JP3406741B2 - 皮膚洗浄剤組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、メイク落とし、皮
脂汚れ落としなどに優れた洗浄効果を有し、さっぱりと
した使用感で、目への刺激も少なく、使用性も簡便であ
る皮膚洗浄剤組成物に関する。 【０００２】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
口紅、ファンデーション、マスカラ、アイシャドウ等の
油分を含むメイクアップ化粧料の使用後に使う、いわゆ
るメイク落とし剤において、これら化粧料には多量の油
分が含まれているため、油汚れとしての油分を通常の石
けん（脂肪酸塩）を主成分とする洗顔剤によって除去し
ようとしても、油分に対する可溶化能、乳化能が充分で
ないために完全に油分を除去することができない。それ
で、これらのメイクアップ化粧料の除去のためには、油
性基剤を主体とするクレンジングクリーム、クレンジン
グオイル、クレンジングジェル等のメイクアップ落とし
用の洗顔化粧料が使用されているのが現状である。しか
しながら、これら従来の油成分含有のクレンジング化粧
料は、使用後すすいでも皮膚上に油分が残って、さっぱ
りとした感触が得られない。そのため、使用後にさらに
通常の洗顔剤で洗顔する過程が必要となり、二度洗顔す
ることとなるため、使用上の煩雑さを伴う。一方、洗顔
後さっぱりとした感触にするためにアニオン界面活性剤
などを配合する試みもなされているが、目の周りのメイ
クを落とす場合など、目に刺激感を感じるという問題も
ある。 【０００３】さらに、従来技術として、例えば、分岐脂
肪族アルコールエチレンオキシド付加物を配合した水中
油型乳化組成物が、クレンジング料として開示されてい
る（特開昭６１−２９１０３５号公報）。しかし、この
ものを追試すると、前述の通りクレンジング料に油性基
剤が含有されているために、使用時にべたつき、さらに
追加の洗顔が必要となる。また、特開平７−６９８２９
号公報にはこの点を改良した皮膚洗浄料が提案されてい
るが、目の周りのメイク落としには刺激の点で充分とは
言えない。 【０００４】そこで、本発明はメイク落とし、皮脂汚れ
落としなどにすぐれた洗浄効果を有し、さっぱりとした
使用感で、目への刺激も少なく、二度洗顔が不要の使用
性の簡便な皮膚洗浄剤組成物を提供することを目的とす
る。 【０００５】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者らは、鋭意研究した結果、特定のポリオキ
シエチレンヘキシルデシルエーテルと、β−アラニン型
両性界面活性剤を含有する組成物は、メイク落としや皮
脂汚れ落としなどに優れた洗浄効果を有し、さっぱりと
した使用感で、目への刺激も少なく、使用性も簡便であ
る皮膚洗浄剤組成物であることを見出し、本発明に至っ
た。 【０００６】すなわち、酸化エチレンの平均重合度が１
０から３０のポリオキシエチレンヘキシルデシルエーテ
ルと、下記一般式 【０００７】 【化２】 【０００８】（式中、Ｒは炭素数６〜１８の炭化水素
基、ｍ，ｎは整数でｍ＝０〜９、ｎ＝１〜１０、ｍ＋ｎ
＝１〜１０、またＭ₁ は水素、アルカリ金属、アンモニ
ウムあるいは有機アミンを示す。） 【０００９】で表されるβ−アラニン型両性界面活性剤
とを含有してなる皮膚洗浄剤組成物によって、この目的
は達成される。 【００１０】以下、本発明について詳述する。 【００１１】 【発明の実施の形態】本発明に用いられるポリオキシエ
チレンヘキシルデシルエーテルの酸化エチレンの重合度
は１０から３０であり、好ましくは１５から２５であ
る。平均重合度が１０未満では刺激性が生じ、３０を超
えるとメイクアップを落とす効果が充分ではない。 【００１２】本発明に用いられる前記一般式で表される
β−アラニン型両性界面活性剤において、Ｒは炭素数６
〜１８の炭化水素基であって、例えばオクチル、デシ
ル、ラウリル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、
イソステアリルなどの単独アルキルあるいはこれらの混
合したものが挙げられ、ｍは０〜９の整数、ｎは１〜１
０の整数であり、かつｍ＋ｎは１〜１０の整数、またＭ
₁ は水素またはＮａ、Ｋなどのアルカリ金属、またはア
ンモニウム、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
具体的には、Ｎ−（２−ヒドロキシドデシル）−Ｎ−
（２−ヒドロキシエチル）−β−アラニンナトリウム
塩、Ｎ−（２−ヒドロキシドデシル）−Ｎ−（ポリオキ
シエチレン（３Ｅ．Ｏ．））−β−アラニンナトリウム
塩、Ｎ−（２−ヒドロキシアルキル）−Ｎ−（２−ヒド
ロキシエチル）−β−アラニントリエタノールアミン塩
などがある。 【００１３】本発明に用いられるポリオキシエチレンヘ
キシルデシルエーテルは、量的に不足するとメイク落ち
が充分でなくなる傾向にある。一方、β−アラニン型両
性活性剤が量的に不足すると洗顔後のさっぱりとした感
触がなくなる傾向にあり、泡立ちも充分でなくなる傾向
にアる。これらのことから、本発明のポリオキシエチレ
ンヘキシルデシルエーテルとβ−アラニン型両性界面活
性剤との配合割合は、重量比で１０：１〜１：５の範囲
が好ましく、両者の合計配合量は洗浄剤全量中の５〜７
０重量％の範囲が好ましい。 【００１４】本発明の皮膚洗浄剤組成物には、上記の必
須成分のほかに、必要に応じ一般的に洗浄剤や化粧料な
どに用いられる成分を配合することも可能である。例え
ば、水溶性高分子としてカルボキシビニルポリマー、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、キサンタンガムやカラギニンなど、多価ア
ルコールとしてグリセリン、ジプロピレングリコール、
ポリエチレングリコール、１，３−ブタンジオールやイ
ソプレングリコールなど、アシルアミノ酸塩やポリオキ
シエチレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩などのアニオン
界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミドやアルキルアミ
ンオキシドなどの非イオン界面活性剤、ポリオキシプロ
ピレン・メチルポリシロキサン共重合体、殺菌剤、紫外
線吸収剤、クエン酸、リンゴ酸、グリコール酸などのpH
調整剤、香料などが挙げられる。 【００１５】本発明の皮膚洗浄剤組成物は、上記の必須
成分と前述の一般的成分を常法により混合することで製
造することができる。こうして得られる本発明組成物
は、メイクアップ化粧料などの汚れのある皮膚に塗布
し、必要に応じてマッサージし、水で洗い流すことによ
って用いられ、メイク落としと洗顔の両方の働きがあ
る。 【００１６】本発明の皮膚洗浄剤組成物は、剤型として
液状、泡状、ゼリー状等とすることができ、スプレータ
イプとしても使用できる。 【００１７】 【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。なお、効果の測定は以下の評価法によった。 【００１８】「メイク落とし効果試験」各試料につき、
２０名のパネラーを用い、前腕内側部の測定部位３×３
cmの範囲に口紅を１５mg均一に塗布し、各試料０．５g
を指を用いて塗布部全体に６０秒間なじませた後、６０
秒間流水で洗い流した。乾燥後、測定部位を肉眼で観察
し、次のように評価した。 評価記号 評価基準 ◎ 口紅の残留を認めず、メイク落とし効果良好と答えた人が１６名 以上の場合 ○ 口紅の残留を認めず、メイク落とし効果良好と答えた人が１２〜 １５名の場合 △ 口紅の残留を認めず、メイク落とし効果良好と答えた人が７〜１ １名の場合 × 口紅の残留を認めず、メイク落とし効果良好と答えた人が６名以 下の場合 【００１９】「洗顔後のさっぱり感」女性パネラー２０
名により、試料の皮膚洗浄剤組成物で洗顔後、顔のさっ
ぱり感について下記評価基準で評価を行った。 評価記号 評価基準 ◎ 『さっぱり感』があると答えた人が１６名以上の場合 ○ 『さっぱり感』があると答えた人が１２〜１５名の場合 △ 『さっぱり感』があると答えた人が７〜１１名の場合 × 『さっぱり感』があると答えた人が６名以下の場合 【００２０】「洗顔時の刺激感」女性パネラー２０名に
より、試料の皮膚洗浄剤組成物で洗顔時、目への刺激感
について下記評価基準で評価を行った。 ○ 目への刺激感がないと答えた人が１８名以上の場合 △ 目への刺激感がないと答えた人が１２〜１７名の場合 × 目への刺激感がないと答えた人が１１名以下の場合 【００２１】実施例１〜４、比較例１〜６ 表１、２に示す配合組成の皮膚洗浄剤を通常の方法で調
製し、各必須成分の効果を調べ、その結果を表１、２に
併せて示した。なお、配合量は重量％（以下、ｗｔ％と
略す。）である。 【００２２】 【表１】【００２３】 【表２】【００２４】実施例１〜４より明らかなように、本発明
の成分を用いた皮膚洗浄剤はいずれも優れた性能を示し
ていた。一方、必須成分のどちらかを欠いた比較例１、
２では、充分な性能が得られていない。また、必須成分
の一つと、一般的皮膚洗浄剤に使用される成分との組合
せ（比較例３〜６）でも、評価が劣っていた。 【００２５】実施例５ 次に示す皮膚洗浄剤組成物を調製し、前記の方法にて評
価した。いずれの項目も実施例１〜４と同様に優れた評
価結果であった。 （ｗｔ％） １．ポリオキシエチレン（１５E.O.) ヘキシルデシルエーテル ２０．０ ２．「一般式」でＲはＣ₁₀，ｍ＝０，ｎ＝１， Ｍ₁ はナトリウムである成分（４） ４．０ ３．１，３−ブタンジオール １０．０ ４．ヒドロキシプロピルメチルセルロース １．０ ５．香料 適量 ６．精製水 残余 【００２６】実施例６ 次に示す皮膚洗浄剤組成物を調製し、前記の方法にて評
価した。その結果、メイク落とし効果に優れ、洗顔後も
さっぱりとした感触で、目への刺激感も無かった。 （ｗｔ％） １．ポリオキシエチレン（２５E.O.）ヘキシルデシルエーテル １５．０ ２．「一般式」でＲはＣ₁₂，ｍ＝０，ｎ＝２， Ｍ₁ はトリエタノールアミンである成分（５） １０．０ ３．３−メチル−１，３−ブタンジオール ８．０ ４．ラウロイルアスパラギン酸トリエタノールアミン ２．０ ５．ソルビトール ５．０ ６．香料 適量 ７．精製水 残余 【００２７】 【発明の効果】以上記載のように、本発明がメイク落と
し、皮脂汚れ落としなどに優れた洗浄効果を有し、さっ
ぱりとした使用感で、目への刺激も少なく、さらに使用
性も簡便な皮膚洗浄剤組成物を提供することは明らかで
ある。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61K 7/50 C11D 1/88 C11D 7/26

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 酸化エチレンの平均重合度が１０から３
   ０のポリオキシエチレンヘキシルデシルエーテルと、下
   記一般式 【化１】 （式中、Ｒは炭素数６〜１８の炭化水素基、ｍ，ｎは整
   数でｍ＝０〜９、ｎ＝１〜１０、ｍ＋ｎ＝１〜１０、ま
   たＭ₁ は水素、アルカリ金属、アンモニウムあるいは有
   機アミンを示す。）で表されるβ−アラニン型両性界面
   活性剤とを含有してなる皮膚洗浄剤組成物。