JP3405441B2 - 液漏れ防止キャップ - Google Patents

液漏れ防止キャップ

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JP3405441B2 JP01602898A JP1602898A JP3405441B2 JP 3405441 B2 JP3405441 B2 JP 3405441B2 JP 01602898 A JP01602898 A JP 01602898A JP 1602898 A JP1602898 A JP 1602898A JP 3405441 B2 JP3405441 B2 JP 3405441B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、液漏れ防止キャップ
に係り、特に橋脚上に橋梁の幅方向にプレストレスコン
クリート製の橋桁を複数並べ、各橋桁の幅方向に貫通さ
れたシース内にPCケーブルを緊張して配置し、このP
Cケーブルの両端を並べた橋桁の両端に位置する橋桁の
側面部に固定金具で固定して、その後上記シース内にグ
ラウトを圧入し上記複数の橋桁を一体化するに際して、
固定金具とPCケーブルの端部を覆い、シース内に圧入
されるグラウトが外部に漏れるのを防止する液漏れ防止
キャップに関する。
【0002】
【従来の技術】プレストレストコンクリートの橋梁を架
橋するに際しては、橋脚間にプレストレスコンクリート
製の複数の橋桁を幅方向に並べ、これら複数の橋桁を一
体化するものとしている。
【0003】このような場合、各橋桁には、その幅方向
に貫通孔が開設され、この貫通孔には筒状のシースが嵌
装されている。これらの橋桁を連結して一体化するに
は、並べられた各橋桁の各シースにピアノ線(PCケー
ブル)を挿入して連通し、このPCケーブルの一端を並
べられた橋桁のうちの片方に固定金具で固定し、PCケ
ーブルの他端を専用ジヤツキで緊張し、PCケーブルを
緊張させたままPCケーブルの他端を並べられた橋桁の
うちの他端に配置した橋桁に固定金具で固定するように
している。
【0004】この固定金具は、例えばPCケーブルの端
部を挟み込む割り円筒状のくさび状のチャック部材と、
このチャック部材が挿入される筒状のグリップ部材とで
構成され、このグリップ部材と橋桁の側面との間にはア
ンカープレートが配置される。
【0005】次に、セメントのミルク状液(グラウト)
がシースと上記PCケーブルの隙間に圧入され、PCケ
ーブルをグラウト内に埋め込むようにする。このグラウ
トは専用ポンプでケーブルの両端に設けられたアンカー
プレートに開設されたグラウト注入用孔に取り付けられ
た注入パイプから圧入される。
【0006】このとき、グラウトが上記チャック部材の
隙間からグラウトが漏れてしまうことがあるため、この
グラウト漏れ防止するためセメント、砂、水を混練した
モルタルをだんご状にして、固定金具の先端を塗り固る
ようにしていた。
【0007】しかし、通常の一本の橋でPCケーブルの
数は40〜60本あり、その両端において固定金具はそ
の両端に80〜120本程度あるため、固定金具先端の
モルタルの塗り固めには時問的、労力的に多くの手間が
必要となるし、またモルタルで周囲が汚れるためこの汚
れを取り除く手間がかかる他、モルタルの硬化を待って
グラウト注入を行わなければならないため、注入作業の
開始がモルタルの硬化後となり遅くなると共に、また雨
天時にはモルタルの塗り固めが行えない等の不具合があ
った。
【0008】そこで本発明の発明者は、これらの不具合
を解消するため、次のように液漏れ防止キャップを提案
している(実公平5−2643号参照)。
【0009】この液漏れ防止キャップ100は、図8に
示すように、一端側にPCケーブル2の端部2a及び固
定金具5であるチャック部材3及びグリップ部材4を挿
入する開口を備えた弾性を有する合成樹脂製の有底筒状
部材である。
【0010】即ち、この液漏れ防止キャップ100は、
上記PCケーブル2の端部2aを覆う小円筒部101
と、上記グリップ部材4を覆う大円筒部102と、上記
小円筒部101と大円筒部102とを連結すると共にチ
ャック部材3を覆う連結部103と、上記小円筒部10
1の端部に形成された蓋部104とからなり、上記PC
ケーブル2の端部2aと上記チャック部材3及びグリッ
プ部材4の形状に沿った有底の段付き円筒形状をなして
いる。
【0011】この例に係る液漏れ防止キャップ100
は、図9に示すように、円筒状の取り付け治具105を
とハンマ106を用いて、PCケーブル2及び固定金具
5にはめ込まれて取り付けられる。すると、図8に示す
ように液漏れ場所であるチャック部材3及びPCケーブ
ル2の先端との間が液漏れ防止キヤップ100で覆わ
れ、かつその液漏れ防止キャップ100の内周面102
aがグリップ部材4の外周面に密着嵌装され、PCケー
ブルの端部付近は密閉状態となり、グラウトが漏れ出る
ことがなくなる。
【0012】尚、図8中符号6はアンカープレート、7
はアンカープレートに取り付けられた圧入パイプ、8は
アンカープレート6と橋桁1との間をシールするシール
材、9は橋桁1に挿入されたシースを示している。
【0013】この例にかかる液漏れ防止キャップ100
によれば、液漏れ防止キャップ100を取り付けた直後
にグラウト注入作業ができる他、モルタルだんごの取り
付けに要する手間がいらず、モルタルを下に落とし汚れ
ることもない。また、液漏れ防止が完全であるので施工
管理上確実性があり、ゴム性キヤップのため雨の中でも
作業ができる等の利点を有するものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで近年、コンク
リート標準示方書が改定されグラウトに関する仕様の変
更に伴い、上述したシース内へのグラウトの注入圧力が
例えば約8kg/cm2と高くなった。しかしながら、
上述した従来の液漏れ防止めキャップ100では、キャ
ップ100をその素材である合成樹脂の弾力でグリップ
部材4に取り付けているだけであるので、グラウトの注
入圧で液漏れ防止キャップ100がグリップ部材4から
外れてグラウトが漏れ出てしまうおそれがある。
【0015】そこで本発明は、グラウトの注入圧を高く
したとしても、固定金具から外れることなく、グラウト
が漏れ出ることのない液漏れ防止キャップを提供するこ
とを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本出願において上記の課
題を解決するための手段は、以下のものである。
【0017】請求項1に係る液漏れ防止キャップは、一
端に開口を備えた有底段付き筒形状に形成してPCケー
ブルの端部と固定金具に被せて使用するキャップ部材
と、このキャップ部材に嵌装して上記キャップ部材の開
口側端部を縮径方向に押圧し上記固定金具に上記キャッ
プ部材を固定する固定リング部材とを備え、上記キャッ
プ部材の開口側端部の外周面には開口側に向かって拡開
する傾斜面を設けるとともに上記固定リング部材の内周
面には上記キャップ部材の傾斜面と同一の勾配の傾斜面
を設け、上記固定リング部材と上記キャップ部材との両
傾斜面の作用により上記キャップ部材の開口側端部が縮
径する方向へ圧縮して上記キャップ部材の内周面を上記
固定金具の外周面に密着させることを特徴とするもので
ある。
【0018】上記液漏れ防止キャップによれば、固定金
具によって固定されたPCケーブルの端部と固定金具と
にキャップ部材を被せ、このキャップ部材に固定リング
部材を嵌装して上記キャップ部材の開口方向に移動させ
ると、固定リング部材の内周面に設けた傾斜面がキャッ
プ部材の開口側端部の外周面に設けた傾斜面に当接し
て、キャップ部材の開口側端部を縮径する方向へ押圧
し、キャップ部材の開口側端部が圧縮されてキャップ部
材の内周面を固定金具の外周面に密着させ、キャップ部
材が固定金具に確実に取り付けられる。したがって、キ
ャップ部材の開口側端部の内周面が固定金具の外周面に
密着するから、キャップ部材がグラウトの注入圧によっ
て固定金具から外れることがなく、またグラウトが漏れ
出ることもなくなる。
【0019】請求項2に係る液漏れ防止キャップは、一
端に開口を備えた有底段付き筒形状に形成してPCケー
ブルの端部と固定金具に被せて使用するキャップ部材
と、このキャップ部材の開口側端部の内面側に嵌装され
上記固定金具の外周に嵌着されて上記キャップ部材の開
口側端部により押圧されて上記固定金具に密着する固定
リング部材とを備え、上記キャップ部材の開口側端部の
内周面には開口側に向かって窄まる傾斜面を設けるとと
もに上記固定リング部材の外周面には上記キャップ部材
の傾斜面と同一の勾配の傾斜面を設け、上記キャップ部
材が反開口側へ引かれるとき、上記固定リング部材と上
記キャップ部材との両傾斜面の作用により、上記キャッ
プ部材が上記固定リング部材を介して上記固定金具の外
周面に密着することを特徴とするものである。
【0020】上記液漏れ防止キャップによれば、固定金
具によって固定されたPCケーブルの端部と固定金具に
キャップ部材を被せ、キャップ部材の内面側に嵌装され
た固定リング部材を固定金具の外周側に嵌装して、キャ
ップ部材が反開口側へ引かれるとき、あるいはPCケー
ブルが引き抜かれる方向へ上記固定金具に負荷が加えら
れるとき、固定リング部材とキャップ部材との両傾斜面
の作用により固定リング部材の内周面が固定金具の外周
面に強力に押し付けられ、キャップ部材が固定リング部
材を介して固定金具と密着し、固定リング部材と共にキ
ャップ部材が固定金具に確実に取り付けられる。したが
って、キャップ部材は固定リング部材と共に固定金具に
確実に取り付けられ、グラウトの注入圧によって固定金
具から外れることがなく、またグラウトは漏れ出ること
がなくなる。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【発明の実施の形態】以下本発明に係る、液漏れ防止キ
ャップの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0026】〔第1の実施の形態〕図1乃至図5は本発
明に係る第1の実施の形態に係る液漏れ防止キャップを
示すものである。
【0027】本例に係る液漏れ防止キャップ40は、従
来例に示した液漏れ防止キャップと同様に橋脚上に幅方
向に複数並べた各プレストレスコンクリート製橋桁1の
シース内を貫通したPCケーブル2の端部2aと、この
PCケーブルを固定する固定金具5であるチャック部材
3とグリップ部材4に被せて使用する。この固定金具5
及びアンカープレート6の構成は従来例で示したものと
同一であるので同一部材には同一の符号を付してその詳
細な説明は省略する。
【0028】本例では、図1及び図2に示すように、液
漏れ防止キャップ40は、PCケーブル2の端部2aと
上記チャック部材3及びグリップ部材4からなる固定金
具5が挿入される開口11を一端に備えると共に、上記
PCケーブル2の端部2a、上記チャック部材3及びグ
リップ部材4の形状に沿わせた有底の段付き筒形状に形
成されたキャップ部材10と、このキャップ部材10の
開口11側端部の外側に嵌装され、該キャップ部材10
の開口11側に移動させられることによりキャップ部材
10を縮径する方向に圧縮して、上記キャップ部材10
をグリップ部材4に固定する固定リング部材30とから
なる。
【0029】そして、本例では、キャップ部材10の外
周面12及び固定リング部材30の内周面31には固定
リング部材30を該キャップ部材10の開口11の方向
に移動させた時に、キャップ部材10の内周面13が上
記グリップ部材4の外周面31に押しつけられる傾斜面
14,32を対として形成している。
【0030】即ち、本実施例では、キャップ部材10
は、ポリプロピレン等の合成樹脂で一体に形成され、上
記PCケーブル2の端部2aを覆う小円筒部15と、上
記グリップ部材4を覆う大円筒部16と、上記小円筒部
16と大円筒部16とを連結すると共にチャック部材3
を覆う連結部17と、上記小円筒部15の端部に形成さ
れた蓋部18とからなり、上記PCケーブル2の端部2
aと上記チャック部材3及びグリップ部材4の形状に沿
った形状をなしている。このキャップ部材10の大きさ
形状は、使用するPCケーブル2の直径、固定金具5の
大きさ形状によって適宜変更すればよい。
【0031】そして、大円筒部16の外側面は上記キャ
ップ部材10の外側面12をなし、開口方向に向かって
拡開し、上記対となる傾斜面対14を形成している。こ
の傾斜面14は、軸方向に対する勾配(φ1 −φ2 )/
2L1 (図2(1)参照)が1/50程度(L1 :軸方
向の寸法約50mm、(φ1 −φ2 ):直径の変化約2
mm)のものである。
【0032】また、固定リング部材30は、同様にポリ
プロピレン等の合成樹脂で形成され、上記キャップ部材
10の大円筒部の外側に嵌まる環状部材であり、その内
径は上記キャップ部材10の大円筒部の最大径と最小径
との間の寸法とされ、この内周面31には上記キャップ
部材10の傾斜面14と同一の勾配の傾斜面32が形成
されている。尚、図中符号33は、固定リング部材補強
用の鍔部を示している。
【0033】また、本例ではキャップ部材10の大円筒
分の内周面には、図2及び図3に示すように、断面半円
径(例えば直径0.5mm)の環状の突部19が内周に
沿って、キャップ部材10の軸方向に一定間隔(例えば
8mm)を隔てて形成されている。これらの突部19
は、キャップ部材10をグリップ部材4に被せたとき、
キャップ部材10とグリップ部材4との間のシールを行
なうと共に滑り止めとしての作用をなす。
【0034】さらに、本例では、キャップ部材10の大
円筒井部16の外周面には、図1及び図4に示すよう
に、半球状(例えば直径0.8mm)の突起20が円周
上等角度(例えば120°)を隔てて形成されている。
これらの突起20は、固定リング部材30をキャップ部
材に取り付けて搬送する時に、キャップ部材10から固
定リング部材30が外れないようにする外れ止めとして
の作用をなす。
【0035】本例に係る液漏れ防止キャップ40を使用
するときには、先ず、キャップ部材10をPCケーブル
2の先端2aが固定されたチャック部材3及びグリップ
部材4に被せる。このとき、固定リング部材30は、キ
ャップ部材10に緩く取り付けられた状態であり、キャ
ップ部材10や容易にチャック部材3及びグリップ部材
4に取り付けることができる。
【0036】そして、図5に示すように、固定リング部
材30だけを押し込むことができる円筒状の取り付け治
具21とハンマ22とを用いて、PCケーブル2及び固
定金具5に取り付けられたキャップ部材10の外周に取
り付けられた固定リング部材をキャップ部材10の開口
11方向に押し込むと、キャップ部材10の外周面12
及び固定リング部材30の内周面31に対として形成さ
れた傾斜面14,32の楔作用によって、キャップ部材
10の内周面13が上記固定金具5の外周面に強力に押
しつけられ、キャップ部材10は固定金具5に確実に取
り付けられる。
【0037】従って、本実施の形態に係る液漏れ防止キ
ャップ40によれば、グラウトの注入圧を高くしたとし
ても、チャック部材3及びグリップ部材4からなる固定
金具から外れることなく、グラウトが漏れ出るのを防止
することができる。しかも、液漏れ防止キャップ40の
取り付けは、キャップ部材10を固定金具5に取り付
け、固定リング部材30を取り付け治具21とハンマ2
2とでキャップ部材10にたたき込むだけであるので、
その取付作業を容易かつ確実なものとすることができ
る。
【0038】〔第2の実施の形態〕図6及び図7は本発
明に係る第1の実施の形態に係る液漏れ防止キャップを
示すものである。
【0039】本例に係る液漏れ防止キャップ80は、第
1の実施の形態に示した液漏れ防止キャップと同様に橋
脚上に幅方向に複数並べた各プレストレスコンクリート
製橋桁1のシース内を貫通したPCケーブル2の端部2
aと、このPCケーブル2を固定する固定金具5である
チャック部材3とグリップ部材4に被せて使用する。
【0040】本例では、図6及び図7に示すように、液
漏れ防止キャップ80は、PCケーブル2の端部2aと
上記チャック部材3及びグリップ部材4からなる固定金
具5が挿入される開口51を一端に備えると共に、上記
PCケーブル2の端部2a、上記チャック部材3及びグ
リップ部材4の形状に沿わせた有底の段付き筒形状に形
成されたキャップ部材50と、このキャップ部材50の
開口51側端部の内側に嵌装され、該キャップ部材50
が開口51の反対側に移動させられることによりキャッ
プ部材50の内周面52がその外周面71に密着される
固定リング部材70とからなる。
【0041】そして、本例では、キャップ部材50の内
周面52及び固定リング部材70の外周面71にはキャ
ップ部材50がキャップ部材50の開口51と反対の方
向に移動した時に、キャップ部材50の内周面52が固
定リング部材70の外周面71に押圧され圧着される傾
斜面54,72を対として形成している。
【0042】即ち、本例では、キャップ部材50は、ポ
リプロピレン等の合成樹脂で一体に形成され、上記PC
ケーブル2の端部2aを覆う小円筒部55と、上記グリ
ップ部材4を覆う大円筒部56と、上記小円筒部56と
大円筒部56とを連結すると共にチャック部材3を覆う
連結部57と、上記小円筒部56の端部に形成された蓋
部58とからなり、上記PCケーブル2の端部2aと上
記チャック部材3及びグリップ部材4の形状に沿った形
状をなしている。
【0043】そして、大円筒部56の内側面は上記キャ
ップ部材50の内側面52をなし、開口方向に向かって
窄まり、上記対となる傾斜面54を形成している。尚、
図中符号59は固定リング部材70の抜け止め用の鍔、
符号60は固定リング部材70をキャップ部材50の大
円筒部56内で停止させる段部を示している。
【0044】この傾斜面は例えば軸方向に対する勾配
(φ3 −φ4 )/2L2 (図7(1)参照)が1/50
程度(L2 :軸方向の寸法約30mm、(φ3
φ4 ):直径の変化約1.5mm)のものである。ま
た、固定リング部材70は、同様にポリプロピレン等の
合成樹脂で形成され、上記グリップ部材4の外側に嵌装
できる環状部材であり、外周面71には上記キャップ部
材50の傾斜面54と同一の勾配の傾斜面72が形成さ
れている。
【0045】また、本例では固定リング部材70の内周
面には、図7に示すように、断面を三角形状としその先
端を抜け側方向に向けた環状の突部74(例えば高さ
0.5mm)が内周に沿って、固定リング部材70の軸
方向に一定間隔(例えば1.25 mm)に形成されて
いる。これらの突条は、キャップ部材をグリップ部材4
に被せたとき、キャップ部材とグリップ部材4との間の
シールを行なうと共に抜け止めとしての作用をなす。
【0046】本例に係る液漏れ防止キャップ80を使用
するときには、図6に示したように、キャップ部材50
内に固定リング部材70を挿入した状態とし、固定リン
グ部材70をキャップ部材50内に挿入したまま、キャ
ップ部材50をPCケーブル2の先端が固定されたグリ
ップ部材4にハンマと取付治具を用いて取り付ける。す
ると、固定リング部材70は、キャップ部材50の段部
60に押圧されて、グリップ部材に嵌装される。
【0047】この状態で、固定リング部材70はグリッ
プ部材4に嵌装され、さらに、上記突起74の圧縮作用
で強固にグリップ部材4に取り付けることができる。ま
た、固定リング部材70は、キャップ部材50の段部6
0に接触した位置にあり、両傾斜面54,72同士は密
着した状態ではない。
【0048】次に、この状態でキャップ部材50を反開
口側に引くと、キャップ部材50の内周面52及び固定
リング部材70の外周面71に対として形成された傾斜
面54,72の楔作用によって、キャップ部材50の内
周面52が上記固定リング部材70の外周面71に強く
押しつけられ、キャップ部材は、固定リング部材を介し
て固定金具5に確実に取り付けられる。
【0049】従って、本実施の形態に係る液漏れ防止キ
ャップによれば、グラウトの注入圧を高くしたとして
も、チャック部材及びグリップ部材からなる固定金具か
ら外れることなく、グラウトが漏れ出るのを防止するこ
とができる。しかも、液漏れ防止キャップの取り付け
は、固定リング部材を取り付け治具とハンマとでキャッ
プ部材にたたき込みキャップ部材を反開口方向に引くだ
けであるので、その取付作業を容易かつ確実なものとす
ることができる。
【0050】尚、上記各実施の形態では、液漏れ防止キ
ャップ50,80の材質をポリプロピレンとして説明し
たが、液漏れ防止キャップは他の合成樹脂、ゴム、金属
その他の材質形成してもよい。また、液漏れ防止キャッ
プのキャップ部材10,40や固定リング部材30,7
0の形状は必要に応じて適宜変更することができ、突起
19,74、凸部20は省略してもよい。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は以上のよ
うな構成及び作用を備えるので、液漏れ防止キャップを
グラウトの注入圧を高くしたとしても、固定金具から外
れることなく、グラウトが漏れ出ることのないものとす
ることができるという効果を有する。
【0052】特に、請求項1に係る液漏れ防止キャップ
では、固定金具によって固定されたPCケーブルの端部
と固定金具とにキャップ部材を被せ、このキャップ部材
に固定リング部材を嵌装してキャップ部材の開口方向に
移動させると、固定リング部材の内周面に設けた傾斜面
がキャップ部材の開口側端部の外周面に設けた傾斜面に
当接して、キャップ部材の開口側端部を縮径する方向へ
押圧し、固定リング部材とキャップ部材との両傾斜面の
作用によりキャップ部材が縮径する方向へ圧縮されてキ
ャップ部材の内周面を固定金具の外周面に密着させてキ
ャップ部材が固定金具に確実に取り付けることができ
る。このため、キャップ部材は固定リング部材によって
固定金具に確実に取り付けられ、グラウトの注入圧によ
る固定金具の外れを防止でき、またグラウトが漏れ出る
ことを防止することができる。
【0053】また、請求項2に係る液漏れ防止キャップ
によれば、固定金具によって固定されたPCケーブルの
端部と固定金具にキャップ部材を被せ、キャップ部材の
内面側に嵌装された固定リング部材を固定金具の外周側
に嵌装して、キャップ部材が反開口側へ引かれるとき、
あるいはPCケーブルが引き抜かれる方向へ固定金具に
負荷が加えられるとき、固定リング部材とキャップ部材
との両傾斜面の楔作用により固定リング部材の内周面が
固定金具の外周面に強力に押し付けられ、キャップ部材
が固定リング部材を介して固定金具と密着し、固定リン
グ部材と共にキャップ部材が固定金具に確実に取り付け
ることができる。このようにキャップ部材は固定リング
部材と共に固定金具に確実に取り付けられるため、グラ
ウトの注入圧による固定金具の外れを防止でき、またグ
ラウトの漏出を防止することができる。
【0054】
【0055】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る液漏れ防止キ
ャップをPCケーブルの端部、及び固定金具と共に示す
斜視図である。
【図2】図1に示した液漏れ防止キャップを示す図であ
り、(1)はキャップ部材、(2)は固定リング部材を
示す断面図である。
【図3】図1に示した液漏れ防止キャップの図1中III
部の拡大図である。
【図4】(1)は図1に示した液漏れ防止キャップの図
2(1)中IV部の拡大図、(2)は(1)中ii部の拡大
図である。
【図5】図1に示した液漏れ防止キャップの取り付けの
状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る液漏れ防止キ
ャップの部分切欠き斜視図である。
【図7】図6に示した液漏れ防止キャップを示す図であ
り、(1)はキャップ部材、(2)は固定リング部材を
示す断面図、(3)は(2)中のiii部拡大図である。
【図8】従来の液漏れ防止キャップをPCケーブル端
部、固定金具、及びアンカープレートと共に示す断面図
である。
【図9】図8に示した液漏れ防止キャップの取り付けの
状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 橋桁 2 PCケーブル 3 チャック部材 4 グリップ部材 5 固定金具 6 アンカープレート 10 キャップ部材 11 開口 12 外周面 13 内周面 14 傾斜面 30 固定リング部材 31 内周面 32 傾斜面 40 液漏れ防止キャップ 50 キャップ部材 51 開口 52 内周面 54 傾斜面 70 固定リング部材 71 外周面 72 傾斜面 80 液漏れ防止キャップ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01D 19/10 E01D 1/00 E04G 21/12 E04C 5/12 E02D 5/80

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一端に開口を備えた有底段付き筒形状に形
    成してPCケーブルの端部と固定金具に被せて使用する
    キャップ部材と、このキャップ部材に嵌装して上記キャ
    ップ部材の開口側端部を縮径方向に押圧し上記固定金具
    に上記キャップ部材を固定する固定リング部材とを備
    え、上記キャップ部材の開口側端部の外周面には開口側
    に向かって拡開する傾斜面を設けるとともに上記固定リ
    ング部材の内周面には上記キャップ部材の傾斜面と同一
    の勾配の傾斜面を設け、上記固定リング部材と上記キャ
    ップ部材との両傾斜面の作用により上記キャップ部材の
    開口側端部が縮径する方向へ圧縮して上記キャップ部材
    の内周面を上記固定金具の外周面に密着させることを特
    徴とする液漏れ防止キャップ。
  2. 【請求項2】一端に開口を備えた有底段付き筒形状に形
    成してPCケーブルの端部と固定金具に被せて使用する
    キャップ部材と、このキャップ部材の開口側端部の内面
    側に嵌装され上記固定金具の外周に嵌着されて上記キャ
    ップ部材の開口側端部により押圧されて上記固定金具に
    密着する固定リング部材とを備え、上記キャップ部材の
    開口側端部の内周面には開口側に向かって窄まる傾斜面
    を設けるとともに上記固定リング部材の外周面には上記
    キャップ部材の傾斜面と同一の勾配の傾斜面を設け、上
    記キャップ部材が反開口側へ引かれるとき、上記固定リ
    ング部材と上記キャップ部材との両傾斜面の作用によ
    り、上記キャップ部材が上記固定リング部材を介して上
    記固定金具の外周面に密着することを特徴とする液漏れ
    防止キャップ。
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