JP3402157B2 - 内燃機関のスロットル弁全閉状態判別装置 - Google Patents

内燃機関のスロットル弁全閉状態判別装置

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JP3402157B2
JP3402157B2 JP27800497A JP27800497A JP3402157B2 JP 3402157 B2 JP3402157 B2 JP 3402157B2 JP 27800497 A JP27800497 A JP 27800497A JP 27800497 A JP27800497 A JP 27800497A JP 3402157 B2 JP3402157 B2 JP 3402157B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スロットル開度セ
ンサあるいはスロットルスイッチを使用せずに内燃機関
の吸気管に設けられたスロットル弁の全閉状態を判別す
る内燃機関のスロットル弁全閉状態判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】スロットル開度センサあるいはスロット
ルスイッチを使用せずに内燃機関の吸気管に設けられた
スロットル弁の全閉状態を判別する手法として、スロッ
トル弁の全閉状態に対応するエンジン回転数及びエンジ
ン負荷の特性を複数記憶しておき、エンジン運転中の回
転数に対応する最小負荷に対応する特性を選択して、全
閉状態の検出に使用するようにしたものが従来より知ら
れている(特開平6−241106号公報)。
【0003】すなわち、この手法によれば、複数の特性
の中から選択された特性を使用して、検出したエンジン
回転数に対応するエンジン負荷が算出され、これに一定
値を加算することにより、全閉状態判定負荷が設定さ
れ、検出したエンジン負荷がこの全閉状態判定負荷より
小さいときに全閉状態と判定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の手法では、全閉状態に対応するエンジン回転数及び
エンジン負荷の特性を予め複数記憶しておく必要がある
ため、正確な判定を行うためには、メモリの容量が大幅
に増加するという問題がある。
【0005】また、上記従来の手法では、複数の特性の
中から1つの特性を選択するときは、エンジン回転数の
変動量及び検出したエンジン負荷に応じて、今回の選択
特性より1段階高負荷側若しくは低負荷側の特性が逐次
的に選択されるため、エンジン回転数が急激に落ち込ん
だとき等においては、特性の選択が不適切なものとなる
ことがあった。
【0006】さらに、エンジンの始動時においては、ス
ロットル弁が全閉であってもエンジンの回転数が低いた
め、吸気管内に発生する負圧が低く、エンジン負荷は高
くなるため、スロットル弁が開弁していると誤判定し易
いが、上記従来の手法ではこの点が考慮されていなかっ
た。
【0007】本発明は、上述した点に鑑みなされたもの
であり、スロットル開度センサあるいはスロットルスイ
ッチを使用することなく、スロットル弁の全閉状態を、
比較的簡単な構成でより正確に判定することができるス
ロットル弁全閉状態判別装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1に記載の発明は、内燃機関の吸気管に設けられ
たスロットル弁の全閉状態を判別する内燃機関のスロッ
トル弁全閉状態判別装置において、前記スロットル弁下
流に設けられ、吸気管内圧を検出する吸気管内圧検出手
段と、前記機関の回転数を検出する回転数検出手段と、
前記機関のアイドル運転時に前記機関の回転数を目標回
転数に制御する回転数制御手段と、前記目標回転数にお
いて前記スロットル弁の全閉状態でとり得る最大吸気管
内圧を算出し、該算出された最大吸気管内圧に基づいて
基準圧設定する基準圧設定手段と、検出した吸気管内
圧が前記基準圧より低いときに、前記スロットル弁が全
閉状態にあると判別する判別手段とを備えることを特徴
とする。
【0009】この構成によれば、アイドル運転時の目標
回転数において前記スロットル弁の全閉状態でとり得る
最大吸気管内圧が基準圧として設定され、検出した吸気
管内圧が前記基準圧より低いときに、スロットル弁がほ
ぼ全閉状態にあると判別される。その結果、スロットル
弁の全閉状態に対応するエンジン回転数と吸気管内圧の
組み合わせからなる多数のデータを予めメモリに記憶し
ておく必要がなく、簡単な構成で正確な全閉状態の判別
を行うことができる。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のスロットル弁全閉状態判別装置において、前記基準圧
設定手段は、前記機関の回転数が前記目標回転数より低
い場合においては、前記機関の回転数に応じた補間演算
により、前記最大吸気管内圧と大気圧との間の圧力に前
記基準圧を設定すること特徴とする。
【0011】この構成によれば、機関の回転数が前記目
標回転数より低い場合においては、機関の回転数に応じ
た補間演算により、前記最大吸気管内圧と大気圧との間
の圧力に前記基準圧が設定されるので、機関回転数が低
い状態でも正確な判定をすることができる。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載のスロットル弁全閉状態判別装置において、前
記基準圧設定手段は、前記最大吸気管内圧を、前記機関
の温度及び前記機関の外部負荷の少なくとも1つに基づ
いて算出することを特徴とする。
【0013】この構成によれば、前記最大吸気管内圧
は、機関の温度及び機関の外部負荷の少なくとも1つに
基づいて算出されるので、機関温度及び/または外部負
荷に応じて適切な基準圧が設定され、正確な判定を行う
ことができる。ここで、機関の外部負荷とは、例えば機
関の電気負荷やエアコンのコンプレッサの負荷などであ
る。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項1から3
のいずれかに記載のスロットル弁全閉状態判別装置にお
いて、前記機関の始動後前記機関の回転数が前記目標回
転数を越え、かつ前記吸気管内圧が前記基準圧から所定
値だけ減算した値より低くなるまで期間は、前記判別
手段の作動を禁止して、前記スロットル弁が全閉状態に
あると判定する判定手段をさらに備えることを特徴とす
る。
【0015】この構成によれば、機関の始動後、機関の
回転数が前記目標回転数を越え、かつ吸気管内圧が前記
基準圧より低くなるまで期間は、全閉状態の判別が禁止
されるので、機関始動時若しくは始動直後における誤判
定を防止することができる。
【0016】請求項5に記載の発明は、請求項1から4
のいずれかに記載のスロットル弁全閉状態判別装置にお
いて、前記基準圧設定手段は、前記機関の低負荷定常
転状態における吸気管内圧と、前記機関の慣らし運転終
了後における、スロットル弁の全閉状態に対応した所定
吸気管内圧との偏差に応じて前記最大吸気管内圧を補正
することを特徴とする。
【0017】この構成によれば、所定運転状態における
吸気管内圧と、前記機関の慣らし運転終了後における、
スロットル弁の全閉状態に対応した所定吸気管内圧との
偏差に応じて前記最大吸気管内圧が補正されるので、機
関の慣らし運転中においても正確な判定を行うことがで
きる。ここで、前記所定運転状態は、例えば機関の低負
荷定常運転状態とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。
【0019】図1は、本発明のスロットル弁全閉状態判
別装置の一実施形態に係る内燃機関(以下「エンジン」
という)及びその制御装置の構成図であり、例えば4気
筒のエンジン1の吸気管2の途中にはスロットル弁3が
配されている。
【0020】燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁
3との間かつ吸気管2の図示しない吸気弁の少し上流側
に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃
料ポンプに接続されていると共にエンジン制御用電子コ
ントロールユニット(以下「ECU」という)5に電気
的に接続されて当該ECU5からの信号により燃料噴射
の開弁時間が制御される。
【0021】吸気管2には、スロットル弁3をバイパス
する補助空気通路14が設けられ、その補助空気通路1
4の途中に電磁制御弁15が装着されている。
【0022】一方、スロットル弁3の直ぐ下流には吸気
管内圧検出手段としての吸気管内絶対圧(PBA)セン
サ7が設けられており、この絶対圧センサ7により電気
信号に変換された絶対圧信号は前記ECU5に供給され
る。また、その下流には吸気温(TA)センサ8が取付
けられており、吸気温TAを検出して対応する電気信号
を出力してECU5に供給する。
【0023】エンジン1の本体に装着されたエンジン水
温(TW)センサ9はサーミスタ等から成り、エンジン
水温(冷却水温)TWを検出して対応する温度信号を出
力してECU5に供給する。回転数検出手段としてのエ
ンジン回転数(NE)センサ10及び気筒判別(CY
L)センサ11はエンジン1の図示しないカム軸周囲又
はクランク軸周囲に取付けられている。エンジン回転数
センサ10はエンジン1のクランク軸の180度回転毎
に所定のクランク角度位置でパルス(以下「TDC信号
パルス」という)を出力し、気筒判別センサ11は特定
の気筒の所定クランク角度位置で信号パルスを出力する
ものであり、これらの各信号パルスはECU5に供給さ
れる。
【0024】ECU5にはさらに、エンジン1が搭載さ
れた車両の速度Vを検出する車速センサ22、エンジン
1により駆動される発電機のロータに供給される電流の
デューティ比VAGCを検出する電気負荷状態検出手段
23、及びエアコンのオンオフスイッチ、自動変速機が
ニュートラルまたパーキングレンジにあるか否かを示す
シフトスイッチ等の各種スイッチ24が接続されてお
り、これらのセンサの検出信号及びスイッチの切換信号
がECU5に供給される。
【0025】ECU5は、各種センサからの入力信号波
形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナロ
グ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する
入力回路、中央演算処理回路(以下「CPU」とい
う)、CPUで実行される各種演算プログラム及び演算
結果等を記憶する記憶手段、前記燃料噴射弁6、電磁制
御弁15などに駆動信号を供給する出力回路等から構成
される。
【0026】前記CPUは、上述の各種エンジンパラメ
ータ信号に基づいて、種々のエンジン運転状態を判別
し、該判別されたエンジン運転状態に応じて、燃料噴射
弁6等の駆動制御を行うとともに、エンジンのアイドル
運転時においてエンジン回転数NEが目標回転数NOB
Jとなるように電磁制御弁15の開度制御を行う。この
電磁制御弁15の開度制御は、エンジン1によって駆動
される発電機の電気負荷やエンジン1によって駆動され
るエアコンのコンプレッサなどの外部負荷の大きさに応
じて行われる。
【0027】また、本実施形態の装置は、スロットル弁
開度センサあるいはスロットルスイッチを備えていない
ので、ECU5のCPUは、以下に述べるようにスロッ
トル弁3の全閉状態を判別する処理を含む、エンジン1
のアイドル状態を判別するアイドル判別処理を実行す
る。
【0028】図2はこのアイドル判別処理のフローチャ
ートであり、本処理はTDC信号パルスの発生毎に実行
される。
【0029】ステップS1及びS2では、それぞれ図3
及び4に示す全閉判別処理及び始動判別処理を実行す
る。全閉判別処理では、スロットル弁3が全閉状態にあ
ることを「1」で示す全閉フラグFPBIDLEの設定
を行い、始動判別処理では、エンジン1が始動中または
始動直後の過渡的な状態にあることを「0」で示す始動
フラグFENIDLEの設定を行う。
【0030】続くステップS3では、全閉フラグFPB
IDLEが「1」か否かを判別し、FPBIDLE=1
であって、スロットル弁3が全閉状態にあると判別され
ているときは、車速Vが、所定車速VAIC(例えば4
km/h)より低いか否かを判別し(ステップS4)、
V<VAICであって当該車両がほぼ停止状態にあると
きは、エンジン回転数NEがアイドル判定回転数NAよ
り低いか否かを判別する(ステップS5)。ここで、ア
イドル判定回転数NAは、エンジン1のアイドル時の目
標回転数NOBJに応じて図7(a)に示す傾向で、目
標回転数NOBJより若干高くなるように設定される。
また、目標回転数NOBJは、同図(b)に示すように
エンジン水温TWに応じて設定される。同図(b)にお
いて、所定水温TW1及びTW2は、それぞれ例えば−
25℃及び80℃に設定され、所定回転数NOBJ1及
びNOBJ2は、それぞれ例えば、2000rpm及び
800rpmに設定される。
【0031】そしてステップS3からS5の答が全て肯
定(YES)のとき、エンジン1がアイドル状態にある
と判定して、アイドル状態にあることを「1」で示すア
イドルフラグFIDLEを「1」に設定する(ステップ
S6)。一方、ステップS3からS5のいずれかの答が
否定(NO)であるときは、アイドル状態以外の運転状
態と判定して、アイドルフラグFIDLEを「0」に設
定する(ステップS7)。
【0032】図3は、図2のステップS1における全閉
判別処理のフローチャートである。
【0033】ステップS11では、当該車両がAT車
(自動変速機を備えた車両)であるか否かを判別し、A
T車であるときは、最大吸気管内圧PBIDLEXをA
T車用の基本圧PBNLAに設定し(ステップS1
3)、MT車(手動変速機を備えた車両)であるとき
は、最大吸気管内圧PBIDLEXをMT車用の基本圧
PBNLMに設定する(ステップS12)。最大吸気管
内圧PBIDLEXは、エンジン回転数NEが目標回転
数NOBJとほぼ等しく、かつスロットル弁3が全閉状
態であるときにとり得る最大の吸気管内圧に対応するも
のである。また、基本圧PBNLA及びPBNLMは、
それぞれ図6(a)に示すようにエンジン水温TWが高
くなるほど低下するように設定され、PBNLA>PB
NLMなる関係を有する。
【0034】続くステップS14では、ステップS12
またはS13で設定された最大吸気管内圧PBIDLE
Xを、慣らし運転補正項DPBREFを加算することよ
り補正する。ここで、慣らし運転補正項DPBREF
は、後述する図5の処理で算出されるものであり、エン
ジン1は供用初期の段階、いわゆる慣らし運転中におい
ては設計時のフリクションより大きなフリクションを有
し、アイドル運転時の吸気管内絶対圧は大きくなるため
最大吸気管内圧PBIDLEXを適切な値とするために
補正を行うものである。より具体的には、慣らし運転補
正項DPBREFは、エンジン1の低負荷定常運転状態
における吸気管内絶対圧PBAのなまし値PBREF
と、エンジン1の慣らし運転終了後における、スロット
ル弁の全閉状態に対応した所定吸気管内圧PBREF0
との偏差(=PBREF−PBREF0)として算出さ
れる。
【0035】続くステップS15では、電磁制御弁15
の開度に比例する開度パラメータILOADに応じて図
6(b)に示すPBILOADテーブルを検索し、負荷
補正項PBILOADを算出する。PBILOADテー
ブルは、開度パラメータILOADが増加するほど、す
なわちエンジン1の外部負荷が増加するほど、負荷補正
項PBILOADが増加するように設定されている。そ
して、ステップS14で補正した最大吸気管内圧PBI
DLEXを、さらに負荷補正項PBILOADを加算す
ることにより補正する(ステップS16)。
【0036】次いでエンジン回転数NEに応じて基準圧
PBIDLEを算出する。すなわち、図6(c)に示す
ように、1)エンジン回転数NEが目標回転数NOBJ
以上であるとき(NE≧NOBJ)は、PBIDLE=
PBIDLEXとし、2)エンジン回転数NEが目標回
転数NOBJより低い所定回転数NPB(例えば400
rpm)以下であるとき(NE≦NPB)は、PBID
LE=PBIDLE0(例えば大気圧に相当する760
mmHg)とし、3)エンジン回転数NEが所定回転数
NPBと、目標回転数NOBJとの間にあるとき(NP
B<NE<NOBJ)は、PBIDLE=(PBIDL
E0−PBIDLEX)×(NOBJ−NE)/(NO
BJ−NPB)とする(すなわち基準圧PBIDLE
を、エンジン回転数NEに応じた補間演算により、大気
圧と最大吸気管内圧PBIDLEXとの間の値に設定す
る)。
【0037】続くステップS18では、アイドルフラグ
FIDLEが前回(本処理の前回実行時)「1」であっ
たか否かを判別し、前回FIDLE=1であってアイド
ル状態にあったときは、吸気管内絶対圧PBAが基準圧
PBIDLEより低いか否かを判別する(ステップS1
9)。そして、PBA<PBIDLEであるときは、ス
ロットル弁3が全閉であると判定し、全閉フラグFPB
IDLEを「1」に設定する(ステップS22)。ま
た、PBA≧PBIDLEであるときは、始動フラグF
ENIDLEが「1」か否かを判別し(ステップS2
1)、FENIDLE=1であって、エンジン始動中ま
たは始動直後の過渡状態ではないときは、スロットル弁
3が全閉でない、すなわち開弁していると判定して、全
閉フラグFPBIDLEを「0」に設定する(ステップ
S23)。
【0038】ステップS21でFENIDLE=0であ
って、エンジン始動中または始動直後の過渡状態である
ときは、吸気管内絶対圧PBAに値にかかわらずスロッ
トル弁3が全閉状態であると強制的に判定し、前記ステ
ップS22に進む。このようにすることにより、エンジ
ン始動中または始動直後において、スロットル弁3が全
閉状態であるにも拘わらず開弁していると誤判定するこ
とを防止することができる。
【0039】一方、ステップS18で前回FIDLE=
0であってアイドル状態でなかったときは、吸気管内絶
対圧PBAが下側基準圧PBIDLELより低いか否か
を判別する(ステップS20)。下側基準圧PBIDL
ELは、基準圧PBIDLEから減算項DPBIDLE
L(例えば30mmHg)を減算することにより算出さ
れものである。このように前回がアイドル状態でなかっ
たときは、下側基準圧PBIDLELを用いるのは、基
準圧にヒステリシスを付与してハンチングを防止するた
めである。
【0040】ステップS20でPBA<PBIDLEL
であるときは、スロットル弁3が全閉状態にあると判定
して前記ステップS22に進み、PBA≧PBIDLE
Lであるときは、スロットル弁3が開弁していると判定
して前記ステップS21に進む。
【0041】図4は、図2のステップS2における始動
判別処理のフローチャートである。
【0042】ステップS31では、エンジン回転数NE
が目標回転数NOBJより高いか否かを判別し、NE>
NOBJであるときは、吸気管内絶対圧PBAが前記下
側基準圧PBIDLELより低いか否かを判別する(ス
テップS32)。そして、ステップS31及びS32の
答がともに肯定(YES)であるときは、始動フラグF
ENIDLEを「1」に設定し(ステップS33)、ス
テップS31またはS32の答が否定(NO)のとき
は、直ちに本処理を終了する。始動フラグFENIDL
Eは、エンジン1が停止したとき「0」に設定されるフ
ラグであり、ステップS33で「1」に設定されるまで
は、「0」に保持され、エンジン始動中または、始動後
であってNE≦NEOBJまたはPBA≧PBIDLE
Lという条件を満たす始動直後であることを示す。そし
て、始動フラグFENIDLEは1度「1」に設定され
ると、エンジンが停止するまで「1」に保持される。す
なわち、図8に示すように時刻t0で始動を開始した場
合、時刻t1まではFENIDLE=0であり、時刻t
1以後はFENIDLE=1となる。
【0043】図5は、図3のステップS14で最大吸気
管内圧PBIDLEXの補正(エンジン1の慣らし運転
中の補正)に使用する慣らし運転補正項DPBREFを
算出する処理のフローチャートであり、本処理はECU
5のCPUで、例えばTDC信号パルスの発生に同期し
て実行される。
【0044】先ずステップS41では、当該車両がAT
車か否かを判別し、AT車でない、すなわちMT車であ
るときは直ちにステップS43に進む。また、AT車で
あるときは、シフトレバーの位置がニュートラル位置ま
たはパーキング位置にあるか否かを判別し(ステップS
42)、この答が否定(NO)、すなわちインギア状態
であるときは、ステップS43に進む。
【0045】ステップS43からS47では、以下の判
別を行う。すなわち、1)エンジン水温TWが所定水温
TWPBREF(例えば80℃)以下か否か、2)エン
ジン1によってコンプレッサが駆動されるエアコン(空
調装置)がオンか否か、3)エンジン1によって駆動さ
れる発電機のロータに供給される電流のデューティ比V
AGCが所定デューティ比VACGPB(例えば60
%)より高いか否か、4)吸気管内絶対圧PBAが所定
圧PBCX(AT車では、例えば560mmHgに設定
され、MT車では例えば510mmHgに設定される)
より高いか否か、及び5)エンジン回転数NEと目標回
転数NOBJとの偏差の絶対値DNOBJ(=|NE−
NOBJ|)が、所定偏差量DNPBREF(例えば5
0rpm)より大きいか否かを判別する。そして、ステ
ップS43からS47の答が全て否定(NO)であると
きは、下記式により吸気管内絶対圧PBAのなまし値P
BREFを算出する(ステップS48)。
【0046】PBREF=CXREF×PBA+(1−
CXREF)×PBREF ここで、右辺のPBREFは前回算出値、CXREFは
0から1の間の値に設定されるなまし係数である。
【0047】続くステップS49では、ステップS48
で算出したなまし値PBREFから、エンジン1の慣ら
し運転終了後における、スロットル弁の全閉状態に対応
した所定吸気管内圧PBREF0(例えば260mmH
g)を減算することにより、慣らし運転補正項DPBR
EFを算出する(ステップS49)。この慣らし運転補
正項DPBREFを所定範囲内に維持するステップ、よ
り具体的には、慣らし運転補正項DPBREFを正の値
に限定するステップを設けてもよい。
【0048】一方、ステップS42からS47のいずれ
かの答が肯定(YES)であるときは、直ちに本処理を
終了する。
【0049】以上のように本実施形態では、エンジン回
転数NEがアイドル運転時の目標回転数NOBJ以上で
あるときは、基準圧PBIDLEが最大吸気管内圧PB
IDLEXに設定され、吸気管内絶対圧PBAが基準圧
PBIDLEより低いときにスロットル弁が全閉状態に
ある判別するようにしたので、スロットル弁の全閉状態
に対応するエンジン回転数と吸気管内圧の組み合わせか
らなる多数のデータを予めメモリに記憶しておく必要が
なく、簡単な構成で正確な全閉状態の判別を行うことが
できる。
【0050】また、エンジン回転数NEが目標回転数N
OBJより低いときは、エンジン回転数NEに応じた補
間演算により、最大吸気管内圧PBIDLEXと大気圧
(PBIDLE0)との間の圧力に基準圧PBIDLE
を設定するようにした(図3、ステップS17)ので、
エンジン回転数NEが低下した場合においても、正確な
判別をすることができる。
【0051】また、最大吸気管内圧PBIDLEXは、
エンジン水温TWに応じて算出され(図3、ステップS
12またはS13)、さらに補助空気量を制御する電磁
制御弁15の開度によって代表されるエンジン1の外部
負荷に応じて補正される(図3、ステップS15、S1
6)ので、エンジン温度及び外部負荷に応じて適切な基
準圧が設定され、正確な判定を行うことができる。
【0052】また、始動フラグFENIDLEが「0」
である間、すなわちエンジン1の始動中及び始動直後に
おいては、吸気管内絶対圧PBAと基準圧PBIDLE
(またはPBIDLEL)との比較による判定結果に拘
わらず、常に全閉状態であると判定するようにした(図
3、ステップS21、図4)ので、エンジン始動中若し
くは始動直後における誤判定を防止することができる。
【0053】また、エンジン1の低負荷定常運転状態に
おける吸気管内絶対圧PBAのなまし値PBREFと、
エンジン1の慣らし運転終了後における、スロットル弁
の全閉状態に対応した所定吸気管内圧PBREF0との
偏差として算出される慣らし運転補正項DPBREFに
より、最大吸気管内圧PBIDLEXを補正するように
したので、エンジン1の慣らし運転中においても正確な
判定を行うことができる。
【0054】本実施形態では、ECU5及び電磁制御弁
15が回転数制御手段に相当し、図3のステップS11
からS17が基準圧設定手段に相当し、同図のステップ
S18からS20、及びS22が判別手段に相当し、同
図のステップS21が判定手段に相当する。
【0055】なお本発明は上述した実施形態に限るもの
ではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した
実施形態では、エンジン1の外部負荷を代表するパラメ
ータとして電磁制御弁15の開度に比例する開度パラメ
ータILOADを使用したが、エンジン1によって駆動
される発電機の出力電流や、エアコンのオンオフ、パワ
ーステアリングのオンオフなどを応じて最大吸気管内圧
PBIDLEXを補正するようにしてもよい。また、最
大吸気管内圧PBIDLEXは、エンジン水温TWまた
は外部負荷のいずれか一方に応じて補正するようにして
もよい。
【0056】また禁止手段に相当する図3のステップS
21は、例えばステップS17とS18の間に設け、F
ENIDLE=0であるときは、直ちにステップS22
に進み、FENIDLE=1であるときは、ステップS
18に進むように構成してもよい。
【0057】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1に記載した
発明によれば、アイドル運転時の目標回転数においてス
ロットル弁の全閉状態でとり得る最大吸気管内圧に基づ
いて基準圧設定、検出した吸気管内圧が前記基準圧
より低いときに、スロットル弁がほぼ全閉状態にあると
判別されるので、スロットル弁の全閉状態に対応するエ
ンジン回転数と吸気管内圧の組み合わせからなる多数の
データを予めメモリに記憶しておく必要がなく、簡単な
構成で正確な全閉状態の判別を行うことができる。
【0058】請求項2に記載の発明によれば、機関の回
転数が前記目標回転数より低い場合においては、機関の
回転数に応じた補間演算により、前記最大吸気管内圧と
大気圧との間の圧力に前記基準圧が設定されるので、機
関回転数が低い状態でも正確な判定をすることができ
る。
【0059】請求項3に記載の発明によれば、前記最大
吸気管内圧は、機関の温度及び機関の外部負荷の少なく
とも1つに基づいて算出されるので、機関温度及び/ま
たは外部負荷に応じて適切な基準圧が設定され、正確な
判定を行うことができる。
【0060】請求項4に記載の発明によれば、機関の始
動後、機関の回転数が前記目標回転数を越え、かつ吸気
管内圧が前記基準圧から所定値だけ減算した値より低く
なるまで期間は、全閉状態の判別が禁止され、スロッ
トル弁が全閉状態にあると判定されるので、機関始動時
若しくは始動直後における誤判定を防止することができ
る。
【0061】請求項5に記載の発明によれば、低負荷定
運転状態における吸気管内圧と、前記機関の慣らし運
転終了後における、スロットル弁の全閉状態に対応した
所定吸気管内圧との偏差に応じて前記最大吸気管内圧が
補正されるので、機関の慣らし運転中においても正確な
判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその
制御装置の構成を示す図である。
【図2】内燃機関のアイドル運転状態を判別する処理の
フローチャートである。
【図3】スロットル弁が全閉状態にあることを判別する
全閉判別処理のフローチャートである。
【図4】内燃機関が始動中または始動直後の過渡状態に
あることを判別する始動判別処理のフローチャートであ
る。
【図5】図3の全閉判別処理に用いる基準圧を補正する
補正項(DPBREF)を算出する処理のフローチャー
トである。
【図6】図3の処理で使用するテーブルを示す図であ
る。
【図7】内燃機関のアイドル運転状態における目標回転
数(NOBJ)及びアイドル判定回転数(NA)の設定
方法を説明するための図である。
【図8】図4の処理の動作を説明するためのタイムチャ
ートである。
【符号の説明】
1 内燃機関 2 吸気管 3 スロットル弁 5 電子コントロールユニット(ECU)(回転数制御
手段、基準圧設定手段、判別手段、禁止手段) 7 吸気管内絶対圧センサ(吸気管内圧検出手段) 10 エンジン回転数センサ(回転数検出手段) 15 電磁制御弁(回転数制御手段)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 9/00 F02D 9/02 F02D 45/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の吸気管に設けられたスロット
    ル弁の全閉状態を判別する内燃機関のスロットル弁全閉
    状態判別装置において、 前記スロットル弁下流に設けられ、吸気管内圧を検出す
    る吸気管内圧検出手段と、 前記機関の回転数を検出する回転数検出手段と、 前記機関のアイドル運転時に前記機関の回転数を目標回
    転数に制御する回転数制御手段と、 前記目標回転数において前記スロットル弁の全閉状態で
    とり得る最大吸気管内圧を算出し、該算出された最大吸
    気管内圧に基づいて基準圧設定する基準圧設定手段
    と、 検出した吸気管内圧が前記基準圧より低いときに、前記
    スロットル弁が全閉状態にあると判別する判別手段とを
    備えることを特徴とする内燃機関のスロットル弁全閉状
    態判別装置。
  2. 【請求項2】 前記基準圧設定手段は、前記機関の回転
    数が前記目標回転数より低い場合においては、前記機関
    の回転数に応じた補間演算により、前記最大吸気管内圧
    と大気圧との間の圧力に前記基準圧を設定すること特徴
    とする請求項1に記載の内燃機関のスロットル弁全閉状
    態判別装置。
  3. 【請求項3】 前記基準圧設定手段は、前記最大吸気管
    内圧を、前記機関の温度及び前記機関の外部負荷の少な
    くとも1つに基づいて算出することを特徴とする請求項
    1または2に記載の内燃機関のスロットル弁全閉状態判
    別装置。
  4. 【請求項4】 前記機関の始動後前記機関の回転数が前
    記目標回転数を越え、かつ前記吸気管内圧が前記基準圧
    から所定値だけ減算した値より低くなるまで期間は、
    前記判別手段の作動を禁止して、前記スロットル弁が全
    閉状態にあると判定する判定手段をさらに備えることを
    特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の内燃機関
    のスロットル弁全閉状態判別装置。
  5. 【請求項5】 前記基準圧設定手段は、前記機関の低負
    荷定常運転状態における吸気管内圧と、前記機関の慣ら
    し運転終了後における、スロットル弁の全閉状態に対応
    した所定吸気管内圧との偏差に応じて前記最大吸気管内
    圧を補正することを特徴とする請求項1から4のいずれ
    かに記載の内燃機関のスロットル弁全閉状態判別装置。
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