JP3404847B2 - 流量制御方法 - Google Patents

流量制御方法

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JP3404847B2
JP3404847B2 JP33973793A JP33973793A JP3404847B2 JP 3404847 B2 JP3404847 B2 JP 3404847B2 JP 33973793 A JP33973793 A JP 33973793A JP 33973793 A JP33973793 A JP 33973793A JP 3404847 B2 JP3404847 B2 JP 3404847B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス等の比較的小流量
の流体の流量を制御する流量制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体製品等を製造するために
は、半導体ウエハ等に対して例えばCVD成膜やエッチ
ング操作が繰り返し行われるが、この場合に微量の処理
ガスを精度良く制御する必要から例えば精密ガス流量制
御装置が用いられている。この種のガス流量制御装置
は、微量ガスの質量流量を検出するセンサ部と、バルブ
部と、これを制御する制御回路部とにより主に構成され
ている。センサ部は、全ガス量の僅かな比率の量が通過
するセンサ管に電熱コイルを巻回してなるセンサを有し
ており、大部分のガスはバイパスを流れるようになって
いる。そして、このセンサ部での検出値に基づいて制御
回路部はバルブ部の弁開度を制御し、設定値のガス流量
を流すようになっている。また、弁開度を制御するに
は、全体のガス流量自体が非常に少ないことから例えば
数10μm程度のストローク範囲内で精度良く弁開度を
制御しなければならず、このためにアクチュエータとし
て小さなストローク範囲内で大きな推力変化を生ぜしめ
ることができることから、一般的には積層型圧電素子体
が用いられており、これにより設定値に基づいてダイヤ
フラムよりなる弁体の弁開度を操作するようになってい
る。
【0003】ところで、バルブの弁開度すなわち操作量
を制御してガス流量をコントロールする方式としては、
位置PID制御方式や速度型PID制御方式等が知られ
ており、また、ガス流量の制御に際しては、急激なガス
流の流れ込みにより半導体処理室内に製品の欠陥の原因
となるパーティクルが巻き上がらないように制御する必
要がある。従って、パーティクルの発生原因となるオー
バシュートの発生は極力抑制しなければならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した位
置PID制御の制御式は、一般的にはデジタル系におい
て下記に示す数1のように表される。
【0005】
【数1】
【0006】ここでmn は、n番目のバルブの操作量、
kは比例定数を、Tsはサンプリング時間、Tiは積分
時間(時間の概念が入った定数)、en は設定値に対す
る実際の操作量の偏差、Tdは微分時間により定まる定
数、m0 は必要に応じて付加されるバイアス量をそれぞ
れ示す。従って、Ts/TiΣen の項は積分項を表し
て偏差の積み上げが求められ、Td/Ts(en −e
n-1 )の項は微分項を表し、偏差の勾配が求められてい
る。
【0007】この積分項によれば、例えば厳密性が要求
される処理炉の温度コントロールにおいて僅かな偏差が
あってもこれが積み上げられて修正されるため好ましい
が、全体として応答性は緩慢である。また、設定値を変
化した時には、積分項の値が変化を阻止する方向に作用
する場合もあるので、実際の制御時には、設定値を変え
た時には積分項の値をソフトウェアでゼロにするように
なっている。
【0008】また、微分項は偏差同士の差を取っている
ことから操作量の変化が少ない時にはあまり利かないが
急激に偏差が変わる時には抑制的に作用することにな
る。そして、実際の流量制御装置において、初期時に仮
にバルブを全閉状態に設定していると、例えば流量50
%の設定値が入力されると大きな偏差が生じてしまうの
で、これを防止するためにm0 を例えば50%の操作量
に設定し、バルブを開状態としている。
【0009】しかしながら、一般的にはセンサの応答速
度は、それ程速くはないので、例えば設定値を急激に下
げた場合、フィードバックをかけているセンサ出力は僅
かの間、前の状態を示して偏差はゼロになり、するとm
0 が利いて弁は50%に開いてしまい、その結果、ガス
が急激に流れてオーバシュートを発生するという問題が
あった。これに対して、速度型PID制御の制御式は一
般的にはデジタル系において下記に示す数2のように表
される。
【0010】
【数2】
【0011】ここでΔmn は、バルブ開度の差を示し、
現在のバルブ開度mn を認めて、それに対してどのよう
な変化を与えるかという式を与えるものである。この制
御によれば、式より明らかなようにバルブ開度の変化分
のみ算出し、出力の前回位置との和は出力処理部で行う
ために、内部での出力計算値が出力信号域を超えること
がない点や、出力計算値が過大に変化し難い点や積分値
の内部計算において飽和することによる問題が生じない
点などの利点を有する反面、設定値が急激に変化した時
などのステップ応答時の応答速度が上記した位置PID
制御の場合と比較してかなり劣るという問題がある。図
6はこの状態を示しており、設定値が例えばデジタル系
において0Vから5Vに急激にステップ状に変化した時
には、バルブの開度(操作量)は点線で示されるように
緩慢に上昇し、そのために実際の流量もオーバシュート
することはないが流量は緩慢に設定値に向けて上昇する
ことになり、応答速度が悪いという問題がある。
【0012】特に、実際のバルブ部の流量特性は、弁開
度が小さい時の流量変化は少なく、ある程度以上の弁開
度になると流量変化も大きくなるような特性を有してい
るので、バルブ全閉状態で流量ゼロからステップ状に設
定値が変化した時の応答性がかなり劣るという問題があ
った。
【0013】本発明は、以上のような問題点に着目し、
これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明
の目的は、流量制御方式を途中で切り替えることにより
迅速且つオーバシュートのない流量制御を行うことがで
きる流量制御方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するために、流体を流す流体通路に介設された流量
制御弁を流量制御部から制御することにより前記流体の
流量を制御する流量制御方法において、予め複数の流量
設定値に応じた前記流量制御弁の定常操作量を測定して
テーブル化して記憶しておき、所定の流量設定値まで急
激に流量を変化する際に、前記流量制御部は前記所定の
流量設定値に対応した前記定常操作量をテーブルに基づ
いて求め、求められた定常操作量よりも所定の割合だけ
小さい初期操作量を前記流量制御弁に出力し、その後、
直ちに前記初期操作量を基準として速度型PID制御に
移行するようにしたものである。
【0015】
【作用】本発明は、以上のように構成されたので、流体
の流量を大きく変化させる場合、例えば流量ゼロの状態
から所定の流量設定値まで流量を急激に変化させる場
合、まず、その流量設定値の設定信号が入力されると流
量制御部はこの値に対応する定常操作量を予め記憶して
いるテーブルから求め、この定常操作量よりも所定の割
合、例えば0.6〜0.7倍の操作量を初期操作量とし
て出力する。この初期操作量を予め計算して同様にテー
ブル化しておけば迅速にこの初期操作量の値を抽出でき
る。また、テーブルに記憶されていない流量設定値の場
合には、その両側の記憶されている流量設定値等に補間
法を適用して対応する初期操作量を求める。このように
して求められた初期操作量に基づいて流量制御部は直ち
に流量制御弁を駆動制御し、初期操作量に見合った弁開
度だけ開く。
【0016】その後、直ちに、例えばセンサ部が安定す
るまでの僅かな時間が経過したら速度型PID制御へ移
行する。これにより、流体は当初急激に流れ出すが、そ
の時の流量設定値における初期操作量が定常操作量より
も小さく設定されているのでオーバシュートを生ずる程
急激な流れではない。そして、直ちに速度型PID制御
へ移行することにより、その時の弁開度を基準として徐
々に定常操作量に向けて弁開度が大きくなり、最終的に
流量設定値に対応した流量が流れることになる。このよ
うにして設定流量値が急激に変化した場合にあってもオ
ーバシュート等を生ずることなく迅速に所望する設定流
量値に流量が変化するように制御することが可能とな
る。
【0017】この場合、使用する環境の変化、例えば流
体通路が接続される配管系のガス差圧や流体通路の経年
変化等に応じてテーブル中の流量設定値に示す流体が実
際に流れている時の実際の操作量とこの時の定常操作量
にズレが生ずる場合があるが、ズレが過度に大きくなっ
た時にはテーブルの流量設定値を書き直すようにし、常
にアップデートな状態にしておくのが好ましい。
【0018】
【実施例】以下に、本発明に係る流量制御方法の一実施
例を添付図面に基づいて詳述する。図1は本発明に係る
流量制御方法を実施するためのガス質量流量制御装置を
示す概略構成図、図2は図1に示す制御装置の流量制御
部の構成を示すブロック図、図3は本発明の制御方法を
実施した時の流量設定値、流量及び操作量の変化を示す
グラフ、図4は差圧を変えた場合における流量制御弁の
操作量と流量との関係を示すグラフ、図5は図4から抜
き出された一部の特性曲線を示すグラフである。
【0019】まず、本発明に係る流量制御方法を実施す
るためのガス質量流量制御装置について説明する。図示
するようにこのガス質量流量制御装置2は、例えばステ
ンレススチール等により成形された流体通路4を有して
おり、この流体通路4のガス流体の流れ方向の上流側に
は大部分の流量を流すバイパス6が設けられ、下流側に
はガス流体の流量を制御するために弁体として例えばダ
イヤフラム8を備えた流量制御弁10が設けられる。
【0020】上記バイパス6の両端側には、質量流量検
出センサ部12のセンサ管14が接続されており、これ
にバイパス4と比較して小量のガス流体を流し得るよう
になっている。このセンサ管14には制御用の一対の電
熱コイル16が巻回されており、これに接続されたセン
サ制御回路18によりガス流体の質量流量を検出するよ
うになっている。
【0021】ここでの検出値は、2チャンネルのA/D
コンバータ20を介して例えばマイクロコンピュータ等
よりなる流量制御部22へ入力されている。また、外部
から入力される流量設定値を示す設定信号もこのA/D
コンバータ20を介して上記流量制御部22へ入力され
る。この設定信号は、通常0〜5Vのアナログ信号であ
り、上記A/Dコンバータ20にてデジタル信号へ変換
された後に流量制御部22へ入力される。
【0022】また、上記流量制御弁10は上記ダイヤフ
ラム8を上下駆動するためのアクチュエータとして小さ
なストローク範囲内で大きな推力変化を生ずる例えば積
層型圧電素子24を有しており、圧電素子駆動部26か
らの駆動信号で制御される。上記駆動部26へは、流量
制御部22からのデジタル駆動信号がD/Aコンバータ
28によりアナログ信号へ変換された後に入力されてお
り、上記流量設定値に対応した流量が流れるように流量
制御弁10の操作量すなわち弁開度を制御している。
【0023】そして、本発明においては予め複数の流量
設定値に応じた前記流量制御弁の定常操作量を測定して
テーブル化して記憶しておき、設定流量値が急激に変化
した時には、新たに設定された流量設定値に対応した定
常操作量を上記テーブルに基づいて求め、この求めた定
常操作量よりも所定の割合だけ小さい初期操作量を、ま
ず上記流量制御弁10に出力し、その後、直ちに上記初
期操作量を基準として速度型PID制御(前述の数2に
より表される)に移行するように上記流量制御部22は
プログラムされている。
【0024】すなわち、換言すれば、流量設定値が変更
されると新たに設定された流量設定値に対応する弁開度
(操作量)よりも少し小さな弁開度(初期操作量)ま
で、まず一気に開き、或いは閉じ、その後直ちに安定的
制御を特長とする速度型PID制御に移行し、結果的に
オーバシュートを生ずることなく迅速に設定量流量へ移
行するものである。
【0025】上記プログラム内容を機能的に表すと例え
ば図2に示すように表され、各種の演算を行う演算部3
0と、予め測定された流量制御弁の測定結果を書き換え
可能に記憶する例えばEEPROM(electric
al erazable programable R
OM)よりなる記憶部31と、センサ12が安定したか
否かを示すセンサ安定確認部34と、テーブル(表)を
書き替えるタイミングを知らせる書き替え指令部33と
よりなる。
【0026】上記センサ安定確認部32は、速度型PI
D制御へ切り替えるタイミングを知らせるものであり、
ガス流量の急激な減少或いは増加を感知したら、センサ
が安定したものと認識してセンサが安定した旨を演算部
30に知らせる。このセンサ安定化までの時間(応答時
間)は非常に短く、例えばμmsecオーダであるのに
対してダイヤフラム8を操作するアクチュエータの応答
時間は比較的長く、例えばmsecオーダである。
【0027】また、書き替え指令部33は、入力される
設定流量値が安定(一定)している場合において、駆動
信号として出力される実際の操作量とその時の流量設定
値の表中における操作量との間に一定量、例えば10%
以上の差が生じたならば表中の流量設定値を書き替える
ための書き替え信号を出力するものであり、この書き替
え信号を受けた演算部30は所定の計算を行って書き替
えを行う。以上のような操作は全てプログラムにより処
理される。ここで記憶部32に記憶される表1に示す内
容について説明する。
【0028】
【表1】
【0029】表1中において流量設定値Qは外部から入
力される目標とする流量を表すものであり、便宜上、最
大流量をQ1 〜Q10まで10%ずつ10段階に分割して
いるが、更に細分化してもよい。操作量は制御弁の弁開
度を示しており、流量設定値で表される流量を安定して
流す時に必要とされる弁開度を示している。ここで、一
般的には流量制御弁の操作量(弁開度)と流量との特性
は図4に示すようにヒステリシス特性を有しており、操
作量を増加していく場合と減少させていく場合とでは同
じ弁開度でも流量が異なり、しかも差圧が異なることに
よっても流量が異なるという複雑な特性を有している。
例えば弁開度が同一であるとすると差圧が大きい程、流
量は大きくなり、全体の特性曲線は相似形を示すことに
なる。このため表1に示すように同じ流量設定値Qに対
して弁開度増加時の操作量mAと、弁開度減少時の操作
量mBとが存在することになり、これらを両方測定す
る。また、流量ゼロの時は漏れを防止するために弁は強
い力で押さえ付けられているので、駆動電圧が例えば5
Vよりも低い領域では、弁が開いておらずに流量はゼロ
であり、駆動電圧が略5Vよりも大きくなると、弁が開
き始めてガスが流れ出すことになる。
【0030】尚、差圧が異なることによって、同一弁開
度でも流量が変化する点に対する補償は後述する。これ
らの操作量mA、mBの測定は、このガス流量制御装置
2を例えば半導体製造装置の配管系に実際に組み込んだ
後に行い、例えば流量を10%ずつ増加して或いは減少
して、その都度流量が安定した時の弁開度(アクチュエ
ータの駆動電圧と等価)を読み取って操作量mA、mB
として記憶部32に記憶する。
【0031】そして、上記それぞれの操作量mA、mB
に所定の割合α(1<0)を剰算してそれぞれ対応する
初期操作量mAo、mBoを求め、同様に記憶する。従
って、初期操作量mAo、mBoは次のように計算によ
り求められる。 mAo=α・mA mBo=α・mB ここでαは、初期操作量に相当する弁開度を一気に確立
したとしても流量がオーバシュートしないような値に設
定され、通常、0.6〜0.7の範囲内に設定される。
【0032】また、表1を形成する時の差圧は、この流
量制御装置が設置される環境において予想される最も大
きな差圧に設定する。例えば半導体製造装置における処
理ガスの配管系のガス圧は通常、最大3kgf/cm2
であるので、表1の作成時には差圧3kgf/cm2
基でデータを取るようにする。これにより、この流量制
御装置を、最大差圧3kgf/cm2 とするどのような
配管系に設けてもオーバシュートを生ずることがない。
また、流量制御装置が配置された配管系の差圧が、例え
ば3kgf/cm2 よりも小さい、例えば2kgf/c
2 であるとすると、表1に表された流量設定値Qに対
応するそれぞれの操作量及び初期操作量は全て大きくな
る(図4参照)。
【0033】そこで、制御速度の迅速性を確保するため
に学習機能により、表1中の流量設定値Qの値を対応す
るように全て書き替える。具体的には、流量設定値に規
定された流量が安定して流れている時の流量制御弁10
の実際の操作量(駆動信号の電圧に対応する)をモニタ
し、この流量設定値と上記操作量に対応する表1中の流
量設定値との比に基づいて、表1中の流量設定値を書き
替えるようにする。書き替えられた状態は表2に示され
る。
【0034】
【表2】
【0035】この場合、実際には操作量はヒステリシス
特性に起因して微視的に変動することが考えられるの
で、例えば10%以上の操作量の差が生じた時に書き替
え指令部34が書き替え信号を出力する。また、表1中
に記憶されていない流量設定値Q、例えば流量設定値Q
1 とQ2の間である例えば15%の流量設定値が入力さ
れた時には、流量設定値Q1 とQ2 のそれぞれに対応す
る操作量及び初期操作量より補間法により対応する値を
求めるようにする。尚、図1中、34は流量出力を例え
ば0〜5Vのアナログ信号に変換するD/Aコンバータ
であり、36は外部との通信を行う例えばRS232C
規格のインタフェースである。
【0036】次に、以上のように構成されたガス質量流
量制御装置を用いて行われる本発明方法の一例を具体的
に説明する。例えば差圧3kgf/cm2 の流体通路4
にガス流体が流れると、この一部はセンサ部12のセン
サ管14を流れ、大部分はバイパス6を流れて行き、流
体制御弁10によりその流量が制御されつつガス使用系
へ向かう。
【0037】センサ管14を流れるガス流体の流量は定
温度差方式のセンサ12により検出されて流体通路4全
体に流れる質量流量が求められ、流量制御部22へ入力
される。そして、この検出値が外部から入力されている
流量設定値と同一になるようにフィードバック制御がか
けられて流量制御弁10の積層型圧電素子24を駆動す
ることにより弁開度を制御することになる。
【0038】さて、本実施例において流量設定値が大幅
に変化した場合、例えば一例として流量ゼロの状態から
流量設定値Qが表1中においてQ3 まで急激に変化した
場合について説明すると、まず図3に示すように時間t
において流量設定値Q3 が設定信号として入力される
と、演算部30は記憶部31に記憶した表1中から流量
増加時の定常操作量mA3 を求め、この値に所定の割合
αを剰算することにより増加時の初期操作量mAO3
求める。尚、この初期操作量が予め算出されて表1中に
テーブル化されている場合には流量設定値Q3 に対応す
る値として初期操作量mAO3 (<mA3 )を直接読み
出すようにしてもよい。この初期操作量mAO3 は流量
制御部22より流量制御弁10側へ駆動信号として直ち
に伝達され、ダイヤフラム8は初期操作量mAO3 まで
一気に開かれることになる。
【0039】これにより、ガスは急激に流れ出し、この
ガス流は応答感度の速いセンサ12により検出され、す
るとセンサ安定確認部32(図2参照)がセンサが安定
した旨を演算部30に伝達する。すると、演算部30
は、ポイントAにおいて制御方式を前記数2で示したよ
うな速度型PID制御に切り替える。この制御方式は前
述したように現在の弁開度を認めて、これを基準として
安定して緩慢に設定値に向けて弁開度を調整するもので
あることから、弁の操作量はポイントAを境にしてすな
わち初期操作量mAO3 から安定して緩慢に上昇して行
く。この間、ガス流量は流量設定値Q3 に向けて急激に
増加して行くが、上記初期操作量mAO3は、オーバシ
ュートが発生しないように定常操作量mA3 よりも小さ
く設定されているのでオーバシュートが生ずることがな
く、迅速に流量設定値Q3 までガス流量を増加させるこ
とができる。従って、オーバシュートが発生しないの
で、例えば半導体製造装置にあっては急激な気体巻き込
みによるパーティクルの巻き上げが発生することを阻止
することができる。
【0040】このような動作は、流量ゼロからステップ
状に流量設定値が増加する場合のみならず、ガス流体が
ある程度流れている状態からステップ状に流量設定値が
増加する場合も同様である。また、逆にガス流体がある
程度流れている状態からステップ状に流量設定値が減少
する場合も同様に動作する。但し、この場合には、ガス
流量が減少することから減少時の定常操作量mB及び減
少時の初期操作量mBOの欄から値が選択され、或いは
値が算出されることになる。尚、この場合、流量設定値
Qが非常に低い場合、例えば最大流量の0.5%程度の
設定流量の場合には、この時の初期操作量mAOの電圧
値が、流量制御弁の流れが開始する駆動信号(駆動電
圧)よりも僅かに小さい直前の駆動信号(駆動電圧)と
なる場合もある。この点を図4を参照して説明すると、
例えば最大流量の0.5%の設定流量の時の定常操作量
を7ボルトとし、α=0.6と仮定すると、初期操作量
mAOは4.2ボルト(=7V×0.6)となり、弁が
開き始めてガスが流れ出す電圧、すなわち5ボルトより
も小さい値となる。
【0041】また、表1中に記憶されていない流量設定
値Qが入力された場合には(実際には、この種のケース
が多いと思われる)、この流量設定値Qが表1中にて位
置する箇所の両側の流量設定値に対応する定常操作量及
びその時の初期操作量から例えば按分などの補間法によ
り、対応する定常操作量及び初期操作量を求めるように
する。時間tからポイントAまでの時間Δtは、非常に
小さく、センサの応答性等にもよるが、例えば数μse
c程度に設定される。
【0042】また、上記動作にあっては、表1を作成す
るにあたり差圧3kgf/cm2 の基で実測を行い、且
つ流量制御弁が実装された配管系も差圧3kgf/cm
2 の配管系の場合なので、表1に示された値をそのまま
使用してもほとんど問題は生じないが、実際には使用ガ
スの性状により、差圧3kgf/cm2 より下回った環
境で使用される場合も生ずる。この場合には、図4を参
照しつつ前述したように差圧が異なると同一弁開度にお
いても流量特性が異なるので表1を補正する必要が生ず
る。図5に示すように差圧3kgf/cm2 (表1に対
応)で測定した表1は、例えば差圧0.5kgf/cm
2 の基で流量制御装置を使用する場合には、それに対応
して差圧0.5kgf/cm2 の流量特性を作る必要が
生ずるが、本実施例にあっては学習機能が設けられてお
り、自動的に表1を差圧0.5kgf/cm2 に対応し
た表2に書き替えるようになっている。
【0043】
【表2】
【0044】具体的には、例えば、ガス流量を増加する
場合を例にとると、当初は、表1に基づいて初期操作量
が選択或いは算出され、この初期操作量で弁開度が制御
されるが、流量設定値Qlの流量が安定的に流れる状態
においてはその時の実際の操作量mAkは表1中の増加
時の定常操作量mAlの値とは異なってくる。従って、
この時の実際の操作量mAkに対応する表1中の流量設
定値Qkを求め、このQlとQkにより表1中の流量設
定値Qを全て書き替えて表2に示す流量設定値Q’を作
る。この計算式は以下のように与えられる。 Q’=Q・Ql/Qk
【0045】実際の制御においては、図2に示すように
書き替え指令部33が流量設定値と駆動信号で示される
実際の操作量を常時モニタしており、流量設定値が変化
しない状態において、実際の操作量とその時の流量設定
値に対応する表1中の定常操作量との差が、所定の範
囲、例えば10%以上超えて大きくなった場合には、書
き替え信号を出力し、上記した書き替え操作が行われ、
表2に示すような新たな表が作られて記憶されることに
なる。以後は、この表2に基づいて前記したような制御
が行われることになる。
【0046】このように学習機能を設けて、必要時には
表の書き替え操作を行うようにすることで、どのような
差圧を有する配管系にも適用することができるのみなら
ず、また、ガスボンベの元圧の変化等に起因して差圧が
変化してもそれに対応することが可能となる。尚、上記
実施例においては、制御の切り替えのタイミングをセン
サ安定確認部32の動作にて行うようにしたが、これは
一例を示したに過ぎず、初期操作量の出力後に直ちに速
度型PID制御へ移行できるならば、どのような切り替
え機能を持たしてもよい。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の流量制御
方法によれば、次のように優れた作用効果を発揮するこ
とができる。流量設定値が急激に切り替えられた時に
は、新たな流量設定値に対応する初期操作量に弁開度を
直ちに設定し、その後直ちに速度型PID制御に移行す
るようにしたのでオーバシュートを生ずることなく迅速
に所望の流量に設定することができる。従って、半導体
製造装置のガス供給系に適用した場合には、オーバシュ
ートに起因したパーティクルの巻き上げを防止でき、歩
留まりの向上に寄与することができる。また、テーブル
上の流量設定値を実際の操作量に対応させて書き替える
ことにより、例えば使用系の差圧が当初より変動した場
合、或いは差圧が異なる使用系に適用した場合にあって
も対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る流量制御方法を実施するためのガ
ス質量流量制御装置を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す制御装置の流量制御部の構成を示す
ブロック図である。
【図3】本発明の制御方法を行った時の流量設定値、流
量及び操作量の変化を示すグラフである。
【図4】差圧を変えた場合における流量制御弁の操作量
と流量との関係を示すグラフである。
【図5】図4中から抜き出された一部の特性曲線を示す
グラフである。
【図6】当初より速度型PID制御を行った場合の流量
設定値、流量及び操作量の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
2 ガス質量流量制御装置 4 流体通路 6 バイパス 8 ダイヤフラム 10 流量制御弁 12 質量流量検出センサ 14 センサ管 22 流量制御部 24 積層型圧電素子 26 圧電素子駆動部 30 演算部 31 記憶部 32 センサ安定確認部 33 書き替え指令部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05D 7/06 G05B 7/02 G05B 11/36 501

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体を流す流体通路に介設された流量制
    御弁を流量制御部から制御することにより前記流体の流
    量を制御する流量制御方法において、予め複数の流量設
    定値に応じた前記流量制御弁の定常操作量を測定してテ
    ーブル化して記憶しておき、所定の流量設定値まで急激
    に流量を変化する際に、前記流量制御部は前記所定の流
    量設定値に対応した前記定常操作量をテーブルに基づい
    て求め、求められた定常操作量よりも所定の割合だけ小
    さい初期操作量を前記流量制御弁に出力し、その後、直
    ちに前記初期操作量を基準として速度型PID制御に移
    行するようにしたことを特徴とする流量制御方法。
  2. 【請求項2】 前記流量制御部は、前記流量設定値に規
    定された流量が安定して流れている時の前記流量制御弁
    の実際の操作量をモニタし、前記流量設定値と、前記実
    際の操作量に対応する前記テーブル上の流量設定値との
    比に基づいて前記テーブルの流量設定値を書き替えるよ
    うに構成したことを特徴とする請求項1記載の流量制御
    方法。
  3. 【請求項3】 前記初期操作量は、前記定常操作量の
    0.6〜0.7倍の範囲内に設定されることを特徴とす
    る請求項1または2記載の流量制御方法。
  4. 【請求項4】 前記テーブルに記憶されている定常操作
    量以外の定常操作量は、補間法により求められることを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の流量制御
    方法。
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