液晶分子の配向方向は基板面
に対して平行であり、液晶マイクロカプセル層8,9間
では液晶分子の配向方向は垂直であることが確認され
た。
【0368】この液晶表示装置1-1の電極4,5間に5
0Hz、10Vの交流電圧を印加したところ、非印加時
の黒色から白色へと変化した。反射濃度計により求めた
コントラスト比は12:1であった。
【0369】(例23)図1に示す液晶表示装置1-1を
以下に示す方法により作製した。
【0370】液晶材料としては、フッ素系液晶であるチ
ッソ社製Lixon−5052xxに対し、三井東圧社
製の黒色二色性色素S−435を1重量%添加したもの
を用いた。この液晶材料80重量部、及び親水性基を有
するプレポリマーであるジイソブチルフマレート14重
量部を混合・溶解した。このようにして調製した混合液
を、伊勢化学社製の膜乳化装置を用いて、親水性多孔質
ガラス管の平均孔径1μmの孔から、0.3重量%のポ
リビニルアルコール水溶液中に、静圧力1.5気圧の条
件下で押出すことにより、エマルジョンを得た。
【0371】このエマルジョンに0.5重量%のTMP
TA及び0.2重量%のベンゾイルパーオキサイドを添
加し、85℃の温度、50rpmの攪拌速度で1時間攪
拌して、上記モノマー成分を重合させた。1時間経過
後、生成物を純水と共にイオン交換樹脂製の多孔質チュ
ーブ中に流し込むことにより精製し、液晶マイクロカプ
セル6を得た。なお、これら液晶マイクロカプセル6は
水等に対する分散性が良好であった。液晶マイクロカプ
セル6を水等に分散させた分散液を1日放置しても、凝
集を生ずることはなかった。
【0372】上記液晶マイクロカプセル6の粒度分布測
定をレーザー散乱法により行ったところ、平均粒径は5
μmであり、分布幅は狭いことが分かった。また、これ
ら液晶マイクロカプセル6を顕微鏡で観察したところ、
いずれも球状の形状を有していた。
【0373】次に、水中に、上記液晶マイクロカプセル
6及び熱反応性架橋基を有する高松油脂社製のエステル
ポリマーS−102を添加して、液晶マイクロカプセル
塗布液を調製した。この液晶マイクロカプセル塗布液
を、ガラス基板2上に設けられたアルミニウム反射電極
4上に塗布して、塗布膜を形成した。この塗布膜を、例
20において説明したのと同様に、遠赤外線ヒータを用
いて、その端部から反対側の端部に向けてに順次加熱し
て乾燥させ、それにより液晶マイクロカプセル層8を形
成した。
【0374】次に、液晶マイクロカプセル層8上に、上
記液晶マイクロカプセル塗布液を塗布して塗布膜を形成
した。この塗布膜を、乾燥方向が90°異なること以外
は上述したのと同様の方法により乾燥させて、液晶マイ
クロカプセル層9を形成した。以上のようにして、液晶
マイクロカプセル層8,9を有する液晶層7を形成し
た。
【0375】次に、液晶層7上に、透明電極5を有する
ガラス基板3を配置した。このようにして得られた積層
体をポリアミド製の袋に入れ、その内部を減圧しつつ1
20℃の温度に加熱することにより、ポリアミド製の袋
と各部材とを密着させた。以上のようにして、図1に示
す液晶表示装置1-1を作製した。
【0376】以上のようにして作製した液晶表示装置1
-1を、顕微鏡で観察したところ、液晶マイクロカプセル
6の透明被膜の破壊は確認されなかった。また、液晶層
7の厚さは20μmであり、液晶マイクロカプセル層
8,9の双方において、液晶マイクロカプセル6の長軸
は、この長軸に垂直な径の最大値に対して約3.1倍の
長さを有していた。また、液晶分子の配向方向は基板面
に対して平行であり、液晶マイクロカプセル層8,9間
では液晶分子の配向方向は垂直であることが確認され
た。
【0377】この液晶表示装置1-1の電極4,5間に5
0Hz、11Vの交流電圧を印加したところ、表示状態
は非印加時の黒色から白色へと変化した。また、反射濃
度計により求めたコントラスト比は10:1であった。
【0378】(例24)以下に示す方法により、図1に
示す液晶表示装置1-1を作製した。
【0379】液晶材料としては、正の誘電異方性を有す
るチッソ社製Lixon−4033−000xxに対
し、三井東圧社製の黒色二色性色素S−435を1重量
%添加したものを用いた。この液晶材料80重量部、モ
ノマーであるメチルメタクリレート14重量部、架橋剤
であるジビニルベンゼン1重量部、及びベンゾイルパー
オキサイド0.2重量部を混合・溶解した。このように
して調製した混合液を、伊勢化学社製の膜乳化装置を用
いて、親水性多孔質ガラス管の平均孔径1μmの孔か
ら、0.3重量%のポリビニルアルコール水溶液中に、
周期1Hz、最大圧力1.6気圧、最小圧力1.2気圧
の条件下で押出すことにより、エマルジョンを得た。
【0380】このエマルジョンを85℃の温度、50r
pmの攪拌速度で1時間攪拌して、上記モノマー成分を
重合させた。1時間経過後、生成物を純水と共にイオン
交換樹脂製の多孔質チューブ中に流し込むことにより精
製し、液晶マイクロカプセル6を得た。なお、これら液
晶マイクロカプセル6は水等に対する分散性が良好であ
った。液晶マイクロカプセル6を水等に分散させた分散
液を1日放置しても、凝集を生ずることはなかった。
【0381】上記液晶マイクロカプセル6の粒度分布測
定をレーザー散乱法により行ったところ、平均粒径は6
μmであり、分布幅は狭いことが分かった。また、これ
ら液晶マイクロカプセル6を顕微鏡で観察したところ、
いずれも球状の形状を有していた。
【0382】次に、ガラス基板2上に設けられたアルミ
ニウム反射電極4上にポリイミド膜を形成し、このポリ
イミド膜にラビング処理を施すことにより配向膜(図示
せず)を形成した。この配向膜上に、上記液晶マイクロ
カプセル6を所定の液体に分散させることにより調製さ
れた液晶マイクロカプセル塗布液を塗布して、塗布膜を
形成した。この塗布膜を、例20において説明したのと
同様に、遠赤外線ヒータを用いて、その端部から反対側
の端部に向けてに順次加熱して乾燥させ、それにより液
晶マイクロカプセル層8を形成した。なお、塗布膜の乾
燥方向は、配向膜のラビング方向と垂直とした。
【0383】次に、ガラス基板3上に設けられた透明電
極5上にポリイミド膜を形成し、このポリイミド膜にラ
ビング処理を施すことにより配向膜(図示せず)を形成
した。この配向膜上に、上述したのと同様の方法によ
り、液晶マイクロカプセル層9を形成した。
【0384】次に、基板2と基板3とを、液晶マイクロ
カプセル層8及び液晶マイクロカプセル層9が接するよ
うに、及びそれらの乾燥方向が垂直となるように重ね合
せた。このようにして得られた積層体をポリアミド製の
袋に入れ、その内部を減圧しつつ120℃の温度に加熱
することにより、ポリアミド製の袋と各部材とを密着さ
せた。以上のようにして、図1に示す液晶表示装置1-1
を作製した。
【0385】以上のようにして作製した液晶表示装置1
-1を、顕微鏡で観察したところ、液晶マイクロカプセル
6の透明被膜の破壊は確認されなかった。また、液晶層
7の厚さは20μmであり、液晶マイクロカプセル層
8,9の双方において、液晶マイクロカプセル6の長軸
は、この長軸に垂直な径の最大値に対して約38倍の長
さを有していた。また、液晶分子の配向方向は基板面に
対して平行であり、液晶マイクロカプセル層8,9間で
は液晶分子の配向方向は垂直であることが確認された。
【0386】この液晶表示装置1-1の電極4,5間に5
0Hz、9Vの交流電圧を印加したところ、表示状態は
非印加時の黒色から白色へと変化した。また、反射濃度
計により求めたコントラスト比は15:1であった。
【0387】(例25)図17に示す液晶表示装置1-3
を以下に示す方法により作製した。
【0388】まず、乳化重合法により、平均粒径が7μ
mの球状の液晶マイクロカプセル6を作製した。なお、
この液晶マイクロカプセル6は、メルクジャパン社製Z
LI5052に対し、日本感光色素社製の二色性色素G
232を1重量%添加した液晶材料を、ポリメチルメタ
クリレート(PMMA)で包含したものである。また、
二色性色素G232の光吸収域は600nm〜500n
mであり、その最大吸収波長はおよそ550nmであ
る。
【0389】次に、液晶マイクロカプセル6を所定の液
体中に分散させた液晶マイクロカプセル塗布液を、ガラ
ス基板2のITO膜4が形成された面にスクリーン印刷
することにより厚さ10μmの塗布膜を形成した。この
塗布膜を、例20において説明したのと同様に、その端
部から反対側の端部に向けてに順次加熱して乾燥させ、
それにより液晶マイクロカプセル層8を形成した。この
液晶マイクロカプセル層8において、液晶マイクロカプ
セル6は乾燥方向と垂直な方向に引き伸ばされた形状を
有している。
【0390】次に、液晶マイクロカプセル層8上に、1
/2波長板14を配置した。なお、1/2波長板14と
しては、日東電工社製の位相差フィルムを用いた。この
1/2波長板14は、厚さ約200μmのポリマーフィ
ルムである。また、この1/2波長板14の規定波長は
450nmである。また、1/2波長板14は、その光
軸が液晶マイクロカプセル6の長軸の方向に対して45
°の角度をなすように配置した。
【0391】次に、1/2波長板14上に、上述したの
と同様の方法により液晶マイクロカプセル層9を形成し
た。なお、液晶マイクロカプセル層9は、それを構成す
る液晶マイクロカプセル6の長軸の方向と、1/2波長
板14の光軸とが45°の角度をなすように形成した。
【0392】次に、液晶マイクロカプセル層上に、透明
電極5を有するガラス基板3を配置した。さらに、基板
2に向けて基板3に加圧しつつ、100℃の温度に制御
されたオーブン中に数時間放置した。その後、この積層
体の周縁部をシールすることにより、液晶表示装置1-3
を得た。
【0393】以上のようにして作製した液晶表示装置1
-3を、顕微鏡で観察したところ、液晶マイクロカプセル
6の透明被膜の破壊は確認されなかった。また、液晶マ
イクロカプセル層8,9の双方において、液晶マイクロ
カプセル6の長軸は、この長軸に垂直な径の最大値に対
して約2.1倍の長さを有していた。また、液晶分子の
配向方向は基板面に対して平行であり、液晶マイクロカ
プセル層8,9間では液晶分子の配向方向は平行である
ことが確認された。
【0394】この液晶表示装置1-3の電極4,5間に5
0Hz、12Vの交流電圧を印加したところ、表示状態
は非印加時の黒色から白色へと変化した。また、反射濃
度計により求めたコントラスト比は5:1であった。
【0395】(例26)以下に示す方法により、図28
に示す液晶表示装置を作製した。なお、図28は、本発
明の例26に係る液晶表示装置を概略的に示す断面図で
ある。
【0396】まず、in situ重合法により、平均
粒径が7μmの球状の液晶マイクロカプセル6-1を作製
した。なお、この液晶マイクロカプセル6は、チッソ社
製LIXON5052に対し、日本感光色素社製のイエ
ローの二色性色素q232を1重量%添加した液晶材料
を、ジイソブチルフマレート(DIBF)のポリマーで
包含したものである。また、上記イエローの二色性色素
の光吸収域は500nm〜400nmであり、その最大
吸収波長はおよそ450nmである。
【0397】次に、二色性色素として、三井東圧社製の
シアンの二色性色素SI497を用いたこと以外はイエ
ローの液晶マイクロカプセル6-1と同様にして、シアン
の液晶マイクロカプセル6-2を作製した。さらに、二色
性色素として、日本感光色素社製のマゼンタの二色性色
素g176を用いたこと以外はイエローの液晶マイクロ
カプセル6-1と同様にして、マゼンタの液晶マイクロカ
プセル6-3を作製した。なお、上記シアンの二色性色素
の光吸収域は700nm〜600nmであり、その最大
吸収波長はおよそ650nmである。また、上記マゼン
タの二色性色素の光吸収域は600nm〜500nmで
あり、その最大吸収波長はおよそ550nmである。
【0398】次に、厚さ1.1mmのガラス基板2上
に、一画素について3系統のTFT及びゲート・信号配
線40を設け、さらにポリイミドからなる厚さ2μmの
下地膜30を形成した。この下地膜30に型押し加工を
施すことにより、下地膜30表面にディンプルを形成し
た。このようにして型押しした下地膜30上に、アルミ
ニウム膜を1000オングストロームの厚さで成膜し、
これをパターニングすることにより、反射電極4を形成
した。
【0399】以上のようにして形成した反射電極4と、
3系統のTFTの内の1つのソース電極とを接続し、他
の2系統のTFTのソース電極上には、それぞれ高さ1
0μmの電極柱41-1及び電極柱41-2を形成した。
【0400】次に、所定の液体中に上記イエローの液晶
マイクロカプセル6-1を分散させた液晶マイクロカプセ
ル塗布液を用いて、例25において説明したのと同様の
方法により、上記反射電極4上に、液晶マイクロカプセ
ル層8-1、1/2波長板14-1、及び液晶マイクロカプ
セル層9-1を順次形成した。すなわち、イエローの液晶
層7-1を形成した。なお、1/2波長板14-1は、電極
柱41-1,41-2に対応する位置に穴をあけて使用し
た。また、1/2波長板14-1としては、日東電工社製
の位相差フィルムを用いた。この1/2波長板14-1
は、厚さ約200μmのポリマーフィルムである。ま
た、この1/2波長板14-1の規定波長は450nmで
ある。
【0401】次に、中間基板である厚さ100μmの透
明フィルム60-1の両面に、厚さ500オングストロー
ムのITO膜を形成した。さらに、これらITO膜を画
素電極4に対応するパターンにパターニングすることに
より、画素電極43-1を形成した。その後、透明フィル
ム60-1にパンチングにより所定のパターンで穴を開
け、これら穴を貫通する高さ10μmの電極柱41-3を
形成した。なお、電極柱41-3と画素電極43-1とは電
気的に絶縁されている。
【0402】次に、この透明フィルム60-1を、電極柱
41-3が突出した面の裏面が液晶層7-1と対向するよう
に、及び電極柱41-2と電極柱41-3とが電気的に接続
されるように液晶層7-1上に配置した。その後、透明フ
ィルム60-1上に、所定の液体中に上記シアンの液晶マ
イクロカプセル6-2を分散させた液晶マイクロカプセル
塗布液を用いて、例25において説明したのと同様の方
法により、液晶マイクロカプセル層8-2、1/2波長板
14-2、及び液晶マイクロカプセル層9-2を順次形成し
た。すなわち、シアンの液晶層7-2を形成した。なお、
1/2波長板14-2は、電極柱41-3に対応する位置に
穴をあけて使用した。また、1/2波長板14-2として
は、日東電工社製の位相差フィルムを用いた。この1/
2波長板14-2は、厚さ約200μmのポリマーフィル
ムである。また、この1/2波長板14-2の規定波長は
650nmである。
【0403】次に、厚さ1.1mmのガラス基板3上
に、スパッタリング法によりITOからなる対向電極5
を形成した。この対向電極5上に、所定の液体中に上記
マゼンタの液晶マイクロカプセル6-3を分散させた液晶
マイクロカプセル塗布液を用いて、例25において説明
したのと同様の方法により、液晶マイクロカプセル層9
-3、1/2波長板14-3、及び液晶マイクロカプセル層
8-3を順次形成した。すなわち、マゼンタの液晶層7-3
を形成した。なお、1/2波長板14-3としては、日東
電工社製の位相差フィルムを用いた。この1/2波長板
14-3は、厚さ約200μmのポリマーフィルムであ
る。また、この1/2波長板14-3の規定波長は550
nmである。
【0404】次に、中間基板である厚さ100μmの透
明フィルム60-2の両面に、厚さ500オングストロー
ムのITO膜を形成した。さらに、これらITO膜を画
素電極4に対応するパターンにパターニングすることに
より、画素電極43-2を形成した。その後、透明フィル
ム60-2の一方の主面に、画素電極43-2と並置して酸
化チタン層61を形成した。なお、酸化チタン層61
は、ブラックマトリクスとして用いられる。
【0405】この透明フィルム60-2を、画素電極43
-2が液晶層7-2と対向するように、及び画素電極43-2
が電極柱41-3と電気的に接続されるように、液晶層7
-2上に配置した。さらに、加熱しつつ、基板3を基板2
に向けて押圧することにより、液晶表示装置1-7を作製
した。
【0406】以上のようにして作製した液晶表示装置1
-7を、顕微鏡で観察したところ、液晶マイクロカプセル
6-1〜6-3の透明被膜の破壊は確認されなかった。ま
た、液晶マイクロカプセル層8-n及び9-nのいずれにお
いても液晶マイクロカプセル6-1〜6-3の長軸は、この
長軸に垂直な径の最大値に対して約2倍の長さを有して
いた。また、液晶層7-1〜7-3の全てにおいて、液晶分
子の配向方向は基板面に対してほぼ平行であり、液晶マ
イクロカプセル層8-n,9-n間では液晶分子の配向方向
は平行であることが確認された。
【0407】また、この液晶表示装置1-7にTABによ
りドライバICを実装し、それぞれの電極間に最大信号
振幅5Vの交流電圧を独立に印加したところ、表示状態
は非印加時の黒色から白色へと変化し、反射濃度計によ
り求めたコントラスト比は5:1であった。また、色調
の良好なカラー表示が可能であった。
【0408】(例27)以下に示す方法により、図1に
示す液晶表示装置1-1を作製した。なお、本例におい
て、液晶材料は二色性色素を含有しない。
【0409】屈折率異方性Δnの大きなフッ素系液晶材
料であるチッソ社製Lixon−5052xxを92重
量部、モノマーであるジイソブチルフマレート4重量
部、架橋剤であるジビニルベンゼン0.8重量部、及び
ベンゾイルパーオキサイド0.2重量部を混合・溶解し
た。このようにして調製した混合液を、伊勢化学社製の
膜乳化装置を用いて、親水性多孔質ガラス管の平均孔径
1μmの孔から、0.3重量%のポリビニルアルコール
(分子量1000)水溶液中に、静圧力1.5気圧の条
件下で押出すことにより、エマルジョンを得た。
【0410】このエマルジョンを90℃の温度、50r
pmの攪拌速度で1時間攪拌して、上記モノマー成分を
重合させた。1時間経過後、生成物を純水と共にイオン
交換樹脂製の多孔質チューブ中に流し込むことにより精
製し、液晶マイクロカプセル6を得た。なお、これら液
晶マイクロカプセル6は水等に対する分散性が良好であ
った。液晶マイクロカプセル6を水等に分散させた分散
液を1日放置しても、凝集を生ずることはなかった。
【0411】上記液晶マイクロカプセル6の粒度分布測
定をレーザー散乱法により行ったところ、平均粒径は6
μmであり、分布幅は狭いことが分かった。また、これ
ら液晶マイクロカプセル6を顕微鏡で観察したところ、
いずれも球状の形状を有していた。
【0412】次に、上記液晶マイクロカプセル80重量
%と、水及びエチレングリコールの混合液20重量%と
を混合し、液晶マイクロカプセル塗布液を調製した。な
お、この混合液において、水とエチレングリコールとの
重量比は1である。
【0413】次に、この液晶マイクロカプセル塗布液
を、図24(a)に示すように、ポリエチレンフィルム
53上に塗布し、乾燥することにより、塗布膜54を形
成した。なお、この塗布膜54の厚さは11μmであっ
た。次に、図24(b)に示すように、この塗布膜54
をポリエチレンフィルム53から剥離した。さらに、塗
布膜54の両端部を保持し、図24(c)に示すよう
に、厚さが5μmになるまで延伸した。以上のようにし
て、液晶マイクロカプセル層8を形成した。
【0414】以上のようにして液晶マイクロカプセル層
8を形成した後、同様の方法により液晶マイクロカプセ
ル層9を形成した。次に、アルミニウムからなる反射電
極4を有するガラス基板2とITOからなる透明電極5
を有する基板3との間に、液晶マイクロカプセル層8,
9を配置した。なお、液晶マイクロカプセル層8,9
は、図26に示すように、それらの引張方向55-2,5
5-2が垂直となるように配置した。さらに、120℃、
5Torrの条件下で、基板2に向けて基板3に加圧す
ることにより、図1に示す液晶表示装置1-1を作製し
た。
【0415】以上のようにして作製した液晶表示装置1
-1を、顕微鏡で観察したところ、液晶マイクロカプセル
6の透明被膜の破壊は確認されなかった。また、液晶層
7の厚さは10μmであり、液晶マイクロカプセル層
8,9の双方において、液晶マイクロカプセル6の長軸
は、この長軸に垂直な径の最大値に対して約3.5倍の
長さを有していた。また、液晶分子の配向方向は基板面
に対して平行であり、液晶マイクロカプセル層8,9間
では液晶分子の配向方向は垂直であることが確認され
た。
【0416】この液晶表示装置1-1に50Hz、10V
の交流電圧を印加したところ、非印加時の光散乱状態か
ら光透過状態へと変化した。反射濃度計により求めたコ
ントラスト比は20:1であった。
【0417】なお、例1〜例27において、液晶マイク
ロカプセル6中の液晶材料の体積分率はいずれも70体
積%以上であった。また、例1〜例27において、液晶
マイクロカプセル6の平均的な配向方向からの、個々の
液晶マイクロカプセル6の配向方向のばらつきの範囲は
10°以内であった。
【0418】以上説明したように、電圧非印加時におけ
る光吸収を効率よく生じさせるためには、液晶分子の配
向方向を基板面に平行とする必要がある。しかしなが
ら、従来の球状の液晶マイクロカプセルを用いた場合、
液晶分子の配向方向は液晶マイクロカプセル間でランダ
ムである。すなわち、多くの液晶マイクロカプセルにお
いて、液晶分子の配向方向は基板面に対して平行ではな
い。そのため、従来の液晶表示素子によると、電圧非印
加時における光吸収率が不十分となり、高い表示コント
ラストを得ることができない。
【0419】それに対し、本発明によると、液晶マイク
ロカプセルを適切な形状とすることにより、電圧非印加
時における液晶マイクロカプセルに対する液晶分子の配
向方向は、常に一定の方向に制御される。また、本発明
によると、液晶マイクロカプセルの形状を利用して、液
晶マイクロカプセルの配向方向の制御が行われる。その
ため、本発明によると、電圧非印加時における液晶マイ
クロカプセルに対する液晶分子の配向方向を、例えば基
板面に対して平行に制御することが可能となる。すなわ
ち、電圧非印加時における光吸収率を向上させることが
できる。
【0420】また、本発明において、液晶層は、2つの
液晶マイクロカプセル層を積層した層状構造を有してい
る。これら液晶マイクロカプセル層のそれぞれにおい
て、液晶マイクロカプセルの配向方向は一方向に制御さ
れている。ここで、上述のように液晶マイクロカプセル
の形状と液晶分子の配向方向とは相関している。したが
って、液晶マイクロカプセル層のそれぞれにおいて、電
圧非印加時の液晶分子の配向方向は、各液晶マイクロカ
プセル間で等しい。
【0421】本発明によると、液晶マイクロカプセル層
のそれぞれにおいて液晶分子の配向方向が均一化され、
且つ液晶マイクロカプセル層間で液晶分子の配向方向が
異なっている。すなわち、液晶層に入射した入射光は、
液晶分子の配向方向が異なる少なくとも2つの液晶マイ
クロカプセルを透過する。そのため、上記少なくとも2
つの液晶マイクロカプセルのそれぞれに、異なる偏光成
分を吸収させることができる。したがって、本発明によ
ると、電圧非印加時における光吸収率をより向上させる
ことができる。
【0422】さらに、本発明によると、上述したよう
に、積層された2つの液晶マイクロカプセル層のそれぞ
れにおいて液晶分子の配向方向が均一化されている。し
たがって、これら液晶マイクロカプセル層間で液晶分子
の配向方向を容易に異ならしめることができる。また、
これら液晶マイクロカプセル層間での液晶分子の配向方
向の違いを均一化することができる。
【0423】なお、本発明において、液晶層は、2層以
上の液晶マイクロカプセル層で構成されれば、上述した
効果を得ることができる。
【0424】
【発明の効果】以上示したように、本発明によると、液
晶マイクロカプセルを非球状とすることにより、液晶マ
イクロカプセル中において、その長軸方向に配向する液
晶材料の割合が増加させられるため、高いコントラスト
で表示可能な液晶表示装置が提供される。
【0425】また、本発明によると、液晶層を、第1及
び第2の液晶マイクロカプセル層を積層した積層構造と
し、それぞれの液晶マイクロカプセル層内で液晶材料の
配向方向を揃えることにより、一方の液晶マイクロカプ
セル層では吸収することができない偏光成分を、他方の
液晶マイクロカプセルにおいて吸収させることができ
る。したがって、本発明によると、高いコントラストで
表示可能な液晶表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の態様に係る液晶表示装置を概略
的に示す断面図。
【図2】(a)は、本発明の第1の態様に係る液晶表示
装置で用いられる液晶マイクロカプセルの一例を概略的
に示す断面図、(b)〜(d)は、それぞれ、従来の液
晶マイクロカプセルを概略的に示す断面図。
【図3】本発明の第1の態様に係る液晶マイクロカプセ
ルの配向方向のばらつきと、光利用効率との関係を示す
グラフ。
【図4】(a)〜(c)は、それぞれ、本発明の第1の
態様に係る液晶表示装置の製造工程の一例を概略的に示
す斜視図。
【図5】本発明の第1の態様に係る液晶表示装置の製造
に用いられる液晶マイクロカプセル配列装置の一例を概
略的に示す斜視図。
【図6】本発明の第1の態様に係る液晶表示装置の製造
に用いられる液晶マイクロカプセル配列装置の他の例を
概略的に示す斜視図。
【図7】本発明の第1の態様に係る液晶表示装置の製造
に用いられる液晶マイクロカプセル配列装置のさらに他
の例を概略的に示す断面図。
【図8】本発明の第1の態様に係る液晶表示装置におい
て用いられる基板の一例を概略的に示す断面図。
【図9】(a)〜(e)は、それぞれ、本発明の第1の
態様に係る液晶表示装置において用いられる液晶マイク
ロカプセルの他の例を概略的に示す斜視図。
【図10】(a)〜(c)は、それぞれ、本発明の第1
の態様に係る液晶表示装置における液晶マイクロカプセ
ルの配置例を概略的に示す平面図。
【図11】本発明の第1の態様に係る液晶表示装置の製
造工程の一例を概略的に示す断面図。
【図12】本発明の第2の態様に係る液晶表示装置を概
略的に示す斜視図。
【図13】本発明の第2の態様に係る液晶表示装置にお
いて用いられる液晶マイクロカプセルを概略的に示す斜
視図。
【図14】(a)は、本発明の第2の態様に係る液晶表
示装置に用いられる液晶マイクロカプセルの製造工程を
概略的に示す断面図、(b)は、(a)に示す液晶マイ
クロカプセルの製造工程において使用される多孔質膜を
概略的に示す平面図。
【図15】本発明の第2の態様に係る液晶表示装置の製
造に用いられる液晶マイクロカプセル配列装置を概略的
に示す斜視図。
【図16】(a)〜(e)は、それぞれ、本発明の第1
及び第2の態様に係る液晶表示装置の製造に用いられる
液晶マイクロカプセル配列装置のノズルを概略的に示す
断面図。
【図17】本発明の第3の態様に係る液晶表示装置を概
略的に示す断面図。
【図18】本発明の例4に係る液晶表示装置を概略的に
示す断面図。
【図19】本発明の例5〜7,15〜17及び18に係
る液晶表示装置を概略的に示す断面図。
【図20】本発明の例8に係る液晶表示装置を概略的に
示す断面図。
【図21】図20に示す液晶表示装置に用いられる液晶
マイクロカプセル層を示す側面図。
【図22】本発明の例13に係る液晶表示装置を概略的
に示す断面図。
【図23】図22に示す液晶表示装置に用いられる液晶
マイクロカプセルを概略的に示す断面図。
【図24】(a)〜(c)は、それぞれ、本発明の例1
9に係る液晶表示装置の製造方法を概略的に示す側面
図。
【図25】(a)〜(c)は、それぞれ、本発明の例1
9に係る液晶表示装置の製造方法を概略的に示す断面
図。
【図26】本発明の例19に係る液晶表示装置の製造方
法を概略的に示す斜視図。
【図27】(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の例
20に係る液晶層の形成方法を概略的に示す平面図。
【図28】本発明の例26に係る液晶表示装置を概略的
に示す断面図。
【符号の説明】
1-1〜1-6…液晶表示素子 2,3…基板 4,5…電極 6…液晶マイクロカプセル 7-n…液晶層 8-n,9-n…液晶マイクロカプセル層 10…液晶材料 11…透明被膜 12…液晶分子 13…軸 14…1/2波長板 15-1〜15-4…曲線 17…容器 18…液体 19…多孔質膜 20-1〜20-4…液晶マイクロカプセル配列装置 21…基板支持台 22…ソレノイド型振動子 25…ホッパ 26…ノズル 27…ソレノイド型振動子 28…容器 30…突起部 31…二色性色素 35…混合液 36…容器 37…多孔質膜 40…TFT、及びゲート、信号配線 41-1〜41-3…電極柱 42-1〜42-3…保護膜 43-1,43-2…中間電極 45…球状体 46…電極部 50…ITO膜 51…複合体 53…ポリエチレンフィルム 54…塗布膜 55-1〜55-3…方向 56…加熱領域 57…円盤 58…回転軸 60-1,60-2…中間基板 61…ブラックマトリクス 106-n…液晶マイクロカプセル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩永 寛規 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33番地 株式会社東芝生産技術研究所内 (72)発明者 田中 雅男 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33番地 株式会社東芝生産技術研究所内 (72)発明者 清水 征三郎 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33番地 株式会社東芝生産技術研究所内 (72)発明者 春原 一之 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33番地 株式会社東芝生産技術研究所内 (56)参考文献 特開 平9−236791(JP,A) 特開 平4−199024(JP,A) 特開 平10−293291(JP,A) 特開 平6−72956(JP,A) 特開 平7−114006(JP,A) 特開 平11−64833(JP,A) 特表 平3−503322(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1334 G02F 1/13 101 G02F 1/1333 G02F 1/1347 G02F 1/1337

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の主面に画素電極を有する基板、 前記基板の画素電極上に順次積層された第1の液晶マイ
    クロカプセル層と第2の液晶マイクロカプセル層とを含
    む液晶層、及び前記液晶層上に設けられた対向電極を具
    備し、前記第1及び第2の液晶マイクロカプセル層のそれぞれ
    は、液晶化合物を含有した液晶材料を透明被膜で包含し
    てなり且つ繊維状の形状を有する非球状液晶マイクロカ
    プセルを複数含み、 前記第1の液晶マイクロカプセル層に含まれる前記複数
    非球状液晶マイクロカプセルの長軸はそれぞれ第1の
    方向に配向し、 前記第2の液晶マイクロカプセル層に含まれる前記複数
    非球状液晶マイクロカプセルの長軸はそれぞれ前記第
    1の方向とは異なる第2の方向に配向したことを特徴と
    する液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 一方の主面に画素電極を有する基板、 前記基板の画素電極上に順次積層された第1の液晶マイ
    クロカプセル層と第2の液晶マイクロカプセル層とを含
    む液晶層、及び前記液晶層上に設けられた対向電極を具
    備し、前記第1及び第2の液晶マイクロカプセル層のそれぞれ
    は、液晶化合物を含有した液晶材料を透明被膜で包含し
    てなる非球状液晶マイクロカプセルを複数含み、 前記第1の液晶マイクロカプセル層に含まれる前記複数
    非球状液晶マイクロカプセルの長軸はそれぞれ第1の
    方向に配向し、 前記第2の液晶マイクロカプセル層に含まれる前記複数
    非球状液晶マイクロカプセルの長軸はそれぞれ前記第
    1の方向とは異なる第2の方向に配向し 前記基板の前記主面は帯状の凸部を有し、 前記第1の液晶マイクロカプセル層中の前記複数の非球
    状液晶マイクロカプセルのそれぞれは前記帯状の凸部の
    側面と接し、 前記帯状の凸部の長手方向と前記第1の方向とは実質的
    に垂直である ことを特徴とする液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 一方の主面に画素電極を有する基板、 前記基板の画素電極上に順次積層された第1の液晶マイ
    クロカプセル層と第2の液晶マイクロカプセル層とを含
    む液晶層、及び前記液晶層上に設けられた対向電極を具
    備し、前記第1及び第2の液晶マイクロカプセル層のそれぞれ
    は、液晶化合物を含有した液晶材料を透明被膜で包含し
    てなる非球状液晶マイクロカプセルを複数含み、 前記第1の液晶マイクロカプセル層に含まれる前記複数
    非球状液晶マイクロカプセルの長軸はそれぞれ第1の
    方向に配向し、 前記第2の液晶マイクロカプセル層に含まれる前記複数
    非球状液晶マイクロカプセルの長軸はそれぞれ前記第
    1の方向とは異なる第2の方向に配向し 前記基板の画素電極が形成された面は周期的に配列した
    複数の凹部を有し、 前記第1の液晶マイクロカプセル層に含まれる前記複数
    の非球状液晶マイクロカプセルは、それぞれ、前記複数
    の凹部内に少なくとも部分的に位置する ことを特徴とす
    る液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記液晶材料は二色性色素をさらに含有
    したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1
    項に記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 それぞれが第1の方向に伸びた形状を有
    する複数の液晶マイクロカプセルを含む第1の液晶マイ
    クロカプセル層を形成する工程、 それぞれが第2の方向に伸びた形状を有する複数の液晶
    マイクロカプセルを含む第2の液晶マイクロカプセル層
    を形成する工程、及び基板の一方の主面に設けられた画
    素電極上に、前記第1の液晶マイクロカプセル層、第2
    の液晶マイクロカプセル層、及び対向電極が順次積層さ
    れた構造を形成する工程を具備し、 前記第1及び第2の液晶マイクロカプセル層に含まれる
    前記複数の液晶マイクロカプセルは、それぞれ、液晶化
    合物を含有する液晶材料を透明被膜で包含することによ
    り形成され、 前記第1及び第2の液晶マイクロカプセル層の少なくと
    も一方は、平板上に、複数の球状液晶マイクロカプセル
    と液体とを含有する液晶マイクロカプセル塗布液を塗布
    して塗布膜を形成し、前記塗布膜に温度勾配を形成しつ
    前記平板の一方の主面と平行な方向に順次乾燥するこ
    とにより形成され、 前記第1の液晶マイクロカプセル層と前記第2の液晶マ
    イクロカプセル層とは、前記第1の方向と前記第2の方
    向とが異なるように積層されたことを特徴とする液晶表
    示装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 それぞれが第1の方向に伸びた形状を有
    する複数の液晶マイクロカプセルを含む第1の液晶マイ
    クロカプセル層を形成する工程、 それぞれが第2の方向に伸びた形状を有する複数の液晶
    マイクロカプセルを含む第2の液晶マイクロカプセル層
    を形成する工程、及び 基板の一方の主面に設けられた画
    素電極上に、前記第1の液晶マイクロカプセル層、第2
    の液晶マイクロカプセル層、及び対向電極が順次積層さ
    れた構造を形成する工程を有し、 前記第1及び第2の液晶マイクロカプセル層に含まれる
    前記複数の液晶マイクロカプセルは、それぞれ、液晶化
    合物を含有する液晶材料を透明被膜で包含することによ
    り形成され、 前記第1及び第2の液晶マイクロカプセル層を形成する
    工程の少なくとも一方は、それぞれが一方向に伸びた形
    状を有する前記複数の液晶マイクロカプセルを準備し、
    次いで、それらの長手方向が揃うように前記複数の液晶
    マイクロカプセルを配列させることを含んだことを特徴
    とする液晶表示装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1及び第2の液晶マイクロカプセ
    ル層を形成する工程の少なくとも一方は、それぞれが繊
    維状の形状を有する前記複数の液晶マイクロカプセルを
    準備し、次いで、それらの長手方向が揃うように前記複
    数の液晶マイクロカプセルを配列させることを含んだこ
    とを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記第1及び第2の液晶マイクロカプセ
    ル層を形成する工程の少なくとも一方は、平板の表面に
    帯状の凸部を設けておき、前記複数の液晶マイクロカプ
    セルを、前記凸部に沿って及びそれらの長手方向が揃う
    ように配列させることを含んだことを特徴とする請求項
    6に記載の液晶表示装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1及び第2の液晶マイクロカプセ
    ル層を形成する工程 の少なくとも一方は、平板の表面に
    周期的に配列した複数の凹部を設けておき、前記複数の
    液晶マイクロカプセルを、それぞれその少なくとも一部
    が前記複数の凹部内に位置するように及びそれらの長手
    方向が揃うように配列させることを含んだことを特徴と
    する請求項6に記載の液晶表示装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第1及び第2の液晶マイクロカプ
    セル層を形成する工程の少なくとも一方は、振動を利用
    して前記複数の液晶マイクロカプセルをそれらの長手方
    向が揃うように配列させることを含んだことを特徴とす
    る請求項6に記載の液晶表示装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 それぞれが第1の方向に伸びた形状を
    有する複数の液晶マイクロカプセルを含む第1の液晶マ
    イクロカプセル層を形成する工程、 それぞれが第2の方向に伸びた形状を有する複数の液晶
    マイクロカプセルを含む第2の液晶マイクロカプセル層
    を形成する工程、及び 基板の一方の主面に設けられた画
    素電極上に、前記第1の液晶マイクロカプセル層、第2
    の液晶マイクロカプセル層、及び対向電極が順次積層さ
    れた構造を形成する工程を有し、 前記第1及び第2の液晶マイクロカプセル層に含まれる
    前記複数の液晶マイクロカプセルは、それぞれ、液晶化
    合物を含有する液晶材料を透明被膜で包含することによ
    り形成され、 前記第1及び第2の液晶マイクロカプセル層を形成する
    工程の少なくとも一方は、それぞれが球状の形状を有す
    る前記複数の液晶マイクロカプセルをそれらの行方向に
    隣り合うもの同士が離間し且つ列方向に隣り合うもの同
    士が接するように配列し、次いで、それらに圧力を印加
    して前記複数の液晶マイクロカプセルのそれぞれを前記
    行方向に引き伸ばすことを含んだことを特徴とする液晶
    表示装置の製造方法。
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